JP2017082219A - 液状潜在性硬化剤組成物及びそれを用いた一液性の硬化性エポキシド組成物 - Google Patents

液状潜在性硬化剤組成物及びそれを用いた一液性の硬化性エポキシド組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2017082219A
JP2017082219A JP2016212779A JP2016212779A JP2017082219A JP 2017082219 A JP2017082219 A JP 2017082219A JP 2016212779 A JP2016212779 A JP 2016212779A JP 2016212779 A JP2016212779 A JP 2016212779A JP 2017082219 A JP2017082219 A JP 2017082219A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
parts
curing agent
weight
basic compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016212779A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6675965B2 (ja
Inventor
領 長谷川
Ryo Hasegawa
領 長谷川
小林 正治
Masaharu Kobayashi
正治 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
T&K Toka Co Ltd
Original Assignee
T&K Toka Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by T&K Toka Co Ltd filed Critical T&K Toka Co Ltd
Publication of JP2017082219A publication Critical patent/JP2017082219A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6675965B2 publication Critical patent/JP6675965B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Epoxy Resins (AREA)

Abstract

【課題】本発明の目的は、簡便な方法により製造することが可能であり、取り扱いが容易である硬化性エポキシド組成物用の液状潜在性硬化剤、及び硬化性と保存安定性に優れる一液性の硬化性エポキシド組成物を提供することである。【解決手段】前記課題は、(A)分子内に平均1個以上のチオール基を有するチオール化合物と、(B)前記チオール化合物(A)を活性化できる塩基性化合物と、を含む液状潜在性硬化剤組成物であって、前記塩基性化合物(B)が無機物(B−1)で被覆されており、そして無機物(B−1)で被覆された塩基性化合物(B)が酸成分(B−2)で被覆されていることを特徴とする、液状潜在性硬化剤組成物によって解決することができる。【選択図】なし

