JPH11246683A - ポリプロピレン延伸フィルム - Google Patents

ポリプロピレン延伸フィルム

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JPH11246683A
JPH11246683A JP4948998A JP4948998A JPH11246683A JP H11246683 A JPH11246683 A JP H11246683A JP 4948998 A JP4948998 A JP 4948998A JP 4948998 A JP4948998 A JP 4948998A JP H11246683 A JPH11246683 A JP H11246683A
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JP
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polypropylene
stretched
film
polymerization
stretching
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JP4948998A
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Inventor
Osamu Uchida
治 内田
Kazuhiro Masuda
和広 升田
Nobuo Kawahara
信夫 川原
Tadahiro Sunaga
忠弘 須永
Tadashi Asanuma
浅沼  正
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】延伸時の延伸が容易であり、優れた絶縁破壊電
圧性能を示すポリプロピレン延伸フィルムを提供する。 【解決手段】塩素含量が1ppm以下で13C−NMRス
ペクトルにおけるメソペンタッド分率が下記の数式(数
1)を満足するポリプロピレンを少なくとも一方に延伸
してなる厚さが50μm以下のポリプロピレン延伸フィ
ルム。 【数1】Tm<73.89×mmmm+88.814 (式中、Tmは示差走査熱分析計を用い、昇温速度10
℃/分として測定した融点を表し、mmmmは13C−N
MRスペクトルにおけるポリマー側鎖メチル基に基づく
メソペンタッド分率を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は延伸フィルム用とし
て好適なポリプロピレンを用いたポリプロピレン延伸フ
ィルムに関する。詳しくは、延伸フィルムに成形したと
きに良好な物性を示すポリプロピレンを用いたポリプロ
ピレン延伸フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレンは優れた延伸特性を有す
ることから均一な薄いフィルムとすることが可能であ
り、その優れた特性を生かして様々な分野で幅広く利用
されている。また優れた電気特性を有することから、コ
ンデンサー絶縁フィルムに広く用いられている。コンデ
ンサー絶縁フィルムとしての優れた特性を有するポリプ
ロピレンとしては、立体規則性を向上させる(特開昭5
6−131921号公報)、触媒残渣を極力減少させ、
塩素含量を極力減少させる(特開平6−236709号
公報)など種々の検討がなされ、優れた特性のものが提
案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】コンデンサー絶縁フィ
ルムの分野においては、一般的に絶縁破壊電圧の高いこ
とが要求される。通常、この要求を満たすためにはベー
スとなるポリプロピレンの立体規則性を向上させると効
果がある。しかし延伸フィルム製造の観点からは、立体
規則性が高い場合には延伸時の温度を高くし、極めて狭
