JPH0627101A - 貯留タンクの混油検出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 貯留タンク内に異なる油種の注油をその注油
直後あるいは注油中に検出して、混油を早期に発見す
る。 【構成】 注油管４が接続され、この注油管４を介して
燃料油が注油される貯留タンク３と、前記注油管４内の
ガスをサンプリングして、そのガスに対応する油種と、
前記注油管４が接続される貯留タンクに注油されるべき
燃料油の油種とを比較する比較手段２８と、比較手段２
８からの出力に応答して、前記注油管４内のガスに対応
する油種と、前記貯留タンクに注油されるべき燃料油の
油種とが一致しないとき、混油であることを報知する報
知手段２４とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、給油所などにおける地
下に埋設される燃料油の貯留タンク内に、タンクローリ
などから油種の異なった燃料油が注油されたことを検出
して報知することができる貯留タンクの混油検出装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】給油所の地下には、燃料油が油種毎に個
別的に貯留される複数の貯留タンクが埋設されており、
これらの貯留タンクには地上に延びる注油管が接続され
ている。貯留タンク内の燃料油が自動車などへの給油に
よって消費されたときには、タンクローリから前記注油
管を介して燃料油が注油される。このタンクローリのタ
ンク内は、複数の油種の燃料油を個別に搭載するため
に、仕切り壁によって複数の貯留空間に仕切られてお
り、各貯留空間毎に設けられる開閉弁を開閉操作して、
１本の管路から前記注油管に接続されたホースを介して
貯留タンクに注油している。したがって、貯留タンクに
対応する油と異なる種類の油が貯留された貯留空間の開
閉弁を誤って開放してしまうと、その油種の異なる油は
前記共通な管路からホースおよび注油管を介して貯留タ
ンク内に流れ込み、その貯留タンク内に残留している燃
料油と混合してしてしまう。

【０００３】このようにして貯留タンク内に油種の異な
る燃料油が注油されて生じる混油は、一般に次の場合が
考えられる。すなわち、灯油へのガソリンの混入、
軽油へのガソリンの混入、ガソリンへの灯油の混入、
ガソリンへの軽油の混入、灯油への軽油の混入、お
よび軽油への灯油の混入である。

【０００４】このように混油が生じるには〜の場合
が考えられ、このような混油を誤って販売してしまうこ
とは、未然に防止されなければならない。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、貯留タンク内の油と、その貯留タンクに注油され
る油とが異なる種類であることを早期に検出して、混油
を誤って販売してしまうことを未然に防止することがで
きるようにした貯留タンクの混油検出装置を提供するこ
とである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、注油管が接続
され、この注油管を介して燃料油が注油される貯留タン
クと、前記注油管内のガスをサンプリングして、そのガ
スに対応する油種と、前記注油管が接続される貯留タン
クに注油されるべき燃料油の油種とを比較する比較手段
と、比較手段からの出力に応答して、前記注油管内のガ
スに対応する油種と、前記貯留タンクに注油されるべき
燃料油の油種とが一致しないとき、混油であることを報
知する報知手段とを含むことを特徴とする貯留タンクの
混油検出装置である。

【０００７】

【作用】本発明に従えば、貯留タンクには燃料油を注油
するための注油管が接続され、この注油管に注油された
油の気化したガスは、比較手段によってサンプリングさ
れ、貯留タンクに注油されるべき燃料油の油種と、前記
サンプリングしたガスに対応する油種とが比較される。
このような比較手段からの出力は報知手段に入力され
る。この報知手段では、前記サンプリングしたガスに対
応する油種と注油されるべき燃料油の油種とが一致しな
いときには、混油であることをたとえばランプの点滅あ
るいは音響によって報知し、給油所内の管理者に混油で
あることを報知して、その混油の販売を未然に防止する
ことができる。

