JP3171644B2 - 耐熱性絶縁フイルム - Google Patents
耐熱性絶縁フイルムInfo
- Publication number
- JP3171644B2 JP3171644B2 JP9397292A JP9397292A JP3171644B2 JP 3171644 B2 JP3171644 B2 JP 3171644B2 JP 9397292 A JP9397292 A JP 9397292A JP 9397292 A JP9397292 A JP 9397292A JP 3171644 B2 JP3171644 B2 JP 3171644B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- catalyst
- compound
- copolymer
- alkenylsilane
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Organic Insulating Materials (AREA)
- Insulating Bodies (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐熱性に優れたポリプロ
ピレンの絶縁フイルムに関する。詳しくは、特定の共重
合体から得られるフイルムに特定の処理を行って得られ
る耐熱性の絶縁フイルムに関する。
ピレンの絶縁フイルムに関する。詳しくは、特定の共重
合体から得られるフイルムに特定の処理を行って得られ
る耐熱性の絶縁フイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレンのフイルムは比較的機械
物性に優れしかも電気特性に優れているためコンデンサ
ー用などの絶縁フイルムとして多くの用途に利用されて
いる。
物性に優れしかも電気特性に優れているためコンデンサ
ー用などの絶縁フイルムとして多くの用途に利用されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ポリプロピレンフイル
ムの問題点としてはそのポリマーの属性から、耐熱性に
劣るという問題があり、フイルムに成形した後、種々の
方法で架橋することが考えられるが(特開平3-33138
)、架橋の進行が必ずしも高温での絶縁特性に結び付
かないという問題があった。
ムの問題点としてはそのポリマーの属性から、耐熱性に
劣るという問題があり、フイルムに成形した後、種々の
方法で架橋することが考えられるが(特開平3-33138
)、架橋の進行が必ずしも高温での絶縁特性に結び付
かないという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題を
解決して高温での絶縁特性に優れたポリプロピレンフイ
ルムについて鋭意探索し本発明を完成した。
解決して高温での絶縁特性に優れたポリプロピレンフイ
ルムについて鋭意探索し本発明を完成した。
【0005】即ち本発明は、プロピレンとアルケニルシ
ランの共重合体とSi−H基を含有するポリシコーンと
の混合物を溶融成形して得た成形物を少なくとも一方向
に延伸して得たフイルムをロジウムの塩及び下記一般式
(化5)
ランの共重合体とSi−H基を含有するポリシコーンと
の混合物を溶融成形して得た成形物を少なくとも一方向
に延伸して得たフイルムをロジウムの塩及び下記一般式
(化5)
【化5】 (式中R 1 、R 2 は、同じか異なる炭素数1〜12の炭
化水素残基、nは0〜3の整数、Mはチタン、ジルコニ
ウム、ハフニウムから選ばれた金属。)で表される周期
律表IVB族金属のアルコキシ化合物から選ばれた触媒で
処理してなる耐熱性絶縁フイルムである。
化水素残基、nは0〜3の整数、Mはチタン、ジルコニ
ウム、ハフニウムから選ばれた金属。)で表される周期
律表IVB族金属のアルコキシ化合物から選ばれた触媒で
処理してなる耐熱性絶縁フイルムである。
【0006】本発明の絶縁フイルムについてその製法を
示すことで以下に詳述する。
示すことで以下に詳述する。
【0007】本発明においてアルケニルシランとしては
少なくとも一つのSi−H結合を有するものが好ましく
用いられ、例えば下記一般式(化1)で表される化合
物、
少なくとも一つのSi−H結合を有するものが好ましく
用いられ、例えば下記一般式(化1)で表される化合
物、
【0008】
【化1】H2C=CH-(CH2)n -SiHP R3-P (式中nは0〜12、pは1〜3、Rは炭素数1 〜12の炭
化水素残基。)が例示でき、具体的にはビニルシラン、
アリルシラン、ブテニルシラン、ペンテニルシラン、あ
るいはこれらのモノマーの一部のSi−H結合のHがク