い操作条件で延伸しないと良好な性状のフィルムが得ら
れないという問題点があった。また、ポリプロピレン中
の触媒残渣を極力減少させることも絶縁破壊電圧向上の
ために効果があるが、この場合には重合後に洗浄を強化
するなど特別の処理が必要であった。即ち、従来、ポリ
プロピレンをコンデンサー絶縁フィルム用に使用する場
合には、絶縁破壊電圧を高くする必要があり、ポリプロ
ピレン重合後に洗浄を強化するなど特別な処理を行って
触媒残渣を極力低下させることが必要であった。ベース
となるポリプロピレンとしては、通常、工業的にポリオ
レフィンを製造する方法で作られるものが使用される
が、灰化法で測定した触媒残渣が40ppm以下、塩素
含量が2ppm以下であることが好ましく、このような
ポリプロピレンについては例えば特開平6−23670
9号公報などにその例が開示されているが、絶縁破壊電
圧が特に問題となる場合には、一般には触媒残渣がさら
に低いことが好ましいと言われている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題を
解決して、延伸が容易で、延伸フィルムとした時に優れ
た絶縁破壊電圧性能を示すポリプロピレンについて鋭意
探索し、本発明を完成した。
【0005】即ち本発明は、塩素含量が1ppm以下で
13C−NMRスペクトルにおけるメソペンタッド分率が
下記の数式(数2)を満足するポリプロピレンを少なく
とも一方に延伸してなる厚さが50μm以下のポリプロ
ピレン延伸フィルムである。
【0006】
【数2】Tm<73.89×mmmm+88.814 (式中、Tmは示差走査熱分析計を用い、昇温速度10
℃/分として測定した融点を表し、mmmmは13C−N
MRスペクトルにおけるポリマー側鎖メチル基に基づく
メソペンタッド分率を表す。)
【0007】
【発明の実施の形態】本発明においては、特別な処理を
行ってポリプロピレン中の触媒残渣を低下させる必要が
ない。すなわち、触媒残渣が多くても絶縁破壊電圧が良
好であることが本発明における特徴である。
【0008】本発明においては、ポリプロピレンを延伸
フィルムに成形することが必要であり、用いられるポリ
プロピレンはある程度の立体規則性を有していなければ
ならない。さらに絶縁破壊電圧向上のためには立体規則
性を高くすると効果があるが、この場合には延伸時の温
度を高くしなければ延伸がしづらいため、延伸時の温度
を高く設定する必要性が生じ、製造における経済性悪化
の問題が発生する。延伸時の適温は示差走査熱分析計
(DSC)を用いて測定した融点(以下Tmと記す。)
と相関があり、Tmが低いほど延伸時の適温は低くな
る。通常、立体規則性を表す尺度としては、13C−NM
Rにおけるメソペンタッド分率を用いることができる。
本発明者らが検討した結果、メソペンタッド分率と絶縁
破壊電圧は相関するが、一方でメソペンタッド分率が高
くなるとTmも同時に高くなることがわかった。従っ
て、Tmが低くメソペンタッド分率の高いものがあれ
ば、低温でも延伸(成形)でき、しかも絶縁破壊電圧が
高く、コンデンサー絶縁フィルム用として有用である。
そこで両者のバランスがとれるポリプロピレンについて
検討した結果、上記数式(数2)を満足するものが好適
であることがわかった。
【0009】本発明においては、ポリプロピレンとして
上記の数式(数2)を満足するものを用いる。該数式の
範囲内であれば、延伸性(成形性)と絶縁破壊電圧の両
者がすぐれている。該数式の範囲外となると、延伸時の
温度を高くせねばならず、好ましくない。
【0010】本発明においては、延伸性の尺度として延
伸フィルムに成形する際の延伸応力を用い、延伸応力が
同等になる温度で延伸時の適温を決定した。この延伸時
の温度が低い方が延伸性が良好であり、成形性が良好で
ある。
【0011】本発明で用いられるポリプロピレンを製造
