JPH06248256A - 溶剤型表面改質剤組成物 - Google Patents

溶剤型表面改質剤組成物

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JPH06248256A
JPH06248256A JP5965193A JP5965193A JPH06248256A JP H06248256 A JPH06248256 A JP H06248256A JP 5965193 A JP5965193 A JP 5965193A JP 5965193 A JP5965193 A JP 5965193A JP H06248256 A JPH06248256 A JP H06248256A
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Katsuji Ito
勝治 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】オゾン破壊の問題がなくかつ高い撥水撥油性を
付与可能な溶剤型表面改質剤組成物を提供する。 【構成】塩素原子を含有しないフッ素系溶剤とフッ素系
表面改質剤とを含む溶剤型表面改質剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は特定のフッ素系溶剤を使
用する溶剤型表面改質剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】溶剤型表面改質剤は基材表面に撥水撥油
性や防湿・防汚性を付与する化学剤として広く用いられ
ている。特に繊維製品に対して撥水撥油性を付与する化
学剤は撥水撥油剤と呼ばれている。近年、衣料・カーペ
ット・椅子張り等の撥水撥油加工が盛んに行われ、家庭
で簡単に使用できる溶剤型の撥水撥油剤、またはエアゾ
ールタイプの撥水撥油剤が注目されている。また、電子
部品や木製家具に防湿・防汚機能を付与する目的で溶剤
型の表面改質剤が用いられている。しかしながら、フッ
素系の表面改質剤にはフッ素化合物の溶解性が高いトリ
クロロトリフルオロエタンや1,1,1−トリクロルエ
タンが一般に含まれていた。そのためオゾン層の破壊に
対しての懸念が生じ、表面改質剤の使用が制限され始め
た。オゾン破壊の問題のない溶剤による表面改質剤の検
討が行われているが、撥水撥油性などの機能が低い、貯
蔵安定性が悪い等、まだ満足できる性能が得られていな
いのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、オゾン破壊
の問題がなく、且つ高い撥水撥油性などの機能を付与可
能な溶剤型表面改質剤組成物を新たに提供することを目
的にするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題を
解決すべくなされたものであり、塩素原子を含有しない
フッ素系溶剤とフッ素系表面改質剤とを含む溶剤型表面
改質剤組成物、を提供するものである。
【0005】本発明における塩素原子を含有しないフッ
素系溶剤ととしては種々のものが使用可能であるが、特
にC614、C49 CH2 CH3 、C613H、(C
493 N、およびパーフルオロ(2−ブチルテトラ
ヒドロフラン)から選ばれる少なくとも1種であること
が好ましい。
【0006】上記溶剤の他に任意の溶剤をさらに混合使
用することができる。例えば、プロピレングリコール誘
導体などのアルキレングリコール誘導体、ミネラルスピ
リット、デカン、ウンデカン、ドデカンなどの脂肪族炭
化水素、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルのような
エステル類、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケ
トン、アセトンのようなケトン類、エチルアルコール、
ブチルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアル
コール類、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレンな
どが好適なものとしてあげられる。上記プロピレングリ
コール誘導体としては、例えば、プロピレングリコール
モノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチル
エーテル、およびそれらのアセテート、並びにジプロピ
レングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエ
ーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルな
どがある。また、必要に応じて1,1,1−トリクロロ
エタン、パークロロエチレン等の塩素系溶剤や1,1−
ジクロロ−1−フルオロエタンなどの水素原子含有塩素
化フッ素化炭化水素系溶剤を混合しても差し支えない。
【0007】本発明におけるフッ素系表面改質剤の構造
としては特に限定されるものではないが、ポリフルオロ
アルキル基(以下Rf 基という)含有のα、β不飽和単
量体の重合体や共重合体が好ましい。特に、Rf 基含有
のアクリレートまたはメタクリレートをモノマーとする
重合体、特にそれと他のラジカル重合性の不飽和結合を
有する単量体(以下コモノマーという)の1種以上との
共重合体が好ましい。Rf 基含有のアクリレートあるい
はメタクリレート(以下Rf (メタ)アクリレートとい
う)としては、例えば以下の化合物を好適なものとして
あげることができる(なお、R1 は水素原子あるいはメ
チル基を表す)。また、Rf (メタ)アクリレートとし
て2種以上を併用することができ、特にポリフルオロア
ルキル基の炭素数の異なる化合物を2種以上併用するこ
とができる。
【0008】CH2=C(R1)COOCH2CH2Rf CH2=C(R1)COOCH(CH3)CH2Rf CH2=C(R1)COOCH2CH2N(CH3)CORf CH2=C(R1)COOCH2CH2N(C2H5)CORf CH2=C(R1)COOCH2CH2N(C3H7)CORf CH2=C(R1)COOCH2CH2N(CH3)SO2Rf CH2=C(R1)COOCH2CH2N(C2H5)SO2Rf CH2=C(R1)COOCH2CH2N(C3H7)SO2Rf CH2=C(R1)COOCH(CH2Cl)CH2OCH2CH2N(CH3)SO2Rf
【0009】Rf は炭素数1〜20個、好ましくは4〜
16個の直鎖状または分岐状のポリフルオロアルキル基
であり、通常は末端部がパーフルオロアルキル基である
ものが選定されるが、末端部に水素原子あるいは塩素原
子を含むもの、あるいはオキシポリフルオロアルキレン
含有基なども使用可能である。Rf の好ましい態様は、
CnF2n+1 (ただし、nは4〜16の整数を示す)で表さ
れるパーフルオロアルキル基であり、nが6〜12のも
のが特に好ましい。
【0010】また、コモノマーとしては(メタ)アクリ
レートや(メタ)アクリルアミドなどが好ましいがこれ
に限られるものではない。なお、(メタ)アクリレート
とはアクリレートとメタクリレートの両者を意味し、
(メタ)アクリルアミド等も同様である。特に、コモノ
マーとしては生成共重合体の溶解性から長鎖アルキル
(メタ)アクリレート、そのうちでも長鎖アルキルメタ
クリレートが好適である。長鎖アルキルとしては炭素数
6〜20のものが適当である。その他のコモノマーとし
ては、例えば、オレフィン類、ハロゲン化オレフィン
類、スチレン類などがある。以下にその具体例をあげる
がこれらに限定されるものではない。
【0011】エチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、フッ
化ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、アクリル酸とそのアルキルエステル、メタク
リル酸とそのアルキルエステル、ポリオキシアルキレン
(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ジア
セトン(メタ)アクリルアミド、メチロール化(メタ)
アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミ
ド、ビニルアルキルエーテル、ハロゲン化アルキルビニ
ルエーテル、ビニルアルキルケトン、ブタジエン、イソ
プレン、クロロプレン、グリシジル(メタ)アクリレー
ト、アジリジニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メ
タ)アクリレート、イソシアナートエチル(メタ)アク
リレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−
エチルヘキシル(メタ)アクリレート、無水マレイン
酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリシロ
キサンを有する(メタ)アクリレートN−ビニルカルバ
ゾール、ブロックドイソシアナート含有(メタ)アクリ
レート。
【0012】Rf 基含有のα、β不飽和単量体の重合体
や共重合体の製造にあたって使用される重合開始剤とし
てはアゾ系化合物、過酸化物、電離放射線等をあげるこ
とができる。
【0013】本発明表面改質剤組成物は調製形態などに
応じて、任意の方法で被処理物品に適用され得る。例え
ば、浸漬塗布等の如き被覆加工の既知の方法により、被
処理物の表面に付着させ乾燥する方法が採用される。ま
た、必要ならばキュアリングを行ってもよい。更に本発
明の表面改質剤組成物は、他の化合物と混合使用しても
よく、他の撥水剤や撥油剤、あるいは架橋剤、防虫剤、
難燃剤、帯電防止剤、防シワ剤など適宜添加剤を添加併
用することも勿論可能である。
【0014】本発明の表面改質剤組成物で処理され得る
物品は、特に限定なく種々の例をあげることができる。
例えば、繊維織物、繊維編物、ガラス、紙、皮革、毛
皮、レンガ、セメント、プラスチックである。織物繊
維、繊維織物としては、綿、麻、羊毛、絹などの動植物
天然繊維、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアル
コール、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリ
プロピレンの如き合成繊維、レーヨンアセテートの如き
半合成繊維、あるいはこれらの混合繊維の織物、編物が
あげられる。また、処理され得る物品としては、さらに
プリント基板などの電子部品、金属線条などの金属製
品、木製家具があげられる。
【0015】次に、本発明の実施例について具体的に説
明するが、この説明が本発明を限定するものでないこと
は勿論である。また、以下の実施例中に示す撥水性、撥
油性については、次のような尺度で示した。即ち、撥水
性はJIS L−1092のスプレー法による撥水性ナ
ンバー(表1参照)をもって表し、撥油性は表2に示さ
れた試験溶液を試験布の上、二ヶ所に数滴(径約4m
m)置き、30秒後の浸透状態により判別した(AAT
CC−TM118−1966)。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
【実施例】
[実施例1]熱電対式温度計と電流式撹拌機を装着した
ガラス製オートクレーブ(内容積1リットル)中に、パ
ーフルオロアルキルエチルアクリレート(以下FAとい
う)[ RfCH2CH2OCOCH=CH2、Rfの平均炭素数は約9]1
20g(60重量部)、ステアリルメタクリレート60
g(30重量部)、2−エチルヘキシルメタクリレート
12g(10重量部)、C614400g、および2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル(和光化成品“V−
60”)6gを加え、撹拌しながら約20分間窒素置換
を行ったのち、60℃に昇温し、重合を開始させた。6
0℃で15時間保温撹拌したのち冷却し、固形分濃度3
3%の溶液を得た。
【0019】ガスクロマトグラフィーによる共重合反応
の転化率は99.0%(FAに対して)であった。ま
た、収率は99%であった。得られた溶液を更にC6
14で希釈し固形分濃度20%の試料を得た。
【0020】[実施例2]熱電対式温度計と電流式撹拌
機を装着したガラス製オートクレーブ(内容積1リット
ル)中に、FA120g(60重量部)、セチルメタク
リレート60g(30重量部)、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート12g(10重量部)、C49 CH2
CH3 400g、および2,2’−アゾビス−2−メチ
ルブチロニトリル(和光化成品“V−59”)6gを加
え、撹拌しながら約20分間窒素置換を行ったのち、6
0℃に昇温し、重合を開始させた。60℃で15時間保
温撹拌したのち冷却し、固形分濃度33%の溶液を得
た。ガスクロマトグラフィーによる共重合反応の転化率
は99.0%(FAに対して)であった。また、収率は
99%であった。得られた溶液を更にC49 CH2
3 で希釈し固形分濃度20%の試料を得た。
【0021】[比較例1]実施例1と同様の方法で溶剤
のみを酢酸エチルに代えて合成し、濃度調整したポリマ
ー溶液。
【0022】[比較例2]実施例2で同様の方法で溶剤
のみをトルエンに代えて合成し、濃度調整したポリマー
溶液。
【0023】評価は以下に示す方法にて行った。上記2
0%固形分溶液をパークロルエチレンで固形分濃度が1
%となるように希釈し、希釈液にナイロンタフタを浸漬
しゴムローラーの間で布をしぼって、ウエットピックア
ップを30重量%とした。次いで、110℃で90秒間
乾燥、更に150℃で60秒間熱処理した。かくして得
られた試験布について撥水撥油性能を測定した結果を表
3にまとめて示した。貯蔵安定性は実施例、比較例の2
0%固形分濃度の製品を5℃に調整した恒温槽に1週間
放置後に外観を目視で判定した。
【0024】
【表3】
【0025】
【発明の効果】溶剤として塩素原子を含有しないフッ素
系溶剤を用いることにより、オゾン破壊の問題がなく優
れた撥水撥油性などの高い機能を有しかつ保存安定性の
高い溶剤型フッ素系表面改質剤組成物が得られる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩素原子を含有しないフッ素系溶剤とフッ
    素系表面改質剤とを含む溶剤型表面改質剤組成物。
  2. 【請求項2】塩素原子を含有しないフッ素系溶剤が、C
    614、C49 CH2 CH3 、C613H、(C4
    93 N、およびパーフルオロ(2−ブチルテトラヒド
    ロフラン)から選ばれる少なくとも1種である、請求項
    1の組成物。
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