JP3617541B2 - ポリプロピレンフィルムの成形方法 - Google Patents

ポリプロピレンフィルムの成形方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はポリプロピレン延伸フィルムの成形方法に関し、詳しくはシンジオタクチックポリプロピレとアイソタクチックポリプロピレンとからなるポリプロピレン樹脂組成物を用いることによる延伸性の良好なポリプロピレンフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般にポリプロピレン延伸フィルムは、安価で透明性や機械的物性(剛性、耐衝撃性)に優れているため各種の包装用材料、電気材料、射出成形材料に用いられており、近年その需要は急速に高まっており研究、開発が進んでいる。
【0003】
一方、従来のシンジオタクチックポリプロピレンは、ペンタッド分率が、0.5程度のタクティシティーのものしか得ることができずまた大量に生産することもできなかった。しかしながら近年J.A.Ewenらにより非対称な配位子を有する遷移金属化合物とアルミノキサンからなる触媒によってシンジオタクチックペンタッド分率が0.7を越えるようなタクティシティーの高いポリプロピレンを得られることが発見された(J.Am.Chem.Soc.,1988,110,6255−6256)。また、シンジオタクチックポリプロピレンは従来のアイソタクチックポリプロピレンに比べ極めて透明性及び表面光沢が高くまた柔軟性にも優れるため透明・軟質なフィルムとしての用途が期待されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来ポリプロピレン延伸フィルムを得る場合、バッチ式延伸法、テンター法による連続延伸法、チューブラーフィルム法による連続延伸法などがよく知られている。このような方法によって実質的にシンジオタクチック構造を有するポリプロピレンを用いて延伸フィルムを製造する場合、延伸性が悪いために、得られる延伸フィルムの延伸倍率は、アイソタクチックポリプロピレンから得られるフィルムに比べ、極めて低いものしか得られなかった。またその原反シートを成形加工する際の操作性の悪さ(シートの軟質性、べとつきに起因する巻き取りロールへのフィルムの粘着や、巻き取られたフィルムどうしのブロッキング)などのために実用的な加工性に問題があった。
【0005】
一方、アイソタクチックポリプロピレンを用い、例えばバッチ式延伸法でフィルムを得る場合、未延伸のシートを、ある程度予熱してから延伸するわけだが、その延伸温度つまり予熱温度がポリプロピレンの融点近くまたは融点以上の場合、原反シートの溶融だれが生じ延伸できないことがあった。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決したポリプロピレン延伸フィルムの成形加工法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を行った結果、13C−NMRで測定した約20ppmに観測されるピーク強度が全プロピレン単位のメチル基に帰属されるピーク強度の0.5以上であるシンジオタクチックポリプロピレンに13C−NMRで測定した約22ppmに観測されるピーク強度が全プロピレン単位のメチル基に帰属されるピーク強度の0.9以上であるアイソタクチックポリプロピレンを添加することによりシンジオタクチックポリプロピレンの延伸倍率を改良し、またアイソタクチックポリプロピレンにシンジオタクチックポリプロピレンを添加することにより、延伸温度幅が広げられることを見いだし本発明を完成するに至ったものである。
【0008】
すなわち本発明は、13C−NMRで測定した約20ppmに観測されるピーク強度が全プロピレン単位のメチル基に帰属されるピーク強度の0.5以上であるシンジオタクチックポリプロピレン1〜99重量部、及び13C−NMRで測定した約22ppmに観測されるピーク強度が全プロピレン単位のメチル基に帰属されるピーク強度の0.9以上であるアイソタクチックポリプロピレン99〜1重量部とからなるポリプロピレン樹脂組成物を少なくとも一軸に延伸することを特徴とするポリプロピレンフィルムの成形方法である。
【0009】
