JP3160748B2 - 鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁よりなるプレキャスト構造部材及びそれを用いた構造体の構築方法 - Google Patents

鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁よりなるプレキャスト構造部材及びそれを用いた構造体の構築方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、鉄筋コンクリート柱
と鉄骨梁よりなるプレキャスト構造部材及びそれを用い
た構造体の構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】柱を鉄筋コンクリート造、梁を鉄骨造と
する混合構造の構造体は、鉄筋コンクリート造に比べて
大スパンが可能となり、工期短縮や鉄筋工・型枠工等の
現場作業員の削減も図れる。又、鉄骨造に比べて柱の剛
性が大きいため建物の搖れを少なくでき、コストダウン
も図れるという長所があり、鉄骨鉄筋コンクリート造に
比べても大スパン化が容易であり、コストダウンが図れ
る等々の各種の利点があるため、近年その開発が進めら
れている。従来このような混合構造の構造体には、柱全
体を現場打ちコンクリートで構築するものや、あるいは
所定単位の柱体をプレキャスト化するものがあった。
【0003】この内、柱全体を現場打ちコンクリートと
する構造体の場合は、柱配筋・型枠工事・コンクリート
打設等の現場作業が多くなるため安定した品質の確保や
工期短縮が難しい欠点があった。この点、柱体をプレキ
ャスト化する構造体の場合は現場での上記作業が大幅に
減少するため、技能労働者が不足する今日ではコストダ
ウン、生産性の向上等にも寄与する望ましい構法といえ
る。
【0004】ところで、従来の鉄筋コンクリート柱と鉄
骨梁よりなるプレキャスト構造部材には、例えば特開平
4−24338号公報に記載されるような柱梁接合用金
物を用いて柱体を形成するものや、あるいは柱梁接合部
を除いてプレキャスト化した柱体を建て込んだ後に柱梁
接合部に、鉄骨梁を溶接した鞘鋼管を載置し、この鞘鋼
管内に現場打ちコンクリート打設を行うことにより構造
体を構築するものが知られていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のプレキ
ャスト構造部材は、何れも柱同士の接合を最も応力の大
きい柱頭・柱脚で行うものであり、その接合に施工上の
欠陥が生ずると構造体全体にとって致命的となる恐れが
あった。又、柱主筋の接合はいわゆるスプライススリー
ブと言われる継手部材を用いる特殊な方式となり、柱体
底面やスリーブへのグラウト注入・充填作業は厳格に行
わねばならず、細心の注意と高い技量を必要とし、熟練
工が欠かせない上、その品質管理も難しいものであっ
た。
【0006】上記欠点に加えて鞘鋼管を用いる方式では
その形状自体が複雑となり製作コストも高いものになっ
ていた。更に下部プレキャスト柱と鞘鋼管との接合面で
のなじみが難しく、鉄骨梁のレベル調整も困難であっ
た。又、構造上重要な柱梁接合部の鞘鋼管内を現場打ち
コンクリートで施工するため、十分な品質管理が要求さ
れる接合方法であった。
【0007】又、従来のプレキャスト構造部材における
柱の建方精度調整は、柱体とスラブコンクリート面との
間に石綿セメント板等の薄板を敷いて高さ調整を行った
り、あるいは柱体底部にバール等をこじ入れて平面位置
の調整を行っていたため十分な精度と作業能率を高める
ためには熟練した作業員が不可欠であった。
【0008】又、プレキャスト構造部材で高層あるいは
超高層建築物を構築する場合には、柱部材に高軸力がか
かり、しかも剪断力に対する高い靭性が要求されるた
め、柱断面には芯鉄筋の採用等の特別な工夫が必要であ
った。ところが、芯鉄筋の接続は柱断面の内部で行わね
ばならずその施工は難しかった。
【0009】この発明は、上記課題を解決し、鉄筋コン
