JP5695563B2 - エポキシ樹脂コーティング組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、良好な保存安定性を有する2液を使用直前に混合することにより調製される、好適な可使時間を有し、特に低温および常温での硬化性に優れる2液硬化型のエポキシ樹脂コーティング組成物に関する。さらに詳しく言えば、エポキシ樹脂および特定のチオール系硬化剤を含むA液と、硬化助剤を含むB液との2液を混合することより調製されるエポキシ樹脂コーティング組成物に関する。
従来、常温硬化性に優れるエポキシ樹脂コーティングは、加熱硬化することができない大型の構造物、例えば船舶、橋梁、工業プラント、道路、床等の塗装に使用されている。
また、冬場あるいは寒冷地においても硬化可能なコーティング組成物として、ポリイソシアネートを含有するコーティング組成物が開発されており、5℃以下の温度で硬化させる必要がある用途に使用されている。ポリイソシアネート系コーティング組成物においては、硬化触媒として錫化合物が使用されているが、錫化合物は、微量でも毒性が高く、使用が問題視されている。そのため、毒性が低く、低温でも硬化できるコーティング組成物が望まれている。
1分子中に2個以上のチオール基を有する化合物は、エポキシ樹脂や、ウレタン樹脂等と混合することにより容易に反応して硬化物になることから、シーリング材、塗料、接着剤等に広く用いられている。例えば、「総説エポキシ樹脂(第1巻,基礎編I,2003年11月19日発行)」の204頁には、低温硬化剤として種々のポリチオール系硬化剤が記載されている。
一方、エポキシ樹脂コーティング組成物としては、取り扱いの容易さから塗装の直前にA液とB液からなる2液を混合する処方を用いることが望まれている。
しかしながら、従来のポリチオール系エポキシ硬化剤をエポキシ樹脂コーティング組成物の硬化剤として用いた場合、エポキシ樹脂を含むA液にポリチオールを添加すると、エポキシ樹脂とポリチオールの反応性が高いため保存安定性が悪くなる。また、硬化助剤を含むB液に従来のポリチオールを添加すると、硬化助剤として用いる3級アミンによりチオールが活性化され、空気中の酸素と反応することによりジスルフィド結合を生成するため、B液の保存中に膜張りしてしまうことがしばしばある。
特開平6−116515号公報(特許文献1)には、船舶の海中防汚塗料等として用いられる、エポキシ樹脂とメルカプトカルボン酸エステル系硬化剤とを含む防汚塗料組成物が開示されている。特許文献1には、エポキシ樹脂と顔料等を含むA液と、メルカプトカルボン酸エステル系硬化剤とアミン系の硬化剤を含むB液の2液を混合して塗料とする処方について記載されているが、そこに記載のメルカプトカルボン酸エステルは、本発明で使用する分岐チオール基含有化合物(P)とは異なり、チオール基が第1級炭素に結合した化合物であるため、メルカプトカルボン酸エステル系硬化剤を含む溶液の保存安定性に問題がある。
特表2002−527552号公報(WO00/22025)(特許文献2)には、エポキシ樹脂、チオール基を含む硬化剤および硬化のための触媒を含むコーティング組成物が開示されており、エポキシ樹脂、チオール化合物および硬化助剤の混合物に特定の溶媒を用いることにより、適当な可使時間と適当な硬化時間を実現している。しかしながら、特許文献2には、本発明で使用する分岐チオール基含有化合物(P)に関する記載はなく、また、チオール基を含む硬化剤の保存安定性についても記載はない。さらに、エポキシ樹脂と触媒を分離して保存することは記載されているが、触媒と硬化剤を混合して保存することについては記載されていない。このため特許文献2に記載のエポキシ樹脂と触媒とチオール基を含む硬化剤について、どのように2液として保存できるのかは明らかではない。
特開平8−176500号公報(特許文献3)には、エポキシ化合物とポリメルカプト化合物を特定の割合で含む組成物を、基体上に塗布硬化させる急速硬化型塗料組成物の塗装方法が開示されているが、特許文献3には、本発明に係る分岐チオール基含有化合物(P)についての記載はない。また、特許文献3に記載の塗装方法では、2級アミン、3級アミン等の硬化触媒を霧状もしくは蒸気状で基体上に塗布させる必要があるため、操作が煩雑であり、また硬化助剤の刺激臭がする等作業環境上の問題がある。
特開平6−116515号公報 特表2002−527552号公報 特開平8−176500号公報
本発明の課題は、良好な保存安定性を有する2液を使用直前に混合することにより調製される、好適な可使時間を有し、特に低温および常温での硬化性に優れ、毒性が低い2液硬化型のエポキシ樹脂コーティング組成物を提供することにある。
上記課題に鑑み鋭意検討の結果、本発明者らは、エポキシ樹脂および特定の分岐チオール基含有化合物(P)を含むA液と、硬化助剤を含むB液との2液を使用直前に混合して調製されるエポキシ樹脂コーティング組成物が、好適な可使時間を有し、特に低温および常温での硬化性に優れ、毒性が低いこと、また分岐チオール基含有化合物(P)を含むA液は、良好な保存安定性を有するため、2液の保管が容易であり、作業性に優れることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下のエポキシ樹脂コーティング組成物に関する。
[1] 少なくとも、エポキシ樹脂と、チオール系硬化剤と、硬化助剤とを含むエポキシ樹脂コーティング組成物において、
使用直前に混合される、エポキシ樹脂とチオール系硬化剤を含むA液と硬化助剤を含むB液との2液からなり、
前記チオール系硬化剤が、一般式(1)
Figure 0005695563
(式中、R1は、水素原子または炭素数が1〜10の直鎖または分岐のアルキル基であり、R2は、炭素数が1〜10の直鎖または分岐のアルキル基であり、nは1〜4の整数である。)
で示されるチオール基含有カルボン酸と多価アルコールとのエステル化物である分岐チオール基含有化合物(P)を含むことを特徴とするエポキシ樹脂コーティング組成物。
[2] 前記分岐チオール基含有化合物(P)が、一般式(2)
Figure 0005695563
(式中、R1及びR2は、前記[1]の記載と同義である。)
で示されるチオール基含有カルボン酸と多価アルコールとのエステル化物である前記[1]に記載のエポキシ樹脂コーティング組成物。
[3] 前記分岐チオール基含有化合物(P)が、式(3)
Figure 0005695563
で示されるチオール基含有カルボン酸と多価アルコールのエステル化物である前記[1]または[2]に記載のエポキシ樹脂コーティング組成物。
[4] 前記多価アルコールが、炭素数2〜30の多価アルコールであり、その価数が2〜6価である前記[1]〜[3]のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂コーティング組成物。
[5] 前記多価アルコールが、エチレングリコール、1,2−プロピレンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、2,2−ビス(2,3−ジヒドロキシプロピルオキシフェニル)プロパン、グリセリン、トリメチロールエタン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、およびジペンタエリスリトールからなる群より選ばれる少なくとも1種である前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂コーティング組成物。
[6] 前記分岐チオール基含有化合物(P)が、エチレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、1,2−プロピレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、1,3−プロピレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、1,4−ブタンジオールビス(3−メルカプトブチレート)、2,2−ビス(3−(3−メルカプトブチリルオキシ)−2-ヒドロキシプロピルオキシフェニル)プロパン、グリセリントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパンビス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールエタンビス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールビス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールトリス(3−メルカプトブチレート)、トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートに3−メルカプトブタン酸が2つ付加した化合物、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−メルカプトブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトブチレート)、ビスフェノールAエトキシレートビス(3−メルカプトブチレート)、4,4'−(9−フルオレニリデン)ビス(2−フェノキシエタノール)ビス(3−メルカプトブチレート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトバレレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトバレレート)、トリメチロールプロパンビス(3−メルカプトバレレート)、ペンタエリスリトールビス(3−メルカプトバレレート)、ペンタエリスリトールトリス(3−メルカプトバレレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトバレレート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトイソバレレート)、トリメチロールプロパンビス(3−メルカプトイソバレレート)、ペンタエリスリトールビス(3−メルカプトイソバレレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトイソバレレート)、ペンタエリスリトールトリス(3−メルカプトイソバレレート)、およびペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトイソバレレート)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である前記[1]〜[5]のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂コーティング組成物。
[7] 前記A液に、非プロトン性揮発性溶剤を用いる前記[1]〜[6]のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂コーティング組成物。
[8] 前記A液の溶剤が、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、エーテル類、前記チオール系硬化剤および硬化助剤とは異なるエステル類、ケトン類およびN,N−ジアルキルアミド類からなる群から選ばれる1種あるいは2種以上の溶剤からなり、
前記溶剤は、アルコール性水酸基、フェノール性水酸基、カルボキシル基またはアミノ基のいずれの官能基も有さない前記[7]に記載のエポキシ樹脂コーティング組成物。
[9] 前記B液に、ポリアミン、変性ポリアミン、およびポリアミドアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種のアミン系硬化剤が含まれる前記[1]〜[8]のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂コーティング組成物。
[10] 前記エポキシ樹脂が、ポリオールのグリシジルエーテル化合物である前記[1]〜[9]のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂コーティング組成物。
[11] 前記硬化助剤が、3級アミンである前記[1]〜[10]のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂コーティング組成物。
本発明は、エポキシ樹脂および特定の分岐チオール基含有化合物(P)を含むチオール系硬化剤を含有するA液と、硬化助剤を含むB液との2液を使用直前に混合することより調製されるエポキシ樹脂コーティング組成物を提供したものである。
本発明のエポキシ樹脂コーティング組成物は、分岐チオール基含有化合物(P)を含むA液が良好な保存安定性を有するため、2液の保管が容易であり、作業性に優れる。さらに、本発明の組成物は、従来のアミン系硬化剤を用いた場合よりも好適な可使時間を有し、特に低温および常温の硬化性に非常に優れ、かつ毒性が低い。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[I]硬化剤
[I−1]チオール系硬化剤
本発明のエポキシ樹脂コーティング組成物は、チオール系硬化剤を含有する。
本発明で使用するチオール系硬化剤は、一般式(1)
Figure 0005695563
で示されるチオール基含有カルボン酸と多価アルコールとのエステル化物である特定の分岐チオール基含有化合物(P)を含有する。
式(1)中、R1は水素原子または炭素数1〜10の直鎖または分岐のアルキル基であり、R2は炭素数1〜10の直鎖または分岐のアルキル基であり、nは1〜4の整数である。すなわち、本発明で使用する分岐チオール基含有化合物(P)は、2級チオールまたは3級チオールである。
従来の1級チオールであるチオール系硬化剤と比べると、本発明で使用する2級あるいは3級チオールはエポキシ樹脂に対する反応性が低いため、2液のエポキシ樹脂コーティング組成物へ応用した場合、エポキシ樹脂と分岐チオール基含有化合物(P)を含有するA液の保存安定性が良くなる。そのため、2液の保管が容易であり、作業性に優れる。
