JP3580639B2 - ポリプロピレン樹脂 - Google Patents
ポリプロピレン樹脂Info
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリプロピレン樹脂および該ポリプロピレン樹脂よりなる延伸フィルムに関する。詳しくは、一軸または二軸延伸フィルムの製膜に際して、製膜可能な温度調整範囲が広く、延伸時の機械負荷が小さく、延伸によるフィルム破れが少なく、熱収縮率等の耐熱性の良好な一軸または二軸延伸フィルムに適したポリプロピレン樹脂および該ポリプロピレン樹脂よりなる延伸フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
延伸ポリプロピレンフィルム、特に二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、その優れた機械的物性、光学的物性により包装材料等に広く使用されている。その製造方法はテンター方式による逐時二軸延伸法が一般的である。
【0003】
近年では、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの生産設備の大型化、高速化が進み、一般的な従来のポリプロピレン樹脂では製膜時における延伸装置の機械負荷の上昇、フィルムの厚薄精度の低下、さらにはフィルムの延伸破れが発生する等の問題が生起してきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの生産設備の大型化、高速化に対応できる延伸性の良好なポリプロピレン樹脂の開発が望まれていた。従って、本発明の目的は、延伸に際して、製膜可能な温度調整範囲が広く、機械負荷が小さく、製膜されたフィルムの厚薄精度が優れ、延伸性が良好で、延伸破れ等が発生せず安定に生産でき、製膜されたフィルム熱収縮率等の耐熱性の良好な一軸または二軸延伸フィルムに適したポリプロピレン樹脂および該ポリプロピレン樹脂よりなる延伸フィルムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を行ない、その結果、特定範囲のメルトフローレイトで、特定範囲の室温p−キシレン可溶分量を有し、該室温p−キシレン可溶分量と温度上昇溶離分別法による20℃以下の溶出成分量の差が特定範囲であるポリプロピレン樹脂、さらに、温度上昇溶離分別法による20〜70℃の範囲の溶出成分量が特定範囲であるポリプロピレン樹脂が、延伸フィルムの製膜に際して、製膜の温度調整範囲が広く、延伸における機械負荷が低減し、フィルムの延伸破れが少なく、さらに、製膜された延伸フィルムの厚薄精度が優れ、熱収縮率等の耐熱性が良好であることを見出し、本発明を完成しここに提案するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、固体チタン触媒に、下記一般式(I)
R n AlX 3−n (I)
(式中、Rは炭素数1〜10の飽和炭化水素基、Xはハロゲン原子であり、nは、0<n<3である。)
で示されるハロゲン化有機アルミニウム化合物、及び下記一般式( II )
R 1 R 2 S i (OR 3 ) 2 ( II )
(式中、R 1 、R 2 およびR 3 は、それぞれ同種または異種の炭素数1〜20の炭化水素基であり、R 1 およびR 2 のうち少なくとも一方はSi原子に直結する原子が、3級炭素である鎖状炭化水素であるか、または2級炭素である環状炭化水素である。)
で示される有機ケイ素化合物を接触させて得られる固体チタン化合物成分と、下記一般式( III )
R 3 A l ( III )
(但し、Rは炭素数1〜10の飽和炭化水素基である。)
で示される有機アルミニウム化合物、及び上記一般式( II )で示される有機ケイ素化合物との存在下に、α−オレフィンを予備重合して得られる予備重合触媒を用い、
上記一般式( III )で示される有機アルミニウム化合物、及び一般式( IV )
R 1 R 2 n S i (OCH 3 ) 3−n ( IV )
(式中、R 1 及びR 2 は同種または異種の炭化水素基であり、nは0または1である。)
で示される有機ケイ素化合物の1種及び一般式(V)
R 3 n S i (OC 2 H 5 ) 4−n (V)
(式中、R 3 は炭化水素基であり、nは0または1である。)
で示される有機ケイ素化合物の1種とを用いて、プロピレンを単独で重合、又はプロピレンとそれ以外のα−オレフィンとを共重合することによって得られる、ポリプロピレンを主な構成成分とし、メルトフローレイトが0.1〜10g/10分、室温p−キシレン可溶分量が3〜5重量%、該室温p−キシレン可溶分量と温度上昇溶離分別法による20℃以下の溶出成分量の差が0.5〜2.5重量%であるポリプロピレン樹脂に関する。
【0007】
さらには、温度上昇溶離分別法による20〜70℃の範囲の溶出成分量が2〜6重量%である上記のポリプロピレン樹脂に関する。
【0008】
また、本発明は、固体チタン触媒に、下記一般式(I)
R n AlX 3−n (I)
(式中、Rは炭素数1〜10の飽和炭化水素基、Xはハロゲン原子であり、nは、0<n<3である。)
で示されるハロゲン化有機アルミニウム化合物、及び下記一般式( II )
R 1 R 2 S i (OR 3 ) 2 ( II )
(式中、R 1 、R 2 およびR 3 は、それぞれ同種または異種の炭素数1〜20の炭化水素基であり、R 1 およびR 2 のうち少なくとも一方はSi原子に直結する原子が、3級炭素である鎖状炭化水素であるか、または2級炭素である環状炭化水素である。)
で示される有機ケイ素化合物を接触させて得られる固体チタン化合物成分と、下記一般式( III )
R 3 A l ( III )
(但し、Rは炭素数1〜10の飽和炭化水素基である。)
で示される有機アルミニウム化合物、及び上記一般式( II )で示される有機ケイ素化合物との存在下に、α−オレフィンを予備重合して得られる予備重合触媒を用い、
上記一般式( III )で示される有機アルミニウム化合物、及び一般式( IV )
R 1 R 2 n S i (OCH 3 ) 3−n ( IV )
(式中、R 1 及びR 2 は同種または異種の炭化水素基であり、nは0または1である。)
で示される有機ケイ素化合物の1種及び一般式(V)
R 3 n S i (OC 2 H 5 ) 4−n (V)
(式中、R 3 は炭化水素基であり、nは0または1である。)
で示される有機ケイ素化合物の1種とを用いて、プロピレンを単独で重合、又はプロピレンとそれ以外のα−オレフィンとを共重合することを特徴とする、ポリプロピレンを主な構成成分とし、メルトフローレイトが0.1〜10g/10分、室温p−キシレン可溶分量が3〜5重量%、該室温p−キシレン可溶分量と温度上昇溶離分別法による20℃以下の溶出成分量の差が0.5〜2.5重量%であるポリプロピレン樹脂の製造方法に関し、さらに、これらのポリプロピレン樹脂を延伸加工してなるポリプロピレン延伸フィルムに関するものである。
【0009】
本発明のポリプロピレン樹脂の特徴は、製膜時の温度調整範囲が広く、延伸における機械負荷が低減され、フィルムの延伸破れが少なく、さらに、製膜された延伸フィルムの厚薄精度が優れ、熱収縮率等の耐熱性が良好である点にある。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のポリプロピレン樹脂のメルトフローレイトは0.1〜10g/10分であり、1〜5g/10分の範囲であることが好ましい。メルトフローレイトが0.1g/10分未満では溶融状態のポリプロピレン樹脂の粘度が高くなり、二軸延伸フィルム製造時の最初の段階である押し出し成形によるシート成形の際の押出機の機械負荷が上昇して押し出し成形が困難になる。また、メルトフローレイトが10g/10分を越えるとポリプロピレン樹脂の溶融張力が低下するために、二軸延伸フィルム製造時の最初の段階である押し出し成形によるシート成形の際、シートの厚み精度が低下し、二軸延伸によって製造されたフィルムの厚薄精度が悪くなる。本発明で用いるポリプロピレン樹脂のメルトフローレイトの範囲を重量平均分子量で表わすと250,000〜800,000、好ましくは300,000〜450,000の範囲となる。
【0011】
本発明のポリプロピレン樹脂は特定量の室温p−キシレン可溶分を含む。該ポリプロピレン樹脂の室温p−キシレン可溶分量は3〜6重量%であり、3.3〜5.5重量%の範囲であることが好ましく、さらに3.5〜5重量%の範囲であることがより好ましい。室温p−キシレン可溶分量が3重量%未満では製膜における延伸の際の延伸性が低下し、機械負荷が上昇してフィルムの延伸破れが多発する。また、6重量%を越えると二軸延伸フィルムの熱収縮率等の耐熱性や剛性が低下する。
