JPH06236709A - 高分子絶縁材料およびそれを用いた成形体 - Google Patents

高分子絶縁材料およびそれを用いた成形体

Info

Publication number
JPH06236709A
JPH06236709A JP5140742A JP14074293A JPH06236709A JP H06236709 A JPH06236709 A JP H06236709A JP 5140742 A JP5140742 A JP 5140742A JP 14074293 A JP14074293 A JP 14074293A JP H06236709 A JPH06236709 A JP H06236709A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polypropylene
insulating material
weight
ppm
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5140742A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3369253B2 (ja
Inventor
Ryuichi Sugimoto
隆一 杉本
Shigeru Kimura
茂 木村
Takayuki Yamada
孝行 山田
Yukio Ishii
行雄 石井
Takeo Inoue
武夫 井上
Tsutomu Iwatani
勉 岩谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Toatsu Chemicals Inc filed Critical Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority to JP14074293A priority Critical patent/JP3369253B2/ja
Publication of JPH06236709A publication Critical patent/JPH06236709A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3369253B2 publication Critical patent/JP3369253B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Insulating Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 ポリプロピレンの重合においてポリプロピレ
ンの取得量が触媒中のチタンに対して300,000g
/g−Ti以上であり、完全に燃焼させて得られる灰分
が40重量ppm以下、その灰分組成のうちチタニウム
が1重量ppm以下であり、該ポリプロピレン中に含ま
れる塩素分が2重量ppm以下、沸騰n−ヘプタン可溶
分が1重量%以上10重量%以下である高分子絶縁材
料、およびこのポリプロピレンに10μm以上の粒径を
含まない平均粒径1μm以下の無機酸化物または水酸化
物、有機ポリシラン、無水マレイン酸グラフトポリプロ
ピレン、有機ポリエーテル基を有するシラン化合物を添
加して絶縁破壊抵抗をさらに向上させた高分子絶縁材料
である。 【効果】 絶縁破壊電圧の高い、また少なくとも1つの
方向に延伸させて得た成形体は絶縁破壊電圧が高く、電
気特性と物性バランスに優れたポリプロピレンを提供す
るものであり、工業的に極めて価値がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は優れた電気特性を有する
高分子絶縁材料に関する。詳しくは、特定の物性を有す
るポリプロピレンからなる電気絶縁性の良好な高分子絶
縁材料およびそれを用いた成形体に関する。より詳しく
特に薄肉化しても優れた電気特性を有する高分子絶縁材
料に関し、またこの材料より得られる薄肉の成形体に関
する。
【0002】
【従来技術】ポリオレフィン、ポリエステル、ポリフッ
化ビニリデン、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチ
レン等の高分子材料は一般に電気伝導率が小さく、これ
らの絶縁性等の電気特性を利用して非常に多くの種類の
電気材料として使用されている。これらの高分子材料は
電気絶縁性に優れている他、可尭性があり、耐熱性があ
り、疎水性のあるといった特徴を有しているため多くの
製品に高分子材料が用いられてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ポリオレフィン、なか
でもポリプロピレンは成形加工性が容易であり、優れた
電気的、機械的、化学的性質を有し、また安価に入手す
ることが出来るため各種の電気材料として非常によく利
用されている。たとえばエレクトレット材料としてフィ
ルターやフィルムの形で用いられたり、電気絶縁用テー
プや被覆材としてあるいは二軸延伸フィルムとしてコン
デンサー用絶縁フィルムのような電気絶縁材料として広
く利用されている。これらに使用されるポリプロピレン
はその絶縁抵抗が高いものほど良く、その絶縁破壊強度
が高いほど高性能の製品が得られ、この改良が進められ
てきた。
【0004】しかしながら現在使用されているポリプロ
ピレンの絶縁特性は非常に優れているとは言えず、さら
に高い絶縁特性を有するポリプロピレンが製造できれば
工業上極めて有益である。この様な目的で従来からポリ
プロピレンの高純度化が検討されてきた。たとえば特開
昭61−110906、特開昭59−63609、特開
昭58−188627等にはポリプロピレンの立体規則
性の割合を高め、沸騰n−ヘプタン可溶分を少なくして
結晶化度を上げることにより二軸延伸ポリプロピレンの
絶縁破壊強度が上がることが開示されている。また特開
昭62−113548、特開平1−254749、特開
平1−166955、特開平2−150443等にはポ
リプロピレン中に残留している触媒残渣や塩素分を出来
るだけ少なくするといった方法でポリプロピレンの絶縁
特性を改良することが行われてきた。
【0005】しかしながらそのような改良された高純度
のポリプロピレンを工業的に生産しようとするとコスト
が高くなってしまうといった問題があり、立体規則性を
高くすると結晶化度が高くなって成形品が硬くなり易
く、成形加工性も悪くなって、たとえば紡糸時には紡糸
しにくく、延伸時に延伸切れを起こしたり、フィルム成
形時にはボイドが生成して、結局製品としては絶縁特性
の悪い成形品しか得られないという問題があった。また
実際には不純物を完全に取り除くことは非常に困難であ
って少なからず触媒等からの残留不純物が含まれる。
【0006】更に、従来の方法では、例えばコンデンサ
ーフィルムの絶縁材料として使用する場合にこれを用い
た電気部品や電子部品を小型化する要望が極めて強く、
これを解決するにはコンデンサーフィルムの絶縁破壊抵
抗を大きくしてフィルムを薄肉にして小型化することが
望まれている。
【0007】しかしながら従来の方法で得られたポリプ
ロピレンの延伸フィルムは10μm程度以上の厚さのフ
ィルムの場合はかなり大きな絶縁破壊抵抗を有するもの
が得られるが、6μm程度以下、特に4μm程度にする
と単位厚さ当りの絶縁破壊抵抗の値が極端に低下する欠
点が生じ薄肉フィルムで大きな絶縁破壊抵抗のものを得
ることが困難であり、電気部品や電子部品を小型化する
要望を解決するには至らなかった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決して、エレクトレット材料としてフィルターやフィ
ルムの形で用いられたり、二軸延伸フィルムとしてコン
デンサーフィルムのような電気絶縁材料として使用する
際に成形加工性を損なわず、安価に提供できるポリオレ
フィン材料について種々検討したところ、電気絶縁特性
が高分子材料中に含まれる不純物により非常に大きな影
響を受けることが分かった。不純物としては触媒残渣や
空気中のほこり等があり、中でも特定の成分が電気絶縁
特性に影響を与えており、その成分と量をコントロール
すれば触媒残渣等の不純物が比較的ポリマー中に残存し
ていても良好な絶縁特性を有することを見いだした。さ
らに従来のように沸騰n−ヘプタン可溶分を少なくして
結晶化度を上げるよりもむしろ特定の沸騰n−ヘプタン
可溶分を有するポリプロピレンが良好な電気絶縁性を有
することがわかり、しかも加工性と物性バランスに優れ
ていることを見出し本発明を完成した。
【0009】即ち本発明は、ポリプロピレンの重合にお
いてポリプロピレンの取得量が、触媒中のチタンに対し
て300,000g/g−Ti以上であり、成形体に使
用するポリプロピレンの空気中で完全に燃焼させて得ら
れる灰分が40重量ppm以下、その灰分組成のうちチ
タニウムが1重量ppm以下であり、該ポリプロピレン
中に含まれる塩素分が2重量ppm以下、沸騰n−ヘプ
タン可溶分が1重量%以上10重量%以下である絶縁破
壊電圧の高い高分子絶縁材料である。
【0010】本発明の高分子絶縁材料であるポリプロピ
レンとしては、その1立方センチメートル当りに含まれ
る1μm以上10μm以下の不純物の個数が6000個
以下で5μm以上10μm以下の不純物の個数が100
0個以下であって10μmを超える不純物を含まない高
純度ポリプロピレンが好ましい。
【0011】さらに本発明は、前記または上記の高分子
絶縁材料を、少なくとも1つの方向に延伸してなる電気
絶縁性の高いポリプロピレン成形体である。
【0012】また、本発明においては、前記または上記
の高分子絶縁材料に、特定の添加物を添加することによ
り、その絶縁破壊電圧をさらに高めることができる。
【0013】すなわち、本発明は、前記または上記の高
分子絶縁材料に、無機酸化物または水酸化物を1重量p
pm以上10重量%以下添加してなる絶縁破壊電圧の高
い高分子絶縁材料である。無機酸化物または水酸化物と
しては、10μm以上の粒径を含まない平均粒径1μm
以下のマグネシウム、アルミニウム、鉄の酸化物あるい
は水酸化物が好ましい。
【0014】添加物としては、さらに有機ポリシラン、
無水マレイン酸グラフトポリプロピレンおよび有機ポリ
エーテル基を有するシラン化合物がすぐれた効果を示
す。
