JPS6335184B2 - - Google Patents

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JPS6335184B2
JPS6335184B2 JP58155046A JP15504683A JPS6335184B2 JP S6335184 B2 JPS6335184 B2 JP S6335184B2 JP 58155046 A JP58155046 A JP 58155046A JP 15504683 A JP15504683 A JP 15504683A JP S6335184 B2 JPS6335184 B2 JP S6335184B2
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JP
Japan
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alkyl
carbon atoms
cationic
acid
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JP58155046A
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JPS6047077A (ja
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Yutaka Myata
Hideki Tamura
Takashi Koba
Ko Komatsu
Kazuhiro Murao
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Nippon Carbide Industries Co Inc
Original Assignee
Nippon Carbide Industries Co Inc
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Publication date
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Publication of JPS6335184B2 publication Critical patent/JPS6335184B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明はカチオン系合成樹脂水性エマルジヨン
を主成分とするアク止用塗装剤及びこれを使用す
るアク止方法に関する。 天然平板、合板等の木質板に水性塗料を塗布す
る場合、木質系基材上の塗膜上に更に水性塗料を
塗布する場合、或いは汚れた室内壁面に水性塗料
を塗布する場合等に、木質板の中や表面のアクや
或いは汚れた壁面のアクが新たに塗布した水性塗
料の塗膜面に滲出し、塗膜面の外観を損うことが
多かつた。 従来この様なアクによる塗膜面の変色を防止す
るには、水性塗料の塗布に先立つて有機溶剤型の
アク止用プライマーが塗布された。しかしなが
ら、有機溶剤型のアク止用プライマーは、有機溶
剤の使用に伴う危険性や作業環境の悪化は勿論、
作素性も著しく悪いといつた問題点があり、より
効果的な水性のアク止用塗装剤の出現が長い間望
まれていた。 本発明者等はかかる技術課題を解決すべく鋭意
研究を進めた効果、意外にもカチオン系合成樹脂
エマルジヨンを主成分とする塗装剤がアク止に極
めて有効なことを見出し、本発明を完成するに至
つたものである。 従来カチオン系合成樹脂エマルジヨンは、主に
モルタルの強化用添加剤として使用され、又紙の
改質剤としてビーターに添加して使用されたり、
或いはセメント系素地のプライマーとして一部使
用されており、また木質セメント板とセメント系
仕上げ塗装剤との接着性改良のための下塗り材と
しての使用が提案されている(特開昭56―92184
号)。しかし、カチオン系合成樹脂エマルシヨン
はアニオン系又はノニオン系合成樹脂エマルジヨ
ンに比べてその用途は極めて狭かつた。本発明は
カチオン系合成樹脂エマルシヨンの全く新しい用
途を開発したものであり、塗装業界全体の技術革
新にも大きく寄与するものと期待されている。 本発明のアク止用塗装剤はカチオン系合成樹脂
水性エマルシヨンを主成分とするものであるが、
好ましくは合成樹脂水性エマルシヨンが式() 式中、R1は炭素原子数が8〜24のアルキル基
を表わし、 R2はアルキル部分の炭素原子数が1〜2のア