ロルで置換された化合物などが例示できる。
化水素残基。)が例示でき、具体的にはビニルシラン、
アリルシラン、ブテニルシラン、ペンテニルシラン、あ
るいはこれらのモノマーの一部のSi−H結合のHがク
ロルで置換された化合物などが例示できる。
【0009】本発明においてはプロピレンとアルケニル
シランの共重合体のプロピレンの一部を他のオレフィン
に変え共重合した共重合体を利用することもでき、他の
オレフィンとしてはエチレン、ブテン-1、ペンテン-1、
ヘキセン-1、2-メチルペンテン、ヘプテン-1、オクテン
-1などが例示され、全重合体の10wt%未満となる様に共
重合したものが利用できる。
シランの共重合体のプロピレンの一部を他のオレフィン
に変え共重合した共重合体を利用することもでき、他の
オレフィンとしてはエチレン、ブテン-1、ペンテン-1、
ヘキセン-1、2-メチルペンテン、ヘプテン-1、オクテン
-1などが例示され、全重合体の10wt%未満となる様に共
重合したものが利用できる。
【0010】本発明においてプロピレンとアルケニルシ
ランの共重合体は、不活性溶媒を使用する溶媒法の他に
塊状重合法、気相重合法で製造することができる。また
製造するに用いる触媒としては、遷移金属化合物と有機
金属化合物からなる触媒を用いるのが一般的であり、遷
移金属化合物としてはハロゲン化チタンが、有機金属化
合物としては有機アルミニウム化合物が好ましく用いら
れる。
ランの共重合体は、不活性溶媒を使用する溶媒法の他に
塊状重合法、気相重合法で製造することができる。また
製造するに用いる触媒としては、遷移金属化合物と有機
金属化合物からなる触媒を用いるのが一般的であり、遷
移金属化合物としてはハロゲン化チタンが、有機金属化
合物としては有機アルミニウム化合物が好ましく用いら
れる。
【0011】具体的には、四塩化チタンを金属アルミニ
ウム、水素或いは有機アルミニウムで還元して得た三塩
化チタンを電子供与性化合物で変性処理したものと有機
アルミニウム化合物、さらに必要に応じ含酸素有機化合
物などの電子供与性化合物からなる触媒系、或いはハロ
ゲン化マグネシウム等の担体或いはそれらを電子供与性
化合物で処理したものにハロゲン化チタンを担持して得
た遷移金属化合物触媒と有機アルミニウム化合物、必要
に応じ含酸素有機化合物などの電子供与性化合物からな
る触媒系、あるいは塩化マグネシウムとアルコールの反
応物を炭化水素溶媒中に溶解し、ついで四塩化チタンな
どの沈澱剤で処理することで炭化水素溶媒に不溶化し、
必要に応じエステル、エーテルなどの電子供与性の化合
物で処理し、ついでハロゲン化チタンで処理する方法な
どによって得られる遷移金属化合物触媒と有機アルミニ
ウム化合物、必要に応じ含酸素有機化合物などの電子供
与性化合物からなる触媒系等が例示される(例えば、以
下の文献に種々の例が記載されている。Ziegler-Natta
Catalysts and Polymerization by John Boor Jr(Acade
mic Press),Journal of Macromorecular Science Revie
ws in Macromolecular Chemistry and Physics,C24(3)
355-385(1984) 、同C25(1) 578-597(1985))。
ウム、水素或いは有機アルミニウムで還元して得た三塩
化チタンを電子供与性化合物で変性処理したものと有機
アルミニウム化合物、さらに必要に応じ含酸素有機化合
物などの電子供与性化合物からなる触媒系、或いはハロ
ゲン化マグネシウム等の担体或いはそれらを電子供与性
化合物で処理したものにハロゲン化チタンを担持して得
た遷移金属化合物触媒と有機アルミニウム化合物、必要
に応じ含酸素有機化合物などの電子供与性化合物からな
る触媒系、あるいは塩化マグネシウムとアルコールの反
応物を炭化水素溶媒中に溶解し、ついで四塩化チタンな
どの沈澱剤で処理することで炭化水素溶媒に不溶化し、
必要に応じエステル、エーテルなどの電子供与性の化合
物で処理し、ついでハロゲン化チタンで処理する方法な
どによって得られる遷移金属化合物触媒と有機アルミニ
ウム化合物、必要に応じ含酸素有機化合物などの電子供
与性化合物からなる触媒系等が例示される(例えば、以
下の文献に種々の例が記載されている。Ziegler-Natta
Catalysts and Polymerization by John Boor Jr(Acade
mic Press),Journal of Macromorecular Science Revie
ws in Macromolecular Chemistry and Physics,C24(3)
355-385(1984) 、同C25(1) 578-597(1985))。
【0012】あるいは炭化水素溶剤に可溶な遷移金属触
媒とアルミノキサンからなる触媒を用いて重合すること
もできる。
媒とアルミノキサンからなる触媒を用いて重合すること
もできる。
【0013】ここで電子供与性化合物としては通常エー
テル、エステル、オルソエステル、アルコキシ硅素化合
物などの含酸素化合物が好ましく例示でき、さらにアル
コール、アルデヒド、水なども使用可能である。
テル、エステル、オルソエステル、アルコキシ硅素化合
物などの含酸素化合物が好ましく例示でき、さらにアル
コール、アルデヒド、水なども使用可能である。
【0014】有機アルミニウム化合物としては、トリア
ルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムハライ
ド、アルキルアルミニウムセスキハライド、アルキルア
ルミニウムジハライドが使用でき、アルキル基としては
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル
基などが例示され、ハライドとしては塩素、臭素、沃素
が例示される。また上記有機アルミニウムと水または結
晶水とを反応することで得られるオリゴマー〜ポリマー
であるアルミノキサンも利用できる。
ルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムハライ
ド、アルキルアルミニウムセスキハライド、アルキルア
ルミニウムジハライドが使用でき、アルキル基としては
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル
基などが例示され、ハライドとしては塩素、臭素、沃素
が例示される。また上記有機アルミニウムと水または結
晶水とを反応することで得られるオリゴマー〜ポリマー
であるアルミノキサンも利用できる。
【0015】ここでアルケニルシランとプロピレンの重
合割合としては特に制限は無いが、ポリプロピレンと混
合して用いる場合には、通常アルケニルシランが 0.001
〜30モル%程度、好ましくは0.1 〜10モル%である。ま
た単独で用いる場合には0.0001〜1 モル%程度である。
合割合としては特に制限は無いが、ポリプロピレンと混
合して用いる場合には、通常アルケニルシランが 0.001
〜30モル%程度、好ましくは0.1 〜10モル%である。ま
た単独で用いる場合には0.0001〜1 モル%程度である。
【0016】重合体の分子量としては特に制限はない
が、混合して物性の向上を計ろうとする場合には混合し
て用いるポリプロピレンの分子量と同程度あるいはそれ
以下とするのが好ましい。また好ましい分子量としては
135 ℃のテトラリン溶液で測定した極限粘度が0.1 〜10
程度である。
が、混合して物性の向上を計ろうとする場合には混合し
て用いるポリプロピレンの分子量と同程度あるいはそれ
以下とするのが好ましい。また好ましい分子量としては
135 ℃のテトラリン溶液で測定した極限粘度が0.1 〜10
程度である。
【0017】本発明において必要に応じ上記共重合体と
混合して用いるポリプロピレンとしてはプロピレンの単
独重合体の他に10wt%未満の上記他のオレフィンを共重
合したものが利用でき、種々の共重合体を市場で入手す
ることもできる。
混合して用いるポリプロピレンとしてはプロピレンの単
独重合体の他に10wt%未満の上記他のオレフィンを共重
合したものが利用でき、種々の共重合体を市場で入手す
ることもできる。
【0018】本発明においてSi−H基を含有するポリ
シリコーンとしては、ポリマー鎖中にSi−H基を有す
るものであればどのようなものであれ利用でき、通常は
下記一般式(化2)で表される化合物を水と反応するこ
とで合成することができ、その時、式中の水素を炭化水
素残基で置換した化合物を併用することでポリマー鎖中
のSi−H基濃度を所望の濃度とすることが可能であ
る。
シリコーンとしては、ポリマー鎖中にSi−H基を有す
るものであればどのようなものであれ利用でき、通常は
下記一般式(化2)で表される化合物を水と反応するこ
とで合成することができ、その時、式中の水素を炭化水
素残基で置換した化合物を併用することでポリマー鎖中
のSi−H基濃度を所望の濃度とすることが可能であ
る。
【0019】
【化2】RHSiCl2(式中Rは炭素数1 〜12の炭化水素残
基。) 。
基。) 。
【0020】ポリシリコーンの分子量としては特に制限
はないが通常1000〜1000000 程度の数平均分子量のもの
を使用するのが一般的である。
はないが通常1000〜1000000 程度の数平均分子量のもの
を使用するのが一般的である。
【0021】このポリシリコーンのアルケニルシランと
オレフィンの共重合体に対する使用割合としては、通常
アルケニルシランとオレフィンの共重合体 100重量部に
対し0.1 〜60重量部、好ましくは1.0 〜40重量部であ
る。これより少ないと改良効果が小さく、多いと剛性が
不良となり好ましくない。
オレフィンの共重合体に対する使用割合としては、通常
アルケニルシランとオレフィンの共重合体 100重量部に
対し0.1 〜60重量部、好ましくは1.0 〜40重量部であ
る。これより少ないと改良効果が小さく、多いと剛性が
不良となり好ましくない。
【0022】本発明においてはアルケニルシランとプロ
ピレンの共重合体と混合して用いる添加剤として、ポリ
プロピレンの他に安定剤、フィラーなど公知の種々の添
加剤が利用できる。ここで混合方法としては特に制限は
なく通常のドライ混合と加熱溶融混合を組合せた混合方
法で充分に混合が可能である。ドライ混合には通常ヘン
シェルミキサーが用いられ、加熱溶融混合には、押出機
が用いられる。
ピレンの共重合体と混合して用いる添加剤として、ポリ
プロピレンの他に安定剤、フィラーなど公知の種々の添
加剤が利用できる。ここで混合方法としては特に制限は
なく通常のドライ混合と加熱溶融混合を組合せた混合方
法で充分に混合が可能である。ドライ混合には通常ヘン
シェルミキサーが用いられ、加熱溶融混合には、押出機
が用いられる。
【0023】本発明においては後述の触媒と接触するに
先立ち、アルケニルシランとプロピレンの共重合体とS
i−H基を含有するポリシリコーンの混合物は必要に応
じポリプロピレンあるいは添加剤などと混合して組成物
とし、ついでシートあるいはフイルム状に溶融成形さ
れ、さらに少なくとも一方向に延伸される。このフイル
ムを製造する条件としては制限はなく、また延伸も1軸
あるいは2軸に延伸したものが利用される。また通常1
〜300 μm の厚さのフイルムが利用できる。成形温度と
しては、通常 150〜 250℃、延伸温度としては 100〜 1
70℃である。
先立ち、アルケニルシランとプロピレンの共重合体とS
i−H基を含有するポリシリコーンの混合物は必要に応
じポリプロピレンあるいは添加剤などと混合して組成物
とし、ついでシートあるいはフイルム状に溶融成形さ
れ、さらに少なくとも一方向に延伸される。このフイル
ムを製造する条件としては制限はなく、また延伸も1軸
あるいは2軸に延伸したものが利用される。また通常1
〜300 μm の厚さのフイルムが利用できる。成形温度と
しては、通常 150〜 250℃、延伸温度としては 100〜 1
70℃である。
【0024】好ましいフイルム中のアルケニルシランの
含量としては、共重合体中のアルケニルシラン含量にも
よるが、通常成形物中の共重合体の割合は0.1 wt%以上
であり、成形物中のアルケニルシランが0.0001wt%以上
存在するようにするのが好ましい。また成形性、あるい
は高価なアルケニルシランの使用量を削減するという点
からは、1.0 wt%以下で充分であり、好ましくは成形物
中のアルケニルシランとしては0.0001〜 1.0wt%程度で
ある。
含量としては、共重合体中のアルケニルシラン含量にも
よるが、通常成形物中の共重合体の割合は0.1 wt%以上
であり、成形物中のアルケニルシランが0.0001wt%以上
存在するようにするのが好ましい。また成形性、あるい
は高価なアルケニルシランの使用量を削減するという点
からは、1.0 wt%以下で充分であり、好ましくは成形物
中のアルケニルシランとしては0.0001〜 1.0wt%程度で
ある。
【0025】本発明において用いられる触媒は、塩化ロ
ジウムのトリフェニルフォスフィン錯体などのロジウム
の塩、あるいはチタン酸エステルなどの以下の一般式
(化3)で示す周期律表IVB 族金属のアルコキシ化合物
である。
ジウムのトリフェニルフォスフィン錯体などのロジウム
の塩、あるいはチタン酸エステルなどの以下の一般式
(化3)で示す周期律表IVB 族金属のアルコキシ化合物
である。
【0026】
【化3】R1 n M(O-R2)4-n (式中R1 、R2 は、同じか異なる炭素数1 〜12の炭化
水素残基、nは0〜3の整数、Mはチタン、ジルコニウ
ム、ハフニウムから選ばれた金属。) 。
水素残基、nは0〜3の整数、Mはチタン、ジルコニウ
ム、ハフニウムから選ばれた金属。) 。
【0027】本発明においては、上記フイルムは触媒と
接触処理される。接触処理方法についても特に制限はな
いが、上記フイルムを触媒の溶液と接触するのが一般的
である。また触媒の溶液に接触した後、溶液から取り出
し加熱することで架橋反応を促進することもできる。接
触処理温度としては、常温〜ポリマーの融点で行うのが
