JPH1150538A - 建築物およびその施工方法 - Google Patents

建築物およびその施工方法

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JPH1150538A
JPH1150538A JP9208098A JP20809897A JPH1150538A JP H1150538 A JPH1150538 A JP H1150538A JP 9208098 A JP9208098 A JP 9208098A JP 20809897 A JP20809897 A JP 20809897A JP H1150538 A JPH1150538 A JP H1150538A
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JP
Japan
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concrete
building
steel
steel pipe
column
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JP9208098A
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Nobuyuki Maeda
信之 前田
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プレキャスト部材を用いて構築が可能である
とともに、施工時には、従来に比較して高所における作
業量を減少させることができ、なおかつ、高層建築物に
対して適用しても、十分な強度を発揮することが可能で
あるような建築物およびその施工方法を提供する。 【解決手段】 コンクリートCと、コンクリートCに埋
設されるとともに、その端部33aがコンクリートCか
ら突出する状態とされたH型鋼33とからなるプレキャ
スト梁26を製作しておき、充填鋼管コンクリート柱2
5を立設し、前記充填鋼管コンクリート柱25を構成す
る鋼管32に対して、プレキャスト梁26に埋設された
H型鋼33の端部33aを接合することにより、架構2
3を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、梁と柱とからなる
架構を備えて構成された建築物およびその施工方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、建築物を構築するにあた
っての現場での作業を軽減するために、梁や床板として
プレキャスト部材を用いて建築物を施工することが行わ
れてきている。
【0003】このようなプレキャスト部材を用いた建築
物の構築方法の一例として、例えば、HPC工法が挙げ
られる。HPC工法は、H型鋼とプレキャスト鉄筋コン
クリート部材を用いて、建築物を構築するものであり、
一般的には、図6に示すように行われる。すなわち、ま
ず、建築物1の柱2,2,…の芯をなすH型鋼3,3,
…を立設し、ついで、建築物1の桁行方向(図中A方
向)のH型鋼3,3,…間は、鉄骨4および図示しない
鉄筋を内蔵するプレキャスト梁5と壁6とを一体的に形
成したプレキャスト部材7を配置する。また、同時に、
梁間方向(図中B方向)のH型鋼3,3間には、ブレー
ス8,8,…を内蔵する耐震壁9と梁10が一体となっ
たプレキャスト部材11を配設し、これにより建築物1
を形成する。
【0004】また、このとき、H型鋼3,3,…の周囲
には鉄筋13,13,…が組まれることとなり、これら
鉄筋13,13,…は、プレキャスト梁5の図示しない
鉄筋に対して溶接される。さらに、鉄筋13,13,…
に対し、コンクリートが打設され、これにより柱2,
2,…が完成される。さらに、図6に示すように、床ス
ラブ14としては、鉄筋コンクリート製のプレキャスト
板15,15,…が用いられる。
【0005】このように、梁、壁、床スラブ等に対して
プレキャスト鉄筋コンクリート部材が用いられるため、
現場での作業量が軽減され、これにより、工事の容易化
および工期の短縮化を図ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
HPC工法を建築物の施工に用いる際には、以下のよう
な問題点が発生する。まず、この工法においては、図6
中に示すように、鉄筋13,13,…に対して、プレキ
ャスト梁4の図示しない鉄筋を溶接する作業が必要とな
る。また、鉄筋13,13,…に対してコンクリートを
打設するために鉄筋13,13,…の周囲に型枠を配置
