JPH1160639A - プロピレン系ランダム共重合体並びにそれを用いたフィルムおよび積層体 - Google Patents
プロピレン系ランダム共重合体並びにそれを用いたフィルムおよび積層体Info
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- JPH1160639A JPH1160639A JP22235697A JP22235697A JPH1160639A JP H1160639 A JPH1160639 A JP H1160639A JP 22235697 A JP22235697 A JP 22235697A JP 22235697 A JP22235697 A JP 22235697A JP H1160639 A JPH1160639 A JP H1160639A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐衝撃性に優れかつ低温ヒートシール性と剛
性のバランスに優れたフィルムを得ることができるプロ
ピレン系ランダム共重合体を提供する。 【解決手段】 立体規則性指標Pが85 mol% 以上である
プロピレンとエチレンと1 −ブテンのランダム共重合体
であって、共重合体中のエチレン単位の含有量(α
mol%) と1−ブテン単位の含有量(β mol%)が0.1 ≦α
+β<4 の関係を満たし、共重合体のMI(g/10min)
が1 〜12 g/10minであり、沸騰ジエチルエーテル抽出
量(E) とα+βがE≦ 0.2(α+β) +0.6 の関係を
満たし、示差走査型熱量計で測定した融点(Tm ℃)
とα+βがTm ≦ 164− 3.6(α+β) の関係を満た
し、共重合体のMIと周波数分散測定により得られる
緩和時間τ( 秒) がτ≦0.65−0.025MI の関係を満たす
プロピレン系ランダム共重合。
性のバランスに優れたフィルムを得ることができるプロ
ピレン系ランダム共重合体を提供する。 【解決手段】 立体規則性指標Pが85 mol% 以上である
プロピレンとエチレンと1 −ブテンのランダム共重合体
であって、共重合体中のエチレン単位の含有量(α
mol%) と1−ブテン単位の含有量(β mol%)が0.1 ≦α
+β<4 の関係を満たし、共重合体のMI(g/10min)
が1 〜12 g/10minであり、沸騰ジエチルエーテル抽出
量(E) とα+βがE≦ 0.2(α+β) +0.6 の関係を
満たし、示差走査型熱量計で測定した融点(Tm ℃)
とα+βがTm ≦ 164− 3.6(α+β) の関係を満た
し、共重合体のMIと周波数分散測定により得られる
緩和時間τ( 秒) がτ≦0.65−0.025MI の関係を満たす
プロピレン系ランダム共重合。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロピレン系ラン
ダム共重合体並びにそれを用いたフィルムおよび樹脂積
層体に関するものである。さらに詳しくは、プロピレン
とエチレンと1−ブテンの三元ランダム共重合体並びに
それを製膜したフィルムおよび該共重合体からなる層を
少なくともその一層とする樹脂積層体に関するものであ
る。本発明のプロピレン系ランダム共重合体を製膜して
得たフィルムは非常に高い剛性を発揮しかつ優れたヒー
トシール特性を有しかつ耐衝撃性にも優れている。
ダム共重合体並びにそれを用いたフィルムおよび樹脂積
層体に関するものである。さらに詳しくは、プロピレン
とエチレンと1−ブテンの三元ランダム共重合体並びに
それを製膜したフィルムおよび該共重合体からなる層を
少なくともその一層とする樹脂積層体に関するものであ
る。本発明のプロピレン系ランダム共重合体を製膜して
得たフィルムは非常に高い剛性を発揮しかつ優れたヒー
トシール特性を有しかつ耐衝撃性にも優れている。
【0002】
【従来の技術】結晶性プロピレン系重合体のフィルム
は、その優れた剛性、透明性及び防湿性等を生かして広
く包装用フィルムとして使用されている。通常、フィル
ムはヒートシールにより製袋され、内容物を充填した後
に袋口は再びヒートシールにより閉じられる。近年、こ
れら一連の製袋包装工程は生産性向上のため高速化が計
られており、低温でのヒートシール性に優れる素材の開
発が強く要望されている。
は、その優れた剛性、透明性及び防湿性等を生かして広
く包装用フィルムとして使用されている。通常、フィル
ムはヒートシールにより製袋され、内容物を充填した後
に袋口は再びヒートシールにより閉じられる。近年、こ
れら一連の製袋包装工程は生産性向上のため高速化が計
られており、低温でのヒートシール性に優れる素材の開
発が強く要望されている。
【0003】しかし、プロピレン単独重合体のフィルム
は低温ヒートシール性に難点があるため、その改良を目
的としてエチレンや他のα−オレフィンとの共重合が広
く行われている。しかし、充分な低温ヒートシール性改
良効果を得るためには多量のエチレンや他のα−オレフ
ィンを共重合させる必要があり、従来技術においては結
果としてべとつき成分を多量に副成したり、結晶性が大
きく低下したりしてしまい、例えば剛性やアンチブロッ
キング性が大きく低下したり、ブリード白化による外観
不良が起きたりする欠点が生じて実用に耐えるものとは
ならなかった。
は低温ヒートシール性に難点があるため、その改良を目
的としてエチレンや他のα−オレフィンとの共重合が広
く行われている。しかし、充分な低温ヒートシール性改
良効果を得るためには多量のエチレンや他のα−オレフ
ィンを共重合させる必要があり、従来技術においては結
果としてべとつき成分を多量に副成したり、結晶性が大
きく低下したりしてしまい、例えば剛性やアンチブロッ
キング性が大きく低下したり、ブリード白化による外観
不良が起きたりする欠点が生じて実用に耐えるものとは
ならなかった。
【0004】また、この問題の解決方法として、従来技
術においてはべとつき成分を不活性溶媒中に溶解させて
除去するという方法も試みられているが、この際に低温
ヒートシール性に寄与する低温融解性結晶成分も除去さ
れてしまうことは避けがたく、結局、低温ヒートシール
性の改良効果は不十分なものとなっているというのが現
状である。また、フィルムの巻き返し工程を支障なく行
うためにスリップ性及びアンチブロッキング性の発現す
ること及び外観や透明性も重要である。さらに近年のフ
ィルム加工は、生産性を上げるため大型成形機による高
速製膜化が行われているので、この場合においてもフィ
ルム品質が低下しないことも要求される。
術においてはべとつき成分を不活性溶媒中に溶解させて
除去するという方法も試みられているが、この際に低温
ヒートシール性に寄与する低温融解性結晶成分も除去さ
れてしまうことは避けがたく、結局、低温ヒートシール
性の改良効果は不十分なものとなっているというのが現
状である。また、フィルムの巻き返し工程を支障なく行
うためにスリップ性及びアンチブロッキング性の発現す
ること及び外観や透明性も重要である。さらに近年のフ
ィルム加工は、生産性を上げるため大型成形機による高
速製膜化が行われているので、この場合においてもフィ
ルム品質が低下しないことも要求される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリプロピ
レンのフィルムが本来有する好ましい特性を損なうこと
なく、耐衝撃性に優れかつ低温ヒートシール性と剛性の
バランスに優れており、基材層用途としてプロピレン系
ランダム共重合体及びそれを用いたフィルム、積層体の
提供を目的とするものである。
レンのフィルムが本来有する好ましい特性を損なうこと
なく、耐衝撃性に優れかつ低温ヒートシール性と剛性の
バランスに優れており、基材層用途としてプロピレン系
ランダム共重合体及びそれを用いたフィルム、積層体の
提供を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決しようとする手段】本発明者らは上記課題
につき鋭意検討した結果、プロピレン単位のトライアッ
ド(以下PPPと記す)連鎖部の立体規則性を高くし、
そこにコモノマーをランダム共重合させることにより、
高い結晶性を有し、かつ低い融点を有するプロピレン系
ランダム共重合体を得ることができ、また組成分布を狭
くすることによりフィルムのブロッキング原因物質であ
るべとつき成分を少なくできることを見出して、本発明
を完成するに至った。
につき鋭意検討した結果、プロピレン単位のトライアッ
ド(以下PPPと記す)連鎖部の立体規則性を高くし、
そこにコモノマーをランダム共重合させることにより、
高い結晶性を有し、かつ低い融点を有するプロピレン系
ランダム共重合体を得ることができ、また組成分布を狭
くすることによりフィルムのブロッキング原因物質であ
るべとつき成分を少なくできることを見出して、本発明
を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、以下のプロピレン系
ランダム共重合体並びにそれを用いたフィルム及び樹脂
積層体を提供するものである。 (1)13C−NMRで測定したスペクトルから下記式
(I)により求めたトライアッド単位のアイソタクチッ
ク分率である立体規則性指標Pが85 mol% 以上であるプ
ロピレン、エチレン及び1−ブテンの共重合体であっ
て、下記の〜を満足するプロピレン系ランダム共重
合体。
ランダム共重合体並びにそれを用いたフィルム及び樹脂
積層体を提供するものである。 (1)13C−NMRで測定したスペクトルから下記式
(I)により求めたトライアッド単位のアイソタクチッ
ク分率である立体規則性指標Pが85 mol% 以上であるプ
ロピレン、エチレン及び1−ブテンの共重合体であっ
て、下記の〜を満足するプロピレン系ランダム共重
合体。
【0008】
【数2】
【0009】(但し、Iは19.8〜22.2 ppmのシグナル強
度、Imは21.4〜22.2 ppmのシグナル強度、Tδδは3
3.3 ppmのシグナル強度、Sαγは38.0 ppmのシグナル
強度である。) 共重合体中のエチレン単位の含有量(α mol%)
と1−ブテン単位の含有量(β mol%)が(1)式
を満たす 0.1 ≦α+β<4 ・・・(1) 共重合体のメルトインデックス(MI(g/10min))が1
〜12g/10min である 沸騰ジエチルエーテル抽出量(E)とα+βは(2) 式
の関係を満たす E≦ 0.2(α+β)+0.6 ・・・(2) 示差走査型熱量計で測定した融点(Tm(℃))とα+β
が式(3) の関係を満たす Tm ≦ 164−3.6(α+β)・・・(3) 共重合体のメルトインデックス(MI(g/10min))と周
波数分散測定により得られる周波数ω0 =100 rad/秒
における緩和時間τ( 秒)が式(4) の関係を満たす τ≦ 0.65 −0.025 MI ・・・(4) (2)13C−NMRで測定したスペクトルから上記式
(I) により求めた立体規則性指標Pが90〜96mol%であ
る上記(1)に記載のプロピレン系ランダム共重合体。 (3)13C−NMRで測定したスペクトルから上記式
(I) により求めた立体規則性指標Pが98 mol% 以上で
ある上記(1)に記載のプロピレン系ランダム共重合
体。 (4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載のプロピレ
ン系ランダム共重合からなるフィルム。 (5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載のプロピレ
ン系ランダム共重合体からなる層を少なくともその一層
とする樹脂積層体。
度、Imは21.4〜22.2 ppmのシグナル強度、Tδδは3
3.3 ppmのシグナル強度、Sαγは38.0 ppmのシグナル
強度である。) 共重合体中のエチレン単位の含有量(α mol%)
と1−ブテン単位の含有量(β mol%)が(1)式
を満たす 0.1 ≦α+β<4 ・・・(1) 共重合体のメルトインデックス(MI(g/10min))が1
〜12g/10min である 沸騰ジエチルエーテル抽出量(E)とα+βは(2) 式
の関係を満たす E≦ 0.2(α+β)+0.6 ・・・(2) 示差走査型熱量計で測定した融点(Tm(℃))とα+β
が式(3) の関係を満たす Tm ≦ 164−3.6(α+β)・・・(3) 共重合体のメルトインデックス(MI(g/10min))と周
波数分散測定により得られる周波数ω0 =100 rad/秒
における緩和時間τ( 秒)が式(4) の関係を満たす τ≦ 0.65 −0.025 MI ・・・(4) (2)13C−NMRで測定したスペクトルから上記式
(I) により求めた立体規則性指標Pが90〜96mol%であ
る上記(1)に記載のプロピレン系ランダム共重合体。 (3)13C−NMRで測定したスペクトルから上記式
(I) により求めた立体規則性指標Pが98 mol% 以上で
ある上記(1)に記載のプロピレン系ランダム共重合
体。 (4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載のプロピレ
ン系ランダム共重合からなるフィルム。 (5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載のプロピレ
ン系ランダム共重合体からなる層を少なくともその一層
とする樹脂積層体。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明について、以下に詳細に説
明する。本発明のプロピレン系ランダム共重合体は、プ
ロピレン、エチレン及び1ーブテンをランダム共重合し
たものであって、13C−NMRで測定したスペクトルか
ら下記式(I)により求めたトライアッド単位のアイソ
タクチック分率である立体規則性指標Pが85 mol% 以上
でありかつ下記の〜を満足するものである。
明する。本発明のプロピレン系ランダム共重合体は、プ
ロピレン、エチレン及び1ーブテンをランダム共重合し
たものであって、13C−NMRで測定したスペクトルか
ら下記式(I)により求めたトライアッド単位のアイソ
タクチック分率である立体規則性指標Pが85 mol% 以上
でありかつ下記の〜を満足するものである。
【0011】
【数3】
【0012】(但し、Iは19.8〜22.2 ppmのシグナル強
度、Imは21.4〜22.2 ppmのシグナル強度、Tδδは3
3.3 ppmのシグナル強度、Sαγは38.0 ppmのシグナル
強度である。) 共重合体中のエチレン単位の含有量(α mol%)
と1−ブテン単位の含有量(β mol%)が(1)式
を満たすことが必要である。
度、Imは21.4〜22.2 ppmのシグナル強度、Tδδは3
3.3 ppmのシグナル強度、Sαγは38.0 ppmのシグナル
強度である。) 共重合体中のエチレン単位の含有量(α mol%)
と1−ブテン単位の含有量(β mol%)が(1)式
を満たすことが必要である。
【0013】0.1 ≦α+β<4 ・・・(1) α+βが0.1未満では耐衝撃性、低温ヒートシール性
が低下し、またα+βが4以上では剛性が不充分となり
好ましくない。さらに好ましいのはαとβの関係が(5)
式を満たす場合である。 2α≧β・・・(5) この(5) 式を満たさない場合、即ち2α<βでは低温ヒ
ートシール性が不充分となることがある。特に好ましい
のは、αとβの関係が2α≧βかつα≦2βの関係を満
たす場合である。この場合、α>2βでは剛性が不十分
になりやすい。 共重合体のメルトインデックス(MI(g/10min))が1
〜12g/10min である。MIがこの範囲を外れると成形
不良現象が起きやすく好ましくない。 沸騰ジエチルエーテル抽出量(E)とα+βの関係が
(2)式を満たすことが必要である。
が低下し、またα+βが4以上では剛性が不充分となり
好ましくない。さらに好ましいのはαとβの関係が(5)
式を満たす場合である。 2α≧β・・・(5) この(5) 式を満たさない場合、即ち2α<βでは低温ヒ
ートシール性が不充分となることがある。特に好ましい
のは、αとβの関係が2α≧βかつα≦2βの関係を満
たす場合である。この場合、α>2βでは剛性が不十分
になりやすい。 共重合体のメルトインデックス(MI(g/10min))が1
〜12g/10min である。MIがこの範囲を外れると成形
不良現象が起きやすく好ましくない。 沸騰ジエチルエーテル抽出量(E)とα+βの関係が
(2)式を満たすことが必要である。
【0014】E≦ 0.2(α+β)+0.6 ・・・(2) Eがこの範囲を越えるとアンチブロッキング性が低下す
る。またブリード白化により透明性の低下が起こりやす
くなる。好ましいのは次式を満たすときである。 E≦ 0.2(α+β)+0.4・・・(6) 示差走査型熱量計で測定した融点(Tm(℃))とα+β
が式(3) の関係を満たすことが必要である。
る。またブリード白化により透明性の低下が起こりやす
くなる。好ましいのは次式を満たすときである。 E≦ 0.2(α+β)+0.4・・・(6) 示差走査型熱量計で測定した融点(Tm(℃))とα+β
が式(3) の関係を満たすことが必要である。
【0015】Tm ≦ 164−3.6 (α+β)・・・(3) Tm がこの範囲を越えると低温ヒートシール性が不充分
となる。好ましい範囲は(7) 式を満たすときである。 Tm ≦ 160−3.6 (α+β)・・・(7) 共重合体のメルトインデックス(MI(g/10min))と周
波数分散測定により得られる周波数ω0 =100 rad/秒
における緩和時間τ( 秒)が式(4) の関係を満たすこと