【0012】
本発明において、温度上昇溶離分別法(以下、単にTREFと略す。)は、ポリオレフィン(ポリプロピレン樹脂)を異なる温度で溶剤に溶解させ、各溶解温度におけるポリオレフィンの溶出量(濃度)を測定して、そのポリオレフィンの結晶性分布を評価する方法である。即ち、硅藻土、シリカビーズ等の不活性担体を充填剤として用い、そのカラム内に試料のポリオレフィンをオルトジクロルベンゼンよりなる溶剤に溶解した任意の濃度の試料溶液を注入し、カラムの温度を降下させて試料を充填剤表面に付着させた後、該カラム内にオルトジクロルベンゼンよりなる溶剤を通過させながらカラムの温度を上昇させていき、各温度で溶出してくるポリオレフィンの濃度を検出し、ポリオレフィンの溶出量(重量%)とその時のカラム内の温度(℃)との値より、ポリオレフィンの結晶性分布を測定する方法である。溶出温度は溶出成分がより結晶化しやすくなるにつれて高くなるので、溶出温度とポリマーの溶出量(重量%)との関係を求めることにより、ポリマーの結晶性の分布を知ることができる。
【0013】
上記方法において、カラムの温度の降下速度は、試料のポリオレフィンに含まれる結晶性部分の所定温度における結晶化に必要な速度に、また、カラムの温度の上昇速度は、各温度における試料の溶解が完了し得る速度に調整されることが必要であり、かかるカラムの温度の降下速度および上昇速度は予め実験によって決定すればよい。カラムの温度の降下速度は、2℃/分以下の範囲で、また、カラムの温度の上昇速度は、4℃/分以下の範囲で決定される。
【0014】
ここで、20℃以下の溶出成分量は、溶出温度(℃)と溶出量(重量%)の関係(図1)、溶出温度(℃)と積算溶出量(重量%)の関係(図2)を示す溶出曲線において、溶出温度20℃での積算溶出量(重量%)であり、20℃以下において溶剤に可溶のポリマー成分の量である。
【0015】
図2は、後述する実施例1で製造したポリプロピレン樹脂の溶出温度(℃)と積算溶出量(重量%)との関係を示す積算溶出曲線であり、ここで、A点における積算溶出量が20℃以下の溶出成分量であり、2.5重量%である。
【0016】
室温p−キシレン可溶分量とTREFによる20℃以下の溶出成分量の差は前記室温p−キシレン可溶分量(重量%)から該20℃以下の溶出成分量(重量%)を差し引いた値である。
【0017】
本発明のポリプロピレン樹脂の室温p−キシレン可溶分量とTREFによる20℃以下の溶出成分量の差は0.5〜3重量%であり、0.8〜2.5重量%の範囲であることが好ましく、さらに1.0〜2.0重量%の範囲であることがより好ましい。室温p−キシレン可溶分量とTREFによる20℃以下の溶出成分量の差が0.5重量%未満では製膜における延伸の際の延伸性が低下し、機械負荷が上昇してフィルムの延伸破れが多発する。また、3重量%を越えると二軸延伸フィルムの剛性、耐熱性が低下する。以上の関係を満たすためには、TREFによる20℃以下の溶出成分量は5.5重量%以下であることが好ましく、0.5〜4.7重量%の範囲であることがより好ましく、さらに1.5〜4.0重量%の範囲であることが特に好ましい。
【0018】
従来の固体三塩化チタン触媒を用い、公知の方法で得られたポリプロピレン樹脂では該p−キシレン可溶分量が本発明のポリプロピレン樹脂よりも多く、得られる延伸フィルムの耐熱性に劣る。また、公知のチタン、マグネシウム、ハロゲン及び電子供与体を必須成分とする触媒活性の高い固体チタン触媒を用い、公知の方法で得られたポリプロピレン樹脂では該室温p−キシレン可溶分量とTREFによる20℃以下の溶出成分量の差が本発明のポリプロピレン樹脂よりも少なく、製膜における延伸の際の延伸性が低下し、機械負荷が上昇してフィルムの延伸破れが多発する。
【0019】
本発明のポリプロピレン樹脂は<メルトフローレイト、室温p−キシレン可溶分量および該室温p−キシレン可溶分量とTREFによる20℃以下の溶出成分量の差が上記の範囲であれば本発明の効果を十分に達成することができるが、さらに、本発明のポリプロピレン樹脂の製膜性および延伸性と、製膜して得られた延伸フィルムの剛性および耐熱性を勘案すると、以下の要件を満足することが好ましい。
【0020】
本発明のTREFによる20〜70℃の範囲の溶出成分量(Y20−70 )とは、溶出温度が20〜70℃の範囲における溶出量(重量%)であり、下記式で求められる。
【0021】
Y20−70=X70−X20
但し、X70:70℃以下の溶出成分量(重量%)
X20:前記した20℃以下の溶出成分量(重量%)
図2は、後述する実施例1で製造したポリプロピレン樹脂の溶出温度(℃)と積算溶出量(重量%)との関係を示す積算溶出曲線であり、ここで、B点における積算溶出量がX70で6.3重量%であり、A点における積算溶出量がX20で2.8重量%である。したがって、この場合の20〜70℃の範囲における溶出量は(5.6−2.5)で、3.1重量%となる。本発明のポリプロピレン樹脂のTREFによる20〜70℃の範囲の溶出成分量は、製膜時の延伸における機械負荷を低減させ、延伸性を向上させるために、2〜6重量%であることが好ましく、2.5〜5.5重量%であることがより好ましく、さらに3〜5重量%であることが特に好ましい。
【0022】
また、TREFによる溶出曲線のピーク温度は、製膜して得られた延伸フィルムの剛性および耐熱性を勘案すると、110〜125℃の範囲であり、115〜123℃の範囲であることが好ましく、さらに118〜121℃の範囲であることがより好ましい。なお、本発明でいうTREFによる溶出ピーク温度とは、溶出温度(℃)と溶出量(重量%)の関係を示す溶出曲線において溶出量が最大となるピーク位置(℃)を示す。図1は、後述する実施例1で製造したポリプロピレン樹脂の溶出温度(℃)と溶出量(重量%)との関係を示す溶出曲線であり、ここで、C点で示されるピーク位置の温度121.1℃が、溶出ピーク温度となる。
【0023】
また、本発明のポリプロピレン樹脂のTREFによる溶出曲線より算出される90重量%溶出時と20重量%溶出時とにおける溶出温度の差は9〜17℃の範囲であり、特に10〜15℃の範囲であることが、製膜可能な温度調整範囲を広くするうえでより好ましい。なお、本発明のTREFによる溶出曲線より算出される90重量%溶出時と20重量%溶出時とにおける溶出温度の差(σ)とは、積算溶出量が20重量%と90重量%とにおける溶出温度差であり、下記式で求められる。
【0024】
σ=T90%−T20%
但し、T90%:積算溶出量が90重量%となるときの温度(℃)
T20%:積算溶出量が20重量%となるときの温度(℃)
図2は、後述する実施例1で製造したポリプロピレン樹脂の溶出温度(℃)と積算溶出量(重量%)との関係を示す積算溶出曲線であり、ここで、D点における溶出温度がT90% で121.7℃であり、E点における溶出温度がT20% で111.3℃である。したがって、この場合の溶出温度差σは(12.7−111.3)で、10.4℃となる。
【0025】
本発明のポリプリピレン樹脂のアイソタクチックペンタッド分率は、製膜時の延伸性と製膜されたフィルムの剛性および耐熱性を勘案すると0.88〜0.97であることが好ましく、さらに0.91〜0.95の範囲であることがより好ましい。なお、本発明でいうアイソタクチックペンタッド分率とは、A.ZambelliらによってMacromolecules,13,267(1980)に発表された13C−NMRスペクトルのピークの帰属に基づいて定量されたプロピレンユニット5個が連続して等しい立体配置をとる分率である。
【0026】
本発明のポリプロピレン樹脂はプロピレンの単独重合体、または、共重合成分としてプロピレン以外のα−オレフィンを含む共重合体であってもよい。該プロピレン以外のα−オレフィンとしては、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、3−メチル−1−ブテン、ヘキセン−1、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ドデセン−1、テトラデセン−1、ヘキサデセン−1、オクタデセン−1、エイコセン−1等の炭素数2〜20のα−オレフィンを例示することができる。これらのα−オレフィンは、共重合成分として単独もしくは複数の組み合わせで含まれていてよい。該α−オレフィンが含有される割合は、その種類により異なるが、共重合体中に占める割合で5モル%以下の範囲、さらに2モル%以下の範囲であることが、熱収縮率等の耐熱性の良好な延伸フィルムを得る上でより好ましい。
【0027】