式(1)中、R1およびR2は、可使時間と保存安定性の点から、好ましくは、R1が水素原子または炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基で、R2が炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基であり、より好ましくは、R1が水素原子または炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基で、R2が、炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基であり、さらに好ましくは、R1が水素原子または炭素数1〜2のアルキル基で、R2が炭素数1〜2のアルキル基である。
また、炭素数1〜10の直鎖または分岐のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソへキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。
このようなチオール基含有カルボン酸としては、例えば3−メルカプト酪酸、3−メルカプト吉草酸、3−メルカプトイソ吉草酸、4−メルカプト吉草酸、3−メルカプトカプロン酸、4−メルカプトカプロン酸、5−メルカプトカプロン酸、3−メルカプトイソカプロン酸等が挙げられる。
また、α,β−不飽和ケトンへのSH基の付加反応により製造できるという製法上の理由から、式(1)中のnは1であることが好ましい。すなわち、本発明で使用する分岐チオール基含有化合物(P)としては、一般式(2)
Figure 0005695563
で示されるチオール基含有カルボン酸と多価アルコールのエステル化物が好ましい。
例えば、R1が水素原子で、R2がメチル基である化合物、すなわち式(3)
Figure 0005695563
で示される化合物が、原料入手が容易なクロトン酸を用いてチオール基を導入することにより容易に製造できるのでさらに好ましい。
本発明で使用する分岐チオール基含有化合物(P)の、チオール基1つ当たりの分子量として定義されるチオール基当量は、100〜500、好ましくは100〜300、より好ましくは100〜200である。チオール基当量がこの範囲であれば、エポキシ樹脂コーティング組成物中の反応点の量が適切であり、硬化性と靭性を併せ持つ塗膜となる。チオール基当量が100より小さいと塗膜がもろくなり、チオール基当量が500より大きいと塗膜が柔らかくなる。なお、チオール基当量は、公知の方法、例えばでんぷんを指示薬として用いるヨウ素溶液滴定法により測定できる。
本発明で使用する多価アルコールは、特に限定されず、脂肪族、芳香族の多価アルコールを使用することができる。多価アルコールとしては、炭素数が2〜30、その価数が2〜6であることが望ましく、炭素数5〜20、価数が3〜4であることがより望ましい。炭素数が2より少ない場合は、上記チオール基含有カルボン酸とのエステル化物の蒸気圧が高くなることからコーティング組成物の臭気がきつくなる。炭素数が30より多くなると、塗膜が柔らかくなってしまう等の欠点がある。また価数が2より小さい場合は、多価チオールの部分では架橋しないため、塗膜が柔らかくなる欠点がある。また価数が6より大きい場合は、チオールの反応性が低下することにより塗膜がもろくなる欠点がある。
本発明で使用する多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、2,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、トリシクロデカンジメタノール、(2,2−ビス(2−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン)、ビスフェノールAアルキレンオキシド付加物、ビスフェノールFアルキレンオキシド付加物、ビスフェノールSアルキレンオキシド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,3−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、2,4−ヘキサンジオール、3,4−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]フルオレン等の2価のアルコール;グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ヘキサントリオール、ソルビトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ショ糖、2,2−ビス(2,3−ジヒドロキシプロピルオキシフェニル)プロパン等の3価以上のアルコールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。中でも、エチレングリコール、1,2−プロピレンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、2,2−ビス(2,3−ジヒドロキシプロピルオキシフェニル)プロパン、グリセリン、トリメチロールエタン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールであることが、原料入手が容易である点で好ましく、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートが、官能基数、蒸気圧の点でさらに好ましい。これらはそれぞれ1種を単独で用いることも、2種以上を任意の割合で組み合わせて用いることもできる。
本発明で使用する分岐チオール基含有化合物(P)としては、エチレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、1,2−プロピレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、1,3−プロピレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、1,4−ブタンジオールビス(3−メルカプトブチレート)、2,2−ビス(3−(3−メルカプトブチリルオキシ)−2-ヒドロキシプロピルオキシフェニル)プロパン、グリセリントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパンビス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールエタンビス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールビス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールトリス(3−メルカプトブチレート)、トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートに3−メルカプトブタン酸が2つ付加した化合物、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−メルカプトブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトブチレート)、ビスフェノールAエトキシレートビス(3−メルカプトブチレート)、4,4'−(9−フルオレニリデン)ビス(2−フェノキシエタノール)ビス(3−メルカプトブチレート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトバレレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトバレレート)、トリメチロールプロパンビス(3−メルカプトバレレート)、ペンタエリスリトールビス(3−メルカプトバレレート)、ペンタエリスリトールトリス(3−メルカプトバレレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトバレレート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトイソバレレート)、トリメチロールプロパンビス(3−メルカプトイソバレレート)、ペンタエリスリトールビス(3−メルカプトイソバレレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトイソバレレート)、ペンタエリスリトールトリス(3−メルカプトイソバレレート)、およびペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトイソバレレート)を例示することができるがこれらに限定されるものではない。中でも、1,4−ブタンジオールビス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)イソシアヌレートが、原料入手の容易さ、官能基数、蒸気圧の点で好ましい。これらはそれぞれ1種を単独で用いることも、2種以上を任意の割合で組み合わせて用いることもできる。
[I−2]その他の硬化剤
本発明のエポキシ樹脂コーティング組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、従来公知の硬化剤を添加できる。
このような硬化剤としては、例えばポリアミドアミン、ポリアミン、エポキシ変性ポリアミン、イソシアネート変性ポリアミン等のアミン系硬化剤を使用することができる。具体的には、(株)ADEKA製のアデカハードナーEH−471、EH−338S、GM−645、コグニスジャパン(株)製のバーサミド(登録商標)115、バーサミン(登録商標)K11、バーサミン3202N、ジャパンエポキシレジン(株)製のSL11、SL13、DIC(株)製のラッカマイド(登録商標)WN−125等のアミン系硬化剤を挙げることができる。
また、このような硬化剤として市販のチオール系硬化剤を使用することができる。具体的には、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、東レ(株)製のチオコール(登録商標)LPやQE−340M、(株)ADEKA製のEH−317やEH−310、コグニスジャパン(株)製のキャップキュア(登録商標)3−800、ジャパンエポキシレジン(株)製のQX11等の本発明で使用する分岐チオール基含有化合物(P)とは異なるチオール系硬化剤を挙げることができる。
[II]エポキシ樹脂
本発明で用いるエポキシ樹脂は、特に限定されず、市販の硬化性エポキシ樹脂を使用することができる。
このようなエポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA、ハロゲン化ビスフェノールA、ビスフェノールF、ハロゲン化ビスフェノールF等のビスフェノール類、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロカテコール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、1,5−ジヒドロキシナフタレン等の多価フェノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、オキシ安息香酸等の芳香族カルボン酸、あるいはフタル酸等の芳香族ジカルボン酸等とエピクロロヒドリン等を用いて得られるエポキシ樹脂が挙げられる。
具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、N−グリシジル型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、キレート型エポキシ樹脂、グリオキザール型エポキシ樹脂、アミノ基含有エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノリック型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明で用いるエポキシ樹脂としては、チオール化合物の反応性および入手の容易さから、ポリオールのグリシジルエーテル化合物、例えばビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールAエトキシレートジグリシジルエーテル、ビスフェノールAプロポキシレートジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキサンカルボン酸、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチルエステルが望ましい。
市販されているエポキシ樹脂としては、例えば、ジャパンエポキシレジン(株)製のjER(登録商標)828、1001、801、806、807、152、604、630、871、YX8000、YX8034、YX4000、カージュラE10P、大日本インキ化学工業(株)製のエピクロン(登録商標)830、835LV、HP4032D、703、720、726、HP820、(株)ADEKA製のEP4100、EP4000、EP4080、EP4085、EP4088、EPU6、EPR4023、EPR1309、EP49−20、ナガセケムテックス(株)製のデナコールEX411、EX314、EX201、EX212、EX252、EX111、EX146、EX721、信越化学工業(株)製のKBM403、KBE402等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
これらはそれぞれ1種を単独で用いることも、2種以上を任意の割合で組み合わせて用いることもできる。
また、エポキシ樹脂には、必要に応じて、反応性希釈剤として、モノエポキシ化合物を添加することができる。モノエポキシ化合物としては、低分子の脂肪族グリシジルエーテル、芳香族モノグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等を用いることができる。