【0015】すなわち、本発明は、前記または上記の高
分子絶縁材料に、有機ポリシランを50重量ppm以上
10重量%以下添加するか;無水マレイン酸グラフトポ
リプロピレンを50重量ppm以上10重量%以下添加
するか;もしくは有機ポリエーテルを有するシラン化合
物を50重量ppm以上10重量%以下添加してなる絶
縁破壊電圧の高い高分子絶縁材料である。
【0016】さらに本発明は、上記各種の添加物を添加
してなる絶縁破壊電圧の高い高分子絶縁材料を、少なく
とも1つの方向に延伸してなる電気絶縁性の高いポリプ
ロピレン成形体である。
【0017】本発明は、さらにまた、上記添加物を添加
するか、または添加してない上記種々の高分子絶縁材料
を、二軸延伸してなる電気絶縁性フィルムである。
【0018】本発明の高分子絶縁材料であるポリプロピ
レンを得るためには、チタン、マグネシウム、ハロゲン
および内部添加電子供与性化合物を含む固体状チタン触
媒成分と周期律表の第1族、2族、3族から選ばれた金
属を含む有機金属化合物及び外部添加電子供与性化合物
よりなる重合触媒の存在下にプロピレンを重合させるの
が好ましく、この重合方法で得られたポリプロピレンを
脱ハロゲン処理することにより、特に好ましい本発明の
高分子絶縁材料を得ることができる。
【0019】また、本発明の高分子絶縁材料を二軸延伸
してなる電気絶縁フィルムにおいては、フィルムの厚さ
が1〜6μmであるときに、特にすぐれた本発明の効果
を達成することができる。
【0020】本発明の方法ではポリプロピレンの重合に
おいてポリプロピレンの取得量が、触媒中のチタンに対
して300,000g/g−Ti以上、より好ましくは
1,000,000g/g−Ti以上、さらに好ましく
は3,000,000g/g−Ti以上であることが必
要である。
【0021】従来から高分子絶縁材料として使用するポ
リプロピレンは灰分の少ないポリプロピレンを使用する
ことが必要とされていたので、重合して得られたポリプ
ロピレンに特別の後処理を行なって灰分を減少させる方
法がとられ、それによってポリプロピレンの灰分を減少
させることは可能であった。しかしながら、重合の過程
でその取得量が触媒中のチタンに対して300,000
g/g−Ti未満であるポリプロピレンについて後処理
を工夫して全体の灰分を減少させた場合には、このポリ
プロピレンより得られた延伸フィルムは10μm程度以
上の厚さのフィルムの場合はかなり大きな絶縁破壊抵抗
を有するものが得られるが、フィルムの厚さを6μm程
度以下、特に4μm程度にすると単位厚さ当りの絶縁破
壊抵抗の値が極端に低下する欠点が生じ薄肉フィルムで
大きな絶縁破壊抵抗のものを得ることが困難である。
【0022】原因は不明であるが、重合の過程でその取
得量が触媒中のチタンに対して大きくない場合は、灰分
を減少させる後処理を行なうことによりチタン成分が全
体としてかなり除去されても、部分的にチタン成分が除
去されずに残る部分が存在し、その部分がフィルムを薄
くした場合に絶縁破壊抵抗を低くする欠陥となるものと
本発明者らは推定している。
【0023】本発明者らは鋭意検討した結果、本発明で
使用するポリプロピレンはまず重合の過程で生成ポリプ
ロピレン中にチタン成分が十分に分散して、凝集してい
ないことが必要であり、この十分に分散するためには、
重合で生成するポリプロピレンをチタン金属当り十分に
大きな取得量にしたポリプロピレンを原料にすることが
必要であることが重要であることを発見し本発明に到達
したものである。
【0024】また本発明においては灰分組成の分析か
ら、ポリプロピレン中に、チタニウムは1重量ppm以
下、好ましくは0.5重量ppm以下、さらに好ましく
は0.3重量ppm以下であることが要求される。これ
は取得量が低い場合は重合して得られたポリプロピレン
から触媒残渣中のチタンを除去する必要があるが、重合
の過程でのポリプロピレンのチタン当りの取得量が1,
000,000g/g−Ti以上であれば触媒成分中の
チタンは全く除去する必要はなく、触媒系と重合条件を
選択すれば重合して得られたポリプロピレンの後処理を
大幅に簡素化することが可能になる。
【0025】ポリマー中に残留した触媒残渣は非常に細
かくなってポリマー中に分散していれば問題は無いが、
中でもチタン成分は、凝集しやすく、大きな核となった
物は後処理では取り除けないため電気特性に悪影響を与
える。そのためポリプロピレンの空気中で燃焼させて得
られる灰分が40重量ppm以下であっても、その灰分
組成のうちチタニウムが1重量ppm以上であると電気
特性に悪影響を与える。触媒の活性が充分に高くない場
合には生成した重合体を洗浄することにより触媒残渣を
少なくする事ができるが、その場合でもチタン成分が凝
集していれば残留量が微量でも電気特性に悪影響を与え
る。
【0026】本発明の高分子材料はポリマー中の灰分が
40重量ppm以下、好ましくは20重量ppm以下、
更に好ましくは15重量ppm以下である。灰分が40
重量ppmを超えると、繊維やフィルムに加工するとき
に延伸切れやボイドが生成したりして絶縁特性が悪くな
る。
【0027】従来の方法のようにチタン当りの取得量の
小さい重合過程で得られたポリプロピレンを原料として
後処理で触媒残渣を極めて少量になるまで除去する場合
よりも本発明の場合は灰分は多くてもかまわないので後
処理の簡略化が可能となり、工業的な利益は大きい。
【0028】本発明の高分子絶縁材料はその沸騰n−ヘ
プタン可溶分が1重量%以上10重量%以下、好ましく
は1.0重量%以上9.0重量%以下、さらに好ましく
は1.5重量%以上8.5重量%以下であるポリプロピ
レンである。ここで沸騰n−ヘプタン可溶分とはポリプ
ロピレン2gをソックスレー抽出器を用いて沸騰n−ヘ
プタンで6時間抽出したn−ヘプタン可溶分を仕込み量
に対する重量%で表したものである。沸騰n−ヘプタン
可溶分が1重量%未満のポリプロピレンは結晶化度が高
くなり、結晶化度が高すぎて成形品が硬くなり易く、成
形加工性が悪く、電気絶縁特性の悪い成形品しか得られ
ない。本発明のポリプロピレンでは、従来の知見とは異
なり、沸騰n−ヘプタン抽出残が95〜90重量%の範
囲のものでも電気絶縁特性が低下せず、むしろ延伸性が
良好で好ましい結果を与える。
【0029】また、沸騰n−ヘプタン不溶部のアイソタ
クチックペンタッド分率は0.900以上、好ましくは
0.92以上、更に好ましくは0.950以上である。
【0030】また、本発明においてはポリプロピレン中
に含まれる塩素分は2重量ppm以下、より好ましくは
1重量ppm以下である。イオン性の不純物が電気特性
に悪影響を与える事は公知であり、なかでも微量の塩素
が大きな影響を与えることが先に挙げた引例の特開昭6
2−113548、特開平1−254749、特開平1
−166955、特開平2−150443等にも記述さ
れている。しかしながらこれらの引例には塩素分が10
ppm未満で、誘電損率への効果は記載されているが電
気絶縁性に関してはなんら記載はない。このポリマー中
の塩素分と電気絶縁性の関係については、実はポリマー
中の塩素分が2重量ppmを境にして大きく変化するこ
とが見いだされた。すなわち塩素分が2重量ppmを越
えると絶縁特性が悪くなるが、塩素分が2重量ppm以
下になると絶縁特性は大幅に改良される。後述する重合
触媒中には塩素が多く含まれているため洗浄後でも塩素
の含有量が多い場合にはさらにアミン化合物、エポキシ
化合物、アンモニア、有機脂肪酸などで脱塩素処理を行
ってポリマー中の塩素分を2重量ppm以下とすること
が好ましい。
【0031】これらの脱塩素処理の中でも特にエポキシ
化合物を用いた脱塩素処理が好ましい。ここでエポキシ
化合物としてはエチレンオキサイド、プロピレンオキサ
イド、ブテンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド等
のアルキレンオキサイドやグリシジルアルコール、グリ
シジル酸、グリシジルエステル等が好ましく用いられ
る。これらのエポキシ化合物を用いてポリマーの脱塩素
処理を行うときにはエポキシ化合物と等モル以上のOH
基を持った化合物を用いると非常に効果的である。ここ
でOH基を持った化合物としては水、アルコール化合物
が挙げられる。またエポキシ化合物の使用量はポリマー
中に含まれている塩素にたいして等モル以上、好ましく
は2倍モルないし10,000倍モル、より好ましくは
10倍モルないし1,000倍モルの量比で用いられ
る。エポキシ化合物を用いたポリマーの脱塩素処理はバ
ッチ式でも流通式でも特に制限は無く、要するに反応が
容易に起こるように塩素分とこれらの化合物が接触出来
れば良い。脱塩素処理の温度も特に制限は無いが、通
常、室温からポリマーの融点以下であれば良く、好まし
くは50℃ないし100℃である。脱塩素処理をおこな
うための処理時間はエポキシ化合物による脱塩素反応が
完結するに必要な時間であり、通常は10秒ないし1時
間、好ましくは1分ないし30分間である。また反応生
成物は系外に除去する事が好ましく、減圧にしたり、空
気や窒素を流通させて除去する。
【0032】本発明のポリプロピレンは、触媒の単位量
当りのポリマーの取得量が低い場合には後処理を行っ
て、触媒残渣を除去する必要がある。また触媒の活性が
高くてポリマーの取得量が多い場合でも後処理を行って
触媒残渣を除去する事が好ましい。後処理方法としては
重合して得られたポリプロピレンを液状のプロピレン、
ブタン、ヘキサンあるいはヘプタン等で洗浄する。この
とき水、アルコール化合物、ケトン化合物、エーテル化
合物、エステル化合物、アミン化合物、有機酸化合物、
無機酸等を添加してチタンやマグネシウム等の触媒成分
を可溶化してより抽出され易くする事も行われる。さら
に水やアルコール等の極性化合物で洗浄する事も好まし
い。
【0033】また前記の脱塩素処理は上記の洗浄前、洗
浄中あるいは洗浄後に行われる。洗浄前、洗浄中あるい
は洗浄後に引き続いて脱塩素処理を行うときは上記の溶
液中にこれらのアミン化合物、エポキシ化合物、アンモ
ニア、有機脂肪酸を添加してポリマーに良く接触させ
る。あるいはこれらの溶液を除去した後ポリマーと気体
状のこれらの化合物とを接触させる事も好ましい。さら
には生成したポリマーに安定剤を加えて、押し出し機を
用いてペレット化するときに押し出し機中にこれらの化
合物を添加する事も好ましい。