本発明のポリプロピレン樹脂の中でも、上記プロピレン以外のα−オレフィンを含む共重合体であって、該α−オレフィンがエチレンの場合には、製膜時の機械負荷を低減し、延伸性を良好にし、さらに熱収縮率等の耐熱性の良好な延伸フィルムを得るためには、エチレン含有量(ECO)が0.8モル%以下であり、かつ、前記アイソタクチックペンタッド分率(ISO)との関係が、式:0.4≦{6×(1−ISO)+ECO}≦1.0を満足することが好ましく、さらにエチレン含有量(ECO)が0.6モル%以下であり、式:0.5≦{6×(1−ISO)+ECO}≦0.9を満足することがより好ましい。
【0028】
本発明のポリプロピレン樹脂の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で表される分子量分布は特に制限されるものではないが、フィルム成形時の容易さを考えると溶融張力を増加させ加工性を向上させるためには3〜20であることが好ましく、さらに6〜10の範囲であることがより好ましい。なお、分子量分布はo−ジクロルベンゼンを溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフ法(以下、GPCともいう。)で測定された値で、検量線は標準ポリスチレンで較正されたものが用いられる。
【0029】
本発明のポリプロピレン樹脂の室温p−キシレン可溶成分の重量平均分子量は特に制限されるものではないが、フィルム表面へのブリードアウトやフィッシュアイの発生等を勘案すると10000〜800000であることが好ましく、さらに20000〜400000の範囲であることがより好ましい。
【0030】
本発明のポリプロピレン樹脂のTREFによる20℃以下の溶出成分の分子量は特に制限されるものではないが、フィルム表面へのブリードアウトやフィッシュアイの発生等を勘案すると、上記GPC測定による分子量分布曲線のピーク位置における分子量が5000〜400000であることが好ましく、さらに10000〜300000の範囲であることがより好ましい。
【0031】
本発明のポリプロピレン樹脂中のポリプロピレンの割合は、製膜における延伸性と製膜された延伸フィルムの熱収縮率等の耐熱性および機械的物性を勘案すると、75重量%以上であることが好ましく、さらに90重量%以上であることがより好ましい。
【0032】
本発明のポリプロピレン樹脂は立体規則性の分布が広く、アタクチック成分が少ない特徴を有するが、その製造方法は特に限定されるものではなく、一般には次のような方法を採用することが好ましい。例えば、アタクチック成分の生成量が少なく、かつ、異なる立体規則性を与える触媒成分を複数用いる方法、または、異なる立体規則性を有するポリプロピレン樹脂のブレンド等を挙げることができる。
【0033】
特に、固体チタン触媒、ハロゲン化有機アルミニウム化合物、有機ケイ素化合物を接触させて得られる固体チタン化合物成分と有機アルミニウム化合物との存在下にα−オレフィンを予備重合して得られる予備重合触媒と、有機アルミニウム化合物および複数の電子供与体を用いてプロピレンの重合を行う方法を好適に採用することができる。この方法において、プロピレンの重合に用いられることが公知の電子供与体が何等制限なく使用できるが、中でも複数の有機ケイ素化合物を用いることが、本発明の範囲の室温p−キシレン可溶分量および該室温p−キシレン可溶分とTREFによる20℃以下の溶出成分量の差を達成するために特に好ましい。
【0034】
前記した固体チタン触媒は、プロピレンの重合に使用されることが公知の化合物を何ら制限なく用いることができる。特に、チタン、マグネシウム、ハロゲン、及び電子供与体を必須成分とする触媒活性の高い固体チタン触媒が好適である。
【0035】
かかる固体チタン触媒の製法は、これまでに数多くの提案がなされており、本発明においてはこれら公知の方法で得られた固体チタン触媒をなんら制限なく用いることができる。例えば、四塩化チタンを塩化マグネシウム等のマグネシウム化合物とアルコール、エーテル、エステル、ケトンもしくはアルデヒド等の電子供与体の存在下に共粉砕する方法、または、溶媒中でハロゲン化チタン、マグネシウム化合物および電子供与体を接触させる方法があげられる。上記のチタン化合物の製法は、例えば、特開昭56−155206号公報、同56−136806、同57−34103、同58−8706、同58−83006、同58−138708、同58−183709、同59−206408、同59−219311、同60−81208、同60−81209、同60−186508、同60−192708、同61−211309、同61−271304、同62−15209、同11706、同62−72702、同62−104810等に開示されている方法が一般に採用される。
【0036】
前記した固体チタン触媒との接触に使用されるハロゲン化有機アルミニウム化合物は下記の一般式(I) で示される化合物が何ら制限なく使用される。
【0037】
一般式(I)
RnAlX3−n (I)
(但し、Rは炭素数1〜10の飽和炭化水素基、Xはハロゲン原子であり、nは、0<n<3である。)
上記一般式(I) 中の、炭素数1〜10の飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の鎖状アルキル基および環状アルキル基が挙げられる。好適に使用できるハロゲン化有機アルミニウム化合物を具体的に例示すると、例えば、エチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムブロマイド、ジエチルアルミニウムアイオダイド、ジイソブチルアルミニウムクロライド、ジ−n−プロピルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジブロマイド、エチルアルミニウムジアイオダイド、イソブチルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジブロマイド、イソブチルアルミニウムジアイオダイド等が挙げられる。中でもジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライド等が好ましい。
【0038】
本発明において、接触に用いるハロゲン化有機アルミニウムの使用量は特に制限されるものではないが、固体チタン触媒中のTi原子に対してハロゲン化有機アルミニウム化合物のAl原子がAl/Ti(モル比)で0.1〜100であることが好ましく、さらに0.5〜10であることがより好ましい。
【0039】
さらに、前記の固体チタン触媒との接触に使用される有機ケイ素化合物は下記の一般式(II)で示される化合物が何ら制限なく採用される。
【0040】
一般式(II)
R1R2Si(OR3)2 (II)
(但し、R1、R2およびR3は、それぞれ同種または異種の炭素数1〜20の炭化水素基であり、R1およびR2のうち少なくとも一方はSi原子に直結する原子が、3級炭素である鎖状炭化水素であるか、または2級炭素である環状炭化水素である。)
上記一般式(II)中のR1、R2およびR3で示される炭素数1〜20の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、および後述するようなシクロペンチル基、アルキル基置換シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アルキル基置換シクロヘキシル基、t−ブチル基、t−アミル基等が挙げられる。
【0041】
前記一般式(II)中、R1およびR2のうち少なくとも一方はSi原子に直結する原子が、3級炭素である鎖状炭化水素であるか、または2級炭素である環状炭化水素である。ここで、Si原子に直結する原子が、3級炭素である鎖状炭化水素としては、t−ブチル基、t−アミル基等が挙げられる。また、Si原子に直結する原子が、2級炭素である環状炭化水素としては、シクロペンチル基、2−メチルシクロペンチル基、3−メチルシクロペンチル基、2−エチルシクロペンチル基、2−n−ブチルシクロペンチル基、2,3−ジメチルシクロペンチル基、2,4−ジメチルシクロペンチル基、2,5−ジメチルシクロペンチル基、2,3−ジエチルシクロペンチル基、2,3,4−トリメチルシクロペンチル基、2,3,5−トリメチルシクロペンチル基、2,3,4−トリエチルシクロペンチル基、テトラメチルシクロペンチル基、テトラエチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、2−エチルシクロヘキシル基、2,3−ジメチルシクロヘキシル基、2,4−ジメチルシクロヘキシル基、2,5−ジメチルシクロヘキシル基、2,6−ジメチルシクロヘキシル基、2,3−ジエチルシクロヘキシル基、2,3,4−トリメチルシクロヘキシル基、2,3,5−トリメチルシクロヘキシル基、2,3,6−トリメチルシクロヘキシル基、2,4,5−トリメチルシクロヘキシル基、2,4,6−トリメチルシクロヘキシル基、2,3,4−トリエチルシクロヘキシル基、2,3,4,5−テトラメチルシクロヘキシル基、2,3,4,6−テトラメチルシクロヘキシル基、2,3,5,6−テトラメチルシクロヘキシル基、2,3,4,5−テトラエチルシクロヘキシル基、ペンタメチルシクロヘキシル基、ペンタエチルシクロヘキシル基等が挙げられる。