ラルキル、炭素原子数が8〜24のアルキル又は炭
素原子数が1〜4のアルキルを表わし、 R3及びR4は独立して炭素原子数が1〜4のア
ルキルを表わし、 Xは塩素、臭素、沃素又は弗素を表わす のカチオン系界面活性剤、及び式() R6―NH2・HA () 式中、R6は炭素原子数が8〜24のアルキルを
表わし、 Aは1当量の酸残基を表わす のカチオン系界面活性剤よりなる群より選ばれた
1以上のカチオン系界面活性剤を含有するアク止
用塗装剤である。上記カチオン系界面活性剤の中
でも、特に式() のカチオン系界面活性剤が好適である。 本発明のアク止用塗装剤は、水性であるので従
来使用されていた有機溶剤型プライマーに比べて
危険性や作業環境上の問題がないことは勿論、特
に優れたアク止効果と共に、塗装作業性、接着
力、防水性の点でも優れた効果を奏するものであ
る。 本明細書で用いる「アク」とは、基材に水性塗
料を塗布した場合、基材から塗膜上に滲出して来
て乾燥時或いは乾燥後に塗膜面を変色させる物質
をいう。そのような物質の代表例としては、木材
のアクや長期間使用された屋内の壁面の煙草のヤ
ニ等がある。 本発明のアク止用塗装剤が使用される実施態様
としては、例えば、合板、フアイバーボード及び
パーテイクルボード等の基材上に本発明のアク止
用塗装剤を塗布し、更にこの上に水性の繊維壁
材、汎用屋内及び屋外塗料その他吹き付け塗装材
を施工してもよいし、また長期間の使用により煙
草のヤニや基材等からのアクで汚れた室内壁面
(基材)上に本発明のアク止用塗装剤を塗布して
後、水性の上記のような仕上剤等を施工してもよ
い。 更に合板基材に本発明のアク止用塗装剤を塗布
して後、この上にパテを塗布して合板表面の平滑
度を向上させ、必要に応じ模様プリントを施した
り壁紙を貼つたりして装飾が行なわれる。 本発明のアク止用塗装剤が施される対象の基材
の好ましいものは、合板、フアイバーボード又は
パーテイクルボード等の木質材(主として木質材
を含有するものを指し、好ましくは木材が50重量
%以上を占める基材をいう)及び使用により表面
が汚された壁面(塗料の塗布面又は壁紙等の貼ら
れた面をいう)であり、中でも使用により表面が
汚された壁面が特に好適である。 本発明のアク止用塗装剤の塗布方法は、従来の
水性塗料の塗布方法が適宜採用されるが、例えば
刷毛、ローラー、スプレー、ロール、カーテンフ
ローコーテイング等の塗布方法が好ましく、塗布
膜厚は乾燥塗膜として約0.005〜0.45mm、好まし
くは0.01〜0.45mm、特に好ましくは0.02〜0.40mm、
最も好ましくは0.02〜0.2mmであり、0.005mm未満
と薄すぎてはアク止効果が不十分で好ましくなく
また0.45mmを超えて厚すぎても格別の利点がない
ので好ましくない。 本発明のアク止用塗装剤の主成分であるカチオ
ン系合成樹脂水性エマルシヨンを構成する合成樹
脂は、重合性二重結合を有する単量体の1種又は
2種以上の単独重合体又は共重合体であり、かか
る単量体としては例えば(メタ)アクリル酸エス
テル系単量体、芳香族系ビニル単量体、ビニルエ
ステル系単量体及びアクリルニトリル系単量体等
があり、中でも(メタ)アクリル酸エステル系単
量体及び芳香族系単量体が好適である。 (メタ)アクリル酸エステル系単量体として
は、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、ア
クリル酸2エチルヘキシル、メタアクリル酸メチ
ル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸プロ
ピル、メタアクリル酸ブチル、メタアクリル酸2
エチルヘキシル、tert.ブチルアミノエチルメタク
リレート、アミノエチルアクリレート、アミノエ
チルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタ
アクリレート等を挙げることができる。これ等の
中でもアクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、ア
クリル酸2エチルヘキシル及びメタアクリル酸メ
チルが好ましい。 芳香族系ビニル単量体としては、スチレン、メ
チルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレ
ン、ブチルスチレン、ベンジルスチレン、クロル
スチレン等があり、スチレン及びメチルスチレン
が好適である。 ビニルエステル系単量体としては、例えば酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル及びヴ
アーサチツク酸ビニル等があり、中でも酢酸ビニ
ル及びヴアーサチツク酸ビニルが好適である。
又、アクリルニトリル系単量体としては例えばア
クリルニトリル、メタアクリルニトリル等があ
り、アクリルニトリルが好ましい。 本発明のアク止用の塗装剤の水性エマルシヨン
を構成する重合体の好ましい例は、上記単量体の
1種又は2種以上と、式() 式中、R7はH、メチルまたはエチルを表わし、 R8、R9及びR10は独立して炭素数1〜4のアル
キル、シクロヘキシルまたはフエニルを表わし、 Xは上記の意味を有する の不飽和単量体の共重合体である。式()の単
量体の例としては、2―ヒドロキシ―3―メタア
クリルオキシプロピルトリメチルアンモニウムク
ロライド、2―ヒドロキシ―3―アクリルオキシ
プロピルトリメチルアンモニウムクロライド、2
―ヒドロキシ―3―メタアクリルオキシプロピル
トリエチルアンモニウムブロマイド、2―ヒドロ
キシ―3―メタアクリルオキシプロピルトリブチ
ルアンモニウムクロライド、2―ヒドロキシ―3
―メタアクリルオキシプロピルメチルエチルブチ
ルアンモニウムクロライド、2―ヒドロキシ―3
―メタアクリルオキシプロピルジメチルフエニル
アンモニウムクロライド、2―ヒドロキシ―3―
メタアクリルオキシプロピルジメチルシクロヘキ
シルアンモニウムクロライド等があり、中でも2
―ヒドロキシ―3―メタアクリルオキシプロピル
トリメチルアンモニウムクロライドが好ましい。 また、カルボキシル基を有するエチレン性不飽
和単量体、架橋性単量体、(メタ)アクリル酸ア
ミド系単量体、ハロゲン化ビニル系単量体及びオ
レフイン系単量体も、必要に応じ共重合されても
よい。カルボキシル基を有するエチレン性不飽和
単量体としては、例えばマレイン酸、フマル酸、
無水マレイン酸、クロトン酸、アクリル酸、メタ
アクリル酸、イタコン酸等があり、中でもアクリ
ル酸、メタアクリル酸、イタコン酸が好ましい。
架橋性単量体としては、例えばジビニルベンゼ
ン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレー
ト、トリアリルイソシアヌレート、エチレングリ
コールジメタアクリレート、ヘキシレングリコー
ルジメタアクリレート、エチレングリコールジア
クリレート、ヘキシレングリコールジアクリレー
ト、グリシジルアクリレート、グリシジルメタア
クリレート等が挙げられる。 (メタ)アクリル酸アミド系単量体としては、
アクリルアマイド、メタアクリルアマイド、N―
メチロールアクリルアマイド、N―メチロールメ
タアクリルアマイド、N,N′―ジメチルアクリ
ルアマイド、ヒドロキシエチルアクリルアマイド
等があり、ハロゲン化ビニル系単量体としては塩
化ビニル、塩化ビニリデン、弗化ビニル等があ
る。また、オレフイン系単量体としては、エチレ
ン、プロピレン、ブタジエン等が挙げられ、その
他ビニルピリジン等も用いることが出来る。 本発明のアク止用塗装剤の水性合成樹脂エマル
シヨンを構成する重合体の特に好ましい例は、ア
クリル酸ブチル100重量部に対し、メタアクリル
酸メチル又はスチレン0〜200重量部、好ましく
は30〜150重量部、最も好ましくは50〜120重量部
及び2―ヒドロキシ―3―メタクリルオキシプロ
ピルトリメチルアンモニウムクロライド0〜60重
量部、好ましくは2〜30重量部、最も好ましくは
5〜15重量部を共重合させた共重合体である。 また本発明のカチオン系合成樹脂水性エマルジ
ヨンは前記単量体から得られるカチオン系水性エ
マルシヨンであれば、如何なる樹脂でも使用でき
るが、一般には前記単量体を乳化重合条件下に単
独重合もしくは共重合することによつて得られ
る。また、前記単量体を溶液重合し、後乳化して
得られるカチオン系水性エマルシヨンを使用する
ことができるし、カチオン系水性エマルシヨン、
ノニオン系合成樹脂水性エマルシヨンにカチオン
系界面活性剤を後添加して得られるカチオン系水
性エマルシヨンを使用することもできるが、乳化
重合が好ましい。 本発明で用いられるカチオン系水性合成樹脂エ
マルジヨンの好ましい重合手段である乳化重合
は、それ自体は公知の方法により、水性媒体中重
合触媒の存在下に界面活性剤及び/又は保護コロ
イドを使用して行なわれる。用いられる界面活性
剤はカチオン系界面活性剤であり、カチオン系界
面活性剤にノニオン系界面活性剤を併用すること
も出来る。そしてカチオン系界面活性剤及び併用
