JPH0627185Y2 - パチンコ機の入賞装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、一対の可動部材を有し、その可動部材によっ
て受入れられた入賞玉が落下する落下空間を経て、特賞
口を含む複数の入賞口に誘導されるように構成された入
賞装置に関する。

［従来の技術］ 従来、一対の可動部材を有し、その可動部材によって受
入れられた入賞玉が落下する落下空間を経て、特賞口を
含む複数の入賞口に誘導されるように構成された入賞装
置においては、遊技盤に取り付けられる取付基板に可動
部材、落下空間及び複数の入賞口等が一体的に形成され
て提供されていた。しかして、このような入賞装置は、
一般的に遊技盤の中央に配置されて遊技客の最も注目を
集めるように比較的大きく且つ複雑に形成されるため、
その入賞装置を製造するコスト（金型等の作成費）が高
額になると共に、製作期間も長くかかっていた。

［考案が解決しようとする課題］ このため、入賞装置の一部を変更したい場合でも最初か
ら高額な製造コストと長期間をかけて製作する必要があ
るという問題があった。

本考案は、上記した問題点に鑑みなされたもので、その
目的とするところは、製造コストを低くすると共に製作
期間を短くし、且つ容易に一部の変更が可能なパチンコ
機の入賞装置を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 上記した目的を達成するために、本考案に係る入賞装置
は、 一対の可動部材を有し、その可動部材によって受入れら
れた入賞玉が落下する落下空間を経て、特賞口を含む複
数の入賞口に誘導されるように構成されたものにおい
て、 該入賞装置は、前記可動部材が設けられる上部ユニット
と、前記落下空間が形成される中央ユニットと、前記複
数の入賞口が形成される下部ユニットと、から構成さ
れ、 前記上部ユニット、中央ユニット及び下部ユニットを組
み付けることにより１つの入賞装置としたことを特徴と
するものである。

［作用］ 入賞装置が可動部材が設けられる上部ユニットと、落下
空間が形成される中央ユニットと、複数の入賞口が形成
される下部ユニットと、から構成されるため、それぞれ
のユニット毎に組み代えることが可能となる。これによ
り、上部ユニット、中央ユニット及び下部ユニットのい
ずれかを変更したいときには、その変更するユニットだ
けを製作すればよいため、製造コストを低減できると共
に製作期間を短縮することができる。また、上記したい
ずれかのユニットを交換することにより多種多様の入賞
装置を提供することができると共に興趣の異なる入賞装
置を簡単に提供することができる。

［実施例］ 以下、図面を参照して本考案の実施例について説明す
る。

まず、第６図を参照して、実施例に係る入賞装置２０が
適用されるパチンコ機１の全体の構成について説明す
る。第６図は、パチンコ機の正面図である。図におい
て、パチンコ機１は、額縁状に形成された前面枠２を有
し、その前面枠２の開口に金枠３が周設されている。該
金枠３には、ガラス板を収納するガラス扉４と、上皿６
が固着される前面扉５とが一側を軸支されて開閉自在に
軸支されている。ガラス扉４の後方には、遊技盤１０が
配置されており、その遊技盤１０の表面には、後述する
ように発射された打球が落下する遊技領域１２が形成さ
れている。また、前面扉５の表面に固定される上皿６
は、入賞玉によって払出された賞品球が貯留されると共
に、その貯留された賞品球を図示しない発射位置に打球
として１個宛供給するものである。

また、前記前面枠２の下方には、前記した発射位置に供
給された打球を発射操作するための操作ハンドル７が固
定され、その側方に前記上皿６に貯留しきれない賞品球
を貯留する下皿８が固定されている。更に、前面枠２の
側方には、遊技状態が予め定めた特賞状態、例えば、後
述する入賞装置２０が所定の態様で駆動制御される状態
となったときに点滅してその旨を報知する特賞表示ラン
プ９が設けられている。

