JP3264446B2 - ポリプロピレンの架橋成形物の製造方法 - Google Patents

ポリプロピレンの架橋成形物の製造方法

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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリプロピレンの架橋成
形物の製造方法に関する。詳しくは、特定の共重合体の
成形物を触媒溶液中で延伸することを特徴とするポリプ
ロピレンの架橋成形物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレンの架橋成形物の製造方法
として、プロピレンとアルケニルシランの共重合体を用
いる方法は優れており、特に触媒を用いて架橋する方法
は効率が良い方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】触媒を用いて、共重合
体を架橋する方法は、効率のよい優れた方法であるが、
成形、延伸、接触処理と工程が多いという難がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題を
解決して簡単に架橋したポリプロピレンの延伸成形物を
製造する方法について鋭意検討し本発明を完成した。
【0005】即ち本発明は、プロピレンとアルケニルシ
ランの共重合体を溶融成形して得た成形物を遷移金属化
合物を含有する溶液中で少なくとも一方向に延伸するこ
とを特徴とするポリプロピレンの架橋成形物の製造方法
である。
【0006】本発明においてアルケニルシランとプロピ
レンの共重合体は通常プロピレンとアルケニルシランを
遷移金属触媒と有機金属化合物からなるいわゆるチーグ
ラー・ナッタ触媒を用いて重合することができ例えば、
米国特許第3,223,686 号にその例が開示されている。
【0007】 本発明においてアルケニルシランとし
ては少なくとも一つのSi-H結合を有する下記一般式(化
2)で表される化合物、
【0008】
【化2】 (式中nは0〜12、pは1〜3、Rは炭素数1〜12
の炭化水素残基)であり、具体的には、ビニルシラン、
アリルシラン、ブテニルシラン、ペンテニルシランなど
が例示できる。
【0009】本発明においてはプロピレンの一部を他の
オレフィンに変え共重合した共重合体を利用することも
でき、他のオレフィンとしてはエチレン、ブテン-1、ペ
ンテン-1、ヘキセン-1、2-メチルペンテン、ヘプテン-
1、オクテン-1などが例示され、全重合体の10wt%未満
となる様に共重合したものが利用できる。
【0010】本発明においてプロピレンとアルケニルシ
ランの共重合体は、上記米国特許に記載された、TiCl3
とトリエチルアルミニウムからなる触媒も使用できるが
より好ましくはその後開発された種々の高活性でポリオ
レフィンを与える触媒が利用される。
【0011】重合法としても不活性溶媒を使用する溶媒
法の他に塊状重合法、気相重合法も採用できる。
【0012】ここで遷移金属化合物と有機金属化合物か
らなる触媒としては、遷移金属化合物としてはハロゲン
化チタンが、有機金属化合物としては有機アルミニウム
化合物が好ましく用いられる。
【0013】例えば四塩化チタンを金属アルミニウム、
水素或いは有機アルミニウムで還元して得た三塩化チタ
ンを電子供与性化合物で変性処理したものと有機アルミ
ニウム化合物、さらに必要に応じ含酸素有機化合物など
の電子供与性化合物からなる触媒系、或いはハロゲン化
マグネシウム等の担体或いはそれらを電子供与性化合物
で処理したものにハロゲン化チタンを担持して得た遷移
金属化合物触媒と有機アルミニウム化合物、必要に応じ
含酸素有機化合物などの電子供与性化合物からなる触媒
系、あるいは塩化マグネシウムとアルコールの反応物を
炭化水素溶媒中に溶解し、ついで四塩化チタンなどの沈
澱剤で処理することで炭化水素溶媒に不溶化し、必要に
応じエステル、エーテルなどの電子供与性の化合物で処
理し、ついでハロゲン化チタンで処理する方法などによ
って得られる遷移金属化合物触媒と有機アルミニウム化
合物、必要に応じ含酸素有機化合物などの電子供与性化
合物からなる触媒系等が例示される(例えば、以下の文
献に種々の例が記載されている。Ziegler-Natta Cataly
sts and Polymerization by John Boor Jr(Academic Pr
ess),Journal of Macromorecular Science Reviews in
Macromolecular Chemistry and Physics,C24(3) 355-38
