JPH06211969A - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物

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JPH06211969A
JPH06211969A JP22785193A JP22785193A JPH06211969A JP H06211969 A JPH06211969 A JP H06211969A JP 22785193 A JP22785193 A JP 22785193A JP 22785193 A JP22785193 A JP 22785193A JP H06211969 A JPH06211969 A JP H06211969A
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忠彦 横田
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健一 森
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清幹 平井
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (1)分子内にエポキシ基を2個以上有する
エポキシ樹脂、(2)分子内にチオール基を2個以上有
するポリチオール化合物、及び(3)固体分散型アミン
アダクト系潜在性硬化促進剤を含有するエポキシ樹脂組
成物。 【効果】 可使時間が長く、かつ硬化性に優れたポリチ
オール系エポキシ樹脂組成物の提供が可能となる。接着
剤、シーリング剤、注型等の用途に適している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、比較的低い加熱温度で
速やかに硬化し、強い接着強度が得られ、かつ可使時間
が長いため、作業性が良好であるポリチオール系エポキ
シ樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】硬化剤としてポリチオール、硬化促進剤
として液状の3級アミン類を用いたエポキシ樹脂組成物
は、−20℃〜0℃でも硬化可能な低温速硬化型のエポ
キシ樹脂組成物として知られ、接着剤、シーリング剤、
注型等幅広く用いられている。
【0003】しかしながら、このようなエポキシ樹脂組
成物は、そのポットライフが通常混合後数秒から数分と
非常に短く、混合、脱泡、塗布作業に十分な時間がとれ
ないという欠点があった。また、作業者はその都度組成
物を調製しなければならないため作業性が悪く、余った
組成物を保存しておくことができないため廃棄しなけれ
ばならず、資源の節約、環境問題の点からも好ましくな
かった。
【0004】そこで、十分な可使時間を有し、作業性の
改善されたポリチオール系エポキシ樹脂組成物の開発が
切望されていた。しかしながら、一般にエポキシ樹脂に
市販のチオール化合物を混合したものは、保存安定性が
悪く、チオール硬化剤を用いたエポキシ樹脂組成物の可
使時間を延ばすことは困難であった。
【0005】このような問題点を解決する方法として、
酸無水物やメルカプト有機酸を硬化遅延剤として添加
し、可使時間を延長する方法が検討されている(特開昭
61−159417号公報)が、まだ十分に満足できる
ものとはいえなかった。
【0006】一方、ポリオールとメルカプト有機酸のエ
ステル化反応によって得られるチオール化合物をエポキ
シ樹脂の硬化剤として用いた例が、特公昭41−723
6号、特公昭42−26535号、特公昭47−323
19号、特開昭46−732号、特公昭60−2164
8号の各公報に記載されているが、これらのエポキシ樹
脂組成物において用いられている硬化促進剤は、液状の
アミン類等である。そして、これらの液状のアミン類等
を用いた組成物は可使時間が数分から数十分と非常に短
く、作業上大きな欠点を有するものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、十分
な可使時間を有し、かつ比較的低い加熱温度で速やかに
硬化し、強い接着強度を有するポリチオール系エポキシ
樹脂組成物を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、硬化剤として分子内
にチオール基を2個以上有するポリチオール化合物を用
い、硬化促進剤として固体分散型アミンアダクト系潜在
性硬化促進剤を用いることにより、十分な可使時間を有
し、かつ比較的低温で速やかに硬化し、更に強い接着強
度を有するポリチオール系エポキシ樹脂組成物が得られ
ることを見いだし、本発明を完成した。
【0009】即ち、本発明は、(1)分子内にエポキシ
