JP2001011940A - 梁構造 - Google Patents

梁構造

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JP2001011940A JP11187615A JP18761599A JP2001011940A JP 2001011940 A JP2001011940 A JP 2001011940A JP 11187615 A JP11187615 A JP 11187615A JP 18761599 A JP18761599 A JP 18761599A JP 2001011940 A JP2001011940 A JP 2001011940A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 連結梁どうしの連結作業を効率よく実施でき
る梁構造を提供する。 【解決手段】 隣接柱間にわたって設けてあるプレキャ
スト梁Pの梁構造において、プレキャスト梁Pを長手方
向に分割構成し、分割梁4A・4B・4Cどうしの連結
部4D・4Eは、対向する両分割梁4A・4B・4C連
結端の突出鉄筋6Aどうしを、プレキャスト梁Pの径方
向に位置ずれした状態に重ねてコンクリートで一体にす
る重ね継手に構成し、突出鉄筋6Aに、鉄筋外径より大
径の拡径定着部6Bを設けてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、隣接柱間にわたっ
て設けてあるプレキャスト梁の梁構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の梁構造としては、プレキ
ャスト梁の中間部に連結部を備えたものがあるが、この
場合、第一の構造としては、分割梁どうしの連結部は、
対向する前記両分割梁連結端の突出鉄筋どうしを突き合
わせて溶接してあるものがあり、第二の構造としては、
前記各突出鉄筋をネジ鉄筋で構成してそれらにカップラ
ーを螺合させて連結してあった(例えば、特公平5−8
8331号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した第一の従来の
梁構造によれば、前記突出鉄筋どうしを連結するため
に、鉄筋どうしを突き合わせると共に現場において溶接
作業を実施する必要があり、作業手間が掛かり易い。更
には、両突出鉄筋どうしの対向位置が合うように分割梁
どうしを精度良く配置しなければならず、セッティング
作業にも手間が掛かり易い。従って、施工能率の高いと
されるプレキャスト構造を採用しているにもかかわら
ず、梁連結作業全般に手間が掛かり易い問題点があり、
より高い作業効率が望まれるところである。
【0004】また、前記第二の従来の梁構造によれば、
溶接に比べて鉄筋どうしの連結操作は効率よく実施しや
すいものの、両突出鉄筋どうしの対向位置合わせを精度
よく実施しないと、カップラーが螺合できなかったり、
正常に螺合させられなかったりする危険性があり、前記
第一の従来の梁構造より更に精度の高い分割梁セッティ
ングが要求され、前記第一の従来の梁構造と同様に、梁
連結作業全般に手間が掛かり易い問題点がある。即ち、
従来の何れの梁構造についても、梁連結作業全般に手間
が掛かり易い問題点がある。
【0005】従って、本発明の目的は、上記問題点を解
消し、連結作業を効率よく実施できてプレキャスト工法
の利点をより発揮しやすい梁構造を提供するところにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の特徴構
成は、図4に例示するごとく、隣接柱3間にわたって設
けてあるプレキャスト梁Pの梁構造において、前記プレ
キャスト梁Pを長手方向に分割構成し、分割梁4A・4
B・4Cどうしの連結部4D・4Eは、対向する前記両
分割梁4A・4B・4C連結端の突出鉄筋6Aどうし
を、前記プレキャスト梁Pの径方向に位置ずれした状態
に重ねてコンクリートで一体にする重ね継手に構成し、
前記突出鉄筋6Aに、鉄筋外径より大径の拡径定着部6
Bを設けてあるところにある。プレキャスト梁は、当然
のことながら、予め形成してある分割梁を現場で連結し
て構成されるわけであるが、各分割梁の製作誤差を考慮
すると、連結端での各突出鉄筋の位置に若干のずれが生
じていることがある。しかし、前述の従来技術のように
突出鉄筋どうしの突き合わせによって連結する場合に
は、この鉄筋位置のずれを補正する作業が必要となり、
梁連結作業の効率低下を招いている。請求項1の発明の
特徴構成によれば、プレキャスト梁どうしの連結である
が故に、あえて重ね継手とすることによって、分割梁に
おける突出鉄筋の設置位置に多少の誤差があったにして
も、分割梁連結作業に何ら支障なく、効率よく連結作業
を進めることが可能となる。即ち、連結部分における両