が必要である。
となる。好ましい範囲は(7) 式を満たすときである。 Tm ≦ 160−3.6 (α+β)・・・(7) 共重合体のメルトインデックス(MI(g/10min))と周
波数分散測定により得られる周波数ω0 =100 rad/秒
における緩和時間τ( 秒)が式(4) の関係を満たすこと
が必要である。
【0016】τ≦ 0.65 −0.025 MI ・・・(4) τがこの範囲を越えると耐衝撃性及び透明性が低下す
る。好ましくは(8)式を満たす場合である。 τ≦ 0.60 −0.025 MI ・・・(8) ここで、本発明のプロピレン系ランダム共重合体は13C
−NMRで測定したスペクトルから下記式(I)により
求めたトライアッド単位のアイソタクチック分率である
立体規則性指標Pが85 mol% 以上であることが必要であ
る。
る。好ましくは(8)式を満たす場合である。 τ≦ 0.60 −0.025 MI ・・・(8) ここで、本発明のプロピレン系ランダム共重合体は13C
−NMRで測定したスペクトルから下記式(I)により
求めたトライアッド単位のアイソタクチック分率である
立体規則性指標Pが85 mol% 以上であることが必要であ
る。
【0017】
【数4】
【0018】(但し、Iは19.8〜22.2 ppmのシグナル強
度、Imは21.4〜22.2 ppmのシグナル強度、Tδδは3
3.3 ppmのシグナル強度、Sαγは38.0 ppmのシグナル
強度である。) Pが85 mol% 以下では剛性、アンチブロッキング性の低
下が大きく好ましくない。
度、Imは21.4〜22.2 ppmのシグナル強度、Tδδは3
3.3 ppmのシグナル強度、Sαγは38.0 ppmのシグナル
強度である。) Pが85 mol% 以下では剛性、アンチブロッキング性の低
下が大きく好ましくない。
【0019】また、本発明のプロピレン系ランダム共重
合体はPが90〜96 mol% であると透明性の成形条件依存
性が小さく好ましい。さらに好ましいのは、Pが92〜95
mol% の場合である。Pがこの範囲にあり、かつα≦2
βを満たす時はアンチブロッキング性が経時的に低下す
ることが非常に少なくなり特に好ましい。また、本発明
のプロピレン系ランダム共重合体はPが98 mol% 以上で
あると剛性と低温ヒートシール性のバランスが優れ好ま
しい。さらに好ましいのは、Pが98.5mol%以上の場合で
ある。Pが98.5mol%以上であり、かつ1.5 ≦α+β<4
を満たす時は経時的な耐衝撃性の低下が小さくかつ剛性
にも優れたものが得られ特に好ましい。
合体はPが90〜96 mol% であると透明性の成形条件依存
性が小さく好ましい。さらに好ましいのは、Pが92〜95
mol% の場合である。Pがこの範囲にあり、かつα≦2
βを満たす時はアンチブロッキング性が経時的に低下す
ることが非常に少なくなり特に好ましい。また、本発明
のプロピレン系ランダム共重合体はPが98 mol% 以上で
あると剛性と低温ヒートシール性のバランスが優れ好ま
しい。さらに好ましいのは、Pが98.5mol%以上の場合で
ある。Pが98.5mol%以上であり、かつ1.5 ≦α+β<4
を満たす時は経時的な耐衝撃性の低下が小さくかつ剛性
にも優れたものが得られ特に好ましい。
【0020】また、本発明のプロピレン系ランダム共重
合体は、分子量分布は特に制限されるものではないが、
ゲルパ−ミエイションクロマトグラフィ−(以下GPC
と略記する)により測定される重量平均分子量(Mw)
と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnが6以下であ
ることが好ましい。さらには、Mw/Mnが2.5〜5
の場合が好ましい。Mw/Mnが6を越えるとフィルム
の透明性が低下し易くなる。また2.5より小さいとフ
ィルムの成形性が低下し易くなり好ましくない。
合体は、分子量分布は特に制限されるものではないが、
ゲルパ−ミエイションクロマトグラフィ−(以下GPC
と略記する)により測定される重量平均分子量(Mw)
と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnが6以下であ
ることが好ましい。さらには、Mw/Mnが2.5〜5
の場合が好ましい。Mw/Mnが6を越えるとフィルム
の透明性が低下し易くなる。また2.5より小さいとフ
ィルムの成形性が低下し易くなり好ましくない。
【0021】上記のプロピレン系ランダム共重合体は、
ポリプロピレンのフィルムが本来有する好ましい特性を
損なうことなく耐衝撃性に優れかつ低温ヒートシール性
と剛性のバランスに優れたフィルムを提供し、基材層用
途に好適である。上記のプロピレン系ランダム共重合体
は、実施例に示すような製造方法で重合して得られる
が、これに限定されるものではなく、上記のプロピレン
系ランダム共重合体が得られる製造方法であれば特に制
限はない。製造に使用する触媒は、マグネシウム、チタ
ン及びハロゲンを必須成分とする固体触媒成分、有機ア
ルミニウム化合物等の有機金属化合物触媒成分、及び有
機ケイ素化合物等の電子供与体化合物触媒成分から形成
することができるが、代表的なものとして、以下のよう
な触媒成分が使用できる。
ポリプロピレンのフィルムが本来有する好ましい特性を
損なうことなく耐衝撃性に優れかつ低温ヒートシール性
と剛性のバランスに優れたフィルムを提供し、基材層用
途に好適である。上記のプロピレン系ランダム共重合体
は、実施例に示すような製造方法で重合して得られる
が、これに限定されるものではなく、上記のプロピレン
系ランダム共重合体が得られる製造方法であれば特に制
限はない。製造に使用する触媒は、マグネシウム、チタ
ン及びハロゲンを必須成分とする固体触媒成分、有機ア
ルミニウム化合物等の有機金属化合物触媒成分、及び有
機ケイ素化合物等の電子供与体化合物触媒成分から形成
することができるが、代表的なものとして、以下のよう
な触媒成分が使用できる。
【0022】固体触媒成分の好ましい担体となるもの
は、金属マグネシウムとアルコールとハロゲン及び/又
はハロゲン含有化合物から得られる。この場合、金属マ
グネシウムは、顆粒状、リボン状、粉末状等のマグネシ
ウムを用いることができる。また、この金属マグネシウ
ムは、表面に酸化マグネシウム等の被覆が生成されてい
ないものが好ましい。アルコールとしては、炭素数1〜
6の低級アルコールを用いるのが好ましく、特に、エタ
ノールを用いると、触媒性能の発現を著しく向上させる
上記担体が得られる。
は、金属マグネシウムとアルコールとハロゲン及び/又
はハロゲン含有化合物から得られる。この場合、金属マ
グネシウムは、顆粒状、リボン状、粉末状等のマグネシ
ウムを用いることができる。また、この金属マグネシウ
ムは、表面に酸化マグネシウム等の被覆が生成されてい
ないものが好ましい。アルコールとしては、炭素数1〜
6の低級アルコールを用いるのが好ましく、特に、エタ
ノールを用いると、触媒性能の発現を著しく向上させる
上記担体が得られる。
【0023】ハロゲンとしては、塩素、臭素、又はヨウ
素が好ましく、特にヨウ素を好適に使用できる。また、
ハロゲン含有化合物としては、MgCl2 、MgI2 が
好適に使用できる。アルコールの量は、金属マグネシウ
ム1モルに対して好ましくは2〜100モル、特に好ま
しくは5〜50モルである。
素が好ましく、特にヨウ素を好適に使用できる。また、
ハロゲン含有化合物としては、MgCl2 、MgI2 が
好適に使用できる。アルコールの量は、金属マグネシウ
ム1モルに対して好ましくは2〜100モル、特に好ま
しくは5〜50モルである。
【0024】ハロゲン又はハロゲン含有化合物の使用量
は、金属マグネシウム1グラム原子に対して、ハロゲン
原子又はハロゲン含有化合物中のハロゲン原子が、0.
0001グラム原子以上、好ましくは0.0005グラ
ム原子以上、さらに好ましくは、0.001グラム原子
以上である。ハロゲン及びハロゲン含有化合物はそれぞ
れ1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用しても
よい。金属マグネシウムとアルコールとハロゲン及び/
又はハロゲン含有化合物との反応方法は、例えば、金属
マグネシウムとアルコールとハロゲン及び/またはハロ
ゲン含有化合物とを、還流下(約79℃)で水素ガスの
発生が認められなくなるまで(通常20〜30時間)反
応させて、担体を得る方法である。これは、不活性ガス
(例えば窒素ガス、アルゴンガス)雰囲気下で行うこと
が好ましい。得られた担体を次の固体触媒成分の合成に
用いる場合、乾燥させたものを用いてもよく、また濾別
後ヘプタン等の不活性溶媒で洗浄したものを用いてもよ
い。
は、金属マグネシウム1グラム原子に対して、ハロゲン
原子又はハロゲン含有化合物中のハロゲン原子が、0.
