JP2883642B2 - 新規なポリプロピレンの繊維 - Google Patents
新規なポリプロピレンの繊維Info
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- JP2883642B2 JP2883642B2 JP21740489A JP21740489A JP2883642B2 JP 2883642 B2 JP2883642 B2 JP 2883642B2 JP 21740489 A JP21740489 A JP 21740489A JP 21740489 A JP21740489 A JP 21740489A JP 2883642 B2 JP2883642 B2 JP 2883642B2
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- polypropylene
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- polypropylene fiber
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- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規なポリプロピレンの繊維に関する。詳
しくは、シンジオタクティシティーの高いポリプロピレ
ンの繊維に関する。
しくは、シンジオタクティシティーの高いポリプロピレ
ンの繊維に関する。
シンジオタクチックポリプロピレンについては古くよ
りその存在は知られていたが、従来のバナジウム化合物
とエーテルおよび有機アルミニウムからなる触媒で低温
重合する方法はシンジオタクティシティーが悪く、エラ
ストマー的な特性を有すると言われていたがそれが本来
的にシンジオタクチックなポリプロピレンの特徴を表し
ているとは言い難かった。これに対して、J.A.EWENらに
より非対称な配位子を有する遷移金属触媒とアルミノキ
サンからなる触媒によってシンジオタクチックペンタッ
ド分率が0.7を越えるようなタクティシティーの良好な
ポリプロピレンを得られることが初めて発見された(J.
Am.Chem.Soc.,1988,110,6255−6256)。
りその存在は知られていたが、従来のバナジウム化合物
とエーテルおよび有機アルミニウムからなる触媒で低温
重合する方法はシンジオタクティシティーが悪く、エラ
ストマー的な特性を有すると言われていたがそれが本来
的にシンジオタクチックなポリプロピレンの特徴を表し
ているとは言い難かった。これに対して、J.A.EWENらに
より非対称な配位子を有する遷移金属触媒とアルミノキ
サンからなる触媒によってシンジオタクチックペンタッ
ド分率が0.7を越えるようなタクティシティーの良好な
ポリプロピレンを得られることが初めて発見された(J.
Am.Chem.Soc.,1988,110,6255−6256)。
一方、アイソタクチックポリプロピレンの大きな用途
の一つに繊維があり、物性が比較的良好で耐薬品性など
の良好な繊維として利用されているが物性がやや劣ると
いう問題がありさらに物性の良好なポリオレフィンの繊
維が望まれていた。
の一つに繊維があり、物性が比較的良好で耐薬品性など
の良好な繊維として利用されているが物性がやや劣ると
いう問題がありさらに物性の良好なポリオレフィンの繊
維が望まれていた。
〔課題を解決するための手段〕 本発明者らは上記問題を解決して物性の良好なポリオ
レフィンの繊維について鋭意探索したところ、シンジオ
タクティシティーの高いポリプロピレンが繊維用として
好適であることを見出し本発明を完成した。
レフィンの繊維について鋭意探索したところ、シンジオ
タクティシティーの高いポリプロピレンが繊維用として
好適であることを見出し本発明を完成した。
即ち本発明は、シンジオタクチックペンタッド分率が
0.7以上のポリプロピレンを押出成形してなるか、更に
延伸してなる平均太さが10000〜0.1デニールであるポリ
プロピレン繊維である。
0.7以上のポリプロピレンを押出成形してなるか、更に
延伸してなる平均太さが10000〜0.1デニールであるポリ
プロピレン繊維である。
本発明においてシンジオタクチックポリプロピレンを
製造するに用いる触媒としては、上記文献に記載された
化合物が例示できるが、異なる構造の触媒であっても、
シンジオタクチックペンタッド分率が0.7以上のポリプ
ロピレンを製造することができるものであれば利用でき
る。
製造するに用いる触媒としては、上記文献に記載された
化合物が例示できるが、異なる構造の触媒であっても、
シンジオタクチックペンタッド分率が0.7以上のポリプ
ロピレンを製造することができるものであれば利用でき
る。
非対称な配位子を有する遷移金属触媒としては上記文
献に記載されたイソプロピル(シクロペンタジエニル−
1−フルオレニル)ハフニウムジクロリド、あるいはイ
ソプロピル(シクロペンタジエニル−1−フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリドなどが例示され、またアル
ミノキサンとしては、一般式、 (式中Rは炭素数1〜3の炭化水素残基。)で表される
化合物が例示でき特にRがメチル基であるメチルアルミ
ノキサンでnが5以上好ましくは10以上のものが好まし
く利用される。上記遷移金属触媒に対するアルミノキサ
ンの使用割合としては10〜1000000モル倍、通常50〜500
0モル倍である。また重合条件については特に制限はな
く不活性媒体を用いる溶媒重合法、或いは実質的に不活
性媒体の存在しない塊状重合法、気相重合法も利用でき
る。重合温度としては−100〜200℃、重合圧力としては
常圧〜100kg/cm2−Gで行うのが一般的である。好まし
くは−100〜100℃、常圧〜50kg/cm2である。
献に記載されたイソプロピル(シクロペンタジエニル−
1−フルオレニル)ハフニウムジクロリド、あるいはイ
ソプロピル(シクロペンタジエニル−1−フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリドなどが例示され、またアル
ミノキサンとしては、一般式、 (式中Rは炭素数1〜3の炭化水素残基。)で表される
化合物が例示でき特にRがメチル基であるメチルアルミ
ノキサンでnが5以上好ましくは10以上のものが好まし
く利用される。上記遷移金属触媒に対するアルミノキサ
ンの使用割合としては10〜1000000モル倍、通常50〜500
0モル倍である。また重合条件については特に制限はな
く不活性媒体を用いる溶媒重合法、或いは実質的に不活
性媒体の存在しない塊状重合法、気相重合法も利用でき
る。重合温度としては−100〜200℃、重合圧力としては
常圧〜100kg/cm2−Gで行うのが一般的である。好まし
くは−100〜100℃、常圧〜50kg/cm2である。
こうして合成された重合体は通常、分子量分布が狭く
繊維用として好適である。好ましい分子量としては、13
5℃テトラリン溶液で測定した極限粘度として0.5〜3.0d
l/g程度であるのが一般的である。またタクティシティ
ーとしてはシンジオタクチックペンタッド分率として0.