前記ガラス扉４の後方に配置される前記遊技盤１０に
は、ほぼ円状に誘導レール１１が植立されている。この
誘導レール１１は、発射された打球を誘導すると共に、
各種の入賞口等が配置される遊技領域１２を区画するも
のである。そして、この遊技領域１２のほぼ中央には、
この実施例の要部を構成する入賞装置２０が配置され
る。この入賞装置２０は、一対の可動部材２６ａ，２６
ｂを有し、その可動部材２６ａ，２６ｂによって受入れ
られた入賞玉が落下する落下空間３５を経て、特賞口４
５を含む複数の入賞口４５，４６ａ，４６ｂに誘導され
るように構成されている。そして、遊技領域１２の下方
に配置された始動入賞口１３ａ〜１３ｃに打球が入賞す
ることにより、可動部材２６ａ，２６ｂを１回又は２回
開閉動作させ、その開閉動作中に受入れられた入賞玉が
特賞口４５に誘導されると、特賞状態（大当り状態とも
いう）となって、可動部材２６ａ，２６ｂの開閉動作を
所定回数（例えば、１８回）繰り返すか、又は所定個数
（例えば、１０個）の入賞玉が発生するまで開閉動作を
行うように制御される。更に、そのような開閉動作中に
入賞玉が特賞口４５に再度入賞したときには、その入賞
した時点から新たな１８回又は１０個の入賞玉が発生す
るまでの開閉動作を繰り返すようになっており、このよ
うな繰り返しを所定回数（例えば、８回）行うようにな
っている。

また、遊技領域１２には、上記した入賞装置２０の他、
入賞口１４ａ，１４ｂ、チューリップ式入賞口１５ａ，
１５ｂ、風車（符合なし）、及び多数の障害釘（符合な
し）等が設けられている。

ここで、本実施例の要部を構成する入賞装置２０につい
て第１図ないし第５図を参照して説明すると、入賞装置
２０は、第２図に示されるように上部ユニット２１と中
央ユニット２２と下部ユニット２３とに分割して構成さ
れ、そのユニット２１〜２３を組み付けることにより第
１図に示すように１つの入賞装置２０として完成される
ものである。

そこで、各ユニット毎に分けて説明すると、まず、上部
ユニット２１は、第３図に示すように、前記遊技盤１０
の表面に取り付けられる上部取付基板２４を有してお
り、その取付基板２４の前面に覆い部２５が突設されて
いる。覆い部２５の両側下部には、可動部材２６ａ，２
６ｂが回動自在に軸支されている。そして、上記した覆
い部２５と可動部材２６ａ，２６ｂに囲まれるようにし
て入賞空間の上方部分が形成されている。また、可動部
材２６ａ，２６ｂは、電気的駆動源（例えば、ソレノイ
ド）によって開閉駆動されるが、その電気的駆動源は、
後述する上部後面周壁２９の内面又は外面に取着される
ようになっている。また、図示の実施例では、覆い部２
５の前面には、特賞状態となったときに、可動部材２６
ａ，２６ｂに受入れられた入賞玉数や可動部材２６ａ，
２６ｂの繰り返し回数等の数値情報を表示する数値情報
表示部２７が設けられると共に、その数値情報表示部２
７の左右に玉受部材２６ａ，２６ｂが駆動中であること
を表示する表示ランプ２８ａ，２８ｂが設けられてい
る。なお、数値情報表示部２７には、繰り返しと繰り返
しとの間のインターバル時間中だけ繰り返し回数に係る
数字を表示し、可動部材２６ａ，２６ｂの作動中は、入
賞個数を表示させるようになっている。この場合、繰り
返し回数を表示する表示部と入賞個数を表示する表示部
とを別々に設けてもよい。

また、前記上部取付基板２４の後面には、入賞空間の上
部後方部分を構成する上部後面周壁２９が突設される。
この上部後面周壁２９には、前記したように可動部材２
６ａ，２６ｂを開閉駆動する電気的駆動源が設けられる
と共に、他の部品、例えば、入賞空間内を装飾する装飾
ランプ（図示しない）等も設けられている。また、図示
の実施例では、上部後面周壁２９の後面に基板ケース３
０が取着され、入賞装置２０に設けられる電気部品の配
線が接続される端子基板（図示しない）をその内部に収
納するようにしている。なお、この端子基板からは、パ
チンコ機１の裏面に設けられる遊技制御回路基板と接続
される配線３１が延びている。