分割梁の突出鉄筋の配置そのものが、プレキャスト梁の
径方向にずらした配置である関係上、そのずれ幅内で、
前記誤差を吸収することが可能となるからである。しか
も、単なる重ね継手とは違い、前記拡径定着部を突出鉄
筋に設けてあるから、鉄筋とコンクリートとの連結強度
が高まり、より高強度な連結部に構成することが可能と
なる。そして、前記突出鉄筋の突出寸法を小さくして
も、所定の連結強度を確保できるようにもなるから、連
結部の長さ寸法を短くして、現場打ちコンクリート量を
少なくし、より効率よく連結作業を実施できると共に、
コストダウンを図ることも可能となる。
【0007】請求項2の発明の特徴構成は、図2に例示
するごとく、前記連結部4D・4Eは、前記プレキャス
ト梁Pの中央部に形成してあるところにある。請求項2
の発明の特徴構成によれば、請求項1の発明による作用
効果を叶えることができるのに加えて、前記プレキャス
ト梁の中央部は、地震荷重のような大きな外力に対する
短期応力が最も小さくなるとされる箇所であるから、前
記連結部に大きな短期応力が作用するのを緩和し、梁全
体としての強度バランスをとることが可能となる。従っ
て、より信頼性の高いプレキャスト梁とすることが可能
となる。
【0008】請求項3の発明の特徴構成は、図2に例示
するごとく、前記分割梁4A・4B・4Cは、隣接スパ
ンのプレキャスト梁Pと一体のプレキャスト部材で構成
してあるところにある。請求項3の発明の特徴構成によ
れば、請求項1又は2の発明による作用効果を叶えるこ
とができるのに加えて、プレキャスト梁の設置作業を、
複数のスパンにわたって一度に実施することが可能とな
り、より効率的に施工を進めることができる。また、プ
レキャスト梁と柱との連結部における各鉄筋の納まり
を、よりシンプルにすることが可能となる。
【0009】尚、上述のように、図面との対照を便利に
するために符号を記したが、該記入により本発明は添付
図面の構成に限定されるものではない。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0011】図1は、本発明の梁構造の一実施形態を採
用した建造物Bを示すものである。
【0012】前記建造物Bは、複数階のフロアを備えた
構成であり、各フロアは、側面の側壁部1、床構造部
2、及び、上下階の床構造部2にわたる柱3を設けて構
成してある。
【0013】前記床構造部2を詳しく説明すると、格子
状に配置した梁長尺体4と、各梁長尺体4にわたる状態
に設けられたスラブ5とを備えて構成してある。る。前
記梁長尺体4は、図2の平面図に示すように、長手方向
に複数に分割した第一分割梁4A・第二分割梁4B・第
三分割梁4C、及び、第一分割梁4Aと第二分割梁4B
との連結部分である第一連結部4Dと、第二分割梁4B
と第三分割梁4Cとの連結部分である第二連結部4Eと
から構成してある。因みに、前記第一分割梁4A、第二
分割梁4B、第三分割梁4Cは、単体のプレキャスト部
材で構成してあり、本発明に係わる分割梁の一実施形態
である。また、前記梁長尺体4の内、隣接する柱間に位
置する一つのスパンにあたる部分は、本発明に係わるプ
レキャスト梁Pに相当する。即ち、第一スパンS1〜第
五スパンS5の各プレキャスト梁Pの内、第二スパンS
2、及び、第四スパンS4のプレキャスト梁Pは、プレ
キャスト梁中央部に、前記第一連結部4D、第二連結部
4Eが位置するような分割構成とになる。従って、前記
第一分割梁4Aは、第一スパンS1と第二スパンS2の
半分とにまたがり、前記第二分割梁4Bは、第二スパン
S2の半分と、第三スパンS三と、第四スパンS4の半
分とにまたがり、第三分割梁4Cは、第四スパンS4の
半分と、第五スパンS5とにまたがる。
【0014】前記各分割梁4A・4B・4Cは、鉄筋コ
ンクリート製で矩形横断面形状に形成してある。そし
て、図に示すように、梁長手方向に沿って複数の主鉄筋
6が配置してあると共に、主鉄筋6の外周部分には複数
の肋筋7を、梁長手方向に間隔をあけて配置してある
(図4参照)。また、各分割梁4A・4B・4Cは、連
結する前の単体状態では、両端部に前記主鉄筋6が突出
する状態に成型した鉄筋コンクリート体に構成してあ
る。そして、長手方向に隣接する分割梁の端部において
は、前記主鉄筋6の突出部分(突出鉄筋に相当)6Aど
うしを、梁長尺体4の径方向に位置ずれした状態に重
ね、それらの外周部に複数の肋筋7を配した後、コンク
リート8を打設して一体化を図り、前記第一連結部4D
・第二連結部4Eを構成してある。言い換えれば、各分
割梁4A・4B・4Cを同芯軸上に配置した状態で、各
主鉄筋6は、前記第一連結部4D・第二連結部4Eにお
いて、梁長尺体4の径方向に位置ずれする配置状態に埋
設してあるわけである。即ち、前記第一連結部4D・第
二連結部4Eは、重ね継手に構成してあるわけである。
因みに、前記主鉄筋6の両端の突出部分6Aは、図3・