本発明における、13C−NMRで測定した約20ppmに観測されるピーク強度が全プロピレン単位のメチル基に帰属されるピーク強度(以下、シンジオタクチックペンタッド分率と記す。)の0.5以上であるシンジオタクチックポリプロピレンとは、プロピレン単独重合体またはプロピレンとエチレンおよび/またはα−オレフィンとの共重合体からなる実質的にシンジオタクチックポリプロピレン(以下、単にシンジオタクチックポリプロピレンと記す。)であれば良く、その製造方法としては、例えば、特開平3−179006号、特開平4−69394号公報に記載されているような互いに非対称な配位子を有する架橋型遷移金属化合物及び助触媒からなるような触媒を挙げることができるが、異なる構造の触媒であってもシンジオタクチックペンタッド分率が0.5以上のポリプロピレンを製造できるものであれば利用でき、その重合方法も特に限定することなく、不活性溶媒を用いる溶媒重合法、あるいは実質的に不活性溶媒の存在しない塊状重合法、気相重合法も好ましく利用できる。
【0010】
本発明において、シンジオタクチックポリプロピレンのシンジオタクチックペンタッド分率は0.5以上であることが必要であり、好ましくは0.6以上、更に好ましくは0.7以上である。シンジオタクチックペンタッド分率が0.5より小さいシンジオタクチックポリプロピレンを用いるとアイソタクチックポリプロピレンとシンジオタクチックポリプロピレンのブレンド比にもよるが、タクティシティーの低下による成形加工性の悪化、例えば、シートの軟質性、べとつきに起因する巻き取りロールへのフィルムの粘着や巻き取られたフィルムどうしのブロッキングが生じ好ましくない。
【0011】
また、シンジオタクチックポリプロピレンにおいて、プロピレンと共重合することができるα−オレフィンとしては、シンジオタクチックペンタッド分率が0.5以上である限りプロピレン以外のモノマー、例えばエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−デセン、1−ヘキサデセン、シクロペンテン、ノルボルネン等のオレフィン類や、ヘキサジエン、オクタジエン、デカジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン2−ノルボルネン等のジエン類を少量含有する共重合体であっても差し支えない。そのような共重合体は、前記のシンジオタクティシティーの良好なポリα−オレフィンを与える公知の触媒の存在下にプロピレンと少量のコモノマーを共重合することによって得ることができる。このようにして得られるシンジオタクチックポリプロピレンは、135℃のテトラリン溶液中で測定される極限粘度数(以下、〔η〕と記す。)として0.1〜10dl/g、好ましくは0.5〜5.0dl/g、更に好ましくは1.0〜4.0dl/gの範囲にあるものが好ましく利用できる。
【0012】
本発明において、13C−NMRで測定した約22ppmに観測されるピーク強度が全プロピレン単位のメチル基に帰属されるピーク強度(以下、アイソタクチックペンタッド分率と記す。)の0.9以上であるアイソタクチックポリプロピレン(以下、単にアイソタクチックポリプロピレンと記す。)とは、プロピレンの単独重合体またはプロピレンとエチレンおよび/またはα−オレフィンの共重合体が挙げられ、例えば、市場で入手できるような公知のプロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、及び結晶性エチレン−プロピレンランダム共重合体などが挙げられ、アイソタクチックペンタッド分率が0.9以上である限り使用できる。
【0013】
また、その他に例えば、特開昭61−130314号公報に示されているようなエチレン−ビス−(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)−ジルコニウムジクロライドとメチルアルミノキサンからなる触媒や、特開平3−12406号公報に示されているようなジメチルシリルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドとアルミノキサンとからなる触媒、所謂メタロセン化合物を主成分とする触媒を用いて製造されるアイソタクチックポリプロピレンも利用できる。
【0014】
本発明において使用されるアイソタクチックポリプロピレンの〔η〕としては、0.1〜10dl/g、好ましくは0.5〜5.0dl/g、更に好ましくは1.0〜4.0dl/gの範囲にあるものが好ましく利用できる。
【0015】
本発明に用いられるポリプロピレン樹脂組成物とは、上述のシンジオタクチックポリプロピレンとアイソタクチッククポリプロピレンとの混合物であり、該組成物100重量部中のアイソタクチッククポリプロピレンの含有量は、99〜1重量部であり、好ましくは60〜10重量部、更に好ましくは85〜35重量部である。アイソタクチッククポリプロピレンの含有量が99重量部を越えると延伸温度の幅を広げることが困難となる。このことは、アイソタクチックポリプロピレンより融点の低いシンジオタクチックポリプロピレンを添加することにより、延伸の温度幅が広がる、つまり溶融張力が向上するということではあるが、そのメカニズムは正確には不明である。また、1重量部に満たないと成形加工性の改良効果が得られない。
【0016】
このようにシンジオタクチックポリプロピレンとアイソタクチックポリプロピレンとの構成によりなるポリプロピレン樹脂組成物は、必要に応じて公知の添加剤、例えばブロッキング防止剤、滑剤、結晶核剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、耐侯安定剤、耐放射線剤、顔料、染料などをヘンシェルミキサー等の混合機により混合した後、押出機にて溶融混練、造粒する方法、あるいはロール、バンパリミキサー、加圧ニーダー、ブラベンダー等により溶融混練する方法等により製造できる。またシンジオタクチックポリプロピレン及びアイソタクチックポリプロピレンをそれぞれ個別に、押出機等により造粒し、フィルムを加工する際、または原反シートを加工する際にそれらのペレットをブレンドして用いても良い。
【0017】
ここで言う原反シートとはバッチ式二軸延伸機を用いる場合に使用される延伸処理の施されていない厚手のフィルムのことであり、一般に上記ポリプロピレン樹脂組成物を溶融押出して得ることができる。
【0018】
本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、その成形加工性が損なわれない限り、必要に応じてエチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム、エチレン−ブテンゴム、プロピレン−ブテンゴム、スチレン−ブタジエンジブロック共重合体の水素添加物、スチレン−ブタジエンランダム共重合体の水素添加物、スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体の水素添加物、スチレン−イソプレンジブロック共重合体の水素添加物、スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体の水素添加物、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリブテン等の樹脂やエラストマーなどを添加しても差し支えない。
【0019】
本発明におけるポリプロピレンフィルムの成形方法は、ポリプロピレン樹脂組成物を200〜300℃の範囲で溶融押出して得られた原反シートを少なくとも一軸に延伸することで得ることができる。延伸フィルムを得る場合、下記に示すような条件に限定はされないが、一軸延伸では、上記原反シートをバッチ式二軸延伸機を用いて100〜160℃の温度で4〜10倍に機械方向に延伸することにより得ることができる。また二軸延伸では、一軸延伸によって得られたフィルムを、更に一軸延伸と同様な条件で機械方向とは直角に、逐次延伸することや機械方向及び機械方向とは直角な方向への延伸を同時に行う同時二軸延伸を行うことによって得ることができる。
【0020】
また、工業的には、チューブラーフィルム法(押出機より押し出された溶融ポリマーをチューブのまま両軸に同時延伸する方法)または、テンター法(押出機より押し出された溶融ポリマーを冷却ロールで冷却固化し、複数の予熱ロールおよび複数の縦延伸ロールで縦方向に延伸し、引き続き横方向延伸装置(テンター)内にフィルムを導入して横方向に延伸する連続二軸延伸方法)を用いてフィルムを得ることができる。このように延伸して得られるフィルムの厚みは、その用途に応じて任意に決められ特に限定はされないが、通常4〜200μmであり、好ましくは8〜100μmの範囲である。ここで言う機械方向とは原反シートを作成する際に押し出される樹脂の流れと平行な方向を意味する。
