JPH06234306A - タイヤ - Google Patents

タイヤ

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JPH06234306A
JPH06234306A JP6006778A JP677894A JPH06234306A JP H06234306 A JPH06234306 A JP H06234306A JP 6006778 A JP6006778 A JP 6006778A JP 677894 A JP677894 A JP 677894A JP H06234306 A JPH06234306 A JP H06234306A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特に冬期使用に適した、タイヤ回転中に発生
する騒音が低減されたかつ路面つかみ特性が改良された
車両用タイヤを提供する。 【構成】 本発明による車両用タイヤは、ジグザグ形状
または波形状に細い切り込みと該切り込みから通気する
ための通気溝とが配置された複数のブロックを含む踏面
を有していて、かつ該切り込みの進路が該通気溝の進路
と重なり合っている部分を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は車両用タイヤに関し、特に踏面ブ
ロックが平面図で見て少なくとも実質的に階段状、ジク
ザグ状または波状にのびる細い切り込みと、これらの切
り込みのための少なくとも1つの踏面溝につながってい
る少なくとも1つの通気溝とを有する踏面を備えた冬期
使用が意図された車両用タイヤに関する。
【0002】特に冬期の走行条件での使用に適している
車両用空気タイヤは一般にその踏面要素または踏面ブロ
ックに多数の細い切り込みが刻まれたタイヤ踏面(トレ
ッド)を有している。これらの細い切り込みは牽引力お
よび制動力の伝達を有効に支援する働きをする。横向き
の力が生じた場合でも、ある一定のブロック曲げ強さを
保証するため、かかる細い切り込みはジグザグ形状また
は波形状に形成される場合が多い。これらの細い切り込
みは、タイヤ回転中、接地面内に入る時に開きそして接
地面から出る時に閉じる。この際それら切り込み内に存
在する空気が圧縮されそして再び解放されることにな
る。この時に発生する高周波数騒音は一種のシュッシュ
という雑音として主観的に聞き得る。このため、かかる
細い切り込みに存在する空気を、該細い切り込みを本質
的に横切る方向に配置されかつ踏面溝につながる通気溝
によって通気することが行われた。このような通気溝は
一般に幅が約1mmでありそして約1乃至3mmの深さを有
する。このように通気溝の深さが比較的浅いのは、タイ
ヤが新しい状態において該切り込みの容積が最大であ
り、したがって上記した空気圧縮に伴う騒音も最大であ
るという理由によるものである。
【0003】本発明の目的は、上記した種類の車両用空
気タイヤにおいて細い切り込み内の空気圧縮圧力の解除
を一層向上させ、しかしてそれら切り込みから発生する
騒音量をさらに低減させることである。
【0004】この目的は、本発明によれば、該細い切り
込みが、その進路が通気溝の進路と重なり合う部分を有
することによって達成される。
【0005】したがって、本発明によれば、細い切り込
みは1つまたはそれ以上の通気溝によってある程度まで
覆われる部分を有する。この覆われた領域においては、
一方において、初めから高周波数騒音を発生する細い切
り込みの初期容積が小さくなるという利点が得られ、ま
た他方においては、実質的により有効な該切り込みの通
気がもたらされるという利点がある。したがって、タイ
ヤ回転中に発生される騒音は全体として低減される。
【0006】本発明の1つの特に好ましい実施態様にお
いては、細い切り込みは真っ直ぐにのびる少なくとも1
つの通気溝によって覆われた実質的に相互に一線にされ
た部分を有する。1つの実施例においては、それらの細
い切り込みの部分は通気溝の真ん中で覆われる。これら
の部分が少なくとも実質的に通気溝の壁の1つの延長上
にのびるようにすれば加硫成形型でタイヤ踏面を成形す
るために好都合である。
【0007】本発明のいま1つの好ましい実施態様にお
いては、細い切り込みが通気溝と共に一種の網目構造を
形成し、しかして踏面ブロックが多数の、少なくとも実
質的に平行四辺形または長方形の踏面要素から構成され
る。この構成においては通気溝も細い切り込みもグリッ
プエッジを形成するから、この構成は縦方向においても
横方向においてもタイヤ踏面の路面つかみ特性に対して
全体的に好ましく作用する。
【0008】この構成に関連して、通気溝がタイヤの赤
道線に対して最高45°の角度、好ましくは15乃至3
0°の角度をなしてのびるようにすれば有利である。
【0009】本発明のいま1つの好ましい実施態様によ
れば、タイヤが車両に装着された時に車縦軸により近く
位置する側のタイヤ領域内にはタイヤ外側領域の踏面ブ
ロックよりも網目密度の高い通気溝と細い切り込みとか
らなる網目構造を有する踏面ブロックが与えられる。
【0010】本発明のその他の特徴、利点ならびに詳細
は図面に示した2つの実施例を説明する以下の記載から
明らかになろう。図1に斜視図で示されているタイヤ
は、高速の出せる乗用車のための、冬期走行条件で使用
されることが意図されているタイヤである。このタイヤ
はラジアルカーカス付きベルトタイヤとして設計されて
おり、したがって従来の方法で製造することができる。
タイヤは踏面を有し、その接地領域はタイヤ幅Bによっ
て定まる。このタイヤ幅Bはタイヤを正規車輪外縁に到
達せしめる基準圧および基準荷重において路上立脚面内
にある踏面の幅に相当する。
【0011】図1と図2とを参照してこのタイヤの走行
用溝彫り踏面の構造を詳細に説明する。なお、該踏面の
中央は赤道線A′−A′で指示されている。該踏面は各
踏面半分内を横方向にのびる複数の溝1を有する。この
溝はタイヤ肩領域から出発して赤道線A′−A′までの
びそして後記のごとく赤道線A′−A′を超えてさらに
他方の踏面半分内にわずかの距離だけ入りこんでいる。
タイヤ円周方向において相互に離隔して設けられたこれ
らの横方向の溝1はいわゆる走行方向に束縛された走行
用溝パターンを形成するものであり、これら溝はつぎの
ように連続的に湾曲されている。すなわち、赤道線A′
−A′から踏面縁辺まで、それぞれの溝中心線について
の正接線と赤道線A′−A′とのなす角度が順次大きく
なるように溝は湾曲されている。図示の本実施例の場合
ではこの角度は赤道線A′−A′の領域では約40°で
あり、そして踏面縁辺では約80°まで大きくなってい
る。また、溝1は踏面縁辺まで徐々に幅が大きくなって
いる。その幅は赤道線A′−A′の領域では約4乃至6
mmそして踏面縁辺領域では約7乃至9mmである。一方の
踏面半分に延在している溝1は、他方の踏面半分に延在
している溝1に関して、円周方向から見て、互いに位置
がずらされている。そして、一方の踏面半分に延在して
いる溝1は他方の踏面半分に延在している溝1と連結部
分2を介して相互に連結されている。タイヤの車両への
取り付けは、タイヤ回転時に、横方向の溝1の軸方向内
側端部がまず最初に接地面内に入るように行われる。幅
の狭い連結部分2は溝の1つの壁の延長上に位置してお
り、その幅は約2mmそして深さは4乃至6mmである。
【0012】タイヤの各半分内において、円周方向に互
いに隣接する溝1は3本の溝3によって相互に連結され
ている。これらの溝3は少なくとも実質的に互いに平行
にのびており、タイヤを複数のブロック4に区画してい
る。直線状溝として形成されているこの溝3は円周方向
(赤道線A′−A′)に対して15乃至40°の角度、
本実施例の場合では約25°の角度をなして傾斜してい
る。なお、横方向の溝1は全体的に見てV字形配置とな
っているので、赤道線A′−A′に関する溝3の傾斜は
タイヤの一方の半分と他方の半分とでは互いに方向が逆
になっている。溝3は幅の広い溝部分3aと幅の狭い溝
部分3bとを有する。タイヤ回転時に溝3は最初にまず
狭い溝部分3bから接地面内に入る。広い溝部分3aは
溝3の長さの50乃至90パーセントの範囲を占めてい
る。図示した本実施例の場合では広い溝部分3aは溝3
の長さの約80パーセントにわたってのびている。広い
溝部分3aは4乃至7mmの一定幅を有しそして狭い溝部
分3bは1.3乃至3mm、特に2mmの一定幅を有してい
る。狭い溝部分3bの有する1つの壁は溝3の広い溝部
分3aの軸方向内側の壁の延長上にのびている。図2a
に見られるように、幅の広い溝部分3aの領域内の溝底
面は漸進的に上昇傾斜しておりそして幅の狭い溝部分3
bの領域内で再び漸進的に下降傾斜して元の溝の深さに
戻っている。その最も浅い場所での溝深さは3乃至6mm
であり、本実施例の場合ではその深さは4mmである。図
2bは底面が勾配を有する溝3の変形例を示す。この場
合では、広い溝部分3aの底は最初の間は深さ一定であ
り、そのあと傾斜により底が漸進的に浅くなり狭い溝部
分3bに移行している。狭い溝部分の領域では溝の底は
浅いまま一定に保持される。タイヤが使用されている間
に踏面は摩耗し、そしてタイヤが狭い溝部分3bの設計
深さまですり減ると、踏面の特性は変わる。すなわち、
この時には溝3は袋小路の溝となりそして隣接する横方
向の溝1の間の当初のブロック構造は一種の帯状構造に
移行してしまう。
【0013】タイヤが新しい状態においては、各ブロッ
ク4は通気溝5と細い切り込み6との網目構造によって
組織されている。すなわち、各ブロック4は、平面図で
見て、少なくとも1つの段をもつ階段状にのびる細い切
り込み6を少なくとも2本含む。タイヤの2つの半部分
面域の各ブロック内で、このように形成された切り込み
6の長い部分同志および短い部分同志は互いに少なくと
も実質的に平行にのびている。なお、それらの長い部分
は赤道線A′−A′に対して約75°の角度をなしてお
りそしてこの傾きの方向は一方のタイヤ半分域と他方の
タイヤ半分域とでは互いに逆になっている。溝3と実質
的に平行に、1つのブロック4につき少なくとも2本の
通気溝5が設けられている。この通気溝5は隣接する横
方向の溝1の間を直線状にのびておりそして細い切り込
み6の短い部分の上に重なってその部分を覆っている。
この通気溝5の幅はおよそ0.8乃至1mmでありそして
溝の深さも同じく1mm程度である。ただし、この溝の深
さは3mm程度まで可能である。これらの溝とは別に、ブ
ロック4内にはさらに通気溝5と溝3の間を単に直線状
にのびているだけの細い切り込み7が存在する。この切
り込み7も切り込み6の長い部分と平行にのびている。
図2cの断面図には細い切り込み6の短い部分の1つと
通気溝5との位置関係が示されている。この実施例の場
合では、通気溝5は中央で該切り込みの短い部分を覆っ
ている。図2dは図2c図示実施例の変形例を示すもの
であり、この変形例の場合には該切り込みの短い部分
は、少なくとも実質的に通気溝の1つの壁の延長上に延
在している。
【0014】上記した細い切り込み6および7の幅は≦
0.8mm、特に約0.5mmでありそして少なくとも6mm
の設計深さを有する。好ましくは、他の踏面の要素の深
さに相応する深さを有する。車両の走行につれてタイヤ
は摩耗して通気溝は消失されてしまう。その結果、各ブ
ロック内には路面つかみ特性に好ましい作用を及ぼす多
数のラメラ様の細い切り込み6と7が残ることになる。
【0015】図3に示したタイヤ踏面は赤道線A′−
A′に関して非対称的に形成されており、前記図2に示
した踏面とはいくつかの細かい点において相違してい
る。この第2実施例の踏面を有するタイヤの車両への装
着は、符号Iで指示されているタイヤ領域が車両内側
(車縦軸に面する側)にくるように行われる。第2の外
側にくるタイヤ領域は符号A″で指示されている。タイ
ヤ幅Bの全体について見ると、このタイヤ踏面も前記実
施例と同様に、公知通常のタイヤパターンを与える溝
1′を有しており、これらの溝は連続的に湾曲しながら
横方向にのびている。走行面の第1半分域内に横方向に
のびている溝1′は、連結部分2′を介して第2半分域
内の溝1′とそれぞれ結合されている。この連結部分
2′は回転方向を向いた溝の壁の延長上に存在する。タ
イヤ外側領域A″内では、タイヤ円周方向において互い
に隣接している溝1′同志は溝3′によって相互に連結
されている。この溝3′は円周方向に関して約25°の
角度だけ傾斜している。溝3′の形状および配置は前記
図2実施例で記載した溝3と同様である。すなわち、こ
の溝3′は幅の広い部分3′aと幅の狭い部分3′bと
を有する。他方、タイヤ内側領域I内では、円周方向に
おいて互いに隣接している溝1′同志は溝33によって
相互に連結されている。この溝33は赤道線A′−A′
に関して前記溝3′とは逆方向にのびておりそしてタイ
ヤの回転する方向(図3の矢印参照)に向かって連続的
に幅が広くなっている。本実施例の場合、その幅の変化
の大きさは2乃至3mm程度である。すなわち、溝33は
最初3乃至6mmであり、終わりにはそれが5乃至9mmま
で増加しているような溝幅を有することができる。この
溝33の中心線が赤道線A′−A′となす角度は、溝
3′が赤道線A′−A′となす角度よりも約10乃至2
5°大きい。なお、溝3′が赤道線A′−A′となす角
は15乃至40°であり、本実施例の場合、溝3′が赤
道線A′−A′となす角度はおよそ25°である。
【0016】溝1′と溝3または33とによって形成さ
れるブロック4′は前記実施例と同様に通気溝5′と細
い切り込み6′との網目構造によって組織されている。
この網目構造はタイヤ内側領域I内の方がタイヤ外側領
域A″内よりも緻密である。図示実施例の場合では、実
質的にタイヤ内側領域に属するブロック4′において
は、1ブロックあたり3つの通気溝5′が配置されてお
り、タイヤ外側領域A″では1つのブロック4′につき
2つの通気溝5′が配置されている。また、細い切り込
み6′の数もタイヤ内側領域I内の方がタイヤ外側領域
A″内よりも多い。細い切り込み6′の形状ならびにそ
の通気溝5′との配置関係は前記図2実施例で記載した
ものと同様である。
【0017】本発明は上記した実施例のみに限定される
ものではない。本発明による細い切り込みと通気溝とが
配置された踏面要素はもちろん他の種類のタイヤ踏面に
も適用することができるものである。たとえば、走行方
向に束縛されていない踏面パターンおよび/または走行
用溝帯と踏面ブロックを有する踏面パターンの中にも配
置することができる。さらに、細い切り込みは図示した
形状のみならずたとえば波形にのびることもできる。さ
らにまた、通気溝は必ずしも真っ直ぐにのびている必要
はない。また、溝3の幅の広い部分も狭い部分もその部
分の長さ全体にわたって特に連続的に変化している幅を
有することもできる。さらにまた、溝3は図示例では真
っ直ぐにのびているが、これはたとえば湾曲していても
よい。その他、本発明の範囲の中で各種の変形が可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による踏面を有するタイヤの斜視図であ
る。
【図2】図1に示したタイヤ踏面の部分展開平面図であ
る。
【図2a】図2の線A−Aに沿って取った断面図であ
る。
【図2b】図2aの変形例を示す。
【図2c】図2の線C−Cに沿って取った断面図であ
る。
【図2d】図2cの変形例を示す。
【図3】本発明の第2の実施例による踏面をもつタイヤ
の部分展開平面図である。
【符号の説明】
1,1′ タイヤ踏面の横方向にのびる溝 2,2′ タイヤ踏面の横方向にのびる溝の連結部
分 3,3′ 溝 3a,3′a 溝の幅の広い部分 3b,3′b 溝の幅の狭い部分 4,4′ ブロック 5,5′ 通気溝 6,6′,7 細い切り込み 33 溝

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 踏面ブロックが、平面図で見て、少なく
    とも実質的に階段状、ジグザグ状または波状にのびる細
    い切り込みと、該細い切り込みのための、少なくとも1
    つの踏面溝につながっている少なくとも1つの通気溝と
    を有する走行用溝彫り踏面を備えた、特に冬期使用のた
    めの車両用タイヤにおいて、該細い切り込み(6,
    6′)の進路が該通気溝(5,5′)の進路と重なり合
    う部分を有していることを特徴とする車両用タイヤ。
  2. 【請求項2】 該細い切り込み(6,6′)が、真っ直
    ぐにのびる通気溝(5,5′)によって覆われている、
    少なくとも実質的に相互に一線にされた部分を有してい
    ることを特徴とする請求項1記載の車両用タイヤ。
  3. 【請求項3】 該細い切り込みの部分が通気溝(5,
    5′)によって中央で覆われていることを特徴とする請
    求項1または2記載の車両用タイヤ。
  4. 【請求項4】 該細い切り込みの部分が少なくとも実質
    的に通気溝の壁の延長上にのびていることを特徴とする
    請求項1または2記載の車両用タイヤ。
  5. 【請求項5】 該細い切り込み(6,6′)が通気溝
    (5,5′)と共に一種の網目構造を形成しており、し
    かして各踏面ブロック(4,4′)が多数の少なくとも
    実質的に平行四辺形または長方形の踏面要素から構成さ
    れていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに
    記載の車両用タイヤ。
  6. 【請求項6】 通気溝(5,5′)がタイヤの赤道線に
    対して最高45°の角度、好ましくは15乃至30°の
    角度をなしてのびていることを特徴とする請求項1乃至
    5のいずれかに記載の車両用タイヤ。
  7. 【請求項7】 タイヤが車両に装着された時に車両縦軸
    により近く位置するタイヤ領域内にはタイヤ外側領域の
    踏面ブロックよりも網目密度の高い通気溝(5′)と細
    い切り込み(6′)とからなる網目構造を有する踏面ブ
    ロック(4′)が設けられていることを特徴とする請求
    項1乃至6のいずれかに記載の車両用タイヤ。
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