[III]硬化助剤
本発明で用いる硬化助剤は、特に限定されないが、塩基性化合物を用いることが好ましい。
塩基性化合物としては、3級アミンを使用することができる。3級アミンの具体例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラエチルエチレンジアミン、テトラメチルプロパン−1,3−ジアミン、テトラメチルヘキサン−1,6−ジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ペンタメチルジプロピレントリアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、エチレングリコール(3,3−ジメチルアミノプロピル)エーテル、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルアミノメチルフェノール、N,N−ジメチルプロピルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N−メチルピペリジン、N,N’−ジメチルピペラジン、N,N−ジメチルベンジルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−ノネン、5,6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−ウンデセン−7、1,2−ジメチルイミダゾール、N−メチル−N’−(2−ジメチルアミノ)−エチルピペラジン、N−メチルモルホリン、N−(N’,N’−ジメチルアミノ)エチル)モルホリン、N−メチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン等が好ましく、中でも特にN,N−ジメチルベンジルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールが好ましい。これらは1種を単独で用いることも、2種以上を任意の割合で組み合わせて用いることもできる。
本発明においては、硬化助剤として、リン原子含有化合物を用いることもできる。
リン原子含有化合物の具体例としては、メチルホスフィン、エチルホスフィン、フェニルホスフィン、ジメチルホスフィン、ジエチルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(p−トリル)ホスフィン、トリス(アルキルフェニル)ホスフィン、トリス(アルコキシフェニル)ホスフィン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリフェニル、リン酸トリアルキル、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは1種を単独で用いることも、2種以上を任意の割合で組み合わせて用いることもできる。
本発明においては、市販されている硬化助剤を使用しても良い。市販の硬化助剤としては、例えば、ジャパンエポキシレジン(株)製のエピキュア(登録商標)3010、四国化成工業(株)製のイミダゾール化合物2PZ、2PHZ、2P4MHZ、C17Z、2MZ−A、2E4MZ−CNS、2MA−OK、味の素ファインテクノ(株)製のアミキュア(登録商標)PN23、PN31、PN40J、PN−H、MY24、MY−H、(株)ADEKA製のEH−3293S、EH−3366S、EH−3615S、EH−4070S、EH−4342S、EH−3731S、旭化成ケミカルズ(株)製のノバキュア(登録商標)HX−3742、HX−3721、富士化成工業(株)製のFXE−1000、FXR−1030、FXR−1080、FXR−1110等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、本発明においては、硬化助剤として市販の硬化剤を使用しても良い。
[IV]エポキシ樹脂コーティング組成物
本発明のエポキシ樹脂コーティング組成物は、少なくともエポキシ樹脂、チオール系硬化剤および硬化助剤を含む。エポキシ樹脂、チオール系硬化剤および硬化助剤の配合量は特に限定されるものではなく、用途に応じて適宜決定できる。
本発明のエポキシ樹脂コーティング組成物は、前記した本発明で用いられるエポキシ樹脂と分岐チオール基含有化合物(P)を含むA液と硬化助剤を含むB液との2液を使用直前に混合して調製される。従来のエポキシ樹脂コーティング組成物は、一般にエポキシ樹脂を含むA液と、アミン系硬化剤および硬化助剤を含むB液とからなる。これをチオール系硬化剤へ応用して、チオール系硬化剤と硬化助剤を含むB液を調製した場合、硬化助剤中に含まれる3級アミンによりチオール系硬化剤のメルカプト基が活性化され、空気中の酸素により酸化されるためゲル化したり膜張りをする等の不具合が生じる。一方、チオール系硬化剤を、エポキシ樹脂を含むA液に配合した場合、従来のチオール系硬化剤ではエポキシ樹脂とチオール系硬化剤が反応するため保存中にゲル化してしまう。本発明のエポキシ樹脂コーティング組成物では、特定の分岐チオール基含有化合物(P)を使用しているため、硬化助剤を含まない場合のエポキシ樹脂と分岐チオール基含有化合物(P)の反応性が低い。そのため、エポキシ樹脂と分岐チオール基含有化合物(P)を含むA液の保存安定性が良好になる。
本発明のエポキシ樹脂コーティング組成物においては、A液にはエポキシ樹脂と分岐チオール基含有化合物(P)を含み、B液には少なくとも硬化助剤を含む。その他、本発明のコーティング組成物には、必要に応じて、顔料、分散剤、消泡剤、溶剤等を、A液あるいはB液に配合することができる。
本発明において、分岐チオール基含有化合物(P)とアミン系硬化剤を併用する場合には、A液にエポキシ樹脂と分岐チオール基含有化合物(P)を含み、B液にアミン系硬化剤と硬化助剤を含む2液組成とすることが好ましい。
分岐チオール基含有化合物(P)の使用量は、特に限定されないが、エポキシ樹脂中のエポキシ基1molに対して、好ましくはメルカプト基0.6〜1.7molであり、より好ましくは0.7〜1.5molであり、さらに好ましくは0.7〜1.0molである。分岐チオール基含有化合物(P)とアミン系硬化剤は、用途に応じて、適宜併用することができ、一般的には、アミン系硬化剤を併用する分だけ分岐チオール基含有化合物(P)の使用量を減らして使用することができる。アミン系硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂中のエポキシ基1molに対して、好ましくはメルカプト基の量とアミン系硬化剤の活性水素の量との合計が0.6〜1.7molであり、より好ましくは0.7〜1.5molであり、さらに好ましくは0.7〜1.0molである。メルカプト基の量とアミン系硬化剤の活性水素の量との比は、1:99〜99:1の範囲で使用することができる。メルカプト基の量が多いと、低温硬化性が高くなるが、可使時間が短くなる。アミン系硬化剤の活性水素の量が多いと、可使時間が長くなるが、低温硬化性が劣る。
硬化助剤の使用量は、特に限定されないが、エポキシ樹脂コーティング組成物100質量部に対して、0.1〜20質量部であり、好ましくは0.1〜10質量部であり、より好ましくは0.1〜5質量部であり、さらに好ましくは1〜5質量部である。硬化助剤として塩基性化合物を用いた場合、塩基性化合物の使用量が20質量部を超えると刺激臭が強くなり作業性に劣るおそれがある。硬化助剤の使用量は硬化温度により適宜変えることができる。低温で硬化させようとした場合硬化助剤の量を多くし、高温で硬化させようとした場合は硬化助剤の量を少なくする。
[V]溶剤
本発明のエポキシ樹脂コーティング組成物には、A液とB液の混合を容易にするため、また塗装時の塗布性を良くするため、必要に応じて溶剤を使用することができる。溶剤としては、塗装後の塗膜の機械的強度を向上させるため、塗膜に残存しないように揮発性の溶剤を使用することが好ましい。
エポキシ樹脂と分岐チオール基含有化合物(P)を含むA液のための溶剤としては、無極性溶剤を含む非プロトン性揮発性溶剤を使用することが好ましい。
非プロトン性揮発性溶剤としては、例えば脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、エーテル類、チオール系硬化剤および硬化助剤とは異なるエステル類、ケトン類、N,N−ジアルキルアミド類を使用することができる。チオール系硬化剤および硬化助剤とは異なるエステル類としては、元素として、イオウ(S)、チッソ(N)またはリン(P)のいずれも含まないエステル類がより好ましい。
非プロトン性揮発性溶剤の具体例としては、石油ベンジン、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、トルエン、キシレン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジブチルエーテル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−n−ブトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)等を使用することができるが、これらに限定されるものではない。
プロトン性溶剤をA液の溶剤として使用した場合、A液の保存安定性が悪くなり、保存中にゲル化してしまうので好ましくない。好ましくないプロトン性溶剤の例としては、アルコール性水酸基、フェノール性水酸基、カルボキシル基またはアミノ基等の官能基を含むアルコール類、フェノール類、カルボン酸類、アミン類等を挙げることができる。これらプロトン性溶剤の具体例としては、n−ブタノール、i−ブタノール、2−ブタノール、2−n−ブトキシエタノール、i−プロパノール、エタノール、クレゾール、酢酸、キシレンジアミン等を挙げることができる。
一方、硬化助剤を含むB液の溶剤としては、一般に使用される塗料用の溶剤を制限なく用いることができる。また、塗装時の希釈剤としても一般に市販される塗料用の溶剤を制限なく用いることができる。
[VI]添加剤
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、従来公知の塗料用添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
塗料用添加剤としては、(a)ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂、(b)脱臭剤、(c)シランカップリング剤、チタンカップリング剤等の密着性向上剤、(d)ハイドロキノン類、ヒンダードフェノール類等の酸化防止剤、(e)ベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類、サリチル酸エステル類、金属錯塩類等の紫外線吸収剤、(f)ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸、リノール酸、デカンスルホン酸、ドデカンスルホン酸、デカンスルホン酸ナトリウム、ドデカンスルホン酸ナトリウム等の界面活性剤、(g)フタル酸エステル、硬化助剤とは異なるリン酸エステル、高沸点の脂肪酸エステル、エポキシ化大豆油、ひまし油、流動パラフィンアルキル多環芳香族炭化水素等の可塑剤、(h)パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、重合ワックス、密ロウ、鯨ロウ低分子量ポリオレフィン等のワックス類、(i)タール、ピチューメン等の非反応性希釈剤、(j)炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カオリン、タルク、マイカ、ベントナイト、クレー、セリサイト、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ガラス粉、ガラスバルーン、シラスバルーン、石炭粉、アクリル樹脂粉、フェノール樹脂粉、金属粉末、セラミック粉末、ゼオライト、スレート粉、カーボンブラック、アルミナ、酸化チタン、赤色酸化鉄、パラレッド、紺青等の充填剤、顔料、染料、(k)シリコンオイル、ポリエチレングリコール等の消泡剤、(l)モノイソシアネート化合物、カルボジイミド化合物等の脱水剤、(m)帯電防止剤、(n)抗菌剤、(o)防かび剤、(p)粘度調製剤、(q)香料、(r)硬化助剤とは異なる難燃剤、(s)レベリング剤、(t)分散剤、(u)ラジカル重合開始剤等を添加することができる。これらは1種を単独で用いても、2種以上を任意の割合で組み合わせて用いることもできる。
[VII]調製方法
本発明において、A、B液の調製方法、および使用直前のA液とB液の混合によるエポキシ樹脂コーティング組成物の調製方法は、本発明に係る材料を適当量混合、分散できる方法であれば特に限定されないが、例えば以下の方法が挙げられる。
(イ)ガラスビーカー、缶、プラスチックカップ、アルミカップ等の適当な容器中にて、撹拌棒、へら等により混練する。
(ロ)ダブルヘリカルリボン翼、ゲート翼等により混練する。
(ハ)プラネタリーミキサーにより混練する。
(ニ)ビーズミルにより混練する。
(ホ)3本ロールにより混練する。
(ヘ)エクストルーダー型混練押し出し機により混練する。
本発明のエポキシ樹脂コーティング組成物の使用方法は特に限定されず、−20〜200℃と、低温から高温の条件において使用することができる。温度が高い方が可使時間を短くでき、さらに硬化速度を速くできるため、短時間で硬化物を得ることができるが、高温では、熱分解による異臭が発生したり、硬化物が着色したりするおそれがあるため、好ましくは−5〜120℃であり、より好ましくは5〜120℃である。特に、本発明のエポキシ樹脂コーティング組成物は、低温から常温において、硬化性に非常に優れる。
低温で硬化させたい場合は、硬化助剤を強塩基性のものにしたり硬化助剤の使用量を多くしたりする。また、高温で硬化させたい場合は、硬化助剤を弱塩基性のものにしたり硬化助剤の使用量を少なくしたりする。
[VIII]用途