Description

本発明は硬化性エポキシド組成物に用いることのできる常温で液状の潜在性硬化剤組成物、及びそれを含む一液性の硬化性エポキシド組成物に関する。本発明によれば、製造及び取り扱いが容易な液状の硬化性エポキシド組成物用の潜在性硬化剤を得ることが可能で、また、良好なハンドリング性、保存安定性及び硬化性を有する一液性の硬化性エポキシド組成物を得ることができる。
保存安定性が良好で、加熱により硬化する硬化性エポキシド組成物用の潜在性硬化剤は、頻繁な混合作業を省力化できることから需要が高まっている。電気電子分野においては封止等を目的として広く使用されるようになってきたが、従来の潜在性硬化剤の多くは固形であり、これを粉砕等により微粒子化して使用する必要があった(特許文献1及び2)。
このような固形の硬化剤は微粒子であるため嵩容積が大きく運搬効率が悪いこと、エポキシド化合物との混合の際に微粒子が飛散して取り扱いが難しいことなどの問題点がある。
一方、前記の問題を解決するために完全液状型の潜在性硬化剤も発明されているものの(特許文献3及び4)、硬化性エポキシド組成物の保存安定性及び硬化性は固形の潜在性硬化剤を用いた時と比べ、著しく低下するという問題点がある。
例えば、2−エチル−4−メチルイミダゾールは融点が約41℃であり、液状で用いることができる。しかしながら、2−エチル−4−メチルイミダゾールをそのまま硬化性エポキシド組成物に用いると、保存安定性が悪く、経時的に粘度が増加してしまうという欠点を有している。また、特許文献3で開示されている、イミダゾール種と亜リン酸種との塩組成物についても固形の潜在性硬化剤に比べるとまだ保存安定性が充分ではなく、特許文献4で開示されている、2級アミン種とイソシアネート種を反応させた尿素化合物については硬化性が充分ではなかった。
特公平6−6620号公報 特公平6−6621号公報 特開2010−168516号公報 特開2013−209567号公報
固形の潜在性硬化剤の問題点である微粒子化による嵩容積増加に起因する輸送運搬効率も、既存の運搬車両の荷台容積を容易に拡大できないため、簡単には解決することができない。この輸送運搬効率を改善するために風袋を圧縮して積載する方法が考えられたが、硬化剤の微粒子の凝集が起こってしまい、硬化性エポキシド組成物に混合する際にうまく分散ができないという問題が起きる場合がある。
また、混合時における微粒子の飛散の問題では、混合作業所に局所排気設備の導入や作業者の呼吸用保護具が必要となり、使用業者や作業者にとっては負担となってしまう場合が少なくない。
更にエポキシドと硬化剤との経時的な分離を防止するために、揺変剤として微粒子シリカを併用する方法が実施されているが、微粒子シリカを計量混合する工程が増えてしまい、作業が煩雑になるという問題がある。
従って、本発明の目的は、簡便な方法により製造することが可能であり、取り扱いが容易である硬化性エポキシド組成物用の液状潜在性硬化剤、及び硬化性と保存安定性に優れる一液性の硬化性エポキシド組成物を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、塩基性化合物を無機物で被覆し、更に酸成分で被覆することによって得られた無機物酸被覆塩基性化合物と、分子内に平均1個以上のチオール基を有するチオール化合物とを混合することにより、取り扱いが容易な液状潜在性硬化剤を得ることができることを見出した。また、塩基性化合物を酸成分で被覆することによって得られた酸被覆塩基性化合物と、分子内に平均1個以上のチオール基を有するチオール化合物とを混合することにより、取り扱いが容易な液状潜在性硬化剤を得ることができることを見出した。更に、分子内に平均1個以上のエポキシ基を有するエポキシド化合物と、前記の液状潜在性硬化剤とを含む一液性の硬化性エポキシド組成物が、良好な硬化性及び保存安定性を得られることを見出した。
本発明は、このような知見に基づくものである。
従って、本発明は、
[1](A)分子内に平均1個以上のチオール基を有するチオール化合物と、(B)前記チオール化合物(A)を活性化できる塩基性化合物とを含む液状潜在性硬化剤組成物であって、前記塩基性化合物(B)が無機物(B−1)で被覆されており、そして無機物(B−1)で被覆された塩基性化合物(B)が酸成分(B−2)で被覆されていることを特徴とする、液状潜在性硬化剤組成物、
[2]塩基性化合物(B)が、チオール化合物(A)100重量部に対して0.1〜100重量部であり、無機物(B−1)が、塩基性化合物(B)100重量部に対して1〜10重量部であり、酸成分(B−2)が塩基性化合物(B)100重量部に対して0.1〜20重量部である、[1]に記載の液状潜在性硬化剤組成物、
[3]無機物(B−1)が、チタン系化合物、ホウ素系化合物、ケイ素系化合物、リン系化合物、ジルコニウム系化合物、及びアルミニウム系化合物からなる群から選択される少なくとも一つである、[1]又は[2]に記載の液状潜在性硬化剤組成物、
[4](A)分子内に平均1個以上のチオール基を有するチオール化合物と、(B)前記チオール化合物(A)を活性化できる塩基性化合物とを含む液状潜在性硬化剤組成物であって、前記塩基性化合物(B)が酸成分(B−2)で被覆されていることを特徴とする、液状潜在性硬化剤組成物、
[5]塩基性化合物(B)が、チオール化合物(A)100重量部に対して0.1〜100重量部であり、酸成分(B−2)が塩基性化合物(B)100重量部に対して0.1〜20重量部である、[1]に記載の液状潜在性硬化剤組成物、
[6]塩基性化合物(B)が、固体分散型アミンアダクト系潜在性硬化剤、常温で固体のイミダゾール化合物、常温で固体のピリジン化合物、常温で固体のトリアジン化合物、及び常温で固体のグアニジン化合物からなる群から選択される少なくとも一つである、[1]〜[5]のいずれかに記載の液状潜在性硬化剤組成物、
[7]酸成分(B−2)が、フェノール系化合物、カルボン酸系化合物、亜リン酸系化合物、リン酸系化合物、ホウ酸系化合物、及びスルホン酸系化合物からなる群から選択される少なくとも一つである、[1]〜[6]のいずれかに記載の液状潜在性硬化剤組成物、
[8][1]〜[7]のいずれかに記載の液状潜在性硬化剤組成物と、(C)分子内に平均1個以上のエポキシ基を有するエポキシド化合物とを含む一液性の硬化性エポキシド組成物、
[9]液状潜在性硬化剤組成物がエポキシド化合物(C)100重量部に対して10〜200重量部である[8]に記載の一液性の硬化性エポキシド組成物、
[10][9]に記載の一液性の硬化性エポキシド組成物を含む塗料、
[11][9]に記載の一液性の硬化性エポキシド組成物を含む接着剤、
[12](1)塩基性化合物(B)を、無機物(B−1)で被覆し、無機物被覆塩基性化合物を得る工程、(2)分子内に平均1個以上のチオール基を有するチオール化合物に、前記無機物被覆塩基性化合物を添加する工程、及び(3)更に酸成分(B−2)を添加し、前記無機物被覆塩基性化合物を、酸成分(B−2)で被覆する工程、を含む、液状潜在性硬化剤組成物の製造方法、
[13]無機物(B−1)の被覆量が、塩基性化合物(B)100重量部に対して1〜10重量部であり、前記塩基性化合物(B)の添加量が、チオール化合物(A)100重量部に対して0.1〜100重量部であり、そして前記酸成分(B−2)の添加量が塩基性化合物(B)100重量部に対して0.1〜20重量部である、[12]に記載の液状潜在性硬化剤組成物の製造方法、
[14](1)分子内に平均1個以上のチオール基を有するチオール化合物に、塩基性化合物(B)を添加する工程、及び(2)酸成分(B−2)を添加し、前記塩基性化合物を、酸成分(B−2)で被覆する工程、を含む、液状潜在性硬化剤組成物の製造方法、及び
[15]前記塩基性化合物(B)の添加量が、チオール化合物(A)100重量部に対して0.1〜100重量部であり、そして前記酸成分(B−2)の添加量が塩基性化合物(B)100重量部に対して0.1〜20重量部である、[14]に記載の液状潜在性硬化剤組成物の製造方法、
に関する。
本発明の液状潜在性硬化剤組成物によれば、従来の固形の潜在性硬化剤と比較すると微粒子化した硬化剤と比較して運搬時の輸送効率も高く、硬化性エポキシド組成物への混合時の取り扱いも容易であるという利点を得ることができる。また、本発明の液状潜在性硬化剤を用いた本発明の一液性の硬化性エポキシド組成物によれば、従来の液状イミダゾール化合物を用いた硬化性エポキシド組成物と比較して、常温における粘度増加が少なく保存安定性が良好であり、加熱により100℃以下でも短時間で硬化させることが可能である。
[1]液状潜在性硬化剤組成物
[1−1]第1の液状潜在性硬化剤組成物(液状潜在性硬化剤組成物(1))
本発明の第1の液状潜在性硬化剤組成物は、(A)分子内に平均1個以上のチオール基を有するチオール化合物と、(B)前記チオール化合物(A)を活性化できる塩基性化合物と、を含む液状潜在性硬化剤組成物であって、前記塩基性化合物(B)が無機物(B−1)で被覆されており、そして無機物(B−1)で被覆された塩基性化合物(B)が酸成分(B−2)で被覆されている。以下、本発明の第1の液状潜在性硬化剤組成物を、液状潜在性硬化剤組成物(1)と称することがある。
本発明の液状潜在性硬化剤組成物(1)は、実施例に記載のように硬化性に優れ、そして粘度増加が少なく保存安定性に優れているが、特に硬化性に優れている。
本発明の硬化性エポキシド組成物用の液状潜在性硬化剤(1)は、限定されるものではないが、分子内に平均1個以上のチオール基を有するチオール化合物(A)に、無機物(B−1)が被覆された塩基性化合物(B)を分散させ、更に酸成分(B−2)で被覆させる事によって得られる。本発明の液状潜在性硬化剤組成物は、加熱により、エポキシド化合物の官能基(例えば、エポキシ基)と反応し、エポキシド化合物を硬化させることができる。しかしながら、常温(例えば0〜40℃)ではエポキシド化合物の官能基と反応しないため、エポキシド化合物と本発明の液状潜在性硬化剤とを混合して、常温に保管しても反応が進行することがなく、安定に保存することができる。
《チオール化合物(A)》
本発明に用いるチオール化合物(A)は、分子内に平均1個以上のチオール基を有する限りにおいて、特に限定されるものではないが、平均1個を超えるチオール基を有するチオール化合物が好ましく、平均2個以上のチオール基を有するチオール化合物が好ましい。平均1個を超えるチオール基を有するチオール化合物は、1個のチオール基を有するチオール化合物と、2個以上のチオール基を有するチオール化合物との混合物を含む。なお、チオール基は、メルカプト基、水硫基、又はスルフヒドリル基と称されることもある。また、本明細書において、チオール化合物(A)を、成分(A)と称することがある。
本発明に用いるチオール化合物(A)は、より具体的には、例えば、β−メルカプトプロピオン酸、2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネート、n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート、メトキシブチル−3−メルカプトプロピオネート、ステアリル−3−メルカプトプロピオネート、トリメチロールプロパン トリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、テトラエチレングリコール ビス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトール ヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、3,3−チオジプロピオン酸、ジチオジプロピオン酸、ラウリルチオプロピオン酸、チオグリコール酸、チオグリコール酸アンモニウム、チオグリコール酸モノエタノールアミン、チオグリコール酸オクチル、チオグリコール酸メトキシブチル、ブタンジオールビスチオグリコレート、ヘキサンジオールビスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ジチオグリコール酸ジアンモニウム、チオリンゴ酸、ステアリルメルカプタン、2−メルカプトエチルオクタン酸エステル、4−メルカプトピリジン、2,4−ジメチルチオフェノール、4−フルオロベンゼンチオール、3,5−ジクロロベンゼンチオール、トリチルメルカプタン、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、又は1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン等を挙げることができ、最終的に液状ならば、これらの1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。
《塩基性化合物(B)》
本発明に用いる塩基性化合物(B)は、成分(A)を活性化できる限りにおいて、特に限定されるものではない。「成分(A)を活性化できる」とは、成分(A)をエポキシド化合物に添加した場合に、成分(A)がエポキシド化合物を硬化させることができる状態に活性化されることを意味する。
また、塩基性化合物(B)は、常温で固体である化合物である。なお、本明細書において、塩基性化合物(B)を成分(B)と称することがある。
本発明に用いる塩基性化合物(B)としては、固体分散型アミンアダクト系潜在性硬化剤、常温で固形のイミダゾール化合物、常温で固形のピリジン化合物、常温で固形のトリアジン化合物、又は常温で固形のグアニジン化合物を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。
前記固体分散型アミンアダクト系潜在性硬化剤としては、より具体的には、例えば、「フジキュアーFXE−1000」、「フジキュアーFXR−1020」、「フジキュアーFXR−1081」(T&K TOKA社製)、「アミキュアPN−23」(味の素ファインテクノ社製)、又は「EH−4346S」(ADEKA社製)等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。なお、固体分散型アミンアダクト系潜在性硬化剤は、(A)成分を活性化でき、またエポキシ基とも反応できる活性水素を有する1、2級アミノ基及び活性水素を有しない3級アミノ基を有する化合物を含む。
前記イミダゾール化合物としては、より具体的には、例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、又は1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。
前記ピリジン化合物としては、より具体的には、例えば、2−シアノピリジン、3−シアノピリジン、3−アミノピリジン、4−シアノピリジン、4−アミノピリジン、4−ヒドロキシピリジン、4−ヒドロキシメチルピリジン、ピコリン酸、ニコチン酸、イソニコチン酸等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。
前記トリアジン化合物としては、より具体的には、例えば、1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリアミノ−1,3,5−トリアジン等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。
前記グアニジン化合物としては、より具体的には、例えば、1−フェニルグアニジン、1,3−ジフェニルグアニジン、1,2,3−トリフェニルグアニジン、ニトログアニジン等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。
本発明に用いる塩基性化合物(B)は、硬化性と保存安定性の観点から、「フジキュアーFXE−1000」、「フジキュアーFXR−1020」、「フジキュアーFXR−1081」(T&K TOKA社製)、「アミキュアPN−23」(味の素ファインテクノ社製)、「EH−4346S」(ADEKA社製)等の固体分散型アミンアダクト系潜在性硬化剤が好ましいがそれに限定されるものではない。
前記塩基性化合物(B)の平均粒子径は、本発明の効果が得られる限りにおいて、特に限定されるものではないが、好ましくは1〜100μmであり、より好ましくは2〜10μmであり、更に好ましくは3〜7μmである。
《無機物(B−1)》
本発明に用いる無機物(B−1)は、常温で固体である化合物であり、特に限定されるものではない。具体的には、無機物(B−1)は、エポキシド化合物との反応性を有さない微粒子が好ましい。
本発明に用いる無機物(B−1)は、より具体的には、例えば、酸化チタン又は窒化チタン等のチタン化合物、窒化ホウ素又は酸化ホウ素等のホウ素化合物、二酸化ケイ素又は窒化ケイ素等のケイ素化合物、リン酸三カリウム又は酸化リン等のリン化合物、酸化ジルコニウム又は窒化ジルコニウム等のジルコニウム化合物、又は酸化アルミニウム又は窒化アルミニウム等のアルミニウム化合物を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。
本発明に用いる無機物(B−1)の平均粒子径は、塩基性化合物(B)の表面を被覆することによって、成分(A)の活性化を抑制できる限りにおいて、限定されるものではないが、好ましくは平均粒子径0.1nm〜1μmであり、より好ましくは0.5nm〜100nmであり、更に好ましくは1nm〜50nmである。
また、塩基性化合物(B)の平均粒子径に対する無機物(B−1)の平均粒子径の比は、本発明の効果が得られる限りにおいて限定されるものではない。すなわち、塩基性化合物(B)を無機物(B−1)が充分に被覆できる限りにおいて限定されるものではないが、塩基性化合物(B)の平均粒子径に対する無機物(B−1)の平均粒子径の上限は、好ましくは1/10であり、より好ましくは1/50であり、更に好ましくは1/100最も好ましくは1/300である。下限は、特に限定されないが好ましくは1/100000であり、より好ましくは1/7500であり、更に好ましくは1/5000であり、最も好ましくは1/2000である。
なお、本明細書において、無機物(B−1)を成分(B−1)と称することがある。
《酸成分(B−2)》
本発明に用いる酸成分(B−2)は、無機物(B−1)で被覆された塩基性化合物(B)の表面を被覆できる限りにおいて、特に限定されるものではないが、チオール化合物に不溶な酸成分が好ましい。
本発明に用いる酸成分(B−2)は、より具体的には、例えば、フェノール、ビスフェノールA等のフェノール化合物、安息香酸やフタル酸等のカルボン酸化合物、亜リン酸、ジフェニルホスファイト等の亜リン酸化合物、リン酸、ジブチルホスフェート等のリン酸化合物、ホウ酸、トリブチルボレート等のホウ酸化合物、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等のスルホン酸化合物等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。
本発明に用いる酸成分(B−2)酸性度は、本発明の効果が得られる限りにおいて、特に限定されるものではないが、酸解離定数pKaが好ましくは1〜10であり、より好ましくは1.25〜9.75であり、更に好ましくは1.5〜9.5である。酸解離定数pKaが前記の範囲であることによって、常温においては、塩基性化合物(B)によるチオール化合物(A)の活性化を抑制し、加熱時においては迅速に塩基性化合物(B)がチオール化合物(A)を活性化できるものである。
なお、本明細書において、酸成分(B−2)を成分(B−2)と称することがある。
本発明の液状潜在性硬化剤組成物に含まれるチオール化合物(A)、塩基性化合物(B)、無機物(B−1)、及び酸成分(B−2)の含有量は、本発明の効果が得られる限りにおいて、限定されるものではないが、好ましくは塩基性化合物(B)が、チオール化合物(A)100重量部に対して0.1〜100重量部であり、無機物(B−1)が、塩基性化合物(B)100重量部に対して1〜10重量部であり、酸成分(B−2)が塩基性化合物(B)100重量部に対して0.1〜20重量部である。
塩基性化合物(B)の含有量は、より好ましくはチオール化合物(A)100重量部に対して1〜50重量部であり、更に好ましくは5〜30重量部である。塩基性化合物(B)の含有量の範囲が1〜50重量部、更に5〜30重量部となるにつれて、一液性の硬化性エポキシド組成物は、更に優れた硬化性及び安定性を示すことができる。
無機物(B−1)の含有量は、より好ましくは塩基性化合物(B)100重量部に対して2〜8重量部であり、更に好ましくは3〜7重量部である。
酸成分(B−2)の含有量は、より好ましくは塩基性化合物(B)100重量部に対して0.5〜15重量部であり、更に好ましくは1〜10重量部である。
《液状潜在性硬化剤(1)の製造方法》
本発明の液状潜在性硬化剤(1)の製造方法は、(1)塩基性化合物(B)を、無機物(B−1)で被覆し、無機物被覆塩基性化合物を得る工程、(2)分子内に平均1個以上のチオール基を有するチオール化合物に、前記無機物被覆塩基性化合物を添加する工程、及び
(3)更に酸成分(B−2)を添加し、前記無機物被覆塩基性化合物を、酸成分(B−2)で被覆し、無機物酸被覆塩基性化合物を得る工程、を含む。
より具体的には、本発明に用いる液状潜在性硬化剤は、チオール化合物(A)に、無機物(B−1)で被覆された無機物被覆塩基性化合物(B)を分散させ、更に酸成分(B−2)で無機物被覆塩基性化合物(B)を被覆させた、無機物酸被覆塩基性化合物を調製することによって得ることができる。この製造方法において、最終的に液状ならば、分子内に平均1個以上のチオール基を有するチオール化合物(A)を1種類用いてもよく、2種以上混合したものを用いてもよい。また、(A)成分を活性化させる塩基性化合物(B)も1種類用いてもよく、2種以上混合したものを用いてもよい。また、無機物(B−1)も1種類用いてもよく、2種以上混合したものを用いてもよい。また、酸成分(B−2)も1種類用いてもよく、2種以上混合したものを用いてもよい。
また、反応温度は被覆処理がなされる限り限定されるものではないが、例えば0〜50℃で反応させることが可能であり、好ましくは10〜40℃であり、より好ましくは20〜30℃である。
塩基性化合物(B)の添加量は、チオール化合物(A)100重量部に対して、0.1〜100重量部が好ましく、1〜50重量部が更に好ましく、5〜30重量部が特に好ましい。塩基性化合物(B)の添加量が分子内に平均1個以上のチオール基を有するチオール化合物(A)100重量部に対して0.1未満であると、一液性の硬化性エポキシド組成物において硬化性に劣るものとなり、100を超えると保存安定性に劣るものとなる。
塩基性化合物(B)を被覆する無機物(B−1)の添加量は、(A)成分を活性化させる塩基性化合物(B)100重量部に対して、1〜10重量部が好ましく、2〜8重量部が更に好ましく、3〜7重量部が特に好ましい。無機物(B−1)の添加量が(A)成分を活性化させる塩基性化合物(B)100重量部に対して1未満であると、一液性の硬化性エポキシド組成物において保存安定性に劣るものとなり、10を超えると硬化性に劣るものとなる。
無機物(B−1)で被覆された塩基性化合物(B)を被覆する酸成分(B−2)の添加量は、(A)成分を活性化させる塩基性化合物(B)100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、0.5〜15重量部が更に好ましく、1〜10重量部が特に好ましい。酸成分(B−2)の添加量が(A)成分を活性化させる塩基性化合物(B)100重量部に対して0.1未満であると、一液性の硬化性エポキシド組成物において保存安定性に劣るものとなり、20を超えると硬化性に劣るものとなる。
[1−2]第2の液状潜在性硬化剤組成物(液状潜在性硬化剤組成物(2))
本発明の第2の液状潜在性硬化剤組成物は、(A)分子内に平均1個以上のチオール基を有するチオール化合物と、(B)前記チオール化合物(A)を活性化できる塩基性化合物とを含む液状潜在性硬化剤組成物であって、前記塩基性化合物(B)が酸成分(B−2)で被覆されている。以下、本発明の第2の液状潜在性硬化剤組成物を、液状潜在性硬化剤組成物(2)と称することがある。
本発明の液状潜在性硬化剤組成物(2)は、実施例に記載のように硬化性に優れ、そして粘度増加が少なく保存安定性に優れているが、特に保存安定性に優れている。
本発明の液状潜在性硬化剤組成物(2)に含まれる「チオール化合物(A)」、「塩基性化合物(B)」、「酸成分(B−2)」は、前記液状潜在性硬化剤組成物(2)の項に記載のものを、制限することなく用いることができる。
本発明の硬化性エポキシド組成物用の液状潜在性硬化剤(2)は、限定されるものではないが、分子内に平均1個以上のチオール基を有するチオール化合物(A)に、酸成分(B−2)で被覆させる事によって得られる。本発明の液状潜在性硬化剤組成物は、加熱により、エポキシド化合物の官能基(例えば、エポキシ基)と反応し、エポキシド化合物を硬化させることができる。しかしながら、常温(例えば0〜40℃)ではエポキシド化合物の官能基と反応しないため、エポキシド化合物と本発明の液状潜在性硬化剤とを混合して、常温に保管しても反応が進行することがなく、安定に保存することができる。
本発明の液状潜在性硬化剤組成物に含まれるチオール化合物(A)、塩基性化合物(B)、及び酸成分(B−2)の含有量は、本発明の効果が得られる限りにおいて、限定されるものではないが、好ましくは塩基性化合物(B)が、チオール化合物(A)100重量部に対して0.1〜100重量部であり、酸成分(B−2)が塩基性化合物(B)100重量部に対して0.1〜20重量部である。
塩基性化合物(B)の含有量は、より好ましくはチオール化合物(A)100重量部に対して1〜50重量部であり、更に好ましくは5〜30重量部である。塩基性化合物(B)の含有量の範囲が1〜50重量部、更に5〜30重量部となるにつれて、一液性の硬化性エポキシド組成物は、更に優れた硬化性及び安定性を示すことができる。
酸成分(B−2)の含有量は、より好ましくは塩基性化合物(B)100重量部に対して0.5〜15重量部であり、更に好ましくは1〜10重量部である。
《液状潜在性硬化剤(2)の製造方法》
本発明の液状潜在性硬化剤の製造方法は、(1)分子内に平均1個以上のチオール基を有するチオール化合物に、塩基性化合物(B)を添加する工程、及び(2)酸成分(B−2)を添加し、前記塩基性化合物を、酸成分(B−2)で被覆し酸被覆塩基性化合物を得る工程、を含む。
より具体的には、本発明に用いる液状潜在性硬化剤は、チオール化合物(A)に、塩基性化合物(B)を分散させ、酸成分(B−2)で塩基性化合物(B)を被覆させた、酸被覆塩基性化合物を調製することによって得ることができる。この製造方法において、最終的に液状ならば、分子内に平均1個以上のチオール基を有するチオール化合物(A)を1種類用いてもよく、2種以上混合したものを用いてもよい。また、(A)成分を活性化させる塩基性化合物(B)も1種類用いてもよく、2種以上混合したものを用いてもよい。また、酸成分(B−2)も1種類用いてもよく、2種以上混合したものを用いてもよい。
また、反応温度は被覆処理がなされる限り限定されるものではないが、例えば0〜50℃で反応させることが可能であり、好ましくは10〜40℃であり、より好ましくは20〜30℃である。
塩基性化合物(B)の添加量は、チオール化合物(A)100重量部に対して、0.1〜100重量部が好ましく、1〜50重量部が更に好ましく、5〜30重量部が特に好ましい。塩基性化合物(B)の添加量が分子内に平均1個以上のチオール基を有するチオール化合物(A)100重量部に対して0.1未満であると、一液性の硬化性エポキシド組成物において硬化性に劣るものとなり、100を超えると保存安定性に劣るものとなる。
塩基性化合物(B)を被覆する酸成分(B−2)の添加量は、(A)成分を活性化させる塩基性化合物(B)100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、0.5〜15重量部が更に好ましく、1〜10重量部が特に好ましい。酸成分(B−2)の添加量が(A)成分を活性化させる塩基性化合物(B)100重量部に対して0.1未満であると、一液性の硬化性エポキシド組成物において保存安定性に劣るものとなり、20を超えると硬化性に劣るものとなる。
本発明の液状潜在性硬化剤組成物(液状潜在性硬化剤組成物(1)及び(2))は、常温(例えば0〜40℃)で液体であり、加熱(例えば、50〜200℃)によりエポキシド化合物を硬化させることができる限り、特に限定されるものではない。
本発明の液状潜在性硬化剤組成物は、一液性の硬化性エポキシド組成物及び二液性の硬化性エポキシド組成物に用いることもできる。しかし、エポキシドと混合した場合において、常温で安定であり長期間、硬化性エポキシド組成物の粘度を上昇させることなく保存することが可能である。従って、一液性の硬化性エポキシド組成物に用いた場合に、その効果をより発揮することができる。
本発明の液状潜在性硬化剤組成物は、必要に応じて、他のエポキシ硬化剤、不活性な有機又は無機顔料、染料、着色剤、退色防止剤、ハレーション防止剤、蛍光増白剤、界面活性剤、可塑剤、難燃剤、酸化防止剤、充填剤、静電防止剤、消泡剤、流動調整剤、促進剤、遅延剤、増粘剤、光安定剤、防かび剤、抗菌剤、防腐剤、磁性体等を含むことができる。
本発明の液状潜在性硬化剤組成物は、エポキシド化合物と混合して硬化性の一液性エポキシド組成物とすることができ、得られた硬化性エポキシド組成物は、接着剤用、塗装用、コーティング用、封止用、含浸用として用いることができる。
[2]一液性の硬化性エポキシド組成物
本発明の一液性の硬化性エポキシド組成物は、前記液状潜在性硬化剤組成物と、(C)分子内に平均1個以上のエポキシ基を有するエポキシド化合物とを含む。
本発明の一液性の硬化性エポキシド組成物は、限定されるものではないが、前記液状潜在性硬化剤と、分子内に平均1個より多くのエポキシ基を有するエポキシド化合物(C)とを混合する事によって得ることができる。
《エポキシド化合物》
本発明に用いるエポキシド化合物は、硬化性エポキシド組成物に用いられているエポキシド化合物であれば、特に限定されるものではないが、分子内に平均1個以上のエポキシ基を有する。エポキシド化合物は、好ましくは平均1個を超えるエポキシ基を有するエポキシ樹脂である。エポキシ基の数は、平均1個以上であれば、特に限定されるものではないが、好ましくは2個以上である。エポキシ基の上限は、エポキシ樹脂組成物におけるエポキシ樹脂の効果を考慮した場合、特に限定されるものではない。なお、「平均」とは、2種類以上のエポキシ樹脂を混合した場合の1分子中の平均のエポキシ基の数を意味する。
エポキシド化合物(C)としては、具体的には、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ヘキサヒドロビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、カテコール、レゾルシン、クレゾールノボラック、テトラブロモビスフェノールA、トリヒドロキシビフェニル、ビスレゾルシノール、ビスフェノールヘキサフルオロアセトン、ハイドロキノン、ビキシレノールなどの多価フェノールとエピクロルヒドリンとを反応させて得られるグリシジルエーテル;グリセリン、ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどの脂肪族多価アルコールとエピクロルヒドリンとを反応させて得られるポリグリシジルエーテル;p−オキシ安息香酸、β−オキシナフトエ酸のようなヒドロキシカルボン酸とエピクロルヒドリンとを反応させて得られるグリシジルエーテルエステル;フタル酸、メチルフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラハイドロフタル酸、ヘキサハイドロフタル酸、エンドメチレンテトラハイドロフタル酸、エンドメチレンヘキサハイドロフタル酸、トリメリット酸、重合脂肪酸のようなポリカルボン酸から得られるポリグリシジルエステル;アミノフェノール、アミノアルキルフェノールから得られるグリシジルアミノグリシジルエーテル;アミノ安息香酸から得られるグリシジルアミノグリシジルエステル;アニリン、トルイジン、トリブロムアニリン、キシリレンジアミン、ジアミノシクロヘキサン、ビスアミノメチルシクロヘキサン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホンなどから得られるグリシジルアミン;エポキシ化ポリオレフィン;グリシジルヒダントイン;グリシジルアルキルヒダントイン、トリグリシジルシアヌレート;あるいはブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アルキルフェニルグリシジルエーテル、安息香酸グリシジルエステル、又はスチレンオキサイドなどに代表されるモノエポキシド等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。
本発明の一液性の硬化性エポキシド組成物に含まれる前記液状潜在性硬化剤組成物と、エポキシド化合物との含有量は、本発明の効果が得られる限りにおいて限定されるものではないが、好ましくは液状潜在性硬化剤組成物が、エポキシド化合物(C)100重量部に対して10〜200重量部であり、より好ましくは20〜150重量部であり、更に好ましくは30〜120重量部である。液状潜在性硬化剤組成物が少ないと、一液性の硬化性エポキシド組成物において硬化性に劣るものとなり、多すぎると保存安定性に劣るものとなる。
本発明の硬化性エポキシド組成物に含まれる、エポキシド化合物(C)、チオール化合物(A)、塩基性化合物(B)、無機物(B−1)、及び酸成分(B−2)の含有量は、本発明の効果が得られる限りにおいて限定されるものではないが、好ましくは、チオール化合物(A)がエポキシド化合物(C)100重量部に対して10〜100重量部であり、塩基性化合物(B)がチオール化合物(A)100重量部に対して0.1〜100重量部であり、無機物(B−1)が塩基性化合物(B)100重量部に対して1〜10重量部であり、酸成分(B−2)が塩基性化合物(B)100重量部に対して0.1〜20重量部である。
本発明の一液性の硬化性エポキシド組成物の調製において、チオール化合物(A)の添加量は、エポキシド化合物(C)100重量部に対して、10〜100重量部が好ましく、20〜90重量部が更に好ましく、30〜80重量部が特に好ましい。チオール化合物(A)の添加量がエポキシド化合物(C)100重量部に対して10未満であると、一液性の硬化性エポキシド組成物において硬化性に劣るものとなり、100を超えると保存安定性に劣るものとなる。
塩基性化合物(B)の添加量は、チオール化合物(A)100重量部に対して、0.1〜100重量部が好ましく、1〜50重量部が更に好ましく、5〜30重量部が特に好ましい。塩基性化合物(B)の添加量が分子内に平均1個以上のチオール基を有するチオール化合物(A)100重量部に対して0.1未満であると、一液性の硬化性エポキシド組成物において硬化性に劣るものとなり、100を超えると保存安定性に劣るものとなる。また、塩基性化合物(B)の添加量の範囲が1〜50重量部、更に5〜30重量部となるにつれて、一液性の硬化性エポキシド組成物は、更に優れた硬化性及び安定性を示すことができる。
塩基性化合物(B)を被覆する無機物(B−1)の添加量は、塩基性化合物(B)100重量部に対して、1〜10重量部が好ましく、2〜8重量部が更に好ましく、3〜7重量部が特に好ましい。無機物(B−1)の添加量が塩基性化合物(B)100重量部に対して1未満であると、一液性の硬化性エポキシド組成物において保存安定性に劣るものとなり、10を超えると硬化性に劣るものとなる。
酸成分(B−2)の添加量は、塩基性化合物(B)100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、0.5〜15重量部が更に好ましく、1〜10重量部が特に好ましい。酸成分(B−2)の添加量が塩基性化合物(B)100重量部に対して0.1未満であると、一液性の硬化性エポキシド組成物において保存安定性に劣るものとなり、20を超えると硬化性に劣るものとなる。
なお、本発明の液状潜在性硬化剤(2)とエポキシド化合物(C)とを混合した一液性の硬化性エポキシド組成物における、チオール化合物(A)の添加量、塩基性化合物(B)の添加量、及び酸成分(B−2)の添加量も、同様である。
本発明の一液性の硬化性エポキシド組成物に含まれる、液状潜在性硬化剤は、一液性の硬化性エポキシド組成物を硬化させるための成分であるが、一液性エポキシド組成物中のエポキシド化合物(C)に対する重量比又はモル比は、一液性エポキシド組成物を任意のゲル化度まで硬化させることができる限り、特に限定されるものではない。すなわち、硬化性エポキシド組成物は、接着剤用、塗装用、コーティング用、封止用、含浸用などの様々な用途に用いるものであり、その用途により所望の硬化状態、硬化時間、使用条件等が異なるため、一液性エポキシド組成物中の分子内に平均1個より多くのエポキシ基を有するエポキシド化合物(C)に対する重量比又はモル比は、適宜選択することができる。
本発明の一液性エポキシド組成物は、必要に応じて他のエポキシ硬化剤、不活性な有機又は無機顔料、染料、着色剤、退色防止剤、ハレーション防止剤、蛍光増白剤、界面活性剤、可塑剤、難燃剤、酸化防止剤、充填剤、静電防止剤、消泡剤、流動調整剤、促進剤、遅延剤、増粘剤、光安定剤、防かび剤、抗菌剤、防腐剤、磁性体等を添加することができる。
本発明の一液性の硬化性エポキシド組成物に必要に応じて用いられるエポキシ硬化剤としては、例えば酸無水物、アミン類、フェノール類、ジヒドラジン類、ルイス酸、ブレンステッド酸塩類、ポリメルカプタン類、イソシアナート類、ブロックイソシアネート類、ジシアンジアミド等を挙げることができる。
本発明の一液性の硬化性エポキシド組成物は、熱硬化性のエポキシド組成物であり、常温(例えば、0℃〜40℃)では硬化しないが、加熱(例えば、50℃〜200℃)により急激に硬化し、接着剤用、塗装用、コーティング用、封止用、含浸用として用いることが可能である。
《作用》
本発明の液状潜在性硬化剤組成物を用いた一液性の硬化性エポキシド組成物が、常温における粘度増加が少なく、保存安定性が良好であり、加熱により100℃以下でも短時間で硬化させることが可能である機構は、詳細には検討されていない。しかしながら、その機構については、以下のように推定することができる。なお、本発明は、以下の説明によって、限定されるものではない。
液状潜在性硬化剤組成物に含まれる塩基性化合物(B)は、チオール化合物(A)を活性化できるものである。一液性の硬化性エポキシド組成物において、温度を上昇させることによって、チオール化合物(A)が活性化される。そして活性化されたチオール化合物(A)によって、エポキシド化合物を硬化させることができる。しかしながら、温度が上昇しない状態でも、塩基性化合物(B)がチオール化合物(A)をわずかに活性化し、保存安定性が悪くなることがある。本発明の液状潜在性硬化剤組成物に含まれる塩基性化合物(B)は、その表面を塩基性化合物(B)より粒径が細かい無機物(B−1)で被覆することによって、塩基性化合物(B)がチオール化合物(A)を活性化することを抑制している。無機物(B−1)は、チオール化合物(A)と相互作用することがなく、塩基性化合物(B)の表面をほぼ被覆できる無機物であれば、本発明の効果を示すと考えられる。しかしながら、無機物(B−1)の被覆のみでは、塩基性化合物(B)とチオール化合物(A)との接触を完全に抑えることができないと考えられた。そのため、無機物(B−1)で被覆された塩基性化合物(B)を、更に酸成分(B−2)で被覆することによって、塩基性化合物(B)がチオール化合物(A)を活性化することを抑制しているものと考えられる。酸成分は、適当な酸解離定数pKaを有しており、常温ではチオール化合物(A)の活性化を抑制するが、温度の上昇によって塩基性化合物(B)がチオール化合物(A)を活性化できるものが好ましい。
一方、塩基性化合物(B)を、酸成分(B−2)のみで被覆することによって、塩基性化合物(B)がチオール化合物(A)を活性化することを抑制しているものと考えられる。
このようなメカニズムによって、液状潜在性硬化剤組成物を用いた一液性の硬化性エポキシド組成物が、常温における粘度増加が少なく、保存安定性が良好であると考えられる。なお、無機物(B−1)及び酸成分(B−2)を用いた液状潜在性硬化剤組成物(1)は、特に硬化性に優れ、酸成分(B−2)を用いた液状潜在性硬化剤組成物(2)は、特に保存安定性に優れていた。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
製造例1〜9においては、本発明の液状潜在性硬化剤を製造した。分子内に平均1個以上のチオール基を有するチオール化合物(A)に無機物(B−1)で被覆させた(A)成分を活性化させる塩基性化合物(B)を分散させ、更に酸成分(B−2)で被覆させる事によって、常温で液状の硬化性エポキシド組成物用の潜在性硬化剤を製造した。
《製造例1》
(1)無機物(B−1)で被覆された塩基性化合物(B)の調製
日本コークス工業社製マルチパーパスミキサーMP5B/I型ミキサーを用いて、FXR−1081に対して、アエロジル300(日本アエロジル社製 親水性微粒子シリカ、1次粒径7nm)を添加し、先端周速64m/sec、冷却水温度10℃、ドライエアーパージの条件で15分間処理して、平均粒子径6.0μmの無機物で被覆された一液型エポキシ組成物用のパウダー型潜在性硬化剤を得た。平均粒子径は、表面処理を行っていないFXR−1081と比較して、ほとんど変化しておらず、硬化剤の破壊は起こっていないものと考えられた。無機物(B−1)の添加量は、塩基性化合物(B)100重量部に対して5重量部とした。
(2)酸成分(B−2)の調製
無水クエン酸(pKa=3.1)100gに対して、蒸留水200gを加えて常温で溶解させ、固形分33.33%のクエン酸水溶液を調製した。
(3)液状潜在性硬化剤組成物の調製
チオール化合物(A)としてペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)(昭和電工社製)を100部、前記工程(1)で得られたパウダー型潜在性硬化剤(無機物(B−1)で被覆された塩基性化合物(B))を10.5部、揺変剤としてアエロジル300を3部、200mLビーカーに添加し、常温で充分に撹拌混合を行った。
これを300mL四つ口フラスコに仕込み、酸成分(B−2)として上記クエン酸水溶液を、塩基性化合物(B)100重量部に対して3部添加し充分に撹拌混合を行った後、常温における減圧操作にて系内の水を除去し、常温で液状の硬化性エポキシド組成物用の潜在性硬化剤を得た。なお、塩基性化合物(B)100重量部に対して、クエン酸は1重量部被覆された。
《製造例2》
酸成分(B−2)としてクエン酸水溶液を塩基性化合物(B)100重量部に対して7.5部用いたことを除いては、製造例1の手順を繰り返した。
《製造例3》
酸成分(B−2)としてクエン酸水溶液を塩基性化合物(B)100重量部に対して15部用いたことを除いては、製造例1の手順を繰り返した。
《製造例4》
酸成分(B−2)としてクエン酸水溶液を塩基性化合物100重量部に対して22.5部用いたことを除いては、製造例1の手順を繰り返した。
《製造例5》
酸成分(B−2)として亜リン酸水溶液を塩基性化合物(B)100重量部に対して2部用いたことを除いては、製造例1の手順を繰り返した。亜リン酸水溶液の調製は以下のように行った。
(2)酸成分(B−2)の調製
亜リン酸(pKa=1.5)100gに対して、蒸留水100gを加えて常温で溶解させ、固形分50%の亜リン酸水溶液を調製した。
なお、塩基性化合物(B)100重量部に対して、亜リン酸は1重量部被覆された。
《製造例6》
酸成分(B−2)として亜リン酸水溶液を塩基性化合物(B)100重量部に対して3部用いたことを除いては、製造例5の手順を繰り返した。
《製造例7》
酸成分(B−2)として亜リン酸水溶液を塩基性化合物(B)100重量部に対して5部用いたことを除いては、製造例5の手順を繰り返した。
《製造例8》
酸成分(B−2)として亜リン酸水溶液を塩基性化合物(B)100重量部に対して6部用いたことを除いては、製造例5の手順を繰り返した。
《製造例9》
酸成分(B−2)として亜リン酸水溶液を塩基性化合物(B)100重量部に対して10部用いたことを除いては、製造例5の手順を繰り返した。
《比較製造例1》
チオール化合物(A)としてペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)100部に対して、塩基性化合物(B)としてFXR−1081を10部、揺変剤としてアエロジル300を3部添加し、常温で充分に撹拌混合を行い常温で液状の硬化性エポキシド組成物用の潜在性硬化剤を得た。
《比較製造例2》
塩基性化合物(B)として、FXR−1030(T&K TOKA社製 固体分散型アミンアダクト系潜在性硬化剤 平均粒子径6.0μm)を用いたことを除いては、比較製造例1の手順を繰り返した。
《比較製造例3》
塩基性化合物(B)として、FXR−1121(T&K TOKA社製 固体分散型アミンアダクト系潜在性硬化剤 平均粒子径6.0μm)を用いたことを除いては、比較製造例1の手順を繰り返した。
《比較製造例4》
前記製造例1の工程(1)において、得られたパウダー型潜在性硬化剤を用いて、いかの操作を行った。
チオール化合物(A)としてペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)100部に対して、パウダー型潜在性硬化剤を10.5部、揺変剤としてアエロジル300を3部添加し、常温で充分に撹拌混合を行い常温で液状の硬化性エポキシド組成物用の潜在性硬化剤を得た。
《比較製造例5》
FXR−1081に代えて、FXR−1030を用いたことを除いては、比較製造例4の手順を繰り返した。
《比較製造例6》
FXR−1081に代えて、FXR−1121を用いたことを除いては、比較製造例4の手順を繰り返した。
《比較製造例7》
塩基性化合物(B)100重量部に対して、無機物(B−1)としてアエロジル300を0.5重量部、酸成分(B−2)として亜リン酸水溶液を10部用いたことを除いては、製造例1の手順を繰り返した。
《比較製造例8》
塩基性化合物(B)100重量部に対して、無機物(B−1)としてアエロジル300を5重量部、酸成分(B−2)として亜リン酸水溶液を0.1部用いたことを除いては、製造例1の手順を繰り返した。
《比較製造例9》
塩基性化合物(B)100重量部に対して、無機物(B−1)としてアエロジル300を12重量部、酸成分(B−2)として亜リン酸水溶液を10部用いたことを除いては、製造例1の手順を繰り返した。
《比較製造例10》
塩基性化合物(B)100重量部に対して、無機物(B−1)としてアエロジル300を5重量部、酸成分(B−2)として亜リン酸水溶液を50部用いたことを除いては、製造例1の手順を繰り返した。
比較製造例1〜3においては、無機物(B−1)及び酸成分(B−2)は未使用で硬化剤を製造した。比較製造例4〜6においては、無機物(B−1)の添加量は、塩基性化合物(B)100重量部に対して5重量部としたが、酸成分(B−2)は未使用で硬化剤を製造した。比較製造例7においては、無機物(B−1)の添加量を塩基性化合物(B)100重量部に対して0.5重量部と過少にした。比較製造例8においては、酸成分(B−2)の添加量を塩基性化合物(B)100重量部に対して0.05重量部と過少にした。比較製造例9においては、無機物(B−1)の添加量を塩基性化合物(B)100重量部に対して12重量部と過剰にした。比較製造例10においては、酸成分(B−2)の添加量を塩基性化合物(B)100重量部に対して25重量部と過剰にした。
表1に、製造例1〜9で得られた本発明の液状潜在性硬化剤(1)、及び比較製造例1〜10で得られた硬化剤組成物に使われている各成分の種類と使用量について記載した。
Figure 2017082219
以下の実施例1〜9では、製造例1〜9で得られた液状潜在性硬化剤を用いて一液性の硬化性エポキシド組成物を製造した。
《実施例1》
エポキシド化合物(C)としてエポキシ当量190のビスフェノールAのジグリシジルエーテル(BADGEと略す)を100部、潜在性硬化剤として、製造例1で得られた常温で液状の潜在性硬化剤を50部混合して、一液性の硬化性エポキシド組成物を得た。
《実施例2》
潜在性硬化剤として、製造例2で得られた常温で液状の潜在性硬化剤50部用いたことを除いては、実施例1の手順を繰り返した。
《実施例3》
潜在性硬化剤として、製造例3で得られた常温で液状の潜在性硬化剤50部用いたことを除いては、実施例1の手順を繰り返した。
《実施例4》
潜在性硬化剤として、製造例4で得られた常温で液状の潜在性硬化剤50部用いたことを除いては、実施例1の手順を繰り返した。
《実施例5》
潜在性硬化剤として、製造例5で得られた常温で液状の潜在性硬化剤50部用いたことを除いては、実施例1の手順を繰り返した。
《実施例6》
潜在性硬化剤として、製造例6で得られた常温で液状の潜在性硬化剤50部用いたことを除いては、実施例1の手順を繰り返した。
《実施例7》
潜在性硬化剤として、製造例7で得られた常温で液状の潜在性硬化剤50部用いたことを除いては、実施例1の手順を繰り返した。
《実施例8》
潜在性硬化剤として、製造例8で得られた常温で液状の潜在性硬化剤50部用いたことを除いては、実施例1の手順を繰り返した。
《実施例9》
潜在性硬化剤として、製造例9で得られた常温で液状の潜在性硬化剤50部用いたことを除いては、実施例1の手順を繰り返した。
以下の比較例1〜10では、比較製造例1〜10で得られた液状潜在性硬化剤を用いて一液性の硬化性エポキシド組成物を製造した。
《比較例1》
潜在性硬化剤として、比較製造例1で得られた常温で液状の潜在性硬化剤50部用いたことを除いては、実施例1の手順を繰り返した。
《比較例2》
潜在性硬化剤として、比較製造例2で得られた常温で液状の潜在性硬化剤50部用いたことを除いては、実施例1の手順を繰り返した。
《比較例3》
潜在性硬化剤として、比較製造例3で得られた常温で液状の潜在性硬化剤50部用いたことを除いては、実施例1の手順を繰り返した。
《比較例4》
潜在性硬化剤として、比較製造例4で得られた常温で液状の潜在性硬化剤50部用いたことを除いては、実施例1の手順を繰り返した。
《比較例5》
潜在性硬化剤として、比較製造例5で得られた常温で液状の潜在性硬化剤50部用いたことを除いては、実施例1の手順を繰り返した。
《比較例6》
潜在性硬化剤として、比較製造例6で得られた常温で液状の潜在性硬化剤50部用いたことを除いては、実施例1の手順を繰り返した。
《比較例7》
潜在性硬化剤として、比較製造例7で得られた常温で液状の潜在性硬化剤50部用いたことを除いては、実施例1の手順を繰り返した。
《比較例8》
潜在性硬化剤として、比較製造例8で得られた常温で液状の潜在性硬化剤50部用いたことを除いては、実施例1の手順を繰り返した。
《比較例9》
潜在性硬化剤として、比較製造例9で得られた常温で液状の潜在性硬化剤50部用いたことを除いては、実施例1の手順を繰り返した。
《比較例10》
潜在性硬化剤として、比較製造例10で得られた常温で液状の潜在性硬化剤50部用いたことを除いては、実施例1の手順を繰り返した。
《製造例10》
(1)酸成分(B−2)の調製
亜リン酸(pKa=1.5)100gに対して、蒸留水100gを加えて常温で溶解させ、固形分50%の亜リン酸水溶液を調製した。
(2)液状潜在性硬化剤組成物の調製
チオール化合物(A)としてペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)(昭和電工社製)を100部、塩基性化合物(B)としてFXR−1081を10部、揺変剤としてアエロジル300を3部、200mLビーカーに添加し、常温で充分に撹拌混合を行った。
これを300mL四つ口フラスコに仕込み、酸成分(B−2)として上記亜リン酸水溶液を、塩基性化合物(B)100重量部に対して2部添加し充分に撹拌混合を行った後、常温における減圧操作にて系内の水を除去し、常温で液状の硬化性エポキシド組成物用の潜在性硬化剤を得た。なお、塩基性化合物(B)100重量部に対して、亜リン酸は1重量部被覆された。
《製造例11》
酸成分(B−2)として亜リン酸水溶液を塩基性化合物(B)100重量部に対して6部用いたことを除いては、製造例10の手順を繰り返した。なお、塩基性化合物(B)100重量部に対して、亜リン酸は3重量部被覆された。
《製造例12》
酸成分(B−2)として亜リン酸水溶液を塩基性化合物(B)100重量部に対して10部用いたことを除いては、製造例10の手順を繰り返した。なお、塩基性化合物(B)100重量部に対して、亜リン酸は5重量部被覆された。
《製造例13》
塩基性化合物(B)として、F−1061(T&K TOKA社製 固体分散型アミンアダクト系潜在性硬化剤 平均粒子径6.0μm)を用いたことを除いては、製造例10の手順を繰り返した。
《製造例14》
塩基性化合物(B)として、F−1061を用いたことを除いては、製造例11の手順を繰り返した。
《製造例15》
塩基性化合物(B)として、F−1061を用いたことを除いては、製造例12の手順を繰り返した。
表2に、製造例10〜15で得られた本発明の液状潜在性硬化剤(2)に使われている各成分の種類と使用量について記載した。
Figure 2017082219
以下の実施例10〜15では、製造例10〜15で得られた液状潜在性硬化剤を用いて一液性の硬化性エポキシド組成物を製造した。
《実施例10》
潜在性硬化剤として、製造例10で得られた常温で液状の潜在性硬化剤50部用いたことを除いては、実施例1の手順を繰り返した。
《実施例11》
潜在性硬化剤として、製造例11で得られた常温で液状の潜在性硬化剤50部用いたことを除いては、実施例1の手順を繰り返した。
《実施例12》
潜在性硬化剤として、製造例12で得られた常温で液状の潜在性硬化剤50部用いたことを除いては、実施例1の手順を繰り返した。
《実施例13》
潜在性硬化剤として、製造例13で得られた常温で液状の潜在性硬化剤50部用いたことを除いては、実施例1の手順を繰り返した。
《実施例14》
潜在性硬化剤として、製造例14で得られた常温で液状の潜在性硬化剤50部用いたことを除いては、実施例1の手順を繰り返した。
《実施例15》
潜在性硬化剤として、製造例15で得られた常温で液状の潜在性硬化剤50部用いたことを除いては、実施例1の手順を繰り返した。
前記実施例1〜15で得られた本発明の一液性の硬化性エポキシド組成物、及び前記比較例1〜10で得られた硬化性エポキシド組成物について、常温における粘度増加及び各温度での加熱を行った場合の硬化性を、以下の方法により検討した。
《粘度増加の評価》
得られた硬化性エポキシド組成物を23℃で1、7、14、28日間保存したものの流動性を目視で評価した。
○:流動性あり
×:流動性なし
《硬化性の評価》
得られた硬化性エポキシド組成物のゲル化時間を安田式ゲルタイマーにて測定した。具体的には、試料として硬化性エポキシド組成物2.0gを試験管に入れ、オイルバスで所定温度に保持した。試料中にガラス棒を挿入し回転することによって攪拌させ、攪拌が不可能となった時間を、ゲル化時間とした。判定は、以下の基準によって行った。
50℃
○:3時間以内にゲル化
×:3時間でゲル化せず
60℃
○:1時間以内にゲル化
×:1時間でゲル化せず
70℃
○:20分以内にゲル化
×:20分でゲル化せず
80℃
○:5分以内にゲル化
×:5分でゲル化せず
100℃
○:3分以内にゲル化
×:3分でゲル化せず
表3に、実施例1〜9で得られた本発明の液状潜在性硬化剤(1)を含む一液性の硬化性エポキシド組成物、及び前記比較例1〜10で得られた硬化性エポキシド組成物に用いた硬化剤の種類、エポキシド化合物に対する硬化剤組成物の配合重量比、粘度増加の評価結果、及び硬化性の評価結果を記載した。
Figure 2017082219
実施例1〜9では、製造例1〜9で得られた液状潜在性硬化剤(1)を用いて、一液性の硬化性エポキシド組成物を調製した。得られた硬化性エポキシド組成物は、硬化性、保存安定性について良好な結果を示した。
比較例1〜10では、比較製造例1〜10で得られた液状潜在性硬化剤を用いて、一液性の硬化性エポキシド組成物を調製した。
比較例1〜3においては、無機物(B−1)及び酸成分(B−2)を使用せず液状潜在性を調製した。得られた硬化性エポキシド組成物は硬化性に優れるものの保存安定性が悪く、23℃で7日後には流動性は失われていた。比較例4〜6においては、無機物(B−1)は使用したが、酸成分(B−2)は使用せず液状潜在性を調製した。得られた硬化性エポキシド組成物は硬化性に優れるものの保存安定性が悪く、23℃で14日後には流動性は失われていた。比較例7においては、無機物(B−1)のみ過少量とし、液状潜在性を調製した。得られた硬化性エポキシド組成物は硬化性に優れるものの保存安定性が悪く、23℃で28日後には流動性は失われていた。比較例8においては、酸成分(B−2)のみ過少量とし、液状潜在性を調製した。得られた硬化性エポキシド組成物は硬化性に優れるものの保存安定性が悪く、23℃で28日後には流動性は失われていた。比較例9においては、無機物(B−1)のみ過剰量とし、液状潜在性を調製した。得られた硬化性エポキシド組成物は保存安定性に優れるものの硬化性が悪く、所定温度で所定時間内にゲル化しなかった。比較例10においては、酸成分(B−2)のみ過剰量とし、液状潜在性を調製した。得られた硬化性エポキシド組成物は保存安定性に優れるものの硬化性が悪く、所定温度で所定時間内にゲル化しなかった。
以上の説明により、分子内に平均1個以上のチオール基を有するチオール化合物(A)に無機物(B−1)で被覆させた(A)成分を活性化できる塩基性化合物(B)を分散させ、更に酸成分(B−2)で被覆させる事によって熱硬化性エポキシド組成物用の液状潜在性硬化剤を得ることが可能であり、分子内に平均1個以上のエポキシ基を有するエポキシド化合物(C)と混合する事によって加熱時の硬化性と、室温での保存安定性を両立した一液性の硬化性エポキシド組成物を提供し得ることは明らかである。
表4に、実施例10〜15で得られた本発明の液状潜在性硬化剤(2)を含む一液性の硬化性エポキシド組成物の種類、エポキシド化合物に対する硬化剤組成物の配合重量比、粘度増加の評価結果、及び硬化性の評価結果を記載した。
Figure 2017082219
実施例10〜15では、製造例10〜15で得られた液状潜在性硬化剤(2)を用いて、一液性の硬化性エポキシド組成物を調製した。得られた硬化性エポキシド組成物は、硬化性、保存安定性について良好な結果を示した。
以上の説明により、分子内に平均1個以上のチオール基を有するチオール化合物(A)に塩基性化合物(B)を分散させ、酸成分(B−2)で被覆させる事によって熱硬化性エポキシド組成物用の液状潜在性硬化剤を得ることが可能であり、分子内に平均1個以上のエポキシ基を有するエポキシド化合物(C)と混合する事によって加熱時の硬化性と、室温での保存安定性を両立した一液性の硬化性エポキシド組成物を提供し得ることは明らかである。
本発明の常温で液状の硬化性エポキシド組成物用の潜在性硬化剤によれば、従来は固形であった潜在性硬化剤と異なり液状であるため、取り扱いが容易な液状の硬化性エポキシド組成物用の潜在性硬化剤を得ることが可能である。また常温で液状の硬化性エポキシド組成物用の潜在性硬化剤を用いてエポキシド組成物とすることで、混合が容易で且つ室温での保存安定性及び加熱時の硬化性を両立した一液性の硬化性エポキシド組成物を得ることができる。

Claims (15)

  1. (A)分子内に平均1個以上のチオール基を有するチオール化合物と、
    (B)前記チオール化合物(A)を活性化できる塩基性化合物と
    を含む液状潜在性硬化剤組成物であって、前記塩基性化合物(B)が無機物(B−1)で被覆されており、そして無機物(B−1)で被覆された塩基性化合物(B)が酸成分(B−2)で被覆されていることを特徴とする、液状潜在性硬化剤組成物。
  2. 塩基性化合物(B)が、チオール化合物(A)100重量部に対して0.1〜100重量部であり、無機物(B−1)が、塩基性化合物(B)100重量部に対して1〜10重量部であり、酸成分(B−2)が塩基性化合物(B)100重量部に対して0.1〜20重量部である、請求項1に記載の液状潜在性硬化剤組成物。
  3. 無機物(B−1)が、チタン系化合物、ホウ素系化合物、ケイ素系化合物、リン系化合物、ジルコニウム系化合物、及びアルミニウム系化合物からなる群から選択される少なくとも一つである、請求項1又は2に記載の液状潜在性硬化剤組成物。
  4. (A)分子内に平均1個以上のチオール基を有するチオール化合物と、
    (B)前記チオール化合物(A)を活性化できる塩基性化合物と
    を含む液状潜在性硬化剤組成物であって、前記塩基性化合物(B)が酸成分(B−2)で被覆されていることを特徴とする、液状潜在性硬化剤組成物。
  5. 塩基性化合物(B)が、チオール化合物(A)100重量部に対して0.1〜100重量部であり、酸成分(B−2)が塩基性化合物(B)100重量部に対して0.1〜20重量部である、請求項4に記載の液状潜在性硬化剤組成物。
  6. 塩基性化合物(B)が、固体分散型アミンアダクト系潜在性硬化剤、常温で固体のイミダゾール化合物、常温で固体のピリジン化合物、常温で固体のトリアジン化合物、及び常温で固体のグアニジン化合物からなる群から選択される少なくとも一つである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の液状潜在性硬化剤組成物。
  7. 酸成分(B−2)が、フェノール系化合物、カルボン酸系化合物、亜リン酸系化合物、リン酸系化合物、ホウ酸系化合物、及びスルホン酸系化合物からなる群から選択される少なくとも一つである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の液状潜在性硬化剤組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の液状潜在性硬化剤組成物と、
    (C)分子内に平均1個以上のエポキシ基を有するエポキシド化合物と
    を含む一液性の硬化性エポキシド組成物。
  9. 液状潜在性硬化剤組成物がエポキシド化合物(C)100重量部に対して10〜200重量部である、請求項8に記載の一液性の硬化性エポキシド組成物。
  10. 請求項9に記載の一液性の硬化性エポキシド組成物を含む塗料。
  11. 請求項9に記載の一液性の硬化性エポキシド組成物を含む接着剤。
  12. (1)塩基性化合物(B)を、無機物(B−1)で被覆し、無機物被覆塩基性化合物を得る工程、
    (2)分子内に平均1個以上のチオール基を有するチオール化合物に、前記無機物被覆塩基性化合物を添加する工程、及び
    (3)更に酸成分(B−2)を添加し、前記無機物被覆塩基性化合物を、酸成分(B−2)で被覆する工程、
    を含む、液状潜在性硬化剤組成物の製造方法。
  13. 無機物(B−1)の被覆量が、塩基性化合物(B)100重量部に対して1〜10重量部であり、前記塩基性化合物(B)の添加量が、チオール化合物(A)100重量部に対して0.1〜100重量部であり、そして前記酸成分(B−2)の添加量が塩基性化合物(B)100重量部に対して0.1〜20重量部である、請求項12に記載の液状潜在性硬化剤組成物の製造方法。
  14. (1)分子内に平均1個以上のチオール基を有するチオール化合物に、塩基性化合物(B)を添加する工程、及び
    (2)酸成分(B−2)を添加し、前記塩基性化合物を、酸成分(B−2)で被覆する工程、
    を含む、液状潜在性硬化剤組成物の製造方法。
  15. 前記塩基性化合物(B)の添加量が、チオール化合物(A)100重量部に対して0.1〜100重量部であり、そして前記酸成分(B−2)の添加量が塩基性化合物(B)100重量部に対して0.1〜20重量部である、請求項14に記載の液状潜在性硬化剤組成物の製造方法。
JP2016212779A 2015-10-29 2016-10-31 液状潜在性硬化剤組成物及びそれを用いた一液性の硬化性エポキシド組成物 Active JP6675965B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015213375 2015-10-29
JP2015213375 2015-10-29

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017082219A true JP2017082219A (ja) 2017-05-18
JP6675965B2 JP6675965B2 (ja) 2020-04-08

Family

ID=58710891

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016212779A Active JP6675965B2 (ja) 2015-10-29 2016-10-31 液状潜在性硬化剤組成物及びそれを用いた一液性の硬化性エポキシド組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6675965B2 (ja)

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63178125A (ja) * 1987-01-16 1988-07-22 Taoka Chem Co Ltd 硬化性組成物
JPH06211969A (ja) * 1992-10-22 1994-08-02 Ajinomoto Co Inc エポキシ樹脂組成物
JPH11130841A (ja) * 1997-10-29 1999-05-18 Hitachi Chem Co Ltd エポキシ樹脂組成物、接着剤、回路接続用組成物及びこれを用いたフィルム
JPH11256013A (ja) * 1998-03-12 1999-09-21 Ajinomoto Co Inc エポキシ樹脂組成物
JP2000230112A (ja) * 1999-02-12 2000-08-22 Ajinomoto Co Inc 導電性樹脂組成物
JP2007091899A (ja) * 2005-09-29 2007-04-12 Asahi Kasei Chemicals Corp 高安定性エポキシ樹脂用硬化剤およびエポキシ樹脂組成物
WO2009107861A1 (ja) * 2008-02-29 2009-09-03 株式会社スリーボンド マイクロカプセルおよびマイクロカプセル含有硬化性樹脂組成物
JP2010168516A (ja) * 2009-01-26 2010-08-05 Fuji Kasei Kogyo Co Ltd 液状の潜在性硬化剤組成物及び一液性の硬化性エポキシド組成物
JP2014152236A (ja) * 2013-02-07 2014-08-25 Asahi Kasei E-Materials Corp エポキシ樹脂組成物、及び加工品

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63178125A (ja) * 1987-01-16 1988-07-22 Taoka Chem Co Ltd 硬化性組成物
JPH06211969A (ja) * 1992-10-22 1994-08-02 Ajinomoto Co Inc エポキシ樹脂組成物
JPH11130841A (ja) * 1997-10-29 1999-05-18 Hitachi Chem Co Ltd エポキシ樹脂組成物、接着剤、回路接続用組成物及びこれを用いたフィルム
JPH11256013A (ja) * 1998-03-12 1999-09-21 Ajinomoto Co Inc エポキシ樹脂組成物
JP2000230112A (ja) * 1999-02-12 2000-08-22 Ajinomoto Co Inc 導電性樹脂組成物
JP2007091899A (ja) * 2005-09-29 2007-04-12 Asahi Kasei Chemicals Corp 高安定性エポキシ樹脂用硬化剤およびエポキシ樹脂組成物
WO2009107861A1 (ja) * 2008-02-29 2009-09-03 株式会社スリーボンド マイクロカプセルおよびマイクロカプセル含有硬化性樹脂組成物
JP2010168516A (ja) * 2009-01-26 2010-08-05 Fuji Kasei Kogyo Co Ltd 液状の潜在性硬化剤組成物及び一液性の硬化性エポキシド組成物
JP2014152236A (ja) * 2013-02-07 2014-08-25 Asahi Kasei E-Materials Corp エポキシ樹脂組成物、及び加工品

Also Published As

Publication number Publication date
JP6675965B2 (ja) 2020-04-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6534189B2 (ja) 樹脂組成物
AU740553B2 (en) Curable epoxy-based compositions
JP3391074B2 (ja) エポキシ樹脂組成物
JP2014500895A (ja) 安定性が改善されたエポキシ−チオール組成物
JP6742027B2 (ja) 樹脂組成物
JP5441447B2 (ja) 電子部品用絶縁塗料およびこれを利用した電子部品
JP6450681B2 (ja) 一液型硬化性樹脂組成物
JP2001316451A (ja) エポキシ樹脂組成物
JP5377990B2 (ja) 液状の潜在性硬化剤組成物及び一液性の硬化性エポキシド組成物
JP6675965B2 (ja) 液状潜在性硬化剤組成物及びそれを用いた一液性の硬化性エポキシド組成物
JP6174461B2 (ja) エポキシ樹脂組成物および硬化物
WO2020080390A1 (ja) 樹脂組成物
JP3837134B2 (ja) 一成分系加熱硬化性エポキシド組成物
TWI817988B (zh) 環氧樹脂組成物
KR102080030B1 (ko) 열전도성 접착제 조성물
JP2017193630A (ja) 硬化性樹脂組成物
TWI775813B (zh) 使用金屬奈米粒子及含氮催化劑之環氧樹脂穩定化以及方法
JP6385116B2 (ja) 加熱硬化型エポキシ樹脂用硬化剤及びそれを含む一液性加熱硬化型エポキシ樹脂組成物
JP2019104811A (ja) 潜在性硬化剤組成物及びそれを含む一液性硬化性エポキシド組成物
CN105899635A (zh) 导电性粘接剂和半导体装置
JP5547931B2 (ja) 電子部品接合用接着剤
JP2022151779A (ja) 樹脂組成物
WO2023022148A1 (ja) エポキシ樹脂組成物
JP2022151308A (ja) 熱硬化性接着剤組成物及びその硬化物並びに接合体
JP6082527B2 (ja) 液状の潜在性硬化剤及び一液性の硬化性エポキシド組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190731

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20190731

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20190807

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191111

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191119

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200110

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200310

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200311

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6675965

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250