4に示すように、鉄筋外径より大径に形成した拡径定着
部6Bを設けてある。具体的には、鉄筋端部を瘤状に加
工して形成してある。また、各分割梁4A・4B・4C
と、前記柱3との連結箇所について説明すると、分割梁
端部が柱3と交差する部分(梁長尺体4の両端部)につ
いては、前記拡径定着部6Bを、柱3のコンクリート中
に定着させた状態に一体化してある。そして、分割梁中
間部が柱3と交差する部分(梁長尺体4の両端部以外の
交差部分)については、各分割梁4A・4B・4Cを、
予め、主鉄筋6だけの無コンクリート部に形成してお
き、前記主鉄筋6の露出区間を柱3のコンクリート中に
貫通埋設した状態に一体化してある。
【0015】当該建造物Bの形成手順を簡単に説明する
と、 [1] 基礎部分を形成し、所定の箇所に柱3を立設す
る。 [2] 各柱3にわたって、前記各分割梁4A・4B・
4Cを配置する。その際、各分割梁4A・4B・4Cと
柱3との交差部分では、柱主鉄筋と、梁主鉄筋とが交差
すると共に、各連結部4D・4Eでは、対向する梁主鉄
筋どうしが互い違いに位置するように配置して重ね継手
を形成する。また、適宜、補強用鉄筋や、肋筋7を配置
する。 [3] 前記各分割梁4A・4B・4Cと柱3との交差
部分、及び、各連結部にコンクリートを打設し、一体の
梁長尺体4を形成する。また、これらの作業に併行して
スラブ5も形成する。 [4] その後、更に、上方の柱を形成すると共に、前
記側壁部1の形成を行う。以上の繰り返しによって所定
階層までの建造物Bを構築することができる。
【0016】本実施形態の建造物における梁構造によれ
ば、各分割梁4A・4B・4Cを同一軸芯上に配置する
際に、各連結部4D・4Eでの突出鉄筋の位置を厳密に
位置合わせする手間が省け、効率よく梁設置作業を進め
ることができる上、各連結部4D・4Eでは、拡径定着
部6Bとコンクリートの強い結びつきにより、短い連結
長さ(重なり長さ)でも強力な連結部を構成することが
できる。更には、各分割梁4A・4B・4Cは、複数ス
パンに跨るように形成してあるから、各スパン毎にプレ
キャスト部材を形成するのに比べて効率的に建築作業を
進めることが可能となる。また、分割梁どうしの連結部
は、地震時の短期応力が最も小さくなるとされる梁スパ
ンの中央に位置させてあることで、連結部への応力負担
を軽減することができ、強度バランスの良好なプレキャ
スト梁に構成してある。
【0017】〔別実施形態〕以下に他の実施の形態を説
明する。
【0018】〈1〉 前記分割梁は、先の実施形態で説
明した第一分割梁4A・第二分割梁4B・第三分割梁4
Cに限るものではなく、例えば、設置されるスパンは、
単一スパンのみのものや、複数スパンに跨って設けられ
るものであってもよい。 〈2〉 前記連結部は、先の実施形態で説明したように
プレキャスト梁Pの中央部に設けるものに限らず、例え
ば、荷重状態によって応力の小さくなる位置が中央部以
外の箇所となる場合には、その応力最小部分に前記連結
部を設けると言ったことも可能である。 〈3〉 前記拡径定着部は、先の実施形態で説明したよ
うに鉄筋そのものを瘤状に加工して構成されたものに限
らず、例えば、鉄筋に、別部材のナットや鍔部材等を螺
合させたり溶接することで構成してあってもよく、要す
るに、鉄筋外径より大径で、アンカー効果を期待できる
ものであればよく、それらを総称して拡径定着部とい
う。
【図面の簡単な説明】
【図1】建造物を示す一部切欠き正面図
【図2】梁構造を示す平面図
【図3】梁の取り付き状況を示す一部切欠き側面図
【図4】梁の連結状況を示す上面視断面図
【符号の説明】
3 柱 4A 分割梁(第一分割梁) 4B 分割梁(第二分割梁) 4C 分割梁(第三分割梁) 4D 連結部(第一連結部) 4E 連結部(第二連結部) 6A 突出鉄筋 6B 拡径定着部 P プレキャスト梁

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 隣接柱間にわたって設けてあるプレキャ
    スト梁の梁構造であって、 前記プレキャスト梁を長手方向に分割構成し、分割梁ど
    うしの連結部は、対向する前記両分割梁連結端の突出鉄
    筋どうしを、前記プレキャスト梁の径方向に位置ずれし
    た状態に重ねてコンクリートで一体にする重ね継手に構
    成し、前記突出鉄筋に、鉄筋外径より大径の拡径定着部
    を設けてある梁構造。
  2. 【請求項2】 前記連結部は、前記プレキャスト梁の中
    央部に形成してある請求項1に記載の梁構造。
  3. 【請求項3】 前記分割梁は、隣接スパンのプレキャス
    ト梁と一体のプレキャスト部材で構成してある請求項1
    又は2の何れかに記載の梁構造。
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