されることが出来るノニオン系界面活性剤は、
夫々、一種又は二種以上の単一使用又は複数種類
の併用が行なわれる。 好ましいカチオン系界面活性剤は、式() 式中、R1〜R4及Xは前記の意味を有する のカチオン系界面活性剤、及び式() R6―NH2・HA 式中、R6及びAは前記の意味を有する のカチオン系界面活性剤であり、式()のカチ
オン系界面活性剤が特に好適である。 式()のカチオン系界面活性剤の中でも、式
(′) 式中、R1′は炭素原子数10〜22のアルキルを表
わし、 R2′はR1′、ベンジル又は炭素原子数1〜4のア
ルキル(好ましくはメチル)を表わし、 R3′及R4′は独立して炭素原子数1〜4のアルキル
(好ましくはメチル)を表わす、 のカチオン系界面活性剤が好ましい。式(′)
のカチオン系界面活性剤の例としては、オクタデ
シルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシ
ルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデ
シルトリメチルアンモニウムクロライド、ジオク
タデシルシリメチルアンモニウムクロライド、ジ
ドデシルジメチルアンモニウムクロライド、ドデ
シルベンジルジメチルアンモニウムクロライド、
テトラデシルベンジルジメチルアンモニウムクロ
ライド、オクタデシルベンジルジメチルアンモニ
ウムクロライド、テトラデシルトリメチルアンモ
ニウムクロライド、ジヘキサデシルジメチルアン
モニウムクロライド、ジオクタデシルジメチルア
ンモニウムクロライド、ヘキサデシルベンジルジ
メチルアンモニウムクロライド、パルミチルトリ
メチルアンモニウムクロライド、オレイルトリメ
チルアンモニウムクロライド、ジパルミチルベン
ジルトリメチルアンモニウムクロライド、ジオレ
イルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド
等がある。 式()のカチオン系界面活性剤の中でも、式
(′) R6′―NH2・HA (′) 式中R6′は炭素原子数10〜20のアルキルを表わ
し、Aは酸残基を表わす のカチオン系界面活性剤が好ましい。式(′)
のカチオン系界面活性剤の例としては、ドデシル
アミン酢酸塩、テトラドデシルアミン酢酸塩、オ
クタデシルアミン酢酸塩、ドデシルアミン塩酸
塩、テトラデシルアミン塩酸塩、オクタデシルア
ミン塩酸塩、硬化牛脂アミン酢酸塩等がある。 そして式(′)、及び式(′)のカチオン系
界面活性剤において「炭素原子数10〜22のアルキ
ル」は、やし油、パーム油、サフラワー油、綿実
油、菜種油、亜麻仁油等の天然植物油を出発原料
とするアルキル基(混合アルキル基)が、特に好
適に使用できる。 上記多くのカチオン系界面活性剤の中でも、や
し油アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロ
ライド、ドデシルベンジルジメチルアンモニウム
クロライド、テトラデシルベンジルジメチルアン
モニウムクロライド、やし油アルキルトリメチル
アンモニウムクロライドが、特に最も好適であ
る。また好ましい態様のやし油アルキル基の組成
割合はC12アルキル;58%、C14アルキル;35%、
C16アルキル;7%である。 カチオン系界面活性剤に併用されるノニオン系
界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレン
オレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリル
エーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル;ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンオクチルフエニルエーテ
ル等のポリオキシエチレンアルキルフエニルエー
テル;ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリ
オキシエチレンモノステアレート等のポリオキシ
エチレンアルキルエステル;ソルビタンモノラウ
レート、ソルビタン・モノステアレート等のソル
ビタンエステル;ポリオキシエチレンソルビタン
モノラウレート等のソルビタンエステルエーテ
ル;ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロツ
クポリマー、ポリエチレングリコール等がある。 また、ジメチルアルキルベタイン、ラウリルベ
タイン、ステアリルベタイン等の両性界面活性剤
も併用できる。 一方保護コロイドの例としては、部分ケン化ポ
リビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアル
コール、変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシ
エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ズ、カルボキシメチルセルローズ塩などのセルロ
ース誘導体、及びその塩、グアーガムなどの天然
多糖類、などがあげられる。これらは、単独でも
複数種併用の態様でも利用できる。 重合触媒としては、過硫酸アンモニウム、過硫
酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩;式
() の2,2′―アゾビス―(2―アミジノプロパン)
塩酸塩;過酸化水素、ターシヤリブチルハイドロ
パーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイ
ド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ター
シヤリブチルパーオキシマイレツクアシツド等の
パーオキサイド等が用いられるが、中でも過酸化
水素、2,2′―アゾビス―(2―アミジノプロパ
ン)塩酸塩が好ましく、特に上記式()の2,
2′―アゾビス―(2―アミジノプロパン)塩酸塩
が好ましい。 又、乳化重合に際して、所望により、還元剤を
併用することができる。その例としては、アスコ
ルビン酸、酒石酸、クエン酸、ブドウ糖などの還
元性有機化合物、チオ硫酸ソーダ、亜硫酸ソー
ダ、重亜硫酸ソーダ、メタ重亜硫酸ソーダなどを
例示できる。 重合温度は適宜に選択できるが、例えば約40〜
約90℃の如き温度を例示できる。重合に際して、
予め所定の界面活性剤の全量を反応系に添加する
こともできるが、一部を予め反応系に添加して反
応を開始し、残部を重合中に連続的に添加もしく
は間隔をおいて分割添加することもできる。又、
各々の単量体についても、そのまま一括添加、或
は分割添加、或は又連続添加することができる
が、反応制御の上から連続添加することが好まし
い。 前述の界面活性剤、触媒の外に、乳化重合中に
PH調節剤、重合度調節剤、消泡剤などを適宜添加
できる。 本発明のアク止用塗装剤の主成分であるカチオ
ン系水性合成樹脂エマルシヨンの粘度、固形分濃
度、PH、平均粒子径及び重合体のガラス転移点及
び重合度は特に限定されるものではないが、下記
の範囲のものが好ましい。 固形分濃度(JIS―K6833)は10〜70重量%好
ましくは15〜60重量%、特に30〜55重量%が好ま
しい。 粘度はBH型回転粘度計、20rpm、25℃で10〜
10000cps、好ましくは10〜5000cps、特に10〜
1000cpsが好ましい。 PHは1〜8、好ましくは1.5〜7、特に好まし
くは2〜6.5である。 平均粒子径は0.01〜0.6μ、好ましくは0.01〜0.5
で、特に0.02〜0.5μが好ましい。 重合体の分子量は10000〜1000000、好ましくは
50000〜1000000で、特に10000〜500000が好まし
い。 重合体のガラス転移点(以下Tgという)は、
203〜323K、好ましくは220〜305Kで、特に260
〜300Kが好ましい。但し上記Tg値(K)は下式によ
つて求められた値を用いるものとする: 1/Tg0=W1/Tg1+W2/Tg2+……+Wo/Tgo 上式で、Tg0は求むべき共重合体のTg値を表
わし、 Tg1、Tg2、……Tgoは共重合体の構成単位で
ある単量体1、単量体2、……、単量体nの夫々の
単独重合体のTg値を表わし、W1、W2、……、
Woは単量体1、単量体2、……、単量体nの共重
合体における夫々の重量分率を表わす、 そして、各単量体の単独重合体のTg値の例を
下表に示す: 表―1 各単量体の単独重合体のTg値
【表】 本発明のアク止用塗装剤は、上記のカチオン系
水性合成樹脂エマルシヨンをそのまま使用しても
よいが、必要に応じて顔料等の着色剤、凍結安定
助剤、皮膜形成助剤、消泡剤、可塑剤、増粘剤、
PH調節剤、防カビ剤、界面活性剤、その他の合成
樹脂等の添加剤が加えられる。 本発明のアク止用塗装剤は、カチオン系水性合
成樹脂エマルシヨンを主成分とするものであり、
本明細書で「主成分とする」とはアク止塗装剤が
該カチオン系水性合成樹脂エマルシヨンを塗装剤