クリート柱と鉄骨梁よりなるプレキャスト構造部材の柱
同士の接合部及び柱梁接合部の信頼性を高めると同時に
応力の大きな重要構造部位に欠陥が生じにくい、部材同
士の接合方法が容易で、建方精度調整に熟練工を必要と
しない、又、接合部のグラウト注入・充填作業が容易
で、その品質管理も簡単な、プレキャスト構造部材及び
それを用いる構造体の構築方法を提供することを目的と
している。
【0010】又、鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁間の応力
伝達がスムーズで、かつ高い靭性と高軸力に対する耐力
を備えた柱部材を低コストでしかも比較的容易に製造し
得るプレキャスト構造部材を提供することも目的として
いる。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、請求項1記載の鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁よりな
るプレキャスト構造部材は、プレキャスト鉄筋コンクリ
ート柱の軸方向中心部に鋼管芯柱を一本通しで埋設し、
柱端部より下方に突設する鋼管芯柱の上部にはコンクリ
ートやモルタル等の充填材料打設用の開口部を穿設し、
鋼管芯柱のジョイント部端部には鋼管芯柱接続金具を備
え、鋼管芯柱に剛接合する鉄骨梁を柱体の側面より突設
することを特徴としている。
【0012】請求項2記載のプレキャスト構造部材は、
鋼管芯柱が、その端部を構造体内法階高のほぼ中央まで
突設し、対向する他のプレキャスト構造部材の鋼管芯柱
と当接して所定階高をなすことを特徴とし、請求項3記
載の発明は、鋼管芯柱が柱部材に施工時に作用する荷重
を負担し得る必要断面を備えると共に柱部材の構造補強
材としての必要断面も備えることを特徴としている。
【0013】又、請求項4記載の発明はプレキャスト構
造部材同士を接続する構造体の構築方法であって、対向
する鋼管芯柱のジョイント部を突き合わせて柱の位置決
めを行い、水平方向を支保工で支持し、鉄骨梁の連結を
行った後前記ジョイント部を連結接合し、次いで柱部材
の対向する鉄筋の継手処理を行い、このジョイント部を
含有する柱中間部に柱型枠を装着し、又、スラブの型枠
・配筋工事を行い、柱部材の上部に開設する鋼管芯柱端
部よりコンクリートやモルタル等の充填材料を投入し、
鋼管芯柱内部を充填すると共に開口部より柱型枠内部に
この充填材料を流入して柱中間部の後打ち部分を構築す
ると共にスラブのコンクリート打設を行うことを特徴と
している。
【0014】
【作用】請求項1記載の発明では、柱頭部より下方に突
設する鋼管芯柱のジョイント部と柱脚部より上方に突設
する他の鋼管芯柱のジョイント部とを突合せ鋼管芯柱接
合金具を用いて相互を連結する。ジョイント部は柱頭部
や柱脚部から離れた応力レベルの低い位置にあり、この
部分で柱同士の接合を行う。又、鉄骨梁は鉄筋コンクリ
ート柱中心部に埋設する鋼管芯柱に剛接合されているた
め柱への応力伝達はスムーズになる。又、接続した鋼管
芯柱は充填材料打設用の管路となり、柱端部より下方の
鋼管芯柱に穿設される開口部より柱中間部への充填材料
の注入を行う。
【0015】請求項2記載のプレキャスト構造部材は、
相互の鋼管芯柱が、接続する所定階の内法階高のほぼ中
央まで突設し、対向する鋼管芯柱を当接することにより
所定階高が得られる長さとしているので、鋼管芯柱を接
続するだけで高さ調整が終了し、その平面位置も固定さ
れるため、建入調整が容易である。
【0016】請求項3記載の鋼管芯柱は、柱部材に施工
時に作用する荷重、即ち柱・梁・スラブ等の構造体の自
重と作業荷重の合計鉛直荷重を全て負担し得ると共に柱
部材の構造補強材として作用するので、建物完成後の軸
力や剪断力も負担する。
【0017】又、請求項4記載の発明は、上下の鋼管芯
柱を連結固定して柱部材の鉄筋の継手処理を行い、ジョ
イント部を含有する柱中間部に柱型枠を装着した後、鋼
管芯柱を利用して鋼管芯柱内部及び柱型枠内部に充填材
料を流入し後打ち部分を構築する。
【0018】
【実施例】次にこの発明の一実施例を添付図面に基づき
説明する。図1は鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁よりなる
プレキャスト構造部材の正面図、図2は同平面図、図3
はプレキャスト構造部材接続時の正面図である。図1に
示すプレキャスト構造部材1は標準タイプのもので、下
層階の柱頭2と上層階の柱脚3、その中央部水平方向に
突設する複数の鉄骨梁4及びこれらの柱梁接合部5(パ
ネルゾーン)を一体に構成する。
【0019】柱脚3・柱梁接合部5・柱頭2を鉛直方向
に連続する柱体6の中心部には鋼管芯柱7が一本通しで
埋設される。鋼管芯柱7は柱頭2より下方に突設する下
方ジョイント部8と柱脚3より上方に突設する上方ジョ
イント部9とを有し、上方ジョイント部9には鋼管芯柱
接続金具10を固着する。又、下方ジョイント部8の鋼
管側面には充填材料打設用の開口部11を穿設する。
【0020】柱体6は鉄筋コンクリート造であって、そ
の柱主筋12は端部より突出し、その突出長は他のプレ
キャスト構造部材より突出する柱主筋との継手の種類
(重ね継手、溶接継手等)により所要の長さに定め、そ
の配置も継手位置関係を考慮する。
【0021】鉄骨梁4は柱体内部では鋼管芯柱7の周囲
に剛接合されており、柱体側面からは所要長さ分突出し
ている。このように鉄骨梁4及び柱体6を一体にプレキ
ャスト化することで、柱体6の柱梁接合部5における現
場での作業をなくす。このため構造上重要な同部分の品
質が安定したものとなる。又、鋼管芯柱7と各鉄骨梁4
が剛接合され、これを柱体6中心部に収納する構成であ
るため、鉄骨梁4と鉄筋コンクリート造である柱体6間
の応力の伝達がスムーズに行われる。
【0022】図3に示すように、柱脚3及び柱頭2は各
層の柱内法高さH(スラブ13の上面より鉄骨梁4の下
面までの距離)の1/4〜1/3程度の高さを有し、そ
れらの端部より鋼管芯柱7の各ジョイント部を各層の柱
内法高さHのほぼ中央部まで突出する。各々のジョイン
ト部の長さは、対向する他のプレキャスト構造部材より
突出する他のジョイント部の長さと合わせて接続し、相
互の鋼管芯柱7が、接続する所定階の内法階高のほぼ中
央まで突設し、対向する鋼管芯柱7を当接することによ
り所定階高が得られる長さになるように調整しておく。
図3においては下方ジョイント部8の長さと下層のプレ
キャスト構造部材51の上方ジョイント部59の長さ
を、突合せ時に当接続階層の柱内法高さHを形成するよ
う調整してある。
【0023】図1乃至図3に説明するプレキャスト構造
部材は標準タイプであって、隣接する階層を1層ずつ順
次構築する構成をとっているが、多数層を1節として構
築するものでもよい。この別の実施例を図4に基づき説
明する。図4は別の実施例のプレキャスト構造部材の正
面図である。プレキャスト構造部材21は3階層にわた
る柱体26を1節として構成するタイプで、第1層の柱
頭22と、第3層の柱脚23との間に第2層(中間層)
が設けられ、柱体26には第2層及び第3層の各々の鉄
骨梁24を突設する。
【0024】柱体26に一本通しで埋設する鋼管芯柱2
7は柱頭22より下方ジョイント部28を、柱脚23よ
り上方ジョイント部29をそれぞれ突設し、上方ジョイ
ント部29には鋼管芯柱接続金具30を固着する。標準
タイプと同様に各ジョイント部の突出高さは、対向する
他のプレキャスト構造部材より突出する他のジョイント
部の長さと合わせて接続する階層(図4では第1層又は
第3層)の柱内法高さとなるように調整しておく。
【0025】次に鋼管芯柱7のジョイント部の詳細を図
5及び図6に基づき説明する。図5は柱主筋の一部を省
略した柱体ジョイント部の拡大正面図、図6は図5のVI
−VI断面を示す断面図である。柱頭2より下方に突設す
る下方ジョイント部8は下層のプレキャスト構造部材5
1の柱脚53の上方ジョイント部59に当接する。この
上方ジョイント部59の上端には、鋼管芯柱57の外周
面にその内面を密着する鋼管からなるソケット状の鋼管
芯柱接続金具60が固着する。従って、下方ジョイント
部8は鋼管芯柱接続金具60に挿入するだけで所定の階
高及び平面の中心位置が得られ、その後の調整は平面上
の向き及び建入の微調整を行うだけになる。なお、この
微調整完了後に鋼管芯柱接続金具60と下方ジョイント
部8を溶接により接合する。又、双方の柱主筋12、1
12は重ね継手に必要な長さ分が重なり合うようその突
出位置も調整されているのでこれらを緊結するだけで継
手処理も完了する。
【0026】上記の鋼管芯柱接続金具60は溶接により
接合する方式であるが、ボルト締め方式とするものでも
よい。この実施例を図7及び図8に基づき説明する。図
7は他の実施例の柱主筋の一部を省略した柱体ジョイン
ト部の拡大正面図、図8は図7のVIII−VIII断面を示す
断面図である。なお、図7及び図8に示す構成部材の
内、図1乃至図6で説明したものと同様なものは同一符
号を付して説明を省略する。上方ジョイント部59の上
端内側には、その外面を鋼管芯柱57に密着する内管7
0aが突設し、外側には放射状の板材70bが複数枚突
設する。一方下方ジョイント部8の下端外側にはこれに
対応する放射状の板材70cが複数枚突設する。下方ジ
ョイント部8と内管70aを嵌合し、板材70b,70
cをそれぞれ一直線上で突き合わせるよう平面位置を調
整した後、添接板70d及びボルト・ナット70eをも
って相互の鋼管芯柱7,57を接合する。
【0027】以上説明した鋼管芯柱の部材断面は、その
使用目的により肉厚、断面形状等の断面性能を決定す
る。即ち、施工時における柱部材の位置決めを行う接合
部材として用いる場合、あるいはプレキャスト構造部材
の建方支保工部材として用いる場合には、鋼管芯柱に施
工時に作用する荷重を負担し得るだけの断面性能とす
る。
【0028】又、更に鋼管芯柱を柱部材の構造補強材と
して用いる場合、即ち建物完成後の軸力や剪断力をも負
担し得る構造部材として用いる場合には、応力に対して
十分な断面性能を有すると共にその接合方法も十分強固
なものにする。一般的に鋼管はコンクリートに比べて強
度及び靭性の高い構造材であるので、柱の中心部に埋設
することにより高軸力に耐えしかも剪断力に対して高い
靭性を有する柱が得られる。従ってプレキャストコンク
リート構造でも鉄筋コンクリート柱の高層あるいは超高
層建築物を構築することが可能になる。なお、鋼管芯柱
の断面形状は円形に限らず、角形等の任意形状が可能で
ある。
【0029】このような鋼管芯柱は、その内部の管路を
利用して、生コンクリート又はグラウト材等の充填材料
を流し込み、途中に穿設される開口部より柱中間部への
注入も行う。開口部の大きさ及び配置・個数は充填材料
の材質により異なるが、断面性能の減少も考慮して適切
に決定する。
【0030】ところで以上説明したプレキャスト構造部
材は中間層を構築するための分割部材であるが、最上階
に該当する部分では図9のようになる。図9は最上階の
プレキャスト構造部材の正面図である。このプレキャス
ト構造部材81は、柱頭82と最上階の複数の鉄骨梁8
4及び柱梁接合部85を一体に構成し、柱体86の中心
部には鋼管芯柱87を埋設する。鋼管芯柱87は柱梁接
合部85の上面にその端部を開設し、柱頭82の下面よ
り下方ジョイント部88を突設する。この下方ジョイン
ト部88の鋼管側面にも充填材料打設用の開口部91を
穿設する。各部材の構成の詳細は図1乃至図8と同様で
あるので説明は省略する。
【0031】又、プレキャスト構造部材の鉄骨梁は構造
体に占める位置によりその突設する向き及び本数を適宜
変えるものであり、その一例を図10に示す。図10は
他の実施例のプレキャスト構造部材の平面図である。図
10(a),(b),(c)に示すプレキャスト構造部
材91,101,111はそれぞれ1方向梁の鉄骨梁9
4、2方向梁の鉄骨梁104、3方向梁の鉄骨梁114
を突設するものである。
【0032】次にプレキャスト構造部材を用いる構造体
