JP2017089292A - 柱同士の接合構造の構築方法 - Google Patents
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そこで、施工現場において、RC造の柱とCFT造の柱とを、容易に効率よく構築することが望まれていた。
すなわち、本発明に係る柱同士の接合構造の構築方法は、複数の柱主筋が設けられた柱鉄筋ユニットを有する鉄筋コンクリート造の第一柱と、該第一柱の上部から延び外周に鋼管を有するコンクリート充填鋼管造の第二柱との柱同士の接合構造の構築方法であって、床面または柱上面から突出している鉄筋に前記第一柱の前記柱主筋を接続させて、前記柱鉄筋ユニットを設置する柱鉄筋ユニット設置工程と、前記第一柱の前記柱鉄筋ユニットの外側を囲むように接合鋼管を設置する接合鋼管設置工程と、前記第二柱の前記鋼管の下部が前記柱鉄筋ユニットの内側に位置するように前記第二柱の前記鋼管を配置し、前記床面上に載置した仮設の保持部材で前記第二柱を保持する第二柱鋼管設置工程と、前記接合鋼管内にコンクリートを充填するコンクリート充填工程と、を備えることを特徴とする。
先ず、本発明に係る柱同士の接合構造の構築方法の第1の実施の形態について説明する前に、本発明の理解を容易にするために、この構築方法で構築される第一柱と第一柱の上部に設けられる第二柱との接合部分である応力切替部について、図1を用いて説明する。
地下躯体の床F1は、複層からなる地下階の最上層の下側の床であり、その床面の一部からは、地下躯体のRC造の柱40の鉄筋41が突出されるように構成されている。
床F1の床面から突出している柱40の鉄筋41の箇所に、鉄筋かごと称される柱鉄筋ユニット11を建て込む。この柱鉄筋ユニット11は、鉛直方向(第一柱10の軸方向)に延びる所定長さの複数の柱主筋14と、柱主筋14を囲むように鉛直方向に所定の間隔を有して配筋された段取り筋15と、を有しており、RC造の柱からなる第一柱10の鉄筋部分を構成している。この柱鉄筋ユニット11を、機械式継手や圧接継手等からなる継手12を介して、柱40の鉄筋41と接続する。柱鉄筋ユニット11の先端部には、定着部13が設けられている。また、柱主筋14の配置は、第一柱10を軸方向と直交する断面形状が矩形をなすので、その矩形の外周に沿って、かつ、互いに所定の間隔を保って設けられる。
床F1の上に柱鉄筋ユニット11の建て込みの終了後、その柱鉄筋ユニット11の上から接合鋼管30を挿入する。そして、柱鉄筋ユニット11の外側を囲むように配置された接合鋼管30を、斜めサポート31を用いて床F1の上に立設する。接合鋼管30の高さは、柱鉄筋ユニット11の上端部よりもわずかに高い高さとされている。
床F1の上に建て込まれた柱鉄筋ユニット11の内側に、CFT柱からなる第二柱20を建て込む。第二柱20は、未だコンクリートが充填されていない状態であり、角管である。第二柱20の上端部近くには、床F2の大梁50(後述の図6以下参照)を取り付けるためのブラケット21が設けられている。そして、このブラケット21を利用して第二柱20の建て込みを行う。すなわち、第二柱20の建て込みは、ブラケット21と床F1との間を四角支柱等からなる保持部材22で保持して行う。この第二柱20の保持の際、第二柱20の下端位置が床F1の面から所定距離上となるようにするとともに、ブラケット21の位置が床F2の大梁50の位置となるように決める。
保持部材22で保持されている第二柱20のブラケット21に、クレーンを用いて床F2の大梁50を接合する。この接合される大梁50には予め仮設足場51が設けられている。したがって、作業員はこの仮設足場51を利用して大梁50をブラケット21にボルト・ナットや溶接を用いて取り付けることができる。
ブラケット21に取り付けられた大梁50には、デッキプレート52が敷き込まれた後、その敷き込まれたデッキプレート52上に床配筋53が配筋される。
保持部材22の外側に作業員用の足場23を組み立てた後、第二柱20の上端開口20aからコンクリート60を投入する。ここで、第二柱20の下端部のベースプレート(不図示)には、鉛直方向に貫通する下端開口20bが設けられている。これにより、第二柱20の上端開口20aから投入されたコンクリート60は、第二柱20の下端開口20bから排出されて、第二柱20の内側及び接合鋼管30の内側に充填される。このコンクリート60の充填の際には、バイブレータを用いてコンクリート60に振動を与えて充填の完全化を図る。なお、以下の施工手順におけるコンクリート60の場合も、バイブレータを用いてコンクリート60に振動を与えるものをする。
上述のコンクリート60の充填の際には、第二柱20の外側と接合鋼管30の内側との間の上端部30aからもコンクリート60を充填してもよい。
ここで、上記のように、第二柱20のベースプレートには、鉛直方向に貫通する下端開口(図8(A)参照)が設けられている場合には、充填箇所が増えるために、コンクリート60の充填を速やかに行うことができる。
一方、第二柱20のベースプレートには下端開口が設けられておらず、ベースプレートが塞がれている場合には、第二柱20の内側と、第二柱20と接合鋼管30との間とで、充填するコンクリートを分けることができる。例えば、異なる強度のコンクリートをそれぞれに充填する場合等に有益である。
第二柱20の内側及び接合鋼管30の内側にコンクリート60を充填した後、床F2上の床配筋53の配筋されたデッキプレート52上に、床コンクリート54を打設する。
第2の実施の形態に係る応力切替部1bは、予め、接合鋼管30内に第一柱10の柱鉄筋ユニット11を挿入するとともに、その接合鋼管30内の下部に所定高さのコンクリート16を充填し、養生して得られた接合鋼管ユニット32を用いることを特徴としている。すなわち、この第一柱10を一体化した接合鋼管30は、工場等の施工性に優れた場所において予め製作され、現場に運ばれるので、接合鋼管30の下端には予め機械式継手12を内蔵させておく。
床F1の床面から突出している柱40の鉄筋41の箇所に、第一柱10の柱鉄筋ユニット11と接合鋼管30とをコンクリート16で一体化した接合鋼管ユニット32を建て込む。この際、柱40の鉄筋41の箇所に位置決めされて、柱40の鉄筋41(図2参照)に柱鉄筋ユニット11を接続し、斜めサポート31を用いて床F1の上に設置し、グラウト処理にて固定する。
床F1の上に建て込まれた柱鉄筋ユニット11の内に、CFT柱からなる第二柱20を建て込む。この第二柱20は、未だコンクリートが充填されていない状態であり、角管である。第二柱20の上端部近くには、床F2の大梁50(後述の図12以下参照)を取り付けるためのブラケット21が設けられている。そして、このブラケット21を利用して第二柱20の建て込みを行う。すなわち、第二柱20の建て込みは、ブラケット21と床F1との間を四角支柱等からなる保持部材22で保持して行う。この第二柱20の保持の際、第二柱20の下端位置が床F1の面から所定距離上となるようにするとともに、ブラケット21の位置が床F2の大梁50の位置となるように決める。
保持部材22で保持されている第二柱20のブラケット21に、クレーンを用いて床F2の大梁50を接合する。この接合される大梁50には予め仮設足場51が設けられている。したがって、作業員はこの仮設足場51を利用して大梁50をブラケット21にボルト・ナットや溶接を用いて取り付けることができる。
ブラケット21に取り付けられた大梁50には、デッキプレート52が敷き込まれた後、その敷き込まれたデッキプレート52上に床配筋53が配筋される。
保持部材22の外側に作業員用の足場23が組み立てられた後、第二柱20の上端開口20aからコンクリート60を投入する。第二柱20の下端部のベースプレート(不図示)には、鉛直方向に貫通する下端開口20bが設けられている。これにより、第二柱20の上端開口20aから投入されたコンクリート60は、第二柱20の下端開口20bから排出されて、第二柱20の内側及び接合鋼管30の内側に充填される。
上述のコンクリート60の充填の際には、第二柱20の外側と接合鋼管30の内側との間の上端部30aからもコンクリート60を充填してもよい。
ここで、上記のように、第二柱20のベースプレートには、鉛直方向に貫通する下端開口(図14(A)参照)が設けられている場合には、充填箇所が増えるために、コンクリート60の充填を速やかに行うことができる。
一方、第二柱20のベースプレートには下端開口が設けられておらず、ベースプレートが塞がれている場合には、第二柱20の内側と、第二柱20と接合鋼管30との間とで、充填するコンクリートを分けることができる。
第二柱20の内側及び接合鋼管30の内側にコンクリート60を充填した後、床F2上の床配筋53の配筋されたデッキプレート52上に、床コンクリート54を打設する。
図16に示される第3の実施の形態に係る応力切替部1cは、予め、第一柱10、第二柱20及び接合鋼管30を一体化した、いわゆるPCa化されたプレキャストコンクリートユニット33を用いることを特徴としている。
すなわち、この応力切替部1cを構成するプレキャストコンクリートユニット33は、工場等の施工性に優れた場所において、接合鋼管30内に第一柱10の柱鉄筋ユニット11を挿入するとともに、その柱鉄筋ユニット11内に予めコンクリートが充填されている第二柱20の下部を挿入し、次いで、その接合鋼管30内にコンクリートを充填・養生して得られている。そして、このプレキャストコンクリートユニット33は、現場に運ばれて使用される。
F1,F2 床
10 第一柱
11 柱鉄筋ユニット
12 継手
13 定着部
14 柱主筋
15 段取り筋
16 コンクリート
20 第二柱
21 ブラケット
22 保持部材
23 足場
30 接合鋼管
31 斜めサポート
32 接合鋼管ユニット
40 柱
41 鉄筋
42 梁
43 デッキプレート
50 大梁
51 仮設足場
52 デッキプレート
53 床配筋
54 床コンクリート
60 コンクリート
Claims (7)
- 複数の柱主筋が設けられた柱鉄筋ユニットを有する鉄筋コンクリート造の第一柱と、該第一柱の上部から延び外周に鋼管を有するコンクリート充填鋼管造の第二柱との柱同士の接合構造の構築方法であって、
床面または柱上面から突出している鉄筋に前記第一柱の前記柱主筋を接続させて、前記柱鉄筋ユニットを設置する柱鉄筋ユニット設置工程と、
前記第一柱の前記柱鉄筋ユニットの外側を囲むように接合鋼管を設置する接合鋼管設置工程と、
前記第二柱の前記鋼管の下部が前記柱鉄筋ユニットの内側に位置するように前記第二柱の前記鋼管を配置し、前記床面上に載置した仮設の保持部材で前記第二柱を保持する第二柱鋼管設置工程と、
前記接合鋼管内にコンクリートを充填するコンクリート充填工程と、を備えることを特徴とする柱同士の接合構造の構築方法。 - 複数の柱主筋が設けられた柱鉄筋ユニットを有する鉄筋コンクリート造の第一柱と、該第一柱の上部から延び外周に鋼管を有するコンクリート充填鋼管造の第二柱との柱同士の接合構造の構築方法であって、
接合鋼管と、該接合鋼管の内側に配置された前記第一柱の前記柱鉄筋ユニットとを有し、該柱鉄筋ユニットの下部が予めコンクリートが充填された接合鋼管ユニットを、床面または柱上面から突出している鉄筋の箇所に設置し、前記鉄筋と前記柱鉄筋ユニットの前記柱主筋とを接続する接合鋼管ユニット設置工程と、
前記第二柱の前記鋼管の下部が前記柱鉄筋ユニット内に位置するように前記第二柱の前記鋼管を配置し、前記床面上に載置した仮設の保持部材で前記第二柱を保持する第二柱鋼管設置工程と、
前記接合鋼管内にコンクリートを充填するコンクリート充填工程と、を備えることを特徴とする柱同士の接合構造の構築方法。 - 前記第二柱の前記鋼管の下端には、前記第二柱の軸方向に貫通する下端開口が形成され、
前記コンクリート充填工程では、前記第二柱の前記鋼管の上端開口から投入した前記コンクリートを前記第二柱の前記鋼管の前記下端開口から排出させて、前記接合鋼管内及び前記第二柱の前記鋼管内を前記コンクリートで充填することを特徴とする請求項1または2に記載の柱同士の接合構造の構築方法。 - 前記第二柱の前記鋼管の下端には、前記第二柱の軸方向に貫通する下端開口が形成され、
前記コンクリート充填工程では、前記第二柱の前記鋼管の上端開口から投入した前記コンクリートを前記第二柱の前記鋼管の前記下端開口から排出させるとともに、前記接合鋼管と前記第二柱の前記鋼管との間から前記コンクリートを投入して、前記接合鋼管内及び前記第二柱の前記鋼管内を前記コンクリートで充填することを特徴とする請求項1または2に記載の柱同士の接合構造の構築方法。 - 前記第二柱の前記鋼管の下端は塞がれており、
前記コンクリート充填工程では、前記第二柱の前記鋼管の上端開口から一の前記コンクリートを投入するとともに、前記接合鋼管と前記第二柱の前記鋼管との間から他の前記コンクリートを投入して、前記第二柱の前記鋼管内を前記一のコンクリートで充填し且つ前記接合鋼管と前記第二柱の前記鋼管との間を前記他のコンクリートで充填することを特徴とする請求項1または2に記載の柱同士の接合構造の構築方法。 - 前記第二柱の前記鋼管内には、予めコンクリートが充填されており、
前記コンクリート充填工程では、前記接合鋼管と前記第二柱の前記鋼管との間から前記コンクリートを投入して、前記接合鋼管と前記第二柱の前記鋼管との間を前記コンクリートで充填することを特徴とする請求項1または2に記載の柱同士の接合構造の構築方法。 - 複数の柱主筋が設けられた柱鉄筋ユニットを有する鉄筋コンクリート造の第一柱と、該第一柱の上部から延び外周に鋼管を有するコンクリート充填鋼管造の第二柱との柱同士の接合構造の構築方法であって、
接合鋼管と、該接合鋼管の内側に配置された前記第一柱の前記柱鉄筋ユニットと、該柱鉄筋ユニットの内側に下部が配置された前記第二柱の鋼管とを有し、前記接合鋼管の内部に予めコンクリートが充填されたプレキャストコンクリートユニットを、床面または柱上面から突出している鉄筋の箇所に設置し、前記鉄筋と前記柱鉄筋ユニットの前記柱主筋とを接続するプレキャストコンクリート設置工程を備えることを特徴とする柱同士の接合構造の構築方法。
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