一般的であり、常温〜 100℃で触媒溶液と接触するのが
好ましい。溶媒の存在しない条件では通常50〜 160℃に
加熱するのが一般的である。
接触処理される。接触処理方法についても特に制限はな
いが、上記フイルムを触媒の溶液と接触するのが一般的
である。また触媒の溶液に接触した後、溶液から取り出
し加熱することで架橋反応を促進することもできる。接
触処理温度としては、常温〜ポリマーの融点で行うのが
一般的であり、常温〜 100℃で触媒溶液と接触するのが
好ましい。溶媒の存在しない条件では通常50〜 160℃に
加熱するのが一般的である。
【0028】ここで利用される溶媒としては、具体的に
は炭素数1 〜20の炭化水素化合物、ハロゲン化炭化水素
化合物が利用でき、とくにハロゲン化炭化水素化合物、
芳香族炭化水素化合物が好ましく利用される。具体的に
は、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、
ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリ
クロロエタン、パークロロエタンなどが例示され通常
0.1〜10000ppmの濃度となる様に溶解して利用される。
は炭素数1 〜20の炭化水素化合物、ハロゲン化炭化水素
化合物が利用でき、とくにハロゲン化炭化水素化合物、
芳香族炭化水素化合物が好ましく利用される。具体的に
は、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、
ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリ
クロロエタン、パークロロエタンなどが例示され通常
0.1〜10000ppmの濃度となる様に溶解して利用される。
【0029】
【実施例】以下に実施例を示しさらに本発明を説明す
る。
る。
【0030】実施例1 直径12mmの鋼球9kgの入った内容積4リットルの粉砕用
ポットを4個装備した振動ミルを用意する。各ポットに
窒素雰囲気下で塩化マグネシウム 300g、ジイソブチル
フタレート112ml および四塩化チタン60mlを入れ、40時
間粉砕した。こうして得た共粉砕物 300gを5リットル
のフラスコに入れ、トルエン3リットルを加え、 110℃
で30分間撹拌処理し、次いで上澄液を除いた。再びトル
エン3リットルを加え、80℃で30分間撹拌処理し、次い
で上澄液を除いた。その後固形分をn-ヘキサンで繰り返
し洗浄して遷移金属触媒スラリーを得た。一部をサンプ
リングしてチタン分を分析したところチタン分は 2.2wt
%であった。
ポットを4個装備した振動ミルを用意する。各ポットに
窒素雰囲気下で塩化マグネシウム 300g、ジイソブチル
フタレート112ml および四塩化チタン60mlを入れ、40時
間粉砕した。こうして得た共粉砕物 300gを5リットル
のフラスコに入れ、トルエン3リットルを加え、 110℃
で30分間撹拌処理し、次いで上澄液を除いた。再びトル
エン3リットルを加え、80℃で30分間撹拌処理し、次い
で上澄液を除いた。その後固形分をn-ヘキサンで繰り返
し洗浄して遷移金属触媒スラリーを得た。一部をサンプ
リングしてチタン分を分析したところチタン分は 2.2wt
%であった。
【0031】内容積 5リットルのオートクレーブに窒素
雰囲気下トルエン40ml、上記遷移金属触媒 100mg、ジメ
チルシクロヘキシルジメトキシシラン 0.1mlおよびトリ
エチルアルミニウム0.20mlを入れ、プロピレン1.5 kg、
ビニルシラン40gを加え、水素1Nリットル圧入した後、
75℃で2時間重合した。重合後未反応のプロピレンをパ
ージし、パウダーを取り出し、濾過乾燥して890 gのパ
ウダーを得た。同じ反応を繰り返し約 2.5kgのポリマー
を得た。
雰囲気下トルエン40ml、上記遷移金属触媒 100mg、ジメ
チルシクロヘキシルジメトキシシラン 0.1mlおよびトリ
エチルアルミニウム0.20mlを入れ、プロピレン1.5 kg、
ビニルシラン40gを加え、水素1Nリットル圧入した後、
75℃で2時間重合した。重合後未反応のプロピレンをパ
ージし、パウダーを取り出し、濾過乾燥して890 gのパ
ウダーを得た。同じ反応を繰り返し約 2.5kgのポリマー
を得た。
【0032】このポリマーの 135℃のテトラリン溶液で
測定した極限粘度は1.68であり、また、示差熱分析装置
を用い10℃/min で昇温或いは降温することで融点及び
結晶化温度を最大ピーク温度として測定したところ、融
点 159℃、結晶化温度 119℃であった。尚、元素分析に
よればビニルシラン単位を 1.1wt%含有していた。
測定した極限粘度は1.68であり、また、示差熱分析装置
