JPWO2008126606A1 - 凹凸形状を持つ感光性樹脂版および凸版印刷版の製造方法、ならびに当該製造方法に用いる版面用処理液 - Google Patents

凹凸形状を持つ感光性樹脂版および凸版印刷版の製造方法、ならびに当該製造方法に用いる版面用処理液 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2008126606A1
JPWO2008126606A1 JP2009509007A JP2009509007A JPWO2008126606A1 JP WO2008126606 A1 JPWO2008126606 A1 JP WO2008126606A1 JP 2009509007 A JP2009509007 A JP 2009509007A JP 2009509007 A JP2009509007 A JP 2009509007A JP WO2008126606 A1 JPWO2008126606 A1 JP WO2008126606A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
ink repellent
group
plate
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2009509007A
Other languages
English (en)
Inventor
一嘉 山澤
一嘉 山澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei E Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei E Materials Corp filed Critical Asahi Kasei E Materials Corp
Publication of JPWO2008126606A1 publication Critical patent/JPWO2008126606A1/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41NPRINTING PLATES OR FOILS; MATERIALS FOR SURFACES USED IN PRINTING MACHINES FOR PRINTING, INKING, DAMPING, OR THE LIKE; PREPARING SUCH SURFACES FOR USE AND CONSERVING THEM
    • B41N3/00Preparing for use and conserving printing surfaces
    • B41N3/08Damping; Neutralising or similar differentiation treatments for lithographic printing formes; Gumming or finishing solutions, fountain solutions, correction or deletion fluids, or on-press development
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41NPRINTING PLATES OR FOILS; MATERIALS FOR SURFACES USED IN PRINTING MACHINES FOR PRINTING, INKING, DAMPING, OR THE LIKE; PREPARING SUCH SURFACES FOR USE AND CONSERVING THEM
    • B41N1/00Printing plates or foils; Materials therefor
    • B41N1/12Printing plates or foils; Materials therefor non-metallic other than stone, e.g. printing plates or foils comprising inorganic materials in an organic matrix
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41NPRINTING PLATES OR FOILS; MATERIALS FOR SURFACES USED IN PRINTING MACHINES FOR PRINTING, INKING, DAMPING, OR THE LIKE; PREPARING SUCH SURFACES FOR USE AND CONSERVING THEM
    • B41N3/00Preparing for use and conserving printing surfaces
    • B41N3/03Chemical or electrical pretreatment
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41NPRINTING PLATES OR FOILS; MATERIALS FOR SURFACES USED IN PRINTING MACHINES FOR PRINTING, INKING, DAMPING, OR THE LIKE; PREPARING SUCH SURFACES FOR USE AND CONSERVING THEM
    • B41N3/00Preparing for use and conserving printing surfaces
    • B41N3/03Chemical or electrical pretreatment
    • B41N3/038Treatment with a chromium compound, a silicon compound, a phophorus compound or a compound of a metal of group IVB; Hydrophilic coatings obtained by hydrolysis of organometallic compounds
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/26Processing photosensitive materials; Apparatus therefor
    • G03F7/40Treatment after imagewise removal, e.g. baking
    • G03F7/405Treatment with inorganic or organometallic reagents after imagewise removal
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/16Coating processes; Apparatus therefor
    • G03F7/18Coating curved surfaces

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

本発明によれば、後処理工程前又は後処理工程中に、凹凸形状のある感光性樹脂版または凸版印刷版の版面に、撥インキ成分(A)および硬化成分(B)を含有した液体を付着させる工程を含み、撥インキ成分(A)がシリコン系化合物、フッ素系化合物およびパラフィン系化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む、凹凸形状のある感光性樹脂版または凸版印刷版の製造方法及びそれに適した処理液が提供される。