本発明のエポキシ樹脂コーティング組成物の用途は特に限定されず、硬化剤や塗料等種々の用途に用いることができるが、特に大型構造物や床面等の加熱硬化することが難しく、常温あるいは冬季に低温となるような箇所の塗装に好ましく使用することができる。具体的には、船底、橋梁等加熱硬化することができない箇所の塗装や、道路、床面等の常温速硬化が必要な箇所の塗装に好ましく使用することができる。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの記載により何ら限定されるものではない。実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
実施例および比較例で使用した、エポキシ樹脂、分岐チオール基含有化合物(P)、1級チオール、硬化助剤(塩基性化合物)、硬化剤(アミン系)は下記の通りである。
エポキシ樹脂:
(1)ビスフェノールA型グリシジルエーテル(ジャパンエポキシレジン(株)製,商品名「jER(登録商標)828」,エポキシ当量186g/eq)(「828」と略記する。)、
(2)フェノールノボラック型(ジャパンエポキシレジン(株)製,商品名「jER(登録商標)152」,エポキシ当量178g/eq)(「152」と略記する。)、
(3)ビスフェノールF型グリシジルエーテル(ジャパンエポキシレジン(株)製,商品名「jER(登録商標)807」,エポキシ当量186g/eq)(「807」と略記する。)、
(4)ビスフェノールA型グリシジルエーテル(ジャパンエポキシレジン(株)製,商品名「jER(登録商標)1001」,エポキシ当量480g/eq)(「1001」と略記する。)、
分岐チオール基含有化合物(P):
(1)ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)(昭和電工(株)製,商品名「カレンズ(登録商標)PE1」,チオール基当量139g/eq)(「PE1」と略記する。)、
(2)1,4−ブタンジオールビス(3−メルカプトブチレート)(昭和電工(株)製,商品名「カレンズ(登録商標)BD1」,チオール基当量190g/eq)(「BD1」と略記する。)、
(3)トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)イソシアヌレート(昭和電工(株)製,商品名「カレンズ(登録商標)NR1」,チオール基当量147g/eq)(「NR1」と略記する。)、
1級チオール:
4官能脂肪族ポリチオール(ジャパンエポキシレジン(株)製,商品名「エピキュア(登録商標)QX40」,チオール基当量127g/eq)(「QX40」と略記する。)、
硬化助剤(塩基性化合物):
2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール(東京化成(株)製試薬)(「TAP」と略記する。)、
硬化剤:
(1)ポリアミドアミン硬化剤(コグニスジャパン(株)製,商品名「バーサミド(登録商標)115」,アミン価238mgKOH/g)(「V115」と略記する。)、
(2)変性脂肪族ポリアミン硬化剤(DIC(株)製,商品名「ラッカマイド(登録商標)WN−125」,アミン価340〜380mgKOH/g)(「WN−125」と略記する。)。
A液の調製例:
エポキシ樹脂および分岐チオール基含有化合物(P)を含むA液(A1〜A6、A61〜A64)を表1に示す処方で調製した。これらA液を60℃で保存したときにゲル化するまでの日数を表1に示す。
A1〜A6液、A61〜64液は、60℃で保存したとき、30日以上安定であった。
Figure 0005695563
A液の比較調製例:
エポキシ樹脂とチオール系硬化剤を含むA液(A7〜A12)を表2に示す処方で調製した。A7〜A9液は、チオール系硬化剤として従来のポリチオールを用いているため、短時間でゲル化した。また、A9〜A11液は、溶剤としてプロトン性溶剤を使用しているため、非プロトン性溶剤を用いた場合よりも短時間でゲル化した。このことから、従来のポリチオールを用いた場合や、プロトン性の溶剤を用いた場合は保存安定性が低いことがわかる。
Figure 0005695563
B液の調製例および比較調製例:
表3に示す処方でB液(調製例:B1〜B2液、比較調製例:B3〜B6液)を調製した。調製例B1〜B2液、比較調整例B3液は、ポリアミドアミン系硬化剤の添加量を変えて調製した。これらのB液を60℃で保管したところ、30日以上膜張りはしなかった。
B液にチオール系硬化剤を添加した比較調製例B4〜B6液の組成物を空気中60℃で保存したところ、5〜25日以内に膜張りが見られた。このことから、チオール系硬化剤をB液に添加すると、B液の保存安定性が損なわれることがわかった。
Figure 0005695563
実施例1:
調製例A1で調製したエポキシ樹脂と分岐チオール基含有化合物(P)を含むA液30部と、調製例B1で調製した硬化助剤を含むB液4部を混合してエポキシ樹脂コーティング組成物を得た。この組成物を、研磨処理した鋼板に、アネスト岩田(株)製エアスプレーW−101を用いて塗装した。塗装は乾燥後膜厚が約30ミクロンとなるように空気流量およびバルブ開度を調整した。塗装後25℃で乾燥・硬化させたところ、指で塗膜に触れても指紋がつかなくなるまでの時間(指触乾燥時間)は1時間であり、良好な塗膜が得られた。
実施例2:
A液中の分岐チオール基含有化合物(P)の量を減らしたA2およびB液にポリアミドアミン系硬化剤を添加したB2液を10部用いた以外は実施例1と同様の操作により塗装・乾燥・硬化させた。指触乾燥時間は4時間であり、良好な塗膜が得られた。
実施例3〜4:
乾燥・硬化を5℃で行った以外は実施例1〜2と同様の操作により塗装・乾燥・硬化させた。指触乾燥時間は5〜10時間であり、低温でも短時間で硬化することがわかった。
実施例5〜6:
A液として調製例A62(実施例5)あるいはA63(実施例6)を用いた以外は実施例1と同様の操作により組成物を作製し塗装したところ、指触乾燥時間は2時間(実施例5)あるいは1時間(実施例6)であり、良好な塗膜が得られた。
比較例1〜2:
A液にチオール系硬化剤を含まないA12を用い、表4に示すB液を用いた以外は実施例1と同様の操作により25℃(比較例1)あるいは5℃(比較例2)で塗装・乾燥・硬化させたところ、指蝕乾燥時間は10時間(比較例1)あるいは32時間(比較例2)であった。
Figure 0005695563
実施例7〜8:
表5に示す組成の白色塗料を調製し、塗膜厚300μmになるようにスプレー塗装を行なった。室温で一週間養生した後の塗膜の鉛筆硬度を表5に示す。鉛筆硬度は、JIS K5600−5−4に従って測定し、鉛筆硬度計750g荷重にて試験を行って、傷の付かなかった鉛筆の硬度を示した。また、耐塩水試験(40℃,10日間,3%NaCl水溶液浸漬)を行なったところ、塗膜のわれ、はがれ、膨れは観測されなかった。
Figure 0005695563