基を2個以上有するエポキシ樹脂、(2)分子内にチオ
ール基を2個以上有するポリチオール化合物、及び
(3)固体分散型アミンアダクト系潜在性硬化促進剤を
含有するエポキシ樹脂組成物に関するものである。
【0010】本発明に用いられるエポキシ樹脂は、平均
して1分子当り2個以上のエポキシ基を有するものであ
ればよい。例えばビスフェノールA、ビスフェノール
F、ビスフェノールAD、カテコール、レゾルシノール
等の多価フェノール、グリセリンやポリエチレングリコ
ール等の多価アルコールとエピクロルヒドリンを反応さ
せて得られるポリグリシジルエーテル:p−ヒドロキシ
安息香酸、β−ヒドロキシナフトエ酸のようなヒドロキ
シカルボン酸とエピクロルヒドリンを反応させて得られ
るグリシジルエーテルエステル;フタル酸、テレフタル
酸のようなポリカルボン酸とエピクロルヒドリンを反応
させて得られるポリグリシジルエステル;さらにはエポ
キシ化フェノールノボラック樹脂、エポキシ化クレゾー
ルノボラック樹脂、エポキシ化ポリオレフィン、環式脂
肪族エポキシ樹脂、その他ウレタン変性エポキシ樹脂等
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0011】本発明に用いられるポリチオール化合物と
しては、例えばトリメチロールプロパン トリス(チオ
グリコレート)、ペンタエリスリトール テトラキス
(チオグリコレート)、エチレングリコール ジチオグ
リコレート、トリメチロールプロパン トリス(β−チ
オプロピオネート)、ペンタエリスリトール テトラキ
ス(β−チオプロピオネート)、ジペンタエリスリトー
ル ポリ(β−チオプロピオネート)等のポリオールと
メルカプト有機酸のエステル化反応によって得られるチ
オール化合物のように、製造上塩基性物質の使用を必要
としない、分子内にチオール基を2個以上有するチオー
ル化合物がある。
【0012】同様に、1,4−ブタンジチオール、1,
6−ヘキサンジチオール、1,10−デカンジチオール
等のアルキルポリチオール化合物;末端チオール基含有
ポリエーテル;末端チオール基含有ポリチオエーテル;
エポキシ化合物と硫化水素との反応によって得られるチ
オール化合物;ポリチオール化合物とエポキシ化合物と
の反応によって得られる末端チオール基を有するチオー
ル化合物等のようにその製造工程上反応触媒として、塩
基性物質を使用するものにあっては、脱アルカリ処理を
行い、アルカリ金属イオン濃度を50ppm以下とした
分子内にチオール基を2個以上有するチオール化合物が
使用できる。
【0013】反応触媒として塩基性物質を使用して製造
されたポリチオール化合物の脱アルカリ処理方法として
は、例えば処理を行うポリチオール化合物をアセトン、
メタノールなどの有機溶媒に溶解し、希塩酸、希硫酸等
の酸を加えることにより中和した後、抽出・洗浄後によ
り脱塩する方法やイオン交換樹脂を用いて吸着する方
法、蒸留により精製する方法等が挙げられるが、これら
に限定されるものではない。
【0014】本発明に用いられる固体分散型アミンアダ
クト系潜在性硬化促進剤とは、室温ではエポキシ樹脂に
不溶性の固体で、加熱することにより可溶化し促進剤と
して機能する、アミン化合物とエポキシ化合物の反応生
成物であり、これらの反応生成物の表面をイソシアネー
ト化合物や酸性化合物で処理したもの等も含まれる。
【0015】本発明に用いられる潜在性硬化促進剤の製
造原料として用いられるエポキシ化合物としては、例え
ば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、カテコー
ル、レゾルシノール等の多価フェノール又はグリセリン
やポリエチレングリコールのような多価アルコールとエ
ピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジル
エーテル、pーヒドロキシ安息香酸、βーヒドロキシナ
フトエ酸のようなヒドロキシカルボン酸とエピクロルヒ
ドリンを反応させて得られるグリシジルエーテルエステ
ル、フタル酸、テレフタル酸のようなポリカルボン酸と
エピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジ
ルエステル、4,4′−ジアミノジフェニルメタンやm
−アミノフェノールなどとエピクロルヒドリンを反応さ
せて得られるグリシジルアミン化合物、さらには、エポ
キシ化フェノールノボラック樹脂、エポキシ化クレゾー
ルノボラック樹脂、エポキシ化ポリオレフィン等の多官
能性エポキシ化合物や、ブチルグリシジルエーテル、フ
ェニルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート
等の単官能性エポキシ化合物等が挙げられるが、これら
に限定されるものではない。
【0016】本発明に用いられる潜在性硬化促進剤の製
造原料として用いられるアミン化合物は、エポキシ基と
付加反応しうる活性水素を分子内に1個以上有し、かつ
1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基のなかから
選ばれた置換基を少なくとも分子内に1個以上有するも
のであれば良い。このような、アミン化合物の例を以下
に示すが、これらに限定されるものではない。例えば、
ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、n−
プロピルアミン、2−ヒドロキシエチルアミノプロピル
アミン、シクロヘキシルアミン、4,4′−ジアミノ−
ジシクロヘキシルメタンのような脂肪族アミン類、4,
4′−ジアミノジフェニルメタン、2−メチルアニリン
等の芳香族アミン化合物、2−エチル−4−メチルイミ
ダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−
メチルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリン、
ピペリジン、ピペラジンのような窒素含有複素環化合物
等が挙げられる。
【0017】また、これらの化合物のなかで特に分子内
に3級アミノ基を有する化合物は、優れた硬化促進剤を
有する潜在性硬化促進剤を与える原料であり、そのよう
な化合物の例としては、例えば、ジメチルアミノプロピ
ルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジ−n−プ
ロピルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピル
アミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジエチルアミノ
エチルアミン、N−メチルピペラジン等のようなアミン
化合物や、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダ
ゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フ
ェニルイミダゾール等のイミダゾール化合物等のよう
な、分子内に3級アミノ基を有する1級もしくは2級ア
ミン類や、2−ジメチルアミノエタノール、1−メチル
−2−ジメチルアミノエタノール、1−フェノキシメチ
ル−2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミ
ノエタノール、1−ブトキシメチル−2−ジメチルアミ
ノエタノール、1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシ
プロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒド
ロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−エチル−4−
メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−ブト
キシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−
ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−エチル−4
−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−フ
ェノキシプロピル)−2−フェニルイミダゾリン、1−
(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−メチ
ルイミダゾリン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノ
ール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フ
ェノール、N−β−ヒドロキシエチルホルモリン、2−
ジメチルアミノエタンチオール、2−メルカプトピリジ
ン、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプ
トベンゾチアゾール、4−メルカプトピリジン、N,N
−ジメチルアミノ安息香酸、N,N−ジメチルグリシ
ン、ニコチン酸、イソニコチン酸、ピコリン酸、N,N
−ジメチルグリシンヒドラジド、N,N−ジメチルプロ
ピオン酸ヒドラジド、ニコチン酸ヒドラジド、イソニコ
チン酸ヒドラジド等のような、分子内に3級アミノ基を