Description

本発明は、凹凸形状を持つ感光性樹脂版(以下、単に、「感光性樹脂版」と記す。)および凸版印刷版、より詳細には、フレキソ印刷版用・レタープレス印刷版用・スタンプ版用レリーフ画像の作成、エンボス加工等の表面加工パターンの形成、型取り用パターンの形成、電子部品の導体・半導体・絶縁体パターン形成、光学部品の反射防止膜、カラーフィルター、(近)赤外線カットフィルター等の機能性材料パターンの形成、さらには液晶ディスプレイまたは有機エレクトロルミッセンスディスプレイ等の表示素子の製造における配向膜、下地層、発光層、電子輸送層、封止材層の塗膜・パターン形成、あるいは、パターンを形成しないインキ転写用ブランケットまたはアニロックスロールに接して使用されるインキ量調整用ロール等に適した、感光性樹脂版および凸版印刷版の製造方法に関する。
印刷方式には、一般的に、凸版印刷(フレキソ印刷やレタープレス等)・グラビア印刷(凹版)・オフセット印刷(平版)など様々な方式が挙げられるが、中でも凸版印刷は、印刷方式が簡便であり低コストで様々な被印刷体に印刷可能であり、また高速印刷も容易であることから、近年印刷方式の中での比重が高まっている。また、特にダンボール、紙器、紙袋、軟包装用フィルムなどの包装材、壁紙、化粧版などの建装材、ラベル印刷などに用いられるフレキソ印刷は各種の凸版印刷方式の中でも高精細で汎用性が高く、近年注目されている。一般的な凸版印刷版は、例えば特許文献1〜3に記載されるように、露光、現像および後処理工程を経て製造され、感光性樹脂が用いられることが多い。また、現像工程が不要である、レーザーを使って直接印刷原版上にレリーフ画像を形成する方法も挙げられる。それに用いられる材料としては、EPDM等の合成ゴムやシリコーンを加熱・加硫したものや、特許文献4に記載されるように、感光性樹脂を露光により光硬化させて得られたものが挙げられる。
また、感光性樹脂版としては、凸版印刷版用だけでなく、エンボス加工等の表面加工デザインロールを用いたパターンの形成用、型取り用パターンの形成、電子部品の導体・半導体・絶縁体パターン形成用、光学部品の反射防止膜、カラーフィルター、(近)赤外線カットフィルター等の機能性材料パターンの形成、さらには液晶ディスプレイまたは有機エレクトロルミッセンスディスプレイ等の表示素子の製造における配向膜、下地層、発光層、電子輸送層、封止材層の塗膜・パターン形成、あるいは、パターンを形成しないインキ転写用ブランケットまたはアニロックスロールに接して使用されるインキ量調整用ロールなど各種の用途に応用することが可能である。
例えば、フレキソ印刷版を用いた印刷方式は、凹凸のある印刷版の凸部の表面に、インキ供給ロール等でインキを供給し、次に、印刷版を被印刷体に接触させて、凸部表面のインキを被印刷体に転移させる方式である。このようなフレキソ印刷においては、しばしば、長時間印刷中に、インキが印刷版の凸部のショルダー部分に付着してきたり、凹部にインキが入り込んだりして(以下、「版面汚れ」と記す。)、その結果、本来の絵柄でない部分まで印刷されることがある。このような場合には、一旦、印刷を中止し、印刷版面をアルコール等の洗浄液を用いて、布等で不要なインキを拭き取る必要があり、経済的に不利になる。
また、特に近年凸版印刷の高精細印刷への適用が進んでおり、印刷物上の網点のムラがないことや、文字、細線あるいは白抜き線幅の均一性、さらにベタ濃度の均一性が求められるようになってきた。版表面に不均一なムラや汚れが生じると、このようなムラを印刷物に転写する可能性がある。
同様の課題は、感光性樹脂版を用いたパターン形成等にも挙げられ、版面汚れによるパターン均一性の低下やパターン汚れ、特にエンボス加工等の表面加工パターンの形成、型取り用パターンの形成には、被接触体や型の離形性の悪化などが生じることがある。
印刷版の版面汚れ防止に関しては、種々の方法が提案されている。特許文献5には、版表面に有機フッ素化合物を、はけ塗りやスプレー方式で付着させる技術が記載されている。
特許文献6には、シランカップリング剤、シリコーンオイル、シリコーングリースにより選ばれた材料を感光性樹脂に内部添加した後、感光性樹脂表面上に移行させる方法が記載されている。
特許文献7には、版表面にシリコン系化合物やフッ素系化合物の水系エマルジョンと水性樹脂の混合物を塗布する方法が提案されている。
特許文献8には、水現像可能な組成物中の重合性材料と共重合可能なフッ素、塩素、珪素を含む疎水性化合物を内部添加して版表面の接触角を大きくする方法が提案されている。
特許文献9には、版面汚れを長期間防止するために、後露光工程前に版面にシリコン系化合物および/またはフッ素系化合物を含有した溶液を付着させることを特徴とする感光性樹脂版の製造方法が提案されている。
特許文献10には、凸版印刷用水現像感光性樹脂版の製版時の露光工程以降に、変性シリコーン化合物あるいはフッ素化合物を含有する液を接触させる方法が提案されている。
特許文献11には、レーザー彫刻版の製造方法として、数平均分子量が100以上10万以下の有機珪素化合物を含有する処理液中に浸漬する工程、あるいは処理液を塗布した後、波長200nm以上450nm以下の光で後露光する工程を含むレーザー彫刻印刷版の製造方法が提案されている。
更には、特許文献12に記載されているように、樹脂組成物中にパラフィンワックス(ワックス状炭化水素)を含有し、印刷版表面にパラフィンをブリードさせる技術も知られている。
特開平10−171111号公報 特開昭63−088555号公報 特開平05−134410号公報 国際公開第03/022594号パンフレット 特開昭51−40206号公報 特開昭60−191238号公報 特開2002−292985号公報 特開平6−186740号公報 特開2005−84418 国際公開第05/064413号パンフレット 特開2005−212144号公報 特開昭62−95310号公報
しかしながら、従来提案されている方法によっても、印刷やパターニングに悪影響を与えることなく、版面のインキ汚れを長期間防止することは困難であった。
例えば、特許文献5に記載の方法では、後露光後に塗布するために、版面汚れ防止の効果が小さく、持続効果も低い。特にロングラン又はリピート印刷においてこれらの効果は継続しがたく、効果を維持させる為には繰り返し塗布する必要があり、作業・コストがかかってしまう。
特許文献6に記載方法は、製版作業等での引き裂き傷の発生防止のための方法であり、基本的に珪素化合物をブリードさせる方法である。また、後露光を行う記載もないため、印刷時に表面から除去され、珪素化合物による表面の疎水性硬化の持続性は全く期待できない。
特許文献7に記載の方法では、浸透力の低い水系の溶液であることや後露光後に塗布するため、版面汚れ防止の効果は、必ずしも十分ではない。
特許文献8に記載の方法は、感光性樹脂成分と共重合させることで版面の疎水化が樹脂に固定される点で優れている。しかし、本文献の明細書中にも言及されているように、適用可能な樹脂がポリウレタン系やポリビニルアルコール系、ポリエステル樹脂系あるいはナイロン樹脂系などの液状またはペースト状の均一系の樹脂に限られている。このような技術を、特に水現像感光性樹脂でも版の耐久性を有すると共に高精細な版面形成が可能な極性基含有ポリマーと疎水性のポリマーを混合・分散した樹脂系に適用しようとすると、フッ素化合物やシリコーン化合物を極性基含有ポリマーと疎水性のポリマーを混合・分散した樹脂系に添加してゆくと、樹脂からブリードしてしまうか、もしくは版に濁りを生じてしまい、露光時に光の散乱を引き起こす不都合が起きてしまう。そのため、例えば、細線の形成不良や点の形状不良など画像再現性が悪化してしまうことである。このような印刷版を用いて印刷を行っても、印刷ムラや細線・文字などの不均一が生じてしまい、高精細な印刷物を得ることできない。また、画像再現性の悪化を極力抑える程度での疎水性化合物の添加では、今度は版表面の疎水性効果が小さくなって、目的が達成されない。
特許文献9に記載の方法では、後露光での光反応性が十分ではないため版面汚れ防止の持続性が必ずしも十分ではない。
特許文献10に記載の方法では、後露光での光反応性が十分ではないため版面汚れ防止の持続性が必ずしも十分ではない。
特許文献11に記載の方法で用いている印刷版では、熱可塑性エラストマーを使用していないため、20℃で液状の感光性樹脂を用いているため大気中での表面硬化性が問題となり、印刷版の組成物が限定される。またそのため、印刷版に膨潤しないよう塗布するための溶液が限られてしまうため、塗布ムラに起因する印刷ムラへの影響が懸念される。さらに本方法では、後露光での光反応性が十分ではないため版面汚れ防止の持続性が必ずしも十分ではない。
特許文献12に記載の方法は、パラフィン層が撥インキ性を持つため、一時的な版面汚れ防止効果はあるが、後露光によっても光反応性が十分に発生せず、印刷時に表面から除去され、版面汚れの持続性は十分ではない。
本発明における技術的課題は、版面のインキ汚れを長期間防止し、かつ印刷やパターニングに悪影響がない凹凸形状を持つ感光性樹脂版または凸版印刷版の製造方法およびそれに適した処理液を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、凹凸形状を持つ感光性樹脂版または凸版印刷版の版面に、撥インキ成分(A)および硬化成分(B)を含有した液体を付着させ、後処理工程を行うことで課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。ここで、撥インキ成分(A)とはシリコン系化合物、フッ素系化合物およびパラフィン系化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物である。
すなわち、本発明の第1の態様では、
[1] 凹凸形状を有する感光性樹脂版または凸版印刷版の版面に、撥インキ成分(A)および硬化成分(B)を含有する溶液を付着する工程と、後処理する工程と、を含む凹凸形状を有する感光性樹脂版又は凸版印刷版の製造方法であって、
前記後処理工程が、熱処理、活性光源による後露光処理および電子線処理からなる群から選択される処理であり、
前記撥インキ成分(A)が、シリコン系化合物、フッ素系化合物、およびパラフィン系化合物からなる群から選択される少なくとも1種である化合物を含む製造方法、
[2] 凸版印刷版の版面に、撥インキ成分(A)および硬化成分(B)を含有する溶液を付着する工程と、後処理する工程と、を含む凸版印刷版の製造方法であって、
前記後処理工程が、熱処理、活性光源による後露光処理および電子線処理からなる群から選択される処理であり、
前記撥インキ成分(A)が、シリコン系化合物、フッ素系化合物、およびパラフィン系化合物からなる群から選択される少なくとも1種である化合物を含む製造方法、
[3] 露光工程、現像工程および後処理工程を含む凸版印刷版の製造方法であって、
前記後処理工程が、熱処理、活性光源による後露光処理および電子線処理からなる群から選択される処理であり、
前記後処理工程以前又は後処理工程中に、前記凸版印刷版の版面に、撥インキ成分(A)および硬化成分(B)を含有した溶液を付着させる工程を含み、
前記撥インキ成分(A)が、シリコン系化合物、フッ素系化合物、およびパラフィン系化合物からなる群から選択される少なくとも1種である化合物を含む製造方法、
[4] 前記後処理工程が後露光処理であり、前記後露光処理以前又は後露光工程中に、前記凸版印刷版の版面に、撥インキ成分(A)および硬化成分(B)を含有した溶液を付着させる工程を含み、前記撥インキ成分(A)が、シリコン系化合物、フッ素系化合物およびパラフィン系化合物からなる群から選択される少なくとも1種である化合物を含む前項[2]または[3]に記載の製造方法、
[5] 前記撥インキ成分(A)が、シリコン系化合物および/またはフッ素系化合物を含む前項[1]〜[4]のいずれか一項に記載の製造方法、
[6] 前記撥インキ成分(A)が、フッ素系化合物を含む前項[1]〜[4]のいずれか一項に記載の製造方法、
[7] 前記硬化成分(B)が、1分子中に少なくとも2個以上のラジカル反応基を有し、ラジカル反応基がアリル基、アクリレート基およびメタクリレート基からなる群から選択される少なくとも1種である前項[1]〜[6]のいずれか一項に記載の製造方法、
[8] 前記硬化成分(B)が、1分子中に少なくとも3個以上のラジカル反応基を有し、ラジカル反応基がアリル基、アクリレート基およびメタクリレート基からなる群から選択される少なくとも1種である前項[1]〜[6]のいずれか一項に記載の製造方法、
[9] 前記撥インキ成分(A)と前記硬化成分(B)が共重合されている前項[1]〜[8]のいずれか一項に記載の製造方法、
[10] 前記撥インキ成分(A)がフッ素系化合物を含み、前記撥インキ成分(A)と前記硬化成分(B)のラジカル反応基当量が3500g/mol以下である前項[1]〜[8]のいずれか一項に記載の製造方法、
[11] 前記撥インキ成分(A)と前記硬化成分(B)が共重合されており、かつ、前記硬化成分(B)が、1分子中に少なくとも2個以上のラジカル反応基を有し、前記撥インキ成分(A)と前記硬化成分(B)のラジカル反応基当量が5000g/mol以下である前項[1]〜[10]のいずれか一項に記載の製造方法、
[12] 前記撥インキ成分(A)と前記硬化成分(B)が共重合されており、かつ、前記硬化成分(B)が、少なくとも2個以上のラジカル反応基を有し、ラジカル反応基当量が3500g/mol以下である前項[1]〜[11]のいずれか一項に記載の製造方法、
[13] 前記撥インキ成分(A)の数平均分子量が5000以上である前項[1]〜[12]のいずれか一項に記載の製造方法、
[14] 前記硬化成分(B)が、少なくとも2個以上のアリル基を有する前項[1]〜[13]のいずれか一項に記載の製造方法、
[15] 前記凸版印刷版が、少なくとも共役ジエンを主体とする第1の重合体ブロック、およびビニル芳香族炭化水素を主体とする第2の重合体ブロックを含むブロック共重合体を含有する前項[1]〜[14]のいずれか一項に記載の製造方法、
[16] 前記溶液が、ラジカル開始剤(C)をさらに含有する前項[1]〜[15]のいずれか一項に記載の製造方法、
[17] 前記現像工程の現像液が、前記撥インキ成分(A)および前記硬化成分(B)を含有した溶液を含む前項[3]〜[16]のいずれか一項に記載の製造方法、
[18] 前記現像工程が、基材接触式現像工程であって、前記基材が前記撥インキ成分(A)および前記硬化成分(B)を含有する前項[3]〜[17]のいずれか一項に記載の製造方法、