当り50重量%以上、例えば70重量%以上、好まし
くは80重量%以上、特に好ましくは90重量%以上
含有するものである。そして、本発明のアク止用
塗装剤は施工に際して、更に水乃至水系溶剤によ
り適宜な濃度に希釈して用いられることができ
る。 本発明のアク止塗装剤は、前記のように0.005
mm、好ましくは0.01mm、最も好ましくは0.02mmと
いつた極めて薄い乾燥塗膜であつても、良好なア
ク止効果を発揮するものであるが、施工時の塗布
済み部分と非塗布部分の識別を容易にするため、
顔料等の着色剤を、アク止効果に支障の生じない
範囲で添加することが好ましい。このような着色
剤の色としては、酸化チタン、チタンイエロー、
カーボンブラツク、ベンガラ、紺青、イエローオ
ーカー、ハンザイエロー、パーマネントオレン
ジ、ローダミンレーキ、チオインジゴレツド、フ
タロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、
ナフトールグリーン等が挙げられる。中でも、酸
化チタン、カーボンブラツク、紺青、フタロシア
ニングリーンが好ましい。之等の配合量は、約
0.1〜10重量%、好ましくは約0.5〜3重量%であ
る。 また、本発明のアク止用塗装剤は壁面に用いら
れることが多いので、必要に応じ壁用塗料に常用
される装飾材や充填剤例えば木質繊維、骨材、ク
レイ、マイカ、粒状及び繊維状の合成樹脂等が、
アク止効果に支障の生じない範囲で添加される。 以下に本発明の詳細を実施例によつて説明す
る: 実施例 1 2丸底フラスコに、水412gを入れ、加温し
80℃に調整する。十分フラスコ内を窒素置換した
後、アクリル酸ブチル(BA)228g、スチレン
(St)168gの混合物、2―ヒドロキシ―3―メタ
クリルオキシプロピルトリメチルアンモニウムク
ロライド(HM)4g、(BA:St:HMの混合重
量比57:42:1)アルリルベンジルジメチルアン
モニウムクロライド6gを混合した溶液132g、
2%2,2′―アゾビス―(2―アミヂノプロパ
ン)塩酸塩水溶液60gを撹拌下に4時間にわたつ
て連続的に添加、重合しPH2.8、粘度70cps、固形
分40.1%、Tg−9℃、平均粒子径0.23μのカチオ
ンエマルジヨンを得、これを本発明の塗装剤(以
下「組成物」ということあり)とした。 ラワン合板の上に、上記組成物をハケにて塗膜
が乾燥後厚み約100μになるように塗布し、室温
にて一日乾燥した後、屋内外用塗料(商品名ネオ
デラツクスA―20、亜細亜工業株式会社)を約
200g/m2を均一に塗布し、温度20℃、湿度75%
の乾燥室で24時間乾燥し塗面を観察したところ合
板からのアク、ヤニなどによる黄変、シミは全く
見られず白色を呈していた(以下、「合板アク止
テスト」という)。また繊維壁塗材、みつやNo.4
(株式会社東京福幸塗装工社製)を前記屋内外用
塗料に代えて塗布し、乾燥後外観を観察したが黄
変、シミなどはなかつた。またラワン合板に塗布
乾燥した白色繊維壁表面に未使用のタバコを水に
浸漬抽出して得られる黄褐色のニコチン液を塗布
し乾燥した後、前記本発明の組成物を刷毛にて約
100μ(乾燥後)塗布し室温にて一日乾燥後前記屋
内外用塗料(商品名ネオデラツクスA―20、亜細
亜工業株式会社製)を約200g/m2で均一に塗布
し、温度20℃、湿度75%の乾燥室で24時間乾燥
し、塗面を観察したところ下地からのタバコのヤ
ニなどによる黄変、シミ等は全く見られず白色を
呈していた。(以下「タバコアク止テスト」とい
う)。 また前記合板のアク止試験をしたものを、タバ
コのヤニの試験をしたものも接着力、防水性いず
れも優れたものであつた。アク止の試験結果を表
―2に記す。 実施例 2 2丸底フラスコに、水416gを入れ、加温し、
80℃に調整する。十分フラスコ内を窒素置換した
後、アクリル酸ブチル(BA)224g、メタアク
リル酸メチル(MMA)168gの混合物を、水120
gに2―ヒドロキシ―3―メタクリルオキシプロ
ピルトリメチルアンモニウムクロライド(HM)
8g、(BA:MMA:HMの混合重量比56:42:
2)アルキルベンジルメチルアンモニウムクロラ
イド4gを溶解した水溶性132gに混合乳化し、
5%L―アスコルビン酸水溶液10g、1%t―ブ
チルハイドロパーオキサイド50gと共に撹拌下に
4時間にわたつて連続的に添加し反応せしめ、PH
3の粘度60cps、固形分40.2%、Tg−3℃、平均
粒子径0.26μのカチオンエマルシヨンを得、これ
を本発明の組成物とした。得られた組成物を実施