更に、上部後面周壁２９の下端周縁には、中央ユニット
２２を連結するための組付孔３２が適宜の数外側に突出
するように形成されている。

次に、第４図を参照して中央ユニット２２の構成につい
て説明すると、中央ユニット２２は、前記遊技盤１０の
表面に取り付けられる中央取付基板３３を左右に有して
おり、その中央取付基板３３の後面にコ字状の中央後面
周壁３４が突設されている。そして、この中央後面周壁
３４によって入賞玉が落下する落下空間３５が形成され
るものである。しかして、落下空間３５には、通常前記
可動部材２６ａ，２６ｂによって受入れられた入賞玉を
複雑に変化誘導する振分け装置や受入れられた入賞玉を
保留する保留装置が設けられるが、図示の実施例では、
仕切板３６や誘導突片３７等からなる振分け装置が設け
られている。すなわち、中央後面周壁３４のほぼ中央を
横切るように仕切板３６が横臥され、その仕切板３６の
中央に誘導突片３７が前方に突出するようになってい
る。誘導突片３７の先端部は、中央取付基板３３よりも
前方に突出するようになっており、このため、前記可動
部材２６ａ，２６ｂに誘導された入賞玉の一部が載置さ
れるようになっている。そして、誘導突片３７に載置さ
れた入賞玉は、その一部が誘導突片３７によって後方に
誘導されて仕切板３６に到達し、仕切板３６の中央に開
設された誘導穴３８から下方に向けて落下する。また、
誘導突片３７に載置された入賞玉で後方に誘導されない
入賞玉は、誘導突片３７の左右から下方に向けて落下
し、後述する棚部４７上に落下する。なお、仕切板３６
は、後方に向けて傾斜されると共に、その後端に後方落
下口３９が形成され、仕切板３６を流下してきた入賞玉
を下方に向けて落下せしめ、後述する玉転動板４９上に
誘導する。

また、中央後面周壁３４の上下外周縁には、前記上部ユ
ニット２１や下部ユニット２３とを連結するための上部
組付孔４０と下部組付孔４１とが適宜の数外側に突出す
るように形成されている。

次に、第５図を参照して下部ユニット２３の構成につい
て説明すると、下部ユニット２３は、前記遊技盤１０の
表面に取り付けられる下部取付基板４２を有しており、
その下部取付基板４２の前方に入賞玉受枠４３が形成さ
れている。この入賞玉受枠４３は、その中央に設けられ
る一対の仕切片４４で３つに区画され、その中央に特賞
口４５が形成され、その左右に通常入賞口４６ａ，４６
ｂが形成されている。特賞口４５は、前記したように特
賞状態を発生させると共に、可動部材２６ａ，２６ｂの
開閉動作の繰り返し信号を与えるもので、このため、特
賞口４５の内部には、入賞玉を検出する特賞検出スイッ
チ（図示しない）が設けられている。また、特賞口４５
及び通常入賞口４６ａ，４６ｂに入賞したすべての入賞
玉数を検出するための検出スイッチも下部ユニット２３
の後方部分のいずれかに設けられるようになっている。
なお、図示はしないが、入賞玉受枠４３の前面にも装飾
用の表示ランプや数値情報表示部等を設けてもよい。

また、入賞玉受枠４３の両端には、「Ｈ」型の棚部４７
が上方に延設され、その側壁の上端が前記可動部材２６
ａ，２６ｂの下端と対面すると共に、その間から入賞領
域１２を落下する打球が入賞しないようになっている。
また、棚部４７の上面は、前記特賞口４５及び通常入賞
口４６ａ，４６ｂの上方に位置し、前記仕切板３６の前
方であって誘導突片３７の左右両側から落下してきた入
賞玉を後述する玉転動板４９に向けて誘導するようにな
っている。

更に、前記下部取付基板４２の後方には、下部後面周壁
４８が突設され、その下部後面周壁４８の上面が玉転動
板４９となっている。玉転動板４９は、前記後方落下口
３９から落下してきた入賞玉及び前記棚部４７から落下
してきた入賞玉を前記特賞口４５及び通常入賞口４６
ａ，４６ｂに誘導すべく下り傾斜して設けられている。
なお、下部後面周壁４８の裏面内部には、特賞口４５及
び通常入賞口４６ａ，４６ｂに誘導された入賞玉を後方
に導く通路が形成されている。

また、下部後面周壁４８の上端周縁には、中央ユニット
２２を連結するための組付孔５０が適宜の数外側に突出
するように形成されている。

入賞装置２０は、上記したような構成を有するものであ
るが、上部ユニット２１の組付孔３２と中央ユニット２
２の上部組付孔４０、及び中央ユニット２２の下部組付
孔４１と下部ユニット２３の組付孔５０とを合せて、組
付ビス５１で取着することにより第１図に示すように入
賞装置１として完成することができる。したがって、上
部ユニット２１、中央ユニット２２及び下部ユニット２
３のいずれかを変更したいときには、その変更するユニ
ットだけを製作すればよいため、製造コストを低減でき
ると共に製作期間を短縮することができる。また、上記
したいずれかのユニットを交換することにより多種多様
の入賞装置２０を提供することができると共に興趣の異
なる入賞装置２０を簡単に提供することができる。ま
た、設計段階において、個々のユニットに含まれる部品
の機能テストをする場合にも、各ユニットだけを作成し
てテストできるので、入賞装置２０の開発期間を短縮す
ることができる。更に、使用中に不具合の部分が発生し
ても、その不具合のあるユニットだけを交換すればよい
ので、入賞装置２０全体を交換する場合と比較して極め
て経済的である。

なお、上記した実施例においては、上部ユニット２１に
可動部材２６ａ，２６ｂ以外の構成、中央ユニット２２
に落下空間３５以外の構成、下部ユニット２３に特賞口
４５を含む複数の入賞口４５、４６ａ，４６ｂ以外の構
成をそれぞれ有するものを示したが、最低限上部ユニッ
ト２１には、可動部材２６ａ，２６ｂを、中央ユニット
２２には、落下空間３５を、下部ユニット２３には、複
数の入賞口４５、４６ａ，４６ｂを含むように構成すれ
ばよく、他の構成は、いずれのユニットに含まれるよう
に構成しても良い。例えば、上部ユニット２１に含まれ
る数値情報表示部２７や表示ランプ部２８ａ，２８ｂを
中央ユニット２２又は下部ユニット２３に設けてもよ
い。また、例えば、上部ユニットを入賞空間の上部を構
成するものとして中央ユニットに可動部材２６ａ，２６
ｂと落下空間３５とを設ける変形例も上記した実施例か
ら容易に想到できるであろう。

［考案の効果］ 以上、説明したところから明らかなように、本考案に係
る入賞装置は、可動部材が設けられる上部ユニットと、
落下空間が形成される中央ユニットと、複数の入賞口が
形成される下部ユニットと、から構成されるため、それ
ぞれのユニット毎に組み代えることが可能となり、上部
ユニット、中央ユニット及び下部ユニットのいずれかを
変更したいときには、その変更するユニットだけを製作
すればよいため、製造コストを低減できると共に製作期
間を短縮することができる。また、上記したいずれかの
ユニットを交換することにより多種多様の入賞装置を提
供することができると共に興趣の異なる入賞装置を簡単
に提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、実施例に係る入賞装置を組み立てた状態を示
す斜視図、第２図は、入賞装置を上部ユニットと中央ユ
ニットと下部ユニットとに分解した状態を示す斜視図、
第３図は、上部ユニットの斜視図、第４図は、中央ユニ
ットの斜視図、第５図は、下部ユニットの斜視図、第６
図は、入賞装置が適用されるパチンコ機の正面図であ
る。 １……パチンコ機、２０……入賞装置 ２１……上部ユニット、２２……中央ユニット ２３……下部ユニット ２６ａ，２６ｂ……可動部材 ３５……落下空間 ４５……特賞口 ４６ａ，４６ｂ……通常入賞口

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】一対の可動部材を有し、その可動部材によ
   って受入れられた入賞玉が落下する落下空間を経て、特
   賞口を含む複数の入賞口に誘導されるように構成された
   入賞装置において、 該入賞装置は、前記可動部材が設けられる上部ユニット
   と、前記落下空間が形成される中央ユニットと、前記複
   数の入賞口が形成される下部ユニットと、から構成さ
   れ、 前記上部ユニット、中央ユニット及び下部ユニットを組
   み付けることにより１つの入賞装置としたことを特徴と
   するパチンコ機の入賞装置。