の構築方法を図11及び図12に基づき説明する。図1
1及び図12は構造体構築方法の説明図である。接続し
ようとするプレキャスト構造部材1はクレーンにより吊
り上げられ、既に構築されている下層のスラブ13上の
所定の柱脚53上で下降し(図11(a))、各々の柱
体の対向する下方ジョイント部8と上方ジョイント部5
9とを突き合わせる。鋼管芯柱接続金具60は差込み方
式であるのでジョイント部の突合せだけで相互が連結
し、所定階高が確保されるので高さ調整も不要となる。
又、その平面位置もほぼ固定されるため、その後の微調
整は平面上の向き及び建入の微調整を行なうだけで建方
が完了する。
【0033】プレキャスト構造部材1の周囲をサポート
14で支持固定した後(図11(b))、鉄骨梁4に接
続する梁中央部材15をクレーンにて吊込み(図12
(a))、これら相互を接合し小梁16を架設した後、
鋼管芯柱接続金具60を固着し、次いで柱主筋12,1
12の継手処理及び図示しないフープ筋の取り付けを行
う。ジョイント部を含有する柱中間部に柱型枠17を装
着した後、上方ジョイント部9より充填材料を投入し、
鋼管芯柱57,7内部を充填すると共に開口部より柱型
枠内部に充填材料を流入させて柱中間部の後打ち部分を
構築する。なお開口部を柱中間部の頂部付近に設けるこ
とで、充填材料の硬化時の沈下を鋼管芯柱内の充填材料
の沈下流入により容易に補充することもできる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明のプレキャスト構造部材は、鉄骨梁を剛接合する鋼管
芯柱を鉄筋コンクリート柱に埋設して一体化するので、
鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁間の応力伝達がスムーズに
なると共に柱梁接合部の信頼性が高まる。又、プレキャ
スト構造部材の柱体同士の接合を応力の小さい柱中間部
で行うので、重要構造部位に欠陥が生じにくくなる。
又、鋼管芯柱に充填材料打設用の開口部を穿設するの
で、接合部のグラウト注入・充填作業が容易になる。し
かも充填材料の硬化時の沈下を鋼管芯柱内の充填材料の
沈下流入により容易に補充することもできるので品質管
理が簡単になる。
【0035】又、請求項2記載のプレキャスト構造部材
は、鋼管芯柱を構造体内法階高のほぼ中央まで突設し、
そのジョイント部で上下のプレキャスト構造部材同士を
連結するので、鋼管芯柱を連結するだけで所定の階高及
び平面の中心位置が得られる。従って柱体同士の接合方
法が容易になると同時に、建方精度調整も容易で特に熟
練工を必要とせずに柱体を接続することができる。
【0036】又、請求項3記載のプレキャスト構造部材
は、鋼管芯柱の部材断面に施工時に作用する荷重を負担
し得ると共に柱部材の構造補強材としての断面性能をも
たせることで、プレキャストコンクリート構造の鉄筋コ
ンクリート柱であっても、高軸力に耐えしかも剪断力に
対して高い靭性を発揮し得る構造とすることができる。
【0037】又、請求項4記載の発明の構造体の構築方
法は、上下の鋼管芯柱を連結固定して柱部材の鉄筋の継
手処理を行い、ジョイント部を含有する柱中間部に柱型
枠を装着した後、鋼管芯柱を利用して鋼管芯柱内部及び
柱型枠内部に充填材料を流入し後打ち部分を構築するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁よりなるプレキャ
スト構造部材の正面図である。
【図2】鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁よりなるプレキャ
スト構造部材の平面図である。
【図3】プレキャスト構造部材接続時の正面図である。
【図4】別の実施例のプレキャスト構造部材の正面図で
ある。
【図5】柱主筋の一部を省略した柱体ジョイント部の拡
大正面図である。
【図6】図5のVI−VI断面を示す断面図である。
【図7】他の実施例の柱主筋の一部を省略した柱体ジョ