有するアルコール類、フェノール類、チオール類、カル
ボン酸類、ヒドラジド類等が挙げられる。
【0018】本発明のエポキシ樹脂組成物の保存安定性
を更に向上させるため、上記のエポキシ化合物とアミン
化合物を付加反応せしめ本発明に用いられる潜在性硬化
促進剤を製造する際に、第三成分として分子内に活性水
素を2個以上有する活性水素化合物を添加することもで
きる。このような、活性水素化合物の例を以下に示す
が、これらに限定されるものではない。例えば、ビスフ
ェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ヒ
ドロキノン、カテコール、レゾルシノール、ピロガロー
ル、フェノールノボラック樹脂等の多価フェノール類、
トリメチロールプロパン等の多価アルコール類、アジピ
ン酸、フタル酸等の多価カルボン酸類、1,2−ジメル
カプトエタン、2−メルカプトエタノール、1−メルカ
プト−3−フェノキシ−2−プロパノール、メルカプト
酢酸、アントラニル酸、乳酸等が挙げられる。
【0019】本発明に用いられる潜在性硬化促進剤の製
造の際に、表面処理剤として用いられるイソシアネート
化合物の代表例を以下に示すがこれらに限定されるもの
ではない。例えば、n−ブチルイソシアネート、イソプ
ロピルイソシアネート、フェニルイソシアネート、ベン
ジルイソシアネート等のような単官能イソシアネート化
合物、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルイレンジ
イソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネー
ト、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネ
ート、パラフェニレンジイソシアネート、1,3,6−
ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタン
トリイソシアネート等のような多官能イソシアネート化
合物、更には、これらの多官能イソシアネート化合物と
活性水素化合物との反応によって得られる、末端イソシ
アネート基含有化合物等も用いることができ、このよう
な化合物の例としては、トルイレンジイソシアネートと
トリメチロールプロパンの反応により得られる末端イソ
シアネート基を有する付加反応物、トルイレンジイソシ
アネートとペンタエリスリトールの反応により得られる
末端イソシアネート基を有する付加反応物等が挙げられ
る。
【0020】本発明に用いられる潜在性硬化促進剤の製
造の際に、表面処理剤として用いられる酸性物質として
は、気体、液体の無機酸又は有機酸があり、その代表例
を以下に示すが、これらに限定されるものではない。例
えば、炭酸ガス、亜硫酸ガス、硫酸、塩酸、しゅう酸、
リン酸、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、アジピン酸、カプ
ロン酸、乳酸、コハク酸、酒石酸、セバシン酸、p−ト
ルエンスルホン酸、サリチル酸、ほう酸、タンニン酸、
アルギン酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、フェ
ノール、ピロガロール、フェノール樹脂、レゾルシン樹
脂等が挙げられる。
【0021】本発明に用いられる潜在性硬化促進剤は、
上記の(a)エポキシ化合物と(b)アミン化合物、又
は(a)エポキシ化合物と(b)アミン化合物と(c)
活性水素化合物の各成分を混合し、室温から200℃の
温度において反応させた後、固化、粉砕するか、あるい
は、メチルエチルケトン、ジオキサン、テトラヒドロフ
ラン等の溶媒中で反応させ、脱溶媒後、固形分を粉砕す
ることにより容易に得ることができる。更に、これらの
潜在性硬化促進剤の表面処理は、メチルエチルケトン、
トルエン等の溶媒中もしくは無溶媒で、前記のイソシア
ネート化合物や酸性化合物と接触させることによって行
なうことができる。
【0022】上記の固体分散型アミンアダクト系潜在性
硬化促進剤として市販されている代表的な例を以下に示
すが、これらに限定されるものではない。例えば、「ア
ミキュア PN−23」(味の素(株)商品名)、「ア
ミキュア PN−H」(味の素(株)商品名)、「アミ
キュア MY−24」(味の素(株)商品名)、「ハー
ドナー X−3661S」(エー・シー・アール(株)
商品名)、「ハードナー X−3670S」(エー・シ
ー・アール(株)商品名)、「ノバキュア HX−37
42」(旭化成(株)商品名)、「ノバキュア HX−
3721」(旭化成(株)商品名)等が挙げられる。
【0023】本発明のエポキシ樹脂組成物におけるエポ
キシ樹脂とポリチオール化合物の混合比は、SH当量数