を用い10℃/min で昇温或いは降温することで融点及び
結晶化温度を最大ピーク温度として測定したところ、融
点 159℃、結晶化温度 119℃であった。尚、元素分析に
よればビニルシラン単位を 1.1wt%含有していた。
【0033】得られた共重合体300gにフェニルジクロロ
シランと水を反応することで合成したポリフェニルシリ
コーン( 重合度約1800)10g、フェノール系の酸化防止剤
0.3g 、ステアリン酸カルシウム0.3gを加えヘンシェル
ミキサーで混合した後、L/Dが22の20mmφ押出機を用い
て 240℃でペレットとした。このペレットを用い同様の
押出機を用いて 240℃でTダイを通して厚さ700 μm の
シートを得、さらに延伸機(TM-LOMG社製) でMD方向に5
倍、TD方向に7倍延伸して厚さ15μm の延伸フイルムを
得た。
シランと水を反応することで合成したポリフェニルシリ
コーン( 重合度約1800)10g、フェノール系の酸化防止剤
0.3g 、ステアリン酸カルシウム0.3gを加えヘンシェル
ミキサーで混合した後、L/Dが22の20mmφ押出機を用い
て 240℃でペレットとした。このペレットを用い同様の
押出機を用いて 240℃でTダイを通して厚さ700 μm の
シートを得、さらに延伸機(TM-LOMG社製) でMD方向に5
倍、TD方向に7倍延伸して厚さ15μm の延伸フイルムを
得た。
【0034】この延伸フイルムを n−ブチルチタネート
を10g /リットルになる様に溶解したトルエン溶液に浸
漬して含浸させ80℃で2 時間処理した。得られたフイル
ムの物性を測定したところ以下の通りであった。ヤング
率(ASTM D882, Kg/mm2) 235、引張強度(ASTM D638,Kg/m
m2)は19.0、絶縁破壊電圧(ASTM D149, V/μ )は25℃で5
85 、80℃で545 、120 ℃で510 であった。
を10g /リットルになる様に溶解したトルエン溶液に浸
漬して含浸させ80℃で2 時間処理した。得られたフイル
ムの物性を測定したところ以下の通りであった。ヤング
率(ASTM D882, Kg/mm2) 235、引張強度(ASTM D638,Kg/m
m2)は19.0、絶縁破壊電圧(ASTM D149, V/μ )は25℃で5
85 、80℃で545 、120 ℃で510 であった。
【0035】比較例1 実施例1の重合をビニルシランを用いることなく行って
プロピレンの単独重合体を得た( 但し、触媒の使用量を
15mgとした。) 。このポリプロピレンを用いた他は実施
例1と同様にしたところヤング率は215 、引張強度は1
5.0、絶縁破壊電圧は25℃で510 、80℃で420 、120 ℃
で355 であった。高温でのBDV が不良である。
プロピレンの単独重合体を得た( 但し、触媒の使用量を
15mgとした。) 。このポリプロピレンを用いた他は実施
例1と同様にしたところヤング率は215 、引張強度は1
5.0、絶縁破壊電圧は25℃で510 、80℃で420 、120 ℃
で355 であった。高温でのBDV が不良である。
【0036】比較例2 比較例1で得たプロピレンの単独重合体を用い、ポリフ
ェニルシリコーンを用いることなく成形した他は実施例
1と同様にしたところ、ヤング率は225 、引張強度は1
4.5、絶縁破壊電圧は25℃で502 、80℃で404 、120 ℃
で375 であった。高温でのBDV が不良である。
ェニルシリコーンを用いることなく成形した他は実施例
1と同様にしたところ、ヤング率は225 、引張強度は1
4.5、絶縁破壊電圧は25℃で502 、80℃で404 、120 ℃
で375 であった。高温でのBDV が不良である。
【0037】実施例2 触媒として塩化ロジウムのトリフェニルフォスフィン錯
体を用いた他は実施例1と同様にしたところヤング率は
242 、引張強度は20.0、絶縁破壊電圧は25℃で565 、80
℃で532 、120 ℃で505 であった。
体を用いた他は実施例1と同様にしたところヤング率は
242 、引張強度は20.0、絶縁破壊電圧は25℃で565 、80
℃で532 、120 ℃で505 であった。
【0038】
【発明の効果】本発明の絶縁フイルムは耐熱性に優れて
おり工業的に極めて価値がある。
おり工業的に極めて価値がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01B 3/46 H01B 3/46 Z 17/60 17/60 G // B29K 23:00 B29L 7:00 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 3/00 - 3/28 C08J 7/00 - 7/18 C08J 5/18 C08L 1/00 - 101/16
Claims (1)
- 【請求項1】プロピレンとアルケニルシランの共重合体
とSi−H基を含有するポリシリコーンとの混合物を溶
融成形して得た成形物を少なくとも一方向に延伸して得
たフイルムをロジウムの塩及び下記一般式(化4) 【化4】 (式中R 1 、R 2 は、同じか異なる炭素数1〜12の炭
化水素残基、nは0〜3の整数、Mはチタン、ジルコニ
ウム、ハフニウムから選ばれた金属。)で表される周期
律表IVB族金属のアルコキシ化合物から選ばれた触媒で
処理してなる耐熱性絶縁フイルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9397292A JP3171644B2 (ja) | 1992-04-14 | 1992-04-14 | 耐熱性絶縁フイルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9397292A JP3171644B2 (ja) | 1992-04-14 | 1992-04-14 | 耐熱性絶縁フイルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05287092A JPH05287092A (ja) | 1993-11-02 |
JP3171644B2 true JP3171644B2 (ja) | 2001-05-28 |
Family
ID=14097321
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9397292A Expired - Fee Related JP3171644B2 (ja) | 1992-04-14 | 1992-04-14 | 耐熱性絶縁フイルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3171644B2 (ja) |
-
1992
- 1992-04-14 JP JP9397292A patent/JP3171644B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05287092A (ja) | 1993-11-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3171644B2 (ja) | 耐熱性絶縁フイルム | |
JP3100427B2 (ja) | 耐熱性絶縁フイルム | |
JP3142937B2 (ja) | 耐熱性絶縁フイルム | |
JP3171706B2 (ja) | ポリオレフィン成形物の修飾方法 | |
JP3184599B2 (ja) | 耐熱性絶縁フイルム | |
JP3142963B2 (ja) | 架橋ポリオレフィンの製造方法 | |
JP3171653B2 (ja) | 架橋ポリオレフィン成形物の製造方法 | |
JP3264446B2 (ja) | ポリプロピレンの架橋成形物の製造方法 | |
JP3171655B2 (ja) | 架橋ポリオレフィン成形物の製造方法 | |
JP3184600B2 (ja) | 架橋ポリオレフィン成形物の製造方法 | |
JP3034059B2 (ja) | 架橋ポリオレフィン成形物の製造方法 | |
JP3193759B2 (ja) | 架橋ポリオレフィン成形体 | |
JP3171650B2 (ja) | 架橋ポリオレフィン成形物の製造方法 | |
JP3171702B2 (ja) | ポリオレフィンの延伸フイルムの修飾方法 | |
JP3181704B2 (ja) | ポリオレフィンの架橋成形物の製造方法 | |
JP3171697B2 (ja) | 架橋ポリオレフィンの製造方法 | |
JP3174401B2 (ja) | 架橋ポリオレフィン成形物の製造方法 | |
JP3352524B2 (ja) | ポリオレフィン成形物の修飾方法 | |
JP3034058B2 (ja) | 架橋ポリオレフィン成形物の製造方法 | |
JP3171708B2 (ja) | ポリオレフィン成形物の修飾方法 | |
JP3184605B2 (ja) | 架橋ポリオレフィン成形物の製造方法 | |
JP3176141B2 (ja) | 架橋ポリオレフィンの製造方法 | |
JP3142929B2 (ja) | 架橋成形物の製造方法 | |
JP3213419B2 (ja) | ポリオレフィンの修飾方法 | |
JP3176140B2 (ja) | 架橋ポリオレフィンの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |