JPH06235983A - 放射線画像情報記録読取装置 - Google Patents

放射線画像情報記録読取装置

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JPH06235983A
JPH06235983A JP5341832A JP34183293A JPH06235983A JP H06235983 A JPH06235983 A JP H06235983A JP 5341832 A JP5341832 A JP 5341832A JP 34183293 A JP34183293 A JP 34183293A JP H06235983 A JPH06235983 A JP H06235983A
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誠 熊谷
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三喜夫 竹内
Mitsuru Ishii
満 石井
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 放射線画像情報記録読取に被写体や撮影条件
の変動の影響を受けないようにする。 【構成】 パネル4の放射線照射面に放射線検出器18
を設け、その検出器による放射線検出量に応じて調整回
路20を介して読取ゲインの総合的調整を行うととも
に、規定量以上になると放射線制御装置2によって放射
線照射を停止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像変換パネルに放射
線画像情報を記録し、且つ該記録した画像情報を励起走
査して読み取るようにした放射線画像情報記録読取装置
において、放射線検出器を持つようにした装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、輝尽性螢光体にX線、紫外線等
の放射線を照射すると、この放射線のエネルギーの一部
が螢光体に蓄積記録され、この後にその螢光体に励起光
を照射すると、蓄積されていたエネルギーに応じてその
螢光体が輝尽発光する。
【0003】放射線画像変換パネルは、このような特性
を持つ輝尽性螢光体層を有する剛体のパネル(以下、特
別の場合を除き単に「パネル」と称する。)であり、こ
の輝尽性螢光体は人体等のX線等の放射線画像を潜像と
して記録可能であり、この潜像部分をレーザ光等の励起
光で照射すれば、その潜像の濃度に対応した強度の輝尽
発光が起る。よって、その輝尽発光光をフォトマル(光
電子増倍管)等の光検出器で検出して適宜処理すれば、
記録されていた放射線画像を得ることが可能となる。
【0004】第9図はこのようなパネル4を使用した画
像読取装置の従来の走査部分を模式的に示す図である。
この画像読取装置では、Y方向に搬送移動して副走査さ
れるようにパネル4を支持しておき、その副走査と同時
にパネル4上をX方向に主走査するように励起光81を
ふって照射し、これにより発生する輝尽発光光を光検出
器(図示せず)により二次元的に読み取るものである。
80は励起光81で走査されるパネル4面上の走査線で
ある。
【0005】ところが、この画像読取装置は、パネル4
自体が可撓性でないことや可撓性であっても曲げ等の外
力によって損傷し易いので、装置のスペースを小さくす
るためにパネル4を変形させて読み取ることが困難で、
従って、従来の画像読取装置は、パネル4の移動する距
離をL、パネル4の幅をDとする、L・Dだけのスペー
ス(少なくともパネル4の2倍の面積)が必要であり、
しかも記録済みのパネルは潜像を確保するために明室で
扱うことができないので、装置全体を遮光材料で覆うこ
とが必要となって、その全体形状が大きくなっていた。
【0006】また、このようにパネル4の移動により矢
印Y方向の副走査を実現する装置では、その移動時にパ
ネル4に傷が付き易くパネル4自体の寿命を縮める原因
ともなっていた。
【0007】また、パネル4の移動には駆動部材が必要
であり、よって被写体とパネルとの間隔が大幅に大きく
なり、人体から発生する散乱線等の影響を大きく受ける
ようになって、最終的に画像情報の品質低下という問題
が発生する恐れがある。
【0008】そこで、パネルを固定的に配置して、その
パネルの画像を読み取る部分をパネル面に移動可能に構
成して、上記した問題を解決した装置が提案されている
(例えば、特開昭58−66935号公報)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、放射線源から
の放射線量変動や被写体の違いによる放射線透過率の変
動等がパネルの放射線受量の変動を招き、記録条件に悪