するためには公知の種々の触媒を使用することができる
が、好ましくは、ハロゲン化マグネシウムなどの担体上
に三塩化チタンや四塩化チタンを担持したものと有機ア
ルミニウム化合物からなる触媒、メタロセン系化合物を
主成分とし、アルミノキサンを組み合わせる触媒が例示
できる。これらのうち生成するポリプロピレン中の塩素
含量が低いということから、メタロセン系化合物を主成
分とする触媒が特に好ましい。
【0012】本発明においては、ポリプロピレン中の塩
素含量としては1ppm以下であることが必要である。
塩素含量が1ppmを超えると絶縁破壊電圧の低下が見
られるため、好ましくない。
【0013】本発明に用いるポリプロピレンは、プロピ
レンの単独重合体である。好ましくはポリマー担体にメ
タロセン化合物を担持した触媒を用いて重合して得たア
イソタクチックポリプロピレンが例示できる。特に好ま
しくは、無水マレイン酸をグラフトしたポリプロピレン
にアルミノキサンを接触処理して得られるポリマー担体
が用いられるが、例えばシリカ、アルミナのような無機
物にアルミノキサンを担持させたものでも良い。この場
合、灰分含量が20ppm以上であるものでも充分に使
用可能である。
【0014】本発明においては、重合に際し、温度は常
温〜150℃、圧力は常圧〜100kgf/cm2 で行
うのが一般的である。重合方法は溶媒重合法、塊状重合
法、気相重合法など従来の重合法が用いられるが、塊状
重合法、気相重合法が好ましい。
【0015】本発明におけるポリプロピレンを製造する
際に、重合して得られたポリプロピレン中の触媒残査を
除去するために液状のプロピレン、ブタン、ヘキサンあ
るいはヘプタンなどで洗浄することも、もちろん可能で
ある。
【0016】本発明において用いられるポリプロピレン
中の灰分および塩素の定量方法としては公知の方法が利
用できる。
【0017】本発明において、ポリプロピレンを実際に
延伸フィルム用として用いるためには、少量とはいえ成
形時の熱分解に対する安定性、使用時の安定性などのた
めに、例えば2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール
のような安定剤を添加し、加熱溶融混合してペレットと
した後にフィルムに成形されるが、この延伸フィルム用
のポリプロピレンが優れた性質を表すためには上記数式
(数2)を満足するような特定の特性を有するかどうか
が特に肝要である。
【0018】本発明のポリプロピレン延伸フィルムを成
形する方法としては特に制限はないが、通常のポリプロ
ピレンの延伸フィルムを製造する方法を用いることがで
きる。その方法としては、例えば、まず20mmφのT
ダイを用い、250℃で厚さ550μmのシートを作成
する。こうして得られたシートを150℃で1分間予熱
した後、150℃で変形率200%/秒で縦方向(M
D)に5倍、横方向(TD)に7倍逐次延伸を行い、厚
さ15μmのフィルムを得るような方法が挙げられる。
【0019】絶縁破壊電圧(V/μm)の測定は23℃
においてJIS−2330に準拠して行った。
【0020】
【実施例】以下に実施例を示し、さらに本発明を説明す
る。なお、以下の実施例において延伸時の適温を決定す
る際に使用する、延伸フィルム成形時の延伸応力の測定
は以下の方法によって行った。
【0021】厚さ750μmのシートを用い、縦・横そ
れぞれ6cmのサンプルを作成する(この時 断面積は
0.45cm2 となる。)。このサンプルを上記の方法
で延伸する際の強度をセンサーでとらえ、オシロスコー
プに表示させる。オシロスコープの波形の第一ピーク
(横延伸の立ち上がり点)より実荷重を求める。次いで
実荷重/断面積の計算を行い、この結果を延伸応力とす
る。なお測定は5回行い、平均値を測定結果とした。
【0022】また、フィルム物性の測定は以下の方法に
より行った。 ・ヘイズ:ASTM−D1003に準拠した。 ・光沢:ASTM−D523−62Tに準拠した。
【0023】実施例1 〔触媒の調製〕特開平9−202795号公報の実施例
1に記載の方法に従い、テトラヒドロフラン中(2R,
3R)−2,3−ビス(2−メチルベンズ[e]インデ
ニル)ブタンと水素化カリウムを反応させて得た化合物
と四塩化ジルコニウムを反応させて〔(1R,2R)−
1,2−ジメチルエチレンジイルビス(2’−メチルベ
ンズ[e]インデニル)ジルコニウムジクロライド〕を
合成した。この化合物0.111グラムを乾燥したトル
エン800ミリリットルに溶解し、室温で8時間攪拌し
た。一方、ヨーロッパ特許番号EP773237号に記
載されている方法に従い、無水マレイン酸グラフトポリ
プロピレンを145℃のキシレンに完全に溶解させた後
にメチルアルミノキサンを加えて還流下で反応させ、さ
らに乾燥、粉砕等の後処理をすることによって無水マレ
イン酸グラフトポリプロピレンとメチルアルミノキサン
の反応物(固体触媒成分)を合成した。この固体触媒成
分を上記溶液に添加して室温で3時間攪拌した後、トリ
イソブチルアルミニウム11.48グラムを添加して、
さらに室温で30分間攪拌し、これを触媒成分混合液と
した。
【0024】〔重合〕充分に乾燥し、窒素で置換した内
容積1050リットルの重合槽の内温を30℃とし、プ
ロピレン117.8キログラムを一括して装入した。プ
ロピレンの連続フィードを10キログラム/時間で開始
した上で、上記触媒成分混合液を一括して装入し、さら
に水素8.5Nリットルを加えた。重合槽内温が60℃
になるように昇温した後、プロピレンの連続フィードを
10キログラム/時間に保って、5時間重合を行った。
重合後メタノール100ミリリットルで触媒を失活させ
た後、パウダーをフラッシュさせて取り出して秤量した
ところ81.0kgのポリプロピレンが得られた。この
重合でジルコニウム当りの取得量は85kg−PP/Z
rmmol・hであった。
【0025】このポリプロピレンのアイソタクチックペ
ンタッド分率は0.946であった。
【0026】得られた上記ポリプロピレン100重量部
に対してカルシウムステアレート0.002重量部、イ
ルガノックス−1330(商品名、チバガイギー社製)
0.2重量部を混合してから250℃でペレット化し
た。このペレットの230℃、2.16kg荷重の条件
で測定したメルトフローレート(以下、MFRと記
す。)は6.6であり、示差走査熱分析計(以下DSC
と記す。)を用いて測定した融点(以下Tmと記す。)
は146.0℃であった。また、ゲルパーミエーション
クロマトグラフで135℃の1,2,4−トリクロロベ
ンゼンを溶媒として測定した重量平均分子量と数平均分
子量の比(以下、Mw/Mnと記す。)は2.7であっ
た。
【0027】ペレット中の灰分および塩素含量を測定し
たところそれぞれ130wt.ppm、1wt.ppm
であった。
【0028】〔フィルムの評価〕次いでこのペレットを
用い、20mmφのTダイにより、250℃で厚さ75
0μmおよび550μmのシートを作成した。得られた
750μmのシートをTMロング社製二軸延伸機を用
い、1分間予熱した後、変形率200%/秒で縦方向
(MD)に5倍、横方向(TD)に7倍逐次延伸を行
い、延伸応力を測定した。135℃における延伸応力は
31kgf/cm2 であった。得られた延伸フィルムの
全ヘイズは0.1%であり、光沢は154%であった。
【0029】フィルムの23℃における絶縁破壊電圧
は、550μmのシートを上記と全く同様の方法で逐次
延伸を行って得た、厚さ15μmのフィルムを用いて測
定した。絶縁破壊電圧は18回測定した結果、694±
19.7V/μm(平均値±上下のばらつき)であっ
た。
【0030】比較例1 〔触媒の調製〕無水塩化マグネシウム300グラム、灯
油1.6リットル、2−エチルヘキシルアルコール1.
5リットルを140℃で3時間加熱して均一溶液とし
た。この溶液に無水フタル酸70グラムを添加し、13
0℃で1時間攪拌して溶解した後、室温まで冷却した。
さらに上記の溶液を−20℃に冷却した四塩化チタン
8.5リットル中にゆっくり滴下した。滴下終了後11
0℃まで昇温し、フタル酸ジイソブチル215ミリリッ
トルを加え、さらに2時間攪拌した。熱時ろ過により固
体を分離し、得られた固体を再度四塩化チタン10リッ
トル中に懸濁させ、再び110℃で2時間攪拌した。熱
時ろ過により固体を分離し、得られた固体をn−ヘプタ
ンで、洗浄液にチタンが実質上検出されなくなるまで洗
浄した。得られた固体触媒成分はチタン2.2wt%、
フタル酸ジイソブチル11.0wt%を含有していた。
【0031】〔重合〕内容積60リットルの予重合槽お
よび2基の内容積300リットルの主重合槽を備えた重
合機を用い、上記固体触媒成分および助触媒としてトリ
エチルアルミニウム、シクロヘキシルメチルジメトキシ
シランを使用し、連鎖移動剤として水素を用いてプロピ
レンの塊状重合を行った。第2主重合槽における反応条
件として、重合温度が71℃、トリエチルアルミニウム
およびシクロヘキシルメチルジメトキシシランの系内の
濃度がそれぞれ26.5、12.0ml/m3 、重合体
のスラリー濃度が37wt%、反応比率が32.6wt
%、平均滞留時間が0.87時間となるように設定
し、予重合槽および第1主重合槽における反応条件は第
2主重合槽の条件に見合うものとした。
【0032】重合後、生成物のプロピレンによる連洗処
理を行った後、コニカル乾燥機に導入して90℃、真空
下、窒素流量2m3 /hの条件下で5時間乾燥を行っ
た。
【0033】次いで生成物100キログラムに対し、純
水35.9グラムとプロピレンオキサイド0.63リッ
トルを添加して、90℃で2時間脱塩素処理を行った後
に90℃、真空下、窒素流量2m3 /hの条件下で2時
間乾燥を行い、生成ポリマーを取り出した。この重合で
固体触媒成分あたりの取得量は49.8kg−PP/g
−固体触媒成分であった。
【0034】このポリプロピレンのアイソタクチックペ
ンタッド分率は0.945であり、実施例1と同等の値
となった。
【0035】得られた上記ポリプロピレンを実施例1と
同様にペレット化したところ、このペレットのMFRは
3.7g/10分であった。Tmは159.0℃であ
り、実施例1と比較して13℃高かった。また、Mw/
Mnは5.2であった。
【0036】ペレット中の灰分を測定したところ15w
t.ppmであり、実施例1と比較して非常に低かっ
た。また、ペレット中の塩素含量1wt.ppmであっ
た。
【0037】〔フィルムの評価〕実施例1と同様に評価
した。延伸応力を実施例1の31kgf/cm2 に合わ
せるためには、延伸時の温度は150℃にする必要があ
り、実施例1と比較して15℃高かった。
【0038】得られた延伸フィルムの全ヘイズは0.1
%で、光沢は154%であり、実施例1と全く同じであ
った。
【0039】実施例1と同様にフィルムの23℃におけ
る絶縁破壊電圧を測定したところ、絶縁破壊電圧は69
0±43.2V/μmであり、平均値は実施例1とほぼ
同等の値であったが、ばらつきが大きかった。
【0040】比較例2 〔触媒の調製〕無水塩化マグネシウム10グラムとトリ
エチルアルミニウム0.38グラムを含むトルエン溶液
1.9ミリリットルを混合して振動ミル(ポットの内容
積1000ミリリットル、直径12.7ミリメートルの
SUS製ボール2キログラム)に入れて17時間共粉砕
した。さらにトリフェニルメタンテトラキス(ペンタフ
ルオロフェニル)ボレート2.2グラムと、遷移金属触
媒成分として、常法に従って合成したエチレンビス(テ
トラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリドをメチ
ルリチウムでジメチル化して得たエチレンビス(テトラ
ヒドロインデニル)ジルコニウムジメチル0.95グラ
ムを振動ミルに入れて4時間共粉砕した。
【0041】〔重合〕上記共粉砕物200ミリグラムと
トリエチルアルミニウム0.5グラムを内容量5リット
ルのオートクレーブに入れ、プロピレン1.5キログラ
ム装入して50℃で2時間重合した。未反応のプロピレ
ンをパージした後、生成物のプロピレンによる連洗処理
を行い、乾燥後、生成ポリマー750グラムを取り出し
た。この重合で固体触媒成分あたりの取得量は3.8k
g−PP/g−固体触媒成分であった。