7以上好ましくは0.8以上である。0.7より小さいもので
は、結晶性のポリプロピレンとしての特性が充分でなく
物性が不良であり好ましくない。
繊維用として好適である。好ましい分子量としては、13
5℃テトラリン溶液で測定した極限粘度として0.5〜3.0d
l/g程度であるのが一般的である。またタクティシティ
ーとしてはシンジオタクチックペンタッド分率として0.
7以上好ましくは0.8以上である。0.7より小さいもので
は、結晶性のポリプロピレンとしての特性が充分でなく
物性が不良であり好ましくない。
本発明の繊維は、上記方法で合成されたシンジオタク
チックポリプロピレンに酸化防止剤などの添加剤を加え
必要に応じ造粒した後、押出成形することで繊維状にす
ることで製造される。繊維状にする方法としては特に制
限はなく、通常の押出機に繊維化するための所望の数の
所望の径のダイを設けた装置を用いれば充分である。こ
の際、シンジオタクチックポリプロピレンは比較的結晶
化速度が遅いことから、造核剤の利用、あるいは、押し
出された繊維の冷却に工夫をすることはより好ましい。
チックポリプロピレンに酸化防止剤などの添加剤を加え
必要に応じ造粒した後、押出成形することで繊維状にす
ることで製造される。繊維状にする方法としては特に制
限はなく、通常の押出機に繊維化するための所望の数の
所望の径のダイを設けた装置を用いれば充分である。こ
の際、シンジオタクチックポリプロピレンは比較的結晶
化速度が遅いことから、造核剤の利用、あるいは、押し
出された繊維の冷却に工夫をすることはより好ましい。
こうして成形された繊維はついで必要に応じさらに延
伸処理される、延伸の際の条件についても特に制限はな
いが、アイソタクチックポリプロピレンに比較して比較
的低温で行う方が延伸が簡単であり、また場合によって
は、比較的低温で少し延伸しついで温度を上げてさらに
延伸するなどの工夫をすることもできる。
伸処理される、延伸の際の条件についても特に制限はな
いが、アイソタクチックポリプロピレンに比較して比較
的低温で行う方が延伸が簡単であり、また場合によって
は、比較的低温で少し延伸しついで温度を上げてさらに
延伸するなどの工夫をすることもできる。
以下に実施例を示しさらに本発明を説明する。
実施例1 常法にしたがって合成したイソプロピルシクロペンタ
ジエニル−1−フルオレンをリチウム化し、四塩化ジル
コニウムと反応し再結晶することで得たイソプロピル
(シクロペンタジエニル−1−フルオレニル)ジルコニ
ウムジクロリド0.2gと東洋アイゾ(株)製メチルアルミ
ノキサン(重合度16.1)30gを用い、内容積200lのオー
トクレーブで重合圧力3kg/cm2−G、20℃で2時間重合
し、ついでメタノールとアセト酢酸メチルで脱灰処理し
塩酸水溶液で洗浄し、ついで濾過して5.6kgのシンジオ
タクチックポリプロピレンを得た。このポリプロピレン
は13C−NMRによればシンジオタクチックペンタッド分率
は0.935であり、135℃テトラリン溶液で測定した極限粘
度は1.45dl/g、1,2,4−トリクロロベンゼンで測定したM
W/MNは2.2であった。このポリプロピレンにステアリン
酸カルシウムと2,6−ジ−t−ブチルフェノールをそれ
ぞれ10/10000と、10/10000のタルクを加え造粒した後、
40mmの押出機で14本穴のダイで温度220℃、スクリュー
回転数64rpmで紡糸した。得られた繊維の太さは370D/14
本であり引張試験をしたところ最高強度は480g、伸びは
150%であった。また60℃で2倍に延伸したものの最高
強度は560g、伸びは40%であった。
ジエニル−1−フルオレンをリチウム化し、四塩化ジル
コニウムと反応し再結晶することで得たイソプロピル
(シクロペンタジエニル−1−フルオレニル)ジルコニ
ウムジクロリド0.2gと東洋アイゾ(株)製メチルアルミ
ノキサン(重合度16.1)30gを用い、内容積200lのオー
トクレーブで重合圧力3kg/cm2−G、20℃で2時間重合
し、ついでメタノールとアセト酢酸メチルで脱灰処理し
塩酸水溶液で洗浄し、ついで濾過して5.6kgのシンジオ
タクチックポリプロピレンを得た。このポリプロピレン
は13C−NMRによればシンジオタクチックペンタッド分率
は0.935であり、135℃テトラリン溶液で測定した極限粘
度は1.45dl/g、1,2,4−トリクロロベンゼンで測定したM
W/MNは2.2であった。このポリプロピレンにステアリン
酸カルシウムと2,6−ジ−t−ブチルフェノールをそれ
ぞれ10/10000と、10/10000のタルクを加え造粒した後、
40mmの押出機で14本穴のダイで温度220℃、スクリュー
回転数64rpmで紡糸した。得られた繊維の太さは370D/14
本であり引張試験をしたところ最高強度は480g、伸びは
150%であった。また60℃で2倍に延伸したものの最高
強度は560g、伸びは40%であった。
比較例1 13C−NMRによるアイソタクチックペンタッド分率は0.
