JPH09302036A - ポリプロピレンおよびそれを用いた延伸フィルム - Google Patents

ポリプロピレンおよびそれを用いた延伸フィルム

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JPH09302036A
JPH09302036A JP12432196A JP12432196A JPH09302036A JP H09302036 A JPH09302036 A JP H09302036A JP 12432196 A JP12432196 A JP 12432196A JP 12432196 A JP12432196 A JP 12432196A JP H09302036 A JPH09302036 A JP H09302036A
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治 内田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】延伸フィルムとしたときに、特にコンデンサー
絶縁フィルムとしたときに優れた性能を示すポリプロピ
レンを提供することにある。 【解決手段】結晶性のプロピレン単独重合体からなり、
2.16kg荷重、230℃のメルトフローインデック
スが0.1〜10g/10分であって、沸騰n−ヘプタ
ン不溶部の13C−NMRにおけるラセミペンタッド分率
が0.0005〜0.01であるポリプロピレン。およ
び該ポリプロピレンを少なくとも一方に延伸してなるポ
リプロピレン延伸フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は延伸フィルム用とし
て好適なポリプロピレンに関する。詳しくは、延伸フィ
ルムに成形した時良好な物性を示すポリプロピレンに関
する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレンは優れた延伸特性を有す
ることから均一な薄いフィルムとすることが可能であ
り、その優れた特性を生かして様々な分野で幅広く利用
されている。また優れた電気特性を有することからコン
デンサー絶縁フィルムに広く用いられている。コンデン
サー絶縁フィルムとしての優れた特性を有するポリプロ
ピレンとしては、立体規則性を向上させる(特開昭56
−131921号公報)などの検討がなされ、優れた特
性のものが提案されている。また成形性を考慮すると、
単純にメソペンタッドが高いだけでなく、タクティシテ
ィーの低い部分の影響について考慮したものもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】延伸フィルムの用途に
よっては、フィルムの熱収縮率が小さいことを要求され
る場合がある。また、特にコンデンサー絶縁フィルムの
分野においては、高温での絶縁破壊電圧の高さが要求さ
れる場合がある。通常、これらの要求を満たすためには
ベースとなるポリプロピレンの立体規則性を向上させ
る。ところが立体規則性が高くても延伸フィルムの特性
が劣るなどの問題が生ずる場合があった。また、重合体
の立体規則性は通常、13C−NMRにおけるメソペンタ
ッド分率で規定することが多いが、この値が高く、かつ
同一であっても、フィルムとして評価した時の特性が異
なることが多く、どのようなポリプロピレンが、延伸フ
ィルムとしたときに優れているかどうかが明確でないと
いう問題点が存在していた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題を
解決して、延伸フィルムとした時優れた性能を示すポリ
プロピレンについて鋭意探索し、本発明を完成した。
【0005】即ち本発明は、結晶性のプロピレン単独重
合体からなり、2.16kg荷重、230℃のメルトフ
ローインデックスが0.1〜10g/10分であって、
沸騰n−ヘプタン不溶部の13C−NMRにおけるラセミ
ペンタッド分率が0.0005〜0.01であるポリプ
ロピレンある。
【0006】また本発明は、前記のポリプロピレンを少
なくとも一方に延伸してなるポリプロピレン延伸フィル
ムである。
【0007】
【発明の実施の形態】これまで立体規則性、特に13C−
NMRにおけるメソペンタッド分率が極めて高い重合体
であってもフィルムの延伸性や物性が同一ではない場合
があったが、これに対し本発明は、優れた延伸性や物性
を示すための条件について探索し、見いだされたもので
あり、メソペンタッド分率が高く、しかも沸騰n−ヘプ
タンで抽出されないラセミ連鎖の長い部分を有する、い
わゆるラセミ連鎖の長いブロックを有するポリプロピレ
ンに関するものである。すなわち、沸騰n−ヘプタン不
溶部にラセミのブロックを有するポリプロピレンである
ことが本発明の特徴である。
【0008】本発明のポリプロピレンをコンデンサー絶
縁フィルム用に使用する場合には、灰化法で測定した触
媒残査が40wtppm以下、塩素含量が2wtppm
以下であることが好ましく、このような、コンデンサー
絶縁フィルム用に使用するポリプロピレンについては例
えば特開平6−236709号公報などにその例が開示
されている。
【0009】本発明のポリプロピレンを得るためにはチ
タン、マグネシウム、ハロゲンおよび内部添加電子供与
性化合物を含む固体状チタン触媒成分と周期律表の第1
族、2族、3族から選ばれた金属を含む有機金属化合物
および外部添加電子供与性化合物よりなる重合触媒の存
在下にプロピレンを重合させて得たポリプロピレンを用
いるのが好ましい。
【0010】重合触媒としては、より具体的には、通常
工業的にポリプロピレンを製造するために用いられてい
る触媒が使用される。例えばハロゲン化マグネシウムな
どの担体上に三塩化チタンや四塩化チタンを担持したも
のと有機アルミニウム化合物が用いられる。その中でも
特に高活性でチタン成分のもともと少ない触媒を用いる
ことが好ましい。
【0011】中でもハロゲン化マグネシウム担体上に内
部添加電子供与性化合物としてC−OまたはC−N結合
を含有する化合物と、少なくとも1つのハロゲンを有す
る4価のチタン化合物を担持した遷移金属触媒成分、有
機アルミニウム化合物および外部添加電子供与性化合物
よりなる触媒が好ましい。
【0012】外部添加電子供与性化合物としては脂環族
炭化水素基を有するアルコキシシラン化合物が好ましく
例示されるが、その中でも特定の構造を持ったアルコキ
シシラン化合物が特に好ましい。
【0013】また、炭化水素溶剤に可溶な遷移金属触媒
とアルミノキサンからなる触媒では本願のポリプロピレ
ンは製造できないが、立体規則性が重合中に変化するよ
うなものを用いて重合することによっても本発明のポリ
プロピレンを得ることができる。
【0014】重合に際し、温度は常温〜150℃、圧力
は常圧〜100kg/cm2 で行うのが一般的である。
重合方法は溶媒重合法、塊状重合法、気相重合法など従
来の重合法が用いられるが、塊状重合法、気相重合法が
好ましい。
【0015】本発明におけるポリプロピレンは、特にコ
ンデンサー絶縁フィルム用に使用するポリプロピレン
は、触媒の単位量当たりのポリマーの取得量が低い場合
には後処理を行って触媒残査を除去する必要がある。ま
た、触媒の活性が高くてポリマーの取得量が多い場合で
も後処理を行って触媒残査を除去することが好ましい。
後処理方法としては、重合して得られたポリプロピレン
を液状のプロピレン、ブタン、ヘキサンあるいはヘプタ
ンなどで洗浄する。この時水、アルコール化合物、ケト
ン化合物、エーテル化合物、エステル化合物、アミン化
合物、有機酸化合物、無機酸化合物などを添加してチタ
ンやマグネシウムなどの触媒成分を可溶化して抽出され
易くすることも行われる。さらに水やアルコールなどの
極性化合物で洗浄することも好ましい。
【0016】さらに上記の重合方法で得られたポリプロ
ピレンを脱ハロゲン処理することにより、特に好ましい
本発明の組成物を得ることができる。
【0017】上記脱ハロゲン処理の中でも特にエポキシ
化合物を用いた脱ハロゲン処理が好ましい。ここでエポ
キシ化合物としては、エチレンオキサイド、プロピレン
オキサイド、ブテンオキサイド、シクロヘキセンオキサ
イドなどのアルキレンオキサイドやグリシジルアルコー
ル、グリシジル酸、グリシジルエステルなどが好ましく
用いられる。これらのエポキシ化合物を用いてポリマー
の脱塩素処理を行うときにはエポキシ化合物と等モル以
上のOH基を持った化合物を用いると非常に効果的であ
る。ここでOH基を持った化合物としては水、アルコー
ル化合物が挙げられる。
【0018】本発明におけるポリプロピレン中の灰分、
塩素の定量方法としては公知の方法が利用できる。
【0019】本発明においてポリプロピレンは結晶性の
プロピレン単独重合体からなり、2.16kg荷重、2
30℃のメルトフローインデックス(以下、MIと記
す。)が0.10〜10g/10分であって、沸騰n−
ヘプタン不溶部の13C−NMRにおけるラセミペンタッ
ド分率(以下、ラセミペンタッド分率と記す。)が0.
0005〜0.01、好ましくは0.001〜0.00
5であるという特性を有することが必要である。
【0020】上記沸騰n−ヘプタン不溶部とは、ポリプ
ロピレンを沸騰n−ヘプタンで24時間ソックスレー抽
出した後に残る部分を指す。
【0021】従来、重合体の13C−NMRにおけるメソ
ペンタッド分率(以下、メソペンタッド分率と記す。)
が同一であっても延伸性が不良であったり、延伸フィル
ムの絶縁破壊電圧が低く、フィルムの耐熱性の指標であ
る熱収縮率が大きいなど、物性が不良であることがあっ
たが、本発明のポリプロピレンではそのようなことがな
い。
【0022】本発明において、重合体の沸騰n−ヘプタ
ン不溶部のラセミペンタッド分率が0.0005を下回
る場合には延伸性が不良で、得られる延伸フィルムの物
性が不良になるので好ましくない。また、ラセミペンタ
ッド分率が0.010を上回る場合には延伸フィルムの
性状は良好であるが、絶縁破壊電圧が低くなったり、熱
収縮率が大きくなったりするので好ましくない。
【0023】実際に延伸フィルム用として用いるために
は、少量とはいえ成形時の熱分解に対する安定性、使用
時の安定性などのために例えば2,6−ジ−t−ブチル
−p−クレゾールのような安定剤を添加し、加熱溶融混
合してペレットとした後にフィルムに成形されるが、こ
の延伸フィルム用のポリプロピレンが特定の特性を有す
るかどうかが肝要である。
【0024】本発明におけるポリプロピレンを延伸フィ
ルム用に成形する方法としては特に制限はないが、通常
のポリプロピレンの延伸フィルムを製造する方法を用い
ることができる。
【0025】このような方法としては、例えば、まず2
0mmφの2層Tダイを用い、250℃で厚さ750μ
mあるいは550μmのシートを作成する。こうして得
られたシートを150℃で1分間予熱した後、150℃
で変形率200%/秒で縦方向に5倍、横方向に7倍逐
次延伸を行い、厚さ20μmあるいは15μmのフィル
ムを得るような方法が挙げられる。
【0026】上記の方法で得られた厚さ20μmのフィ
ルムは収縮率の測定に用い、厚さ15μmのフィルムは
絶縁破壊電圧の測定に用いた。
【0027】収縮率(%)は、2.5cm×10cmの
フィルム(10cmの方向が測定の方向である。)を1
50℃で15分間処理し、処理後の測定方向の長さをX
として、(10−X)/10×100を計算することに
より求めた。収縮率の測定はMD側・TD側それぞれに
ついて行った。収縮率の値はできる限り小さい方が良い
が、本発明においては、MD側で15%以下、TD側で
40%以下であることが好ましい。
【0028】絶縁破壊電圧(V/μm)の測定は23℃
および80℃においてJIS−2330に準拠して行っ
た。23℃で測定した絶縁破壊電圧の値は少なくとも6
00V/μmであることが好ましい。
【0029】
【実施例】以下に実施例を示し、さらに本発明を説明す
る。
【0030】実施例1 〔触媒の調製〕無水塩化マグネシウム300グラム、灯
油1.6リットル、2−エチルヘキシルアルコール1.
5リットルを140℃で3時間加熱して均一溶液とし
た。この溶液に無水フタル酸70グラムを添加し、13
0℃で1時間かくはんして溶解した後、室温まで冷却し
た。さらに上記の溶液を−20℃に冷却した四塩化チタ
ン8.5リットル中にゆっくり滴下した。滴下終了後1
10℃まで昇温し、フタル酸ジイソブチル215ミリリ
ットルを加え、さらに2時間かくはんした。熱時ろ過に
より固体を分離し、得られた固体を再度四塩化チタン1
0リットル中に懸濁させ、再び110℃で2時間かくは
んした。熱時ろ過により固体を分離し、得られた固体を
n−ヘプタンで、洗浄液にチタンが実質上検出されなく
なるまで洗浄した。得られた固体触媒成分はチタン2.
2wt%、フタル酸ジイソブチル11.0wt%を含有
していた。
【0031】〔重合〕内容積60リットルの予重合槽お
よび2基の内容積300リットルの主重合槽を備えた重
合機を用い、上記固体触媒成分および助触媒としてトリ
エチルアルミニウム、ジシクロペンチルジメトキシシラ
ンを使用し、連鎖移動剤として水素を用いてプロピレン
の塊状重合を行った。第2主重合槽における反応条件と
して、重合温度が71℃、トリエチルアルミニウムおよ
びジシクロペンチルジメトキシシランの系内の濃度がそ
れぞれ26.5、12.0ml/m3 、重合体のスラリ
ー濃度が37wt%、反応比率が32.6wt%、平均
滞留時間が0.87時間となるように設定し、予重合槽
および第1主重合槽における反応条件は第2主重合槽の
条件に見合うものとした。
【0032】重合後、生成物のプロピレンによる連洗処
理を行った後、コニカル乾燥機に導入して90℃、真空
下、窒素流量2m3 /hの条件下で5時間乾燥を行っ
た。
【0033】次いで生成物100キログラムに対し、純
水35.9グラムとプロピレンオキサイド0.63リッ
トルを添加して、90℃で2時間脱塩素処理を行った後
に90℃、真空下、窒素流量2m3 /hの条件下で2時
間乾燥を行い、生成ポリマーを取り出した。この重合で
固体触媒成分あたりの取得量は53.8kg−PP/g
−固体触媒成分であった。
【0034】生成ポリマーのメソペンタッド分率は0.
974であり、生成ポリマー中の沸騰n−ヘプタン不溶
部(以下、ヘプタン不溶部と記す。)のメソペンタッド
分率は0.985、ヘプタン不溶部のラセミペンタッド
分率は0.002であった。また、ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフで135℃の1,2,4−トリクロロ
ベンゼンを溶媒として測定した生成ポリマーの重量平均
分子量と数平均分子量の比(以下、Mw/Mnと記
す。)は6.7であった。
【0035】得られた上記ポリプロピレン100重量部
に対してカルシウムステアレート0.002重量部、イ
ルガノックス−1330(商品名、チバガイギー社)
0.2重量部を混合してから250℃でペレット化し
た。このポリプロピレンペレットのMIは2.7g/1
0分であり、ペレット中の灰分および塩素量を測定した
ところそれぞれ19wtppm、1wtppmであっ
た。
【0036】〔フィルムの評価〕次いでこのペレットを
用い、20mmφの2層Tダイにより、250℃で厚さ
750μmおよび550μmのシートを作成した。得ら
れたシートをTMロング社製二軸延伸機を用い、150
℃で1分間予熱した後、150℃で変形率200%/秒
で縦方向に5倍、横方向に7倍逐次延伸を行い、厚さ2
0μmおよび15μmのフィルムを得た。
【0037】上記の方法で得たフィルムの収縮率はMD
側で9%、TD側で30%であった。また、フィルムの
絶縁破壊電圧は23℃において728V/μmであり、
80℃において647V/μmであった。
【0038】実施例2 〔重合〕実施例1と同様の触媒を用い、ジシクロペンチ
ルジメトキシシランのかわりにジシクロヘキシルジメト
キシシランを用いる以外は実施例1と全く同様にした。
この重合で固体触媒成分あたりの取得量は60.5kg
−PP/g−固体触媒成分であった。
【0039】生成ポリマーのメソペンタッド分率は0.
974であり、生成ポリマー中のヘプタン不溶部のメソ
ペンタッド分率は0.986、ヘプタン不溶部のラセミ
ペンタッド分率は0.001であった。また、生成ポリ
マーのMw/Mnは6.1、ペレットのMIは4.3g
/10分であり、灰分および塩素量はそれぞれ12wt
ppm、1wtppm以下であった。
【0040】〔フィルムの評価〕実施例1と同様に評価
したところ、フィルムの収縮率はMD側で7%、TD側
で28%であった。また、フィルムの絶縁破壊電圧は2
3℃において659V/μmであり、80℃において5
62V/μmであった。
【0041】実施例3 〔重合〕実施例1と同様の触媒を用い、ジシクロペンチ
ルジメトキシシランのかわりにシクロヘキシルメチルジ
メトキシシランを用いる以外は実施例1と全く同様にし
た。この重合で固体触媒成分あたりの取得量は49.8
kg−PP/g−固体触媒成分であった。
【0042】生成ポリマーのメソペンタッド分率は0.
945であり、生成ポリマー中のヘプタン不溶部のメソ
ペンタッド分率は0.971、ヘプタン不溶部のラセミ
ペンタッド分率は0.005であった。また、生成ポリ
マーのMw/Mnは5.2、ペレットのMIは3.7g
/10分であり、灰分および塩素量はそれぞれ15wt
ppm、1wtppmであった。
【0043】〔フィルムの評価〕実施例1と同様に評価
したところ、フィルムの収縮率はMD側で10%、TD
側で32%であった。また、フィルムの絶縁破壊電圧は
23℃において639V/μmであり、80℃において
526V/μmであった。
【0044】比較例1 〔重合〕実施例1と同様の触媒を用い、ジシクロペンチ
ルジメトキシシランのかわりにフルオレニルトリメトキ
シシランを用いる以外は実施例1と全く同様にした。こ
の重合で固体触媒成分あたりの取得量は38.6kg−
PP/g−固体触媒成分であった。
【0045】生成ポリマーのメソペンタッド分率は0.
930であり、生成ポリマー中のヘプタン不溶部のメソ
ペンタッド分率は0.960、ヘプタン不溶部のラセミ
ペンタッド分率は0.011であった。また、生成ポリ
マーのMw/Mnは6.4、ペレットのMIは3.8g
/10分であり、灰分および塩素量はそれぞれ18wt
ppm、1wtppm以下であった。
【0046】〔フィルムの評価〕実施例1と同様に評価
したところ、フィルムの収縮率はMD側で13%、TD
側で35%であった。また、フィルムの絶縁破壊電圧は
23℃において520V/μmであり、80℃において
425V/μmであった。
【0047】比較例2 〔重合〕内容積2リットルのステンレス製オートクレー
ブを充分窒素置換した後、トルエン1リットルおよびメ
チルアルミノキサン(東ソーアクゾ社製、重合度16.
2)0.67グラムを装入した。次いで特開昭64−6
6124号公報に記載されている方法により合成したジ
メチルシリレンビス(2,4ージメチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド2.5ミリグラムのト
ルエン溶液を加えた。プロピレンガスを系内に導入し、
圧力3kg/cm2 ゲージ圧、20℃で2時間重合を行
った後、少量のメタノールを添加することにより重合を
停止した。得られた重合スラリーを濾過、乾燥してポリ
マーを取り出した。この重合でジルコニウム触媒成分あ
たりの取得量は42.0kg−PP/g−ジルコニウム
触媒成分であった。次いで実施例1と同様の条件で脱塩
素処理および乾燥を行い、生成ポリマーを取り出した。
【0048】生成ポリマーのメソペンタッド分率は0.
985であり、生成ポリマー中のヘプタン不溶部のメソ
ペンタッド分率は0.986、ヘプタン不溶部のラセミ
ペンタッド分率は0であった。また、生成ポリマーのM
w/Mnは2.5、ペレットのMIは2.7g/10分
であり、灰分および塩素量はそれぞれ20wtppm、
1wtppmであった。
【0049】〔フィルムの評価〕実施例1と同様に評価
したところ、フィルムの収縮率はMD側で10%、TD
側で28%であった。また、フィルムの絶縁破壊電圧
は、フィルムにむらがあるためか、ばらつきが多く、平
均値としては23℃において570V/μmであり、8
0℃において490V/μmと低いものであった。
【0050】
【発明の効果】本発明のポリプロピレン樹脂組成物は延
伸フィルムとして、特にコンデンサー絶縁フィルムに用
いた時、その物性が極めて良好であり、工業的に極めて
価値がある。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶性のプロピレン単独重合体からなり、
    2.16kg荷重、230℃のメルトフローインデック
    スが0.1〜10g/10分であって、沸騰n−ヘプタ
    ン不溶部の13C−NMRにおけるラセミペンタッド分率
    が0.0005〜0.01であるポリプロピレン。
  2. 【請求項2】請求項1記載のポリプロピレンを少なくと
    も一方に延伸してなるポリプロピレン延伸フィルム。
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