【0042】
上記有機ケイ素化合物を具体的に例示すると次の通りである。例えば、ジt−ブチルジメトキシシラン、t−ブチルエチルジメトキシシラン、ジt−アミルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、ジ(2−メチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ジ(3−メチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ジ(2−エチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ジ(2,3−ジメチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ジ(2,4−ジメチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ジ(2,5−ジメチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ジ(2,3−ジエチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ジ(2,3,4−トリメチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ジ(2,3,5−トリメチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ジ(2,3,4−トリエチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ジ(テトラメチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ジ(テトラエチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ジ(2−メチルシクロヘキシル)ジメトキシシラン、ジ(3−メチルシクロヘキシル)ジメトキシシラン、ジ(4−メチルシクロヘキシル)ジメトキシシラン、ジ(2−エチルシクロヘキシル)ジメトキシシラン、ジ(2,3−ジメチルシクロヘキシル)ジメトキシシラン、ジ(2,4−ジメチルシクロヘキシル)ジメトキシシラン、ジ(2,5−ジメチルシクロヘキシル)ジメトキシシラン、ジ(2,6−ジメチルシクロヘキシル)ジメトキシシラン、ジ(2,3−ジエチルシクロヘキシル)ジメトキシシラン、ジ(2,3,4−トリメチルシクロヘキシル)ジメトキシシラン、ジ(2,3,5−トリメチルシクロヘキシル)ジメトキシシラン、ジ(2,3,6−トリメチルシクロヘキシル)ジメトキシシラン、ジ(2,4,5−トリメチルシクロヘキシル)ジメトキシシラン、ジ(2,4,6−トリメチルシクロヘキシル)ジメトキシシラン、ジ(2,3,4−トリエチルシクロヘキシル)ジメトキシシラン、ジ(シ2,3,4,5−テトラメチルクロヘキシル)ジメトキシシラン、ジ(2,3,4,6−テトラメチルシクロヘキシル)ジメトキシシラン、ジ(2,3,5,6−テトラメチルシクロヘキシル)ジメトキシシラン、ジ(2,3,4,5−テトラエチルシクロヘキシル)ジメトキシシラン、ジ(ペンタメチルシクロヘキシル)ジメトキシシラン、ジ(ペンタエチルシクロヘキシル)ジメトキシシラン、t−ブチルメチルジメトキシシラン、t−ブチルエチルジメトキシシラン、t−アミルメチルジメトキシシラン、シクロペンチルメチルジメトキシシラン、シクロペンチルエチルジメトキシシラン、シクロペンチルイソブチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、シクロヘキシルイソブチルジメトキシシラン等を挙げることができる。中でも、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、t−ブチルエチルジメトキシシラン等が好ましい。
【0043】
また、該有機ケイ素化合物の使用量は特に制限されるものではないが、固体チタン触媒中のTi原子に対して有機ケイ素化合物中のSi原子がSi/Ti(モル比)で0.01〜100であることが好ましく、さらに0.05〜10であることがより好ましい。
【0044】
本発明で行われる接触は固体チタン触媒、ハロゲン化有機アルミニウム化合物および有機ケイ素化合物を必須成分として実施されるが、本発明の効果が認められる限り他の成分を共存させることも可能である。本発明において、固体チタン触媒、ハロゲン化有機アルミニウム化合物および有機ケイ素化合物の成分の接触方法は、本発明の効果が認められる限り制限されないが、通常はスラリー中で行うのが好ましい。具体的には、溶媒としてヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の飽和脂肪族炭化水素もしくは芳香族炭化水素を単独または併用した混合溶媒を用いることができる。また、接触時の温度は、好ましくは−20〜100℃、さらには0〜60℃の温度が好ましい。さらに、接触時間は、特に制限されるものではなく適宜決定されればよく、通常1〜180分、好ましくは5〜120分である。さらにまた、接触処理は、回分、半回分、連続のいずれの方法で行ってもよい。
【0045】
本発明において、上記接触により得られる固体チタン化合物成分は、接触で用いられた固体チタン触媒以外の成分、すなわちハロゲン化有機アルミニウム化合物および有機ケイ素化合物を洗浄することなく用いることができるが、本発明の特性を有するポリプロピレン樹脂を高い効率で得るために、これらの成分を洗浄により除去することが好ましい。かかる洗浄方法としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の飽和脂肪族炭化水素もしくは芳香族炭化水素を単独または併用した混合溶媒の形態で用いることができる。また、洗浄回数は、遊離の固体チタン触媒以外の成分が実質的になくなる程度まで行えばよく、通常の場合、5〜6回行うことが好ましい。
【0046】
本発明の特性を有するポリプロピレン樹脂を高効率で得るために、上記接触により得られた固体チタン化合物成分と有機アルミニウム化合物の存在下にα−オレフィンまたはビニルシクロアルカンの予備重合を行うことがより好ましい。
【0047】
本発明で行われる予備重合は、本発明の効果が認められる限り、特に限定されるものではないが、一般には下記の方法が好ましい。
【0048】
予備重合で使用される有機アルミニウム化合物は、前記一般式(I) で示されたハロゲン化アルキルアルミニウム類、または、一般式(III) で示されるトリアルキルアルミニウムを用いることができる。
【0049】
一般式(III)
R3Al (III)
(但し、Rは炭素数1〜10の飽和炭化水素基である。)
前記一般式(III) 中、Rは炭素数1〜10の飽和炭化水素基である。炭素数1〜10の飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の鎖状アルキル基および環状アルキル基が挙げられる。
【0050】
本発明の予備重合において好適に使用できるトリアルキルアルミニウム化合物を具体的に例示すると、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−イソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム、トリ−n−デシルアルミニウム等が挙げられる。
【0051】
本発明の予備重合で用いられる有機アルミニウム化合物の好ましい例としては、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、およびトリエチルアルミニウムまたはトリイソブチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロライドまたはエチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライドとを併用することが好ましい態様となる。
【0052】
予備重合で用いられる有機アルミニウム化合物の使用量は特に制限されるものではないが、一般に固体チタン化合物成分中のTi原子に対して有機アルミニウム化合物中のAl原子がAl/Ti(モル比)で1〜100であることが好ましく、さらに3〜10であることがより好ましい。
【0053】
また、本発明の予備重合においては、接触により得られた固体チタン化合物成分および有機アルミニウム化合物に加え、重合により得られるポリプロピレン樹脂の立体規則性を制御するために、必要に応じて、エーテル、アミン、アミド、含硫黄化合物、ニトリル、カルボン酸、酸アミド、酸無水物、酸エステル、有機ケイ素化合物等の電子供与体を共存させることができる。中でも有機ケイ素化合物を用いることが好ましい。かかる有機ケイ素化合物としては、上記一般式(II)で示された化合物と同じものを使用することができる他、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジアリルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、アリルトリエトキシシラン等を用いることができる。また上記化合物の複数を同時に用いることもできる。
【0054】
予備重合で用いられる有機ケイ素化合物の使用量は特に制限されるものではないが、一般には固体チタン化合物成分中のTi原子に対して有機ケイ素化合物中のSi原子がSi/Ti(モル比)で0.1〜10であることが好ましく、さらに0.5〜5であることが好ましい。
【0055】
また、予備重合でのα−オレフィンまたはビニルシクロアルカンの重合量は、チタン化合物1gあたり0.1〜1000g、好ましくは1〜100gの範囲であり、工業的には2〜50gの範囲が好適である。予備重合で用いられるα−オレフィンとしては、直鎖状または分岐状α−オレフィンを使用することができる。予備重合で用いるα−オレフィンとしては、直鎖状のα−オレフィンとして、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が挙げられ、また、分岐状α−オレフィンとしては、3−メチル−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン等が挙げられる。さらに、ビニルシクロアルカンとしては、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロペンタン、ビニルシクロブタン、3−メチルビニルシクロヘキサン等が挙げられる。この場合、上記のα−オレフィンを2種類以上同時に使用することも可能であり、予備重合を段階的に行うことにより、各段階で異なるα−オレフィンを用いることもできる。得られる重合体の立体規則性の制御を勘案すると、特定の1種のα−オレフィンを90モル%以上用いることが好ましい。さらに、予備重合で水素を共存させることも可能である
本発明において、予備重合は通常スラリー重合を適用させるのが好ましく、溶媒として、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の飽和脂肪族炭化水素もしくは芳香族炭化水素を単独で、またはこれらの混合溶媒を用いることができる。予備重合温度は、一般に−20〜100℃、特に0〜60℃の温度が好ましく、予備重合を多段階に行う場合には各段で異なる温度の条件下で行ってもよい。また、予備重合時間は、予備重合温度および予備重合での重合量に応じ適宜決定すればよい。さらに、予備重合における圧力は限定されるものではないが、スラリー重合の場合は、一般に大気圧〜5kg/cm2 程度である。
【0056】
上記予備重合は、回分、半回分、連続のいずれの方法で行ってもよい。また、予備重合終了時には、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の飽和脂肪族炭化水素もしくは芳香族炭化水素を単独で、またはこれらの混合溶媒で洗浄することが好ましく、洗浄回数は通常の場合5〜6回が好ましい。
【0057】
本発明の予備重合後には、予備重合で得られた予備重合触媒、有機アルミニウム化合物および有機ケイ素化合物の存在化に本重合が行われる。本重合では、プロピレンの単独重合またはプロピレンとそれ以外のα−オレフィンとの共重合が実施される。該プロピレン以外のα−オレフィンとしては、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、3−メチル−1−ブテン、ヘキセン−1、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ドデセン−1、テトラデセン−1、ヘキサデセン−1、オクタデセン−1、エイコセン−1等の炭素数2〜20のα−オレフィンを例示することができる。
【0058】
本発明の本重合における重合条件は、本発明の効果が認められる限り特に制限されず、公知の方法を採用することができる。一般には次のような方法を採用することが好ましい。例えば、前記予備重合で得られる予備重合触媒と、有機アルミニウム化合物および複数の電子供与体を混合してプロピレンを本重合する方法を好適に採用することができる。
【0059】
上記本重合で用いられる有機アルミニウム化合物は、上記の予備重合で使用することができる化合物が何ら制限なく使用できる。好ましい化合物を具体的に例示すると、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、およびトリエチルアルミニウムまたはトリイソブチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロライドまたはエチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライドとを併用することが好ましい態様となる。
【0060】
また、本重合で用いられる有機アルミニウム化合物の使用量は特に制限されるものではないが、一般には接触処理で得られた固体チタン化合物成分中または予備重合で得られた予備重合触媒中のTi原子に対して有機アルミニウム化合物中のAl原子がAl/Ti(モル比)で10〜1000であることが好ましく、さらに20〜500であることがより好ましい。
【0061】
本発明の本重合に用いられる電子供与体は、プロピレンの重合において一般に知られているものを何等制限なく使用できるが、下記の一般式(IV)および一般式(V) で示される有機ケイ素化合物を併用することが、室温p−キシレン可溶分量および該室温p−キシレン可溶分とTREFによる20℃以下の溶出成分量の差が本発明の範囲であるポリプロピレン樹脂を効率よく得るために好ましい。
【0062】
一般式(IV)
R1R2 nSi(OCH3)3−n (IV)
一般式(V)
R3 nSi(OC2H5)4−n (V)
(但し、R1、R2およびR3は同種または異種の炭化水素基であり、nは0または1である。)
前記一般式(IV)および一般式(V) で示される有機ケイ素化合物において、R1、R2および R3で示される炭化水素基は、鎖状、分枝状、環状の脂肪族炭化水素基、または芳香族炭化水素基を挙げることができ、その炭素数は特に制限されない。本発明において好適な炭化水素基を例示すると、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ビニル基、プロペニル基、アリル基等の炭素数2〜6のアルケニル基;エチニル基、プロピニル基等の炭素数2〜6のアルキニル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数5〜7のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等の炭素数6〜12のアリール基等を挙げることができる。このなかで、R3は直鎖状のアルキル基、アルケニル基、アリール基であることが好ましい。また、nは0または1である。
【0063】
本発明において好適に用いられる有機ケイ素化合物を例示すると次の通りである。一般式(IV)で示される有機ケイ素化合物としては、例えば、トリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジアリルジメトキシシラン、ジ−1−プロペニルジメトキシシラン、ジエチニルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、ターシャリーブチルエチルジメトキシシラン、エチルメチルジメトキシシラン、プロピルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
【0064】
一般式(V) で示される有機ケイ素化合物としては、例えば、トリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、1−プロペニルトリエトキシシラン、イソプロペニルトリエトキシシラン、エチニルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、アリルトリエトキシシラン等を挙げることができる。