【0034】ここでポリプロピレンはプロピレンの単独
重合体のみならず1種類またはそれ以上の他の不飽和炭
化水素または不飽和シラン化合物とのランダム共重合
体、あるいはブロック共重合体も含まれる。ここで他の
不飽和炭化水素としてはエチレン、1−ブテン、1−ペ
ンテン、3−メチルペンテン−1、1−ペンテン、3−
メチルブテン−1、1−ヘキセン、4−メチルペンテン
−1、5−エチルヘキセン−1、1−オクテン、1−デ
セン、1−ドデセン、ビニルシクロヘキセン、スチレ
ン、アリルベンゼン、シクロペンテン、ノルボルネン、
5−メチル−2−ノルボルネン等が、不飽和シラン化合
物としてはアリルシラン等が挙げられる。この共重合体
においては、沸騰n−ヘプタン可溶分が1重量%以上1
0重量%以下になるようにランダム共重合ではプロピレ
ン以外のコモノマーの割合が10wt%未満、ブロック
共重合の際には、プロピレン単独での重合部分が全体の
50wt%以上を占めるのが好ましい。
【0035】さらにはポリプロピレン以外の他種ポリマ
ーを混合しても用いることができる。例えば、ポリプロ
ピレンとポリブテン、ポリペンテン、ポリヘキセン、ポ
リヘプテン、ポリオクテン等のポリ−α−オレフィンや
ポリシクロペンテン、ポリノルボルネン等の環状ポリオ
レフィンとの混合物や、プロピレンと炭素数2〜20の
オレフィンとの共重合体と上記他種のポリマーとの混合
物が例示されるが、これらの混合ポリマーの場合、混合
物中に占める他種のポリマーの割合は全体の30wt%
以下が好ましい。
【0036】本発明のポリプロピレンを製造するに用い
る触媒としては、通常、工業的にポリプロピレンを製造
するために用いられている触媒が使用される。例えば三
塩化チタンと有機アルミニウム化合物や、ハロゲン化マ
グネシウム等の担体上に三塩化チタンや四塩化チタンを
担持したものと有機アルミニウム化合物等が用いられ
る。
【0037】ポリプロピレンを製造する触媒としては高
活性でチタン成分のもともと少ない触媒を用いることが
好ましく、上記に挙げた中では三塩化チタン系のものよ
りもハロゲン化マグネシウム等の担体上に三塩化チタン
や四塩化チタンを担持した触媒系を用いることが好まし
い。
【0038】中でもハロゲン化マグネシウム担体上に内
部添加電子供与性化合物としてC−OまたはC−N結合
を含有する化合物と少なくとも1つのハロゲンを有する
四価のチタン化合物を担持した遷移金属触媒成分、有機
アルミニウム化合物および外部添加電子供与性化合物よ
りなる触媒が好ましい。
【0039】このような触媒はハロゲン化マグネシウム
としては塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、あるい
はそれらとエーテル、モノエステルとの錯体、あるいは
塩化マグネシウムと臭化マグネシウムの共晶体などが用
いられる。内部添加電子供与性化合物として用いられる
C−OまたはC−N結合を含有する化合物としては、エ
ステル、エーテル、オルソエステル、アルコキシ珪素化
合物が挙げられる。中でも安息香酸やフタル酸のエステ
ルなどの芳香族酸のエステル化合物が好ましく、特にフ
タル酸と炭素数1〜12のアルコールとのエステルが好
ましく利用される。
【0040】また四価のチタンのハロゲン化物として
は、ハロゲンとして好ましくは、塩素が例示でき、一部
のハロゲンがアルコキシ基に変わったものも利用できる
が、特に好ましくは、四塩化チタンが用いられる。芳香
族酸のエステルとハロゲン化チタンの使用割合として
0.3:1〜1:0.3モル比であり、より好ましくは
0.5:1〜1:0.5である。またハロゲン化マグネ
シウムに対するハロゲン化チタンの割合としては1:
0.001〜1:0.5重量比程度が好ましい。
【0041】外部添加電子供与性化合物として、エステ
ル、エーテル、オルソエステル、アルコキシ珪素化合物
が用いられ、具体的には、安息香酸及び核置換の安息香
酸と炭素数1〜10のアルコールとのエステルやアルコ
キシシランが挙げられる。
【0042】ここで用いるアルコキシシランとしては、
一般式:RX Si(OR′)4-X (式中Rは炭素数3〜
12のアルキル基、R′は炭素数1〜12のアルキル
基、Xは1,2または3)で表されるものである。
【0043】好ましい外部添加電子供与性化合物として
は、メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシ
ラン、t−ブチルトリメトキシシラン、ビニルトリエト
キシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニル
ジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、
シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、ジシクロヘキ
シルジメトキシシラン、2−ノルボルナントリエトキシ
シラン、2−ノルボルナンメチルジメトキシシラン、ジ
シクロペンチルジメトキシシラン、シクロペンチルメチ
ルジメトキシシラン、シクロペンチルジメチルメトキシ
シラン、トリシクロペンチルメトキシシラン、ジイソプ
ロピルジメトキシシラン、t−ブチルメチルジメトキシ
シラン、ジノルマルプロピルジメトキシシランがあり、
さらに好ましくは、ジフェニルジメトキシシラン、シク
ロヘキシルメチルジメトキシシラン、ジシクロヘキシル
ジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラ
ン、ジイソプロピルジメトキシシラン、t−ブチルメチ
ルジメトキシシラン、ジノルマルプロピルジメトキシシ
ラン等が用いられる。
【0044】有機アルミニウム化合物としては、好まし
くはトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウ
ムなどのトリアルキルアルミニウム及びその1〜2個の
炭化水素残基が塩素または臭素で置換されたジエチルア
ルミニウムクロライド、ジプロピルアルミニウムクロラ
イド、ジヘキシルアルミニウムクロライドのようなジア
ルキルアルミニウムクロライド等のアルキルアルミニウ
ムハロゲンおよびこれらの組み合わせたものが例示され
る。
【0045】遷移金属触媒成分中のチタンに対する有機
アルミニウム化合物および上記外部添加電子供与性化合
物の使用割合としては1:1:1〜1:10,000:
10,000モル比、通常は1:1:1〜1,000:
1,000モル比である。
【0046】これらのハロゲン化マグネシウムに担持さ
れたハロゲン化チタン触媒成分の製造方法については公
知の方法が使用でき格別の限定はないが、活性の大きな
触媒、特に重合におけるポリプロピレンの取得量が1,
000,000g/g−Ti以上、特に3,000,0
00g/g−Ti以上が得られるものが好ましい。
【0047】これらの担持触媒は高活性で担体の塩化マ
グネシウムが柔らかいため、重合後細かく分散してチタ
ンの凝集を起こさないため好ましい。
【0048】重合に際し温度は常温〜150℃、圧力は
常圧〜100kg/cm2 で行うのが一般的である。重
合方法は溶媒重合法、塊状重合法、気相重合法など従来
の重合法が用いられるが、特にチタン当りの取得量を向
上させて、本願発明の取得量が300,000g/g−
Ti以上を満足するためには塊状重合法、気相重合法が
好ましい。
【0049】上述の灰分、チタン及び塩素の定量方法と
しては、公知の方法が利用できる。例えば灰分を測定す
る方法としては、まず1g〜100g程の試料を用い
て、白金、石英または磁製の坩堝や皿の中でそれらの試
料を燃焼させる。さらに電気炉の中で生成した炭素を約
800℃で完全に燃焼させて、坩堝が恒量となったの
ち、残った灰分の重量を求めて、試料に対する重量百分
率を算出する方法等が挙げられる。灰分組成はこれらの
灰分を用いて原子吸光法や蛍光X線法や比色法などの通
常の分析方法で求めることができる。
【0050】また塩素を定量する方法としては、試料に
ステアリン酸ナトリウムを加え燃焼させることなく揮散
させ、灰化後NaClとして捕集された塩素を水で抽出
し、チオシアン酸第二水銀による比色法で定量する方法
(比色法)や、試料をアルゴンガスと酸素ガスの混合気
流中で燃焼し、生成した塩素イオンを電量的に発生させ
た銀イオンで滴定して定量する方法(クーロメトリー
法)、また同様にして試料を燃焼した後、生成した塩素
イオンをイオンクロマトグラフで定量する方法(イオン
クロマトグラフ法)、あるいは平板または錠剤型にした
試料にX線を照射して、得られた蛍光X線の強度により
定量する方法(蛍光X線法)、試料に熱中性子を照射
し、核反応によって生成する塩素の放射性核種の放射能
を定量する方法(放射化分析法)などが挙げられる。
【0051】本願発明の好ましい用途としては電気絶縁
フィルムとして延伸フィルムが挙げられる。この延伸フ
ィルムの性質はその原料となる押出フィルムの原反の性
質の影響を大きく受ける。電気絶縁フィルムとしての延
伸フィルムは絶縁破壊電圧の高いことが必要であり、そ
れには該フィルム中の不純物の数が少ないことが必要で
ある。そのためにはその原料となる押出フィルム原反の
不純物の数を少なくすることが必要である。この不純物
は主として触媒残渣に起因するもので、これは押出フィ
ルム原反を顕微鏡で注意深く観察することで評価するこ
とができる。
【0052】ここで原反中の不純物の個数を数える方法
としては顕微鏡を用いて不純物の個数を数える方法が挙
げられる。しかしながら1μm前後の不純物を顕微鏡を
用いて直接見つけることは非常に困難であることから、
はじめに原反をさらに延伸して薄い二軸延伸フィルムと
して不純物を中心としたボイドを形成させる。通常この
操作によりボイドの大きさは不純物の核を中心として延
伸倍率に比例した大きさとなるのでボイドは容易に見つ
けることができるようになる。不純物はこのボイドの中
に含まれるのでボイドをさらに詳しく見る事により不純
物を見つけることができる。具体的には20mmφの2
層Tダイで試料のポリプロピレンについて厚さ140μ
mの原反を作成し、145℃で1分間予熱した後、15
cm/秒の延伸速度で縦方向に5倍、横方向に7倍逐次
延伸を行い、製膜したフィルムを位相差顕微鏡を用いて
1μm以上のボイドを見つけ、良く観察してその核とな
っている固体不純物の大きさを測定し、単位面積当たり