980であり、135℃テトラリン溶液で測定した極限粘度は
1.52dl/g、1,2,4−トリクロロベンゼンで測定したMW/MN
は4.8である、通常のアイソタクチックポリプロピレン
を用いた他は実施例1と同様にした。延伸前の繊維の最
高強度は380gであり伸びは520%、2倍延伸したものは
最高強度は450gであり伸びは120%であった。実施例の
繊維は比較例に比較して強度に優れる。
980であり、135℃テトラリン溶液で測定した極限粘度は
1.52dl/g、1,2,4−トリクロロベンゼンで測定したMW/MN
は4.8である、通常のアイソタクチックポリプロピレン
を用いた他は実施例1と同様にした。延伸前の繊維の最
高強度は380gであり伸びは520%、2倍延伸したものは
最高強度は450gであり伸びは120%であった。実施例の
繊維は比較例に比較して強度に優れる。
実施例2 実施例1のシンジオタクチックポリプロピレン85重量
部に対し、比較例1のアイソタクチックポリプロピレン
15重量部を混合して同様に紡糸した。延伸前の繊維の最
高強度は420gであり伸びは140%、2倍延伸したものは
最高強度は490gであり伸びは41%であった。
部に対し、比較例1のアイソタクチックポリプロピレン
15重量部を混合して同様に紡糸した。延伸前の繊維の最
高強度は420gであり伸びは140%、2倍延伸したものは
最高強度は490gであり伸びは41%であった。
〔発明の効果〕 本発明の繊維は強度に優れ工業的に極めて価値があ
る。
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福島 学 神奈川県横浜市金沢区六浦町841 審査官 澤村 茂実 (56)参考文献 特開 平2−274704(JP,A) 特開 平2−41303(JP,A) 特開 昭54−131671(JP,A) J.Am.Chem.Soc.1988, 110,5255−6256 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D01F 6/04 - 6/06 C08F 10/00 - 10/06
Claims (1)
- 【請求項1】シンジオタクチックペンタッド分率が0.7
以上のポリプロピレンを押出成形してなるか、更に延伸
してなる平均太さが10000〜0.1デニールであるポリプロ
ピレン繊維。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21740489A JP2883642B2 (ja) | 1989-08-25 | 1989-08-25 | 新規なポリプロピレンの繊維 |
DE69029620T DE69029620T2 (de) | 1989-08-25 | 1990-08-08 | Neue Polypropylen-Faser und Verfahren zur Herstellung |
EP90115212A EP0414047B1 (en) | 1989-08-25 | 1990-08-08 | A novel polypropylene fiber and a preparation process thereof |
US08/015,056 US5478646A (en) | 1989-08-25 | 1993-02-08 | Polypropylene fiber and a preparation process thereof |
US08/518,816 US5624621A (en) | 1989-08-25 | 1995-08-24 | Process of making polyprophylene fibers |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21740489A JP2883642B2 (ja) | 1989-08-25 | 1989-08-25 | 新規なポリプロピレンの繊維 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0382814A JPH0382814A (ja) | 1991-04-08 |
JP2883642B2 true JP2883642B2 (ja) | 1999-04-19 |
Family
ID=16703662
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21740489A Expired - Fee Related JP2883642B2 (ja) | 1989-08-25 | 1989-08-25 | 新規なポリプロピレンの繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2883642B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4858500B2 (ja) * | 2008-07-02 | 2012-01-18 | トヨタ自動車株式会社 | エンジンの潤滑装置 |
-
1989
- 1989-08-25 JP JP21740489A patent/JP2883642B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
J.Am.Chem.Soc.1988,110,5255−6256 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0382814A (ja) | 1991-04-08 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |