JPH0621732Y2 - スクリ−ン印刷原版 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は感熱性孔版印刷に用いられるスクリーン印刷原
版に関する。

［従来の技術］ 従来、熱可塑性合成樹脂フィルム１と多孔性のスクリー
ン２とを貼合せて成るスクリーンマスター３を使用して
製版・印刷を行なう場合には、第５図に示す如き枠体４
に、第６図に示すように上記スクリーンマスター３のス
クリーン２側を接着し、枠内のスクリーンマスター３に
適度なテンションが生ずるように枠体４とスクリーンマ
スター３を貼合せてスクリーン印刷原版５を形成し、こ
れを使用していた。製版に際しては第７図に示す如く、
スクリーン印刷原版５の熱可塑性合成樹脂フィルム１と
原稿６の画像側とを重ね、スクリーンマスター３が接着
された面とは反対側の枠体４の面が、製版機７の透明板
８と接するように、スクリーン印刷原版５を製版機７に
セットする。その後スクリーンマスター３と原稿６との
密着を得るために製版パット９を透明板８に向けて押圧
し、そしてスクリーンマスター３に向けて光源１０から
光線を照射することによって、スクリーン印刷原版５の
熱可塑性合成樹脂フィルム１に原稿６の画像に合った穿
孔を形成していた。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら上述した工程を行なう場合、スクリーン印
刷に必要な適度な緊張を得られるように枠体４にスクリ
ーンマスター３を接着することは作業上困難であり、又
かなり熟練を必要とする。更にある程度の緊張が得られ
たスクリーン印刷原版５にて第７図に示す如き製版機７
を使用して製版する場合に、枠体４の厚み分上方位置に
スクリーンマスター３が存在する状態で圧力が作用する
ので、この時スクリーンマスター３には緊張の緩みを生
じる。スクリーンマスター３に緊張の緩みを生じたスク
リーン印刷原版５を使用して第８図に示す如きスキージ
１１を使用して印刷を行なうと、スキージ１１の移動に
ともなって印刷画像がずれ、得られる画像自体は伸びた
画像になってしまうという問題点があった。

［考案の目的］ 本願は上記の点に鑑みて成されたもので、製版時にはス
クリーン印刷原版のスクリーンマスターに緊張の緩みを
生じさせることがなく、印刷時には専用のスクリーン印
刷刷台を用いて上記スクリーンマスターに所望の緊張を
与えることができるスクリーン印刷原版を提供すること
を目的としている。

［問題点を解決するための手段］ 次に、上記の目的を達成するための手段を、実施例に対
応する第１図乃至第４図を参照して説明する。

本考案にかかるスクリーン印刷原版（２４）は、スクリ
ーンマスター（２０）の片面に該スクリーンマスター
（２０）の外周縁に沿った矩形枠形の枠体（２３）を貼
合わせてなるスクリーン印刷原版（２４）の枠体（２
３）を下方から支持する下枠（４２）と、前記枠体（２
３）を上方から押圧して前記下枠（４２）との間に挟持
するとともに枠体（２３）の内方で枠体（２３）側に突
設された内周縁部（４６）によって前記スクリーンマス
ター（２０）の面を押圧する上枠（４６）と、からなる
スクリーン印刷刷台（３０）におけるスクリーン印刷原
版（２４）固定用版枠に固定して用いられる。

しかして、このスクリーン印刷原版（２４）は、穿孔画
像が形成される熱可塑性合成樹脂フィルム（２２）とス
クリーン（２１）とを貼合わせてなるスクリーンマスタ
ー（２０）の熱可塑性合成樹脂フィルム（２２）外面の
みに該スクリーンマスター（２０）の外周縁に沿った矩
形枠形の枠体（２３）を貼合わせた構造になることを特
徴としている。

［作用］ 第２図に示すように、例えば、製版時にスクリーン印刷
原版（２４）を製版機に設定する場合には、枠体（２
３）を上にし、スクリーンマスター（２０）のスクリー
ン（２１）が製版機に密着するように載置する。そして
スクリーンマスター（２０）の熱可塑性合成樹脂フィル
ム（２２）面に原稿の画像側を重ね、両者を圧着させれ
ば、スクリーン（２１）に緊張の緩みが生じることはな
く、この状態で光線を照射して感熱穿孔を行なえば、原
稿に合致したゆがみのない画像部をスクリーン印刷原版
（２４）に形成することができる。