の個数を換算して、押出フィルム原反1立方センチメー
トル当りに含まれる直径1μm以上の不純物の個数とす
る。
【0053】本発明の方法においては、押出フィルム原
反中の直径1μm以上10μm以下の不純物の1立方セ
ンチメートル当たりに含まれる数が6000個以下、好
ましくは5000個以下であることが好ましく、10μ
mを越える直径の不純物の存在は好ましくない。
【0054】これらの不純物は触媒の残渣に由来するも
のだけではなく、重合のプロセスや成形加工時にも混入
するものがるため、できるだけこれらの混入が起こらな
いようにすることも必要である。
【0055】本発明においては上記のポリプロピレンを
通常の方法で高分子絶縁材料として使用できるが、さら
に本発明ではこのポリプロピレンに10μm以上の粒径
を含まない平均粒径1μm以下の無機酸化物または水酸
化物、有機ポリシラン、無水マレイン酸グラフトポリプ
ロピレン、有機ポリエーテル基を有するシラン化合物を
添加して絶縁破壊抵抗をさらに向上させることができ
る。
【0056】従来、高分子絶縁材料として使用するには
無機化合物等の不純物は極めてすくないことが必要とい
われ、そのために重合して得られたポリプロピレンから
灰分を除去するために複雑な後処理方法を適用し、極め
て高コストの方法が行われてきた。しかしながら、本発
明においては、上記特定の化合物の添加は逆に絶縁破壊
抵抗をさらに向上させることができることを見出した。
これは驚くべきことである。
【0057】これらの添加剤を添加することにより絶縁
破壊抵抗が向上する理由は今のところ明らかではない
が、おそらくこれらの微小な化合物は電子をトラップし
たり、逆に電子を分散させる効果を持っていると考えら
れる。これらの添加剤の効果は単に絶縁破壊電圧を向上
させるだけでなく、高温下でも絶縁破壊電圧が低下しな
いという性質を付与することができる。すなわち、通
常、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの絶縁破壊電圧は
室温付近で測定されるが、室温付近での測定値と比べ
て、例えば80℃ないし100℃での絶縁破壊電圧は著
しく低下する欠点があることが知られている。コンデン
サーは蓄放電を繰り返されるが、これにより熱が発生
し、実際に使用される場合は室温よりかなり高い温度に
なる。この場合、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用
いたコンデンサーは温度の上昇によって絶縁破壊電圧が
低下してコンデンサーの性能に悪影響を及ぼす。本発明
のポリプロピレン絶縁材料はそれ自身で優れた性能を有
するが、さらに上記有機ポリシラン、無水マレイン酸グ
ラフトポリプロピレン、有機ポリエーテル基を有するシ
ラン化合物を添加することにより耐熱性を大幅に向上さ
せることができる。
【0058】本発明はまたこれらの高分子絶縁材料に、
無機酸化物または水酸化物を1重量ppm以上10重量
%以下、好ましくは30重量ppmから5重量%、さら
に好ましくは100重量ppmから5重量%添加してな
る絶縁破壊電圧の高い高分子絶縁材料である。ここで無
機酸化物または水酸化物は10μm以上の粒径を含まな
い平均粒径1μm以下、より好ましくは0.1μm以下
のマグネシウム、アルミニウム、鉄の酸化物あるいは水
酸化物である。これらの化合物の添加効果は、その機構
は正確には判っていないが、電気絶縁性を向上させる効
果がある。マグネシウム、アルミニウム、鉄の酸化物あ
るいは水酸化物は工業的に生産されており、粉状の物が
入手可能であり、平均粒径が上記の数値よりも大きい物
はさらに粉砕したり、分級して用いる事ができる。また
分散性を改良するために表面処理をしたものも使用する
事ができる。
【0059】また分散性を高めるために分散性の良い化
合物をポリプロピレンの中に予め分散させておき化学反
応により、それらのマグネシウム、アルミニウム、鉄の
化合物を酸化物や水酸化物に変える方法も挙げられる。
【0060】具体的にはマグネシウム、アルミニウム、
鉄のハロゲン化物や硫酸塩あるいは有機酸塩等の化合物
をアルカリやアミン化合物、オキシラン化合物、アンモ
ニア等と接触反応させて水酸化物や酸化物に変える事が
できる。これらの反応は液相でも気相でも行う事ができ
る。
【0061】本発明はまたこれらの高分子絶縁材料に、
有機ポリシラン、無水マレイン酸グラフトポリプロピレ
ン、有機ポリエーテル基を有するシラン化合物等の高分
子量の化合物を50重量ppm以上10重量%以下、よ
り好ましくは100重量ppm以上5重量%以下添加し
てなる絶縁破壊電圧の高い高分子絶縁材料である。
【0062】ここで有機ポリシランとしては下記の一般
式(1)で表される主鎖が珪素である有機ポリシランの
ホモポリマー、コポリマー、ターポリマーである。
【0063】
【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 およびR6 は、
水素、アルキル、アリール、アルコキシ、シリルアルキ
ルを示し、n、mおよびpはポリマー化合物中のモノマ
ー単位の割合を示す0を含む整数でかつ次式、n+m+
p≧3を満足させる整数を表す。)これらの有機ポリシ
ランは工業的に生産されており、またジハロゲン化シラ
ンをナトリウム等で脱塩素重縮合したりジシリレン化合
物や環状シラン化合物を重合する方法、あるいはモノシ
ランを遷移金属化合物を用いて脱水素重縮合して製造す
ることができる。
【0064】具体的にはポリフェニルメチルシラン、ポ
リジフェニルシラン、ポリフェニルメチル−コ−ジメチ
ルシラン、ポリフェニルエチルシラン、ポリジヘキシル
シラン、ポリフェニルメチル−コ−ジフェニルシラン、
ポリプロピルメチルシラン、ポリジペンチルシラン、ポ
リジ−t−ブチル−コ−ジメチルシラン、ポリブチルメ
チルシラン、ポリジブチルシラン、ポリペンチルメチル
シラン、ポリジオクチルシラン、ポリドデシルメチルシ
ラン、ポリトリメチルシリルメチルシラン、ポリトリメ
トキシシリルメチルシラン、ポリフェニルシラン、ポリ
シクロヘキシルメチルシラン、ポリシアノエチルメチル
シラン、ポリ2−アセトキシエチルメチルシラン、ポリ
2−カルボメトキシエチルメチルシラン等が挙げられ
る。
【0065】これらのポリシラン化合物とポリオレフィ
ンの混合方法として特に制限はなく単に両者を溶融混合
する方法、あるいはポリシランを含む触媒を用いてポリ
オレフィンを重合し、ポリシランを分散させる方法等が
挙げられる。またこれらのポリシラン化合物を高濃度に
含んだマスターバッチを製造したのち必要に応じて他の
ポリオレフィンで適当な濃度になるように希釈して使う
こともできる。
【0066】これらのポリシラン化合物のポリオレフィ
ンに対する割合としては50重量ppmないし10重量
%が好ましい。より好ましくは100重量ppm以上5
重量%以下である。50重量ppmに満たないと効果が
小さく、10重量%をこえても、格別その効果が増大す
ることはなく、繊維やフィルムに加工するときに延伸切
れやボイドが生成したりして絶縁特性が悪くなる場合が
あるので好ましくない。
【0067】本発明で用いられる無水マレイン酸グラフ
トポリプロピレンは工業的に生産されており、種々のグ
レードのものが入手可能であり、またポリプロピレンに
無水マレイン酸をラジカル発生剤とともに添加して加熱
することにより製造することもできる。
【0068】無水マレイン酸グラフトポリプロピレン中
に含まれる無水マレイン酸のグラフト率は0.1%〜2
5%の物が用いられ、これらの無水マレイン酸グラフト
ポリプロピレンとポリオレフィンの混合方法として特に
制限はなく単に両者を混合溶融する方法、あるいはこれ
らの無水マレイン酸グラフトポリプロピレンを高濃度に
含んだマスターバッチを製造したのち必要に応じて他の
ポリオレフィンで適当な濃度になるように希釈して使う
こともできる。
【0069】これらの無水マレイン酸グラフトポリプロ
ピレンのポリオレフィンに対する割合としては無水マレ
イン酸のグラフト率によっても異なるが無水マレイン酸
グラフトポリプロピレンの割合が50重量ppmないし
10重量%、より好ましくは100重量ppm以上5重
量%以下である。50重量ppmに満たないと効果が小
さく、10重量%をこえても、格別その効果が増大する
ことはなく、繊維やフィルムに加工するときに延伸切れ
やボイドが生成したりして絶縁特性が悪くなる場合があ
るので好ましくない。
【0070】有機ポリエーテル基を有するシラン化合物
は下記の一般式(2)で表される化合物である。
【0071】
【化2】 (ここでR1 は同じかまたはそれぞれ異なる炭化水素残
基、R2 は同じかまたはそれぞれ異なる炭化水素残基を
表す。またnおよびmは( )内の構造単位の割合を示
し、ここでmは0または自然数、nは1以上の自然数で
あり、m+nは1以上1000以下である。またkは0
または自然数、1は1以上の自然数である。)これらの
ポリエーテル基を有するシラン化合物は工業的に生産さ
れており、市場で容易に入手することができる。具体的
には、トリス(2−メトキシエトキシ)ビニルシラン、
トリス(2−メトキシエトキシ)メチルシラン、トリメ
トキシシリル(ポリエーテル)、ポリエーテル変性シリ
コーンオイル等が挙げられる。
【0072】これらのポリエーテル基を有するシラン化
合物とポリオレフィンの混合方法は、特に制限はなく単
に両者を溶融混合する方法、あるいはポリエーテル基を
有するシラン化合物を含む触媒を用いてポリオレフィン
を重合し、ポリエーテル基を有するシラン化合物を分散
させる方法等が挙げられる。またこれらのポリエーテル
基を有するシラン化合物を高濃度に含んだマスターバッ
チを製造したのち必要に応じて他のポリオレフィンで適
当な濃度になるように希釈して使うこともできる。
【0073】これらのポリエーテル基を有するシラン化
合物のポリオレフィンに対する割合としては50重量p
pmないし10重量%が好ましい。より好ましくは10
0重量ppm以上5重量%以下である。50重量ppm
に満たないと効果が小さく、10重量%を越えても、格
別その効果が増大することはなく、繊維やフィルムに加
工するときに延伸切れやボイドが生成したりして絶縁特
性が悪くなる場合があるので好ましくない。
【0074】本発明のもう一つの実施態様は上記の高分
子絶縁材料を、少なくとも1つの方向に延伸してなる電
気絶縁性の高いポリプロピレン成形体である。
【0075】また本発明は上記の高分子絶縁材料を、二
軸延伸してなる電気絶縁性フィルムである。
【0076】本発明の高分子絶縁材料は成形加工されて
使用されるが、特に繊維やフィルムの形状で使用され
る。これらの成形体は未延伸フィルム、一軸延伸フィル
ム、二軸延伸フィルムとして好ましく用いられる。本発
明の実施態様の一つは高分子絶縁材料を少なくとも一つ
の方向に延伸してなる電気絶縁性の高いポリプロピレン
成形体である。フィルムの延伸方法としては公知の方法
で行われ、特に制限はないが、通常の一軸延伸法あるい
はロール延伸法や、二軸延伸方法では長さ方向と幅方向
を同時に延伸するインフレーション法や長さ方向と幅方
向を逐次延伸するテンター方法が挙げられる。
【0077】例えばテンター法ではTダイから熔融押し
出しされた熔融フィルムを冷却ロールで固化させ、熔融
成形フィルムを必要により予熱したあと延伸ゾーンに導
入し、次いで120〜150℃の温度で縦方向に1.5
ないし8倍延伸される。この延伸倍率は1.5〜8倍、
好ましくは2〜7倍であり、1.5倍より低いとフィル
ム強度が大きくならず、8倍を超えるとボイドが生じ易
く、幅方向の強度が低くなり、長さ方向に裂けやすくな
る。次いで更に140〜170℃の温度で6ないし12
倍に幅方向に延伸する。最後にこの二軸延伸されたフィ
ルムは160〜190℃で熱固定することも必要により
行われる。
【0078】本発明の高分子絶縁材料は、それ自体非常
に電気絶縁性の高い材料であるが、それを使用した成形
体の場合、フィルムや繊維など特に延伸処理した成形体
は非常に高い電気絶縁性を示す事が特徴である。特に二
軸延伸して得られるフィルムは機械的な強度も高く、薄
物から厚物まで製造することが可能で、本発明の材料は
特に20μm以下の薄膜、好ましくは10μm以下、よ
り好ましくは1μmないし6μmのフィルム厚の二軸延
伸フィルムとしたときに公知の材料を使用した場合より
も良好な電気特性を示す。
【0079】本発明の成形体を成形するときには、本発
明におけるポリプロピレンに、通常のポリプロピレンに
使用される種々の安定剤や添加剤を添加して用いる事が
できる。
【0080】本発明において絶縁破壊電圧は以下の方法
で測定した。
【0081】JIS−2330に準じ、春日電気(株)
製直流耐圧試験機を用い、レンジを20KVにセット
し、100V/secの電圧上昇でもって、フィルムに
電圧を印加して絶縁破壊電圧を測定し、耐圧特性を求め
た。絶縁破壊電圧は絶縁破壊電圧測定値(V)をフィル
ムの厚み(μm)で除したものである。
【0082】測定に要したフィルムは、ポリプロピレン
のペレットを270℃で押出し、厚さ140μmのシー
ト状フィルムを作成して、さらにこのフィルムをTMロ
ング社製二軸延伸機を用いて、150℃にて、まずMD
方向に5倍、次いでTD方向に7倍延伸して厚さ4μm
の二軸延伸フィルムを作成した。このフィルムを150
mm×150mmの大きさのものを50枚用いて、試験
片の測定箇所を1ヶ所と限定した。
【0083】測定方法は下記の通りであり、上部電極
は、周辺に3mmの丸みを有した25mmφのよく磨い
た黄銅製円柱を(+)電極として、下部電極は約150
mm×150mmで厚み30mmの金属板上にゴムショ
ア60〜70度の弾性板にのせ、これにJIS−H−4
160に規定する厚さ0.007mm以上、幅80mm
のアルミニウム箔を巻き付けて、これを(−)電極とし
た。
【0084】
【実施例】以下に実施例を示しさらに本発明を説明す
る。実施例1 直径12mmの鋼球9kgの入った内容積4リットルの
粉砕用ポットを4個装備した振動ミルを用意した。各ポ
ットに窒素雰囲気中で塩化マグネシウム300g、フタ
ル酸ジイソブチル75ml、四塩化チタン60mlを加
え40時間粉砕した。
【0085】上記共粉砕物10gを200mlのフラス
コに入れトルエン60mlを加え114℃で30分間攪
拌処理し、次いで静置して上澄液を除去した。次いでn
−ヘプタン100mlで20℃で3回、固形分を洗浄し
さらに100mlのn−ヘプタンに分散して固体触媒成
分スラリーとした。得られた固体触媒成分はチタンを
1.9wt%含有し、フタル酸ジイソブチルを14.2
wt%含有していた。
【0086】内容積70リットルの充分に乾燥し窒素で
置換したオートクレーブを準備し、ヘプタン1000m
lに希釈したトリエチルアルミニウム2ml、ジノルマ
ルプロピルジメトキシシラン0.8ml、上記遷移金属
触媒150mgを加えプロピレン20kg、水素17N
lを加え70℃で2時間重合した。重合後未反応のプロ
ピレンをデカンテーションにより分離し、重合生成物を
液化プロピレンで3回洗浄した。次いで生成物に水0.
2gとプロピレンオキサイド10mlを添加して、さら
に90℃で15分間処理し、減圧下で5分間乾燥した。
このプロピレンオキサイドによる処理を3回繰り返し、
生成ポリマーを取り出して秤量したところ13.45k
gのポリプロピレンが得られた。この重合でチタン当り
の取得量は472万g−PP/g−Tiであった。
【0087】またポリプロピレンの135℃テトラリン
溶液で測定した極限粘度(以下、ηと略記)は1.6
5、ソックスレー抽出器で測定した沸騰n−ヘプタン抽
出残率(抽出残ポリマーの重量/抽出前ポリマーの重量
を100分率で表示、以下、IIと略記)は98.1
%、ゲルパーミエーションクロマトグラフで135℃の
1,2,4−トリクロロベンゼンを溶媒として測定した
重量平均分子量と数平均分子量の比(以下、MW/MN
と略記する)は5.5であった。
【0088】得られた上記ポリプロピレン100重量部
に対してイルガノックス−1330(商品名、チバガイ
ギー社)0.2重量部、カルシウムステアレート0.0
02重量部を混合してから250℃でペレット化した。
【0089】このポリプロピレンの灰分を測定するた
め、試料20gを磁製の坩堝に入れ、急激に燃えないよ
うに灰化させ、さらに850℃の電気炉に入れて完全に
灰化させた。これを乾燥したデシケータ中で冷却して灰
分を測定したところ14重量ppmであり、これをさら
に分析してチタンが0.2ppm、カルシウムが1.3
ppmであった。また本実施例で得られたペレット中の
塩素は0.31ppmであった。
【0090】次いでこのペレットを270℃で押出し、
厚さ140μm及び525μmのシート状フィルムを得
た。このフィルムをTMロング社製二軸延伸機を用いて
150℃で、まずMD方向に5倍、次いでTD方向に7
倍延伸して厚さ4μm及び15μmの二軸延伸フィルム
を作成した。厚さ140μmのシート状フィルムを延伸
した時の延伸応力はTD方向に引き始めたときが35k
g/cm2 ,7倍延伸したときが42kg/cm2 であ
った。このフィルムの絶縁破壊電圧はそれぞれ610V
/μm、725V/μm、tanδはともに0.001
であった。
【0091】なお、厚さ4μmの延伸フィルムの100
cm2 を位相差顕微鏡を用いて1μm以上のボイドを観
察して、その核となっている固体不純物の大きさと数を
測定したところ、1μm以上5μm以下の不純物が60
個(1立方センチメートル当たりに換算すると1500
個)含まれており、5μmを越える不純物は含まれなか
った。
【0092】また、厚さ4μmのフィルムの80℃での
絶縁破壊電圧は534V/μmであった。実施例2 無水塩化マグネシウム300g、灯油1.6リットル、
2−エチルヘキシルアルコール1.5リットルを140
℃で3時間加熱して均一溶液とした。この溶液に無水フ
タル酸70gを添加し130℃で1時間攪拌して溶解し
た後、室温まで冷却した。さらに上記室温まで冷却した
溶液を、−20℃に冷却した四塩化チタン8.5リット
ル中にゆっくり滴下し、滴下終了後、110℃まで昇温
し、フタル酸ジイソブチル215mlを加え、さらに2
時間攪拌した。熱時ろ過により固体を分離し、得られた
固体を再度四塩化チタン10リットル中に懸濁させ、再
び110℃で2時間攪拌した。熱時ろ過により固体を分
離し、得られた固体をn−ヘプタンで洗浄液にチタンが
実質上検出されなくなるまで洗浄した。得られた固体触
媒成分はチタン2.3wt%、フタル酸ジイソブチル1
1.6wt%を含有していた。
【0093】実施例1の方法において、触媒としてヘプ
タン1000mlに希釈したトリエチルアルミニウム4
ml、ジノルマルプロピルジメトキシシラン1.6m
l、上記固体触媒成分300mgを使用し重合を行っ
た。重合の結果、9.97kgのポリプロピレンが得ら
れ、この重合でチタン当りの取得量は145万g−PP
/g−Tiであった。
【0094】このポリプロピレンを実施例1と同様に後
処理を行いポリプロピレンパウダーを得た。このポリプ
ロピレンパウダーのηは1.70、IIは98.3%、
MW/MNは5.1、灰分33wt ppm、チタン7
ppm、塩素0.53ppmであった。
【0095】このポリプロピレンパウダーより実施例1
と同様にして厚さ4μm及び15μmの二軸延伸フィル
ムを作成した。このフィルムの絶縁破壊電圧はそれぞれ
600V/μm、710V/μm、tanδはともに
0.001であった。
【0096】なお、厚さ4μmの延伸フィルムの100
cm2 を位相差顕微鏡を用いて1μm以上のボイドを観
察して、その核となっている固体不純物の大きさと数を
測定したところ、1μm以上5μm以下の不純物が12
0個(1立方センチメートル当たりに換算すると300
0個)含まれており、5μmを越える不純物が5個(1
立方センチメートル当たりに換算すると75個)、10
μmを越える不純物は含まれていなかった。
【0097】また、厚さ4μmのフィルムの80℃での
絶縁破壊電圧は520V/μmであった。実施例3 実施例1において重合条件を固体触媒成分を180m
g,トリエチルアルミニウム1.5ml,ジノルマルプ
ロピルジメトキシシラン0.4mlとした以外は実施例
1と同様に重合を行い15.28kgのポリプロピレン
が得られた。この重合でチタン当りのポリプロピレンの
取得量は447万g−PP/g−Tiであった。
【0098】このポリプロピレンを実施例1と同様に後
処理を行いポリプロピレンパウダーを得た。このポリプ
ロピレンパウダーのηは1.75、IIは92.7%、
MW/MNは5.0、灰分9wt ppm、チタン0.
2ppm、塩素0.74ppmであった。
【0099】このポリプロピレンパウダーより実施例1
と同様にして二軸延伸フィルムを作成した。厚さ140
μmのシート状フィルムを延伸した時の延伸応力はTD
方向に引き始めたときが25kg/cm2 ,7倍延伸し
たときが35kg/cm2 であり、延伸性は非常に良か
った。このフィルムの絶縁破壊電圧はそれぞれ640V
/μm、720V/μm、tanδはともに0.001
であった。
【0100】なお、厚さ4μmの延伸フィルムの100
cm2 を位相差顕微鏡を用いて1μm以上のボイドを観
察して、その核となっている固体不純物の大きさと数を
測定したところ、1μm以上5μm以下の不純物が50
個(1立方センチメートル当たりに換算すると1250
個)含まれており、5μmを越える不純物は含まれなか
った。
【0101】また、厚さ4μmのフィルムの80℃での
絶縁破壊電圧は548V/μmであった。比較例1 実施例1においてポリプロピレンの重合が終わってから
水とプロピレンオキサイドを添加しなかった他は実施例
1と同様にして13.2kgのポリプロピレンを得た
(463万g−PP/g−Tiの取得量)。このポリプ
ロピレンのηは1.65、IIは98.0%、MW/M
Nは5.3であった。このポリプロピレンの灰分を測定
したところ16重量ppmであった。さらに塩素の量を
測定したところ3.6重量ppmであった。このポリプ
ロピレンパウダーを用いて実施例1と同様にして作成し
たフィルムの絶縁破壊電圧は厚さ4μmで440V/μ
m、厚さ15μmで635V/μmであった。
【0102】なお、厚さ4μmの延伸フィルムの100
cm2 を位相差顕微鏡を用いて1μm以上のボイドを観
察して、その核となっている固体不純物の大きさと数を
測定したところ、1μm以上5μm以下の不純物が80
個(1立方センチメートル当たりに換算すると2000
個)含まれており、5μm以上10μm以下の不純物が
2個(1立方センチメートル当たりに換算すると50
個)含まれており、10μmを越える不純物は含まれな
かった。
【0103】また、厚さ4μmのフィルムの80℃での
絶縁破壊電圧は395V/μmであった。比較例2 内容積70リットルの充分に乾燥し窒素で置換したオー
トクレーブを準備し、これにヘプタン1000ml、ジ
エチルアルミニウムクロリド32mmol、トリフェニ
ルホスファイト1.4mmol、チタン触媒として実施
例1で使用した上記遷移金属触媒の代わりに三塩化チタ
ン固体触媒(四塩化チタンを有機アルミニウム化合物で
還元し、ジ−イソ−アミルエーテル及び四塩化チタンで
活性化したもの)1.42gを装入し、次いで液化プロ
ピレン15kg及び水素ガスを装入後オートクレーブを
昇温した、オートクレーブ内温を60℃で4.5時間攪
拌下に重合を続けた。4.5時間後にプロピレン及び水
素ガスをパージした。続いてメタノール8.5リット
ル、n−ヘプタン14リットル及びアセト酢酸メチル2
00mmolを装入後、110℃で2時間触媒成分の可
溶化処理を行った。分液後10リットルの水で55℃で
洗浄する操作を4回繰り返し、生成ポリプロピレンをろ
過し、乾燥して10.05kgのポリプロピレンが得ら
れた。この重合反応でのチタン金属当たりのポリプロピ
レンの取得量は21200g/g−Tiであった。
【0104】このポリプロピレンのηは1.83、IIは
99.3%、MW/MNは8.3であった。このポリプ
ロピレンの灰分を測定したところ5重量ppm、チタン
1.5ppmであった。さらに塩素の量を測定したとこ
ろ3重量ppmであった。このポリプロピレンパウダー
を用いて実施例1と同様にして作成したフィルムの絶縁
破壊電圧は厚さ4μmで405V/μm、厚さ15μm
で635V/μmであった。厚さ140μmのシート状
フィルムを延伸した時の延伸応力はTD方向に引き始め
たときが37kg/cm2 ,7倍延伸したときが47k
g/cm2 であり、延伸性が悪かった。
【0105】なお、厚さ4μmの延伸フィルムの10c
2 を位相差顕微鏡を用いて1μm以上のボイドを観察
して、その核となっている固体不純物の大きさと数を測
定したところ、1μm以上5μm以下の不純物が25個
(1立方センチメートル当たりに換算すると6250
個)含まれており、5μm以上10μm以下の不純物が
7個(1立方センチメートル当たりに換算すると175
0個)含まれており、10μmを越える不純物も2個
(1立方センチメートル当たりに換算すると500個)
含まれていた。
【0106】また、厚さ4μmのフィルムの80℃での
絶縁破壊電圧は320V/μmであった。比較例3 内容積20リットルの充分に乾燥し窒素で置換したオー
トクレーブを準備し、これにヘプタン10リットル、ジ
エチルアルミニウムクロリド30mmol、チタン触媒
として実施例1で使用した上記遷移金属触媒の代わりに
三塩化チタン固体触媒(四塩化チタンを金属アルミニウ
ムで還元し、活性化したもの)2.5gを装入し、更に
水素ガスを装入後、昇温し、70℃で5kg/cm2
Gを保つようにプロピレンガスを装入し重合を行った。
6時間後プロピレンガスの装入を停止した。得られたポ
リプロピレンスラリーを内容積70リットルのオートリ
レーブに移しメタノール4.4リットル、アセト酢酸メ
チル150mmolを装入後、110℃で2時間触媒成
分の可溶化処理を行った。分液後5リットルの水で55
℃で洗浄する操作を4回繰り返し、生成ポリプロピレン
をろ過し、乾燥して4.2kgのポリプロピレンパンダ
ーが得られた。この重合反応でのチタン金属当たりのポ
リプロピレンの取得量は5040g/g−Tiであっ
た。
【0107】このポリプロピレンのηは1.83、II
は97.4%、MW/MNは6.5であった。このポリ
プロピレンの灰分を測定したところ16重量ppm、チ
タン3.5ppmであった。さらに塩素の量を測定した
ところ4重量ppmであった。このポリプロピレンパウ
ダーを用いて実施例1と同様にして作成したフィルムの
絶縁破壊電圧は厚さ4μmで390V/μm、厚さ15
μmで570V/μmであった。
【0108】なお、厚さ4μmの延伸フィルムの10c
2 を位相差顕微鏡を用いて1μm以上のボイドを観察
して、その核となっている固体不純物の大きさと数を測
定したところ、1μm以上5μm以下の不純物が100
個以上(1立方センチメートル当たりに換算すると25
000個以上)含まれており、5μm以上10μm以下
の不純物が42個(1立方センチメートル当たりに換算
すると10500個)含まれており、10μmを越える
不純物も11個(1立方センチメートル当たりに換算す
ると2700個)含まれていた。
【0109】また、厚さ4μmのフィルムの80℃での
絶縁破壊電圧は310V/μmであった。 実施例4 実施例1のポリプロピレンパウダーを用いてポリプロピ
レンパウダー100重量部に対して、2,6−ジ−t−
ブチル−p−クレゾール0.1重量部、カルシウムステ
アレート0.005重量部、及びイルガノックス−13
30(商品名、チバガイギー社)0.2重量部を添加混
合してから、さらにポリフェニルメチル−コ−ジメチル
シラン(日曹合成社製、PPS−100:ポリフェニル
メチルシランジクロライドとジメチルシランジクロライ
ドとのモノマー比1/1の共重合体)を3重量部添加し
て、250℃で押出しペレット化した。次いでこのペレ
ットを270℃で押出し、厚さ140μmのシート状フ
ィルムを得た。このフィルムをTMロング二軸延伸機を
用いて150℃で、まずMD方向に5倍、次いでTD方
向に7倍延伸して厚さ4μmの二軸延伸フィルムを作成
した。このようにして得られたフィルムの23℃と80
℃における絶縁破壊電圧(以下BDVと略記)を測定し
たところ、それぞれBDVは641V/μm、585V
/μmであった。すなわち常温でのBDVが非常に高
く、しかも高温でのBDVの低下する割合も小さかっ
た。 実施例5 ポリフェニルメチル−コ−ジメチルシランの添加量をポ
リプロピレンに対して0.1重量部に変えた他は実施例
4と同様にした結果、得られたフィルムの23℃と80
℃におけるBDVはそれぞれ641V/μm、582V
/μmであった。 実施例6 ポリフェニルメチル−コ−ジメチルシランに代えてジヘ
キシルシランジクロライドと金属ナトリウムをトルエン
中でトルエンの沸点で反応して得たポリジヘキルシラン
1重量部用いた他は実施例4と同様にした結果、得られ
たフィルムの23℃と80℃におけるBDVはそれぞれ
638V/μm、583V/μmであった。 実施例7 ポリフェニルメチル−コ−ジメチルシランに代えてメチ
ルブチルシランジクロライドと金属ナトリウムをトルエ
ン中でトルエンの沸点で反応して得たポリメチルブチル
シラン1重量部用いた他は実施例4と同様にした結果、
得られたフィルムの23℃と80℃におけるBDVはそ
れぞれ625V/μm、581V/μmであった。 実施例8 実施例1のポリプロピレンパウダー100重量部に対し
て、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.1重
量部、カルシウムステアレート0.005重量部、及び
イルガノックス−1330(商品名、チバガイギー社)
0.2重量部を添加混合してから、さらに無水マレイン
酸グラフトポリプロピレン(無水マレイン酸グラフト率
5%)を3重量部添加して、250℃で押出しペレット
化した。
【0110】次いでこのペレットを270℃で押出し、
厚さ140μmのシート状フィルムを得た。このフィル
ムをTMロング二軸延伸機を用いて150℃で、まずM
D方向に5倍、次いでTD方向に7倍延伸して厚さ4μ
mの二軸延伸フィルムを作成した。このようにして得ら
れたフィルムの23℃と80℃におけるBDVはそれぞ
れ636V/μm、589V/μmであった。すなわち
常温でのBDVが非常に高く、しかも高温でのBDVが
ほとんど低下しない。 実施例9 無水マレイン酸グラフトポリプロピレン(無水マレイン
酸グラフト率8%)を用いて添加量をポリプロピレンに
対して50ppm重量部に変えた他は実施例8と同様に
して得られたフィルムの23℃と80℃におけるBDV
を測定したところ、それぞれ635V/μm、584V
/μmであった。 実施例10 ポリフェニルメチル−コ−ジメチルシランに代えてトリ
メトキシシリル(ポリエーテル)の添加量をポリプロピ
レンに対して0.1重量部とした他は実施例4と同様に
した結果、得られた厚さ4μmフィルムの23℃と80
℃におけるBDVはそれぞれ615V/μm、583V
/μmであった。 実施例11 ポリフェニルメチル−コ−ジメチルシランに代えトリス
(2−メトキシエトキシ)メチルシラン(信越化学社
製、LS−3660)を1重量部用いた他は実施例4と
同様にした結果、得られたフィルムの23℃と80℃に
おけるBDVはそれぞれ624V/μm、583V/μ
mであった。 実施例12 ポリフェニルメチル−コ−ジメチルシランに代えポリエ
ーテル変性シリコーンオイル(東芝シリコン社製、TS
F−160)を1重量部用いた他は実施例4と同様にし
た結果、得られたフィルムの23℃と80℃におけるB
DVはそれぞれ616V/μm、578V/μmであっ
た。 実施例13 ポリフェニルメチル−コ−ジメチルシランに代え水酸化
アルミニウム(石津製薬社製、S−100の粒径10μ
m以上を分級して除いた平均粒径が1μm以下)をポリ
マー中の含量が30重量ppmになる量添加した他は実
施例4と同様にした結果、得られたフィルムの23℃に
おけるBDVは635V/μmであった。 実施例14 ポリフェニルメチル−コ−ジメチルシランに代え水酸化
マグネシウム(協和化学社製、キスマ5Aの粒径10μ
m以上を分級して除いた平均粒径が1μm以下)をポリ
マー中の含量が30重量ppmになる量添加した他は実
施例4と同様にした結果、得られたフィルムの23℃に
おけるBDVは640V/μmであった。 実施例15 ポリフェニルメチル−コ−ジメチルシランに代え酸化鉄
(昭和電工社製、ナノタイト、平均粒径0.02μmの
酸化第2鉄)をポリマー中の含量が30重量ppmにな
る量添加した他は実施例4と同様にした結果、得られた
フィルムの23℃におけるBDVは655V/μmであ
った。 実施例16 直径12mmの鋼球9kgの入った内容積4リットルの
粉砕用ポットを4個装備した振動ミルを用意した。各ポ
ットに窒素雰囲気中で塩化マグネシウム300g、フタ
ル酸ジイソブチル75ml、四塩化チタン20mlを加
え40時間粉砕した。得られた共粉砕物10gを200
mlのフラスコに入れトルエン60mlを加え、114
℃で30分間攪拌処理し、次いで静置して上澄液を除去
した。次いでn−ヘプタン100mlで20℃で3回、
固形分を洗浄し、さらに100mlのn−ヘプタンに分
散して固体触媒成分スラリーとした。得られた固体触媒
成分はチタンを0.1wt%含有し、フタル酸ジイソブ
チルを14.2wt%含有していた。
【0111】内容積3リットルの充分に乾燥し窒素で置
換したオートクレーブを準備し、ヘプタン1000ml
を入れ、さらにヘプタン100mlに希釈したトリエチ
ルアルミニウム5g、シクロヘキシルメチルジメトキシ
シラン2.5ml、上記固体触媒成分750mgを加え
プロピレンを加圧して5kg/cm2 −Gとして、70
℃で2時間重合した。重合後反応生成物を濾過して集
め、80℃で減圧乾燥した。得られたパウダーを、プロ
ピレンオキサイド1gあたり水を0.02gの割合で含
む混合物と90℃で15分間接触処理した。減圧下で5
分間の乾燥処理を3回繰り返して、生成ポリマーを取り
出して秤量したところ599gのポリプロピレンパウダ
ー(B)が得られた。
【0112】このポリプロピレン(B)のηは0.8
3、灰分は1.13重量%であった。このうち、酸化マ
グネシウムと水酸化マグネシウムの混合物が230pp
m含まれていた。さらに塩素の量を放射化分析法で測定
して求めたところ5.5重量ppmであった。
【0113】実施例1と同様にして得たポリプロピレン
パウダー(A)100重量部に対して、酸化マグネシウ
ムと水酸化マグネシウムの混合物を含んだポリプロピレ
ンパウダー(B)をマグネシウムの量が全体の30重量
ppmになるように加え、さらに2,6−ジ−t−ブチ
ル−p−クレゾール0.1重量部、カルシウムステアレ
ート0.01重量部およびイルガノックス−1330を
0.2重量部添加混合してから、250℃で押出しペレ
ット化した。このペレットの塩素の量を放射化分析法で
測定して求めたところ0.95重量ppmであった。次
いでこのペレットから実施例1と同様にして作成したフ
ィルムの絶縁破壊電圧は640V/μm、tanδは
0.001であった。
【0114】
【発明の効果】本発明の高分子絶縁材料は絶縁特性、特
に絶縁破壊電圧の高い、また少なくとも1つの方向に延
伸させて得た成形体は絶縁破壊電圧が高いことは勿論の
こと、電気特性と物性バランスに優れたポリプロピレン
を提供するものであり、工業的に極めて価値がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平4−337309 (32)優先日 平4(1992)12月17日 (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 石井 行雄 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井東圧 化学株式会社内 (72)発明者 井上 武夫 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井東圧 化学株式会社内 (72)発明者 岩谷 勉 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井東圧 化学株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレンの重合においてポリプロ
    ピレンの取得量が、触媒中のチタンに対して300,0
    00g/g−Ti以上であり、成形体に使用するポリプ
    ロピレンの空気中で完全に燃焼させて得られる灰分が4
    0重量ppm以下、その灰分組成のうち、チタニウムが
    1重量ppm以下であり、該ポリプロピレン中に含まれ
    る塩素分が2重量ppm以下、沸騰n−ヘプタン可溶分
    が1重量%以上10重量%以下である絶縁破壊電圧の高
    い高分子絶縁材料。
  2. 【請求項2】 1立方センチメートル当りに含まれる1
    μm以上10μm以下の不純物の個数が6000個以下
    で5μm以上10μm以下の不純物の個数が1000個
    以下であって10μmを越える不純物を含まない高純度
    ポリプロピレンからなる請求項1記載の高分子絶縁材
    料。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の高分子絶
    縁材料に、無機酸化物、無機水酸化物、有機ポリシラ
    ン、無水マレイン酸グラフトポリプロピレンおよび有機
    ポリエーテル基を有するシラン化合物よりなる群の少な
    くとも1つの添加剤を添加してなる絶縁破壊電圧の高い
    高分子絶縁材料。
  4. 【請求項4】 添加剤が無機酸化物または水酸化物であ
    って、その添加量が1重量ppm以上10重量%以下で
    ある請求項3記載の絶縁破壊電圧の高い高分子絶縁材
    料。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の無機酸化物または水酸化
    物が10μm以上の粒径を含まない平均粒径1μm以下
    のマグネシウム、アルミニウム、鉄の酸化物あるいは水
    酸化物である絶縁破壊電圧の高い高分子絶縁材料。
  6. 【請求項6】 添加剤が有機ポリシランであり、その添
    加量が50重量ppm以上10重量%以下である請求項
    3記載の絶縁破壊電圧の高い高分子絶縁材料。
  7. 【請求項7】 添加剤が無水マレイン酸グラフトポリプ
    ロピレンであり、その添加量が50重量ppm以上10
    重量%以下である請求項3記載の絶縁破壊電圧の高い高
    分子絶縁材料。
  8. 【請求項8】 添加剤が有機ポリエーテル基を有するシ
    ラン化合物であり、その添加量が50重量ppm以上1
    0重量%以下である請求項3記載の絶縁破壊電圧の高い
    高分子絶縁材料。
  9. 【請求項9】 ポリプロピレンがチタン、マグネシウ
    ム、ハロゲンおよび電子供与性化合物(内部添加電子供
    与性化合物)を含む固体状チタン触媒成分と周期律表の
    第1族、2族、3族から選ばれた金属を含む有機金属化
    合物及び電子供与性化合物(外部添加電子供与性化合
    物)よりなる重合触媒の存在下にプロピレンを重合して
    得られることを特徴とする請求項1記載の高分子絶縁材
    料。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の重合方法で得られた
    ポリプロピレンを脱ハロゲン処理してえられたポリプロ
    ピレンを用いることを特徴とする請求項1記載の高分子
    絶縁材料。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載の重合方法で得られた
    ポリプロピレンを不活性炭化水素で洗浄したのち脱ハロ
    ゲン処理してえられたポリプロピレンを用いることを特
    徴とする請求項1記載の高分子絶縁材料。
  12. 【請求項12】 請求項1または請求項2記載の高分子
    絶縁材料を、少なくとも1つの方向に延伸してなる電気
    絶縁性の高いポリプロピレン成形体。
  13. 【請求項13】 請求項3から8までのいずれか1項記
    載の高分子絶縁材料を、少なくとも1つの方向に延伸し
    てなる電気絶縁性の高いポリプロピレン成形体。
  14. 【請求項14】 請求項1から8までのいずれか1項記
    載の高分子絶縁材料を、二軸延伸してなる電気絶縁性フ
    ィルム。
  15. 【請求項15】 請求項1〜8までの項に記載の高分子
    絶縁材料を二軸延伸して得られる厚さ1〜6μmの電気
    絶縁性フィルム。
JP14074293A 1992-06-15 1993-06-11 高分子絶縁材料およびそれを用いた成形体 Expired - Lifetime JP3369253B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14074293A JP3369253B2 (ja) 1992-06-15 1993-06-11 高分子絶縁材料およびそれを用いた成形体

Applications Claiming Priority (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4-154850 1992-06-15
JP15485092 1992-06-15
JP4-334393 1992-12-15
JP33439392 1992-12-15
JP4-335974 1992-12-16
JP33597492 1992-12-16
JP33730992 1992-12-17
JP4-337309 1992-12-17
JP14074293A JP3369253B2 (ja) 1992-06-15 1993-06-11 高分子絶縁材料およびそれを用いた成形体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06236709A true JPH06236709A (ja) 1994-08-23
JP3369253B2 JP3369253B2 (ja) 2003-01-20

Family

ID=27527600

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14074293A Expired - Lifetime JP3369253B2 (ja) 1992-06-15 1993-06-11 高分子絶縁材料およびそれを用いた成形体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3369253B2 (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08311268A (ja) * 1995-05-19 1996-11-26 Mitsui Toatsu Chem Inc コンデンサー絶縁フィルム用ポリプロピレン樹脂およびその評価方法
JP2005171169A (ja) * 2003-12-15 2005-06-30 Mitsui Chemicals Inc ポリプロピレン樹脂組成物
WO2006057066A1 (ja) * 2004-11-25 2006-06-01 Prime Polymer Co., Ltd. ポリプロピレン及び該ポリプロピレンの電気材料への応用
JP2006143975A (ja) * 2004-11-25 2006-06-08 Prime Polymer:Kk ポリプロピレン及び該ポリプロピレンの電気材料への応用
JP2006225494A (ja) * 2005-02-17 2006-08-31 Prime Polymer:Kk ポリプロピレン系樹脂、および該樹脂からなる延伸フィルム
JP2009500479A (ja) * 2005-07-08 2009-01-08 ボレアリス テクノロジー オイ プロピレンポリマー組成物
WO2010087328A1 (ja) 2009-01-27 2010-08-05 三井化学株式会社 コンデンサー用プロピレン単独重合体
WO2010107052A1 (ja) 2009-03-17 2010-09-23 株式会社プライムポリマー フィルムコンデンサ用ポリプロピレン、フィルムコンデンサ用ポリプロピレンシート、それらの製造方法、およびその用途
JP2011026620A (ja) * 2010-11-08 2011-02-10 Prime Polymer Co Ltd ポリプロピレン及び該ポリプロピレンの電気材料への応用
JP2011077531A (ja) * 2010-11-08 2011-04-14 Prime Polymer Co Ltd ポリプロピレン及び該ポリプロピレンの電気材料への応用
JP2014531480A (ja) * 2011-08-30 2014-11-27 ボレアリス・アクチェンゲゼルシャフトBorealis Ag キャパシタフィルムの製造方法
JP2019524980A (ja) * 2016-08-30 2019-09-05 ダブリュー・アール・グレース・アンド・カンパニー−コーンW R Grace & Co−Conn 低灰含量を有するポリオレフィン及び同ポリオレフィンを作製する方法

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08311268A (ja) * 1995-05-19 1996-11-26 Mitsui Toatsu Chem Inc コンデンサー絶縁フィルム用ポリプロピレン樹脂およびその評価方法
JP2005171169A (ja) * 2003-12-15 2005-06-30 Mitsui Chemicals Inc ポリプロピレン樹脂組成物
WO2006057066A1 (ja) * 2004-11-25 2006-06-01 Prime Polymer Co., Ltd. ポリプロピレン及び該ポリプロピレンの電気材料への応用
JP2006143975A (ja) * 2004-11-25 2006-06-08 Prime Polymer:Kk ポリプロピレン及び該ポリプロピレンの電気材料への応用
US7691958B2 (en) 2004-11-25 2010-04-06 Prime Polymer Co., Ltd. Polypropylene and application of said polypropylene to electric material
JP2006225494A (ja) * 2005-02-17 2006-08-31 Prime Polymer:Kk ポリプロピレン系樹脂、および該樹脂からなる延伸フィルム
JP2009500479A (ja) * 2005-07-08 2009-01-08 ボレアリス テクノロジー オイ プロピレンポリマー組成物
US8288495B2 (en) 2009-01-27 2012-10-16 Mitsui Chemicals, Inc. Propylene homopolymer for capacitors
WO2010087328A1 (ja) 2009-01-27 2010-08-05 三井化学株式会社 コンデンサー用プロピレン単独重合体
WO2010107052A1 (ja) 2009-03-17 2010-09-23 株式会社プライムポリマー フィルムコンデンサ用ポリプロピレン、フィルムコンデンサ用ポリプロピレンシート、それらの製造方法、およびその用途
KR20110128937A (ko) 2009-03-17 2011-11-30 가부시키가이샤 프라임 폴리머 필름 콘덴서용 폴리프로필렌, 필름 콘덴서용 폴리프로필렌 시트, 그들의 제조방법, 및 그의 용도
US9449761B2 (en) 2009-03-17 2016-09-20 Prime Polymer Co., Ltd. Polypropylene for film capacitor, polypropylene sheet for film capacitor, method for producing the same, and uses of the same
JP2011026620A (ja) * 2010-11-08 2011-02-10 Prime Polymer Co Ltd ポリプロピレン及び該ポリプロピレンの電気材料への応用
JP2011077531A (ja) * 2010-11-08 2011-04-14 Prime Polymer Co Ltd ポリプロピレン及び該ポリプロピレンの電気材料への応用
JP2014531480A (ja) * 2011-08-30 2014-11-27 ボレアリス・アクチェンゲゼルシャフトBorealis Ag キャパシタフィルムの製造方法
US10253115B2 (en) 2011-08-30 2019-04-09 Borealis Ag Process for the manufacture of a capacitor film
JP2019524980A (ja) * 2016-08-30 2019-09-05 ダブリュー・アール・グレース・アンド・カンパニー−コーンW R Grace & Co−Conn 低灰含量を有するポリオレフィン及び同ポリオレフィンを作製する方法
US11591458B2 (en) 2016-08-30 2023-02-28 W.R. Grace & Co.-Conn. Polyolefins with low ash content and method of making same
US11993700B2 (en) 2016-08-30 2024-05-28 W.R. Grace & Co.—Conn. Catalyst system for the production of polyolefins and method of making and using same

Also Published As

Publication number Publication date
JP3369253B2 (ja) 2003-01-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100252418B1 (ko) 고분자절연재료및그것을사용한성형체
JP3369253B2 (ja) 高分子絶縁材料およびそれを用いた成形体
KR101653083B1 (ko) Bopp-필름
WO2010107052A1 (ja) フィルムコンデンサ用ポリプロピレン、フィルムコンデンサ用ポリプロピレンシート、それらの製造方法、およびその用途
JP5036964B2 (ja) プロピレン系重合体及びその用途
TW420692B (en) Propylene block copolymer, process for preparation thereof and propylene resin composition comprising same
JPH0693061A (ja) ポリプロピレンブロック共重合体及びそのフィルム
JP2010219329A (ja) フィルムコンデンサ用ポリプロピレンフィルムの製造方法
WO2016017753A1 (ja) コンデンサフィルム用プロピレン単独重合体組成物およびその製造方法、並びにコンデンサフィルム
JP2008133351A (ja) コンデンサーフィルム用プロピレン系重合体
WO2016017752A1 (ja) コンデンサフィルム用プロピレン単独重合体組成物およびその製造方法、並びにコンデンサフィルム
JP2010219328A (ja) フィルムコンデンサ用ポリプロピレンフィルムおよびフィルムコンデンサ
JPH034371B2 (ja)
KR20180076413A (ko) 전력 케이블용 폴리프로필렌 수지 및 이를 절연층에 포함하는 전력 케이블
KR20220068666A (ko) 친환경 전력 케이블의 절연층용 수지 조성물
JPH09104729A (ja) プロピレンブロック共重合体およびその製造方法ならびにそれを用いたプロピレン樹脂組成物
JP3100427B2 (ja) 耐熱性絶縁フイルム
JPH09316146A (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法
Sun et al. Synthesis and flame retardant behavior of siloxane functionalized polyethylene
JP2002030196A (ja) ポリオレフィン樹脂組成物
JP3184599B2 (ja) 耐熱性絶縁フイルム
JPH0417962B2 (ja)
JP3171612B2 (ja) 高温電気特性に優れたポリプロピレン二軸延伸フィルム
JP3142937B2 (ja) 耐熱性絶縁フイルム
JP3171644B2 (ja) 耐熱性絶縁フイルム

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term