JP3973248B2 - コンデンサー絶縁フィルム - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は良好な物性を示す、ポリプロピレンを少なくとも一方に延伸してなるコンデンサー絶縁フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリプロピレンは優れた延伸特性を有することから均一な薄いフィルムとすることが可能であり、その優れた特性を生かして様々な分野で幅広く利用されている。また優れた電気特性を有することからコンデンサー絶縁フィルムに広く用いられている。コンデンサー絶縁フィルムとしての優れた特性を有するポリプロピレンとしては、立体規則性を向上させる(特開昭56−131921号公報)などの検討がなされ、優れた特性のものが提案されている。また成形性を考慮すると、単純にメソペンタッドが高いだけでなく、タクティシティーの低い部分の影響について考慮したものもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
延伸フィルムの用途によっては、フィルムの熱収縮率が小さいことを要求される場合がある。また、特にコンデンサー絶縁フィルムの分野においては、高温での絶縁破壊電圧の高さが要求される場合がある。通常、これらの要求を満たすためにはベースとなるポリプロピレンの立体規則性を向上させる。ところが立体規則性が高くても延伸フィルムの特性が劣るなどの問題が生ずる場合があった。また、重合体の立体規則性は通常、13C−NMRにおけるメソペンタッド分率で規定することが多いが、この値が高く、かつ同一であっても、フィルムとして評価した時の特性が異なることが多く、どのようなポリプロピレンが、延伸フィルムとしたときに優れているかどうかが明確でないという問題点が存在していた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記問題を解決して、コンデンサー絶縁フィルムとした時優れた性能を示すポリプロピレンについて鋭意探索し、本発明を完成した。
【0005】
即ち本発明は、結晶性のプロピレン単独重合体からなり、2.16kg荷重、230℃のメルトフローインデックスが0.1〜10g/10分であって、沸騰n−ヘプタン不溶部の13C−NMRにおけるラセミペンダット分率が0.0005〜0.01であり、かつ、灰化法で測定した触媒残渣が40wtppm以下、塩素含量が2wtppm以下であるポリプロピレンを、少なくとも一方に延伸してなるコンデンサー絶縁フィルムである。
【0007】
【発明の実施の形態】
これまで立体規則性、特に13C−NMRにおけるメソペンタッド分率が極めて高い重合体であってもフィルムの延伸性や物性が同一ではない場合があったが、これに対し本発明は、優れた延伸性や物性を示すための条件について探索し、見いだされたものであり、メソペンタッド分率が高く、しかも沸騰n−ヘプタンで抽出されないラセミ連鎖の長い部分を有する、いわゆるラセミ連鎖の長いブロックを有するポリプロピレンに関するものである。すなわち、沸騰n−ヘプタン不溶部にラセミのブロックを有するポリプロピレンであることが本発明の特徴である。
【0008】
本発明のポリプロピレンをコンデンサー絶縁フィルム用に使用する場合には、灰化法で測定した触媒残が40wtppm以下、塩素含量が2wtppm以下であることが好ましく、このような、コンデンサー絶縁フィルム用に使用するポリプロピレンについては例えば特開平6−236709号公報などにその例が開示されている。
【0009】
本発明のポリプロピレンを得るためにはチタン、マグネシウム、ハロゲンおよび内部添加電子供与性化合物を含む固体状チタン触媒成分と周期律表の第1族、2族、3族から選ばれた金属を含む有機金属化合物および外部添加電子供与性化合物よりなる重合触媒の存在下にプロピレンを重合させて得たポリプロピレンを用いるのが好ましい。
【0010】
重合触媒としては、より具体的には、通常工業的にポリプロピレンを製造するために用いられている触媒が使用される。例えばハロゲン化マグネシウムなどの担体上に三塩化チタンや四塩化チタンを担持したものと有機アルミニウム化合物が用いられる。その中でも特に高活性でチタン成分のもともと少ない触媒を用いることが好ましい。
【0011】
中でもハロゲン化マグネシウム担体上に内部添加電子供与性化合物としてC−OまたはC−N結合を含有する化合物と、少なくとも1つのハロゲンを有する4価のチタン化合物を担持した遷移金属触媒成分、有機アルミニウム化合物および外部添加電子供与性化合物よりなる触媒が好ましい。
【0012】
外部添加電子供与性化合物としては脂環族炭化水素基を有するアルコキシシラン化合物が好ましく例示されるが、その中でも特定の構造を持ったアルコキシシラン化合物が特に好ましい。
【0013】
また、炭化水素溶剤に可溶な遷移金属触媒とアルミノキサンからなる触媒では本願のポリプロピレンは製造できないが、立体規則性が重合中に変化するようなものを用いて重合することによっても本発明のポリプロピレンを得ることができる。
【0014】
重合に際し、温度は常温〜150℃、圧力は常圧〜100kg/cm2 で行うのが一般的である。重合方法は溶媒重合法、塊状重合法、気相重合法など従来の重合法が用いられるが、塊状重合法、気相重合法が好ましい。
【0015】
本発明におけるポリプロピレンは、特にコンデンサー絶縁フィルム用に使用するポリプロピレンは、触媒の単位量当たりのポリマーの取得量が低い場合には後処理を行って触媒残を除去する必要がある。また、触媒の活性が高くてポリマーの取得量が多い場合でも後処理を行って触媒残を除去することが好ましい。後処理方法としては、重合して得られたポリプロピレンを液状のプロピレン、ブタン、ヘキサンあるいはヘプタンなどで洗浄する。この時水、アルコール化合物、ケトン化合物、エーテル化合物、エステル化合物、アミン化合物、有機酸化合物、無機酸化合物などを添加してチタンやマグネシウムなどの触媒成分を可溶化して抽出され易くすることも行われる。さらに水やアルコールなどの極性化合物で洗浄することも好ましい。
【0016】
さらに上記の重合方法で得られたポリプロピレンを脱ハロゲン処理することにより、特に好ましい本発明の組成物を得ることができる。
【0017】
上記脱ハロゲン処理の中でも特にエポキシ化合物を用いた脱ハロゲン処理が好ましい。ここでエポキシ化合物としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブテンオキサイド、シクロヘキセンオキサイドなどのアルキレンオキサイドやグリシジルアルコール、グリシジル酸、グリシジルエステルなどが好ましく用いられる。これらのエポキシ化合物を用いてポリマーの脱塩素処理を行うときにはエポキシ化合物と等モル以上のOH基を持った化合物を用いると非常に効果的である。ここでOH基を持った化合物としては水、アルコール化合物が挙げられる。
【0018】
本発明におけるポリプロピレン中の灰分、塩素の定量方法としては公知の方法が利用できる。
【0019】
本発明においてポリプロピレンは結晶性のプロピレン単独重合体からなり、2.16kg荷重、230℃のメルトフローインデックス(以下、MIと記す。)が0.10〜10g/10分であって、沸騰n−ヘプタン不溶部の13C−NMRにおけるラセミペンタッド分率(以下、ラセミペンタッド分率と記す。)が0.0005〜0.01、好ましくは0.001〜0.005であるという特性を有することが必要である。
【0020】
上記沸騰n−ヘプタン不溶部とは、ポリプロピレンを沸騰n−ヘプタンで24時間ソックスレー抽出した後に残る部分を指す。
【0021】
従来、重合体の13C−NMRにおけるメソペンタッド分率(以下、メソペンタッド分率と記す。)が同一であっても延伸性が不良であったり、延伸フィルムの絶縁破壊電圧が低く、フィルムの耐熱性の指標である熱収縮率が大きいなど、物性が不良であることがあったが、本発明のポリプロピレンではそのようなことがない。
【0022】
本発明において、重合体の沸騰n−ヘプタン不溶部のラセミペンタッド分率が0.0005を下回る場合には延伸性が不良で、得られる延伸フィルムの物性が不良になるので好ましくない。また、ラセミペンタッド分率が0.010を上回る場合には延伸フィルムの性状は良好であるが、絶縁破壊電圧が低くなったり、熱収縮率が大きくなったりするので好ましくない。
【0023】
実際に延伸フィルム用として用いるためには、少量とはいえ成形時の熱分解に対する安定性、使用時の安定性などのために例えば2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールのような安定剤を添加し、加熱溶融混合してペレットとした後にフィルムに成形されるが、この延伸フィルム用のポリプロピレンが特定の特性を有するかどうかが肝要である。
【0024】
本発明におけるポリプロピレンを延伸フィルム用に成形する方法としては特に制限はないが、通常のポリプロピレンの延伸フィルムを製造する方法を用いることができる。
【0025】
このような方法としては、例えば、まず20mmφの2層Tダイを用い、250℃で厚さ750μmあるいは550μmのシートを作成する。こうして得られたシートを150℃で1分間予熱した後、150℃で変形率200%/秒で縦方向に5倍、横方向に7倍逐次延伸を行い、厚さ20μmあるいは15μmのフィルムを得るような方法が挙げられる。
【0026】
上記の方法で得られた厚さ20μmのフィルムは収縮率の測定に用い、厚さ15μmのフィルムは絶縁破壊電圧の測定に用いた。
【0027】
収縮率(%)は、2.5cm×10cmのフィルム(10cmの方向が測定の方向である。)を150℃で15分間処理し、処理後の測定方向の長さをXとして、(10−X)/10×100を計算することにより求めた。収縮率の測定はMD側・TD側それぞれについて行った。収縮率の値はできる限り小さい方が良いが、本発明においては、MD側で15%以下、TD側で40%以下であることが好ましい。
【0028】
絶縁破壊電圧(V/μm)の測定は23℃および80℃においてJIS−2330に準拠して行った。23℃で測定した絶縁破壊電圧の値は少なくとも600V/μmであることが好ましい。
【0029】
【実施例】
以下に実施例を示し、さらに本発明を説明する。
【0030】
実施例1
〔触媒の調製〕
無水塩化マグネシウム300グラム、灯油1.6リットル、2−エチルヘキシルアルコール1.5リットルを140℃で3時間加熱して均一溶液とした。この溶液に無水フタル酸70グラムを添加し、130℃で1時間かくはんして溶解した後、室温まで冷却した。さらに上記の溶液を−20℃に冷却した四塩化チタン8.5リットル中にゆっくり滴下した。滴下終了後110℃まで昇温し、フタル酸ジイソブチル215ミリリットルを加え、さらに2時間かくはんした。熱時ろ過により固体を分離し、得られた固体を再度四塩化チタン10リットル中に懸濁させ、再び110℃で2時間かくはんした。熱時ろ過により固体を分離し、得られた固体をn−ヘプタンで、洗浄液にチタンが実質上検出されなくなるまで洗浄した。得られた固体触媒成分はチタン2.2wt%、フタル酸ジイソブチル11.0wt%を含有していた。
【0031】
〔重合〕
内容積60リットルの予重合槽および2基の内容積300リットルの主重合槽を備えた重合機を用い、上記固体触媒成分および助触媒としてトリエチルアルミニウム、ジシクロペンチルジメトキシシランを使用し、連鎖移動剤として水素を用いてプロピレンの塊状重合を行った。第2主重合槽における反応条件として、重合温度が71℃、トリエチルアルミニウムおよびジシクロペンチルジメトキシシランの系内の濃度がそれぞれ26.5、12.0ml/m3 、重合体のスラリー濃度が37wt%、反応比率が32.6wt%、平均滞留時間が0.87時間となるように設定し、予重合槽および第1主重合槽における反応条件は第2主重合槽の条件に見合うものとした。
【0032】
重合後、生成物のプロピレンによる連洗処理を行った後、コニカル乾燥機に導入して90℃、真空下、窒素流量2m3 /hの条件下で5時間乾燥を行った。
【0033】
次いで生成物100キログラムに対し、純水35.9グラムとプロピレンオキサイド0.63リットルを添加して、90℃で2時間脱塩素処理を行った後に90℃、真空下、窒素流量2m3 /hの条件下で2時間乾燥を行い、生成ポリマーを取り出した。この重合で固体触媒成分あたりの取得量は53.8kg−PP/g−固体触媒成分であった。
【0034】
生成ポリマーのメソペンタッド分率は0.974であり、生成ポリマー中の沸騰n−ヘプタン不溶部(以下、ヘプタン不溶部と記す。)のメソペンタッド分率は0.985、ヘプタン不溶部のラセミペンタッド分率は0.002であった。また、ゲルパーミエーションクロマトグラフで135℃の1,2,4−トリクロロベンゼンを溶媒として測定した生成ポリマーの重量平均分子量と数平均分子量の比(以下、Mw/Mnと記す。)は6.7であった。
【0035】
得られた上記ポリプロピレン100重量部に対してカルシウムステアレート0.002重量部、イルガノックス−1330(商品名、チバガイギー社)0.2重量部を混合してから250℃でペレット化した。このポリプロピレンペレットのMIは2.7g/10分であり、ペレット中の灰分および塩素量を測定したところそれぞれ19wtppm、1wtppmであった。
【0036】
〔フィルムの評価〕
次いでこのペレットを用い、20mmφの2層Tダイにより、250℃で厚さ750μmおよび550μmのシートを作成した。得られたシートをTMロング社製二軸延伸機を用い、150℃で1分間予熱した後、150℃で変形率200%/秒で縦方向に5倍、横方向に7倍逐次延伸を行い、厚さ20μmおよび15μmのフィルムを得た。
【0037】
上記の方法で得たフィルムの収縮率はMD側で9%、TD側で30%であった。また、フィルムの絶縁破壊電圧は23℃において728V/μmであり、80℃において647V/μmであった。
【0038】
実施例2
〔重合〕
実施例1と同様の触媒を用い、ジシクロペンチルジメトキシシランのかわりにジシクロヘキシルジメトキシシランを用いる以外は実施例1と全く同様にした。この重合で固体触媒成分あたりの取得量は60.5kg−PP/g−固体触媒成分であった。
【0039】
生成ポリマーのメソペンタッド分率は0.974であり、生成ポリマー中のヘプタン不溶部のメソペンタッド分率は0.986、ヘプタン不溶部のラセミペンタッド分率は0.001であった。また、生成ポリマーのMw/Mnは6.1、ペレットのMIは4.3g/10分であり、灰分および塩素量はそれぞれ12wtppm、1wtppm以下であった。
【0040】
〔フィルムの評価〕
実施例1と同様に評価したところ、フィルムの収縮率はMD側で7%、TD側で28%であった。また、フィルムの絶縁破壊電圧は23℃において659V/μmであり、80℃において562V/μmであった。
【0041】
実施例3
〔重合〕
実施例1と同様の触媒を用い、ジシクロペンチルジメトキシシランのかわりにシクロヘキシルメチルジメトキシシランを用いる以外は実施例1と全く同様にした。この重合で固体触媒成分あたりの取得量は49.8kg−PP/g−固体触媒成分であった。
【0042】
生成ポリマーのメソペンタッド分率は0.945であり、生成ポリマー中のヘプタン不溶部のメソペンタッド分率は0.971、ヘプタン不溶部のラセミペンタッド分率は0.005であった。また、生成ポリマーのMw/Mnは5.2、ペレットのMIは3.7g/10分であり、灰分および塩素量はそれぞれ15wtppm、1wtppmであった。
【0043】
〔フィルムの評価〕
実施例1と同様に評価したところ、フィルムの収縮率はMD側で10%、TD側で32%であった。また、フィルムの絶縁破壊電圧は23℃において639V/μmであり、80℃において526V/μmであった。
【0044】
比較例1
〔重合〕
実施例1と同様の触媒を用い、ジシクロペンチルジメトキシシランのかわりにフルオレニルトリメトキシシランを用いる以外は実施例1と全く同様にした。この重合で固体触媒成分あたりの取得量は38.6kg−PP/g−固体触媒成分であった。
【0045】
生成ポリマーのメソペンタッド分率は0.930であり、生成ポリマー中のヘプタン不溶部のメソペンタッド分率は0.960、ヘプタン不溶部のラセミペンタッド分率は0.011であった。また、生成ポリマーのMw/Mnは6.4、ペレットのMIは3.8g/10分であり、灰分および塩素量はそれぞれ18wtppm、1wtppm以下であった。
【0046】
〔フィルムの評価〕
実施例1と同様に評価したところ、フィルムの収縮率はMD側で13%、TD側で35%であった。また、フィルムの絶縁破壊電圧は23℃において520V/μmであり、80℃において425V/μmであった。
【0047】
比較例2
〔重合〕
内容積2リットルのステンレス製オートクレーブを充分窒素置換した後、トルエン1リットルおよびメチルアルミノキサン(東ソーアクゾ社製、重合度16.2)0.67グラムを装入した。次いで特開昭64−66124号公報に記載されている方法により合成したジメチルシリレンビス(2,4ージメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド2.5ミリグラムのトルエン溶液を加えた。プロピレンガスを系内に導入し、圧力3kg/cm2 ゲージ圧、20℃で2時間重合を行った後、少量のメタノールを添加することにより重合を停止した。得られた重合スラリーを濾過、乾燥してポリマーを取り出した。この重合でジルコニウム触媒成分あたりの取得量は42.0kg−PP/g−ジルコニウム触媒成分であった。次いで実施例1と同様の条件で脱塩素処理および乾燥を行い、生成ポリマーを取り出した。
【0048】
生成ポリマーのメソペンタッド分率は0.985であり、生成ポリマー中のヘプタン不溶部のメソペンタッド分率は0.986、ヘプタン不溶部のラセミペンタッド分率は0であった。また、生成ポリマーのMw/Mnは2.5、ペレットのMIは2.7g/10分であり、灰分および塩素量はそれぞれ20wtppm、1wtppmであった。
【0049】
〔フィルムの評価〕
実施例1と同様に評価したところ、フィルムの収縮率はMD側で10%、TD側で28%であった。また、フィルムの絶縁破壊電圧は、フィルムにむらがあるためか、ばらつきが多く、平均値としては23℃において570V/μmであり、80℃において490V/μmと低いものであった。
【0050】
【発明の効果】
本発明のポリプロピレン樹脂組成物は延伸フィルムとして、特にコンデンサー絶縁フィルムに用いた時、その物性が極めて良好であり、工業的に極めて価値がある。

Claims (1)

  1. 結晶性のプロピレン単独重合体からなり、2.16kg荷重、230℃のメルトフローインデックスが0.1〜10g/10分であって、沸騰n−ヘプタン不溶部の13C−NMRにおけるラセミペンダット分率が0.0005〜0.01であり、かつ、灰化法で測定した触媒残渣が40wtppm以下、塩素含量が2wtppm以下であるポリプロピレンを、少なくとも一方に延伸してなるコンデンサー絶縁フィルム
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