JPH06235154A - 絹不織布 - Google Patents

絹不織布

Info

Publication number
JPH06235154A
JPH06235154A JP1851893A JP1851893A JPH06235154A JP H06235154 A JPH06235154 A JP H06235154A JP 1851893 A JP1851893 A JP 1851893A JP 1851893 A JP1851893 A JP 1851893A JP H06235154 A JPH06235154 A JP H06235154A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silk
cocoon
cotton
web
kneading
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP1851893A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2726819B2 (ja
Inventor
Yoji Yoshioka
洋司 吉岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
HIRO INTERNATL KK
Original Assignee
HIRO INTERNATL KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by HIRO INTERNATL KK filed Critical HIRO INTERNATL KK
Priority to JP5018518A priority Critical patent/JP2726819B2/ja
Publication of JPH06235154A publication Critical patent/JPH06235154A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2726819B2 publication Critical patent/JP2726819B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 化粧用カット綿、ウエットティッシュ、その
他人体の肌に接する商品全般に使用することが可能な絹
不織布を提供すること。 【構成】 副蚕糸等(選除繭、製糸工程から出るくず、
製織工程から出るくず)を、半練り若しくは七分練り程
度アルカリ精練して真綿状にし、或いは、各種真綿を利
用し、1〜3インチ四方に裁断し、裁断後、本練りアル
カリ精練を行い、開繊し、ウェブを形成させ、このウェ
ブを上下面に配置し、他の繊維不織布を中間層に配置し
て3層構造の絹不織布とした。また、副蚕糸等(選除
繭、製糸工程から出るくず、製織工程から出るくず)
を、半練り若しくは七分練り程度アルカリ精練して真綿
状にし、或いは、各種真綿を利用し、1〜3インチ四方
に裁断し、裁断後、本練りアルカリ精練を行い、開繊
し、この開繊繊維と熱融着性繊維とを配合比70:30
〜100:0で略均一に混合してウェブを形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、絹不織布に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】繊維製品基布を大別すると、織物編
物不織布の3つに分類することができ、近年不織布の
生産、消費とも増大の一途をたどっている。
【0003】しかしその中で現在絹100%の不織布は
市場に出ていない。その理由は従来絹は、天然繊維なが
ら、唯一の長繊維の良さにとらわれ、たとえ生糸に出来
ない副蚕糸等でも、絹繊維長を出来るだけ長くし、絹紡
糸、つむぎ糸等に利用する程度であり、その他に転用す
るアイデアが思い付かなかった事及び、従来の形態や処
理方法では不織布製造に要求される条件(例えば、均整
度を有していない)を満足していないため等によるので
はないかと推測される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】絹繊維は、肌への馴染
みがよい事、繊維断面が三角形状であり、円形断面の綿
繊維に比べて肌への接触角が鋭角状となり、肌に付着し
た化粧品等の拭き取り効果が大きい事、吸水性及び脱水
性に優れている事等化粧用カット綿、ウエットティッシ
ュ、その他人体の皮膚に接する商品全般に使用すること
が可能であり、特に、このような用途に使用した場合、
絹繊維の持つ特性が生かされる。
【0005】しかし従来では、このような用途に使用す
る工夫がなされておらず、この種用途に適する絹不織布
が提供されていない。
【0006】そこで本発明は、この種用途に適する絹不
織布を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の1つは、副蚕糸等(選除繭、製糸工程から
出るくず、製織工程から出るくず)を、半練り若しくは
七分練り程度アルカリ精練して真綿状にし、或いは、各
種真綿を利用し、1〜3インチ四方に裁断し、裁断後、
本練りアルカリ精練を行い、開繊し、ウェブを形成さ
せ、このウェブを上下面に配置し、他の繊維不織布を中
間層に配置して3層構造の絹不織布としたことを特徴と
している。
【0008】また、本発明のもう1つは、副蚕糸等(選
除繭、製糸工程から出るくず、製織工程から出るくず)
を、半練り若しくは七分練り程度アルカリ精練して真綿
状にし、或いは、各種真綿を利用し、1〜3インチ四方
に裁断し、裁断後、本練りアルカリ精練を行い、開繊
し、この開繊繊維と熱融着性繊維とを配合比70:30
〜100:0で略均一に混合してウェブを形成したこと
を特徴としている。
【0009】
【作用】副蚕糸等は、そのままでは利用できないので、
先ず、半練り若しくは七分練り程度アルカリ精練し、真
綿状にする。真綿状にした後、1〜3インチ四方の大き
さに裁断する。裁断後、再度本練りと云われるアルカリ
精練を行い、不純物の除去、晒度アップを図り、出来る
だけ100%近い数値で、セリシンを落とす。
【0010】副蚕糸等を半練り若しくは七分練り程度ア
ルカリ精練するのは、そのままでは繭や、生糸くずは硬
く、ほぐすことが出来ず、真綿に加工することが不可能
なためである。また、副蚕糸等をいきなり、本練りまで
してしまうと、繊維の塊には塵埃や蛹くずが残り、不純
物除去が不可能となるためである。
【0011】一方、上記した副蚕糸等以外に、市場に流
通している各種の真綿を利用することができる。このよ
うな各種真綿を利用する場合は、これを1〜3インチ四
方の大きさに裁断し、本練りアルカリ精練を行う。この
ように真綿を1〜3インチ四方の大きさに裁断している
のは、繊維長を均整化し、ウェブ加工条件を満足させる
ため及び不純物除去を容易化するためである。このよう
に本練りアルカリ精練を行なった後、開繊し、ウェブを
形成させる。ウェブの形成は、公知の各種の方法で行な
うことができる。このウェブを上下面に配置し、他の繊
維不織布を中間層に配置してニードルパンチングその他
の方法の接着により3層構造の絹不織布とする。このよ
うな3層構造とすることによって、表裏両面が絹繊維1
00%の不織布となり、肌への馴染みや感触を向上さ
せ、高級感を付与でき、しかも、中間層には絹よりも安
価な繊維を使用することが可能となり、製品コストの上
昇を防止できる。
【0012】また、上記開繊繊維と熱融着性繊維とを配
合比70:30〜100:0で略均一に混合してウェブ
を形成したものは、前記3層構造のものに比べて、製造
が簡単となり、製品コストの引下げに有利であり、化粧
用カット綿等に使用した場合、70%以上含まれている
絹繊維によって、化粧品等の肌からの拭き取り作用を向
上させることができる。
【0013】
【実施例】図1は本発明に係る絹不織布の製造工程の第
1実施例を示す説明図、図2は本発明に係る絹不織布の
製造工程の第2実施例を示す説明図であって、本発明の
1つは、副蚕糸等(選除繭、製糸工程から出るくず、製
織工程から出るくず)を、半練り若しくは七分練り程度
アルカリ精練して真綿状にし、或いは、各種真綿を利用
し、1〜3インチ四方に裁断し、裁断後、本練りアルカ
リ精練を行い、必要に応じて帯電防止剤を配合して開繊
し、ウェブを形成させ、このウェブを上下面に配置し、
他の繊維不織布を中間層に積層配置してニードルパンチ
ングその他の方法の接着により3層構造の絹不織布とし
たものである。上記中間層に配置する繊維不織布として
は、綿、スパンレース(例えば、レーヨンパルプ製)、
ポリエステル、その他絹以外の繊維不織布であり、繊維
長には特に制約はない。上記3層構造の絹不織布の具体
的用途例として、化粧用カット綿に使用する場合では、
上下面に配置される絹繊維ウェブの目付けは、上下とも
に30〜80g/m2とし、中間層に配置する繊維不織
布の目付けは、40〜100g/m2とする。
【0014】また本発明のもう1つのものは、副蚕糸等
(選除繭、製糸工程から出るくず、製織工程から出るく
ず)を、半練り若しくは七分練り程度アルカリ精練して
真綿状にし、或いは、各種真綿を利用し、1〜3インチ
四方に裁断し、裁断後、本練りアルカリ精練を行い、必
要に応じて帯電防止剤を配合して開繊し、この開繊繊維
と熱融着性繊維とを配合比70:30〜100:0で略
均一に混合してウェブを形成し、混合型絹不織布とした
ものである。上記熱融着性繊維としては、ポリエステル
等や絹繊維よりも低融点の繊維を使用し、その繊維長
は、開繊後の絹繊維と同程度とする。熱融着性繊維の配
合比が少なくなる程、不織布全体としての繊維同士の絡
みが悪くなり、多くなる程、絹繊維の特徴が減少し、皮
膚への刺激が増大するので、30%が限度である。この
混合型絹不織布の用途は、ウエットティッシュ、アトピ
ー性幼児等の紙おむつの肌に接触する部分、化粧用カッ
ト綿、その他、皮膚に直接接触する商品全般に適用可能
である。例えば、ウエットティッシュの場合、全体の目
付けは、30〜60g/m2とする。
【0015】上記副蚕糸等は、そのままでは利用できな
いので、先ず、半練り若しくは七分練り程度アルカリ精
練し、真綿状にする。真綿状にした後、1〜3インチ四
方の大きさに裁断する。裁断後、本練りアルカリ精練を
行い、不純物の除去、晒度アップを図り、出来るだけ1
00%近い数値で、セリシンを落とす。
【0016】副蚕糸等を半練り若しくは七分練り程度ア
ルカリ精練するのは、そのままでは繭や、生糸くずは硬
く、ほぐすことが出来ず、真綿に加工することが不可能
である。また、この段階で、本練りまでしてしまうと、
繊維の塊には塵埃や蛹くずが残り、不純物除去が不可能
になるためである。
【0017】上記副蚕糸等の他、市場に流通している各
種真綿が利用できる。従来日本で真綿と呼ばれているも
のは、袋真綿、角真綿という名で呼ばれており、これら
は精練され、セリシンが3〜5%程度残っているのが普
通であり、これを利用することは何ら問題がない。
【0018】また、中国では日本とほぼ同様の方法で真
綿が作られており、選除繭の種類、製糸工程から出る屑
の種類によって、(a)牡丹牌(b)紅牌(c)緑牌
(d)黄牌というブランド名で販売輸出されているが、
いずれも真綿であり、繭糸重量よりセリシンを20%程
度落とし、セリシンを3〜5%程度残している精練済み
の絹原料であるため、工程短縮、コストダウン等の為こ
れらを利用することも問題ない。
【0019】真綿状にならない副蚕糸等も精練し、不純
物除去の為打繭、開繊(絹)後、梳綿機にかけると真綿
状になる。この場合、あまり丁寧に梳綿機にはかけない
ようにする。その後、1〜3インチ四方の大きさに裁断
する。また、半練り、七分練りの精乾綿(絹)をそのま
ま原料として利用する場合も問題ないが、その場合に
は、精乾綿(絹)を精綿する時あまり強く丁寧に梳綿機
でくしけずらないようにし、1〜3インチ四方に裁断し
ても問題が無い。本来、生糸をそのまま精練すると、毛
羽立つという特徴があり、毛羽は、フィブロインがフィ
ブリル化するためである。
【0020】最終それぞれの短繊維状態の真綿原料を、
本練りアルカリ精練することにより、不純物の除去は勿
論のこと、100%近い数値でセリシンを除去し、晒度
をアップする工程の中で、絹糸を形成しているフィブロ
イン繊維、一本のフィブロインは、100本内外のフィ
ブリルから出来ており、フィブロインの繊維同士が絡み
合い、叩き合い、フィブロインの一部がフィブリルに分
解され、フィブロイン組織より剥離したりし、微妙なク
リンプを持ったウェブ形成に好適な原料に変化する。
【0021】この現象は、蚕が営繭する際、頭をS又は
8の字状に振って吐糸する。この曲線を営繭曲線と呼
び、営繭曲線は繭から糸を取る時に、微妙なクリンプと
して糸に表れるもので、本発明ではこの特徴をウェブ形
成に利用したものである。そのため、副蚕糸等簡単に真
綿になるものは、精練し、真綿状になりさえすればよ
く、真綿に簡単になりにくい副蚕糸等は、真綿状にする
時、あまり強く丁寧に梳綿機で梳らないようにしなけれ
ばならない。単に、不純物の除去のみに抑えるべきであ
り、あまり強くすると営繭曲線が持っているクリンプを
殺してしまう恐れがある。従って、精綿までいかず、真
綿状になればそれで問題がない絹ウェブ原料になる。
【0022】精練剤としては、アルカリ剤のみで精練す
るのが、一番良い。即ち、アルカリ精練は、他の精練剤
と違ってフィブロイン同士が付着せず、フィブロインを
一番軟らかくすることができ、また、フィブロインは、
アルカリ溶液の中で叩かれると、簡単にフィブリル化し
たりし、営繭曲線が持つ天然の微妙なクリンプを、一番
生かすことができるためである。なお、酵素精練等も有
効であるが、後処理をアルカリ浴等で行なうことが必要
なため、コスト高になる事が考えられる。
【0023】現在の設備の大部分では、直線の繊維で不
織布を加工することは不可能であり、クリンプが多けれ
ば多い程よく、副蚕糸等を真綿状態にし、裁断し、アル
カリ精練することで、絹糸の一部がフィブリル化したり
し、微妙なクリンプを、絹の原料より引き出し、均整な
ウェブを作りやすくする。高度のクリンプを持った繊維
で作られたウェブは、その後の工程でも原構造を保つ上
で非常に有効であることが確認されている。
【0024】各種不織布は、従来から紡毛機械が使用さ
れており、紡毛の技術が中心をなしている。本発明の絹
不織布用絹ウェブの形成にも上記紡毛機械及び紡毛技術
を利用する。
【0025】例えば、原料絹繊維の開俵、調合、開繊
は、紡績の前工程とほぼ同じで、ホッパー・ベール・ブ
レーカー、ホッパー・ミキサー等が適している。開繊
時、この様に処理された絹原料繊維は、固塊状になって
おらず、綿状が容易にファイバー段階まで開繊され、絹
繊維の密度を極力一定に保つ事が可能になり、ガーネッ
ト機やカードを用い、ウェブ形成へと導くことができ
る。
【0026】絹短繊維原料のカット長を1〜3インチと
しているのは、ウェブ加工方法にもよるが、繊維長に極
端に差があると、ノーズバーやストリッピング・プレー
トの付近で、長繊維の詰まる恐れがあり、また、極短繊
維では、剥離しにくくて、糸状になって出てくるので、
これらを避けるためである。
【0027】ウェブ配列方式は、基本的には、平行配
列法直交と複合配列法ランダム配列法等があるが、
いずれの方法を取るにしても従来の原料と違い、開繊時
に帯電防止剤を用いた方が、より容易にウェブ形成がな
される。絹以外の原材料で、主に疏水性の合繊繊維には
帯電防止剤を使用しているが、絹原料への帯電防止剤の
使用は、製造工程での湿度に関係なく、より効果的であ
る。
【0028】一般論として繊維は、電気抵抗が1010Ω
/cm程度より小さいと帯電しないと云われており、吸
湿、吸水によって電気抵抗は、著しく低下する。絹の場
合は、環境が相対湿度80〜85%以上あればほとんど
発生しない事は、分かっているが、加湿と共に帯電防止
剤の併用は作業効率上良い結果が得られる。
【0029】この様に、副蚕糸等をアルカリ精練し真綿
状にし、あるいは市場に流通している各種真綿を利用
し、1〜3インチ四方の大きさ裁断し、再度本練りアル
カリ精練し、不純物除去、晒度アップを兼ね、セリシン
を100%近い数値で落とし、帯電防止剤の調合により
たやすく、乾式ウェブの形成が可能となり、ニードルパ
ンチ方式、スパンレース方式等を問わず、いかなる方法
でもバインダーを必要とせず、絹100%目付け20〜
300g/m2の不織布を製造することが可能となっ
た。
【0030】今まであまり有効利用の道がなく、世界的
にみて副蚕糸等がだぶつき傾向であったが、本発明の様
に、副蚕糸等を精練し、真綿状にした後、短繊維化する
ことにより、営繭曲線に残留する微妙なクリンプ、絹原
料繊維が本来備えているクリンプを引き出すことがで
き、絹100%の不織布の製造が可能になるのである。
因みに、絹紡糸の製造工程で、延展機にかけられる七分
練り程度のラップ(ペニー)や絹糸を原料とし、裁断し
精練して帯電防止剤を調合しても、絹100%のウェブ
を生産することは不可能である。これは、営繭曲線に残
留する微妙なクリンプを精綿し、製条し、練条或いは、
絹糸を製糸するための各種撚り工程で、殺してしまって
いるからである。
【0031】また、微妙なクリンプが引き出された短繊
維真綿状絹原料を主材料にし、他の繊維を混合してウェ
ブを形成することは、極めて簡単なことである。
【0032】繭は本来出来るだけ長く、出来るだけ細く
糸を紡ぐ様に改良され、生糸にならないその他の繭等も
加工し長く紡ぎ、シャンタン、銘仙、富士絹、スパンク
レープ、ノイルクロス等の繊維製品にしか利用されてい
なかった。
【0033】湿式では、原料にクリンプを与える必要が
ないため、すでに絹の和紙等が製造されているが、乾式
で絹100%のウェブを作るのが、従来、不可能であっ
たが、本発明により、絹不織布の製造が可能になり、絹
の用途開発が飛躍的に発展することが予測される。
【0034】絹フィブロイン繊維を一部フィブリル化し
たりし、微妙なクリンプを引き出すためのアルカリ精練
を行い、副蚕糸等を真綿状にし、ないし市場に流通して
いる各種真綿を利用し、1〜3インチ四方に裁断し、最
終晒度アップ、不純物除去を兼ねて、本練りアルカリ精
練し、帯電防止剤の配合を行なう。上記のように、繊維
長を指定するのは、極端に差があると、ウェブ加工方法
の差もあるが、ノーズバーやストリッピング・プレート
の付近で長繊維の詰まる恐れがあり、1インチより短い
繊維長では、剥離しにくく糸状になって出てくるためで
ある。
【0035】上記の様にして製造された絹ウェブは、こ
れを上下面に配置し、中間層には他の繊維不織布を配置
してニードルパンチングその他の方法の接着により3層
構造の絹不織布を製造する。或いは、上記絹短繊維原料
に熱融着性繊維を所定の配合比で均一に混合して公知の
方法により混合型絹不織布を製造する。
【0036】
【発明の効果】本発明の3層構造絹不織布によれば、表
裏両面が絹繊維100%の不織布となり、肌への馴染み
や感触を向上させ、高級感を付与でき、しかも、中間層
には絹よりも安価な繊維を使用することが可能となり、
製品コストの上昇を防止できる。特に、絹繊維は、肌へ
の馴染みがよい事、繊維断面が三角形状であり、円形断
面の綿繊維に比べて肌への接触角が鋭角状となり、肌に
付着した化粧品等の拭き取り効果が大きい事、吸水性及
び脱水性に優れている事等化粧用カット綿、ウエットテ
ィッシュ、その他人体の皮膚に接する商品全般に使用す
ることが可能であり、特に、このような用途に使用した
場合、絹繊維の持つ特性が生かされる。
【0037】また、絹の開繊短繊維と熱融着性繊維とを
配合比70:30〜100:0で略均一に混合してウェ
ブを形成した混合型絹不織布は、前記3層構造のものに
比べて、製造が簡単となり、製品コストの引下げに有利
であり、化粧用カット綿やウエットティッシュの他、ア
トピー性幼児の紙おむつ等に使用した場合、70%以上
含まれている絹繊維によって、皮膚への刺激が少なく、
アレルギー性のかぶれや皮膚疾患を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る絹不織布の製造工程の第1実施例
を示す説明図。
【図2】本発明に係る絹不織布の製造工程の第2実施例
を示す説明図。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年11月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】この様に、副蚕糸等をアルカリ精練し真綿
状にし、あるいは市場に流通している各種真綿を利用
し、1〜3インチ四方の大きさに裁断し、再度本練りア
ルカリ精練し、不純物除去、晒度アップを兼ね、セリシ
ンを100%近い数値で落とし、帯電防止剤の調合によ
りたやすく、乾式ウェブの形成が可能となり、ニードル
パンチ方式、スパンレース方式等を問わず、いかなる方
法でもバインダーを必要とせず、絹100%目付け20
〜300g/m2の不織布を製造することが可能となっ
た。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】今まであまり有効利用の道がなく、世界的
にみて副蚕糸等がだぶつき傾向であったが、本発明の様
に、副蚕糸等を精練し、真綿状にした後、短繊維化する
ことにより、営繭曲線に残留する微妙なクリンプ、絹原
料繊維が本来備えているクリンプを引き出すことがで
き、絹100%の不織布の製造が可能になるのである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 副蚕糸等(選除繭、製糸工程から出るく
    ず、製織工程から出るくず)を、半練り若しくは七分練
    り程度アルカリ精練して真綿状にし、或いは、各種真綿
    を利用し、1〜3インチ四方に裁断し、裁断後、不純物
    除去、晒度アップを兼ねてセリシンを100%近い数値
    まで落とす本練りアルカリ精練を行い、開繊し、ウェブ
    を形成させ、このウェブを上下面に配置し、他の繊維不
    織布を中間層に配置して3層構造としたことを特徴とす
    る絹不織布。
  2. 【請求項2】 副蚕糸等(選除繭、製糸工程から出るく
    ず、製織工程から出るくず)を、半練り若しくは七分練
    り程度アルカリ精練して真綿状にし、或いは、各種真綿
    を利用し、1〜3インチ四方に裁断し、裁断後、不純物
    除去、晒度アップを兼ねてセリシンを100%近い数値
    まで落とす本練りアルカリ精練を行い、開繊し、この開
    繊繊維と熱融着性繊維とを配合比70:30〜100:
    0で略均一に混合してウェブを形成したことを特徴とす
    る絹不織布。
JP5018518A 1993-02-05 1993-02-05 絹不織布 Expired - Lifetime JP2726819B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5018518A JP2726819B2 (ja) 1993-02-05 1993-02-05 絹不織布

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5018518A JP2726819B2 (ja) 1993-02-05 1993-02-05 絹不織布

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06235154A true JPH06235154A (ja) 1994-08-23
JP2726819B2 JP2726819B2 (ja) 1998-03-11

Family

ID=11973852

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5018518A Expired - Lifetime JP2726819B2 (ja) 1993-02-05 1993-02-05 絹不織布

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2726819B2 (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07178132A (ja) * 1993-11-15 1995-07-18 Shoichi Kamiya 生理用品
JPH07189097A (ja) * 1993-11-17 1995-07-25 Shoichi Kamiya 肌当て用品
JPH07189001A (ja) * 1993-11-17 1995-07-25 Shoichi Kamiya 被着用品
WO1997007273A1 (fr) * 1995-08-11 1997-02-27 Silk Kogei Co. Ltd. Tissu ou soie non tisses pour fournitures medicales
KR20050064089A (ko) * 2003-12-23 2005-06-29 주식회사 예당이십일 난연성 부직포 제조방법
WO2006109905A1 (en) * 2005-04-13 2006-10-19 The Non Woven Silk Fabric Co., Ltd. Producing method for non woven silk fabric
CN102206875A (zh) * 2011-05-18 2011-10-05 南充银海丝绸有限公司 缫丝后脚渣的分离、精炼方法
CN102691171A (zh) * 2012-05-17 2012-09-26 南通丝乡丝绸有限公司 蚕丝纺粘无纺布及其生产工艺
CN110468500A (zh) * 2018-05-09 2019-11-19 株式会社Lg生活健康 包含由金丝生产的蚕丝纱的面膜用片材以及使用其的化妆用面膜
CN110857483A (zh) * 2018-08-23 2020-03-03 株式会社Lg生活健康 含以部分精炼制造的彩色丝绸的面膜用片材及用其的面膜
CN113100509A (zh) * 2021-04-09 2021-07-13 浙江东凝时装有限公司 一种填充有防静电蚕丝绒的服装的制备方法
JPWO2022009835A1 (ja) * 2020-07-07 2022-01-13
CN115625940A (zh) * 2022-09-07 2023-01-20 浙江大学医学院附属第一医院 蚕丝复合无纺布敷料及其制备方法和用途

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56159337A (en) * 1980-05-10 1981-12-08 Masayoshi Yomo Silk nonwoven fabric
JPS5897308A (ja) * 1981-12-04 1983-06-09 伊藤忠商事株式会社 ふとん
JPS60142884A (ja) * 1983-12-29 1985-07-29 宮原 弘明 真綿ふとんの製造方法
JPS61108759A (ja) * 1984-10-31 1986-05-27 ダイニツク株式会社 不織布の製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56159337A (en) * 1980-05-10 1981-12-08 Masayoshi Yomo Silk nonwoven fabric
JPS5897308A (ja) * 1981-12-04 1983-06-09 伊藤忠商事株式会社 ふとん
JPS60142884A (ja) * 1983-12-29 1985-07-29 宮原 弘明 真綿ふとんの製造方法
JPS61108759A (ja) * 1984-10-31 1986-05-27 ダイニツク株式会社 不織布の製造方法

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07178132A (ja) * 1993-11-15 1995-07-18 Shoichi Kamiya 生理用品
JPH07189097A (ja) * 1993-11-17 1995-07-25 Shoichi Kamiya 肌当て用品
JPH07189001A (ja) * 1993-11-17 1995-07-25 Shoichi Kamiya 被着用品
WO1997007273A1 (fr) * 1995-08-11 1997-02-27 Silk Kogei Co. Ltd. Tissu ou soie non tisses pour fournitures medicales
KR20050064089A (ko) * 2003-12-23 2005-06-29 주식회사 예당이십일 난연성 부직포 제조방법
WO2006109905A1 (en) * 2005-04-13 2006-10-19 The Non Woven Silk Fabric Co., Ltd. Producing method for non woven silk fabric
KR100667515B1 (ko) * 2005-04-13 2007-01-11 이견부직포 유한회사 견부직포 제조방법
CN102206875A (zh) * 2011-05-18 2011-10-05 南充银海丝绸有限公司 缫丝后脚渣的分离、精炼方法
CN102691171A (zh) * 2012-05-17 2012-09-26 南通丝乡丝绸有限公司 蚕丝纺粘无纺布及其生产工艺
CN110468500A (zh) * 2018-05-09 2019-11-19 株式会社Lg生活健康 包含由金丝生产的蚕丝纱的面膜用片材以及使用其的化妆用面膜
CN110857483A (zh) * 2018-08-23 2020-03-03 株式会社Lg生活健康 含以部分精炼制造的彩色丝绸的面膜用片材及用其的面膜
KR20200022727A (ko) 2018-08-23 2020-03-04 주식회사 엘지생활건강 부분정련으로 제조된 유색실크를 포함하는 마스크팩용 시트 및 이를 이용한 마스크팩
CN110857483B (zh) * 2018-08-23 2023-09-15 株式会社Lg生活健康 含以部分精炼制造的彩色丝绸的面膜用片材及用其的面膜
JPWO2022009835A1 (ja) * 2020-07-07 2022-01-13
WO2022009835A1 (ja) * 2020-07-07 2022-01-13 三井化学株式会社 複合不織布及びその製造方法
CN113100509A (zh) * 2021-04-09 2021-07-13 浙江东凝时装有限公司 一种填充有防静电蚕丝绒的服装的制备方法
CN115625940A (zh) * 2022-09-07 2023-01-20 浙江大学医学院附属第一医院 蚕丝复合无纺布敷料及其制备方法和用途

Also Published As

Publication number Publication date
JP2726819B2 (ja) 1998-03-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN100424237C (zh) 香蕉纤维及其制法、使用它的混纺纱以及纤维构造物
JPH06235154A (ja) 絹不織布
EP1688522B2 (en) Method for producing spunlace non-woven cloth, method for producing spunlace non-woven cloth with X-Ray detectable element, spunlace non-woven cloth with X-Ray detectable element
CN108360102B (zh) 胶原纤维复合纱、其制备方法和应用以及纺织制品
EP0070903B1 (en) Process for manufacturing fur-like pile cloth and device therefor
KR101298092B1 (ko) 닥나무실 제조용 인피섬유 제조장치 및 이를 이용한 닥나무실의 제조방법
CN214387312U (zh) 一种植物纤维可冲散材料及其生产装置
JPH09279463A (ja) 不織布およびその製造方法
JP2006152503A (ja) 竹材含有糸、および布帛
CN1008455B (zh) 无纺布制造方法
JP3159787B2 (ja) 再生木綿不織布の製造方法
CN116334801A (zh) 制造葛纤维的方法及由此制造的葛纤维
CN115874294A (zh) 制造葛纤维的方法、制造包含该葛纤维的葛纺纱的方法及由此制造的编织物
JPH0813304A (ja) キチン繊維と絹繊維との混合不織布
KR101342704B1 (ko) 뽕나무를 이용한 방적사 제조방법, 상기 방법으로 제조되는 뽕나무 방적사 및 이를 사용한 원단
JP2006207069A (ja) 絹不織布
US3225390A (en) Method of producing filter plugs
KR20190121272A (ko) 마스크용 부직포 및 그 제조방법
JPH1096153A (ja) 伸縮性不織布およびその製造方法
JP3837534B2 (ja) 釣り餌用昆虫由来の繭糸の分離方法、ならびにこの分離繭糸を用いた繊維製品およびその製造方法
JPH0143042B2 (ja)
JPH08199456A (ja) 絹不織布の製造方法
US1004974A (en) Method of producing a cotton substitute from ramie.
JPH11222755A (ja) 絹原料使用不織布
JPH03104969A (ja) 毛布等の経編立毛生地の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 19950307