【０００８】

【実施例】図１は、本発明の一実施例の全体の構成を示
す系統図である。給油所の路床１の下方には貯留タンク
３が埋設される。この貯留タンク３には注油管４が接続
され、その上端部４ａは前記路床１上に形成されるバル
ブ室５内に突出している。このバルブ室５は、たとえば
コンクリートブロック製の周壁６によって外囲され、そ
の上部にはヒンジ７によって蓋８が矢符Ａ１，Ａ２方向
に開閉自在に設けられる。この注油管４の上端部４ａに
は、開閉弁Ｖ１が設けられるとともに、この開閉弁Ｖ１
よりも注油方向Ｂ下流側には液検出器Ｓ１と、管路９の
吸引口１０付近とが注油管４の流路内に突出して設けら
れる。また注油管４の前記開閉弁Ｖ１の注油方向Ｂ上流
側には開口部１１に装着されるキャップ１３の有無を検
出するためのキャップ検出器Ｓ２が設けられる。前記液
検出器Ｓ１は、静電容量式あるいはストレインゲージ式
などが用いられる。この液検出器Ｓ１によって注油管４
内に注油された燃料油の液の有無を検出することができ
る。

【０００９】前記管路９には、フロート弁Ｖ２が設けら
れ、前記吸引口１０を介して燃料油の液が吸引されたと
きには、ストッパ１４によって支持されていたフロート
１５が上昇して管路９を塞ぎ、液の吸引を阻止すること
ができる。管路９の前記フロート弁Ｖ２よりもさらに吸
引方向Ｃ下流側には、開閉弁Ｖ３が設けられ、エジェク
タ１６に接続される。エジェクタ１６には、空気圧源１
７からの加圧空気が管路１８を介して供給される。この
管路１８には開閉弁Ｖ４が設けられる。開閉弁Ｖ４を開
放して空気圧源１７からの加圧空気がエジェクタ１６に
供給されると、狭搾部１９に負圧が発生し、その負圧は
管路９を介して吸引口１０に導かれ、注油管４内の燃料
油の気化したガスを吸引することができるように構成さ
れている。なお、このような負圧によって前記フロート
弁Ｖ２のフロート１５は管路９を塞ぐおそれはなく、ス
トッパ１４上に支持されており、吸引口１０から吸引さ
れた燃料油に対する浮力によってのみ上昇して管路９を
塞ぐことができる。

【００１０】前記エジェクタ１６からの排気は管路２０
を介してガス検出器２１に導かれる。このガス検出器２
１は、たとえば接触燃焼式、半導体式、熱線形熱伝導
式、隔膜ガルバニ電池式、およびジルコニア式などのよ
うなガスセンサが用いられる。このようなガス検出器２
１からの出力は判定回路２３に入力される。判定回路２
３では、貯留タンク３内に貯留されるべき燃料油の油種
と、前記注油管４から管路９を介して吸引したガスに対
応する油種とが一致したか否かが判定される。一致しな
ければ、報知手段２４を構成する警報ランプ２５を点滅
表示させるとともに、スピーカ２６から警報音を発生さ
せて、給油所の管理者に報知する。このような報知手段
２４の報知動作を認識した管理者がリセットスイッチＳ
Ｗを押圧操作することによって、制御回路２７は開閉弁
Ｖ４を閉弁させる。これらのガス検出器２１、判定回路
２３および制御回路２７によって、比較手段２８を構成
している。

【００１１】前記制御回路２７には、液検出器Ｓ１、お
よびキャップ検出器Ｓ２からの各出力が入力されるとと
もに、蓋８の開閉状態を検出するための蓋開閉検出器Ｓ
３からの出力が入力される。これらの検出器Ｓ１〜Ｓ３
からの各出力のうち少なくとも１つの出力を入力するこ
とによって、タンクローリからの注油の開始および完了
を検出することができるように構成されている。

【００１２】図２は、本発明に従う混油検出装置を用い
た検出動作を説明するためのフローチャートである。ま
ずステップｍ１で、注油動作が開始され、バルブ室５の
近傍にはタンクローリが近接して停車しており、貯留タ
ンク３の底には僅かに灯油が貯留されているものと想定
する。ステップｍ２で、前記タンクローリから注油管４
にホースを接続するために、蓋８を矢符Ａ１方向に開く
と、そのことが蓋開閉検出器Ｓ３によって検出され、こ
の蓋開閉検出器Ｓ３からの蓋開閉信号ｓ１はローレベル
からハイレベルに変化する。

【００１３】このような蓋開閉信号ｓ１を入力した制御
回路２７は、注油動作が開始されたものと判断して開閉
信号ｓ２を出力し、ステップｍ３で開閉弁Ｖ４を開放さ
せる。これによって、すでに駆動されている空気圧源１
７からの加圧空気は、管路１８を介してエジェクタ１６
に供給される。この状態では、管路９に設けられる開閉
弁Ｖ３は閉じられており、したがって狭搾部１９を通過
した加圧空気はガス検出器２１に供給されてクリーニン
グが行われるとともに、前記制御回路２７からの駆動信
号ｓ３によってガス検出器２１がオン状態となり、管路
１８，２０から供給される空気に対応したレベルの検出
信号ｓ４を出力する。しかしながら、開閉弁Ｖ３は閉じ
たまま維持される。次いでキャップ１３を外してタンク
ローリから延びるホースを開口部１１に接続し、開閉弁
Ｖ１に関連して設けられる図示しない弁駆動機構を駆動
させて、その開閉弁Ｖ１を開放させる。

【００１４】このような状態で、タンクローリから注油
管４に燃料油が供給され、タンクローリからたとえば７
分間に４０００リットル程度の流量で燃料油が注油され
る。このとき、貯留タンク３内に過剰に燃料油が注油さ
れても、フロート弁Ｖ２が閉じて管路９を介してガス検
出器２１に燃料油が流れ込むおそれはない。

【００１５】貯留タンク３内が所定の油量に達すると、
まずタンクローリに備えられるコックを閉じてホース内
の油を貯留タンク３内に落とし込み、そのホースを注油
管４から外してキャップ１３を開口部１１に装着する。

【００１６】ステップｍ４で蓋８が閉じられると、蓋開
閉検出器Ｓ３の蓋開閉信号ｓ１はハイレベルからローレ
ベルに変化し、この変化を受けて制御回路２７は開閉弁
Ｖ１を閉じ、ステップｍ５で弁駆動信号ｓ６を出力し
て、開閉弁Ｖ３を開放させ、これによってエジェクタ１
８の狭搾部１９の負圧が管路９に導かれ、吸引口１０か
ら注油管４内のガスが吸引されてサンプリングされる。
このガスは、注油直後であるために、充分に濃度が高
く、したがってエジェクタ１６で希釈されてもガス検出
器２１の検出信号ｓ４のレベルは変化する。

【００１７】ステップｍ６で、検出信号ｓ４を受けた判
定回路２３は、前記検出信号ｓ４を予め設定された判定
レベルで比較し、検出信号ｓ４が判定レベル未満であれ
ば、貯留タンク３内の燃料油とタンクローリから注油さ
れた燃料油とが同油種、すなわち灯油であると判断し
て、ステップｍ７へ移り、前述したステップｍ５で開閉
弁Ｖ３が開かれたときから時間Ｔ１が経過したか否かが
判断される。この時間Ｔ１は、たとえば１０秒であって
もよい。

【００１８】時間Ｔ１が経過すると、ステップｍ８へ移
り、制御回路２７は弁駆動信号ｓ６を出力して開閉弁Ｖ
３を閉止させて、ガス検出器２１のクリーニングが行わ
れる。ステップｍ９でさらに時間Ｔ２を計時し、この時
間Ｔ２が経過するとステップｍ１０で開閉弁Ｖ４を閉止
させて、クリーニングを停止させ、駆動信号ｓ３を受け
てガス検出器２１の電源が遮断され、ステップｍ１１で
注油作業が完了する。

【００１９】一方、前記ステップｍ６において、タンク
ローリから誤って貯留タンク３の燃料油と異なる油種の
燃料油、たとえばガソリンが注油されたときには、検出
信号ｓ４は判定レベルを超えるので、判定回路２３は油
種違いと判断し、ステップｍ１２で報知信号ｓ１０を出
力して、警報ランプ２５を点滅表示させるとともに、ス
ピーカ２６から警報音を発生させて、管理者へ混油があ
った旨を報知する。

【００２０】このような報知を受けた管理者は、ステッ
プｍ１３でリセットスイッチＳＷを押圧操作し、このリ
セット信号ｓ１１を入力した判定回路２３は報知信号ｓ
１０を停止して、ステップｍ１４で警報ランプ２５およ
びスピーカ２６の報知動作を解除させる。その後、前述
のステップｍ８〜ステップｍ１１の動作が行われる。

【００２１】図３は、本発明の他の実施例の動作を説明
するためのフローチャートである。なお、具体的構成は
前述の実施例に類似し、図１を引用して説明する。本実
施例では、給油所に油種毎に対応して埋設されている複
数の貯留タンクからたとえば灯油が貯留されている貯留
タンク３を指定して、タンクローリから注油を受ける場
合を想定する。

【００２２】まず、ステップｎ１で注油動作が開始さ
れ、ステップｎ２で図示しない管理装置の入力手段によ
る入力操作によって貯留タンクの番号を打込み、灯油用
の貯留タンク３が指定されると、ステップｎ３で開閉弁
Ｖ１が開かれるとともに開閉弁Ｖ４が開かれて、空気圧
源１７からの空気によってガス検出器２１のクリーニン
グが行われるとともに、ガス検出器２１の電源がオン状
態になる。ステップｎ４で、注油管４にタンクローリか
らのホースが接続され、ステップｎ５で注油が開始され
る。

【００２３】ステップｎ６で、前記ステップｎ２におけ
る貯留タンクの指定から時間Ｔ３が経過したか否かが判
断され、経過したときにはステップｎ７で開閉弁Ｖ１が
一旦閉じられる。ステップｎ８では、前記ステップｎ７
において開閉弁Ｖ１が閉じられてから吸引口１０付近に
油が存在しなくなるまでの時間Ｔ４が経過したか否かが
判断され、経過したときにはステップｎ９に移り、開閉
弁Ｖ３が開かれてサンプリングが開始される。

【００２４】ステップｎ１０に移ると、判定回路２３に
よって貯留タンク３内の燃料油（灯油）とタンクローリ
から注油された燃料油とが同油種か否かが判断され、同
油種であるときにはステップｎ１１に移り、前記開閉弁
Ｖ３が閉じられて、サンプリング動作を終了させ、ステ
ップｎ１２で開閉弁Ｖ１が再び開かれて、中断されてい
た注油が再開される。ステップｎ１３で、注油動作が終
了したか否かが判断される。この注油の終了は、蓋８を
閉じることによって蓋開閉検出器Ｓ３からの蓋開閉信号
ｓ１に基づいて判断するようにしてもよく、キャップ１
３の装着によってキャップ検出器Ｓ２からのキャップ検
出信号ｓ８に基づいて判断してもよく、さらに液検出器
Ｓ１からの液検出信号ｓ７に基づいて判断するようにし
てもよい。これらのいずれかの信号ｓ１，ｓ８，ｓ７に
よって給油が終了していないと判断されたときには、ス
テップｎ１４へ移り、前記ステップｍ１２で開閉弁Ｖ１
が開かれたときから時間Ｔ５が経過したか否かが判断さ
れる。

【００２５】この時間Ｔ５は、たとえば２分であっても
よい。この時間Ｔ５が経過したときには、再びステップ
ｎ７へ戻り、開閉弁Ｖ１を閉じた後、ステップｎ８〜ス
テップｎ１４の動作が繰返される。このようなステップ
ｎ７からステップｎ１４の動作は同油種の場合、繰返し
行われる。

【００２６】前記ステップｎ１３で、注油が終了したと
きにはステップｎ１５へ移り、ガス検出器２１をクリー
ニングして電源を遮断した後、開閉弁Ｖ４を閉じ、ステ
ップｎ１６で注油動作が終了する。

【００２７】また前記ステップｎ１０で、油種が異なる
と判断されたときにはステップｎ１７へ移り、開閉弁Ｖ
３を閉じてクリーニング動作に切換え、ガス検出器２１
の電源を遮断させるとともに、ステップｎ１８で警報ラ
ンプ２５およびスピーカ２６による警報動作が開始され
る。これを受けた管理者がステップｎ１９でリセットス
イッチＳＷを押圧操作すると、ステップｎ２０へ移り、
警報ランプ２５およびスピーカ２６による報知動作を停
止させた後、ステップｎ２１で開閉弁Ｖ４を閉止させ、
ステップｎ１６で注油動作が中断される。その後、タン
クローリのホース内に存在する燃料油を貯留タンク３内
に落とし込み、あるいは他の方法で回収してステップｎ
１へ戻り、油種の一致した貯留タンクを再び指定し直し
て注油が再開される。

【００２８】なお、本発明で一部記載したように、注油
作業の終了は液検出器Ｓ１、キャップ検出器Ｓ２、蓋検
出器Ｓ３のいずれか１個によって検出すれば足り、液検
出器Ｓ１を採用する場合にあたっては、管路９の吸引口
１０よりも下方に設置することで、ステップｎ８におけ
る時間Ｔ４の経過に代えて、液の不存在を確認させても
よい。

【００２９】前述の実施例では、灯油が貯留される貯留
タンクへガソリンが間違って注油される場合について説
明したけれども、その他の油種、たとえば軽油へのガソ
リンの混入、ガソリンへの灯油の混入、ガソリンへの軽
油の混入であっても、本発明を好適に実施することがで
きる。

【００３０】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、貯留タン
クに燃料油が注油された直後に油種が異なることを検出
することができるので、顧客が給油を受ける前に混油を
発見でき、事故の発生を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の全体の構成を示す系統図で
ある。

【図２】混油検出動作を説明するためのフローチャート
である。

【図３】本発明の他の実施例の動作を説明するためのフ
ローチャートである。

【符号の説明】

３ 貯留タンク ４ 注油管 ７ ヒンジ ８ 蓋 ９ 管路 １０ 吸引口 １１ 開口部 １３ キャップ １６ エジェクタ １７ 空気圧源 １８ 管路 １９ 狭搾部 ２１ ガス検出器 ２３ 判定回路 ２４ 報知手段 ２５ 警報ランプ ２６ スピーカ ２７ 制御回路 ２８ 比較手段 Ｓ１ 液検出器 Ｓ２ キャップ検出器 Ｓ３ 蓋開閉検出器 Ｖ１，Ｖ３，Ｖ４ 開閉弁 Ｖ２ フロート弁 ＳＷ リセットスイッチ ｓ１ 蓋開閉信号 ｓ２，ｓ６，ｓ９ 弁駆動信号 ｓ３ 駆動信号 ｓ４ 検出信号 ｓ７ 液検出信号 ｓ８ キャップ検出信号 ｓ１０ 報知信号 ｓ１１ リセット信号

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 注油管が接続され、この注油管を介して
   燃料油が注油される貯留タンクと、 前記注油管内のガスをサンプリングして、そのガスに対
   応する油種と、前記注油管が接続される貯留タンクに注
   油されるべき燃料油の油種とを比較する比較手段と、 比較手段からの出力に応答して、前記注油管内のガスに
   対応する油種と、前記貯留タンクに注油されるべき燃料
   油の油種とが一致しないとき、混油であることを報知す
   る報知手段とを含むことを特徴とする貯留タンクの混油
   検出装置。