/エポキシ当量数比で0.5〜1.2であり、固体分散
型アミンアダクト系潜在性硬化促進剤の添加量は、エポ
キシ樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部であ
る。
【0024】本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に
応じて充填剤、希釈剤、溶剤、顔料、可撓性付与剤、カ
ップリング剤、酸化防止剤等の各種添加剤を加えること
ができる。
【0025】添加剤としてイソシアネート基含有化合物
を用いた場合、硬化性を著しく損なうことなく接着力を
向上させることができる。このようなイソシアネート基
含有化合物は特に限定されるものではないが、代表的な
例として、n−ブチルイソシアネート、イソプロピルイ
ソシアネート、2−クロロエチルイソシアネート、フェ
ニルイソシアネート、p−クロロフェニルイソシアネー
ト、ベンジルイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシ
アネート、2−エチルフェニルイソシアネート、2,6
−ジメチルフェニルイソシアネート、2,4−トルエン
ジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネー
ト、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ジフェニル
メタン−4,4′−ジイソシアネート、トリジンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレン
ジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、
1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシ
クロヘプタントリイソシアネート等が挙げられる。
【0026】本発明のエポキシ樹脂組成物におけるイソ
シアネート基含有化合物の添加量は、エポキシ樹脂10
0重量部に対して0.1〜20重量部の範囲である。
【0027】
【実施例】以下に実施例により、本発明をさらに詳しく
説明する。 (評価方法) 可使時間:調製したエポキシ樹脂組成物を50ccのガ
ラス製サンプルビンに入れ、25℃で流動性がなくなる
までの時間を目視により計測した。 粘度:JIS K−6833に準じて測定した。 引っ張りせん断接着強度:JIS K−6850に準じ
て調製した試験片を所定の温度、時間で硬化させ、テン
シロン万能試験機(東洋精機(株)製TENSILON
UTM−5T)にて測定した。 測定温度 ;25℃ 引っ張り速度;1mm/min T型剥離接着強度:JIS K−6854に準じて調製
した試験片を所定の温度、時間で硬化させ、テンシロン
万能試験機(オリエンテック(株)製RTM−500)
にて測定した。 測定温度 ;25℃ 引っ張り速度;50mm/min アルカリ金属イオン濃度:炎光分光光度計(日立180
−50形)を用い原子吸光法によって定量した。
【0028】(製造例1)チオール系硬化剤「エポメー
トQX−12」(油化シェル社商品名)100gを1リ
ットルの三角フラスコに入れ、アセトン500mlを加
えて溶解させた。この溶液はpH試験紙により強アルカ
リ性を示した。この溶液に攪拌しながら、濃塩酸を滴下
して溶液のpHを弱酸性に調製した後、溶媒を減圧留去
した。残渣に蒸留水500mlを加え、クロロホルム5
00mlで3回抽出を行った。有機層に無水硫酸マグネ
シウムを加えて一晩放置後、硫酸マグネシウムをろ別
し、ろ液を減圧濃縮して、精製QX−12を得た。この
もののアルカリ金属イオン濃度は、脱アルカリ処理前が
+ ;11.2ppm、Na+ ;1420ppmであっ
たのに対して、脱アルカリ処理後はK+ ;0.5ppm
以下、Na+ ;3.2ppmであった。
【0029】(製造例2)「エポメートQX−12」2
0gを300mlの三角フラスコに入れ、メタノール2
00mlを加えて溶解させた。この溶液に陽イオン交換
樹脂「ダイヤイオンPK216H」(三菱化成(株)
製)20gを加えて3時間攪拌した。その後イオン交換
樹脂をろ別し、ろ液を減圧濃縮して、精製QX−12を
得た。このもののアルカリ金属イオン濃度は、K+
2.2ppm、Na+ ;7.9ppmであった。
【0030】(実施例1)ビスフェノールA型エポキシ
樹脂「EP828」(油化シェル社商品名)100重量
部に「アミキュア PN−H」1重量部を加え室温で混
合したものに、製造例1、2で得られた精製QX−12
を90重量部加えて室温で混合し、エポキシ樹脂組成物
(a)、(b)を得た。組成物(a)、(b)の可使時