する必要がある。
【0007】したがって、建築物2を形成するにあたっ
ては、これらの作業が負担となるばかりでなく、建築物
2を高層建築物として形成する場合には、これらが高所
作業となり、危険が生じることとなる。また、建築物2
を高層建築物とする場合には、柱2の芯をなすH型鋼
1,1,…の断面を大きくして、柱2を高強度化する必
要があるが、このようにした場合には、建設コストの増
大を招いてしまう。
【0008】本発明は、上記のような事情に鑑み行われ
たものであり、プレキャスト部材を用いて構築が可能で
あるとともに、施工時には、従来に比較して高所におけ
る作業量を減少させることができ、なおかつ、高層建築
物に対して適用しても、十分な強度を発揮することが可
能であるような建築物およびその施工方法を提供するこ
とをその目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明においては、上記
課題を解決するために以下の手段を採用した。すなわ
ち、請求項1記載の建築物は、梁と柱とからなる架構を
備えてなる建築物であって、前記柱は、充填鋼管コンク
リート柱により形成され、前記梁は、その少なくとも一
部が、コンクリートと該コンクリートに埋設された型鋼
とからなるプレキャスト梁により形成され、該型鋼の端
部は、前記コンクリートから突出する状態に形成される
とともに、前記充填鋼管コンクリート柱側に接合されて
いることを特徴とする。
【0010】この建築物においては、柱が充填鋼管コン
クリート柱により形成されるため、従来に比較して、構
造の高強度化を図ることが可能であり、また、柱の周り
に鉄筋を配設して、コンクリートを打設する必要がな
い。さらに、梁を柱に接合するにあたっては、型鋼の端
部を充填鋼管コンクリートを構成する鋼管に接合するだ
けでよい。
【0011】請求項2記載の建築物は、請求項1記載の
建築物であって、前記梁および柱によって囲まれた開口
部に設置された壁体を備えてなり、該壁体は、コンクリ
ートと、該コンクリートに埋設されるとともに、その前
記柱側の端部が、該コンクリートから突出状態とされた
ブレースとを備えた構成とされ、該ブレースの前記柱に
対向する端部は、該充填鋼管コンクリート柱を構成する
鋼管の外周面に突出状態に設けられた鋼板に対して接合
されていることを特徴とする。
【0012】この建築物においては、壁体に内蔵された
ブレースから柱への力の伝達が、柱に接合された鋼板を
介して行われることとなる。
【0013】請求項3記載の建築物は、請求項2記載の
建築物であって、少なくとも一部の前記プレキャスト梁
と前記壁体とが一体的に形成され、該プレキャスト梁に
埋設された型鋼の端部は、前記鋼板に対して接合されて
いることを特徴とする。
【0014】上記のような構成とされるため、この建築
物においては、壁体とプレキャスト梁との接合作業を現
場において行う必要がなく、また、壁体およびプレキャ
スト梁を配設する際の作業を、従来に比較して軽減する
ことができる。さらに、型鋼の端部がブレースと同位置
に接合されるため、充填鋼管コンクリート柱を構成する
鋼管に対して、これら型鋼およびブレースを取り付ける
ための部材を設ける手間を少なくすることができる。
【0015】請求項4記載の建築物の施工方法は、梁と
柱とからなる架構を備えてなる建築物の施工方法であっ
て、コンクリートと、該コンクリートに埋設されるとと
もに、その端部が該コンクリートから突出した状態とさ
れた型鋼とからなるプレキャスト梁を製作しておき、充
填鋼管コンクリート柱を立設し、前記充填鋼管コンクリ
ート柱を構成する鋼管に対して、前記プレキャスト梁に
埋設された型鋼の端部を接合することにより、前記架構
を形成することを特徴とする。
【0016】この建築物の施工方法においては、梁と柱
との接合作業を、プレキャスト梁に埋設された型鋼の端
部を充填鋼管コンクリート柱を構成する鋼管に対して接
合することによるのみで完了することができる。
【0017】請求項5記載の建築物の施工方法は、請求
項4記載の建築物の施工方法であって、前記プレキャス
ト梁の下方には、前記型鋼の下方に接合されたブレース
と、該ブレースに対して打設されたコンクリートとから
なる壁体を、前記プレキャスト梁と一体的に形成し、な
おかつ、該壁体を形成するにあたっては、前記ブレース
における該壁体の側縁端側の端部を前記コンクリートか
ら突出状態としておき、一方、前記充填鋼管コンクリー
ト柱を構成する鋼管の外周面には、鋼板を突出状態に設
けておき、これら壁体およびプレキャスト梁を前記充填
鋼管コンクリート柱に接合するにあたっては、前記型鋼
およびブレースの端部を、前記鋼板に対して接合するこ
とを特徴とする。
【0018】上記のような構成とされるため、この建築
物の施工方法においては、壁体とプレキャスト梁とを別
々に設置する場合に比較して、施工作業の軽減化を図る
ことができる。また、型鋼およびブレースが同一の箇所
に接合されるため、これらが別々の箇所に接合される場
合に比較して、充填鋼管コンクリート柱へ壁体およびプ
レキャスト梁を接合するにあたっての作業を簡略化する
ことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
を、図面に基づいて説明する。図2は、本発明の一実施
の形態である建築物20を施工中の状況を示す図であ
る。図中に示すように、建築物20は、柱21,21,
…および梁22,22,…からなる架構23と、床スラ
ブ24とを備えた構成とされている。柱21,21,…
は、充填鋼管コンクリート柱25により形成され、ま
た、梁22,22,…は、プレキャスト梁26を用いて
形成されている。また、建築物20の梁間方向(図中P
方向)に延在するプレキャスト梁26と柱22,22と
によって囲まれる開口部27には、壁体28が設置され
ている。壁体28は、コンクリートC中に鋼板からなる
ブレース30,30,…が埋設された構成とされるとと
もに、その上方に位置するプレキャスト梁26と一体的
に形成されている。
【0020】図1は、図2において示した充填鋼管コン
クリート柱25とプレキャスト梁26との接合部31の
構造の一例を示した図である。図中に示すように、充填
鋼管コンクリート柱25は、角型に形成された鋼管32
の内部にコンクリートCが打設されることにより形成さ
れる。
【0021】一方、プレキャスト梁26は、コンクリー
トCとコンクリートCに埋設されたH型鋼33とを備え
た構成とされており、なおかつ、H型鋼33の端部33
aがコンクリートCから突出する状態に形成される。
【0022】なお、H型鋼33には、図示しない耐火被
覆が施されており、コンクリートCは、この耐火被覆を
覆うように設けられるとともに、耐火被覆を保護する役
割を果たす。
【0023】さらに、H型鋼33の周囲には、H型鋼3
3に沿って鉄筋34,34,…が配置され、さらに鉄筋
34,34,…に直交するようにスターラップ35,3
5,…が配置されている。これら鉄筋34,34,…お
よびスターラップ35,35,…は、構造材としての役
割を果たすことを目的として設けられたものではなく、
コンクリートC中に埋設されてコンクリートCにおいて
クラックが発生することを防止する機能を果たすことを
目的として設置されたものである。
【0024】また、図1中に示すように、上記のプレキ
ャスト梁26のうち、建築物20の桁行方向(図中Q方
向)に延在するように配置されたプレキャスト梁26a
は、その内部に埋設されたH型鋼33の端部33aが、
充填鋼管コンクリート柱25のダイヤプレート36に対
して接合される構成とされる。
【0025】さらに、図1中に示すように、ブレース3
0の充填鋼管コンクリート柱25側に対向する端部30
aは、壁体28を構成するコンクリートCから突出する
構成とされている。
【0026】図3は、図1に示した充填鋼管コンクリー
ト柱25とプレキャスト梁26との接合部31の構造
を、建築物20の桁行方向(図1中Q方向)から見た場
合の状況を示した図である。図中に示すように、鋼管3
2の外周面32aには鋼板38が設けられている。鋼板
38は、鋼管32の外周面32aから突出した状態とさ
れるとともに、上下方向に延在するように配置され、さ
らに、鋼板38には、壁体28,28から突出する構成
とされたブレース30,30の端部30a,30aと、
建築物20の梁間方向(図中P方向)に延在するプレキ
ャスト梁26bに内蔵されたH型鋼33の端部33aと
が接合されている。また、鋼板38の上下には、補強鋼
板39,39が鋼板38と直交する状態に配置されてお
り、これにより、ブレース30からの引張力を、鋼管3
2におけるQ方向の側壁32b,32b(図1参照)に
対して伝達することができる。
【0027】また、図4は、図1に示した接合部31を
上方から見た場合の状況を示す図である。図中に示すよ
うに、補強鋼板39は、その長さ寸法が、鋼管32の一
辺の寸法と略同一に形成される。
【0028】以上が、本実施の形態における建築物20
の主要な構成であるが、次に、建築物20を構築するに
あたっての手順について説明する。建築物20の構築を
行うにあたっては、まず、プレキャスト梁26を工場製
作しておく。この際、特に、プレキャスト梁26bにつ