5(1984) 、同C25(1) 578-597(1985)) 。
【0014】あるいは炭化水素溶剤に可溶な遷移金属触
媒とアルミノキサンからなる触媒を用いて重合すること
もできる。
【0015】ここで電子供与性化合物としては通常エー
テル、エステル、オルソエステル、アルコキシ硅素化合
物などの含酸素化合物が好ましく例示でき、さらにアル
コール、アルデヒド、水なども使用可能である。
【0016】有機アルミニウム化合物としては、トリア
ルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムハライ
ド、アルキルアルミニウムセスキハライド、アルキルア
ルミニウムジハライドが使用でき、アルキル基としては
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル
基などが例示され、ハライドとしては塩素、臭素、沃素
が例示される。また上記有機アルミニウムと水または結
晶水とを反応することで得られるオリゴマー〜ポリマー
であるアルミノキサンも利用できる。
【0017】ここでアルケニルシランとプロピレンの重
合割合としては特に制限は無いが、ポリプロピレンと混
合して用いる場合には、通常アルケニルシランが 0.001
〜30モル%程度、好ましくは0.1 〜10モル%である。ま
た単独で用いる場合には0.0001〜1 モル%程度である。
【0018】重合体の分子量としては特に制限はない
が、混合して物性の向上を計ろうとする場合には混合し
て用いるポリプロピレンの分子量と同程度あるいはそれ
以下とするのが好ましい。また好ましい分子量としては
135 ℃のテトラリン溶液で測定した極限粘度が0.1 〜10
程度である。
【0019】本発明において必要に応じ上記共重合体と
混合して用いるポリプロピレンとしてはプロピレンの単
独重合体の他に10wt%未満の上記他のオレフィンを共重
合したものが利用でき、種々の共重合体を市場で入手す
ることもできる。
【0020】本発明においてはアルケニルシランとプロ
ピレンの共重合体と混合して用いる添加剤として、ポリ
プロピレンの他に安定剤、フィラーなど公知の種々の添
加剤が利用できる。
【0021】本発明においては後述の触媒と接触するに
先立ち、アルケニルシランとプロピレンの共重合体は必
要に応じポリプロピレンあるいは添加剤などと混合して
組成物とし、ついでシートあるいはフイルム状に溶融成
形される。このシートあるいはフイルムを製造する条件
としては制限はないが通常、押し出し成形によって10〜
1000μm の成形物とされる。
【0022】本発明においては、ついで成形物は遷移金
属化合物溶液中で少なくとも一方向に延伸される。ここ
で、遷移金属化合物としては周期律表4族あるいは8
族、9族、10族の金属の化合物が好ましく利用でき、
特にロジウムあるいは白金のハロゲン化物、あるいはチ
タン、ジルコニウムのアルコキシ化合物が好ましく利用
できる。
【0023】上記触媒は下記の溶媒に溶解して希釈して
用いられる。利用される溶媒としては、具体的には炭素
数1 〜20の炭化水素化合物、ハロゲン化炭化水素化合物
が利用でき、とくにハロゲン化炭化水素化合物、芳香族
炭化水素化合物が好ましく利用される。具体的にベンゼ
ン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジクロロメ
タン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタ
ン、パークロロエタンなどが例示される。
【0024】本発明において触媒の濃度としては0.0000
01〜1g/リットル程度、通常0.00001 〜0.1g/リットル
程度で行われる。
【0025】本発明においては上述のシートまたはフイ
ルムを触媒溶液中に浸漬し、必要に応じて加熱して延伸
される。
【0026】本発明において延伸に利用される時間は、
接触時の条件、例えば、触媒の濃度、触媒溶液の温度、
共重合体の形状、共重合体中のアルケニルシランの濃度
などによって架橋に要する時間が異なるため、特定され
ないが、延伸の完了と同時に架橋が完了するかあるいは
延伸後のアニールの時間で架橋が完了するように設定す
べきである。延伸の温度としては、通常融点〜常温で行
われ、好ましくは50〜165 ℃である。この際、触媒の分
散を助けるため攪拌することも勿論可能である。
【0027】好ましいフイルム中のアルケニルシランの
含量としては、共重合体中のアルケニルシラン含量にも
よるが、通常成形物中の共重合体の割合は0.1 wt%以上
であり、成形物中のアルケニルシランが0.0001wt%以上
存在するようにするのが好ましい。また成形性、あるい
は高価なアルケニルシランの使用量を削減するという点
からは、1.0 wt%以下で充分であり、好ましくは成形物
中のアルケニルシランとしては0.0001〜1.0 wt%程度で
ある。
【0028】
【実施例】以下に実施例を示しさらに本発明を説明す
る。
【0029】実施例1 直径12mmの鋼球9kgの入った内容積4リットルの粉砕用
ポットを4個装備した振動ミルを用意する。各ポットに
窒素雰囲気下で塩化マグネシウム 300g、ジイソブチル
フタレート112ml および四塩化チタン60mlを入れ、40時
間粉砕した。こうして得た共粉砕物 300gを5リットル
のフラスコに入れ、トルエン3リットルを加え、 110℃
で30分間撹拌処理し、次いで上澄液を除いた。再びトル
エン3リットルを加え、80℃で30分間撹拌処理し、次い
で上澄液を除いた。その後固形分をn-ヘキサンで繰り返
し洗浄して遷移金属触媒スラリーを得た。一部をサンプ
リングしてチタン分を分析したところチタン分は 2.2wt
%であった。
【0030】内容積 5リットルのオートクレーブに窒素
雰囲気下トルエン40ml、上記遷移金属触媒100 mg、ジメ
チルシクロヘキシルジメトキシシラン 0.1mlおよびトリ
エチルアルミニウム0.20mlを入れ、プロピレン1.5 kg、
ビニルシラン40gを加え、水素1Nリットル圧入した後、
75℃で2時間重合した。重合後未反応のプロピレンをパ
ージし、パウダーを取り出し、濾過乾燥して890 gのパ
ウダーを得た。同じ反応を繰り返し約2.5kg のポリマー
を得た。
【0031】このポリマーの 135℃のテトラリン溶液で
測定した極限粘度は1.68であり、また、示差熱分析装置
を用い10℃/min で昇温或いは降温することで融点及び
結晶化温度を最大ピーク温度として測定したところ、融
点 159℃、結晶化温度 119℃であった。尚、元素分析に
よればビニルシラン単位を 1.1wt%含有していた。
【0032】このポリマー100 重量部に、フェノール系
の酸化防止剤0.1 重量部、ステアリン酸カルシウム0.1
重量部を加えヘンシェルミキサーで混合した後、L/D が
22の20mmφ押出機を用いて240 ℃でペレットとした。こ
のペレットを用い同様の押出機を用いて240 ℃でT ダイ
を通して厚さ700 μm のシートを得た。このシートをn-
ブチルチタネート5ml をトルエン1 リットルに溶解した
溶液に浸漬し150 ℃で延伸機(TM-LOMG社製) でMD方向に
5倍、TD方向に7倍延伸して厚さ15μm の延伸フイルム
を得た。
【0033】得られたフイルムの物性を測定したところ
以下の通りであった。ヤング率(ASTM D882, Kg/mm2) 23
5 、引張強度(ASTM D638,Kg/mm2)は21.3、絶縁破壊電圧
(ASTM D149, V/μ )は25℃で498 、80℃で490 、120 ℃
で455 であり沸騰キシレン不溶分は98%であった。
【0034】比較例1 延伸を行った後で触媒と接触して架橋した他は実施例1
と同様にしたところ、ヤング率228 、引張強度は18.5、
絶縁破壊電圧は25℃で498 、80℃で484 、120℃で435
であり沸騰キシレン不溶分は92%であった。
【0035】比較例2 比較例1で触媒と接触することなくそのまま物性を測定
したところヤング率は227 、引張強度は16.0、絶縁破壊
電圧は25℃で505 、80℃で474 、120 ℃で415であっ
た。
【0036】実施例2 n-ブチルチタネートに変え塩化ロジウムのトリフェニル
フォスフィン錯体を用いた他は実施例1と同様にしたと
ころヤング率は238 、引張強度は24.0、絶縁破壊電圧は
25℃で498 、80℃で485 、120 ℃で465 であった。
【0037】
【発明の効果】本発明の方法により簡便に架橋延伸成形
物を得ることができ工業的に極めて価値がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 55/00 - 55/30 C08J 3/00 - 3/28 C08J 5/18

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プロピレンと一般式(化1)で表されるアル
    ケニルシランとの共重合体を溶融成形して得た成形物を
    遷移金属化合物を含有する溶液中で少なくとも一方向に
    延伸することを特徴とするポリプロピレンの架橋成形物
    の製造方法。【化1】 (式中nは0〜12、pは1〜3、Rは炭素数1〜12
    の炭化水素残基)
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