0001グラム原子以上、好ましくは0.0005グラ
ム原子以上、さらに好ましくは、0.001グラム原子
以上である。ハロゲン及びハロゲン含有化合物はそれぞ
れ1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用しても
よい。金属マグネシウムとアルコールとハロゲン及び/
又はハロゲン含有化合物との反応方法は、例えば、金属
マグネシウムとアルコールとハロゲン及び/またはハロ
ゲン含有化合物とを、還流下(約79℃)で水素ガスの
発生が認められなくなるまで(通常20〜30時間)反
応させて、担体を得る方法である。これは、不活性ガス
(例えば窒素ガス、アルゴンガス)雰囲気下で行うこと
が好ましい。得られた担体を次の固体触媒成分の合成に
用いる場合、乾燥させたものを用いてもよく、また濾別
後ヘプタン等の不活性溶媒で洗浄したものを用いてもよ
い。
【0025】また、この担体は粒状に近く、しかも粒径
分布がシャープである。さらには、粒子一つ一つをとっ
てみても、粒形度のばらつきは非常に小さい。固体触媒
成分の製造のため、上記の担体に少なくともチタン化合
物を接触させる。
分布がシャープである。さらには、粒子一つ一つをとっ
てみても、粒形度のばらつきは非常に小さい。固体触媒
成分の製造のため、上記の担体に少なくともチタン化合
物を接触させる。
【0026】このチタン化合物としては、一般式(9) TiX1 n (OR1 )4-n ・・・(9) (式中、X1 はハロゲン原子、特に塩素原子が好まし
く、R1 は炭素数1〜10の炭化水素基、特に直鎖また
は分岐鎖のアルキル基であり、R1 が複数存在する場合
にはそれらは互いに同じでも異なってもよい。nは0〜
4の整数である。)で表されるチタン化合物を用いるこ
とができる。具体的には、Ti(O−i−C
3 H7 )4 、Ti(O−C4 H9 )4 、TiCl(O−
C2 H5 )3 、TiCl(O−i−C3 H7 )3 、Ti
Cl(O−C4 H9 )3 、TiCl2 (O−C4H9 )
2 、TiCl2 (O−i−C3 H7 )2 、TiCl4 等
を挙げることができるが、特にTiCl4 が好ましい。
く、R1 は炭素数1〜10の炭化水素基、特に直鎖また
は分岐鎖のアルキル基であり、R1 が複数存在する場合
にはそれらは互いに同じでも異なってもよい。nは0〜
4の整数である。)で表されるチタン化合物を用いるこ
とができる。具体的には、Ti(O−i−C
3 H7 )4 、Ti(O−C4 H9 )4 、TiCl(O−
C2 H5 )3 、TiCl(O−i−C3 H7 )3 、Ti
Cl(O−C4 H9 )3 、TiCl2 (O−C4H9 )
2 、TiCl2 (O−i−C3 H7 )2 、TiCl4 等
を挙げることができるが、特にTiCl4 が好ましい。
【0027】固体触媒成分は、上記の担体にさらに電子
供与性化合物を接触させて得られる。この電子供与性化
合物としては、芳香族ジカルボン酸ジエステルが好まし
く、特にフタル酸ジ−n−ブチルやフタル酸ジエチルが
好ましい。また、上記の担体にチタン化合物と電子供与
性化合物を接触させる際に、四塩化ケイ素等のハロゲン
含有ケイ素化合物を接触させるとよい。
供与性化合物を接触させて得られる。この電子供与性化
合物としては、芳香族ジカルボン酸ジエステルが好まし
く、特にフタル酸ジ−n−ブチルやフタル酸ジエチルが
好ましい。また、上記の担体にチタン化合物と電子供与
性化合物を接触させる際に、四塩化ケイ素等のハロゲン
含有ケイ素化合物を接触させるとよい。
【0028】上記の固体触媒成分は、公知の方法で調製
することができる。例えば、ペンタン、ヘキサン、ペプ
タン又はオクテン等の不活性炭化水素を溶媒に、上記の
担体、電子供与性化合物及びハロゲン含有ケイ素化合物
を投入し、攪拌しながらチタン化合物を投入する方法で
ある。通常は、マグネシウム原子換算で担体1モルに対
して電子供与性化合物は、0.01〜10モル、好まし
くは0.05〜5モルを加え、また、マグネシウム原子
換算で担体1モルに対してチタン化合物は、1〜50モ
ル、好ましくは2〜20モルを加え、0〜200℃に
て、5分〜10時間の条件、好ましくは30〜150℃
にて30分〜5時間の条件で接触反応を行えばよい。
することができる。例えば、ペンタン、ヘキサン、ペプ
タン又はオクテン等の不活性炭化水素を溶媒に、上記の
担体、電子供与性化合物及びハロゲン含有ケイ素化合物
を投入し、攪拌しながらチタン化合物を投入する方法で
ある。通常は、マグネシウム原子換算で担体1モルに対
して電子供与性化合物は、0.01〜10モル、好まし
くは0.05〜5モルを加え、また、マグネシウム原子
換算で担体1モルに対してチタン化合物は、1〜50モ
ル、好ましくは2〜20モルを加え、0〜200℃に
て、5分〜10時間の条件、好ましくは30〜150℃
にて30分〜5時間の条件で接触反応を行えばよい。
【0029】なお、反応終了後は不活性炭化水素(例え
ば、n−ヘキサン、n−ヘプタン)で、生成した固体触
媒成分を洗浄するのが好ましい。また、触媒成分の内、
有機金属化合物触媒成分としては、有機アルミニウム化
合物を好適に用いることができる。
ば、n−ヘキサン、n−ヘプタン)で、生成した固体触
媒成分を洗浄するのが好ましい。また、触媒成分の内、
有機金属化合物触媒成分としては、有機アルミニウム化
合物を好適に用いることができる。
【0030】この有機アルミニウム化合物としては、一
般式(10) AlR2 n X2 3-n ・・・(10) (式中、R2 は炭素数1〜10のアルキル基、シクロア
ルキル基またはアリール基であり、X2 はハロゲン原子
であり、塩素原子または臭素原子が好ましい。nは1〜
3の整数である。)で表される化合物が広く用いられ
る。具体的には、トリアルキルアルミニウム化合物、例
えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウ
ムモノクロリド、ジイソブチルアルミニウムモノクロリ
ド、ジエチルアルミニウムモノエトキシド、エチルアル
ミニウムセスキクロリド等が挙げることができる。これ
らは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用して
もよい。
般式(10) AlR2 n X2 3-n ・・・(10) (式中、R2 は炭素数1〜10のアルキル基、シクロア
ルキル基またはアリール基であり、X2 はハロゲン原子
であり、塩素原子または臭素原子が好ましい。nは1〜
3の整数である。)で表される化合物が広く用いられ
る。具体的には、トリアルキルアルミニウム化合物、例
えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウ
ムモノクロリド、ジイソブチルアルミニウムモノクロリ
ド、ジエチルアルミニウムモノエトキシド、エチルアル
ミニウムセスキクロリド等が挙げることができる。これ
らは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用して
もよい。
【0031】さらに、触媒成分の内、重合系に供する電
子供与性化合物成分としては、有機ケイ素化合物が好ま
しく、特にジシクロペンチルジメトキシシランやシクロ
ヘキシルメチルジメトキシシランが好ましい。上記の固
体触媒成分は、前処理してから、重合に用いるとよい。
例えば、ペンタン、ヘキサン、ペプタン又はオクテン等
の不活性炭化水素を溶媒に、上記の固体触媒成分、有機
金属化合物触媒成分及び電子供与性化合物成分を投入
し、攪拌しながら、プロピレンを供給し、反応させる。
また、通常、有機金属化合物触媒成分は、固体触媒成分
中のチタン原子1モルに対して0.01〜10モル、好
ましくは0.05〜5モルを加え、電子供与性化合物成
分は、固体触媒成分中のチタン原子1モルに対して0.
01〜20モル、好ましくは0.1〜5モルを加えると
よい。プロピレンは、大気圧よりも高いプロピレンの分
圧下で供給し、0〜100℃にて、0.1〜24時間前
処理するとよい。なお、反応終了後は不活性炭化水素
(例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン)で、前処理し
たものを洗浄するのが好ましい。
子供与性化合物成分としては、有機ケイ素化合物が好ま
しく、特にジシクロペンチルジメトキシシランやシクロ
ヘキシルメチルジメトキシシランが好ましい。上記の固
体触媒成分は、前処理してから、重合に用いるとよい。
例えば、ペンタン、ヘキサン、ペプタン又はオクテン等
の不活性炭化水素を溶媒に、上記の固体触媒成分、有機
金属化合物触媒成分及び電子供与性化合物成分を投入
し、攪拌しながら、プロピレンを供給し、反応させる。
また、通常、有機金属化合物触媒成分は、固体触媒成分
中のチタン原子1モルに対して0.01〜10モル、好
ましくは0.05〜5モルを加え、電子供与性化合物成
分は、固体触媒成分中のチタン原子1モルに対して0.
01〜20モル、好ましくは0.1〜5モルを加えると
よい。プロピレンは、大気圧よりも高いプロピレンの分
圧下で供給し、0〜100℃にて、0.1〜24時間前
処理するとよい。なお、反応終了後は不活性炭化水素
(例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン)で、前処理し
たものを洗浄するのが好ましい。
【0032】重合条件は、特に制限されず、公知の方法
と同様の条件を用いることができる。例えば、大気圧よ
りも高いプロピレンの分圧下で、−80〜150℃の温
度下で、製造することができる。好ましくは、20〜1
50℃の温度下で、プロピレンの分圧は大気圧〜40 k
g/cm2 G の範囲である。また、通常、有機金属化合物媒
成分は、固体触媒成分中のチタン原子1モルに対して
0.1〜400モル、好ましくは1〜200モルを加
え、電子供与性化合物成分は、固体触媒成分中のチタン
原子1モルに対して0.1〜100モル、好ましくは1
〜50モルを加えるとよい。また、共重合体のエチレン
含量は所望のエチレン含量になるようにエチレン供給量
で調節し、共重合体の1−ブテン含量は所望の1−ブテ
ン含量になるように1−ブテン供給量で調節し、共重合
体の分子量は所望の分子量になるように水素供給量で調
節する。本発明のプロピレン系ランダム共重合体には、
常用される酸化防止剤、中和剤、スリップ剤、アンチブ
ロッキング剤または耐電防止剤などを必要に応じて配合
することができる。また、本発明のプロピレン系ランダ
ム共重合体は、溶融押出成形法によりフィルムに製膜で
きる。例えば、Tダイキャスト製膜法において、引取速
度が50 m/minまたはこれ以上の高速製膜条件において
も、厚みが 10 〜500 μm のフィルムの製膜に好適に使
用できる。また、前述した好ましい特性を有することか
ら、共押出製膜法による積層フィルムの製造に際して、
その少なくとも一層としても好適に使用できる。製膜法
は大型製膜機により高速製膜が実施されるTダイキャス
ト製膜法が好ましいが、特にこれに限らず、溶融押出成
形法によりフィルムを製造する方法であれば、どのよう
な製膜法においても本発明のプロピレン系ランダム共重
合体は好適に使用できる。
と同様の条件を用いることができる。例えば、大気圧よ
りも高いプロピレンの分圧下で、−80〜150℃の温
度下で、製造することができる。好ましくは、20〜1
50℃の温度下で、プロピレンの分圧は大気圧〜40 k
g/cm2 G の範囲である。また、通常、有機金属化合物媒
成分は、固体触媒成分中のチタン原子1モルに対して
0.1〜400モル、好ましくは1〜200モルを加
え、電子供与性化合物成分は、固体触媒成分中のチタン
原子1モルに対して0.1〜100モル、好ましくは1
〜50モルを加えるとよい。また、共重合体のエチレン
含量は所望のエチレン含量になるようにエチレン供給量
で調節し、共重合体の1−ブテン含量は所望の1−ブテ
ン含量になるように1−ブテン供給量で調節し、共重合
体の分子量は所望の分子量になるように水素供給量で調
節する。本発明のプロピレン系ランダム共重合体には、
常用される酸化防止剤、中和剤、スリップ剤、アンチブ
ロッキング剤または耐電防止剤などを必要に応じて配合
することができる。また、本発明のプロピレン系ランダ
ム共重合体は、溶融押出成形法によりフィルムに製膜で
きる。例えば、Tダイキャスト製膜法において、引取速
度が50 m/minまたはこれ以上の高速製膜条件において
も、厚みが 10 〜500 μm のフィルムの製膜に好適に使
用できる。また、前述した好ましい特性を有することか
ら、共押出製膜法による積層フィルムの製造に際して、
その少なくとも一層としても好適に使用できる。製膜法
は大型製膜機により高速製膜が実施されるTダイキャス
ト製膜法が好ましいが、特にこれに限らず、溶融押出成
形法によりフィルムを製造する方法であれば、どのよう
な製膜法においても本発明のプロピレン系ランダム共重
合体は好適に使用できる。
【0033】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をさらに具
体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。まず、樹脂特性の評価方法、フィルム
の製膜方法及びフィルムの品質の評価方法について、説
明する。 (ア)樹脂特性の評価方法 1) 共重合体中のエチレン単位の含有量(α mol% ) 13 C−NMRで測定したスペクトルからKang−Bo
ng Lee et.al,Polymer J.2
8,696−702頁(1996年)に記載の方法で算
出した。13C−NMRスペクトルは日本電子社製のJNM-
EX400 型NMR 装置を用い以下の条件で測定した。 試料濃度:220mg/NMR溶媒 3ml NMR 溶媒 1、2 、4-トリクロロベンゼン/ベンゼン
-d6 (90/10 vol%) 測定音頭 130°C パルス幅 45 ° パルス繰り返し時間 4 秒 積算回数 400回 2) 共重合体中の1−ブテン単位の含有量(β mol% )13 C−NMRで測定したスペクトルからKang−Bo
ng Lee et.al,Polymer J.2
8,696−702頁(1996年)に記載の方法で算
出した。測定装置、測定条件は1)エチレンの場合と同じ
に行った。 3) メルトインデックス(MI(g/10min) ) JIS K7210に従い、温度230 ℃、荷重2160gで
測定した。 4) 沸騰ジエチルエーテル抽出量(E(wt%)) 1 mmφメッシュパスの大きさに粉砕したペレットを円筒
濾紙に3 g 、抽出溶剤のジエチルエーテルを平底フラス
コに160 ml入れ、リフラックス頻度を1 回/5min 程度
にしてソックスレー抽出器で 10 時間抽出する。抽出
後、ジエチルエーテルをエバポレーターで回収し、さら
に真空乾燥器で、恒量になるまで乾燥し、その重量から
沸騰ジエチルエーテル抽出量を求めた。 5) 示差走査型熱量計で測定した共重合体の融点(Tm
( ℃)) 示差走査型熱量計(パーキンエルマー社製 DSC7)
を用いて、あらかじめ試料 10 mgを窒素雰囲気下230 ℃
で3 min 溶融した後、 10 ℃/minで 40 ℃まで降温す
る。この温度で3 min 保持した後、 10 ℃/minで昇温さ
せて得られた融解吸熱カーブの最大ピークのピークトッ
プを融点とした。 6) 13C−NMRで測定した立体規則性指標P (mol
%) プロピレン系共重合体の立体規則性指標Pは共重合体分
子鎖のPPP連鎖、PPB連鎖及びBPB連鎖における
トライアッド単位のアイソタクチック分率であり、13C
−NMRスペクトルから求めた。具体的には、特許公開
公報平成8 年208909号を参考に次式(I)より求めた。
体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。まず、樹脂特性の評価方法、フィルム
の製膜方法及びフィルムの品質の評価方法について、説
明する。 (ア)樹脂特性の評価方法 1) 共重合体中のエチレン単位の含有量(α mol% ) 13 C−NMRで測定したスペクトルからKang−Bo
ng Lee et.al,Polymer J.2
8,696−702頁(1996年)に記載の方法で算
出した。13C−NMRスペクトルは日本電子社製のJNM-
EX400 型NMR 装置を用い以下の条件で測定した。 試料濃度:220mg/NMR溶媒 3ml NMR 溶媒 1、2 、4-トリクロロベンゼン/ベンゼン
-d6 (90/10 vol%) 測定音頭 130°C パルス幅 45 ° パルス繰り返し時間 4 秒 積算回数 400回 2) 共重合体中の1−ブテン単位の含有量(β mol% )13 C−NMRで測定したスペクトルからKang−Bo
ng Lee et.al,Polymer J.2
8,696−702頁(1996年)に記載の方法で算
出した。測定装置、測定条件は1)エチレンの場合と同じ
に行った。 3) メルトインデックス(MI(g/10min) ) JIS K7210に従い、温度230 ℃、荷重2160gで
測定した。 4) 沸騰ジエチルエーテル抽出量(E(wt%)) 1 mmφメッシュパスの大きさに粉砕したペレットを円筒
濾紙に3 g 、抽出溶剤のジエチルエーテルを平底フラス
コに160 ml入れ、リフラックス頻度を1 回/5min 程度
にしてソックスレー抽出器で 10 時間抽出する。抽出
後、ジエチルエーテルをエバポレーターで回収し、さら
に真空乾燥器で、恒量になるまで乾燥し、その重量から
沸騰ジエチルエーテル抽出量を求めた。 5) 示差走査型熱量計で測定した共重合体の融点(Tm
( ℃)) 示差走査型熱量計(パーキンエルマー社製 DSC7)
を用いて、あらかじめ試料 10 mgを窒素雰囲気下230 ℃
で3 min 溶融した後、 10 ℃/minで 40 ℃まで降温す
る。この温度で3 min 保持した後、 10 ℃/minで昇温さ
せて得られた融解吸熱カーブの最大ピークのピークトッ
プを融点とした。 6) 13C−NMRで測定した立体規則性指標P (mol
%) プロピレン系共重合体の立体規則性指標Pは共重合体分
子鎖のPPP連鎖、PPB連鎖及びBPB連鎖における
トライアッド単位のアイソタクチック分率であり、13C
−NMRスペクトルから求めた。具体的には、特許公開
公報平成8 年208909号を参考に次式(I)より求めた。
【0034】
【数5】
【0035】但し、Iは19.8〜22.2 ppmのシグナル強
度、Imは21.4〜22.2 ppmのシグナル強度、Tδδは3
3.3 ppmのシグナル強度、Sαγは38.0 ppmのシグナル
強度である。13C−NMRスペクトルは、日本電子社製
のJNM−EX400型NMR装置を用いて測定した。
測定条件は、上記1) と同じである。 7)緩和時間τ レオメトリクス社製の回転型レオメーターにおいて、コ
ーンプレート( 直径:25mm,コーンアングル:0.10 ラジア
ン) を用い、温度175 ℃において周波数分散測定を行っ
たときの周波数ω=100 rad/secにおける緩和
時間τ secであり次式より求めた。 G* (iω)=δ* /γ* =G’(ω)+iG”(ω) τ(ω)=G’(ω)/ωG”(ω) ここに、G*は複素弾性率、ωは周波数rad/se
c、G’は貯蔵弾性率、G”は損失弾性率、δ* は複素
応力、γ* は複素歪みである。 8)分子量分布の測定方法 下記の測定条件で行った。 カラム:TOSO GMHHR−H(S)HT 溶媒:1,2,4トリクロロベンゼン 温度:145°C 流速:1.0ミリリットル/分 検量線:Universal Calibration 検出器:RI(Waters 150C) 解析プログラム:HT−GPC(Ver.1.0) (イ)フィルムの製膜方法 以下の実施例及び比較例で得たプロピレン系ランダム共
重合体及びプロピレン重合体のペレットから、三菱重工
製 75 mmφ成形機を用い、膜厚 25 μm のフィルムを以
下の成形条件で製膜した。
度、Imは21.4〜22.2 ppmのシグナル強度、Tδδは3
3.3 ppmのシグナル強度、Sαγは38.0 ppmのシグナル
強度である。13C−NMRスペクトルは、日本電子社製
のJNM−EX400型NMR装置を用いて測定した。
測定条件は、上記1) と同じである。 7)緩和時間τ レオメトリクス社製の回転型レオメーターにおいて、コ
ーンプレート( 直径:25mm,コーンアングル:0.10 ラジア
ン) を用い、温度175 ℃において周波数分散測定を行っ
たときの周波数ω=100 rad/secにおける緩和
時間τ secであり次式より求めた。 G* (iω)=δ* /γ* =G’(ω)+iG”(ω) τ(ω)=G’(ω)/ωG”(ω) ここに、G*は複素弾性率、ωは周波数rad/se
c、G’は貯蔵弾性率、G”は損失弾性率、δ* は複素
応力、γ* は複素歪みである。 8)分子量分布の測定方法 下記の測定条件で行った。 カラム:TOSO GMHHR−H(S)HT 溶媒:1,2,4トリクロロベンゼン 温度:145°C 流速:1.0ミリリットル/分 検量線:Universal Calibration 検出器:RI(Waters 150C) 解析プログラム:HT−GPC(Ver.1.0) (イ)フィルムの製膜方法 以下の実施例及び比較例で得たプロピレン系ランダム共
重合体及びプロピレン重合体のペレットから、三菱重工
製 75 mmφ成形機を用い、膜厚 25 μm のフィルムを以
下の成形条件で製膜した。
【0036】 加工温度 :265 ℃ チルロール温度: 25 ℃ 引取速度 :150 m/min また、成形条件依存性を検討するため以下の条件( 成形
条件2)で製膜したフィルムの透明性(ヘイズ)を評価
した。
条件2)で製膜したフィルムの透明性(ヘイズ)を評価
した。
【0037】 加工温度 :265 ℃ チルロール温度: 50 ℃ 引取速度 :150 m/min (ウ)フィルムの品質の評価方法 フィルムの品質は全て試料を温度23±2 ℃、湿度50±10
%で、 16 時間以上状態調節した後、同じ温度、湿度条
件下にて、測定を行った。 1) ヒートシール特性 JIS K−1707に準拠して測定した。融着条件を
以下に記す。なお、ヒートシールバーの温度は表面温度
計により較正されている。シール後、室温で一昼夜放置
し、その後室温で剥離速度を 200 mm/min にしてT型剥
離法で剥離強度を測定した。ヒートシール温度は剥離強
度が300 g/15mmになる温度をシール強度−剥離強度曲線
から計算して求めた。
%で、 16 時間以上状態調節した後、同じ温度、湿度条
件下にて、測定を行った。 1) ヒートシール特性 JIS K−1707に準拠して測定した。融着条件を
以下に記す。なお、ヒートシールバーの温度は表面温度
計により較正されている。シール後、室温で一昼夜放置
し、その後室温で剥離速度を 200 mm/min にしてT型剥
離法で剥離強度を測定した。ヒートシール温度は剥離強
度が300 g/15mmになる温度をシール強度−剥離強度曲線
から計算して求めた。
【0038】 シール時間:1 sec シール面積:15 mm ×10 mm シール圧力:2.0 kg/cm2 シール温度:ヒートシール温度を内挿できるように数
点。 2)アンチブロッキング性 長方形(30cm × 10cm)のフィルムを接着面積が10cm ×
10cm の治具にそれぞれ固定し以下の条件で密着させた
後の引剥強度により評価した。 密着条件1 温度:60℃、時間:3時間、荷重:36 g/cm
2 、面積:10cm × 10cm 密着条件2 温度:50℃、時間:1週間、荷重:15 g/cm
2 、面積:10cm × 10cm 引剥試験の条件は次のとおりである。
点。 2)アンチブロッキング性 長方形(30cm × 10cm)のフィルムを接着面積が10cm ×
10cm の治具にそれぞれ固定し以下の条件で密着させた
後の引剥強度により評価した。 密着条件1 温度:60℃、時間:3時間、荷重:36 g/cm
2 、面積:10cm × 10cm 密着条件2 温度:50℃、時間:1週間、荷重:15 g/cm
2 、面積:10cm × 10cm 引剥試験の条件は次のとおりである。
【0039】 テストスピード : 20 mm/min ロードセル : 2 kg 3)スリップ性 フィルムを張ったスレットを、フィルムを張ったガラス
板の上に静置した後、ガラス板を傾けていきスレットが
滑り出したときの傾き角θのtanで評価した。東洋精
機製作所製の摩擦角測定機を用い、以下の条件にて測定
した。
板の上に静置した後、ガラス板を傾けていきスレットが
滑り出したときの傾き角θのtanで評価した。東洋精
機製作所製の摩擦角測定機を用い、以下の条件にて測定
した。
【0040】 測定面 :金属ロール面/金属ロール面 傾斜速度 :2.7 °/sec スレッド重量 :1 kg スレッド断面積:65 cm2 面間圧力 :15 g/cm2 4)透明性(ヘイズ) JIS K7105に従い測定した。 5)耐衝撃性(フィルムインパクト) 東洋精機製作所製フィルムインパクトテスターにおいて
1/2 インチ衝撃ヘッドを用いた衝撃破壊強度により評価
した。 6)引張弾性率 JIS K7127に準拠した引張試験により以下の条
件にて測定した。
1/2 インチ衝撃ヘッドを用いた衝撃破壊強度により評価
した。 6)引張弾性率 JIS K7127に準拠した引張試験により以下の条
件にて測定した。
【0041】 クロスヘッド速度:500mm/分 ロードセル :10Kg 測定方向 :マシン方向(MD) 〔実施例1〕 (1)マグネシウム化合物の調整 攪拌機付き反応槽(内容積500 リットル) 窒素ガスで充分に
置換し、エタノール 97.2 kg、ヨウ素640 g 、及び金属
マグネシウム6.4 kgを投入し、攪拌しながら還流条件下
で系内から水素ガスの発生が無くなるまで反応させ、固
体状反応生成物を得た。この固体状反応生成物を含む反
応液を減圧乾燥させることにより目的のマグネシウム化
合物(固体触媒の担体)を得た。 (2)固体触媒成分の調整 窒素ガスで充分に置換した攪拌機付き反応槽(内容積50
0 リットル)に、前記マグネシウム化合物(粉砕していない
もの) 30 kg、精製ヘプタン(n−ヘプタン)150 リット
ル、四塩化ケイ素 4.5 リットル 、及びフタル酸−n−ブチ
ル 5.4 リットル を加えた。系内を 90 ℃に保ち、攪拌しな
がら四塩化チタン144 リットルを投入して110℃で2 時間反
応させた後、固体成分を分離して 80 ℃の精製ヘプタン
で洗浄した。さらに、四塩化チタン228 リットルを加え、11
0 ℃で2 時間反応させた後、精製ヘプタンで充分に洗浄
し、固体触媒成分を得た。 (3)前処理 内容積500 リットルの攪拌機付き反応槽に精製ヘプタン230
リットルを投入し、前記の固体触媒成分を 25 kg、トリエチ
ルアルミニウムを固体触媒成分中のチタン原子に対して
1.0 mol/mol 、ジシクロペンチルジメトキシシランを1.
8 mol/mol の割で供給した。その後、プロピレンをプロ
ピレン分圧で 0.3 kg/cm2Gになるまで導入し、 25 ℃で
4 時間反応させた。反応終了後、固体触媒成分を精製ヘ
プタンで数回洗浄し、更に二酸化炭素を供給し 24 時間
攪拌した。 (4)重合 内容積200 リットルの攪拌機付き重合装置に前記処理済の固
体触媒成分を成分中のチタン原子換算で3 m mol/hrで、
トリエチルアルミニウムを4 m mol/ kg-PPで、ジシクロ
ペンチルジメトキシシランを1 m mol/ kg-PPでそれぞれ
供給し、重合温度 80 ℃、重合圧力(全圧)28kg/cm 2
G でプロピレンとエチレンを反応させた。この時、所望
のエチレン、1-ブテンの含有量及び分子量となるように
エチレン、1-ブテンの供給量、及び水素供給量をそれぞ
れ調節した。重合装置内ガス部の組成分析値(ガス・ク
ロマト分析)のエチレン濃度が、0.8 mol %、1-ブテン
の濃度が、2.2 mol %、水素濃度が、2.4 mol %であっ
た。 (5)添加剤処方 こうして得たプロピレン系共重合体パウダーに以下の添
加剤を処方し、混練機にて押出造粒した。
置換し、エタノール 97.2 kg、ヨウ素640 g 、及び金属
マグネシウム6.4 kgを投入し、攪拌しながら還流条件下
で系内から水素ガスの発生が無くなるまで反応させ、固
体状反応生成物を得た。この固体状反応生成物を含む反
応液を減圧乾燥させることにより目的のマグネシウム化
合物(固体触媒の担体)を得た。 (2)固体触媒成分の調整 窒素ガスで充分に置換した攪拌機付き反応槽(内容積50
0 リットル)に、前記マグネシウム化合物(粉砕していない
もの) 30 kg、精製ヘプタン(n−ヘプタン)150 リット
ル、四塩化ケイ素 4.5 リットル 、及びフタル酸−n−ブチ
ル 5.4 リットル を加えた。系内を 90 ℃に保ち、攪拌しな
がら四塩化チタン144 リットルを投入して110℃で2 時間反
応させた後、固体成分を分離して 80 ℃の精製ヘプタン
で洗浄した。さらに、四塩化チタン228 リットルを加え、11
0 ℃で2 時間反応させた後、精製ヘプタンで充分に洗浄
し、固体触媒成分を得た。 (3)前処理 内容積500 リットルの攪拌機付き反応槽に精製ヘプタン230
リットルを投入し、前記の固体触媒成分を 25 kg、トリエチ
ルアルミニウムを固体触媒成分中のチタン原子に対して
1.0 mol/mol 、ジシクロペンチルジメトキシシランを1.
8 mol/mol の割で供給した。その後、プロピレンをプロ
ピレン分圧で 0.3 kg/cm2Gになるまで導入し、 25 ℃で
4 時間反応させた。反応終了後、固体触媒成分を精製ヘ
プタンで数回洗浄し、更に二酸化炭素を供給し 24 時間
攪拌した。 (4)重合 内容積200 リットルの攪拌機付き重合装置に前記処理済の固
体触媒成分を成分中のチタン原子換算で3 m mol/hrで、
トリエチルアルミニウムを4 m mol/ kg-PPで、ジシクロ
ペンチルジメトキシシランを1 m mol/ kg-PPでそれぞれ
供給し、重合温度 80 ℃、重合圧力(全圧)28kg/cm 2
G でプロピレンとエチレンを反応させた。この時、所望
のエチレン、1-ブテンの含有量及び分子量となるように
エチレン、1-ブテンの供給量、及び水素供給量をそれぞ
れ調節した。重合装置内ガス部の組成分析値(ガス・ク
ロマト分析)のエチレン濃度が、0.8 mol %、1-ブテン
の濃度が、2.2 mol %、水素濃度が、2.4 mol %であっ
た。 (5)添加剤処方 こうして得たプロピレン系共重合体パウダーに以下の添
加剤を処方し、混練機にて押出造粒した。
【0042】1) 酸化防止剤 チバガイギー社製のイルガノックス1010:1000 ppm 及びチバガイギー社製のイルガフォス168:1000 ppm 2) 中和剤 ステアリン酸カルシウム:1000 ppm 3) アンチブロッキング剤 シリカ系:1000 ppm 4) スッリプ剤 エルカ酸アミド:1000 ppm こうして得たプロピレン系ランダム共重合体ペレットの
樹脂特性を上記の(ア)の方法で評価した。また、上記
の(イ)の方法で製膜し、そのフィルム品質は(ウ)の
方法で評価した。その結果は第1表に示す。 〔実施例 2〕所望のエチレン、1-ブテンの含有量及び分
子量となるようにエチレン、1-ブテンの供給量、及び水
素供給量をそれぞれ第1表記載のように調節した以外は
実施例1と同様に行った。 〔実施例 3〕固体触媒成分の調整においてフタル酸−n
−ブチルの代わりにフタル酸ジエチルを、また前処理に
おいてジシクロペンチルジメトキシシランの代わりにシ
クロヘキシルジメトキシシランを及び重合においてジシ
クロペンチルジメトキシシランの代わりにシクロヘキシ
ルジメトキシシランを0.1 m mol/ kg-PPで供給し、さら
に、所望のエチレン、1-ブテンの含有量及び分子量とな
るようにエチレン、1-ブテンの供給量、及び水素供給量
をそれぞれ第1表記載のように調節した以外は実施例1
と同様に行った。 〔比較例1〕重合時にエチレン、1-ブテンを用いなかっ
たことおよび所望の分子量となるように水素供給量を第
1表記載のようにそれぞれ調節した以外はすべて実施例
1と同様に行った。得られた共重合体は実施例1と同様
に添加剤処方を行い評価した。その結果は第1表に示
す。 〔比較例2〕重合時にエチレンを用いなかったことおよ
び所望の1-ブテンの含有量および分子量となるように1-
ブテンの供給量および水素供給量を第1表記載のように
それぞれ調節した以外はすべて実施例1と同様に行っ
た。得られた共重合体は実施例1と同様に添加剤処方を
行い評価した。その結果は第1表に示す。 〔比較例3〕重合時に1-ブテンを用いなかったことおよ
び所望のエチレンの含有量および分子量となるようにエ
チレンの供給量および水素供給量を第1表記載のように
それぞれ調節した以外はすべて実施例3と同様に行っ
た。得られた共重合体は実施例1と同様に添加剤処方を
行い評価した。その結果は第1表に示す。 〔比較例4〕重合時にシクロヘキシルジメトキシシラン
を用いなかったことおよび所望のエチレン、1-ブテンの
含有量及び分子量となるようにエチレン、1-ブテンの供
給量、及び水素供給量をそれぞれ第1表記載のように調
節した以外は実施例3と同様に行った。得られた共重合
体は実施例1と同様に添加剤処方を行い評価した。その
結果は第1表に示す。 〔比較例5〕市販のポリプロピレン(出光ポリプロF−
704NT−2)を用いて実施例1と同様に添加剤処方
を行い評価した。その結果は第1表に示す。
樹脂特性を上記の(ア)の方法で評価した。また、上記
の(イ)の方法で製膜し、そのフィルム品質は(ウ)の
方法で評価した。その結果は第1表に示す。 〔実施例 2〕所望のエチレン、1-ブテンの含有量及び分
子量となるようにエチレン、1-ブテンの供給量、及び水
素供給量をそれぞれ第1表記載のように調節した以外は
実施例1と同様に行った。 〔実施例 3〕固体触媒成分の調整においてフタル酸−n
−ブチルの代わりにフタル酸ジエチルを、また前処理に
おいてジシクロペンチルジメトキシシランの代わりにシ
クロヘキシルジメトキシシランを及び重合においてジシ
クロペンチルジメトキシシランの代わりにシクロヘキシ
ルジメトキシシランを0.1 m mol/ kg-PPで供給し、さら
に、所望のエチレン、1-ブテンの含有量及び分子量とな
るようにエチレン、1-ブテンの供給量、及び水素供給量
をそれぞれ第1表記載のように調節した以外は実施例1
と同様に行った。 〔比較例1〕重合時にエチレン、1-ブテンを用いなかっ
たことおよび所望の分子量となるように水素供給量を第
1表記載のようにそれぞれ調節した以外はすべて実施例
1と同様に行った。得られた共重合体は実施例1と同様
に添加剤処方を行い評価した。その結果は第1表に示
す。 〔比較例2〕重合時にエチレンを用いなかったことおよ
び所望の1-ブテンの含有量および分子量となるように1-
ブテンの供給量および水素供給量を第1表記載のように
それぞれ調節した以外はすべて実施例1と同様に行っ
た。得られた共重合体は実施例1と同様に添加剤処方を
行い評価した。その結果は第1表に示す。 〔比較例3〕重合時に1-ブテンを用いなかったことおよ
び所望のエチレンの含有量および分子量となるようにエ
チレンの供給量および水素供給量を第1表記載のように
それぞれ調節した以外はすべて実施例3と同様に行っ
た。得られた共重合体は実施例1と同様に添加剤処方を
行い評価した。その結果は第1表に示す。 〔比較例4〕重合時にシクロヘキシルジメトキシシラン
を用いなかったことおよび所望のエチレン、1-ブテンの
含有量及び分子量となるようにエチレン、1-ブテンの供
給量、及び水素供給量をそれぞれ第1表記載のように調
節した以外は実施例3と同様に行った。得られた共重合
体は実施例1と同様に添加剤処方を行い評価した。その
結果は第1表に示す。 〔比較例5〕市販のポリプロピレン(出光ポリプロF−
704NT−2)を用いて実施例1と同様に添加剤処方
を行い評価した。その結果は第1表に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【発明の効果】本発明により、ポリプロピレンのフィル
ムが本来有する好ましい特性を損なうことなく、耐衝撃
性に優れかつ低温ヒートシール性と剛性のバランスに優
れたフィルムを得ることができるプロピレン系ランダム
共重合体を提供することができる。また、アンチブロッ
キング性、スリップ性にも優れさらに透明性にも優れて
いる。さらに、透明性が成形条件の影響を受けにくいと
いう特徴を有する。また、これを用いてなるフィルム
は、上記の好ましい特性を有することから、ラミネート
や共押出した積層フィルムの基材層として好適に使用可
能である。さらに、繊維、発砲体や各種の成形体用途に
も好ましく使用できる。
ムが本来有する好ましい特性を損なうことなく、耐衝撃
性に優れかつ低温ヒートシール性と剛性のバランスに優
れたフィルムを得ることができるプロピレン系ランダム
共重合体を提供することができる。また、アンチブロッ
キング性、スリップ性にも優れさらに透明性にも優れて
いる。さらに、透明性が成形条件の影響を受けにくいと
いう特徴を有する。また、これを用いてなるフィルム
は、上記の好ましい特性を有することから、ラミネート
や共押出した積層フィルムの基材層として好適に使用可
能である。さらに、繊維、発砲体や各種の成形体用途に
も好ましく使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08F 210:08)
Claims (5)
- 【請求項1】 13C−NMRで測定したスペクトルから
下記式(I)により求めたトライアッド単位のアイソタ
クチック分率である立体規則性指標Pが85 mol% 以上で
あるプロピレン、エチレン、1−ブテンの共重合体であ
って、下記の〜を満足するプロピレン系ランダム共
重合体。 【数1】 (但し、Iは19.8〜22.2 ppmのシグナル強度、Imは2
1.4〜22.2 ppmのシグナル強度、Tδδは33.3 ppmのシ
グナル強度、Sαγは38.0 ppmのシグナル強度であ
る。) 共重合体中のエチレン単位の含有量(α mol%)
と1−ブテン単位の含有量(β mol%)が(1)式
を満たす 0.1 ≦α+β<4 ・・・(1) 共重合体のメルトインデックス(MI(g/10min))が1
〜12g/10min である 沸騰ジエチルエーテル抽出量(E)とα+βは(2) 式
の関係を満たす E≦ 0.2(α+β)+0.6 ・・・(2) 示差走査型熱量計で測定した融点(Tm(℃))とα+β
が式(3) の関係を満たす Tm ≦ 164−3.6(α+β)・・・(3) 共重合体のメルトインデックス(MI(g/10min))と周
波数分散測定により得られる周波数ω0 =100 rad/秒
における緩和時間τ( 秒)が式(4) の関係を満たす τ≦ 0.65 −0.025 MI ・・・(4) - 【請求項2】 13C−NMRで測定したスペクトルから
上記式(I) により求めた立体規則性指標Pが90〜96 m
ol% である請求項1に記載のプロピレン系ランダム共重
合体。 - 【請求項3】 13C−NMRで測定したスペクトルから
上記式(I) により求めた立体規則性指標Pが98 mol%
以上である請求項1に記載のプロピレン系ランダム共重
合体。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のプロピ
レン系ランダム共重合体からなるフィルム。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のプロピ
レン系ランダム共重合体からなる層を少なくともその一
層とする樹脂積層体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22235697A JPH1160639A (ja) | 1997-08-19 | 1997-08-19 | プロピレン系ランダム共重合体並びにそれを用いたフィルムおよび積層体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22235697A JPH1160639A (ja) | 1997-08-19 | 1997-08-19 | プロピレン系ランダム共重合体並びにそれを用いたフィルムおよび積層体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1160639A true JPH1160639A (ja) | 1999-03-02 |
Family
ID=16781065
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22235697A Pending JPH1160639A (ja) | 1997-08-19 | 1997-08-19 | プロピレン系ランダム共重合体並びにそれを用いたフィルムおよび積層体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1160639A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1865005A2 (en) | 1998-06-25 | 2007-12-12 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | Propylene polymer and composition containing the same, molded object and laminate comprising these, and processes for producing propylene polymer and composition containing the same |
US7611776B2 (en) | 2005-01-28 | 2009-11-03 | China Petrochemical & Chemical Corporation | Propylene polymer composition and oriented film prepared thereby |
-
1997
- 1997-08-19 JP JP22235697A patent/JPH1160639A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1865005A2 (en) | 1998-06-25 | 2007-12-12 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | Propylene polymer and composition containing the same, molded object and laminate comprising these, and processes for producing propylene polymer and composition containing the same |
EP1865006A2 (en) | 1998-06-25 | 2007-12-12 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | Propylene polymer and composition containing the same, molded object and laminate comprising these, and processes for producing propylene polymer and composition containing the same |
EP1867662A2 (en) | 1998-06-25 | 2007-12-19 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | Propylene polymer and composition containing the same, molded object and laminate comprising these, and processes for producing propylene polymer and composition containing the same |
US7611776B2 (en) | 2005-01-28 | 2009-11-03 | China Petrochemical & Chemical Corporation | Propylene polymer composition and oriented film prepared thereby |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040407 |