間は3時間であった。また、組成物(b)の60℃での
ゲルタイムは、925秒であった。
【0031】(比較例1)ポリチオール化合物として、
脱アルカリ処理を行っていない「エポメートQX−1
2」を用いた他は、実施例1と同様にして、エポキシ樹
脂組成物(c)を得た。組成物(c)の可使時間は3分
であった。
【0032】(実施例2〜5)エポキシ樹脂として「E
P828」、ポリチオール化合物として「TMTP」
(トリメチロールプロパン トリス(β−チオプロピオ
ネート)、淀化学社商品名。K+ ;<0.5ppm、N
+ ;2.9ppm)、固体分散型アミンアダクト系潜
在性硬化促進剤として表1に示すものを用いて、エポキ
シ樹脂組成物(d)〜(g)を調製した。組成物(d)
〜(g)の特性を表1に示す。
【0033】(比較例2〜7)固体分散型アミンアダク
ト系潜在性硬化促進剤のかわりに、液状の硬化促進剤で
ある「エポメート B−02」(3,9−ビス(3−ア
ミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピ
ロ−〔5,5〕−ウンデカンとブチルグリシジルエーテ
ルのアダクト(液状)(油化シェル社商品名))、「2
E4MZ」(2−エチル−4−メチルイミダゾール(四
国化成商品名))、「DMP−30」(2,4,6−ト
リス(ジメチルアミノメチル)フェノール)を用いたほ
かは、実施例2〜5と同様にしてエポキシ樹脂組成物
(h)〜(m)を調製した。組成物(h)〜(m)の特
性を表1に示す。液状もしくは可溶性のアミン化合物を
促進剤に用いた例と比較し、本発明は可使時間が長く、
且つ硬化に要する時間は短いという特徴がある。
【0034】
【表1】
【0035】(実施例6)「EP828」100重量部
に「アミキュア PN−H」2重量部を加え、室温で混
合した後、「TMTP」を加えて脱泡混合し、エポキシ
樹脂組成物(n)〜(r)を調製した。各組成物の特性
及び各組成物を80℃で20分硬化した後の硬化物の物
性について表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】(実施例7)「EP828」100重量部
に「アミキュア PN−H」3重量部を加え室温で混合
した後、「TMTP」74重量部を加え脱泡混合した
後、「MR−200」(ジフェニルメタン−4,4′−
ジイソシアネート:日本ポリウレタン(株)製)を加え
て、エポキシ樹脂組成物(s)〜(v)を調製した。各
組成物の80℃でのゲルタイム及び80℃20分硬化後
のせん断接着力について表3に示す。
【0038】
【表3】
【0039】
【発明の効果】本発明のポリチオール系エポキシ樹脂組
成物は、比較的に低い加熱温度での硬化性に優れ、強い
接着強度を有していることから、接着剤、シーリング
剤、注型等の用途に適している。本発明のエポキシ樹脂
組成物にイソシアネート基含有化合物を添加することに
よって、硬化性を著しく損なうことなく更に接着力を向
上させることができる。また、本発明のエポキシ樹脂組
成物は、可使時間が非常に長いため、作業性の向上とい
う面において非常に有用である。更に、余った組成物を
使用後保存することも可能なために、使い捨てをしなく
てもよくなり、資源の節約、環境の保護という面におい
ても本発明の組成物は非常に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平井 清幹 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社中央研究所内 (72)発明者 竹内 光二 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社中央研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)分子内にエポキシ基を2個以上有
    するエポキシ樹脂、(2)分子内にチオール基を2個以
    上有するポリチオール化合物、及び(3)固体分散型ア
    ミンアダクト系潜在性硬化促進剤を含有するエポキシ樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のエポキシ樹脂組成物に、
    イソシアネート基含有化合物をエポキシ樹脂100重量
    部に対して0.1〜20重量部添加することを特徴とす
    るエポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載のエポキシ樹
    脂組成物を加熱することによって得られるエポキシ樹脂
    硬化物。
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