JP2010219328A - フィルムコンデンサ用ポリプロピレンフィルムおよびフィルムコンデンサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記要件(1)〜(4)を満たすプロピレン単独重合体を用いて形成された延伸フィルムに、吸収線量0.1〜500kGyで電子線を照射して得られることを特徴とするフィルムコンデンサ用ポリプロピレンフィルムおよび該フィルムを含むフィルムコンデンサ。(1)ASTM D1238に準拠して、230℃、2.16kg荷重にて測定したメルトフローレート(MFR)が、1〜10g/10分の範囲にある。(2)13C−NMRを用いて測定したペンタッドアイソタクティック分率(mmmm分率)が、94%以上である。(3)空気中で完全に燃焼させて得られる灰分量が、30ppm以下である。(4)イオンクロマトグラフ法により測定した塩素量が、10ppm以下である。
【選択図】なし
Description
〔1〕下記要件(1)〜(4)を満たすプロピレン単独重合体を用いて形成された延伸フィルムに、吸収線量0.1〜500kGyで電子線を照射して得られることを特徴とするフィルムコンデンサ用ポリプロピレンフィルム;
(1)ASTM D1238に準拠して、230℃、2.16kg荷重にて測定したメルトフローレート(MFR)が、1〜10g/10分の範囲にある。
(2)13C−NMRを用いて測定したペンタッドアイソタクティック分率(mmmm分率)が、94%以上である。
(3)空気中で完全に燃焼させて得られる灰分量が、30ppm以下である。
(4)イオンクロマトグラフ法により測定した塩素量が、10ppm以下である。
〔3〕前記延伸フィルムは、前記プロピレン単独重合体100重量%に対して架橋剤0.01〜10重量%を添加して形成された延伸フィルムであることが好ましい。
〔5〕前記延伸フィルムは、二軸延伸フィルムであることが好ましい。
〔7〕前記フィルムコンデンサ用ポリプロピレンフィルムを含むことを特徴とするフィルムコンデンサ。
本発明に係るフィルムコンデンサ用ポリプロピレンフィルムは、後述する要件(1)〜(4)を満たすプロピレン単独重合体を用いて形成された延伸フィルムに、吸収線量0.1〜500kGyで電子線を照射して得られることを特徴とする。ポリプロピレンフィルムの絶縁破壊電圧および熱収縮率がより一層向上することから、前記延伸フィルムは、前記プロピレン単独重合体に架橋剤を添加して形成された延伸フィルムであることが好ましい。
前記延伸フィルムは、後述する要件(1)〜(4)を満たすプロピレン単独重合体、好ましくは該プロピレン単独重合体に架橋剤を添加して形成された延伸フィルムである。より詳しくは、前記延伸フィルムは、前記プロピレン単独重合体、好ましくは前記プロピレン単独重合体と架橋剤とを含有する樹脂組成物からなる原反シートを延伸(たとえば、一軸延伸、二軸延伸)、好ましくは二軸延伸して形成される。すなわち、前記延伸フィルムは二軸延伸フィルムであることが好ましい。
本発明に係るポリプロピレンフィルムは、前記延伸フィルムに、吸収線量0.1〜500kGy、好ましくは1〜300kGy、より好ましくは1〜100kGyで電子線を照射して得られる。なお、電子線の吸収線量(kGy)は、電子線照射装置の加速電圧と電流と照射時間との積で算出された値である。また、電子線の吸収線量は合計量であり、電子線を1回のみ照射してもよく、吸収線量の合計量が前記範囲に収まるのであれば複数回に分けて照射してもよい。
本発明に係るポリプロピレンフィルムは、従来公知のポリプロピレンフィルムに比べて、高い絶縁破壊電圧を有し、かつ熱収縮率が低い。このため、小型で大容量のキャパシタフィルムとして好適に用いることができ、たとえば、ハイブリッド自動車の高出力化、小型化および軽量化に大きく貢献できる。
以下、本発明で原料として用いられるプロピレン単独重合体、好ましく用いられる架橋剤、およびその他の添加剤について説明する。延伸フィルムを形成する際には、前記プロピレン単独重合体をそのまま用いてもよく、前記プロピレン単独重合体と架橋剤やその他の添加剤とを含有する樹脂組成物として用いてもよい。
本発明で用いられるプロピレン単独重合体は、下記要件(1)〜(4)を満たす。成形性が良好となり、耐電圧が向上することから、下記要件(5)および/または(6)をさらに満たすことが好ましい。
前記要件(1)〜(4)(好ましくはさらに前記要件(5)および/または(6))を満たすプロピレン単独重合体は、従来公知のプロピレン重合用触媒を用いたプロピレンの重合方法により製造し得るが、なかでも担持型チタン触媒を用いた製造方法が好ましい。
本発明において、架橋剤を好ましく用いることができる。架橋剤を前記プロピレン単独重合体に添加することで、より高い絶縁破壊電圧を有するポリプロピレンフィルムが得られる。これは、電子線照射による前記プロピレン単独重合体の分子切断が、架橋剤で架橋されることにより低減されるため、絶縁破壊電圧の効果がより発現されるところまで電子線の吸収線量を増やすことができるためと推定される。
トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレートなどのトリアクリレート化合物;
ジトリメチロールテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートなどのテトラアクリレート化合物;
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどのヘキサアクリレート化合物;
エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリブチレングリコールジメタクリレート、2,2'−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパンなどのジメタクリレート化合物;
トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレートなどのトリメタクリレート化合物;
グリセリン−α−アリルエーテル、トリアリルイソシアヌレート、トリメタリルイソシアヌレート、メチレンビスアクリルアミド、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。
本発明において、本発明の目的を損なわない範囲で、前記プロピレン単独重合体に、酸化防止剤(イルガノックス1010、BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)、イルガフォス168など)、塩酸吸収剤(ステアリン酸カルシウムなど)、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、核剤、滑剤、顔料、染料、可塑剤、老化防止剤などの添加剤を添加してもよい。
本発明に係るフィルムコンデンサは、前記フィルムコンデンサ用ポリプロピレンフィルムを含むことを特徴とする。すなわち、本発明において、前記フィルムコンデンサ用ポリプロピレンフィルムを、公知のフィルムコンデンサに用いることができる。本発明に係るフィルムコンデンサ用ポリプロピレンフィルムは、薄膜においても小さい熱収縮率および高い絶縁破壊電圧を示すことから、小型で大容量のキャパシタフィルムを得ることができる。
試料(プロピレン単独重合体)のMFRは、ASTM D1238に準拠して、230℃、2.16kg荷重にて測定した。
試料(プロピレン単独重合体)のペンタッドアイソタクティック分率(mmmm分率)は、A.ZambelliらのMacromolecules,8,687(1975)に示された帰属に基づき、下記条件で13C−NMRを用いて測定し、ペンタッドアイソタクティック分率=(21.7ppmでのピーク面積)/(19〜23ppmでのピーク面積)とした。
種類:JNM−Lambada400(日本電子(株)社製)
分解能:400MHz
測定温度:125℃
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン/重水素化ベンゼン=7/4(体積比)
パルス幅:7.8μsec
パルス間隔:5sec
積算回数:2000回
シフト基準:TMS=0ppm
モード:シングルパルスブロードバンドデカップリング
100gの試料(プロピレン単独重合体)を磁性ルツボに入れ、電熱器上で加熱し試料を燃焼させ、750℃の電気炉に30分入れ、完全灰化させた。ルツボをデシケーター中で1時間冷却した後に精密天秤で灰分の重量を0.1mg単位まで測定し、試料に対する灰分量(ppm)を算出した。
試料燃焼装置(三菱化学(株)社製QF−02)に試料(プロピレン単独重合体)約0.7gをセットし、完全燃焼する条件でゆっくりと燃焼させ、出てきた燃焼ガスを吸収液(超純水)に通し塩素を捕集した。吸収液を濃縮装置付きのイオンクロマトグラフ(日本ダイオネクス(株)社製DX−300)に導入し、得られたクロマトグラムの面積より塩素量を算出した。なお、検出限界は、1ppmである。
試料(プロピレン単独重合体)0.40g程度を0.2mm厚フィルムの成形金型に入れ、240℃で7分加熱後、冷却プレスしフィルムを作成した。得られたフィルムから5.0mg±0.5mgを切り取り、専用アルミパンでクリンプし測定サンプルとした。サンプルを、パーキンエルマー社製DSC7を用い窒素気流下で、30℃で0.5分間保持したのち、30℃から240℃までを30℃/minで昇温し、240℃で10分間保持したのち、240℃から30℃までを10℃/minで降温し、30℃でさらに2分間保持したのち、次いで10℃/minで昇温する際の吸熱曲線から融点(Tm)を求めた。
プロピレン単独重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、Waters社製ゲル浸透クロマトグラフAlliance GPC−2000型を用い、以下のようにして測定した。分離カラムは、TSKgel GNH6−HTを2本およびTSKgel GNH6−HTLを2本であり、カラムサイズはいずれも直径7.5mm、長さ300mmであり、カラム温度は140℃とし、移動相にはo−ジクロロベンゼンおよび酸化防止剤としてBHT0.025重量%を用い、1.0ml/分で移動させ、試料(プロピレン単独重合体)濃度は15mg/10mLとし、試料注入量は500μLとし、検出器として示差屈折計を用いた。標準ポリスチレンは、分子量がMw<1000およびMw>4×106については東ソー社製を用い、1000≦Mw≦4×106についてはプレッシャーケミカル社製を用いた。
実施例および比較例で得られたフィルムをMD方向に10mm幅で100mmの長さにカットした。カットしたものを120℃の熱風オーブンに入れて15分間加熱した。元の長さに対する収縮した長さの割合で熱収縮率(%)を求めた。
JIS C2330に準じ、春日電気(株)社製6点式直流交流切替式15KV耐圧試験機を用い、80℃の温度の基で、100〜500V/secの電圧上昇をもって、実施例および比較例で得られたフィルム(250mm×300mmにカットしたもの、厚み15μm)に電圧を印加して絶縁破壊電圧を測定し、耐圧特性を求めた。上部電極は質量500g、25mmφの黄銅製円柱を(+)電極として、下部電極はシリコンゴムに、JIS H4160に規定するアルミニウム箔を巻き付けて、これを(−)電極とした。また、測定は、フィルム1枚に対して6点を、フィルム3枚に対して行い、平均値をBDV値とした。なお、絶縁破壊電圧は、破壊耐電圧の測定値(V)をフィルムの厚み(μm)で除したものである。
(1)固体状チタン触媒成分の調製
無水塩化マグネシウム952g、デカン4420mLおよび2−エチルヘキシルアルコール3906gを、130℃で2時間加熱して均一溶液とした。この溶液中に無水フタル酸213gを添加し、130℃でさらに1時間撹拌混合を行って無水フタル酸を溶解させた。得られた均一溶液を23℃まで冷却した後、この均一溶液750mLを−20℃に保持された四塩化チタン2000mL中に1時間かけて滴下した。滴下後、得られた混合液の温度を4時間かけて110℃に昇温し、110℃に達したところでフタル酸ジイソブチル(DIBP)52.2gを加え、同温度で2時間加熱した。次いで、熱時濾過にて固体部を採取し、この固体部を2750mLの四塩化チタンに再懸濁させた後、再び110℃のデカンおよびヘキサンを用いて、洗浄液中にチタン化合物が検出されなくなるまで洗浄した。このようにして調整された固体状チタン触媒成分は、ヘキサンスラリーとして保存される。このヘキサンスラリーの一部を乾燥して触媒組成を調べたところ、固体状チタン触媒成分は、チタンを2重量%、塩素を57重量%、マグネシウムを21重量%およびDIBPを20重量%含有していた。
遷移金属触媒成分(固体状チタン触媒成分)120g、トリエチルアルミニウム20.5mLおよびヘプタン120Lを内容量200Lの撹拌機付きオートクレーブに入れ、内温5℃に保ちながら、プロピレンを720g加え、60分撹拌して反応させた。重合終了後、固体成分を沈降させ、上澄み液の除去およびヘプタンによる洗浄を2回行った。得られた前重合触媒を精製ヘプタンに再懸濁して、遷移金属触媒成分濃度で1g/Lとなるようにした。この前重合触媒は遷移金属触媒成分1g当り、プロピレン重合体を6g含んでいた。
内容量100Lの撹拌機付きベッセル重合器に、プロピレンを110kg/時間、(2)で製造した触媒スラリーを遷移金属触媒成分として1.4g/時間、トリエチルアルミニウムを5.8mL/時間およびジシクロペンチルジメトキシシランを2.6mL/時間、連続的に供給し、水素を気相部の水素濃度が0.9mol%になるように供給した。重合温度73℃および圧力3.2MPa/Gで重合を行った。得られたスラリーを内容量1000Lの撹拌機付きベッセル重合器に送り、さらに重合を行った。プロピレンを30kg/時間、および水素を気相部の水素濃度が1.3mol%になるように重合器に供給した。重合温度71℃および圧力3.0MPa/Gで重合を行った。得られたスラリーを内容量500Lの撹拌機付きベッセルに送り、さらに重合を行った。プロピレンを46kg/時間および水素を、気相部の水素濃度が1.3mol%になるように重合器に供給した。重合温度69℃および圧力2.9MPa/Gで重合を行った。得られたスラリーは失活させた後、液体プロピレンによる洗浄槽に送り、プロピレン単独重合体パウダーを洗浄した。このスラリーを気化させた後、気固分離を行い、プロピレン単独重合体を得た。得られたプロピレン単独重合体をコニカル乾燥機に導入して、80℃で真空乾燥した。次いで、この生成物100kgに対し、純水35.9gとプロピレンオキサイド0.63Lとを添加して、90℃で2時間脱塩素処理を行った後に、80℃で真空乾燥し、プロピレン単独重合体パウダーを得た。
前記製造例で得られたプロピレン単独重合体のペレット(平均粒径3mm)を、30mmφ押出機((株)GMエンジニアリング社製押出シート成形機)を用いて、成形温度210℃にて溶融し、Tダイから押出し、冷却温度30℃にて保持された冷却ロールにより、引取速度1.0m/分の条件で除冷し、厚み0.5mmのシートを得た。
電子線照射機((株)NHVコーポレーション社製EBC300−60。以下同じ。)を用いて、表1記載の吸収線量で、比較例1で得られた二軸延伸フィルムに電子線を照射した。得られたフィルムについて、評価結果を表1に示す。なお、比較例2では電子線照射により二軸延伸フィルムが劣化したため、得られたフィルムについて、上記評価を行うことができなかった。
比較例1において、ペレットとしてプロピレン単独重合体(MFR:2.9g/10分、mmmm:94%、灰分量:23ppm、塩素量:1ppm、Tm:163℃、Mw/Mn:5.0)のペレット(平均粒径3mm)を用い、二軸延伸機の予熱温度および延伸温度を151℃としたこと以外は比較例1と同様にして二軸延伸フィルムを作製した。得られた二軸延伸フィルムについて、評価結果を表1に示す。
電子線照射機を用いて、表1記載の吸収線量で、比較例3で得られた二軸延伸フィルムに電子線を照射した。得られたフィルムについて、評価結果を表1に示す。
比較例1において、ペレットとしてプロピレン単独重合体(MFR:2.8g/10分、mmmm:91%、灰分量:27ppm、塩素量:3ppm、Tm:160℃、Mw/Mn:8.0)のペレット(平均粒径3mm)を用い、二軸延伸機の予熱温度および延伸温度を147℃としたこと以外は比較例1と同様にして二軸延伸フィルムを作製した。得られた二軸延伸フィルムについて、評価結果を表1に示す。
電子線照射機を用いて、表1記載の吸収線量で、比較例4で得られた二軸延伸フィルムに電子線を照射した。得られたフィルムについて、評価結果を表1に示す。
前記製造例で得られたプロピレン単独重合体(MFR:4.2g/10分、mmmm:98%、灰分量:20ppm、塩素量:1ppm、Tm:166℃、Mw/Mn:6.5)のペレット(平均粒径3mm)99重量%と、プロピレン単独重合体(バセル社製ポリプロピレンPF−814、MFR:3.2g/10分、mmmm:91.0%、灰分量:220ppm、塩素量:24ppm、Tm:158℃、Mw/Mn:8.5)1重量%とを、二軸押出機(神戸製鋼(株)社製HYPERKTX30、30mmφ×2)を用いて、成形温度210℃にて溶融混練し、ペレットを得た。
比較例1において、ペレットとしてプロピレン単独重合体(MFR:3.0g/10分、mmmm:98.5%、灰分量:300ppm、塩素量:70ppm、Tm:167℃、Mw/Mn:5.0)のペレット(平均粒径3mm)を用いたこと以外は比較例1と同様にして二軸延伸フィルムを作製した。得られた二軸延伸フィルムについて、評価結果を表1に示す。
プロピレン単独重合体(バセル社製ポリプロピレンPF−814(商品名)、MFR:3.2g/10分、mmmm:91.0%、灰分量:220ppm、塩素量:24ppm、Tm:158℃、Mw/Mn:8.5)のペレットを、プレス成型機(進藤金属工業(株)社製SFA−20型)を用いて、予熱/加圧温度210℃、予熱時間5分、加圧時間2分、加圧圧力10MPa、冷却時間3分の条件でプレスし、0.5mmのプレスシートを得た。
前記製造例で得られたプロピレン単独重合体(MFR:4.2g/10分、mmmm:98%、灰分量:20ppm、塩素量:1ppm、Tm:166℃、Mw/Mn:6.5)のペレット(平均粒径3mm)100重量%と、トリアリルイソシアヌレート(日本化成(株)社製、TAIC)0.5重量%とを、二軸押出機(神戸製鋼(株)社製HYPERKTX30、30mmφ×2)を用いて、成形温度210℃にて溶融混練し、ペレットを得た。
電子線照射機を用いて、表2記載の吸収線量で、比較例9で得られた二軸延伸フィルムに電子線を照射した。得られたフィルムについて、評価結果を表2に示す。なお、比較例10では電子線照射により二軸延伸フィルムが劣化したため、得られたフィルムについて、上記評価を行うことができなかった。
比較例9において、架橋剤TAICの使用量を1重量%としたこと以外は比較例9と同様にして二軸延伸フィルムを作製した。得られた二軸延伸フィルムについて、評価結果を表2に示す。
電子線照射機を用いて、表2記載の吸収線量で、比較例11で得られた二軸延伸フィルムに電子線を照射した。得られたフィルムについて、評価結果を表2に示す。
比較例9において、架橋剤TAICの使用量を5重量%としたこと以外は比較例9と同様にして二軸延伸フィルムを作製した。電子線照射機を用いて、表2記載の吸収線量で、この二軸延伸フィルムに電子線を照射した。得られたフィルムについて、評価結果を表2に示す。
比較例9において、ペレットとしてプロピレン単独重合体(MFR:2.9g/10分、mmmm:94%、灰分量:23ppm、塩素量:1ppm、Tm:163℃、Mw/Mn:5.0)のペレット(平均粒径3mm)100重量%にTAIC1重量%を添加して得られたペレットを用い、二軸延伸機の予熱温度および延伸温度を151℃としたこと以外は比較例9と同様にして二軸延伸フィルムを作製した。電子線照射機を用いて、表2記載の吸収線量で、この二軸延伸フィルムに電子線を照射した。得られたフィルムについて、評価結果を表2に示す。
比較例9において、ペレットとしてプロピレン単独重合体(MFR:2.8g/10分、mmmm:91%、灰分量:27ppm、塩素量:3ppm、Tm:160℃、Mw/Mn:8.0)のペレット(平均粒径3mm)100重量%にTAIC1重量%を添加して得られたペレットを用い、二軸延伸機の予熱温度および延伸温度を147℃としたこと以外は比較例9と同様にして二軸延伸フィルムを作製した。電子線照射機を用いて、表2記載の吸収線量で、この二軸延伸フィルムに電子線を照射した。得られたフィルムについて、評価結果を表2に示す。
比較例9において、架橋剤TAICの使用量を15重量%としたが、架橋剤の量が多すぎたためペレタイズできず、二軸延伸フィルムを作製できなかった。
Claims (7)
- 下記要件(1)〜(4)を満たすプロピレン単独重合体を用いて形成された延伸フィルムに、吸収線量0.1〜500kGyで電子線を照射して得られることを特徴とするフィルムコンデンサ用ポリプロピレンフィルム;
(1)ASTM D1238に準拠して、230℃、2.16kg荷重にて測定したメルトフローレート(MFR)が、1〜10g/10分の範囲にある。
(2)13C−NMRを用いて測定したペンタッドアイソタクティック分率(mmmm分率)が、94%以上である。
(3)空気中で完全に燃焼させて得られる灰分量が、30ppm以下である。
(4)イオンクロマトグラフ法により測定した塩素量が、10ppm以下である。 - 前記延伸フィルムが、前記プロピレン単独重合体に架橋剤を添加して形成された延伸フィルムであることを特徴とする請求項1に記載のフィルムコンデンサ用ポリプロピレンフィルム。
- 前記延伸フィルムが、前記プロピレン単独重合体100重量%に対して架橋剤0.01〜10重量%を添加して形成された延伸フィルムであることを特徴とする請求項2に記載のフィルムコンデンサ用ポリプロピレンフィルム。
- 前記延伸フィルムに照射される電子線の吸収線量が、1〜300kGyであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のフィルムコンデンサ用ポリプロピレンフィルム。
- 前記延伸フィルムが、二軸延伸フィルムであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のフィルムコンデンサ用ポリプロピレンフィルム。
- 厚みが1〜20μmであることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のフィルムコンデンサ用ポリプロピレンフィルム。
- 請求項1〜6の何れかに記載のフィルムコンデンサ用ポリプロピレンフィルムを含むことを特徴とするフィルムコンデンサ。
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