JPH06272305A - 柱とプレキャストコンクリート梁の接合部構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 太径の鉄筋を柱、梁接合部において機械式継
手を用いて接合でき、同時に柱、梁接合部から外側に出
る梁主筋同士の接合部を降伏させないようにする柱、梁
の接合部構造を提供することを目的としている。 【構成】 柱３部分に対向的に架設したプレキャストコ
ンクリート梁１，２の主筋４同士を、柱、梁接合部より
外側にずらした位置において接合してある。またプレキ
ャストコンクリート梁の接合端部には切り欠きを設ける
よう形成してある。さらに前記構成において、プレキャ
ストコンクリート間に跨がって水平ハンチを形成したも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は建築物における柱とプ
レキャストコンクリート梁の接合部構造に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来、大梁主筋を柱、梁接合部内部で接
合あるいは定着する際には、Ｌ形に曲げてアンカーする
とか、Ｕ形に曲げてアンカーする等の方法が実施されて
いる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで前記方法では
鉄筋が交錯するため、柱主筋の配筋が困難となり、施工
性、特にコンクリートの打設に問題が生じることが多
い。また十分な定着長さが確保できないため、プレキャ
ストコンクリート梁（以下ＰＣ梁という）に太径の鉄筋
を使用することが出来なかった。

【０００４】さらにねじ継手等の機械的継手を用いて
柱、梁接合部内で接合を行おうとすると、継手の太さが
大きいため直交する梁主筋の継手同士が交錯し施工が困
難となり、ＰＣ梁に太径鉄筋を使用することが出来なか
った。

【０００５】この発明は前記事情に鑑み開発されたもの
で、太径の鉄筋を柱、梁接合部において機械式継手を用
いて接合することが可能となり、同時に柱、梁接合部か
ら外側に出る梁主筋同士の継手部を降伏させないように
する柱、梁の接合部構造を提供することを目的としてい
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、この発明では、柱部分に対向的に架設したプレキャ
ストコンクリートの主筋同士を、柱、梁接合部より外側
にずらした位置において接合するよう形成したものであ
る。

【０００７】またプレキャストコンクリート梁の接合端
部には切り欠きを設けるよう形成したものである。

【０００８】さらに前記構成において、プレキャストコ
ンクリート梁間に跨がって水平ハンチを形成したもので
ある。

【０００９】

【実施例】以下図示した実施例に基づいて説明する。図
１はこの発明の柱、梁接合部の横断面図であり、１、２
はＰＣ大梁を示すものである。これらＰＣ大梁１、２は
柱３において十字状に架設されている。

【００１０】ＰＣ大梁１，２は対向的に架設され、一方
のＰＣ大梁１の接合端部はその幅方向中央部を切り欠
き、この切り欠き部１ａの両側に直方体状の突起１ｂを
形成し、突起１ｂの先端部分において柱３に載設してあ
る。またＰＣ大梁１に対向する他方の大梁２の接合端部
はその幅方向中央に直方体状の突起２ａを突設し、この
突起２ａの両側に長方形状の切り欠き２ｂを形成し、突
起２ａの先端部分において柱３に載設してある。

【００１１】４はＰＣ大梁１，２のそれぞれに配筋され
た梁主筋を示すものである。この梁主筋４は上、下５本
ずつ配筋されているもので、ＰＣ大梁１，２の梁主筋４
の内、内側部分に配筋された３本の梁主筋４はＰＣ大梁
１の切り欠き部１ａ内において管状継手５によって接合
され、外側部分に配筋された２本の梁主筋４はＰＣ大梁
２の切り欠き２ａ，２ａ内においてそれぞれ１本ずつ管
状継手５によって接合され、柱、梁接合部から外側にず
らした位置において梁主筋４同士の接合が行われるよう
形成してある。

【００１２】さらに図１に示すように、隣り合せに直交
して架設されたＰＣ大梁１，２間の隅角部に跨がって、
施工時に接合部型枠６を取付け、後打ちコンクリートを
打設することにより大梁１，２間に跨がる水平ハンチ７
を形成したものである。なお記号８は柱主筋を示すもの
である。

【００１３】

【発明の効果】この発明は以上の構成からなるので、次
の効果を有する。

【００１４】（１）大梁主筋の継手位置を平面的にずら
すことにより直立する主筋同士のジョイントの干渉を無
くし、一般に太さが梁主筋の２倍以上ある機械式継手の
接合部内での使用を可能とする。したがって従来困難で
あった梁２段筋のジョイントも可能となり、また柱主筋
との干渉も少なくなるメリットがある。

【００１５】（２）プレキャストコンクリート大梁端部
に継手接続用の切り欠きを形成することにより、継手の
接続作業を行い易くする。

【００１６】（３）主筋接合部に後打ちコンクリートで
水平ハンチを形成してあるので、柱、梁接合部から外部
に出る主筋継手部において梁主筋を降伏させないという
効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の施工時の状態を示す一部横断平面図
である。

【図２】この発明の施工時の状態を示す一部縦断面図で
ある。

【図３】接合状態を示す主筋部分の斜視図である。

【図４】後打ちコンクリートを打設した後の状態を示す
斜視図である。

【符号の説明】 １…ＰＣ大梁、２…ＰＣ大梁、３…柱、４…梁主筋、５
…継手、６…接合部型枠、７…水平ハンチ、８…柱主
筋。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 柱部分に対向的に架設したプレキャスト
   コンクリート梁の主筋同士を、柱、梁接合部より外側に
   ずらした位置において接合してなる柱とプレキャストコ
   ンクリート梁の接合部構造。
2. 【請求項２】 プレキャストコンクリート梁の接合端部
   には切り欠きを設けてなる請求項１記載の柱とプレキャ
   ストコンクリート梁の接合部構造。
3. 【請求項３】 プレキャストコンクリート梁間に跨がっ
   て水平ハンチを形成してなる請求項１，２記載の柱とプ
   レキャストコンクリート梁の接合部構造。