JP3603480B2 - 撥水撥油剤組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な撥水撥油剤組成物、および撥水撥油剤組成物として有用な新規な共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、衣料、カーペット、および椅子張り等の表面をフッ素系の撥水撥油剤で加工することが盛んに行われている。また、家庭においては、簡単に加工ができ、常温で処理できる等の利点があるために、溶剤型のフッ素系撥水撥油剤、またはエアゾール型のフッ素系撥水撥油剤が多用されている。溶剤型のフッ素系撥水撥油剤に関しては、以下の例が知られている。
【0003】
(1)ペルフルオロアルキル基を含有する(メタ)アクリレートの重合した単位とシクロヘキシル基を含有する(メタ)アクリレートの重合した単位を含む共重合体からなる溶剤型撥水撥油剤(特開昭50−19687)。
(2)ペルフルオロアルキル基を含有する(メタ)アクリレートの重合した単位、シクロヘキシルメタクリレートの重合した単位、ポリエチレングリコールジアクレートの重合した単位、およびN−メチロールアクリルアミドの重合した単位を含む共重合体からなる溶剤型撥水撥油剤(特開平1−26614)。
(3)ペルフルオロアルキル基を含有する(メタ)アクリレートとアルキル基を含有する(メタ)アクリレートとの共重合体、無水フタル酸、炭化水素系溶剤を含む繊維処理剤(特開平5−262948)。
【0004】
(4)ポリフルオロオキシアルキル基含有(メタ)アクリレートの重合した単位、ジカルボン酸無水物基含有(メタ)アクリレートの重合した単位、およびオクタデシルメタクリレートの重合した単位を含む共重合体、および、炭化水素系溶剤と酢酸エチルを含む撥水撥油剤(特開平7−197018)。
(5)ペルフルオロアルキル基を含有する(メタ)アクリレートの重合した単位を含む重合体、および、環状無水カルボン酸基含有重合体を含む溶剤型撥水撥油剤組成物(特開平7−197379、特開平7−216347)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のフッ素系撥水撥油剤組成物には、綿等の天然素材、ナイロン、またはこれらの混紡素材に対する性能が満足に得られない欠点があった。また、良好な撥水撥油性を期待する場合には共重合体中のフッ素含量を多くする必要があり、フッ素含量が多い共重合体は、高価格となる欠点や溶剤溶液とする場合に溶解しにくい欠点があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく研究を行った結果、特定の重合単位を含む共重合体を撥水撥油剤組成物として処理した被処理物が、常温乾燥で、きわめて高い撥水性を発現することを見いだした。さらに、該特定の共重合体は、フッ素含量を低くした場合にも、高い撥水撥油性能を発現することを見いだした。
【0007】
すなわち本発明は、下記重合単位A、下記重合単位B、下記重合単位C、および下記重合単位Dを含む共重合体、および、有機溶媒を含む撥水撥油剤組成物を提供する。
重合単位A:ポリフルオロアルキル基を含有するアクリレートおよび/またはポリフルオロアルキル基を含有するメタクリレートの重合した単位。
重合単位B:炭化水素基を含有するアクリレートおよび/または炭化水素基を含有するメタクリレートの重合した単位。
重合単位C:不飽和基を含有する酸無水物の重合した単位。
重合単位D:トリアリルシアヌレートの重合した単位。
【0008】
【発明の実施の形態】
本明細書においては、ポリフルオロアルキル基を「R 基」、アクリレートおよび/またはメタクリレートを総称して「(メタ)アクリレート」と記す。他の化合物についても同様に記載する。
【0009】
本発明における共重合体は、R 基を含有する(メタ)アクリレートの重合した単位(重合単位A)を含む。
【0010】
重合単位Aを与えるR 基を含有する(メタ)アクリレートとは、(メタ)アクリル酸のエステル部分にR 基を含有する化合物をいう。R 基は、アルキル基の水素原子の2個以上がフッ素原子に置換された基をいう。R 基の炭素数は2〜20、特に6〜16、が好ましい。また、R 基は、直鎖状または分岐状の基が好ましい。分岐状の基である場合には、分岐部分がR 基の末端部分に存在し、かつ、炭素数1〜4程度の短鎖であるのが好ましい。R 基は、フッ素原子以外の他のハロゲン原子を含んでいてもよい。他のハロゲン原子としては、塩素原子が好ましい。また、R 基中の炭素−炭素結合間には、エーテル性の酸素原子やチオエーテル性の硫黄原子が挿入されていてもよい。
【0011】
基中のフッ素原子の数は、R 基と同一炭素数の対応するアルキル基中に含まれる水素原子に対する割合で表現した場合に、60%以上、特に80%以上、が好ましい。さらにR 基は、アルキル基の水素原子の全てがフッ素原子に置換された基が好ましい。なお、以下において、アルキル基の水素原子の全てがフッ素原子に置換されたR 基を、「ペルフルオロアルキル基」と記す。
【0012】
ペルフルオロアルキル基の炭素数は、4〜16、特に6〜12、が好ましい。ペルフルオロアルキル基の炭素数が少ない場合には、撥水撥油性能が低下するおそれがあり、炭素数が大きくなると、R 基を含有する(メタ)アクリレートが常温で固体となり、また、昇華性も高くなるために取扱いしにくくなる欠点がある。R 基としては、以下の具体例および実施例中に記載される基が好ましい。
【0013】
基を含有する(メタ)アクリレートとしては、式1で表される化合物が好ましい。
−Q−OCOCR=CH ・・・式1
【0014】
ただし、式1においてR は、R 基を示す。Rは、水素原子またはメチル基を示す。
Qは2価の有機基を示し、−(CHp+q −、−(CH CONH(CH −、−(CH SO NH(CH −、−(CH SO NR (CH −、−(CH NHCONH(CH −、−(CH CH(OR )(CH −等が好ましい。ただし、pおよびqは0または1以上の整数を示し、p+qは1〜22の整数である。R は炭素数1〜3のアルキル基であり、R は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基または炭素数1〜3のアシルオキシ基である。
【0015】
これらのうち、Qとしては、−(CHp+q −、−(CH CONH(CH −、−(CH SO NH(CH −であり、かつ、pが1以上の整数であり、かつ、p+qが1〜6の整数であるものが好ましい。さらに、特に、p+qが1〜6である場合の−(CHp+q −、すなわち、メチレン基〜ヘキサメチレン基が好ましい。また、式1において、Qと結合するR の炭素原子には、フッ素原子が結合しているのが好ましい。
【0016】
基を含有する(メタ)アクリレートの具体例を以下に挙げるが、これらに限定されない。ただし、Rは、水素原子またはメチル基を示す。
【0017】
【化1】
CF(CFCHOCOCR=CH
CF(CFCHOCOCR=CH
CF(CFCHOCOCR=CH
CF(CFCHCHOCOCR=CH
CF(CFCHCHOCOCR=CH
(CFCF(CFCHCHOCOCR=CH
CF(CFSON(C)CHCHOCOCR=CH
CF(CF(CHOCOCR=CH
CF(CFSON(CH)CHCHOCOCR=CH
CF(CFSON(C)CHCHOCOCR=CH
CF(CFCONHCHCHOCOCR=CH
(CFCF(CF(CHOCOCR=CH
(CFCF(CFCHCH(OCOCH)OCOCR=CH
(CFCF(CFCHCH(OH)CHOCOCR=CH
CF(CFCHCHOCOCR=CH
CF(CFCONHCHCHOCOCR=CH
CF(CFCHCH(OH)CHCHOCR=CH
【0018】
本発明の共重合体は、R 基を含有する(メタ)アクリレートの重合した単位を2種以上含んでいてもよい。R 基を含有する(メタ)アクリレートの重合した単位を2種以上含む場合には、R 基の炭素数が異なる化合物の2種以上を含むのが好ましい。
【0019】
本発明の共重合体は、重合単位Aとともに重合単位Bを含む。重合単位Bは、炭化水素基を含有する(メタ)アクリレートの重合した単位である。
炭化水素基を含有する(メタ)アクリレートにおける炭化水素基は、炭素原子と水素原子からなる基である。炭化水素基の炭素数は4〜22が好ましく、特に、アルキル基、アルアルキル基、アリール基が好ましく、さらにアルキル基が好ましい。
【0020】
アルキル基は、直鎖構造、分岐構造、環構造のいずれであってもよく、環構造が好ましい。さらに、環構造の場合には、置換基を有していてもよい。また、アラルキル基、アリール基の環構造部分にも、置換基を有していてもよい。
【0021】
炭化水素基を含有する(メタ)アクリレートとしては、n−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、3,3−ジメチルブチル(メタ)アクリレート、(2,2−ジメチル−1−メチル)プロピル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、等が好ましく、特にシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートが好ましい。重合単位Bは、2種以上を含ませてもよい。
【0022】
さらに本発明の共重合体は、重合単位A、重合単位Bとともに重合単位Cを含む。重合単位Cは、不飽和基を含有する酸無水物の重合した単位である。
不飽和基を含有する酸無水物は、不飽和基の1個およびカルボキシル基の2個以上を有する化合物の2個のカルボキシル基から、水が脱水した構造の化合物をいう。不飽和基を含有する酸無水物としては、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物、およびマレイン酸無水物からなる群より選ばれる1種以上が好ましく、特にマレイン酸無水物が好ましい。重合単位Cは、2種以上を含ませてもよい。
【0023】
さらに、本発明の共重合体は、上記重合単位A〜Cとともに、重合単位Dを含む。重合単位Dは、トリアリルシアヌレートの重合した単位である。重合単位Dは、撥水撥油剤組成物としての諸性能の耐久性を向上させるとともに、被処理物に対する密着性を高める作用を有する。
【0024】
さらに、本発明の共重合体は、重合単位A〜D以外の他の重合性単量体の重合した単位を含んでいてもよい。他の重合性単量体の重合した単位を含ませることによって、共重合体の被処理物への接着性、架橋性、または造膜性、あるいは柔軟性、防汚性、汚れ除去性等を改良できる。他の重合性単量体としては、以下の例が挙げられるがこれらに限定されない。
【0025】
エチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、フッ化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ポリ(オキシアルキレン)(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、メチロール化ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ビニルアルキルエーテル、(ハロゲン化アルキル)ビニルエーテル、ビニルアルキルケトン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、グリシジル(メタ)アクリレート、アジリジニルエチル(メタ)アクリレート、イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、アジリジニル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、オルガノポリシロキサン基を有する(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、酢酸アリル、N−ビニルカルバゾール、マレイミド、N−メチルマレイミド、(メタ)アクリル酸(2−ジメチルアミノ)エチル、ブロックドイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート等。
【0026】
共重合体中に含ませる重合単位Aは、10〜50重量%、特に30〜50重量%、が好ましい。重合単位Aの割合が50重量%超であると、共重合体の溶媒への溶解度が充分でなくなるおそれがあり、10重量%未満であると、充分な撥水性が得られないおそれがある。
また、共重合体中に含ませる重合単位Bは40〜80重量%、特に45〜65重量%、が好ましい。共重合体中に含ませる重合単位Cは、0.1〜10重量%、特に0.5〜3重量%、が好ましい。さらに、共重合体中の含ませる重合単位Dは0.1〜10重量%、特に1〜5重量%、が好ましい。さらに他の重合性単量体の重合した単位を含ませる場合には、0.1〜10重量%の範囲とするのが好ましい。
【0027】
共重合体の重量平均分子量は1000〜100000、特に10000〜100000、が好ましい。
【0028】
本発明の共重合体は、有機溶媒に含ませて撥水撥油剤組成物とする。
共重合体中の重合単位Aは、撥水撥油性を発揮するために重要な構成単位である。通常のフッ素系撥水撥油剤においては、撥水撥油剤中のフッ素含量が多くなると、撥水撥油性能が高くなる傾向があるが、一方、フッ素含量が多くなると有機溶媒に溶解しにくくなる欠点がある。
【0029】
しかし、共重合体中に重合単位B、C、およびDを含ませることにより、共重合体のフッ素含量を低下させて有機溶媒に対する溶解性を改善するだけでなく、フッ素含量を低下させた場合にも撥水撥油性能の極端な低下を防止できる。特に綿等の天然素材、ナイロン、またはこれらの混紡素材に対する撥水撥油性に優れる利点がある。
【0030】
また、不飽和基を含有する酸無水物は、R 基を含有する(メタ)アクリレートや、炭化水素基を含有する(メタ)アクリレートとの共重合性が低い化合物であるが、トリアリルシアヌレートとの共重合性が高い。トリアリルシアヌレートは、R 基を含有する(メタ)アクリレートや、炭化水素基を含有する(メタ)アクリレートとの共重合性にも優れる化合物である。すなわち、重合単位CおよびDの組み合わせにより、共重合体を高収率で得ることもできる。また、重合単位CおよびDが共存することにより、高温の水に対しても優れた撥水性を発揮するとともに、貯蔵時の保存安定性においても優れた効果を発揮する。
【0031】
本発明の特定の4種の重合単位を含ませた共重合体は、共重合体中のフッ素含量を少なくした場合にも優れた撥水撥油性能を発揮し、また、有機溶媒への溶解性にも優れる利点がある。
本発明においては、共重合体中のフッ素含量は5〜35重量%、特に15〜35重量%、が好ましい。
【0032】
共重合体の合成方法としては、特に限定されず、公知または周知の重合方法が採用されうる。本発明においては、有機溶媒を含む溶液型の撥水撥油剤とすること、および、水の存在下では不飽和基を含有する酸無水物の分解がおこるおそれがあることから、溶液重合法が好ましい。
【0033】
溶液重合法で実施する場合には、R 基を含有する(メタ)アクリレート、炭化水素基を含有する(メタ)アクリレート、不飽和基を含有する酸無水物、トリアリルシアヌレート、および必要に応じて他の重合性単量体を、重合溶媒に含ませ、有機過酸化物、アゾ化合物、過硫酸塩のような重合開始剤またはγ線のような電離性放射線等の作用により重合させる方法で実施できる。
【0034】
有機溶媒としては、エステル系溶剤、グリコール系溶剤、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤等の極性溶剤、ハロゲン系溶剤、および、炭化水素系溶剤、などが使用できる。
【0035】
エステル系溶剤としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、コハク酸ジエチル、アジピン酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル等が好ましく、特に、コハク酸ジエチルが好ましい。
【0036】
ハロゲン系溶剤としては、塩化メチレン、トリクロロエタン、ペルクロロエチレン等の塩素化炭化水素、ジクロロジフルオロエタン、ジクロロペンタフルオロプロパン(HCFC225ca、HCFC225cb、またはこれらの混合物)等の塩素化フッ素化炭化水素、フッ素化炭化水素等が好ましく、特に、ジクロロペンタフルオロプロパンが好ましい。
【0037】
グリコール系溶剤としては、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルモノアセテート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等が好ましい。
【0038】
エーテル系溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が好ましい。
アルコール系溶剤としては、エチルアルコール、ブチルアルコール、イソプロピルアルコール等が好ましい。
【0039】
ケトン系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケタオン等が好ましい。
【0040】
炭化水素系溶剤としては、n−ヘプタン、n−ヘキサン、n−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、メチルペンタン、2−エチルペンタン、イソパラフィン、流動パラフィン、デカン、ウンデカン、ドデカン等の脂肪族炭化水素系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素系溶剤、および、脂肪族炭化水素系溶剤および芳香族系炭化水を含む混合溶剤が好ましく、脂肪族炭化水素系溶剤および芳香族系炭化水を含む混合溶剤が好ましい。
【0041】
有機溶媒は、1種以上を使用でき、1種の場合には、ハロゲン系溶剤、または、炭化水素系溶剤が好ましい。2種以上の場合には、炭化水素系溶剤および極性溶剤を含ませるのが好ましい。極性溶剤としてはエステル系溶剤が好ましい。
【0042】
撥水撥油剤組成物中に含ませる有機溶媒としては、上記の重合溶媒として用いられうる有機溶剤と同系の有機溶剤が好ましい。特に、不燃性、臭気、作業環境の良好性、組成物の貯蔵安定性等の点から、ハロゲン系溶剤の1種以上、炭化水素系溶剤の1種以上、または、炭化水素系溶剤の1種以上と極性溶剤の1種以上との混合溶剤が好ましい。
【0043】
本発明の撥水撥油剤組成物中の共重合体の量は、有機溶媒の100重量部に対して0.1〜50重量部、特に20〜50重量部、が好ましい。本発明の共重合体は、有機溶媒に対する溶解性に優れるため、共重合体濃度を高濃度にできる利点がある。
【0044】
本発明における撥水撥油剤組成物は、目的または被処理物の種類等に応じて使用時に適宜希釈して用いられる。希釈する場合には、共重合体の溶解力が高い溶剤を選択するのが好ましく、重合溶媒と同系の有機溶剤から選択するのが好ましい。
【0045】
さらに本発明の撥水撥油剤組成物は、上記の化合物以外の他の化合物を含ませてもよい。他の化合物としては、他の撥水剤や撥油剤、または他の重合体ブレンダー、架橋剤、防虫剤、難燃剤、帯電防止剤、防しわ剤などの添加剤等が挙げられる。これらは、撥水撥油剤の処理目的や被処理物等に応じて適宜変更できる。
【0046】
本発明の撥水撥油剤組成物は任意の方法で被処理物品に適用できる。たとえば、浸漬塗布等のような被覆加工の既知の方法により、被処理物の表面コーティングさせ乾燥する方法が採用される。このように処理した被処理物は、室温、好ましくは10〜30℃、に放置して乾燥させるだけで、被処理物表面に優れた撥水撥油性能を付与できる。また、必要ならばキュアリングを行ってもよい。
【0047】
また、本発明の撥水撥油剤組成物は、加圧して容器に充填し、いわゆるエアゾール型とすることもできる。エアゾール型の撥水撥油剤では、これを単に被処理物に噴射吹き付けするだけで直ちに乾燥して充分な性能を発揮させうる。
【0048】
本発明により処理される被処理物は、特に限定なく種々の例が挙げられる。たとえば、繊維、繊維製品、繊維織物、繊維編物、ガラス、紙、木、皮革、毛皮、石綿、レンガ、セメント、セラミックス、金属および金属酸化物、窯業製品、プラスチック、塗面などがあり、繊維または繊維製品が好ましい。繊維の例としては、綿、麻、羊毛、絹などの動植物性天然繊維、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンなどの合成繊維、レーヨン、アセテートなどの半合成繊維、ガラス繊維、アスベスト繊維などの無機繊維、またはこれらの混合繊維が挙げられる。特に、綿、ナイロン、またはこれら混紡繊維が好ましい。
【0049】
【実施例】
[例1]
100mLのガラス製重合アンプルに、重合性化合物として、C2n+1CH CH OCOCH=CH (ここで、nは6〜12の整数の混合物であり、nの平均は9である。:以下FAと記す)4.80g(40重量部)、シクロヘキシルメタクリレート(以下CHMAと記す)6.72g(56重量部)、マレイン酸無水物(以下MAHと記す)0.12g(1重量部)、トリアリルシアヌレート(以下TACと記す)0.36g(3重量部)、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(和光純薬工業社製、商品名:V−59)0.22g、ジクロロペンタフルオロプロパン27.6gを加えて、窒素雰囲気下で振とうしつつ、70℃で18時間重合させた。
【0050】
反応粗液をガスクロマトグラフィ(以下GCと記す)により分析した結果、重合性化合物は検出されなかった。得られた反応生成物をゲルパーミエイションクロマトグラフィ(以下GPCと記す)により分析した結果、重量平均分子量(ポリスチレン換算)は7万であった。
【0051】
[例2]
100mLのガラス製重合アンプルに、重合性化合物として、FAの4.20g(35重量部)、CHMAの7.32g(61重量部)、MAHの0.12g(1重量部)、TACの0.36g(3重量部)、V−59の0.22g、芳香族炭化水素系溶剤を含む炭化水素系溶剤(シェルジャパン社製、商品名:ホワイトスピリッツLAWS)27.6gを加えて、窒素雰囲気下で振とうしつつ、60℃で18時間重合させた。
反応粗液をGCにより分析した結果、重合性化合物は検出されなかった。反応生成物をGPCにより分析した結果、重量平均分子量(ポリスチレン換算)は7万であった。
【0052】
[例3]
表1上段に示す重合性化合物を表1上段に示す量(重量部)だけ用いる以外には、例2と同様の方法で重合させた。
反応粗液をGCにより分析した結果、重合性化合物は検出されなかった。得られた反応生成物をGPCにより分析した結果、重量平均分子量(ポリスチレン換算)は7万であった。
【0053】
【表1】
Figure 0003603480
【0054】
[例4(比較例)]
100mLのガラス製重合アンプルに、重合性化合物として、FAの4.80g(40重量部)、CHMAの6.84g(57重量部)、スチレン(以下Stと記す)0.36g(3重量部)、V−59の0.22g、芳香族炭化水素系溶剤を含む炭化水素系溶剤(日本石油社製、商品名:ミネラルスピリットA)13.8gおよびコハク酸ジエチル13.8gを加えて、窒素雰囲気下で振とうしつつ、60℃で18時間重合させた。
【0055】
[例5〜13(いずれも比較例)]
表1上段または表2上段に示す重合性化合物を表上段に示す量(重量部)だけ用いること以外は、例4と同様の方法で重合させた。
【0056】
[例14(比較例)]
表2上段に示す重合性化合物を表2上段に示す量(重量部)だけ用いること以外は、例1と同様の方法で重合させた。
【0057】
ただし、表1〜2および例17において、TBMAはt−ブチルメタクリレート、EHMAは2−エチルヘキシルメタクリレート、SMAはステアリルメタクリレートの略である。
【0058】
【表2】
Figure 0003603480
【0059】
[撥水性の評価]
例1〜14で得られた反応粗液に、ミネラルスピリットAを加えて共重合体の濃度が0.5重量%となるように調整した処理浴を用意した。処理布として綿布およびナイロン布を用意し、処理布をそれぞれ処理浴に浸漬後、マングルで絞り、ピックアップを80%とした。つぎに、恒温恒湿室(25℃、60%RH)で処理布を3時間乾燥した。撥水性の評価は、JIS−L1092のスプレー試験により行い、表3に示す撥水性ナンバーで表した。ただし、撥水性ナンバーに+(−)を記したものは、それぞれの性質がわずかに良い(悪い)ことを示す。評価結果を表1下段、表2下段に記す。
【0060】
【表3】
Figure 0003603480
【0061】
[例15]
100mLのガラス製重合アンプルに、重合性化合物として、FAの5.40g(45重量部)、CHMAの6.12g(51重量部)、MAHの0.12g(1重量部)、TACの0.36g(3重量部)、V−59の0.22g、ミネラルスピリットAの13.8g、コハク酸ジエチルの13.8gを加えて、窒素雰囲気下で振とうしつつ、60℃で18時間重合させた。
得られた反応粗液を同様に処理して、温度の異なる水を用いて撥水性を評価した。結果を表4に示す。
【0062】
[例16(比較例)]
例15のMAHを含まない従来品の溶剤型撥水剤を用い同様に評価した。結果を表4に示す。
【0063】
【表4】
Figure 0003603480
【0064】
[例17(比較例)]
100mLのガラス製重合アンプルに、重合性化合物として、FAの4.80g(40重量部)、CHMAの6.72g(56重量部)、MAHの0.12g(1重量部)、SMAの0.36g(3重量部)、V−59の0.22g、ミネラルターペンの27.6gを加えて、窒素雰囲気下で振とうしつつ、60℃で18時間重合させた。
得られた反応粗液を例1の反応粗液と同様に処理して撥水性を評価した結果、綿の場合は90+、ナイロンの場合は100であった。しかし、反応粗液を2℃で1か月保存したところ、ゲル化した。
【0065】
また、例1〜3の反応生成物も同様に2℃で1か月保存したところ、ゲル化は認められなかった。
【0066】
【発明の効果】
本発明の撥水撥油剤組成物によれば、処理後の乾燥を常温で行うだけで優れた撥水性を付与できる。さらに本発明の撥水撥油剤組成物は、従来の撥水撥油剤では撥水性の付与が困難であった綿等の天然素材、ナイロン、またはこれらの混紡素材等に対して処理した場合にも、常温乾燥で高い撥水性能を付与できる。
【0067】
また、本発明の撥水撥油剤組成物は、共重合体を低フッ素含量とした場合にも実用性において満足できる撥水性を発現できる利点がある。また、撥水撥油剤組成物は、共重合体の濃度を高濃度にできるだけでなく、高濃度溶解させたまま貯蔵した場合の貯蔵安定性にも優れる。
【0068】
本発明の撥水撥油剤組成物で処理された被処理物は、高温水に対しても撥水性を示すため実用的であり、各家庭の繊維製品に処理した場合には、コーヒー、茶、スープ等に対しても優れた撥水性を発揮しうる。

Claims (4)

  1. 下記重合単位A、下記重合単位B、下記重合単位C、および下記重合単位Dを含む共重合体、および、有機溶媒を含む撥水撥油剤組成物。
    重合単位A:ポリフルオロアルキル基を含有するアクリレートおよび/またはポリフルオロアルキル基を含有するメタクリレートの重合した単位。
    重合単位B:炭化水素基を含有するアクリレートおよび/または炭化水素基を含有するメタクリレートの重合した単位。
    重合単位C:不飽和基を含有する酸無水物の重合した単位。
    重合単位D:トリアリルシアヌレートの重合した単位。
  2. 共重合体中に、重合単位Aを10〜50重量%、重合単位Bを40〜80重量%、重合単位Cを0.1〜10重量%、および重合単位Dを0.1〜10重量%含む請求項1に記載の撥水撥油剤組成物。
  3. 重合単位Bが、シクロヘキシルアクリレートおよび/またはシクロヘキシルメタクリレートの重合した単位である請求項1またはに記載の撥水撥油剤組成物。
  4. 重合単位Cが、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物、およびマレイン酸無水物からなる群より選ばれる1種以上の重合した単位である請求項1、2または3に記載の撥水撥油剤組成物
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