【0042】このポリプロピレンのアイソタクチックペ
ンタッド分率は0.915であった。
【0043】得られた上記ポリプロピレンを実施例1と
同様にペレット化したところ、このペレットのMFRは
14g/10分であった。また、Tmは142.5℃で
実施例1と比較して若干低く、Mw/Mnは3.0であ
った。
【0044】ペレット中の灰分を測定したところ125
wt.ppmで、実施例1とほぼ同等であった。また、
ペレット中の塩素含量は39wt.ppmで実施例1と
比較して高かった。
【0045】〔フィルムの評価〕実施例1と同様に評価
した。延伸応力を実施例1の31kgf/cm2 に合わ
せるのに必要な延伸時の温度は130℃であり、実施例
1と比較して5℃低かった。
【0046】得られた延伸フィルムの全ヘイズは0.2
%で、光沢は150%であった。
【0047】実施例1と同様にフィルムの23℃におけ
る絶縁破壊電圧を測定したところ、絶縁破壊電圧は50
5±40.2V/μmであり、実施例1と比較して低か
った。
【0048】比較例3 MFRが4.0g/10分で、Tmが160.5℃のポ
リプロピレン((株)グランドポリマー製JH)を用
い、実施例1と同様の評価を行った。ペレットのMw/
Mnは6.2で、ペレット中の灰分は72wt.ppm
で実施例1より低かった。また、ペレット中の塩素含量
は14wt.ppmで実施例1と比較して高かった。
【0049】延伸応力を実施例1の31kgf/cm2
に合わせるのに必要な延伸時の温度は150℃であり、
実施例1と比較して5℃低かった。
【0050】得られた延伸フィルムの全ヘイズは0.2
%で、光沢は152%であった。
【0051】実施例1と同様にフィルムの23℃におけ
る絶縁破壊電圧を測定したところ、絶縁破壊電圧は54
3±31.3V/μmであり、実施例1と比較して低か
った。
【0052】
【発明の効果】本発明のポリプロピレン延伸フィルム
は、延伸時の延伸性が良好なものであり、特にコンデン
サー絶縁フィルムとして、その物性が極めて良好であ
り、工業的に極めて価値がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 須永 忠弘 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井化学 株式会社内 (72)発明者 浅沼 正 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井化学 株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩素含量が1ppm以下で13C−NMRス
    ペクトルにおけるメソペンタッド分率が下記の数式(数
    1)を満足するポリプロピレンを少なくとも一方に延伸
    してなる厚さが50μm以下のポリプロピレン延伸フィ
    ルム。 【数1】Tm<73.89×mmmm+88.814 (式中、Tmは示差走査熱分析計を用い、昇温速度10
    ℃/分として測定した融点を表し、mmmmは13C−N
    MRスペクトルにおけるポリマー側鎖メチル基に基づく
    メソペンタッド分率を表す。)
  2. 【請求項2】ポリプロピレンがポリマー担体にメタロセ
    ン化合物を担持した触媒を用いて重合して得たアイソタ
    クチックポリプロピレンである請求項1に記載のポリプ
    ロピレン延伸フィルム。
  3. 【請求項3】ポリマー担体が、無水マレイン酸をグラフ
    トしたポリプロピレンにアルミノキサンを担持したもの
    である請求項2に記載のポリプロピレン延伸フィルム。
  4. 【請求項4】灰分含量が20ppm以上である請求項2
    に記載のポリプロピレン延伸フィルム。
JP4948998A 1998-03-02 1998-03-02 ポリプロピレン延伸フィルム Pending JPH11246683A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005171169A (ja) * 2003-12-15 2005-06-30 Mitsui Chemicals Inc ポリプロピレン樹脂組成物
WO2016043217A1 (ja) * 2014-09-19 2016-03-24 東レ株式会社 ポリプロピレンフィルムおよびフィルムコンデンサ

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