[19] 前記現像工程の後であって、後処理工程の前に、前記凸版印刷版の版面に、前記撥インキ成分(A)および前記硬化成分(B)を含有した溶液を付着させる前項[3]〜[18]のいずれか一項に記載の製造方法、
[20] 前記撥インキ成分(A)および前記硬化成分(B)を含有した溶液を、前記凸版印刷版に接触させながら後処理工程を行う前項[1]〜[14]のいずれか一項に記載の製造方法、
[21] 前記現像液が、有機溶剤を含む前項[17]に記載の製造方法、
[22] 前記凸版印刷版が感光性樹脂版である前項[1]〜[21]のいずれか一項に記載の製造方法、
[23] 前記凸版印刷版がフレキソ印刷用感光性樹脂版である前項[22]に記載の製造方法、
を提供する。
また、本発明の第2の態様では、
[24] 前項[1]〜[23]のいずれか一項に記載の方法により製造される、凹凸形状を持つ感光性樹脂版または凸版印刷版、
を提供する。
さらに、本発明の第3の態様では、
[25] 凹凸形状を有する感光性樹脂版または凸版印刷版の版面用処理液であって、
撥インキ成分(A)および硬化成分(B)を含有し、
前記撥インキ成分(A)が、シリコン系化合物、フッ素系化合物、およびパラフィン系化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む、処理液、
[26] 前記硬化成分(B)が、1分子中に少なくとも2個以上のラジカル反応基を有し、ラジカル反応基がアリル基、アクリレート基およびメタクリレート基からなる群から選択される少なくとも1種である前項[25]に記載の処理液、
[27] 前記硬化成分(B)が、1分子中に少なくとも3個以上のラジカル反応基を有し、ラジカル反応基がアリル基、アクリレート基およびメタクリレート基からなる群から選択される少なくとも1種である前項[25]または[26]に記載の処理液、
[28] 前記撥インキ成分(A)と前記硬化成分(B)が共重合されている前項[25]〜[27]のいずれか一項に記載の処理液、
[29] 前記撥インキ成分(A)がフッ素系化合物を含み、前記撥インキ成分(A)と前記硬化成分(B)のラジカル反応基当量が3500g/mol以下である前項[25]〜[28]のいずれか一項に記載の処理液、
[30] 前記撥インキ成分(A)と前記硬化成分(B)が共重合されており、かつ、前記硬化成分(B)が、1分子中に少なくとも2個以上のラジカル反応基を有し、前記撥インキ成分(A)と前記硬化成分(B)のラジカル反応基当量が5000g/mol以下である前項[25]〜[27]のいずれか一項に記載の処理液、
[31] 前記撥インキ成分(A)と前記硬化成分(B)が共重合されており、かつ、前記硬化成分(B)が、少なくとも2個以上のラジカル反応基を有し、ラジカル反応基当量が3500g/mol以下である前項[25]〜[27]のいずれか一項に記載の処理液、
[32] 前記撥インキ成分(A)の数平均分子量が5000以上である前項[25]〜[31]のいずれか一項に記載の処理液、
[33] 前記硬化成分(B)が、少なくとも2個以上のアリル基を有する前項[25]〜[32]のいずれか一項に記載の処理液、
[34] ラジカル開始剤(C)をさらに含有する前項[25]〜[33]のいずれか一項に記載の処理液、
を提供する。
くわえて、本発明の第4の態様では、
[35] 凹凸形状を有する感光性樹脂版又は凸版印刷版の版面のインキ汚れを低減させるための処理液の製造のための、撥インキ成分(A)および硬化成分(B)の使用であって、
前記撥インキ成分(A)が、シリコン系化合物、フッ素系化合物、およびパラフィン系化合物からなる群から選択される少なくとも1種以上の化合物を含む使用、
を提供する。
本発明の製造方法によれば、凹凸形状を持つ感光性樹脂版または凸版印刷版の版面のインキ汚れを長期間防止し、かつ印刷やパターニングに悪影響がない感光性樹脂版または凸版印刷版の製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、凹凸形状を持つ感光性樹脂版または凸版印刷版の版面のインキ汚れを長期間防止し、かつ印刷やパターニングに悪影響がない感光性樹脂版または凸版印刷版の処理液を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施形態の製造方法は、凸版印刷版としてのフレキソ印刷用感光性樹脂版を例に説明するが、何らこれに限定されるものではなく、印刷やパターニングに使用される感光性樹脂版または凸版印刷版に適用可能である。中でも、インキの粘度が比較的低く、版面汚れが生じ易いフレキソ印刷版に用いられることが好ましい。本実施形態における凸版印刷版とは、感光性樹脂を露光、現像することによりレリーフ画像を形成する印刷版(例えば、フレキソ印刷用感光性樹脂版を含む。)や、現像工程を経ることなく、レーザーを使って印刷原版にレリーフ画像を直接形成するレーザー彫刻印刷版(例えば、感光性樹脂を光硬化させたものや合成ゴムを加熱・加硫したものを含む)等を包含する。特に通常、表面のべとつき除去として後露光工程を行う感光性樹脂凸版印刷版の製造時に好ましい。
本実施形態で用いるフレキソ印刷用感光性樹脂版は、露光前の樹脂が、室温で流動性があったり、固体であっても構わない。通常、フレキソ印刷用感光性樹脂版の厚みは0.5〜10mmの範囲で用いられる。本実施形態で用いるフレキソ印刷用感光性樹脂版では、感光性樹脂版として公知の樹脂のものを使用することができる。例えば、前述の特許文献1、特許文献2、特許文献3等に提案されている樹脂がその典型例である。フレキソ印刷用感光性樹脂版の一般的な構成として、オリゴマーもしくはポリマー成分と重合性モノマー成分と光開始剤および安定剤から構成される。版の物性に最も影響の大きいオリゴマーもしくはポリマー成分に用いられる材料も多岐にわたり、ポリウレタン系、ポリビニルアルコール系、ポリエステル樹脂系あるいはナイロン樹脂系から、極性基含有ポリマーと疎水性のポリマーを混合・分散した樹脂計系(バインダーポリマー)や、疎水性のポリマー、たとえば熱可塑性エラストマーを用いる場合まで様々である。これらのオリゴマーもしくはポリマー成分は単独で用いてもよいし2つ以上を併用してもよい。
本実施形態で用いるフレキソ印刷用感光性樹脂版に用いられるオリゴマーもしくはポリマー成分として、好ましい形態は熱可塑性エラストマーである。成型加工性、製版時間の短縮化や印刷版の画像再現性の点から、より好ましくは、少なくとも1つの共役ジエンユニット(以下、単に「共役ジエン」という。)を主体とする第1の重合体ブロックと、少なくとも1つのビニル芳香族炭化水素ユニット(以下、単に「ビニル芳香族炭化水素」という。)を主体とする第2の重合体ブロックを含む熱可塑性エラストマーブロック共重合体を含有する熱可塑性エラストマーである。ここで、熱可塑性エラストマーとは、高温で可塑化されて成型可能となり、常温ではゴム弾性体としての性質を示す高分子である。なお、上記の「主体とする」とは、重合体ブロック中に50重量%以上含まれていることを指す。
共役ジエンの具体例としては、以下のものに限定されないが、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられ、特に耐磨耗性の点からブタジエンが好ましい。これらの単量体は、単独でも2種以上の併用でもよい。耐溶剤性をさらに向上するために、必要に応じて、共役ジエン中の二重結合を水素添加してもよい。
ビニル芳香族炭化水素の具体例としては、以下のものに限定されないが、スチレン、p−メチルスチレン、第三級ブチルスチレン、α−メチルスチレン、1,1−ジフェニルエチレン、ビニルトルエン等の単量体が挙げられ、特にスチレンが好ましい。これらの単量体は、単独でも2種以上の併用でもよい。
共役ジエンを主体とする第1の重合体ブロックが、例えば、ビニル芳香族炭化水素−ブタジエンの共重合体である場合、共重合体ブロック中のビニル芳香族炭化水素は均一に分布してもまた不均一(例えばテーパー状)に分布してもよい。均一に分布した部分および/または不均一に分布した部分は各ブロックに複数個共存してもよい。これらの重合体は、単独でも2種以上の併用でもよい。
熱可塑性エラストマーには、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、共役ジエンブロックの完全水素添加物のスチレン−エチレン−ブチレンブロック共重合体やスチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体等を併用してもよい。
熱可塑性エラストマーの分子量は、特に制限はないが、成型加工性と得られる感光性樹脂組成物の固体維持性のバランスに優れるものがよい。好ましい数平均分子量の範囲は、8万〜50万である。ここで、数平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定し、分子量既知のポリスチレン標品から換算されたものである。
本実施形態で用いるフレキソ印刷用感光性樹脂版に用いられる重合性モノマー成分として、以下のものに限定されないが、公知の各種のものを用いることができ、好ましい形態は、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸などのエステル類;アクリルアミドやメタクリルアミドの誘導体;アリルエステル;スチレン及びその誘導体;N置換マレイミド化合物;等が挙げられる。これらの重合性モノマー成分は、単独でも2種以上の併用でもよい。
本実施形態で用いるフレキソ印刷用感光性樹脂版に用いられる光開始剤として、以下のものに限定されないが、公知の各種のものを用いることができ、好ましい形態は各種の有機カルボニル化合物や、特に芳香族カルボニル化合物等が挙げられる。これらの光開始剤は、単独でも2種以上の併用でもよい。また崩壊型光重合開始剤および水素引抜き型光開始剤を併用しても構わない。
また、本実施形態で用いるフレキソ印刷用感光性樹脂版には、種々の補助添加成分、例えば可塑剤、極性基含有ポリマー、熱重合防止剤、紫外線吸収剤、ハレーション防止剤、光安定剤、シリコンオイルなどの表面処理剤、光ルミネセンスタグ(外部エネルギー源によって励起され、得られたエネルギーを光および/または放射線の形で放出する物質)などを添加することができる。
本実施形態でいうフレキソ印刷用感光性樹脂版の製造に用いられる露光工程、現像工程、後処理工程は、通常の感光性樹脂版の製造方法で使用される公知の条件で実施することができる。
また、レーザーを使って印刷原版にレリーフ画像を直接形成するレーザー彫刻印刷版の材料としては公知のものを使用することができ、例えば、
EPDMなどの合成ゴム等を加熱・加硫した樹脂;、
共役ジエンを主体とする重合体ブロックとビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックのような熱可塑性エラストマーを加熱架橋した樹脂;
共役ジエンを主体とする重合体ブロックとビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックのような熱可塑性エラストマーを紫外線架橋した感光性樹脂を光硬化させた樹脂;
前述の特許文献4に提案されているようなポリウレタンなどの20℃でプラストマーである樹脂;
を含む感光性樹脂を光硬化させた印刷版等が挙げられる。
特に、凸版印刷版生産性や成形性の点から、感光性樹脂を光硬化するものが好ましい。感光性樹脂の成形方法としては、既存の方法を用いることができる。例えば、注型法、ポンプや押し出し機等の機械で樹脂をノズルやダイスから押し出し、ブレードで厚みを合わせる、ロールによりカレンダー加工して厚みを合わせる方法等が提示できる。
成形された感光性樹脂層は、光照射によって架橋せしめ、印刷原版を形成する。また成形しながら光照射によって架橋させることもできる。硬化に用いられる光源としては、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、殺菌灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ等を挙げることができる。感光性樹脂組成物層に照射される光は、200nmから300nmの波長を有することが好ましい。硬化に用いる光源は、1種類でも構わないが、波長の異なる2種類以上の光源を用いて光硬化させることにより、樹脂の硬化性が向上することがあるので、2種類以上の光源を用いることも差し支えない。
レーザー彫刻に用いる凸版印刷版の厚みは、その使用目的に応じて任意に設定して構わないが、凸版印刷版として用いる場合には、0.1〜7mmが好ましい。場合によっては、組成の異なる材料を複数積層していても構わない。レーザーの種類としては、例えば、YAGレーザー、ファイバーレーザー、半導体レーザーなどの近赤外線領域に発振波長を有するものや、炭酸ガスレーザー等の赤外線レーザー、又は可視・紫外線レーザー等が挙げられる。またレーザーは連続照射でも、パルス照射でもよい。
本実施形態の製造方法では、撥インキ成分(A)および硬化成分(B)を含有した液体である、凹凸形状を有する感光性樹脂版または凸版印刷版の版面用処理液を、凹凸形状を持つ感光性樹脂版または凸版印刷版の版面に付着させることが必須であり、撥インキ成分(A)は、シリコン系化合物、フッ素系化合物およびパラフィン系化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む。
本実施形態におけるシリコン系化合物の具体例としては、以下のものに限定されないが、シリコーンオイルやシランカップリング剤やシラン化合物、シリコーンゴム、シリコーン樹脂等が挙げられる。シリコーンオイルとは、メチル基を代表とするアルキル基を有するアルキルシロキサンを主たる骨格とするオリゴマーもしくはポリマーのことをいう。溶媒への溶解性や版面への塗布性の点から、シリコーンオイルを用いるのが好ましい。
シリコーンオイルは、反応性のものでも、非反応性のものでも構わない。シリコーンオイルは、分子内にラジカル反応基を有するものであってもよいし、ラジカル反応基を有さないものであってもよい。版面用処理液が、分子内にラジカル反応基を有するシリコーンオイルを含む場合、すなわち硬化成分(B)と撥インキ成分(A)が共有結合で結合している場合には、シリコーンオイル自体で硬化成分(B)と撥インキ成分(A)とを含むため、版面用処理液には、シリコーンオイルの分子内の硬化成分(ラジカル反応基)以外の別の硬化成分(B)を添加する必要はないが、別の硬化成分(B)を添加してもよい。一方、シリコーンオイル分子内にラジカル反応基を有しない場合、すなわち硬化成分(B)と撥インキ成分(A)が共有結合で結合していない場合には、版面用処理液には、硬化成分(B)を含有させる必要がある。反応性シリコーンオイルとしては、以下のものに限定されないが、メタクリル変性、アクリル変性、ビニル変性、アリル変性、水酸基変性、エポキシ変性、カルビノール変性、カルボキシル変性、アミノ変性、ウレタン変性、シンナモイル変性、アセチレン変性、チオール変性、オキセタン変性等が挙げられる。また、トリメチルシロキシエチルメタクリレート等も挙げられる。非反応性シリコーンオイルとしては、ポリエーテル変性、メチルスチリル変性、アルキル変性、高級脂肪酸エステル変性、高級アルコキシ変性、フェニル変性、高級脂肪酸アミド変性あるいはフッ素変性物が挙げられる。版面汚れ防止持続性の点から、好ましくは、反応性シリコーンオイルであり、より好ましくは、シリコーンオイル分子内にラジカル反応基を有するメタクリル変性、アクリル変性、ビニル変性、アリル変性のものである。これらの反応性シリコーンオイルの変性基は、珪素原子と直接結合していてもよいし、もしくは珪素原子に結合している炭化水素基の水素原子の1個または2個以上と置換されていてもよい。
本実施形態におけるフッ素系化合物の具体例としては、以下のものに限定されないが、ポリフッ化エチレン化合物、ポリ(エチレン−フッ化エチレン)化合物、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するアクリル系共重合体、パーフルオロアルキル基を有するウレタン系重合体、パーフルオロアルキル基を有するエステル系重合体あるいはフッ素系のモノマー等が挙げられる。版面汚れ防止持続性の点から、好ましくは側鎖にパーフルオロアルキル基を有するアクリル系共重合体を有するものである。フッ素化合物は、分子内にラジカル反応基を有するものであってもよいし、ラジカル反応基を有さないものであってもよい。版面用処理液が、分子内にラジカル反応基を有するフッ素化合物を含む場合、すなわち硬化成分(B)と撥インキ成分(A)が共有結合で結合している場合には、版面用処理液には、フッ素化合物分子内の硬化成分(ラジカル反応基)以外の別の硬化成分(B)を添加する必要はないが、別の硬化成分(B)を添加してもよい。一方フッ素系化合物が分子内にラジカル反応基を有しない場合、すなわち硬化成分(B)と撥インキ成分(A)とが共有結合で結合していない場合には、版面用処理液には、硬化成分(B)を含有させる必要がある。
本実施形態におけるパラフィン系化合物の具体例としては、以下のものに限定されないが、パラフィンオイル、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどが挙げられる。パラフィン系化合物は、分子内にラジカル反応基を有するものであってもよいし、ラジカル反応基を有さないものであってもよい。版面用処理液が、分子内にラジカル反応基を有するパラフィン系化合物を含む場合、すなわち硬化成分(B)と撥インキ成分(A)が共有結合で結合している場合には、パラフィン系化合物分子内の硬化成分(ラジカル反応基)以外の別の硬化成分(B)を添加する必要はないが、別の硬化成分(B)を添加してもよい。一方パラフィン系化合物が分子内にラジカル反応基を有しない場合、すなわち硬化成分(B)と撥インキ成分(A)とが共有結合で結合していない場合には、版面用処理液には、硬化成分(B)を含有させる必要がある。
撥インキ成分(A)は、前述のシリコン系化合物、フッ素系化合物およびパラフィン系化合物を単独でもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。撥インキ成分(A)は、塗布性の点から、シリコン系化合物および/またはフッ素系化合物が好ましい。
撥インキ成分(A)の数平均分子量は、版面汚れ持続性の点から、5000以上が好ましい。塗布性の点から50000以下が好ましい。より好ましくは5000以上30000以下である。ここで、数平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定し、分子量既知のポリスチレン標品から換算されたものである。
本実施形態における硬化成分(B)とは、ラジカルによって反応・硬化する官能基(以下、単に「ラジカル反応基」という。)または化合物を有する成分をいう。具体的なラジカル反応基としては、以下のものに限定されないが、メタクリル基、アクリル基、ビニル基、アリル基、チオール基等が挙げられ、化合物としてはマレイミド化合物、環状ケテンアセタール等が挙げられる。版面汚れ防止持続性の点から、1分子中に2個以上のメタクリル基、アクリル基、ビニル基、アリル基からなるラジカル反応基が好ましく、アリル基がより好ましい。より好ましくは1分子中に3個以上のメタクリル基、アクリル基、ビニル基、アリル基からなるラジカル反応基を有するものである。また、硬化成分(B)は単独でもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。硬化成分(B)は、撥インキ成分(A)と共有結合で結合していてもよいし、結合していなくてもよい。版面汚れ防止持続性の点から、共有結合で結合している方が好ましい。
硬化成分(B)と撥インキ成分(A)が共有結合で結合していない場合は、反応基と結合している部位は特に制限はないが、例えば、炭化水素骨格や、酸素含有骨格、窒素含有骨格、具体的にはアクリルアミドやメタクリルアミドの誘導体、スチレン及びその誘導体、N置換マレイミド化合物等が挙げられる。さらに具体的な化合物としては、以下ものに限定されないが、ジアリルセバケート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリメチロールメラミン、N、N’―ヘキサメチレンビスメタクリルアミド、トリアジン誘導体、トリメット酸トリアリル、オキサゾール系誘導体、イミダゾール系誘導体、チアゾール系誘導体、ブロック化イソシアネート化合物等、メラミン樹脂化合物、グリオキザール系樹脂化合物、尿素系樹脂化合物等が挙げられる。
また、版面汚れ防止持続性の点から、1分子中に少なくとも2個以上の反応基を有し、かつラジカル反応基当量が5000g/mol以下が好ましく、より好ましくはラジカル反応基当量が3500g/mol以下である。ここで、ラジカル反応基当量とは、撥インキ成分(A)および硬化成分(B)内に含まれるラジカル反応基に対する重量(g/mol)であって、核磁気共鳴装置(NMR)のH−NMR、13C−NMRで測定することができる。
本実施形態では、処理液の付着後或いは付着と同時に後処理工程を採用することにより、版面に付着された、撥インキ成分(A)および硬化成分(B)を含有する版面用処理液が版面に強固に固着される。そのため、版面汚れの防止効果が長期間持続する。本実施形態で用いる感光性樹脂版および凸版印刷版の製造における後処理方法は、高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、ジルコニウムランプ、太陽光などの活性光線源により処理する方法(以下、「後露光」と記す。)、熱処理法、電子線処理法が挙げられる。特に生産性・コストの点から後露光が好ましい。後露光方法としては、例えば感光性樹脂版や凸版印刷版の凹凸形状を持つ表面側を大気中で露光したり、水などの液体中で露光する方法等が挙げられ、版面汚れ持続性の点から、大気中で露光する方法が好ましい。熱処理法としては、例えば感光性樹脂版や凸版印刷版をヒーターや赤外線ヒーターで加熱したり、加熱オーブン中に入れる方法等が挙げられ、凹凸形状を持つ表面側の加熱温度としては、得られる感光性樹脂版や凸版印刷版固体維持性の点から、40〜130℃が好ましく、70〜100℃がより好ましい。加熱する時間としては、特に限定されないが生産性の点から短い方が好ましい。電子線処理方法としては、例えば感光性樹脂版や凸版印刷版の凹凸形状を持つ表面側を、10〜5MeVの高エネルギー電子線照射装置や5MeV〜300keVの中エネルギー電子線照射装置、300keV未満の低エネルギー電子線照射装置で処理する方法等が挙げられ、低コストの点から低エネルギー電子線照射装置での処理が好ましい。後処理工程は2つ以上を採用することも可能である。そのような実施形態の場合、後処理工程のうちの少なくとも一つを版面用処理液の付着後或いは付着と同時に行えば足りる。例えば、後露光を行った後、版面用処液の付着し、その後熱処理を行うことも可能である。さらに、後処理工程の2つ以上を同時に行うことも可能である。例えば、加熱ヒーター中で後露光処理をしたり、多量の赤外線と紫外線を同時に発するランプで熱処理と後処理を同時に行うことも可能である。
また、撥インキ成分(A)および硬化成分(B)を含有した溶液にラジカル開始剤(C)が含まれていてもよいし、溶液を付着させる感光性樹脂版および凸版印刷版に含まれていてもよい。ラジカル開始剤は上記後処理工程でラジカルを発生する開始剤であり、活性光線源でラジカルを発生する光開始剤や熱でラジカルを発生する熱開始剤が挙げられる。電子線による後処理工程にはラジカル開始剤は必須ではないが、含まれていても構わない。
光開始剤には公知の各種のものを用いることができるが、各種の有機カルボニル化合物、特に芳香族カルボニル化合物が好適である。光開始剤の具体例としては、以下のものに限定されないが、ベンゾフェノン;4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン;t−ブチルアントラキノン;2−エチルアントラキノン;2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン類;ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類;メチルベンゾイルホルメート;1,7−ビスアクリジニルヘプタン;9−フェニルアクリジン;等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
また、熱開始剤には公知の各種のものを用いることができるが、アゾ化合物や過酸化物などの化合物が好適である。生産性・コストの点から光開始剤を用いる方が好ましい。
本実施形態の撥インキ成分(A)および硬化成分(B)を含有した液体は、溶媒に溶解して使用されてもよいし、20℃で液体であれば単独で使用してもよい。感光性樹脂版および凸版印刷版の版面への塗布性の点から、好ましくは溶媒に溶解して使用した方がよい。溶媒は、感光性樹脂版および凸版印刷版の版面に付着し、表面近傍に浸透するものがよい。感光性樹脂版および凸版印刷版の版面に浸透する溶媒を選択した上で、後処理工程に処することで、一層、撥インキ成分(A)が樹脂表面(近傍)に強固に固着されるので好ましい。特に、溶媒に有機溶剤を主体とするものを使用するのが、水よりも浸透力が高いため好ましい。ここでの「主体とする」とは、50重量%以上含まれていることを指す。水よりも浸透力のある溶媒としては、具体的には、以下のものに限定されないが、炭化水素、酢酸エステル、アルコール、ケトンあるいはグリコールエーテル等の溶剤を用いることができる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。感光性樹脂版及び凸版印刷版の版面に浸透させるために、水に上記溶媒のパラフィンやグリコールエーテルを併用したり、浸透力の高いノニオン系界面活性剤を添加して用いることもできる。必要に応じて、撥インキ成分(A)および硬化成分(B)を含有した液体に、消泡剤、酸化防止剤あるいは防腐剤等の添加剤を加えてもよい。
なお、本実施形態において、フレキソ印刷用感光性樹脂版の製造の際の露光方式については公知の方法でよい。露光光源としては、高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、ジルコニウムランプ、太陽光等が挙げられる。露光の際の強度は特に制限はないが、例えば3〜70mW/cmが挙げられる。このときの露光強度はオーク製作所製のUV照度計MO−2型機でUV−35フィルターを用いた数値である。
また、本実施形態において、フレキソ印刷用感光性樹脂版の後処理工程における後露光の露光方式については公知の方法でよい。露光光源としては、高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、ジルコニウムランプ、太陽光等が挙げられる。露光の際の強度は特に制限はないが、例えば1〜50mW/cmが挙げられる。このときの露光強度はオーク製作所製のUV照度計MO−2型機でUV−25フィルターを用いた数値である。
本実施形態において、レーザー彫刻印刷版の製造の際の露光光源としては、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、殺菌灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ等を挙げることができる。露光の際の強度は特に制限はないが、例えば1〜50mW/cmが挙げられる。このときの露光強度はオーク製作所製のUV照度計MO−2型機でUV−25フィルターを用いた数値である。
なお、本実施形態で用いるレーザー彫刻印刷版の製造の際の後処理工程のおける後露光の露光方式は、前述のフレキソ印刷用感光性樹脂と同様の光源を用いて行なうことができる。
本実施形態の感光性樹脂版または凸版印刷版の製造の際、現像が必要な場合の現像方式は公知の方法でよい。具体的には、
(i)版を現像液に浸漬させた状態でブラシを用いて未露光部を溶解、または掻き落とす現像方式、
(ii)スプレーなどで版面に現像液を振りかけながらブラシで未露光部を溶解、または掻き落とす現像方式、
(iii)40〜200℃で樹脂を加熱することにより不織布などの基材で吸収させる方式、
(iv)ガスや流体により剪断力によって掻き落とす方式、
などが挙げられる。本実施形態の感光性樹脂版の製造の際の現像方式は、前述の各方式を単独で行ってもよいし、2つ以上組み合わせて行ってもよい。現像液を用いる場合、現像液としては、例えば有機溶剤や界面活性剤を含む水系現像液等が挙げられる。
有機溶剤としては、以下のものに限定されないが、例えばヘプチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類;石油留分、トルエン、デカリン等の炭化水素類;テトラクロルエチレン等の塩素系有機溶剤に、プロパノール、ブタノール、ペンタノール等のアルコール類を混合した溶媒;等を使用することができ、好ましくは現像性の点から炭化水素類である。
界面活性剤を含む水系現像液としては、以下のもに限定されないが、例えばノニオン系、アニオン系、カチオン系あるいは両性の界面活性剤を一種類以上含有するもの等が挙げられ、好ましくは現像性の点からノニオン系またはアニオン系界面活性剤を含む水系現像液である。
撥インキ成分(A)および硬化成分(B)を含有した液体を、感光性樹脂版の版面に付着や塗布する工程に代えて、シリコン系化合物、フッ素系化合物やパラフィン系化合物を、現像液に添加して使用することができる。
また、現像工程が、不織布などの基材接触式現像工程である場合、感光性樹脂版の版面に付着や塗布する工程に代えて、基材に撥インキ成分(A)および硬化成分(B)を含有した液体を不織布に含有させても構わない。現像液中に、撥インキ成分(A)および硬化成分(B)を含有した液体を添加する場合の濃度は、好ましくは、0.01wt%〜5wt%である。
現像液中に撥インキ成分(A)および硬化成分(B)を含有した液体を添加しない場合の感光性樹脂版の版面への付着方法としては、スプレーによる溶液塗布、はけ塗り、浸漬、布やスポンジで溶液を塗る方法、現像後リンス液に添加し、感光性樹脂版の版面に滴下する等が挙げられる。これらは、後露光以前であれば、現像直後に実施してもよいし、現像し乾燥後に実施してもよく、付着させながら後露光を行ってもよい。
現像液中に撥インキ成分(A)および硬化成分(B)を添加せず、版面に付着させる場合の濃度は、付着時間が現像液の場合より短いので、濃度を高くした方がよく、0.05wt%〜50wt%が好ましい。
このように、現像液中に、撥インキ成分(A)および硬化成分(B)の含有の有無にかかわらず、感光性樹脂版の版面に撥インキ成分(A)および硬化成分(B)を含有した液体を接触させる方法は、前述の方法を単独で行ってもよいし、2つ以上組み合わせて行ってもよい。
本実施形態の後露光とは、少なくとも波長300nm以下の活性光線を、現像後の感光性樹脂版の版面に露光処理することをいう。必要に応じて、300nm以上の活性光線を併用しても構わない。これらの波長の異なる活性光線を併用する場合は、同時に露光処理しても、別々に露光処理しても構わない。
以下、実施例および比較例により、本実施形態をより具体的に説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。
(参考例1)
100mLのガラス製重合アンプルに、重合性化合物として、C2n+1CHCHOCOCH=CH(ここで、nは6〜12の整数の混合物であり、nの平均は9である。:以下、「FA」と記す。)6.80g(56重量部)、シクロヘキシルメタクリレート(以下、「CHMA」と記す。 日本触媒製 商品名「シクロヘキシルメタクリレート」)4.4g(36重量部)、トリアリルシアヌレート(以下「TAC」と記す。 化薬アクゾ製 商品名「トリアリルシアヌレート」)0.9g(7重量部)、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(和光純薬工業社製、商品名:V−59)0.22g、芳香族炭化水素系溶剤を含む炭化水素系溶剤(シェルジャパン社製、商品名:ホワイトスピリッツLAWS)27.6gを加えて、窒素雰囲気下で振とうしつつ、60℃で18時間重合させた。
得られた反応液をガスクロマトグラフィ(以下「GC」と記す。)により分析した結果、原料は検出されなかった。
GCの測定装置は、GC−2010(島津製作所製、商品名)を用い、カラムにDB−1(アジレントテクノロジー社製、商品名)を使用し、溶媒にはテトラヒドロフランを用いて測定を行った。
また、得られた反応液約10gを水浴上(80℃)で乾固した物約50mgを約1.0mlのCDClに溶解してH−NMR、13C−NMR測定を行ったところ、アリル基の存在が確認でき、フッ素系の撥インキ成分(A)とアリル基の硬化成分(B)が共有結合していることが示唆された。ラジカル反応基当量は3300g/mol、数平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(以下「GPC」と記す。))で測定したところ(標準ポリスチレン換算)、12500であった。
GPCの測定装置は、LC−10(島津製作所製、商品名)を用い、カラムにTSKgelGMHXL(4.6mmID×30cm)2本を使用し、オーブン温度40℃、溶媒にはテトラヒドロフラン(1.0ml/min)で測定を行った。
(参考例2)
100mLのガラス製重合アンプルに、重合性化合物として、FAを7.0g(58重量部)、CHMAを4.4g(36重量部)、TACを0.7g(6重量部)、V−59を0.24g、ホワイトスピリッツLAWS27.6gを加えて、窒素雰囲気下で振とうしつつ、60℃で18時間重合させた。
得られた反応液を参考例1と同様の条件で、GCにより分析した結果、原料は検出されなかった。また、得られた反応液約10gを水浴上(80℃)で乾固した物約50mgを約1.0mlのCDClに溶解してH−NMR、13C−NMR測定を行ったところ、アリル基の存在が確認でき、フッ素系の撥インキ成分(A)とアリル基の硬化成分(B)が共有結合していることが示唆された。ラジカル反応基当量は4600g/mol、数平均分子量は参考例1と同様の条件で、GPCで測定したところ(標準ポリスチレン換算)、8000であった。
(参考例3)
100mLのガラス製重合アンプルに、重合性化合物として、FAを6.8g(56重量部)、CHMAを4.4g(36重量部)、V−59を0.22g、ホワイトスピリッツLAWS27.6gを加えて、窒素雰囲気下で振とうしつつ、60℃で18時間重合させた。
得られた反応液を参考例1と同様の条件で、GCにより分析した結果、原料は検出されなかった。また、得られた反応液約10gを水浴上(80℃)で乾固した物約50mgを約1.0mlのCDClに溶解してH−NMR、13C−NMR測定を行ったところ、ラジカル反応基の存在は確認できなかった。
(実施例1)
溶剤現像型の未露光の感光性樹脂版AFP−SH(旭化成ケミカルズ製、商品名、厚み1.14mm用、スチレンを主体とする重合体ブロックとブタジエンを主体とする重合体ブロックを含む数平均分子量10万の熱可塑性エラストマーを含有する)のカバーシートをはぎとり、感光性樹脂層の上にある保護膜層の上にネガフィルムを密着させ、AFP−1500露光機(旭化成ケミカルズ製、商品名)上で370nmに中心波長を有する紫外線蛍光灯を用いて、まず支持体側から800mJ/cmの全面露光を行なった後、引き続きネガフィルムを通して5000mJ/cmの画像露光を行なった。このときの露光強度をオーク製作所製のUV照度計MO−2型機でUV−35フィルターを用いて、バック露光を行う側である下側ランプからの紫外線をガラス板上で測定した強度は4.0mW/cm、レリーフ露光側である上側ランプからの紫外線を測定した強度は7.8mW/cmであった。
ネガフィルムの画像は、100・133・150lpi各線数で1・2・3・5・10・30・50・60・70・80・90・95%・ベタ部の網点を含むものを使用した。
次に、ソルビット(マクダーミッド社製、商品名、炭化水素類の有機溶剤)に参考例1で得られた溶液を0.3wt%添加した混合溶液を現像液として、クイックライン912現像機(旭化成ケミカルズ製、商品名)を用いて、液温30℃で現像を行った。
現像直後は、版が現像液に膨潤しているため、後露光の前に、60℃で1時間乾燥した後に、ALF−200UP後露光機(旭化成ケミカルズ製、商品名)を用いて、254nmに中心波長をもつ殺菌灯を用いて版表面全体に、2000mJ/cm、続いて紫外線蛍光灯を用いて1000mJ/cmの後露光を行ってフレキソ印刷用感光性樹脂版を得た。なお、ここで殺菌灯による後露光量は、MO−2型機のUV−25フィルター(オーク製作所製)を用いて測定された照度から算出したものである。
(実施例2)
現像液をソルビットに変更し、現像直後に、ソルビットに参考例1で得られた溶液を1wt%添加した混合溶液をスプレー塗布した後、乾燥工程に入った以外には、実施例1と同様の方法でフレキソ印刷用感光性樹脂版を得た。
(実施例3)
現像液をソルビットに変更したこと、及び参考例1で得られた溶液を0.3wt%分散させたエタノール/水溶液=1/9(重量比)に浸漬した状態で後露光を行った以外は、実施例1と同様の方法でフレキソ印刷用感光性樹脂版を得た。
(実施例4)
現像液を、ソルビットに参考例2で得られた溶液を0.3wt%添加した混合溶液とした後、乾燥工程に入った以外には、実施例1と同様の方法でフレキソ樹脂版を得た。
(比較例1)
現像液をソルビットに変更し、乾燥工程に入った以外には、実施例1と同様の方法でフレキソ印刷用感光性樹脂版を得た。
(比較例2)
現像液をソルビットに変更し、乾燥、後露光工程を行った後に、ソルビットに参考例1で得られた溶液を1wt%添加した混合溶液をスプレー塗布した以外には、実施例1と同様の方法でフレキソ印刷用感光性樹脂版を得た。
(比較例3)
現像液を、ソルビットに参考例3で得られた溶液を0.3wt%添加した混合溶液を現像液とした以外には、実施例1と同様の方法でフレキソ印刷用感光性樹脂版を得た。
(実施例5)
現像液を、ソルビットに参考例3で得られた溶液を0.3wt%、TACを0.007wt%添加した混合溶液を現像液とした以外には、実施例1と同様の方法でフレキソ印刷用感光性樹脂版を得た。
(実施例6)
現像液を、ソルビットに2官能メタクリル変性された反応性シリコーンオイルX−22―164AS(信越化学製、商品名、官能基当量450g/mol、分子量900)を0.3wt%添加した混合溶液を現像液とした以外には、実施例1と同様の方法でフレキソ印刷用感光性樹脂版を得た。
(実施例7)
現像液を、ソルビットに2官能メタクリル変性された反応性シリコーンオイルX−22―164A(信越化学製、商品名、官能基当量860g/mol、分子量1760)を0.3wt%添加した混合溶液を現像液とした以外には、実施例1と同様の方法でフレキソ印刷用感光性樹脂版を得た。
(実施例8)
現像液を、ソルビットにパラフィンワックスSP−0145(日本精鑞製、商品名、分子量410)を0.3wt%とTACを0.009wt%添加した混合溶液とした以外は、実施例1と同様の方法でフレキソ印刷用感光性樹脂版を得た。
(実施例9)
感光性樹脂を水系現像型のAWP―EF(旭化成ケミカルズ製、商品名、厚み1.14mm用、スチレンを主体とする重合体ブロックとブタジエンを主体とする重合体ブロックを含む数平均分子量10万の熱可塑性エラストマーを含有する)に変更し、現像液をW―300(旭化成ケミカルズ製、商品名、ノニオン系界面活性剤を含む水系現像液)の6wt%水溶液に参考例1で得られた溶液を0.3wt%添加した混合溶液を現像液として、平型洗浄機(ロボ電子製)に変更した以外は実施例1と同様の方法でフレキソ印刷用感光性樹脂版を得た。
(実施例10)
感光性樹脂20℃において、液状のAPR、F―320(旭化成ケミカルズ製、商品名、ポリウレタン系ポリマー成分を含有する)をALF−213E露光機(旭化成ケミカルズ製、商品名)上でカバーフィルムCF−82(旭化成ケミカルズ製、商品名)とベースフィルム(旭化成ケミカルズ製、商品名)の間に2.84mmの厚みになるように挟み込み、ベースフィルム側から全面露光150mJを行った。その後、カバーフィルムの外側にネガフィルムを配置し、当該ネガフィルムを介して画像露光500mJ/cmを行った。このときの露光強度はオーク製作所製のUV照度計MO−2型機でUV−35フィルターを用いた。ネガフィルムの画像は、30・45・65・100lpi各線数で3・10・30・50・60・70・80・90・95%・ベタ部の網点を含むものを使用した。カバーフィルムを除去し未露光部分を回収した後、AL−400W洗浄機(旭化成ケミカルズ製、商品名)を用い、洗浄液W−10(旭化成ケミカルズ製、商品名、アニオン系界面活性剤を含む水系現像液)の2wt%水溶液にX−22―164AS(信越化学製、商品名、官能基当量450g/mol、分子量900)を0.3wt%添加した混合溶液を現像液として洗浄した。得られた感光性樹脂版をALF−200UP後露光機(旭化成ケミカルズ製、商品名)によりケミカルランプ、及び殺菌灯を用いて水中で後露光を行い、目的のフレキソ印刷用感光性樹脂版を得た。
(比較例4)
現像液を、ソルビットに変性されていないシリコーンオイルKF−96−100CS(信越化学製、商品名)を0.3wt%添加した混合溶液を現像液とした以外には、実施例1と同様の方法でフレキソ印刷用感光性樹脂版を得た。
(比較例5)
現像液を、ソルビットに2官能フェノール変性されたシリコーンオイルX−22−1821(信越化学製、商品名、分子量2950)を0.3wt%添加した混合溶液を現像液とした以外には、実施例1と同様の方法でフレキソ印刷用感光性樹脂版を得た。
(比較例6)
感光性樹脂を20℃において液状のADS−60(旭化成ケミカルズ製、商品名、ポリウレタン樹脂を含有する)をPETフィルム上に厚さ2.8mmのシート状に形成し、高圧水銀灯の紫外線を、大気中で感光性樹脂層が露出している面から照射した。照射したエネルギーは、4000mJ/cmであった。このときの露光強度をオーク製作所製のUV照度計MO−2型機でUV−35フィルターを用いた。光硬化した感光性樹脂層をZED社製のレーザー彫刻機(ZED−Mini、商品名)を用いて、パターンの彫刻を行い、フレキソ印刷版を得た。
(実施例11)
比較例6で得られたフレキソ印刷版に、ソルビットに参考例1で得られた溶液を1wt%添加した混合溶液をスプレー塗布した後、ALF−200UP後露光機(旭化成ケミカルズ製、商品名)を用いて、254nmに中心波長をもつ殺菌灯を用いて版表面全体に、2000mJ/cm、続いて紫外線蛍光灯を用いて1000mJ/cmの後露光を行ってフレキソ印刷版を得た。
評価方法
(a)版面汚れの実印刷評価
得られたフレキソ印刷用感光性樹脂版を用いて版面汚れの実印刷評価を行った。AI−3型フレキソ印刷機(伊予機械製)を用いて、インキとして溶剤系のFBキング(藍色、東洋インキ製)を使用し、被印刷体には低密度ポリエチレンを用いた。アニロックスロールは800lpi(セル容積3.8cm/m)、クッションテープには3M 1020(3M製、商品名)を使用して、200m/分の速度で、5万部の印刷を実施した。評価するフレキソ印刷用感光性樹脂版を製造した際の、ネガフィルムの画像は、100・133・150lpi各線数で1・2・3・5・10・30・50・60・70・80・90・95%・ベタ部の網点を含むものを使用した。刷了前に特に網点部に版面汚れが生じ、印刷をとめなければならない状態になった場合を“C”、刷了はできたがベタ濃度の低下や網点部の太りを生じた場合を“B”、刷了できベタ濃度の低下や網点部の太りも生じなかった場合を“A”とした。A、B、Cの順で好ましい。

