JPH0250000B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、例えばタンクローリのようにガソリ
ン、灯油、軽油等の複数の油種を一本の注油管を
用いて、各油種の貯油タンクに給油する場合に油
種を誤つて給油しないようにするための貯油タン
クへの誤給油防止装置に関する。

［従来技術とその問題点］ ガソリンや軽油を輸送するタンクローリから貯
油タンクに荷卸しする時に、一本の注油管を共用
するので、ガソリン、軽油等の油種を間違えて異
種の油を荷卸ししてしまうことがある。このよう
な事態が発生すると混合してしまつた油を売るこ
とができないし、また後始末も容易ではない。特
にガソリンと軽油、ガソリンと灯油という混油に
なつてしまうとこの混油は使用することができな
い。そこで荷卸しする時に、注油管に油種の判別
装置を設けると、かかる不都合な事態が発生する
恐れがない。

また一般的に油種を判別するにはそれらの比
重、粘度、光の透過度等の差異により判別するこ
とは知られている。しかしながら比重による手段
が構成上、および取扱い上最も簡単であり実際上
極めて好ましい。

そこで、例えば実開昭56−118900号公報には、
バイパス管に比重測定室を設け、弁開後に油をそ
の比重測定室および注油管に流して誤給油の場合
は、弁を閉じる技術が開示されている。しかしな
がら、かかる公報技術では、注油管の比較的に上
流側に設けた弁を開閉するので、万一誤給油の場
合に、弁の下流側の注油管、バイパス管および比
重測定室内の油はすべてタンク内に流入し、した
がつて、誤給油される油量が比較的に多量である
という欠点がある。

［解決しようとする課題］ したがつて本発明の目的は、誤給油に際して、
貯油タンク内に流入する異種の油を最小限に止め
ることができる貯油タンクへの誤給油防止装置を
提供するにある。

［課題を解決するための手段］ 本発明による貯油タンクへの誤給油防止装置
は、貯油タンクへの注油管に並列にバイパス管を
設け、そのバイパス管に油種判別装置を設け、そ
の注油管とバイパス管とに選択的に油を流し、か
つ油の流れを遮断する弁を設け、そして前記油種
判別装置の出力により前記弁を遮断する弁制御手
段を設けてある。

［作用効果の説明］ 給油に際して、弁はまずバイパス管側に開く。
したがつて油はまず油種判別装置に流れる。そこ
で、油種判別装置は、油種の正否を判断するが、
正しい場合は、弁制御手段は注油管が連通するよ
うに弁を作動し、正しい油が注油管を通つて給油
される。しかしながら、異種の油を給油した場
合、油種判別装置は異種であることを判別するの
で、弁制御手段は油の流れを遮断するように弁を
作動する。したがつて、誤給油が防止される。

その際に本発明では油種を判別する油種判別装
置がバイパス管に設けられ注油管とバイパス管と
に選択的に油を流し、かつ油の流れを遮断する弁
を設けたので、異種の油を誤つて供給した場合
に、その油量はバイパス管の一部および油種判別
装置の容量程度であり、異種の油の場合は弁が遮
断されるので、貯油タンクに流れる異種の油量は
小量であり、混合されても、実際上、問題がな
い。また、間違つたことが分つたときに、正しい
貯油タンクに接続すれば油種判別装置やバイパス
管に溜つた油の処理に問題がない。

［好ましい実施の態様］ 本発明の実施に際して、油種判別装置としては
油種による比重、粘土、光の透過度、静電容量な
どをあらかじめ設定しておけばよく、そしてその
設定された油の値と異なる油が給油された場合に
出力を弁制御手段に発すればよい。この弁制御手
段としてはリレーおよびリレー接点で構成すれば
よい。

［実施例］ 以下、本発明の実施例を添付した図面を参照し
て説明する。第１図は本発明を実施する給油所の
全体概略図を示しており、ローリＡは例えば４つ
のタンク室２，３，４，５を有するものとし、給
油所Ｂには事務所６が設置されて、そして地下に
複数個の貯油タンク７，８が埋設されている。こ
の貯油タンクは油種に応じて設置されており、第
１図ではそのうちの２つ例えばレギユラーガソリ
ン用のタンク７と軽油用タンク８とが示されてい
る。

各タンク室２，３，４，５には例えばそれぞれ
レギユラーガソリン、ハイオクタンガソリン、軽
油、および灯油が搭載されており、そして各タン
ク室２，３，４，５には上部にそれぞれ底弁２
ｂ，３ｂ，４ｂ，５ｂを開閉する底弁ハンドル２
ａ，３ａ，４ａ，５ａが設けられ、また各タンク
室２，３，４，５の下部に設けられた各底弁２
ｂ，３ｂ，４ｂ，５ｂは各タンク室２，３，４，
５共通の注油管９に連結され、その注油管９の端
部には元弁１０を介してカツプリング１１が連結
されている。

他方、給油所Ｂの事務所６には報知器１２およ
び始動スイツチSW１が設けられ、また地下に埋
設された貯油タンク７，８からは地上に向けて個
別の注油管１４，１５が設けられている。図中符
号１６，１７はそれぞれ給油機（図示せず）に至
る給油管である。各個別の注油管１４，１５には
後述する注油管とバイパス管とに選択的に油を流
しかつ油の流れを遮断する弁１８および油種判別
装置１９が接続され、そしてカツプリング２０が
接続されている。このカツプリング２０はホース
２１を介してローリＡ側の共通の注油管９の端部
のカツプリング１１と連結されるようになつてい
る。

次に前述した油種判別装置１９について第２図
を参照して説明する。図示の実施例において各注
油管１４，１５に設けられた油種判別装置１９は
基本的にはそれぞれ同一構成を有しているから、
その１つについて説明する。前記弁１８の１つの
出口にはバイパス管２２が連結され、そのバイパ
ス管２２の中途にはハウジング２３が形成され、
バイパス管２２の下流端は注油管１４に連結され
ている。

このハウジング２３内にはフロート２４が実線
位置と点線２４ａで示す位置との間を上下動でき
るように収容されており、ハウジング２３の上端
部にはフロート検知器を構成するフロートスイツ
チSW２が設けられ、またフロート室２３ａの上
端のハウジング２３にはエア孔２５が穿設されて
いる。このフロート室２３ａの側壁２８には上部
にオーバーフロー孔２６と、下部に小孔２７が穿
設されている。

フロート２４の比重に関し、本実施例ではハイ
オクタンガソリン（比重0.74）、レギユラーガソ
リン（比重0.70）を第１群とし、また軽油（比重
0.84）、灯油（比重0.80）を第２群とし、これら
の２群の油の混油を防止するため、フロート比重
は約0.78に設定されている。

次に主として第３図に示した制御回路を参照し
て誤給油防止装置の作動の態様について説明す
る。まず貯油タンク７は軽油より軽いレギユラー
ガソリン用とし、第１図に示すようにローリＡを
給油所Ｂに停車させ、ホース２１のカツプリング
１１，２０を結合し、底弁ハンドル２ａをまわ
し、底弁２ｂを開き、次に元弁１０を開き、始動
スイツチSW１をオンとし給油を開始する。

第３図において始動スイツチSW１がオンとな
ると、電流は常閉接点TRaおよびＲ３ｄを介し
て流れ、リレーＲ１が働き、そのリレーＲ１の常
開接点Ｒ１ａを閉じ、弁１８がバイパス管２２に
油を流すように切替わる。したがつてタンク室２
内の油はバイパス管２２を通つてハウジング２３
に少量ずつ供給される。そして一定秒後例えば５
〜６秒経過すると、フロート室２３ａ内が油で満
たされオーバーフロー孔２６から油が流下するよ
うになる。

このとき正しい油、即ちレギユラーガソリンで
あれば、フロート２４は点線位置２４ａまで浮き
上らずフロートスイツチSW２はオンとならな
い。油種判別のためにフロート室２３ａ内が油で
満たされる時間以上、例えば10秒に設定されてい
るタイマーリレーTRは設定時間10秒後に働き、
そのリレー接点TRaを開き、リレー接点TRbを
閉じる。その結果リレーＲ２は働き、接点Ｒ２ａ
を閉じ、弁１８は注油管１４側を開くように切換
わり、貯油タンク７への給油が行われる。また、
その際バイパス管２２側は閉じても閉じなくても
よいが、閉じる方が好ましい。なおフロート室２
３ａ内のレギユラーガソリンは小孔２７から注油
管１４内に流出し、次の油種判別にそなえられ
る。そして給油作業が終了したならば始動スイツ
チSW１をオフすれば、弁１８は閉じて油はバイ
パス管にも注油管にも流れないので、元の状態に
戻る。次にツプリング１１，２０を外せばよい。

次に給油操作を誤つて軽油がフロート室２３ａ
内に流入した場合について説明する。始動スイツ
チSW１をオンとした後５〜６秒経過してフロー
ト室２３ａ内が軽油で満たされると、第２図矢印
で示すようにフロート２４が点線位置２４ａまで
浮き上り、フロートスイツチSW2がオンとなる。
その結果リレーＲ３は働き、自己保持用のリレー
接点Ｒ３を閉じる。そしてリレー接点Ｒ３ａを開
き、タイマーリレーTRを不作動にする。すなわ
ちこのリレーＲ３およびリレー接点Ｒ３ａは弁制
御手段を構成している。またリレー接点Ｒ３ｃを
閉じ、報知器１２を作動させる。更にリレー接点
Ｒ３ｄを開き、その結果リレーＲ１を消勢させ、
リレー接点Ｒ１ａを開き、弁１８を閉じて軽油の
流入をストツプさせる。このように誤給油と判断
された場合は始動スイツチSW１をオフに戻し、
タンク室を選択し直して正しい給油を行う。

なお上記実施例はガソリン用の給油管に軽油を
注ぐ誤動作を防止するものであるが、軽油用の給
油管のガソリンを注ぐ誤動作を防止する為、比重
計を軽油用の比重計とする場合には、正しい軽油
がフロート室２３ａに流入したとき５〜６秒でフ
ロートスイツチがオンとなり、誤つてガソリンが
流入したとき５〜６秒経つてもフロートスイツチ
はオフのままであるから、このフロートスイツチ
のオン、オフ信号により報知器や弁１８の制御を
させるようにすればよい。

［発明の効果］ 以上の如く本発明によれば、注油管とバイパス
管とに選択的に油を流しかつ油の流れを遮断する
弁を設けたので、給油開始時にバイパス管に設け
た油種判別装置にのみ油を流し、異種の場合は、
油の流れを遮断するので、誤給油による油の混合
量は最小限で済み、混合につる不都合は実質的に
生じない。そのために、作業者は安定して給油作
業をすることができる。また、この防止の判別装
置をきめて簡単なものとしたから、故障が少なく
操作やメンテナンスが簡単となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を実施する給油所を示す全体概
略図、第２図は本発明の主要部の一部断面の側面
図、第３図は本発明に実施される制御回路図であ
る。 Ａ……ローリー、Ｂ……給油所、２，３，４，
５……タンク室、６……事務所、７，８……貯油
タンク、９……ローリーの注油管、１１……カツ
プリング、１２……報知器、１４，１５……貯油
タンクの注油管、１８……弁、１９……油種判別
装置、２０……カツプリング、２２……バイパス
管、２３……ハウジング、２３ａ……フローート
室、２４……フロート。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 貯油タンクへの注油管に並列にバイパス管を
   設け、そのバイパス管に油種判別装置を設け、そ
   の注油管とバイパス管とに選択的に油を流し、か
   つ油の流れを遮断する弁を設け、そして前記油種
   判別装置の出力により前記弁を遮断する弁制御手
   段を設けたことを特徴とする貯油タンクへの誤給
   油防止装置。