いては、壁体28と一体的に形成しておく。また、その
一方で、建築物20の基礎部分の施工を行うとととも
に、この基礎部分に対して充填鋼管コンクリート柱2
5,25,…を立設する。充填鋼管コンクリート柱2
5,25,…には、ダイヤプレート36を取り付けてお
くとともに、鋼管32の外周面32aには、鋼板38お
よび補強鋼板39を溶接する。
【0029】続いて、これら充填鋼管コンクリート柱2
5,25,…間に、プレキャスト梁26aと、プレキャ
スト梁26bおよび壁体28を一体的に形成したものと
を配置する。この際、H型鋼33の端部33aは、ダイ
ヤプレート36または鋼板38に接合され、ブレース3
0の充填鋼管コンクリート柱25に対向する端部30a
は、鋼板38に接合される。
【0030】このようにして充填鋼管コンクリート柱2
5,25,…とプレキャスト梁26,26,…とからな
る架構23を形成したら、こんどは、図5に示すよう
に、床板41をプレキャスト梁26上に配置する。床板
41は、プレキャスト鉄筋コンクリート板からなるもの
であり、その上面41aにはトラス筋42が突出状態に
配置される構成とされたものである。
【0031】さらに、図5に示すように、これら床板4
1およびプレキャスト梁26に対して、その上方からコ
ンクリートCを打設することによって、梁22および床
スラブ24が完成される。
【0032】以上が、本実施の形態における建築物20
の構築方法である。このように建築物20においては、
柱21が、充填鋼管コンクリート柱25により形成され
るとともに、梁22がプレキャスト梁26により形成さ
れ、さらに、プレキャスト梁26に内蔵されたH型鋼3
3の突出する端部33aが、充填鋼管コンクリート柱2
5側に接合される構成とされる。
【0033】したがって、建築物20においては、梁2
2から作用する力を、充填鋼管コンクリート柱25の鋼
管32と、鋼管32内に充填されたコンクリートCとに
ともに受け持たせることができ、これにより、従来に比
較して、構造の高強度化を図ることができる。
【0034】また、柱21に対してコンクリートCが打
設されないため、型枠の設置・撤去に係る作業や、柱の
周囲に鉄筋を組む作業を行う必要がない。さらに、梁2
2を柱21に接合するにあたっては、H型鋼33の端部
33aを充填鋼管コンクリート柱25側に接合するだけ
でよく、図6に示した従来の構造のように鉄筋13に対
して、プレキャスト梁5の主筋を溶接する必要がない。
これらのことから、従来と比較して、高所における作業
量を軽減することが可能であり、建築物20が高層建築
物であったとしても、施工時の安全確保を容易に行うこ
とができる。
【0035】また、建築物20は、梁22および柱21
によって囲まれた開口部27に設置された壁体28を備
えた構成とされており、壁体28には、ブレース30,
30,…が内蔵されるとともに、ブレース30の柱21
側の端部30aが、コンクリートCから突出する構成と
されている。さらに、この端部30aは、充填鋼管コン
クリート柱25を構成する鋼管32の外周面32aに設
けられた鋼板38に対して接合される。これによって、
壁体28が、柱21に対して強固に接合されるだけでな
く、ブレース30から作用する力が鋼管32に対して良
好に伝達され、これにより、壁体28が耐震壁としての
役割を良好に果たすことができる。さらに、鋼板38に
対して補強鋼板39,39が設けられることにより、ブ
レース30から作用する引張力を、鋼管32の全周に対
して伝達することができる。
【0036】また、壁体28と、建築物20の梁間方向
に配置されたプレキャスト梁26bとが一体的に形成さ
れるため、これらを現場において接合する作業が不要と
なるだけでなく、これら壁体28およびプレキャスト梁
26bを、プレキャスト部材として建築物20内に容易
に設置することができる。さらに、プレキャスト梁26
bに内蔵されたH型鋼33の端部33aと、壁体28か
ら突出するブレース30の端部30aとが、ともに鋼板
38に対して固定されるために、鋼管32に対し、これ
らブレース30およびH型鋼33が取り付く部分を別々
に形成する必要がなく、これによって、プレキャスト梁
26bおよび壁体28を鋼管32に接合する作業の容易
化を図ることができる。
【0037】また、上述した建築物20の施工方法にお
いては、プレキャスト梁26をH型鋼33の端部33a
がコンクリートCから突出した状態となるように形成し
ておき、このH型鋼33の端部33aを、立設した充填
鋼管コンクリート柱25に接合することにより、架構2
3が形成されることとなる。したがって、梁と柱との接
合を行うにあたって、鉄筋溶接等の作業が必要となら
ず、作業を容易に行うことができるだけでなく、従来に
比較して、高所における作業量が減少する。
【0038】さらに、上述の建築物20の施工方法にお
いては、プレキャスト梁26bと壁体28とを一体的に
形成しておく一方、鋼管32には、プレキャスト梁26
bに内蔵されたH型鋼33の端部33aと、ブレース3
0の端部30aとを固定するための鋼板38を設けてお
き、この鋼板38に、H型鋼33の端部33aおよびブ
レース30の端部30aを接合することによって、プレ
キャスト梁26bおよび壁体28を建築物20内部に設
置する構成が採用されている。このようにすることによ
って、壁体28とプレキャスト梁26bとを一体的に設
置することが容易に可能となり、作業性をより一層向上
させることができる。
【0039】以上において本発明の一実施の形態を説明
したが、上記実施の形態において、本発明の主旨を逸脱
しない範囲で、建築物20の各部の構成や、施工手順等
について他の構成を採用するようにしても構わない。例
えば、上記実施の形態においては、鋼管32としては、
角形鋼管が用いられているが、その代わりに断面が円形
状の鋼管を用いるようにしても構わない。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る建
築物においては、柱が充填鋼管コンクリート柱により形
成されるとともに、梁の少なくとも一部がプレキャスト
梁により形成され、さらに、プレキャスト梁に埋設され
た型鋼の端部が、プレキャスト梁を構成するコンクリー
トから突出するとともに、充填鋼管コンクリート柱側に
接合される構成とされる。このように、柱が充填鋼管コ
ンクリート柱により形成されることにより、従来に比較
して、構造の高強度化を図ることが可能であり、また、
柱の周りに鉄筋を配設してコンクリートを打設する作業
が不要となる。さらに、梁と柱とが上記のように接合さ
れるため、梁と柱との接合に伴って、鉄筋同士の溶接作
業等を行う必要がない。したがって、従来に比較して、
高所において行うべき作業の量を減少させることがで
き、施工時の安全の確保を容易に行うことができる。ま
た、これにより、本発明の建築物を、高層建築物として
好適なものとすることができる。
【0041】請求項2に係る建築物においては、柱と梁
によって囲まれた開口部に設置された壁体にブレースが
内蔵され、このブレースの柱側の端部が、壁体を構成す
るコンクリートから突出して、充填鋼管コンクリート柱
の外周面に設けられた鋼板に対して接合される構成とさ
れる。これによって、壁体が柱に対して強固に接合され
るだけでなく、ブレースから柱への力の伝達が確実に行
われ、壁体が耐震壁としての役割を良好に果たすことが
できる。また、壁体が上記のように柱に対して接合され
るため、壁体に対してプレキャスト部材を好適に用いる
ことができる。
【0042】請求項3に係る建築物においては、柱と梁
によって囲まれた開口部に設置された壁体とプレキャス
ト梁とが一体的に形成されるため、これらを現場におい
て接合する作業が不要であり、なおかつ、これら壁体お
よびプレキャスト梁を、プレキャスト部材として建築物
内に容易に設置することができる。さらに、プレキャス
ト梁に内蔵されたH型鋼の端部と、壁体から突出するブ
レースの端部とが、ともに、鋼管に突出状態に設けられ
た鋼板に対して固定されるために、鋼管に対して、これ
らブレースおよびH型鋼が取り付く部分を別々に形成す
る必要がなく、これによって、架構の構築に係る作業を
容易化することができる。
【0043】請求項4に係る建築物の施工方法において
は、型鋼を心材としてプレキャスト梁を製作するにあた
って、型鋼の端部がプレキャスト梁を構成するコンクリ
ートから突出した状態となるようにしておき、この型鋼
の端部を、立設した充填鋼管コンクリート柱に接合する
ことにより、架構を形成することとされている。したが
って、梁と柱との接合を行うにあたっては、鉄筋溶接等
の作業が必要とならず、作業を容易に行うことができる
だけでなく、従来に比較して、高所における作業量が減
少させることができる。したがって、この建築物の施工
方法は、高層建築物を施工するにあたって用いて好適な
ものとなる。
【0044】請求項5に係る建築物の施工方法において
は、プレキャスト梁と壁体とを一体的に形成しておく一
方、充填鋼管コンクリート柱を構成する鋼管に対し、プ
レキャスト梁に内蔵された型鋼の端部とブレースの端部
とが取り付くための鋼板を設けておき、この鋼板に、型
鋼の端部およびブレースの端部を接合することによっ
て、プレキャスト梁および壁体を建築物の内部に設置す
る構成が採用されている。このようにすることによっ
て、壁体とプレキャスト梁とを一体的に設置して作業性
の向上を図ることが可能であるとともに、壁体を柱に対
して容易かつ確実に設置することできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態である建築物における
プレキャスト梁と柱との接合部の構造を示す斜視図であ
る。
【図2】 本発明の一実施の形態である建築物を施工途
中の状況を示すための建築物の外観斜視図である。
【図3】 図1に示したプレキャスト梁と柱との接合部
を、建築物の桁行方向から見た際の状況を示す側断面図
である。
【図4】 図1に示したプレキャスト梁と柱との接合部
を、上方から示した際の状況を示す平断面図である。
【図5】 図1に示した建築物における床スラブと梁と
の位置関係を示すための立断面図である。
【図6】 本発明の従来の技術である建築物およびその
施工方法を示すための斜視図である。
【符号の説明】
20 建築物 21 柱 22 梁 23 架構 25 充填鋼管コンクリート柱 26 プレキャスト梁 27 開口部 28 壁体 30 ブレース 30a 端部 32 鋼管 32a 外周面 33 H型鋼 33a 端部 38 鋼板 C コンクリート

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 梁と柱とからなる架構を備えてなる建築
    物であって、 前記柱は、充填鋼管コンクリート柱により形成され、 前記梁は、その少なくとも一部が、コンクリートと該コ
    ンクリートに埋設された型鋼とからなるプレキャスト梁
    により形成され、 該型鋼の端部は、前記コンクリートから突出する状態に
    形成されるとともに、前記充填鋼管コンクリート柱側に
    接合されていることを特徴とする建築物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の建築物であって、 前記梁および柱によって囲まれた開口部に設置された壁
    体を備えてなり、 該壁体は、コンクリートと、該コンクリートに埋設され
    るとともに、その前記柱側の端部が、該コンクリートか
    ら突出状態とされたブレースとを備えた構成とされ、 該ブレースの前記柱に対向する端部は、該充填鋼管コン
    クリート柱を構成する鋼管の外周面に突出状態に設けら
    れた鋼板に対して接合されていることを特徴とする建築
    物。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の建築物であって、 少なくとも一部の前記プレキャスト梁と前記壁体とが一
    体的に形成され、 該プレキャスト梁に埋設された型鋼の端部は、前記鋼板
    に対して接合されていることを特徴とする建築物。
  4. 【請求項4】 梁と柱とからなる架構を備えてなる建築
    物の施工方法であって、 コンクリートと、該コンクリートに埋設されるととも
    に、その端部が該コンクリートから突出した状態とされ
    た型鋼とからなるプレキャスト梁を製作しておき、 充填鋼管コンクリート柱を立設し、前記充填鋼管コンク
    リート柱を構成する鋼管に対して、前記プレキャスト梁
    に埋設された型鋼の端部を接合することにより、前記架
    構を形成することを特徴とする建築物の施工方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の建築物の施工方法であっ
    て、前記プレキャスト梁の下方には、前記型鋼の下方に
    接合されたブレースと、該ブレースに対して打設された
    コンクリートとからなる壁体を、前記プレキャスト梁と
    一体的に形成し、なおかつ、該壁体を形成するにあたっ
    ては、前記ブレースにおける該壁体の側縁端側の端部を
    前記コンクリートから突出状態としておき、 一方、前記充填鋼管コンクリート柱を構成する鋼管の外
    周面に、鋼板を突出状態に設けておき、 これら壁体およびプレキャスト梁を前記充填鋼管コンク
    リート柱に接合するにあたっては、前記型鋼およびブレ
    ースの端部を、前記鋼板に対して接合することを特徴と
    する建築物の施工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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