例1と同様に合板アク止試験、タバコアク止試験
をおこなつた。試験結果を表―2に記す。 実施例 3 実施例1において単量体の混合重量比、乳化
剤、触媒を後記表―2に記載した以外は実施例1
と同様に乳化重合し、カチオンエマルジヨンを得
た。得られたエマルジヨン100gにエチレングリ
コール5g、ブチルカルビトートアセテート2
g、消泡剤0.05gを加え混合したものを本発明の
組成物とした。得られた組成物を実施例1と同様
に合板アク止試験、タバコアク止試験をおこなつ
た。試験結果を表―2に記す。 実施例 4〜11 実施例1において単量体の混合重量比、乳化
剤、触媒をそれぞれ後記表―2に記載した以外は
実施例1と同様に乳化重合し、カチオンエマルジ
ヨンを得、これを本発明の組成物とした。 得られた組成物を表―2記載の塗布厚として実
施例1と同様に合板アク止試験、タバコアク止試
験をおこなつた。試験結果を表―2に記す。 比較例 1 実施例1において、カチオン性モノマー(2―
ヒドロキシ―3―メタクリルオキシプロピルトリ
メチルアンモニウムクロライド)を使用せず、乳
化剤として、アルキルベンジルジメチルアンモニ
ウムクロライドのかわりにポリオキシエチレンノ
ニルフエニルエーテル12g、ドデシルベンゼンス
ルフオン酸ソーダー4g、触媒として2,2′―ア
ゾビス―(2―アミヂノプロパン)塩酸塩のかわ
りに過硫酸アンモニウムを使用し、アニオン系エ
マルジヨンを得た。 実施例1と同様にラワン合板上にてテストを行
つたところ、白色であるべき繊維壁は合板のアク
により黄色に着色が著しく、極めて外観に劣るも
のであつた。またタバコのアクにいつても同様で
繊維壁にはタバコアクのしみ出しによる汚染がひ
どく、見るにたえないものであつた。試験結果を
表―2に記す。 比較例 2〜3 比較例1において単量体の混合重量比、触媒を
それぞれ後記表―2に記載した以外は比較例1と
同様に乳化重合し、アニオン系エマルジヨンを得
た。 得られた組成物を比較例1と同様に合板アク止
試験、タバコアク止試験をおこなつた。試験結果
を表―2に記す。
【表】
【表】 {合板アク止テスト タバコアク止テスト}の判定方法: 塗布乾燥した白色塗料(ネオデラツクスA―
20、亜細亜工業株式会社製)を測色色差計(日本
電色工業(株)製ND―504型)にて、測色する。実
施例、比較例について、ガラス板上と木質板上で
の△Eを測定する。△E=0〜0.2を10、△E=
0.2〜0.4を9、△E=0.4〜0.6を8、△E=0.6〜
0.8を7、△E=0.8〜1.0を6、△E=1.0〜1.2を
5、△E=1.2〜1.4を4、△E=1.4〜1.6を3、
△E=1.6〜1.8を2、△E=1.8以上を1とした。
評価点8まではほとんど色差は肉眼で見わけがつ
かないが、評価点3以下では、極めて黄色の変化
が激しい事がわかる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 カチオン系合成樹脂水性エマルジヨンを主成
    分とするアク止用下塗塗装剤。 2 式() 式中、R1は炭素原子数が8〜24のアルキル基
    を表わし、 R2はアルキル部分の炭素原子数が1〜2のア
    ラルキル、炭素原子数が8〜24のアルキル又は炭
    素原子数が1〜4のアルキルを表わし、 R3及びR4は独立して炭素原子数が1〜4のア
    ルキルを表わし、 Xは塩素、臭素、沃素又は弗素を表わす のカチオン系界面活性剤及び式() R6―NH2・HA () 式中、R6は炭素原子数が8〜24のアルキルを
    表わし、 Aは1当量の酸残基を表わす のカチオン系界面活性剤よりなる群より選ばれた
    1以上のカチオン系界面活性剤を、合成樹脂水性
    エマルジヨンが含有する特許請求の範囲第1項記
    載のアク止用下塗塗装剤。 3 合成樹脂が式() 式中、R7はH、メチルまたはエチルを表わし、 R8、R9及びR10は独立して炭素数1〜4のアル
    キル、シクロヘキシルまたはフエニルを表わし、 Xは上記の意味を有する の不飽和単量体の共重合体である特許請求の範囲
    第1項または第2項記載のアク止用下塗塗装剤。 4 合成樹脂が、式() の2,2′―アゾビス(2―アミジノプロパン)塩
    酸塩の重合触媒の残基を含有する重合体である特
    許請求の範囲第1〜3項の何れかに記載のアク止
    用下塗塗装剤。
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