影響を与えるおそれがある。
【0010】これを防止するために、輝尽性螢光体への
記録時に該螢光体の他の部位を瞬時発光させ、この瞬時
発光の光量を検出して輝尽性螢光体の放射線蓄積量を判
定し画像処理に利用する方法(特開昭55−48672
号)や瞬時発光の検出量をカセッテの一部に記録してお
く方法(特開昭56−11346号)等が提案されてい
る。
【0011】また、記録条件の変動及び励起光量の変動
を各々光検出器で検出して、これらの検出信号により読
取系の読取ゲインを調整する方法(特開昭57−197
00号)や輝尽性螢光体の背面に多数の光検出器を配置
して、輝尽性螢光体の瞬時発光を検出することで読取ゲ
イン及び画像信号の階調補正を行なう方法(特開昭55
−116340号)も提案されている。
【0012】しかしながら、いずれのものも、輝尽性螢
光体の瞬時発光光を検出するものであるため、その輝尽
性螢光体の発する残光による検出精度の低下や光検出器
の応答性の不十分さによる判定誤差等から、正確な検出
・判定、ひいては良好な放射線画像情報を得ることは困
難であった。
【0013】本発明は以上のような点に鑑みて成された
ものであり、その目的は、パネルへの放射線量そのもの
を検出して処理することにより、上記した問題を解決
し、高品質の放射線画像情報が得られるようにした放射
線画像情報記録読取装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】このために本発明は、放
射線を放射させる放射線源と、該放射線源から被写体を
介して照射された放射線により該被写体の放射線画像情
報を蓄積記録する輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変
換パネルと、上記放射線照射の後に上記パネルを励起光
で走査して上記蓄積記録されている放射線画像情報を光
電的に読み取る励起・読取ユニットとを具備する放射線
画像情報記録読取装置において、上記パネルの上記放射
線照射面側又はその反対面側に配置された放射線検出器
と、該放射線検出器より放射線量が規定量に達したこと
が検出されることにより上記放射線源による放射線照射
を停止させる手段とを具備するよう構成した。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。第
1図はその放射線画像情報記録読取装置の一実施例の構
成のブロックを示す図であり、胸部放射線撮影に適用し
た場合の例を示すものである。
【0016】放射線発生源1は、放射線制御装置2によ
って制御されて、被写体(人体胸部等)Mに向けて放射
線を照射する。放射線画像情報記録読取装置3は、被写
体Mを挟んで放射線発生源1と対向する面に上記したパ
ネル4を備え、そのパネル4は放射線発生源1からの照
射放射線量に対する被写体Mの放射線透過率分布に従っ
たエネルギーを輝尽性螢光体層に蓄積することで、そこ
に被写体Mの潜像を形成する。
【0017】光ビーム発生部(ガスレーザ、固体レー
ザ、半導体レーザ等)5は、出射強度が制御された光ビ
ームを発生し、その光ビームは後記する種々の光学系を
経由して走査器6に到達し、そこで偏向を受け、更に反
射鏡7で光路を変更されて、パネル4に励起走査光とし
て導かれる。
【0018】集光体8は、励起光が走査されるパネル4
に近接して光ファイバでなる集光端が位置され、上記光
ビームで走査されたパネル4からの潜像エネルギーにほ
ぼ比例した輝尽発光光を受光する。9は集光体8から導
入された光から輝尽発光波長領域の光のみを通過させる
フィルタであり、そこを通過した光はフォトマル10に
入射して、その入射光に対応した電流信号に変換され
る。
【0019】フォトマル10からの出力電流は、電流/
電圧変換器11で電圧信号に変換され、増幅器12で増
幅された後、A/D変換器13でデジタルデータに変換
される。そして、このデジタルデータは画像メモリ14
に順次記憶される。15はCPUであり、メモリ14に
格納された画像情報に対して種々の画像処理(例えば、
階調処理、周波数処理、移動、回転、統計処理等)を施
し、その処理結果としての画像情報は、画像表示装置1
6で表示される。17はメモリ14内の画像情報を外部
に伝送するための、或いは外部からの同様な情報を受け
取るためのインターフェースである。
【0020】さて、本実施例では、パネル4の前面に被
写体Mを透過した放射線を検出する放射線検出器18を
配置しており、そこからの検出信号を増幅器19に入力
している。この増幅器19は、放射線照射量が規定値に
達した時に、放射線制御装置2に制御信号を送り、放射
線照射を中止させるよう機能する。
【0021】このように制御することにより、被写体M
の如何に拘わらず、その都度撮影条件を変更する必要が
なく、常に安定した撮影を行なうことが可能となる。
【0022】また、増幅器19で増幅された放射線検出
器18での検出信号は、読取ゲイン調整回路20に伝送
され、この調整回路20によって、放射線検出信号に対
応した光ビーム発生部5の光ビーム強度調整、フォトマ
ル用高圧電源21の電源電圧調整によるフォトマルのゲ
イン調整、電流/電圧変換器11と増幅器12の利得調
整、及びA/D変換器13の入力ダイナミックレンジ調
整が行われて、放射線画像情報の読取ゲインが総合的に
調整される。
【0023】即ち、パネル4が放射線受量によって被写
体Mの潜像を形成する時(つまり撮影記録時)の放射線
強度が放射線検出器18によって検出され、この検出信
号によって、次の段階の読取ゲインが調整されるのであ
る。
【0024】なお、放射線検出器18としては、NaI, C
sI, BGO (Bi4Ge3O1 2), CdWO4 等のシンチレータ結晶か
らの発光をフォトマル、Siフォトダイオード等で検出す
るもの、或いはXeガス電離箱や直接変換形(CdTe, N-S
i) 等によるものが用いられ、その放射線分光感度特性
がパネル4のそれにほぼ同等のもが選択される。
【0025】上述のように放射線検出器18を配置して
使用すれば、パネル4が受けた放射線量を直接に検出す
ることができるので、従来の輝尽性螢光体の瞬時発光検
出時における残光の影響をなくした検出を行なうことが
可能となり、輝尽性螢光体の蓄積エネルギーを精度良く
検出できるようになる。
【0026】また、放射線発生源1等による記録条件の
変動や被写体Mによる放射線透過率の変動によってパネ
ル4の放射線受量が変動する場合も含めて、高精度の検
出を行なうことができる。
【0027】更に、従来の輝尽性螢光体からの輝尽発光
の検出に比較して、放射線検出において高速応答を得る
ことができ、短時間撮影(記録)にも正確な測定を行な
うことができる。
【0028】更に、パネル4の放射線受量検出による読
取ゲイン調整により、パネル4からの輝尽発光読取も確
実となる。
【0029】即ち、パネル4の放射線受量検出により明
確となるパネル4からの発光量の不適性を、光ビーム発
生部5からの光ビームの強度調整、フォトマル10やA
/D変換器13等の読取ゲイン調整によって適性化で
き、これにより各部に好ましいレベルの読取入力信号が
得られるようになり、読取信号の処理が適正に行われる
ようになる。
【0030】例えば、第2図に読取系の各部の入出力特
性を示すように、フォトマル10への高圧電源供給電圧
に対するゲイン特性[第2図(a)]、パネル4に対す
る一定の潜像エネルギーでの励起光強度に対する輝尽発
光量特性[第2図(b)]、及びA/D変換器13の基
準信号に対するA/D変換のダイナミックレンジ特性
[第2図(c)]から、放射線検出信号に応じて、各々
入力レベル若しくは基準信号レベル調整によって、各部
に最適な動作を行わせるとができる。
【0031】放射線検出器18の構造としては、第3図
(a)〜(c)に示すように構成したもので実現でき
る。この検出器18は、放射線に対しては透明で可視光
に対しては不透明な遮光板18a、放射線が照射される
と全面が可視光に発光する螢光紙18b、検出に必要な
部分の発光を取り込むアパーチャ18c、取り込んだ光
を端面に設けた光検出器18dにまで導く光導性板18
e、及び遮光板18fの各々を積層して構成されるが、
他の変形例であっても良い。
【0032】この構造では、被写体を透過した放射線が
遮光板18aを通過し、その放射線の内の1%以下が螢
光紙18bを発光させる。この発光可視光はアパーチャ
18cを通過して導光性板18eによって光検出器18
dに導かれ、照射された放射線量に対応した光量値がそ
の光検出器18dで検出される。螢光に関与しない放射
線は、螢光紙18b、アパーチャ18c、導光性板18
e、及び遮光板18fを通過してパネル4に到達し、被
写体Mの放射線画像がそのパネル4に記録されることに
なる。
【0033】なお、アパーチャ18cの形状、位置、或
いは大きさ等は、撮影部位に適したものを適宜に選択す
ることが更に好ましい。
【0034】本実施例では、放射線検出器18を被写体
Mとパネル4との間に配置しているが、パネル4の背面
に配置することも可能である。ただし、この場合には励
起・読取の邪魔とならないような配慮が必要となるの
で、上記実施例の配置構造が好ましいと言える。
【0035】次に第4図に、パネル4を固定配置し、励
起・読取ユニットを移動可能に設けた機構部分を示す。
22は装置3の本体の外枠を構成するフレーム、30は
そのフレーム22に移動可能に設けられた励起・読取ユ
ニットである。
【0036】励起・読取ユニット30は、その全体が移
動板31に固定状態で構成されている。この移動板31
には雌ねじ体(図示せず)が固定され、この雌ねじ体は
フレーム22に取り付けたモータ(図示せず)により回
転する雄ねじ棒(図示せず)に螺合している。従って、
移動板31はモータを駆動することにより、矢印Y方向
或いはそれと反対方向に移動可能である。なお、この移
動機構は、ワイヤやローラ等によるもの、或いはベルト
を使用するもので構成することもできるが、ボールねじ
やローラねじを使った送り機構がより好ましい。
【0037】この移動板31には前記した光ビーム発生
部5が搭載(第4図では図示せず)され、そこからのビ
ームはビーム径を整形(拡張)するビームエキスパンダ
等の光学系(図示せず)を経由してガルバノメータミラ
ーやポリゴンミラー等(図ではガルバノミラーを示
す。)の走査器6で反射されて走査光となって、ピント
調整用のfθレンズ等の集光レンズ32を通り、反射鏡
71〜73で光路を変更されて励起光81となる。
【0038】パネル4は上記励起・読取ユニット30の
移動範囲の第4図において左方に固定されており、上記
励起光81がこのパネル4の上に走査線80となって走
査される。
【0039】フォトマル10は移動板31に固定され、
その光入力部分には、先端が走査線80の近傍に位置
し、その走査線80と平行に並ぶ集光体8が取り付けら
れている。
【0040】さて、この装置3では、パネル4上のX方
向(第4図の図面の紙面に垂直な方向)の主走査は、光
ビーム発生部5から出射したビームが走査器6 で振ら
れ(走査され)、集光レンズ32でパネル4の面に対し
てピントを合わせられることにより行われ、これは従来
と同様である。
【0041】一方、Y方向の副走査は、本実施例ではパ
ネル4が固定され、移動板31のY方向への移動、つま
り励起・読取ユニット30自体の移動により行われる。
【0042】従って、パネル4上を励起光81で二次元
的に走査することができ、その励起光81で走査された
部分において潜像の濃度に対応する輝尽発光光が発生す
ると、その発光が集光体8で集光されてフォトマル10
に導かれ、そこで検出され電気信号となる。そして、こ
の電気信号を主走査及び副走査と同期して処理すること
により、パネル4上に潜像として記録されていた画像
を、再生することができる。
【0043】本実施例の装置では、上記したようにパネ
ル4が固定されており、よってパネル4に損傷を与える
可能性を極限まで小さくすることができる。また、従来
のようにそのパネル4の移動に要するスペースは必要な
い。更にY方向の副走査は励起・読取ユニット30自体
が移動し、しかもこの移動範囲はパネル4のY方向の長
さで十分である。従って、装置全体を小型にすることが
できる。
【0044】なお、矢印Y方向の副走査に当たっては、
移動板31の移動動作を安定化させるために、その移動
をガイドするスライドシャフトやレール等のガイド機構
を適宜設けることが望ましい。
【0045】また、上記のように、励起・読取ユニット
30を構成すると、各部分の相互の位置ずれ(狂い)が
少なくなり、より安定した画像読取が可能となる。
【0046】更に、パネル4自体を搬送移動することも
なくそのための駆動部材も必要としないので、パネル4
と被写体Mとの間隔を大幅に狭めることが可能となり、
前述した放射線検出器18或いは後記する移動グリッド
装置を間に入れることも可能となり、被写体Mから発生
する散乱線の影響を大幅に減少させ、画像情報の品質低
下を防止することができる。
【0047】なお本実施例では、移動体が励起・読取ユ
ニット30を搭載した移動板31であるために、急激な
速度変化は好ましくなく、副走査の開始及び停止時は読
取に影響ない範囲で速度調整をする必要がある。第5図
はその一連の動作時における副走査速度変化を示すもの
で、(a)のように急激な速度変化を行うと、光学系に
衝撃を与える恐れがあるが、(b)のように移動開始と
停止時の速度調整を行えば、衝撃を与え難い。更に、
(c)のように速度変化が緩慢となるように調整すれば
より好ましくなる。なお、(b)或いは(c)のような
速度変化に加えて、移動板31のストロークの両終端に
衝撃吸収構造を採用すれば、移動板31に搭載された励
起・読取ユニット30への衝撃緩和がより好ましいもの
となる。
【0048】更に、上記実施例では反射鏡71〜73に
よって光路を曲げているが、このようにすれば走査器6
とパネル4上の走査線80との間の実質的光路長さを変
化させずに、扇状の走査光の占有する空間を小さくでき
るので、このような反射鏡を複数枚光路内に挿入すれ
ば、装置の小型化に大きく寄与する。
【0049】本装置では、パネル4を固定しているため
に、その応用範囲が極めて広くなる。特に、パネル4に
潜像を形成する場合に、本装置に放射線撮影装置を一体
化して、固定パネル4に直接的に放射線画像を記録し、
この後この画像を上記した機構により読み取ることがで
きる。即ち、パネル4を反復して使用することができ、
この場合パネル4の損傷の可能性は極限にまで小さくな
る。
【0050】ところで、このようにパネル4をフレーム
21から取り外さなくても反復して使用できるようにす
るためには、読み取った後でも残っている潜像を消去す
る必要がある。この消去はパネル4に強力な光を照射す
ることにより行うことができるので、第4図及び第6図
に示すように、消去ランプ33を集光体8における副走
査方向(矢印Y方向)と反対側にその集光体8とほぼ平
行に設け、このランプ33を移動板31に固定すれば良
い。また、このランプ33には、そこからの光を効率良
くパネル4に対して照射するために、反射板34で覆う
ようにする。
【0051】なお、集光体8とランプ33を一体化して
いるので、画像読取を行いながらその読取を完了した部
分を順次消去することが可能であるが、ランプ33の光
が集光体8に入射したり、現在読取中の走査線80を照
射すると大きなノイズとなってフォトマル10で検知さ
れるという問題が発生する。
【0052】そこで、これを防止するためには矢印Yの
向きへの副走査時に読み取りを行い、その反対の向きへ
の戻り時に消去を行うというプロセスを採用することが
好ましい。
【0053】また、このランプ33による消去時の光に
よってフォトマル10の光電面が劣化することを抑える
ために、走査線80からフォトマル10に至る光路に、
抜き差し可能な遮光手段を設けることが好ましい。この
ようにすれば、フォトマル10へのランプ光を遮断する
ことが可能となり、その寿命を長くすることが可能とな
る上に次回の読み取りの支障が減少される。
【0054】この場合の遮光手段として用いられる遮光
板は、輝尽発光光を透過させ励起光を減衰させるフィル
タと差し換える機構としても良い。また、遮光手段とし
ては、液晶シャッタを用いることもできる。
【0055】以上の第4図に示した実施例の装置3で
は、パネル4が縦状態で固定され、そのパネル4の一方
の側にのみ励起光の走査機構、輝尽発光光の読取機構、
及び記録消去機構が構成されているので、他方の側(第
4図では左側)に被写体を配置して放射線を照射するこ
とにより、固定状態のパネル4に放射線画像を記録させ
ることができる。
【0056】なお、この場合においては、パネル4の後
方、つまり上記機構の構成されている側に配置した部品
で散乱した放射線がノイズとなる恐れがあるので、パネ
ル後方にある部品については放射線を吸収する材料を設
けたり、移動できる部品については極力パネル4の後方
からはずれた位置に移してから撮影を行なうようにする
ことが好ましい。
【0057】第7図は移動グリッド25が被写体Mと放
射線検出器18との間に配置された例を示すものであ
る。この移動グリッド25は、グリッド駆動モータ26
と図示しないカム機構により、放射線検出器18の面前
を水平方向に往復移動可能に構成される。このような移
動グリッド25を使用することにより、被写体Mによる
放射線散乱線を殆ど除去することが可能となり、診断上
有用な放射線画像を得ることができる。
【0058】なお、上記のような機構の移動グリッド2
5では、その移動速度が一定でないために、規定の速度
に達した時に放射線を照射するように放射線照射とのタ
イミングの同期をとることが必要である。
【0059】一方、輝尽性螢光体には、パネルに画像を
記録するための放射線を照射した時のパネルの瞬時発光
光が、放射線の照射を止めた後も直ちには消えずに減衰
しながら発光し続ける「瞬時残光光」が存在する。ま
た、パネルに記録されている放射線エネルギーは画像情
報を記録した直後は最も大きくその後除々に放出され減
衰して行く「暗中フェーディング」も存在する。そこ
で、画像読取においては、前者の瞬時残光に対してはで
きるだけ遅く、後者の暗中フェーデイングに対して素早
く読み取るのが最善であるが、両者に対する兼ね合いも
必要となる。
【0060】第8図は画像記録読取における各部の動作
タイミングを示す図である。放射線照射(撮影)スイッ
チがオンすると、グリッド駆動モータが回転してグリッ
ド25が規定速度に達した時に放射線発生源1からの放
射線照射が行われる。この放射線照射量が放射線検出器
18で検出され、照射量が予め設定された規定値に達し
た時点で、放射線照射が停止される。
【0061】その後の一定時間経過後に、移動板31が
移動を開始して、パネル4の画像読取が行われる。な
お、放射線照射から読取開始までは、後記の傾向体の種
類にもよるが、0.01〜60秒程度が良いが、好ましくは0.
01〜10秒程度が良い。
【0062】この読取においては、移動板31の移動速
度が安定した後に、光ビーム発生部5、走査器6、フォ
トマル10が所定時間だけオンとなって能動となり、ま
たフォトマル10保護のための遮光手段も所定時間だけ
光を透過させるように開放となる。この所定時間の間に
おいて読み取りが行われる。このように、各部分を必要
時間のみ動作させるようにすれば、寿命長期化に効果的
である。そして、移動板31が矢印Y方向と反対方向に
復帰する際に、消去ランプ33が点灯してパネル4に残
留している潜像が消去されるのである。
【0063】以上の如く、放射線検出器18とパネル4
とを固定的に配置し、励起・読取ユニット30を往復移
動させることにより、撮影(記録)・読取一体となり、
全体を小型・機能的に構成することができる。更に上記
構成により、撮影の度に撮影条件を変更することもな
く、安定した撮影を行なうことができる。更に良好な画
像情報の読取、更には良好な品質の放射線画像情報を得
ることができることになる。
【0064】なお、上記実施例では、パネル4を垂直に
縦に配置した立位用の記録読取装置を示したが、パネル
4を水平方向に寝かせた所謂「臥位」用にも同様の構成
で実現できることは勿論である。
【0065】以上説明したパネル4における輝尽性螢光
体とは、最初の光もしくは高エネルギー放射線が照射さ
れた後に、光的、熱的、機械的、化学的または電気的等
の刺激(輝尽励起)により、最初の光もしくは高エネル
ギー放射線の照射量に対応した輝尽発光を示す螢光体を
言うが、実用的な面から好ましくは 500 nm 以上の輝尽
励起光によって輝尽発光を示す螢光体である。
【0066】本発明のパネル4に用いられる輝尽性螢光
体としては、例えば特開昭48-80487号に記載されている
BaSO4 :Ax (但しAはDy、Tb及びTmのうち
少なくとも1種であり、xは0.001 ≦x<1モル%であ
る。)で表される螢光体、特開昭48-80488号に記載のM
gSO4 :Ax(但しAはHo或いはDyのうちいずれ
かであり、xは 0.001 ≦x≦1モル%である。)で表
される螢光体、特開昭48-80489号に記載されているSr
SO4 :Ax(但しAはDy、Tb及びTmのうち少な
くとも1種であり、xは0.001 ≦x<1モル%であ
る。)で表されている螢光体、特開昭51-29889号に記載
されているNa2 SO4 、CaSO4 及びBaSO4
にMn、Dy及びTbのうち少なくとも1種を添加した
螢光体、特開昭52-30487号に記載されているBeO、L
iF、MgSO4 及びCaF2 等の螢光体、特開昭53-3
9277号に記載されている Li247 :Cu、Ag
等の螢光体、特開昭54-47883号に記載されいているLi
2 O・(B22 )x:Cu(但しxは2<x≦3)、
及びLi2 O・(B22 )x:Cu、Ag(但しxは
2<x≦3)等の螢光体、米国特許 3,859,527号に記載
されているSrS:Ce、Sm、SrS:Eu、Sm、
La22 S:Eu、Sm及び(Zn、Cd)S:M
n、X(但しXはハロゲン)で表される螢光体が挙げら
れる。
【0067】また、特開昭55-12142号に記載されている
ZnS:Cu、Pb螢光体、一般式がBaO・xAl2
3 :Eu(但し0.8 ≦x≦10) で表されるアルミン酸
バリウム螢光体、及び一般式がMIIO・xSiO2 :A
(但しMIIはMg、Ca、Sr、Zn、CdまたはBa
であり、AはCe、Tb、Eu、Tm、Pb、Tl、B
i及びMnのうち少なくとも1種であり、xは 0.5≦x
<2.5 である。)で表されるアルカリ土類金属珪酸塩系
螢光体が挙げられる。また、特開昭55-12143号に記載さ
れている一般式が、
【0068】(Ba1-x-y Mgx Cay )FX:eEu
2+ (但しXはBr及びClの中の少なくとも1つであり、
x、y及びeはそれぞれ0<x+y<0.6 、xy≠0及
び10-6≦e≦5×10-2なる条件を満たす数であ
る。)で表されるアルカリ土類弗化ハロゲン化物螢光
体、特開昭55-12144号に記載されている一般式が、
【0069】LnOX:xA (但しLnはLa、Y、Gd及びLuの少なくとも1つ
を、XはCl及び/またはBrを、AはCe及び/また
はTbを、xは0<x<0.1 を満足する数を表す。) で
表される螢光体、特開昭55-12145号に記載されている一
般式が、
【0070】(Ba1-x II x )FX:yA (但しMIIは、Mg、Ca、Sr、Zn及びCdのうち
の少なくとも1つを、XはCl、Br及びIのうちの少
なくとも1つを、AはEu、Tb、Ce、Tm、Dy、
Pr、Ho、Nd、Yb及びErのうちの少なくとも1
つを、x及びyは0<x≦0.6 及び0≦y≦0.2 なる条
件を満たす数を表す。)で表される螢光体、特開昭55-8
4389号に記載されいてる一般式が、
【0071】BaFX:xCe、yA (但しXはCl、Br及びIのうちの少なくとも1つ、
AはIn、Tl、Gd、Sm及びZrのうちの少なくと
も1つであり、x及びyはそれぞれ0<x≦2×10-1
及び0<y≦5×10-2である。)で表される螢光体、
特開昭55-160078号に記載されている一般式が、
【0072】MIIFX・xA:yLn (但しMIIはMg、Ca、Ba、Sr、Zn及びCdの
うち少なくとも1種、AはBeO、MgO、CaO、S
rO、BaO、ZnO、Al23 、Y23 、La2
3 、In23 、SiO2 、TiO2 、ZrO2 、G
eO2 、SnO2、Nb25 、Ta25 及びThO2
のうちの少なくとも1種、LnはEu、Tb、Ce、
Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Sm及び
Gdのうちの少なくとも1種であり、XはCl、Br及
びIのうちの少なくとも1種であり、x及びyはそれぞ
れ5×10-5≦x≦0.5 及び0<y≦0.2 なる条件を満
たす数である。) で表される希土類元素付活2価金属フ
ルオロハライド螢光体、一般式が、ZnS:A、Cd
S:A、(Zn、Cd)S:A、ZnS:A、X及びC
dS:A、X(但しAはCu、Ag、AuまたはMnで
あり、Xはハロゲンである。)で表される螢光体、特開
昭57-148285 号に記載されている下記いずれかの一般式
【0073】xM3(PO4 )2・NX2 :yA M3(PO4 )2:yA (式中、M及びNはそれぞれMg、Ca、Sr、Ba、
Zn及びCdのうちの少なくとも1種、XはF、Cl、
Br及びIのうち少なくとも1種、AはEu、Tb、C
e、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、S
b、Tl、Mn及びSnのうちの少なくとも1種を表
す。また、x及びyは0<x≦6、0≦y≦1なる条件
を満たす数である。)で表される螢光体、下記いずれか
の一般式
【0074】nReX3 ・mAX′2 :xEu nReX3 ・mAX′2 :xEu、ySm (式中、ReはLa、Gd、Y、Luのうちの少なくと
も1種、Aはアルカリ土類金属、Ba、Sr、Caのう
ち少なくとも1種、X及びX′はF、Cl、Brのうち
の少なくとも1種を表す。また、x及びyは、1×10
-4<x<3×10-1、1×10-4<y<1×10-1なる
条件を満たす数であり、n/mは1×10-3<n/m<
7×10-1なる条件を満たす数である。)で表される螢
光体、及び下記一般式
【0075】MI X・aMIIX′2 ・bMIII X′′
3 :cA (但し、MI はLi、Na、K、Rb及びCsから選ば
れる少なくとも1種のアルカリ金属であり、MIIはB
e、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Cu及びN
iから選ばれる少なくとも1種の二価金属である。M
III はSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、S
m、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Y
b、Lu、Al、Ga及びInから選ばれる少なくとも
1種の三価金属である。X、X′及びX′′は、F、C
l、Br及びIから選ばれる少なくとも1種のハロゲン
である。AはEu、Tb、Ce、Tm、Dy、Pr、H
o、Nd、Yb、Er、Gd、Lu、Sm、Y、Tl、
Na、Ag、Cu及びMgから選ばれる少なくとも1種
の金属である。
【0076】またaは、0≦a<0.5 の範囲の数値であ
り、bは0≦b<0.5 の範囲の数値であり、cは0<c
≦0.2 の範囲の数値である。)で表されるアルカリハラ
イド螢光体等が挙げられる。特にアルカリハライド螢光
体は、蒸着、スパッタリング等の方法で輝尽性螢光体層
を形成させ易く好ましい。
【0077】しかし、本発明のパネルに用いられる輝尽
性螢光体は、前述の螢光体に限られるものではなく、放
射線を照射した後、輝尽励起光を照射した場合に輝尽発
光を示す螢光体であれば、いかなる螢光体でも適用でき
る。
【0078】本発明のパネルは、上述の輝尽性螢光体の
少なくとも一種類を含む若しくは二つ以上の輝尽性螢光
体層から成る輝尽性螢光体層群であっても良い。また、
それぞれの輝尽性螢光体層に含まれる輝尽性螢光体は同
一であっても良いが異なっていても良い。
【0079】
【発明の効果】以上から本発明によれば、放射線検出器
によりパネルが受ける放射線量を直接的に検出できるの
で、その放射線量信号を放射線源にフィードバックする
ことにより、パネルに到達する放射線の合計量を概略一
定に保つことができる。
【0080】このため、放射線源に基づく放射線変動や
被写体の違いによる放射線透過率の変動がパネルの放射
線受量に影響を与えないようにすることができ、よって
被写体や記録条件の変動に拘らず、その都度撮影条件を
変更せずとも、常に安定したS/Nで撮影を行なうこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の放射線画像情報記録読取
装置の構成のブロック図である。
【図2】 同装置の読取系の各部の入出力特性図であ
る。
【図3】 放射線検出器の説明図である。
【図4】 上記装置の内部機構を示す説明図である。
【図5】 励起・読取ユニットの移動特性図である。
【図6】 消去ランプ部分の説明図である。
【図7】 移動グリッドを付加したパネル部分の説明図
である。
【図8】 上記装置の動作タイミングを示すタイムチャ
ートである。
【図9】 従来のパネルの画像読取の説明図である。
【符号の説明】
1:放射線発生源、2:放射線制御装置、3:放射線画
像情報記録読取装置、4:放射線画像変換パネル、5:
光ビーム発生部、6:走査器、7:反射鏡、8:集光
体、9:フィルタ、10:フォトマル、11:電流/電
圧変換器、12:増幅器、13:A/D変換器、14:
画像メモリ、15:CPU、16:表示器、17:イン
ターフェース、18:放射線検出器、19:増幅器、2
0:調整回路、22:フレーム、25:移動グリッド、
26:グリッド駆動モータ、30:励起・読取ユニッ
ト、31:移動板、32:集光レンズ、33:消去ラン
プ、34:反射板、71〜73:反射鏡、80:走査
線、81:励起光。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04N 1/04 E 7251−5C (72)発明者 竹内 三喜夫 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内 (72)発明者 石井 満 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放射線を放射させる放射線源と、該放射線
    源から被写体を介して照射された放射線により該被写体
    の放射線画像情報を蓄積記録する輝尽性蛍光体層を有す
    る放射線画像変換パネルと、上記放射線照射の後に上記
    パネルを励起光で走査して上記蓄積記録されている放射
    線画像情報を光電的に読み取る励起・読取ユニットとを
    具備する放射線画像情報記録読取装置において、 上記パネルの上記放射線照射面側又はその反対面側に配
    置された放射線検出器と、該放射線検出器より放射線量
    が規定量に達したことが検出されることにより上記放射
    線源による放射線照射を停止させる手段とを具備するこ
    とを特徴とする放射線画像情報記録読取装置。
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