【0021】
【実施例】
以下に実施例を示し本発明を詳細に説明する。
尚、以下の実施例における成形加工性の測定は下記の方法により行った。
・最高延伸倍率:T.M.LONG社製のバッチ式二軸延伸機を用いて、下記条件のもと延伸倍率と延伸温度を変えて同時延伸を行い最高延伸倍率を求めた。
測定条件
1.延伸速度:15cm/sec
2.予熱時間:15sec
3.延伸温度:100℃より5℃刻みで170℃まで温度を変化させた。
4.延伸倍率:機械方向及び機械方向に直角な方向の延伸倍率を等しくし、延伸倍率は、2.0倍から7.0倍まで0.5刻みで変化させた。
5.原反シート:使用した原反シートの大きさは6cm×6cm、厚みは500μmとした。
・HAZE:ASTM D1003に準拠した。ただしHAZEは、フィルムの延伸倍率に左右され、基本的には延伸条件が同一でない場合は比較の対象とはならない。当然のことながら延伸倍率の高いフィルムの方が透明性は良くなる。
・延伸可能温度幅:同時延伸において機械方向及び機械方向に直角な方向の延伸倍率を7倍として、延伸が可能な温度範囲を求めた。
【0022】
実施例1
〔シンジオタクチックポリプロピレンの製造〕
特開平2−274703号公報に記載のジフェニルメチレン(9−フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドとメチルアルミノキサンからなる触媒を用い、液状プロピレンを媒体とする塊状重合法において水素の存在下に70℃で1時間重合して〔η〕が1.52dl/g、GPCで測定した分子量分布(Mw/Mn)が2.6、13C−NMRによって測定されるシンジオタクチックペンタッド分率が0.81であるシンジオタクチックプロピレン単独重合体を得た。
【0023】
〔フィルムの製造〕
上記で得たシンジオタクチックプロピレン単独重合体80重量部に対しアイソタクチックプロピレン単独重合体(三井東圧化学社製:STFL;〔η〕1.65dl/g、アイソタクチックペンタッド分率0.92)20重量部、酸化防止剤としてBHTを0.08重量部、塩酸補足剤としてステアリン酸カルシウムを0.02重量部添加し、ヘンシェルミキサーで予備混合した後、樹脂温度が200℃以下となる条件でペレット化してポリプロピレン樹脂組成物を得た。
次に、該組成物を40mmφ下向きT−Die押出機を用いて樹脂温度が200℃以下となる条件下で溶融押出して厚さ500μmの延伸用原反シートを得た。このようにして得られた原反シートをバッチ式二軸延伸機を用い、延伸温度100℃から5℃刻みで変化させながら最高延伸倍率を測定した。結果を(表1)に示す。
【0024】
実施例2
アイソタクチックプロピレン単独重合体に代えてアイソタクチックエチレン−プロピレンランダム共重合体(三井東圧化学社製:MFL(4.9);〔η〕1.50dl/g、エチレン含有量4.9wt%)を用いた以外は実施例1と同様に行った。結果を(表1)に示す。
【0025】
実施例3
〔シンジオタクチックポリプロピレンの製造〕
実施例1と同様の触媒を用い、液状プロピレンを媒体とする塊状重合法において水素とエチレンの存在下に60℃で1時間重合して〔η〕が1.53dl/g、GPCで測定した分子量分布(Mw/Mn)が2.5、エチレン含有量が0.5wt%、13C−NMRによって測定されるシンジオタクチックペンタッド分率が0.79であるシンジオタクチックエチレン−プロピレンランダム共重合体を得た。
〔フィルムの製造〕
シンジオタクチックプロピレン単独重合体に代え上記で得たシンジオタクチックエチレン−プロピレンランダム共重合体を用いた以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を(表1)に示す。
【0026】
実施例4
アイソタクチックプロピレン単独重合体に代えてアイソタクチックエチレン−プロピレンランダム共重合体(三井東圧化学社製:MFL(4.9);〔η〕1.50dl/g、エチレン含有量4.9wt%)を用いた以外は実施例3と同様に行った。結果を(表1)に示す。
【0027】
実施例5
シンジオタクチックプロピレン単独重合体を60重量部、アイソタクチックプロピレン単独重合体を40重量部にした以外は実施例1と同様に行った。結果を(表1)に示す。
【0028】
実施例6
シンジオタクチックプロピレン単独重合体を60重量部、アイソタクチックエチレン−プロピレンランダム共重合体を40重量部にした以外は実施例2と同様に行った。結果を(表1)に示す。
【0029】
実施例7
シンジオタクチックエチレン−プロピレンランダム共重合体を60重量部、アイソタクチックプロピレン単独重合体を40重量部にした以外は実施例3と同様に行った。結果を(表1)に示す。
【0030】
実施例8
シンジオタクチックエチレン−プロピレンランダム共重合体を60重量部、アイソタクチックエチレン−プロピレンランダム共重合体を40重量部にした以外は実施例4と同様に行った。結果を(表1)に示す。
【0031】
比較例1
アイソタクチックプロピレン単独重合体を用いることなくシンジオタクチックプロピレン単独重合体のみを用いた以外は実施例1と同様に行った。結果を(表1)に示す。
【0032】
実施例9
シンジオタクチックプロピレン単独重合体を20重量部、アイソタクチックプロピレン単独重合体を80重量部にした以外は実施例1と同様に行ってフィルムを得た。この得られたフィルムを用いて延伸倍率を7.0×7.0倍に固定した時の延伸可能温度幅を測定した。結果を(表1)に示す。
【0033】
実施例10
アイソタクチックプロピレン単独重合体に代えてアイソタクチックエチレン−プロピレンランダム共重合体(三井東圧化学社製:MFL(4.9);〔η〕1.50dl/g、エチレン含有量4.9wt%)を用いた以外は実施例9と同様に行った。結果を(表1)に示す。
【0034】
実施例11
シンジオタクチックプロピレン単独重合体に代え実施例3で得たシンジオタクチックエチレン−プロピレンランダム共重合体を用いた以外は実施例9と同様に行った。結果を(表1)に示す。
【0035】
実施例12
実施例3で得たシンジオタクチックエチレン−プロピレンランダム共重合体を20重量部、アイソタクチックエチレン−プロピレンランダム共重合体(三井東圧化学社製:MFL(4.9);〔η〕1.50dl/g、エチレン含有量4.9wt%)を80重量部にした以外は実施例9と同様に行った。結果を(表1)に示す。
【0036】
比較例2
シンジオタクチックプロピレン単独重合体を用いることなくアイソタクチックプロピレン単独重合体(三井東圧化学社製:STFL;〔η〕1.65dl/g、アイソタクチックインデックス97.0%)のみを用いた以外は実施例9と同様に行った。結果を(表1)に示す。
【0037】
比較例3
シンジオタクチックプロピレン単独重合体を用いることなくアイソタクチックエチレン−プロピレンランダム共重合体(三井東圧化学社製:MFL(4.9);〔η〕1.50dl/g、エチレン含有量4.9wt%)のみを用いた以外は実施例10と同様に行った。結果を(表1)に示す。
【0038】
【表1】
Figure 0003617541
【0039】
【発明の効果】
本発明におけるポリプロピレン樹脂組成物を用いることにより、透明性を損なうことなく延伸性に優れたフィルムが得られるというポリプロピレン延伸フィルムの成形方法を提供することができ、産業上その価値は非常に高い。

Claims (3)

  1. 13C−NMRで測定した約20ppmに観測されるピーク強度が全プロピレン単位のメチル基に帰属されるピーク強度の0.5以上であるシンジオタクチックポリプロピレン1〜99重量部、及び13C−NMRで測定した約22ppmに観測されるピーク強度が全プロピレン単位のメチル基に帰属されるピーク強度の0.9以上であるアイソタクチックポリプロピレン99〜1重量部とからなるポリプロピレン樹脂組成物を少なくとも一軸に延伸する(但し、延伸後に延伸温度以上に加負荷で加熱処理することを除く)ことを特徴とするポリプロピレンフィルムの成形方法。
  2. シンジオタクチックポリプロピレンがプロピレンの単独重合体またはプロピレンとエチレンおよび/またはα−オレフィンの共重合体である請求項1記載のポリプロピレンフィルムの成形方法。
  3. アイソタクチックポリプロピレンがプロピレンの単独重合体またはプロピレンとエチレンおよび/またはα−オレフィンの共重合体である請求項1記載のポリプロピレンフィルムの成形方法。
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