このようにして製版したスクリーン印刷原版（２４）を
用いて印刷を行なう場合には、第４図に示すように、ス
クリーン印刷原版（２４）の枠体（２３）をスクリーン
印刷刷台（３０）における固定用版枠の下枠（４２）上
に載置させた状態で同上枠（４６）との間に挟持させて
固定させる。すると上枠（４６）の内周縁部（４６ａ）
がスクリーンマスター（２０）の内周縁をスクリーン
（２１）側から印刷面側に押し込むことになり、スクリ
ーンマスター（２０）は適度な緊張を得ることができ、
しかも、スクリーンマスター（２０）の枠体（２３）と
の貼合わせ面は、上枠（４６）と下枠（４２）との間に
挟持されるとともに、スクリーンマスター（２０）と枠
体（２３）の貼合わせ面には、それらが閉じる方向に力
が作用するから、該貼合わせ面が剥がれることはない。

［実施例］ 本考案の一実施例を第１図〜第４図によって説明する。

２０は、多孔性支持体であるナイロン，テトロン等のス
クリーン２１とポリエステル，ポリプロピレン，塩化ビ
ニリデン−塩化ビニル共重合体等の熱可塑性合成樹脂フ
ィルム２２との接着積層体から成るスクリーンマスター
である。スクリーンマスター２０の熱可塑性合成樹脂フ
ィルム２２側には、比較的厚い紙又は合成紙，プラスチ
ック，薄手の金属板等より成る枠体２３が貼着されてお
り、スクリーン印刷原版２４が構成されている。

次に前記スクリーン印刷原版２４を使用して製版を行な
う場合について説明する。第２図に示すように、製版機
２５上面の透明板２６にスクリーンマスター２０のスク
リーン２１が全面で密着するようにスクリーン印刷原版
２４をセットする。即ち、この状態では枠部２３が上に
あり、熱可塑性合成樹脂フィルム２２は表にあらわれて
いる。そして、この熱可塑性合成樹脂フィルム２２の上
にカーボンを含む原稿の画像側を下にした原稿２７を重
ね、さらに製版パット２８にてスクリーン印刷原版２４
全体を透明板２６側に向けて押圧し、スクリーンマスタ
ー２０と原稿２７とを密着させる。そしてスクリーンマ
スター２０に向けて光源２９から光線を照射すれば、ス
クリーンマスター２０を透過して原稿２７に到達した光
は原稿２７の画像部に熱を発生させ、この熱によって熱
可塑性合成樹脂フィルム２２には穿孔画像が形成され、
原版の作成が完了する。このように本実施例のスクリー
ン印刷原版２４によれば、画像形成面側である熱可塑性
合成樹脂フィルム２２を枠部２３に接着しているので、
製版によるスクリーンマスター２０の緊張の緩みが起こ
り難く、原稿２７の画像を正確にスクリーン印刷原版２
４に感熱穿孔複写することができる。

次に製版されたスクリーン印刷原版２４を使用して印刷
を行なう場合について説明する。まず前記スクリーン印
刷原版２４が取付けられるスクリーン印刷刷台３０（以
下、刷台３０と略称する。）について説明する。第３図
に示すように、ベース板３１の略中央部には被印刷体が
載置される印刷台３２が設けられている。前記ベース板
３１の後方には、一対のスライド軸３３，３３が互いに
平行に垂設されており、このスライド軸３３は昇降板３
４の案内孔３４ａに挿通されて、該昇降板３４を上下動
自在に案内保持している。またスライド軸３３，３３の
上端間には渡し板３５が取付けてある。該渡し板３５の
中央部とベース板３１との間には回動自在に高さ調整ね
じ３６が設けられており、高さ調整ねじ３６は昇降板３
４に固設された図示しないナットにかみ合っているの
で、調整つまみ３７を回して高さ調整ねじ３６を回動さ
せれば、昇降板３４はスライド軸３３，３３に沿って昇
降動することができる。また図中３８は、任意の高さに
調整した昇降板３４の位置を固定するためのナットであ
る。

前記昇降板３４にはスライド板３９が取付けられてい
る。即ち前記昇降板３４には同形状の２つの切欠溝が形
成されており、スライド板３９にはこの切欠溝と交叉す
る２つの切欠溝が形成されていて、両切欠溝の一致した
所に止めねじ４０，４０がねじ込まれて両板３４，３９
を固定している。止めねじ４０をゆるめれば、昇降板３
４に対してスライド板３９を前後左右に動かして位置調
整が行なえるように構成されている。

前記スライド板３９の両側部には、軸４１をもって下枠
４２が揺動自在に取付けられている。下枠４２は、前記
スクリーン印刷原版２４の枠体２３を下から支える部分
であり、下枠４２の開口部の大きさは枠体２３の開口よ
りも若干大きめに設定してある。従ってスクリーン印刷
原版２４を下枠４２の上に載置すると、第４図に示すよ
うに、下枠４２の内周縁部４２ａよりも枠体２３の内周
縁部２３ａの方が内方に若干突出する状態となる。また
軸４１に近い下枠４２の前端部と前記スライド版３９と
の間には引張コイルばね４３が取付けてあり、上方に引
上げた下枠４２が容易に倒れることがないように構成さ
れている。また下枠４２の後方部には一対の高さ調整ね
じ４４，４４が設けられており、下枠４２の後方部のベ
ース板３１に対する高さを自在に設定できるようになっ
ている。そして両高さ調整ねじ４４，４４の間には固定
つまみ４５が設けられており、この固定つまみ４５に後
述する上枠４６を係合させることにより、上枠４６を下
枠４２に対して固定できるように構成されている。

前記軸４１には上枠４６が揺動自在かつ取外し自在に取
付けられている。上枠４６はスクリーン印刷原版２４の
枠体２３を前記下枠４２との間に挟持固定すると共に、
スクリーンマスター２０に適度の緊張を与える部材であ
る。第４図に示すように、上枠４６は、左右両側の外周
縁部４６ｂが下方に曲折されており、また内周縁部４６
ａは枠の全周にわたって下方に絞り込まれてスクリーン
印刷原版２４のスクリーンマスター２０を下方に押込ん
で張力を与えることができるようになっている。即ち上
枠４６の外周縁部４６ｂの内法は、下枠４２の左右方向
の外幅と同じに設定してあり、また上枠４６の内周縁部
４６ａは、少くとも枠体２３の内周縁部２３ａよりも内
方に位置するように構成されている。また下方へ曲折さ
れている上枠４６の内周縁部４６ａの寸法（高さ）は、
スクリーンマスター２０に与えるべき張力を考慮して適
宜に定めればよいが、本実施例ではその高さを枠体２３
の厚みとほぼ同じに設定している。

次に前記刷台３０と前記スクリーン印刷原版２４を用い
て行なう印刷工程について説明する。まず上枠４６を持
ち上げ、下枠４２の上に、枠体２３を下にした状態でス
クリーン印刷原版２４を載置する。次に上枠４６をスク
リーン印刷原版２４の上に降ろし、上枠４６と下枠４２
で枠体２３を挟持・固定するとともに、上枠４６の内周
縁部４６ａを枠体２３の内側に押込み、この状態で固定
つまみ４５によって上枠４６と下枠４２を固定する。第
４図に示すように、上枠４６の内周縁部４６ａは枠体２
３近傍のスクリーンマスター２０を下方に押下げ、該ス
クリーンマスター２０に適度な緊張を与えている。ここ
で、ベース板３１の印刷台３２に被印刷物を載置し、被
印刷物の印刷面の高さにあわせてスクリーン印刷原版２
４の位置を調整する。即ち高さ調整ねじ４４，３６を操
作して上下枠４２，４６及びスクリーン印刷原版２４の
高さを調整し、スライド板３９を前後左右させてスクリ
ーン印刷原版２４の画像の位置を印刷面にあわせる。次
に、上枠４６の内側にあるスクリーン２１の上にインキ
をのせ、スキージで引いて印刷を行なう。スクリーンマ
スター２０には適度な緊張が与えられているから、正確
に製版された画像をそのまま忠実に印刷面にプリントす
ることができる。

なお、本実施例で用いている刷台３０は高さ調整が自由
に行なえるので、紙だけでなく高さのある立体物の表面
にも印刷することができる。

［考案の効果］ 本考案にかかるスクリーン印刷原版（２４）は、穿孔画
像が形成される熱可塑性合成樹脂フィルム（２２）とス
クリーン（２１）とを貼合わせてなるスクリーンマスタ
ー（２０）の熱可塑性合成樹脂フィルム（２２）外面の
みに該スクリーンマスター（２０）の外周縁に沿った矩
形枠形の枠体（２３）を貼合わせた構造になることを特
徴としている。

従って、例えば、製版時にこのスクリーン印刷原版（２
４）を製版機に設定する場合には、第２図に示すよう
に、枠体（２３）を上にし、スクリーンマスター（２
０）のスクリーン（２１）が製版機に密着するように載
置する。そしてスクリーンマスター（２０）の熱可塑性
合成樹脂フィルム（２２）面に原稿の画像側を重ね、両
者を圧着させることにより、スクリーン（２１）に緊張
の緩みが生じることはなく、この状態で光線を照射して
感熱穿孔を行なえば、原稿に合致したゆがみのない画像
部をスクリーン印刷原版（２４）に形成することができ
るという効果がある。

このようにして製版したこのスクリーン印刷原版（２
４）を用いて印刷を行なう場合には、第４図に示すよう
に、スクリーン印刷原版（２４）の枠体（２３）をスク
リーン印刷刷台（３０）における固定用版枠の下枠（４
２）上に載置させた状態で同上枠（４６）との間に挟持
させて固定させる。すると上枠（４６）の内周縁部（４
６ａ）がスクリーンマスター（２０）の内周縁をスクリ
ーン（２１）側から印刷面側に押し込むことになり、ス
クリーンマスター（２０）は適度な緊張を得ることがで
き、しかも、スクリーンマスター（２０）の枠体（２
３）との貼合わせ面は、上枠（４６）と下枠（４２）と
の間に挟持され、又、スクリーンマスター（２０）と枠
体（２３）の貼合わせ面には、それらが閉じる方向に力
が作用するから、繰り返しこのスクリーン印刷原版（２
４）を使用した場合でも該貼合わせ面が剥がれることは
なく、安全で綺麗な印刷を能率良く行うことが出来ると
いう効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例であるスクリーン印刷原版の
断面図、第２図は同スクリーン印刷原版を使用する製版
工程の説明図、第３図は同スクリーン印刷原版を用いた
印刷工程に使用する刷台の斜視図、第４図は同スクリー
ン印刷原版を取付けた刷台の上下枠における横断面図、
第５図は従来のスクリーン印刷原版の枠体を示す斜視
図、第６図は従来のスクリーン印刷原版の断面図、第７
図は従来のスクリーン印刷原版を用いた製版工程の説明
図、第８図はスクリーン印刷原版による印刷工程を説明
するための断面図である。 ２０…スクリーンマスター、２１…スクリーン、２２…
熱可塑性合成樹脂フィルム、２３…枠体、２４…スクリ
ーン印刷原版。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】スクリーンマスター（２０）の片面に該ス
   クリーンマスター（２０）の外周縁に沿った矩形枠形の
   枠体（２３）を貼合わせてなるスクリーン印刷原版（２
   ４）の枠体（２３）を下方から支持する下枠（４２）
   と、前記枠体（２３）を上方から押圧して前記下枠（４
   ２）との間に挟持するとともに枠体（２３）の内方で枠
   体（２３）側に突設された内周縁部（４６ａ）によって
   前記スクリーンマスター（２０）の面を押圧する上枠
   （４６）と、からなるスクリーン印刷刷台（３０）にお
   けるスクリーン印刷原版（２４）固定用版枠に固定して
   用いられるスクリーン印刷原版（２４）であって、 前記スクリーン印刷原版（２４）は、穿孔画像が形成さ
   れる熱可塑性合成樹脂フィルム（２２）とスクリーン
   （２１）とを貼合わせてなるスクリーンマスター（２
   ０）の熱可塑性合成樹脂フィルム（２２）外面のみに該
   スクリーンマスター（２０）の外周縁に沿った矩形枠形
   の枠体（２３）を貼合わせた構造になることを特徴とす
   るスクリーン印刷原版。