本発明のエポキシ樹脂コーティング組成物は、特定の分岐チオール基含有化合物を含むため、好適な可使時間を有し、特に低温および常温での硬化性に非常に優れる。また、本発明の組成物は、優れた保存安定性を有する2液を使用直前に混合して調製することが可能であり、2液の保管が容易であるため、作業性に非常に優れる。

Claims (10)

  1. 少なくとも、エポキシ樹脂と、チオール系硬化剤と、硬化助剤とを含むエポキシ樹脂コーティング組成物において、
    使用直前に混合される、エポキシ樹脂とチオール系硬化剤と非プロトン性揮発性溶剤を含むA液と硬化助剤を含むB液との2液からなり、
    前記チオール系硬化剤が、一般式(1)
    Figure 0005695563
    (式中、R1は、水素原子または炭素数が1〜10の直鎖または分岐のアルキル基であり、R2は、炭素数が1〜10の直鎖または分岐のアルキル基であり、nは1〜4の整数である。)
    で示されるチオール基含有カルボン酸と多価アルコールとのエステル化物である分岐チオール基含有化合物(P)を含むことを特徴とするエポキシ樹脂コーティング組成物。
  2. 前記分岐チオール基含有化合物(P)が、一般式(2)
    Figure 0005695563
    (式中、R1及びR2は、請求項1の記載と同義である。)
    で示されるチオール基含有カルボン酸と多価アルコールとのエステル化物である請求項1に記載のエポキシ樹脂コーティング組成物。
  3. 前記分岐チオール基含有化合物(P)が、式(3)
    Figure 0005695563
    で示されるチオール基含有カルボン酸と多価アルコールのエステル化物である請求項2に記載のエポキシ樹脂コーティング組成物。
  4. 前記多価アルコールが、炭素数2〜30の多価アルコールであり、その価数が2〜6価である請求項1〜3のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂コーティング組成物。
  5. 前記多価アルコールが、エチレングリコール、1,2−プロピレンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、2,2−ビス(2,3−ジヒドロキシプロピルオキシフェニル)プロパン、グリセリン、トリメチロールエタン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、およびジペンタエリスリトールからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項4に記載のエポキシ樹脂コーティング組成物。
  6. 前記分岐チオール基含有化合物(P)が、エチレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、1,2−プロピレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、1,3−プロピレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、1,4−ブタンジオールビス(3−メルカプトブチレート)、2,2−ビス(3−(3−メルカプトブチリルオキシ)−2-ヒドロキシプロピルオキシフェニル)プロパン、グリセリントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパンビス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールエタンビス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールビス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールトリス(3−メルカプトブチレート)、トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートに3−メルカプトブタン酸が2つ付加した化合物、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−メルカプトブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトブチレート)、ビスフェノールAエトキシレートビス(3−メルカプトブチレート)、4,4'−(9−フルオレニリデン)ビス(2−フェノキシエタノール)ビス(3−メルカプトブチレート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトバレレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトバレレート)、トリメチロールプロパンビス(3−メルカプトバレレート)、ペンタエリスリトールビス(3−メルカプトバレレート)、ペンタエリスリトールトリス(3−メルカプトバレレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトバレレート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトイソバレレート)、トリメチロールプロパンビス(3−メルカプトイソバレレート)、ペンタエリスリトールビス(3−メルカプトイソバレレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトイソバレレート)、ペンタエリスリトールトリス(3−メルカプトイソバレレート)、およびペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトイソバレレート)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1〜3のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂コーティング組成物。
  7. 前記A液の溶剤が、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、エーテル類、前記チオール系硬化剤および硬化助剤とは異なるエステル類、ケトン類およびN,N−ジアルキルアミド類からなる群から選ばれる1種あるいは2種以上の溶剤からなり、
    前記溶剤は、アルコール性水酸基、フェノール性水酸基、カルボキシル基またはアミノ基のいずれの官能基も有さない請求項に記載のエポキシ樹脂コーティング組成物。
  8. 前記B液に、ポリアミン、変性ポリアミン、およびポリアミドアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種のアミン系硬化剤が含まれる請求項1に記載のエポキシ樹脂コーティング組成物。
  9. 前記エポキシ樹脂が、ポリオールのグリシジルエーテル化合物である請求項1に記載のエポキシ樹脂コーティング組成物。
  10. 前記硬化助剤が、3級アミンである請求項1に記載のエポキシ樹脂コーティング組成物。
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