(b)撥インキ性の評価
得られたフレキソ印刷用感光性樹脂版、フレキソ印刷版のベタ部の接触角を、固液界面解析装置DropMaster500(協和界面科学製、商品名)の液滴法で測定した。温度23℃、相対湿度50%恒温恒湿室内に一日放置した後、解析ソフトウェアは“FAMAS ver1.8.1”を用い、プローブ溶液はジヨウドメタン(関東化学社製)を用い、針はステンレス製22G(協和界面科学製)を用いて、吐出時間100ms、吐出電圧4000mV、精製水が版に接触後15秒後の接触角を自動測定した値を記録した。各実施例および各比較例の樹脂版のベタ部の接触角を表1に示す。
(c)撥インキ性の持続性評価
ここで言う持続性とは、以下に述べるように、溶剤およびUVインキに対する耐久性に関するものであり、それぞれのフレキソ印刷用感光性樹脂版撥インキ性の評価は(b)の方法に従った。
(c−1)溶剤インキ浸漬テスト
作成したフレキソ印刷用感光性樹脂版を酢酸エチル/イソプロピルアルコール=20/80(重量比)の溶剤に20℃で4時間浸漬後、60℃で4時間以上乾燥後、さらに温度23℃、相対湿度50%恒温恒湿室内に一日放置した後のフレキソ印刷用感光性樹脂版の接触角を評価した。
(c−2)UVインキ浸漬テスト
作成したフレキソ印刷用感光性樹脂版をフレキソ用UVインキ“UFL639藍”(インクテック製、商品名)に20℃で4時間浸漬後、イソプロピルアルコールでインキ洗浄を行った。このフレキソ印刷用感光性樹脂版を60℃で4時間乾燥後、さらに温度23℃、相対湿度50%恒温恒湿室内に一日放置した後のフレキソ印刷用感光性樹脂版の接触角を評価した。
(d)紙粉離脱性評価
印刷中の紙紛離脱性を評価するために、得られたフレキソ印刷用感光性樹脂版を用いて、以下の印刷条件において印刷し、紙粉離脱性の評価を実施した。
AI−3型フレキソ印刷機(伊予機械製)を用いて、水性インキには、HW571AQP(東洋インキ製、商品名)を使用し、被印刷体には、コート紙パールコート(王子製紙製、商品名)を使用した。アニロックスロールは、600lpi(セル容積3.8cm/m)、クッションテープは、3M1020(3M製、商品名)を使用し、印刷速度は、100m/分で印刷を実施した。
印刷速度が100m/分に達した段階で、幅0.1〜2.0mm、長さ0.1〜2.0mmに裁断したコート紙パールコート0.5gを被印刷体上に散布し、強制的に版面に接触させ、3分後に印刷された印刷物上で紙紛の数を目視で計測した。
評価するフレキソ印刷用感光性樹脂版を、製造した際の、ネガフィルムの画像はベタ部サイズが100×150mmのものを使用した。このベタ部範囲内に紙紛の数が50個以上計測されたものを×、20〜50個計測されたものを△、5〜20個計測されたものを○、5個以下計測されたものを◎とした。計測した紙紛は印刷不良であるので、×より△、△より○、○よりも◎の方が好ましい。
実施例1〜11並びに比較例1〜6における各(a)〜(d)の評価結果を表1に示す。
Figure 2008126606
表1の結果から、本発明の製造方法において、後処理工程以前に、感光性樹脂版または凸版印刷版の版面に、撥インキ成分(A)および硬化成分(B)を含有した溶液を付着させる際、撥インキ成分(A)がシリコン系化合物、フッ素系化合物およびパラフィン系化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む場合、版面汚れの防止に効果があることが確認された。
また、後処理工程以前に撥インキ成分(A)および硬化成分(B)を含有した溶液を付着させる際、撥インキ成分(A)がシリコン系化合物、フッ素系化合物およびパラフィン系化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む場合、紙粉の発生を抑制し、感光性樹脂版または凸版印刷版の良好な印刷を可能とする。
本実施形態を、特定の実施態様を参照して詳細に説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者によって明らかである。
本出願は、2007年3月20日に日本国特許庁へ出願された、日本特許出願(特願2007−73249)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明によれば、版面汚れの防止に好適な処理液を提供することができ、さらに、凹凸形状のある感光性樹脂版または凸版印刷版を提供することができる。
(b)撥インキ性の評価
得られたフレキソ印刷用感光性樹脂版、フレキソ印刷版のベタ部の接触角を、固液界面解析装置DropMaster500(協和界面科学製、商品名)の液滴法で測定した。温度23℃、相対湿度50%恒温恒湿室内に一日放置した後、解析ソフトウェアは"FAMAS ver1.8.1"を用い、プローブ溶液はジヨウドメタン(関東化学社製)を用い、針はステンレス製22G(協和界面科学製)を用いて、吐出時間100ms、吐出電圧4000mV、ジヨウドメタンが版に接触後15秒後の接触角を自動測定した値を記録した。各実施例および各比較例の樹脂版のベタ部の接触角を表1に示す。

Claims (35)

  1. 凹凸形状を有する感光性樹脂版または凸版印刷版の版面に、撥インキ成分(A)および硬化成分(B)を含有する溶液を付着する工程と、後処理する工程と、を含む凹凸形状を有する感光性樹脂版又は凸版印刷版の製造方法であって、
    前記後処理工程が、熱処理、活性光源による後露光処理および電子線処理からなる群から選択される処理であり、
    前記撥インキ成分(A)が、シリコン系化合物、フッ素系化合物、およびパラフィン系化合物からなる群から選択される少なくとも1種である化合物を含む製造方法。
  2. 凸版印刷版の版面に、撥インキ成分(A)および硬化成分(B)を含有する溶液を付着する工程と、後処理する工程と、を含む凸版印刷版の製造方法であって、
    前記後処理工程が、熱処理、活性光源による後露光処理および電子線処理からなる群から選択される処理であり、
    前記撥インキ成分(A)が、シリコン系化合物、フッ素系化合物、およびパラフィン系化合物からなる群から選択される少なくとも1種である化合物を含む製造方法。
  3. 露光工程、現像工程および後処理工程を含む凸版印刷版の製造方法であって、
    前記後処理工程が、熱処理、活性光源による後露光処理および電子線処理からなる群から選択される処理であり、
    前記後処理工程以前又は後処理工程中に、前記凸版印刷版の版面に、撥インキ成分(A)および硬化成分(B)を含有した溶液を付着させる工程を含み、
    前記撥インキ成分(A)が、シリコン系化合物、フッ素系化合物、およびパラフィン系化合物からなる群から選択される少なくとも1種である化合物を含む製造方法。
  4. 前記後処理工程が後露光処理であり、前記後露光処理以前又は後露光工程中に、前記凸版印刷版の版面に、撥インキ成分(A)および硬化成分(B)を含有した溶液を付着させる工程を含み、前記撥インキ成分(A)が、シリコン系化合物、フッ素系化合物およびパラフィン系化合物からなる群から選択される少なくとも1種である化合物を含む請求項2または3に記載の製造方法。
  5. 前記撥インキ成分(A)が、シリコン系化合物および/またはフッ素系化合物を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記撥インキ成分(A)が、フッ素系化合物を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 前記硬化成分(B)が、1分子中に少なくとも2個以上のラジカル反応基を有し、ラジカル反応基がアリル基、アクリレート基およびメタクリレート基からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
  8. 前記硬化成分(B)が、1分子中に少なくとも3個以上のラジカル反応基を有し、ラジカル反応基がアリル基、アクリレート基およびメタクリレート基からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
  9. 前記撥インキ成分(A)と前記硬化成分(B)が共重合されている請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造方法。
  10. 前記撥インキ成分(A)がフッ素系化合物を含み、前記撥インキ成分(A)と前記硬化成分(B)のラジカル反応基当量が3500g/mol以下である請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造方法。
  11. 前記撥インキ成分(A)と前記硬化成分(B)が共重合されており、かつ、前記硬化成分(B)が、1分子中に少なくとも2個以上のラジカル反応基を有し、前記撥インキ成分(A)と前記硬化成分(B)のラジカル反応基当量が5000g/mol以下である請求項1〜10のいずれか一項に記載の製造方法。
  12. 前記撥インキ成分(A)と前記硬化成分(B)が共重合されており、かつ、前記硬化成分(B)が、少なくとも2個以上のラジカル反応基を有し、ラジカル反応基当量が3500g/mol以下である請求項1〜11のいずれか一項に記載の製造方法。
  13. 前記撥インキ成分(A)の数平均分子量が5000以上である請求項1〜12のいずれか一項に記載の製造方法。
  14. 前記硬化成分(B)が、少なくとも2個以上のアリル基を有する請求項1〜13のいずれか一項に記載の製造方法。
  15. 前記凸版印刷版が、少なくとも共役ジエンを主体とする第1の重合体ブロック、およびビニル芳香族炭化水素を主体とする第2の重合体ブロックを含むブロック共重合体を含有する請求項1〜14のいずれか一項に記載の製造方法。
  16. 前記溶液が、ラジカル開始剤(C)をさらに含有する請求項1〜15のいずれか一項に記載の製造方法。
  17. 前記現像工程の現像液が、前記撥インキ成分(A)および前記硬化成分(B)を含有した溶液を含む請求項3〜16のいずれか一項に記載の製造方法。
  18. 前記現像工程が、基材接触式現像工程であって、前記基材が前記撥インキ成分(A)および前記硬化成分(B)を含有する請求項3〜17のいずれか一項に記載の製造方法。
  19. 前記現像工程の後であって、後処理工程の前に、前記凸版印刷版の版面に、前記撥インキ成分(A)および前記硬化成分(B)を含有した溶液を付着させる請求項3〜18のいずれか一項に記載の製造方法。
  20. 前記撥インキ成分(A)および前記硬化成分(B)を含有した溶液を、前記凸版印刷版に接触させながら後処理工程を行う請求項1〜14のいずれか一項に記載の製造方法。
  21. 前記現像液が、有機溶剤を含む請求項17に記載の製造方法。
  22. 前記凸版印刷版が感光性樹脂版である請求項1〜21のいずれか一項に記載の製造方法。
  23. 前記凸版印刷版がフレキソ印刷用感光性樹脂版である請求項22に記載の製造方法。
  24. 請求項1〜23のいずれか一項に記載の方法により製造される、凹凸形状を持つ感光性樹脂版または凸版印刷版。
  25. 凹凸形状を有する感光性樹脂版または凸版印刷版の版面用処理液であって、
    撥インキ成分(A)および硬化成分(B)を含有し、
    前記撥インキ成分(A)が、シリコン系化合物、フッ素系化合物、およびパラフィン系化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む、処理液。
  26. 前記硬化成分(B)が、1分子中に少なくとも2個以上のラジカル反応基を有し、ラジカル反応基がアリル基、アクリレート基およびメタクリレート基からなる群から選択される少なくとも1種である請求項25に記載の処理液。
  27. 前記硬化成分(B)が、1分子中に少なくとも3個以上のラジカル反応基を有し、ラジカル反応基がアリル基、アクリレート基およびメタクリレート基からなる群から選択される少なくとも1種である請求項25または26に記載の処理液。
  28. 前記撥インキ成分(A)と前記硬化成分(B)が共重合されている請求項25〜27のいずれか一項に記載の処理液。
  29. 前記撥インキ成分(A)がフッ素系化合物を含み、前記撥インキ成分(A)と前記硬化成分(B)のラジカル反応基当量が3500g/mol以下である請求項25〜28のいずれか一項に記載の処理液。
  30. 前記撥インキ成分(A)と前記硬化成分(B)が共重合されており、かつ、前記硬化成分(B)が、1分子中に少なくとも2個以上のラジカル反応基を有し、前記撥インキ成分(A)と前記硬化成分(B)のラジカル反応基当量が5000g/mol以下である請求項25〜27のいずれか一項に記載の処理液。
  31. 前記撥インキ成分(A)と前記硬化成分(B)が共重合されており、かつ、前記硬化成分(B)が、少なくとも2個以上のラジカル反応基を有し、ラジカル反応基当量が3500g/mol以下である請求項25〜27のいずれか一項に記載の処理液。
  32. 前記撥インキ成分(A)の数平均分子量が5000以上である請求項25〜31のいずれか一項に記載の処理液。
  33. 前記硬化成分(B)が、少なくとも2個以上のアリル基を有する請求項25〜32のいずれか一項に記載の処理液。
  34. ラジカル開始剤(C)をさらに含有する請求項25〜33のいずれか一項に記載の処理液。
  35. 凹凸形状を有する感光性樹脂版又は凸版印刷版の版面のインキ汚れを低減させるための処理液の製造のための、撥インキ成分(A)および硬化成分(B)の使用であって、
    前記撥インキ成分(A)が、シリコン系化合物、フッ素系化合物、およびパラフィン系化合物からなる群から選択される少なくとも1種以上の化合物を含む使用。

JP2009509007A 2007-03-20 2008-03-12 凹凸形状を持つ感光性樹脂版および凸版印刷版の製造方法、ならびに当該製造方法に用いる版面用処理液 Withdrawn JPWO2008126606A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007073249 2007-03-20
JP2007073249 2007-03-20
PCT/JP2008/054537 WO2008126606A1 (ja) 2007-03-20 2008-03-12 凹凸形状を持つ感光性樹脂版および凸版印刷版の製造方法、ならびに当該製造方法に用いる版面用処理液

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2008126606A1 true JPWO2008126606A1 (ja) 2010-07-22

Family

ID=39863737

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009509007A Withdrawn JPWO2008126606A1 (ja) 2007-03-20 2008-03-12 凹凸形状を持つ感光性樹脂版および凸版印刷版の製造方法、ならびに当該製造方法に用いる版面用処理液

Country Status (5)

Country Link
US (1) US8632956B2 (ja)
EP (1) EP2127896B1 (ja)
JP (1) JPWO2008126606A1 (ja)
AT (1) ATE520541T1 (ja)
WO (1) WO2008126606A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5443968B2 (ja) * 2009-12-25 2014-03-19 富士フイルム株式会社 レーザー彫刻用樹脂組成物、レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版及びその製造方法、並びに、レリーフ印刷版及びその製版方法
KR101781517B1 (ko) * 2010-09-30 2017-09-26 삼성디스플레이 주식회사 블록 공중합체 및 이를 이용한 패턴 형성 방법
JP5697461B2 (ja) * 2011-01-17 2015-04-08 ユニチカ株式会社 ポリエステルフィルム、および感光性樹脂構造体
JP5274598B2 (ja) * 2011-02-22 2013-08-28 富士フイルム株式会社 レーザー彫刻用組成物、レリーフ印刷版原版、レリーフ印刷版の製版方法、及び、レリーフ印刷版
JP6051920B2 (ja) * 2013-02-20 2016-12-27 東洋紡株式会社 フレキソ印刷原版用感光性樹脂組成物及びフレキソ印刷原版

Family Cites Families (30)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US492575A (en) * 1893-02-28 dayton
JPS533759B2 (ja) * 1973-06-22 1978-02-09
JPS5140206A (ja) 1974-10-02 1976-04-03 Sakata Shokai Ltd Kairyosaretatotsupaninsatsuhoho
JPS5927712B2 (ja) 1975-07-22 1984-07-07 帝人株式会社 凸版印刷版の処理方法
US4034197A (en) 1976-06-30 1977-07-05 Bell Telephone Laboratories, Incorporated Digital filter circuit
JPS6023813B2 (ja) 1982-09-09 1985-06-10 株式会社中川鉄工所 魚体移送装置
JPS59138454A (ja) 1983-01-28 1984-08-08 W R Gureesu:Kk 樹脂版用表面処理剤
JPS60191238A (ja) 1984-03-12 1985-09-28 Toyobo Co Ltd 画像複製材料およびその製造法
DE3536957A1 (de) 1985-10-17 1987-04-23 Basf Ag Durch photopolymerisation vernetzbare gemische
JPH07113767B2 (ja) 1986-10-02 1995-12-06 旭化成工業株式会社 段ボ−ル印刷用感光性樹脂印刷版
US5288571A (en) 1986-10-02 1994-02-22 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Photoresin printing plate for use in printing a corrugated board
JPS63163466A (ja) 1986-12-26 1988-07-06 Toray Ind Inc 感光性樹脂印刷版
EP0525206B1 (en) 1991-02-15 1998-04-29 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Photosensitive elastomer composition
JP3144870B2 (ja) 1991-02-15 2001-03-12 旭化成株式会社 感光性エラストマー組成物
GB9122576D0 (en) 1991-10-24 1991-12-04 Hercules Inc Photopolymer resins with reduced plugging characteristics
JP3506797B2 (ja) 1995-03-14 2004-03-15 大日本印刷株式会社 凸版印刷版、凸版印刷版材、及び凸版印刷版の製造方法
JP3603480B2 (ja) 1995-07-27 2004-12-22 旭硝子株式会社 撥水撥油剤組成物
AU707886B2 (en) 1995-07-27 1999-07-22 Asahi Glass Company Limited Water and oil repellent composition, treating method therewith and copolymer
JPH09244225A (ja) 1996-03-08 1997-09-19 Nippon Zeon Co Ltd 感光性印刷版の製法
JPH10171111A (ja) 1996-12-13 1998-06-26 Asahi Chem Ind Co Ltd 水現像性感光性樹脂組成物
JPH10217418A (ja) 1997-01-31 1998-08-18 Sumitomo Rubber Ind Ltd フレキソ印刷用凸版
GB9722862D0 (en) * 1997-10-29 1997-12-24 Horsell Graphic Ind Ltd Pattern formation
JP2002292985A (ja) 2001-03-30 2002-10-09 Sakata Corp フレキソ凸版印刷方式における印刷物の汚れ防止方法
ATE395193T1 (de) 2001-09-05 2008-05-15 Asahi Kasei Chemicals Corp Lichtempfindliche harzzusammensetzung und lasergravierbares druckelement
JP4357905B2 (ja) 2003-09-09 2009-11-04 旭化成イーマテリアルズ株式会社 感光性樹脂版の製造方法
WO2005064413A1 (ja) 2003-12-26 2005-07-14 Asahi Kasei Chemicals Corporation 凸版印刷用水現像感光性樹脂版
JP2005212144A (ja) 2004-01-27 2005-08-11 Asahi Kasei Chemicals Corp 表面処理されたレーザー彫刻印刷版の製造方法
EP1710093B1 (en) * 2004-01-27 2013-11-20 Asahi Kasei Chemicals Corporation Photosensitive resin composition for laser engravable printing substrate
ATE527109T1 (de) * 2004-01-27 2011-10-15 Asahi Kasei Chemicals Corp Verfahren zur herstellung eines lasergravierbaren druckträgers
JP2007073249A (ja) 2005-09-05 2007-03-22 Hitachi Displays Ltd 両面有機el表示装置

Also Published As

Publication number Publication date
EP2127896A4 (en) 2010-05-26
US20100143846A1 (en) 2010-06-10
EP2127896B1 (en) 2011-08-17
ATE520541T1 (de) 2011-09-15
US8632956B2 (en) 2014-01-21
EP2127896A1 (en) 2009-12-02
WO2008126606A1 (ja) 2008-10-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5196933B2 (ja) 光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物およびそれを用いたパターン形成方法
TW201336874A (zh) 光壓印用硬化性組成物、圖案形成方法、圖案、半導體器件及其製造方法
JP2006002061A (ja) レーザー彫刻用架橋性樹脂組成物、レーザー彫刻用架橋性樹脂印刷版原版、レリーフ印刷版の製造方法およびレリーフ印刷版
JP5601606B1 (ja) フレキソ印刷版の製造方法
JPWO2008126606A1 (ja) 凹凸形状を持つ感光性樹脂版および凸版印刷版の製造方法、ならびに当該製造方法に用いる版面用処理液
EP1779198A1 (en) Photosensitive composition for use in producing printing plate, and photosensitive printing original plate laminate and printing plate using the photosensitive composition
US10216086B2 (en) Method for creating surface texture on flexographic printing elements
JP2013077748A (ja) ナノインプリント方法およびそれに用いられるレジスト組成物
US20130026674A1 (en) Nanoimprinting method and method for producing a mold
JP2012041521A (ja) 光硬化性組成物およびそれを用いた硬化物の製造方法
KR20100126728A (ko) 나노임프린트용 경화성 조성물, 이것을 사용한 경화물 및 그 제조 방법, 그리고 액정 표시 장치용 부재
US20060144272A1 (en) Process for producing water-development printing plate for relief printing
JP5323428B2 (ja) 感光性樹脂凸版印刷版の製造方法
JP5731128B2 (ja) 感光性樹脂凸版印刷版の製造方法
JP5149748B2 (ja) 感光性樹脂凸版印刷版の製造方法
JP2019171730A (ja) フレキソ印刷用積層体、及びフレキソ印刷方法
JP5315234B2 (ja) 凹凸形状を有する感光性樹脂版及び凸版印刷版の製造方法、並びに当該製造方法に用いる版面用処理液
JP6418012B2 (ja) レーザー彫刻用樹脂印刷版原版
EP4088944B1 (en) Laser engravable flexographic printing original plate
KR20110125177A (ko) 광경화성 조성물 및 그것을 사용한 경화물의 제조 방법
JP2023049236A (ja) 感光性フレキソ印刷版原版
JP2023049238A (ja) 感光性フレキソ印刷版原版、それを用いたフレキソ印刷版および印刷物の製造方法
KR20240141841A (ko) 플렉소 인쇄판 제조용 필름, 적층체, 및 플렉소 인쇄판의 제조 방법
JP6299073B2 (ja) フレキソ印刷原版用感光性樹脂組成物
CN116209954A (zh) 感光性树脂印刷版原版及使用其制造印刷版的方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110309

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20110401