イント部の拡大正面図である。
【図8】図7のVIII−VIII断面を示す断面図である。
【図9】最上階のプレキャスト構造部材の正面図であ
る。
【図10】他の実施例のプレキャスト構造部材の平面図
である。
【図11】構造体の構築方法の説明図である。
【図12】構造体の構築方法の説明図である。
【符号の説明】
1 プレキャスト構造部材 2 柱頭 3 柱脚 4 鉄骨梁 5 柱梁接合部 6 柱体 7 鋼管芯柱 8 下方ジョイント部 9 上方ジョイント部 10 鋼管芯柱接続金具 11 開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−100109(JP,A) 特開 平1−214641(JP,A) 特開 平2−27033(JP,A) 特開 平6−306946(JP,A) 特開 平7−26624(JP,A) 特開 平7−207759(JP,A) 実開 平5−28815(JP,U) 特許2554535(JP,B2) 特公 昭60−20536(JP,B1) 特公 平5−18980(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 1/30

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プレキャスト鉄筋コンクリート柱の軸方向
    中心部に鋼管芯柱を一本通しで埋設し、柱端部より下方
    に突設する鋼管芯柱の上部にはコンクリートやモルタル
    等の充填材料打設用の開口部を穿設し、鋼管芯柱のジョ
    イント部端部には鋼管芯柱接続金具を備え、鋼管芯柱に
    剛接合する鉄骨梁を柱体の側面より突設することを特徴
    とする鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁よりなるプレキャス
    ト構造部材。
  2. 【請求項2】前記請求項1記載のプレキャスト構造部材
    において、鋼管芯柱は、その端部を構造体内法階高のほ
    ぼ中央まで突設し、対向する他のプレキャスト構造部材
    の鋼管芯柱と当接して所定階高をなすことを特徴とする
    鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁よりなるプレキャスト構造
    部材。
  3. 【請求項3】前記請求項1記載のプレキャスト構造部材
    において、鋼管芯柱は、柱部材に施工時に作用する荷重
    を負担し得る必要断面を備えると共に柱部材の構造補強
    材としての必要断面も備えることを特徴とする鉄筋コン
    クリート柱と鉄骨梁よりなるプレキャスト構造部材。
  4. 【請求項4】請求項1記載のプレキャスト構造部材同士
    を接続する構造体の構築方法であって、対向する鋼管芯
    柱のジョイント部を突き合わせて柱の位置決めを行い、
    水平方向を支保工で支持し、鉄骨梁の連結を行った後前
    記ジョイント部を連結接合し、次いで柱部材の対向する
    鉄筋の継手処理を行い、このジョイント部を含有する柱
    中間部に柱型枠を装着し、又、スラブの型枠・配筋工事
    を行い、柱部材の上部に開設する鋼管芯柱端部よりコン
    クリートやモルタル等の充填材料を投入し、鋼管芯柱内
    部を充填すると共に開口部より柱型枠内部にこの充填材
    料を流入して柱中間部の後打ち部分を構築すると共にス
    ラブのコンクリート打設を行うことを特徴とする構造体
    の構築方法。
JP13617895A 1995-05-10 1995-05-10 鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁よりなるプレキャスト構造部材及びそれを用いた構造体の構築方法 Expired - Fee Related JP3160748B2 (ja)

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