【0065】
一般式(IV)および一般式(V) で示される有機ケイ素化合物の使用量は、それぞれ固体状チタン触媒成分のTi原子に対しSi/Ti(モル比)で0.1〜500が好ましく、さらには1〜100であることが好ましい。また、これら二種の有機ケイ素化合物の使用比率はモル比で(IV):(V) =1:0.1〜1:100であること好ましく、さらに1:1〜1:50であることが、室温p−キシレン可溶分量および該室温p−キシレン可溶分とTREFによる20℃以下の溶出成分量の差が本発明の範囲であるポリプロピレン樹脂を効率よく得るうえでより好ましい。
【0066】
上記した各成分の添加順序は特に限定されず、一般式(IV)および一般式(V)で示される有機ケイ素化合物を同時に混合供給しても、または別々に供給してもよい。またこれらは、予め有機アルミニウム化合物と接触あるいは混合した後に供給することもできる。
【0067】
その他の重合条件は、本発明において特定するポリプロピレン樹脂の特性が得られる範囲において、任意に変更可能であるが一般には次の条件が好ましい。即ち、重合温度は20〜200℃、好ましくは50〜150℃であり、分子量調節剤として水素を共存させることもできる。また、重合は、スラリー重合、無溶媒重合および気相重合等が適用でき、回分式、半回分式、連続式のいずれの方法でもよく、更に重合を条件の異なる2段階に分けて行うこともできる。また、プロピレンの重合前に、プロピレンや他のモノマーの予備重合を行なってもよい。さらに、上記した重合を多段に行ってもよい。
【0068】
本発明においては、上記した方法で得られたポリプロピレン樹脂を単独で使用することが一般的であるが、他のポリプロピレン樹脂をブレンドして用いることもできる。勿論、上記した方法で得られたポリプロピレン樹脂同士をブレンドすることもできる。
【0069】
本発明に用いられるポリプロピレン樹脂には、必要に応じて、酸化防止剤、塩素捕捉剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、防曇剤、紫外線吸収剤、滑剤、造核剤、ブロッキング防止剤、顔料、他の樹脂やフィラー等の添加剤が効果の阻害されない範囲で配合されていてもよい。
【0070】
本発明のポリプロピレン樹脂はあらゆる成形体の製造に使用することができ、優れた押し出し特性、延伸性を発揮するが、特に、かかる本発明のポリプロピレン樹脂により延伸フィルムを延伸加工により製膜した場合に顕著な効果を発揮する。
【0071】
本発明のポリプロピレン延伸フィルムとしては二軸延伸フィルムおよび一軸延伸フィルムのいずれであってもよい。延伸フィルムの厚さは特に制限されないが、通常は二軸延伸フィルムの場合3〜150μm、一軸延伸フィルムの場合10〜254μmの範囲であることが好ましい。本発明のポリプロピレン延伸フィルムは、少なくとも一軸方向に延伸されている。もちろん二軸方向に延伸されていてもよい。延伸倍率は特に制限されないが、一軸方向に4〜10倍であることが一般的であり、二軸延伸の場合はそれに直角な方向に4〜15倍の範囲で延伸されていることが一般的である。
【0072】
本発明のポリプロピレン延伸フィルムの片面あるいは両面には、必要に応じてコロナ放電処理等の表面処理が施されてもよい。さらに、ヒートシール性等の機能を付与する目的で片面あるいは両面に本発明で使用されるポリプロピレン樹脂よりも融点の低い他の樹脂よりなる層が積層されてもよい。他の樹脂の積層方法は特に制限されないが、共押し出し法、ラミネート法等が好適である。
【0073】
本発明のポリプロピレン延伸フィルムの製造方法は、公知の方法を何等制限なく採用することができる。例えば、テンター法による逐次二軸延伸法によって延伸フィルムを製造する方法としては、上記のポリプロピレン組成物をTダイ法、インフレーション法等でシートあるいはフィルムに成形した後、縦延伸装置に供給し、加熱ロール温度120〜170℃で3〜10倍縦延伸し、つづいてテンターを用いてテンター温度130〜180℃で4〜15倍横延伸する方法が好適である。上記の成形条件は特に制限されないが、厚薄精度や溶断シール性等の良好な延伸フィルムを得るためには、縦延伸において145〜170℃で3〜5倍、横延伸において155〜180℃で4〜12倍延伸することが好ましい。さらに、必要に応じて横方向に0〜25%の緩和を許しながら80〜180℃で熱処理する方法を挙げることができる。もちろん、これらの延伸の後に再び延伸してもよく、また縦延伸において多段延伸、圧延等の延伸法を組み合わせることができる。また、一軸のみの延伸によっても延伸フィルムとすることができる。
【0074】
【発明の効果】
本発明のポリプロピレン樹脂は、延伸フィルムの製膜に際して、従来公知のポリプロピレン樹脂に比べて製膜可能な温度調整範囲が広く、延伸時の機械負荷が小さく、製膜されたフィルムの厚薄精度が優れ、延伸性が良好で延伸破れが発生しにくい、長時間高速で、安定に連続運転の可能な延伸フィルムの製造に適したポリプロピレン樹脂である。さらに、製膜された延伸フィルムの熱収縮率等の耐熱性が良好である。このような効果は、本研究のポリプロピレン樹脂が延伸フィルム用ポリプロピレン樹脂として優れており、その工業的な価値の極めて高いことを示している。
【0075】
【実施例】
本発明をさらに具体的に説明するために、以下に実施例および比較例を掲げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、以下の実施例および比較例で得られたポリプロピレン樹脂および延伸フィルムの評価は次の方法にて行った。
【0076】
(1)メルトフローレイト(MFR)
ASTM D−790に準じて測定した。
【0077】
(2)室温p−キシレン可溶分量(p−Xy.sol.)
ポリマー1gをp−キシレン100mlに加え、攪拌しながら120℃まで昇温した後、さらに30分攪拌を続け、ポリマーを完全に溶解させ均一な溶液を調製した。そのp−キシレン溶液を室温(23℃)まで放冷後、室温(23℃)で24時間放置した。その後、析出したゲル状物は櫨別し、p−キシレン溶液を完全に濃縮することで可溶分量を求めた。
【0078】
室温p−キシレン可溶分量(p−Xy.sol.)は下記式で求められる。
【0079】
(p−Xy.sol.)={p−キシレン可溶分(g)/ポリマー1(g)}×100 (重量%)
(3)温度上昇溶離分別法による20℃以下の溶出成分量(X20C)、 20〜70℃の範囲の溶出成分量(Y20−70)、 ピーク温度(Tp)、90重量%溶出時と20重量%溶出時とにおける溶出温度の差(σ)
センシュー科学社製の自動TREF装置SSC−7300ATREFを用い、次の条件で測定した。
【0080】
溶媒 : オルトジクロルベンゼン
流速 : 150ml/時間
昇温速度: 4℃/時間
検出機 : 赤外検出器
測定波数: 3.41μm
カラム : センシュー化学社製「パックドカラム30φ」、30mmφ×300mm
濃度 : 1g/120ml
注入量 : 100ml
この場合、カラム内に試量溶液を145℃で導入した後、2℃/時間の速度で10℃まで徐冷して試料ポリマーを充填剤表面に吸着させた後、カラム温度を上記条件で昇温することにより、各温度で溶出してきたポリマー濃度を赤外検出器で測定した。
【0081】
(4)アイソタクチックペンタッド分率(ISO)、α−オレフィン含有量(エチレン含有量(ECO))
日本電子社製のJNM−GSX−270(13C−核共鳴周波数67.8MHz)を用い、次の条件で測定した。
【0082】
測定モード: 1H−完全デカップリング
パルス幅 : 7.0マイクロ秒(C45度)
パルス繰り返し時間: 3秒
積算回数 : 10000回
溶媒 : オルトジクロルベンゼン/重ベンゼンの混合溶媒(90/10容量%)
試料濃度 : 120mg/2.5ml溶媒
測定温度 : 120℃
この場合、アイソタクチックペンタッド分率は13C−NMRスペクトルのメチル基領域における分裂ピークの測定により求めた。また、メチル基領域のピークの帰属はA.Zambelli et al[Macromolecules 13, 267(1980)]によった。
【0083】
(5)重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)
センシュー科学社製の高温GPC装置SSC−7100を用い、次の条件で測定した。
【0084】
溶媒 :オルトジクロルベンゼン
流速 :1.0ml/分
カラム温度:145℃
検出機 :高温示差屈折検出器
カラム :昭和電工社製「SHODEX UT」 807,806M,806M,802.5の4本を直列につないで使用
試料濃度 :0.1重量%
注入量 :0.50ml
実施例1
(固体チタン触媒の調整)
固体チタン触媒の調整法は、特開昭58−83006号公報の実施例1の方法に準じて行なった。すなわち、無水塩化マグネシウム9.5g(100mmol)、デカン100ml及び2−エチルヘキシルアルコール47ml(300mmol)を125℃で2時間加熱攪拌した後、この溶媒中に無水フタル酸5.5g(37.5mmol)を添加し、125℃にてさらに1時間攪拌混合を行ない、均一溶液とした。室温まで冷却した後、−20℃に保持された四塩化チタン400ml(3.6mmol)中に1時間にわたって全量滴下装入した。その後、この混合液の温度を2時間かけて110℃に昇温し、110℃に達したところでジイソブチルフタレート5.4ml(25mmol)を添加し、これより2時間、110℃にて攪拌下に保持した。2時間の反応終了後、熱時濾過にて固体部を採取し、この固体部を2000mlの四塩化チタンにて再懸濁させた後、再び110℃で2時間、加熱反応を行なった。反応終了後、再び熱濾過にて固体部を採取し、デカン及びヘキサンにて、洗液中に遊離のチタン化合物が検出されなくなるまで、充分洗浄した。以上の製造方法にて調整された固体チタン触媒は、ヘプタンスラリーとして保存した。固体チタン触媒の組成はチタン2.1重量%、塩素57.0重量%、マグネシウム18.0重量%及びジイソブチルフタレート21.9重量%であった。
【0085】
(接触処理)
窒素置換を施した内容量10Lのオートクレーブに、精製n−ヘキサン2000ml、ジエチルアルミニウムクロライド500mmol、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン25mmol、および固体チタン触媒をTi原子換算で50mmol装入した後、温度を30℃に保持して30分間攪拌を行った。得られたスラリーの固体部分を精製n−ヘキサンで4回洗浄し、接触処理を施した固体チタン化合物を得た。
【0086】
(予備重合)
窒素置換を施した10L重合器中に精製n−ヘキサン2000ml、トリエチルアルミニウム500mmol、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン25mmol、および接触処理の施された固体チタン化合物成分をチタン原子換算で50mmol装入した後、プロピレンを固体チタン触媒成分1gに対し2gとなるように1時間連続的に重合器に導入した。尚、この間の温度は15℃に保持した。1時間後に反応を停止し、反応器内を窒素で充分に置換した。得られたスラリーの固体部分を精製n−ヘキサンで5回洗浄し、予備重合触媒(チタン含有ポリプロピレン)を得た。分析の結果、固体チタン触媒1gに対し1.7gのプロピレンが重合されていた。
【0087】
(本重合)
窒素置換を施した内容量2000Lの重合器に、プロピレン500kgを装入し、トリエチルアルミニウム1752mmol、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン17.5mmol、テトラエトキシシラン350mmol、さらに水素10Lを装入した後、重合器の内温を65℃に昇温した。上記予備重合で得られた予備重合触媒をチタン原子で4.38mmol装入し、続いて重合器の内温を70℃まで昇温し、2時間のプロピレン重合を行なった。重合終了後、未反応のプロピレンをパージし、得られた白色顆粒状の重合体は、70℃で1時間の減圧乾燥を行なった。
【0088】
得られたポリプロピレン樹脂のメルトフローレイト(MFR)、室温p−キシレン可溶分量(p−Xy.sol.)、室温p−キシレン可溶分量とTREFによる20℃以下の溶出成分量(ΔXy−20C)、TREFによる20℃以下の溶出成分量(X20C)、20〜70℃の範囲の溶出成分量(Y20−70)、ピーク温度(Tp)、90重量%溶出時と20重量%溶出時とにおける溶出温度の差(σ)、アイソタクチックペンタッド分率(ISO)、α−オレフィン含有量、関係式:{6×(1−ISO)+ECO}の値、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)を表1に示した。また、図1に溶出温度(℃)と溶出量(重量%)との関係を示す溶出曲線を、図2に溶出温度(℃)と積算溶出量(重量%)との関係を示す溶出曲線を示した。
【0089】
(造粒)
上記(プロピレンの本重合)で得たポリプロピレン樹脂パウダー100重量部に、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエンを0.1重量部、塩素補足剤としてステアリン酸カルシウムを0.1重量部添加し、ヘンシェルミキサーで5分間混合した後、スクリュー径65mmφの押出造粒機を用いて230℃で押し出し、ペレットを造粒し原料ペレットを得た。
【0090】
(二軸延伸フィルムの製膜)
得られたポリプロピレン樹脂ペレットを用いて以下の方法で二軸延伸フィルムの製膜実験を行なった。ポリプロピレン樹脂ペレットを、スクリュー径90mmφのTダイシート押出機を用い、280℃で押し出し、30℃の冷却ロールで厚さ1mmのシートを成形した。次いで、この原反シートをテンター方式の逐次二軸延伸装置を用いて、縦方向(MD)に4.6倍ロール間延伸し、引き続いて165℃のテンター内で横方向(TD)に機械倍率で10倍延伸した後、8%緩和させて熱処理を行い、厚さ20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを50m/分の速度で製膜した。
【0091】
製膜の際、縦延伸のロール加熱温度を変化させ、フィルムの白化、厚薄ムラ、フィルム破れ等が起こらずに10分間の安定製膜が可能な温度範囲(下限温度〜上限温度)、また、該温度範囲の中心温度における縦延伸及び横延伸にかかる機械負荷(電流値、単位アンペア)により製膜性(延伸性)を評価した。また、延伸ムラの厚薄精度への影響は、テンターと巻取り機の間に設置した横河電機社製の赤外線厚み測定機WEB GAGEを用いて測定したフィルムの厚みパターンにより下記の基準で評価した。
【0092】
◎: ±0.5μm未満
○: ±0.5μm以上1.0μ未満
△: ±1.0μm以上1.5μ未満
×: ±1.5μm以上
さらに、5時間、連続運転を行ない、テンターでのフィルムの延伸破れの回数を評価した。また、成形されたフィルムの片面には常法に従い30W 分/m2のコロナ放電処理を施し、巻取った。得られた延伸フィルムは40℃で3日間エージングした後、JIS C 2318に準じて熱収縮率(耐熱性)の測定を行なった。製膜可能な温度範囲、縦および横延伸における機械負荷、厚薄精度、5時間連続運転の際のフィルムの延伸破れの回数、延伸フィルムのMDおよびTDの熱収縮率の結果を表2に示した。
【0093】
実施例2,3
本重合において、有機ケイ素化合物としてシクロヘキシルメチルジメトキシシラン35mmolとテトラエトキシシラン350mmolを用いた(実施例2)こと、また、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン17.5mmolとテトラエトキシシラン525mmolを用いた(実施例3)こと以外は実施例1と同様に行った。その結果を表1、表2に示した。
【0094】
実施例4
本重合において、エチレンとプロピレンのランダム共重合を行ったこと以外は実施例1と同様に行った。得られたポリプロピレン樹脂のエチレン含有量は0.28モル%であった。結果を表1、表2に示した。
【0095】
実施例5
本重合において、エチレン含有量0.52モル%のエチレンとプロピレンのランダムコポリマーを重合したこと以外は実施例4と同様に行った。その結果を表1、表2に示した。
【0096】
比較例1
本重合において、有機ケイ素化合物としてシクロヘキシルメチルジメトキシシラン350mmolを単独で用いたこと以外は実施例4と同様に行った。その結果を表1、表2に示した。
【0097】
比較例2
本重合において、有機ケイ素化合物としてテトラエトキシシラン350mmolを単独で用いたこと以外は実施例4と同様に行った。その結果を表1、表2に示した。
【0098】
実施例6,7
本重合において、有機ケイ素化合物としてシクロヘキシルメチルジメトキシシラン8.2mmolとエチルトリエトキシシラン164mmolを用いた(実施例6)こと、また、有機ケイ素化合物としてジイソプロピルジメトキシシラン16.4mmolとペンチルトリエトキシシラン164mmolを用いた(実施例7)こと以外は実施例4と同様に行った。その結果を表1、表2に示した。
【0099】
実施例8〜10
本重合において、有機ケイ素化合物としてシクロヘキシルメチルジメトキシシラン44mmolとエチルトリエトキシシラン656mmolを用いた(実施例8)こと、また、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン13mmolとエチルトリエトキシシラン325mmolを用いた(実施例9)こと、また、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン66mmolとエチルトリエトキシシラン330mmolを用いた(実施例10)こと以外は実施例1と同様に行った。その結果を表1、表2に示した。
【0100】
【表1】
【0101】
【表2】
【0102】
実施例11,12
接触処理において、ハロゲン化有機アルミニウム化合物としてエチルアルミニウムジクロライド500mmolを用いた(実施例11)こと、有機ケイ素化合物としてジシクロペンチルジメトキシシラン25mmolを用いた(実施例12)こと以外は実施例4と同様に行った。その結果を表3、表4に示した。
【0103】
実施例13
接触処理において、有機ケイ素化合物としてジシクロペンチルジメトキシシラン10mmolを用い、さらに、本重合において、有機ケイ素化合物としてシクロヘキシルメチルジメトキシシラン65.6mmolとエチルトリエトキシシラン328mmolを用いたこと以外は実施例4と同様に行った。その結果を表3、表4に示した。
【0104】
実施例14
本重合において、ブテン−1含有量0.33モル%のブテン−1とプロピレンのランダムコポリマーを重合したこと以外は実施例4と同様に行った。その結果を表3、表4に示した。
【0105】
実施例15
実施例1で得たプロピレンホモポリマーと、実施例5で得たエチレン含有量0.52モル%のエチレンとプロピレンのランダムコポリマーの重合パウダーをそれぞれ50重量%ずつブレンドし、造粒して原料ペレットを得、以下、実施例1と同様に行った。結果を表3、表4に示した。
【0106】
比較例3
(固体チタン触媒の調整)
四塩化チタン不活性溶媒中でジエチルアルミニウムクロライドにより還元して得た褐色三塩化チタンを約等モルのジイソアミルエーテルで常温下に処理した後、該褐色三塩化チタンを四塩化チタンの65℃ヘキサン溶媒で化学処理して三塩化チタンとした。
【0107】
(予備重合)
窒素置換を施した10L重合器中に、n−ヘプタン3.5lを装入し、上記で得た三塩化チタン50gおよび三塩化チタンに対して1倍モルのジエチルアルミニウムクロライドを添加した。次いで50℃に昇温し、続いて重合速度が10g−重合体/g−触媒/時間になるようプロピレンガスを一定速度で1時間供給した。重合停止は未反応プロピレンをパージすることにより実施した。得られた予備重合触媒(チタン含有ポリプロピレン)スラリーを本重合の触媒とした。
【0108】
(本重合)
プロピレンガスで置換された内容量2000Lの重合器に、液体プロピレン1000lおよび水素1000Nlを仕込み、ジエチルアルミニウムクロライドを三塩化チタンに対し10倍モル仕込んだ後、65℃に昇温し、予備重合触媒スラリーを35g−三塩化チタン相当量添加することにより本重合を開始した。本重合を3時間行った後、未反応プロピレンをパージし重合を停止した。生成した重合体とメタノール50lを65℃下で1時間攪拌混合し触媒を分解した。ついで濾別乾燥して重合パウダーを得た。
【0109】
上記で得た重合パウダーを用いたこと以外は実施例1と同様に行った。その結果を表3、表4に示した。
【0110】
比較例4
比較例3で得た重合パウダーを500lのn−ヘプタンで60℃、30分間洗浄し、十分に乾燥して用いたこと以外は比較例3と同様に行った。その結果を表3、表4に示した。
【0111】
【表3】
【0112】
【表4】
【0113】
実施例16、17
実施例4で得たポリプロピレン樹脂90重量%と、低密度ポリエチレン(メルトフローレイト1.0g/10分(190℃)、密度0.920g/cm3 )10重量%とをブレンドして用いた(実施例16)こと、また、実施例2で得たポリプロピレン樹脂90重量%と、高密度ポリエチレン(メルトフローレイト4.0g/10分(190℃)、密度0.963g/cm3 )10重量%とをブレンドして用いた(実施例17)こと以外は実施例1と同様に造粒、製膜を行った。その結果を表5に示した。
【0114】
【表5】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1のポリプロピレン樹脂の溶出温度(℃)と溶出量(重量%)との関係を示す溶出曲線である。
【図2】図2は、実施例1のポリプロピレン樹脂の溶出温度(℃)と積算溶出量(重量%)との関係を示す溶出曲線である。
Claims (4)
- 固体チタン触媒に、下記一般式(I)
R n AlX 3−n (I)
(式中、Rは炭素数1〜10の飽和炭化水素基、Xはハロゲン原子であり、nは、0<n<3である。)
で示されるハロゲン化有機アルミニウム化合物、及び下記一般式( II )
R 1 R 2 S i (OR 3 ) 2 ( II )
(式中、R 1 、R 2 およびR 3 は、それぞれ同種または異種の炭素数1〜20の炭化水素基であり、R 1 およびR 2 のうち少なくとも一方はSi原子に直結する原子が、3級炭素である鎖状炭化水素であるか、または2級炭素である環状炭化水素である。)
で示される有機ケイ素化合物を接触させて得られる固体チタン化合物成分と、下記一般式( III )
R 3 A l ( III )
(但し、Rは炭素数1〜10の飽和炭化水素基である。)
で示される有機アルミニウム化合物、及び上記一般式( II )で示される有機ケイ素化合物との存在下に、α−オレフィンを予備重合して得られる予備重合触媒を用い、
上記一般式( III )で示される有機アルミニウム化合物、及び一般式( IV )
R 1 R 2 n S i (OCH 3 ) 3−n ( IV )
(式中、R 1 及びR 2 は同種または異種の炭化水素基であり、nは0または1である。)
で示される有機ケイ素化合物の1種及び一般式(V)
R 3 n S i (OC 2 H 5 ) 4−n (V)
(式中、R 3 は炭化水素基であり、nは0または1である。)
で示される有機ケイ素化合物の1種とを用いて、プロピレンを単独で重合、又はプロピレンとそれ以外のα−オレフィンとを共重合することによって得られる、ポリプロピレンを主な構成成分とし、メルトフローレイトが0.1〜10g/10分、室温p−キシレン可溶分量が3〜5重量%、該室温p−キシレン可溶分量と温度上昇溶離分別法による20℃以下の溶出成分量の差が0.5〜2.5重量%であることを特徴とするポリプロピレン樹脂。 - 温度上昇溶離分別法による20〜70℃の範囲の溶出成分量が2〜6重量%であることを特徴とする請求項1記載のポリプロピレン樹脂。
- 固体チタン触媒に、下記一般式(I)
R n AlX 3−n (I)
(式中、Rは炭素数1〜10の飽和炭化水素基、Xはハロゲン原子であり、nは、0<n<3である。)
で示されるハロゲン化有機アルミニウム化合物、及び下記一般式( II )
R 1 R 2 S i (OR 3 ) 2 ( II )
(式中、R 1 、R 2 およびR 3 は、それぞれ同種または異種の炭素数1〜20の炭化水素基であり、R 1 およびR 2 のうち少なくとも一方はSi原子に直結する原子が、3級炭素である鎖状炭化水素であるか、または2級炭素である環状炭化水素である。)
で示される有機ケイ素化合物を接触させて得られる固体チタン化合物成分と、下記一般式( III )
R 3 A l ( III )
(但し、Rは炭素数1〜10の飽和炭化水素基である。)
で示される有機アルミニウム化合物、及び上記一般式( II )で示される有機ケイ素化合物との存在下に、α−オレフィンを予備重合して得られる予備重合触媒を用い、
上記一般式( III )で示される有機アルミニウム化合物、及び一般式( IV )
R 1 R 2 n S i (OCH 3 ) 3−n ( IV )
(式中、R 1 及びR 2 は同種または異種の炭化水素基であり、nは0または1である。)
で示される有機ケイ素化合物の1種及び一般式(V)
R 3 n S i (OC 2 H 5 ) 4−n (V)
(式中、R 3 は炭化水素基であり、nは0または1である。)
で示される有機ケイ素化合物の1種とを用いて、プロピレンを単独で重合、又はプロピレンとそれ以外のα−オレフィンとを共重合することを特徴とする、ポリプロピレンを主な構成成分とし、メルトフローレイトが0.1〜10g/10分、室温p−キシレン可溶分量が3〜5重量%、該室温p−キシレン可溶分量と温度上昇溶離分別法による20℃以下の溶出成分量の差が0.5〜2.5重量%であるポリプロピレン樹脂の製造方法。 - 請求項1または2のいずれか1項に記載のポリプロピレン樹脂を延伸加工してなることを特徴とするポリプロピレン延伸フィルム。
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