JPH06206980A - 難燃性エポキシ樹脂組成物及びプリプレグ - Google Patents

難燃性エポキシ樹脂組成物及びプリプレグ

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JPH06206980A
JPH06206980A JP425493A JP425493A JPH06206980A JP H06206980 A JPH06206980 A JP H06206980A JP 425493 A JP425493 A JP 425493A JP 425493 A JP425493 A JP 425493A JP H06206980 A JPH06206980 A JP H06206980A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 難燃性、耐衝撃性及び耐熱性の全てを兼ね備
え、優れた機械的特性を有する難燃性エポキシ樹脂組成
物及びその樹脂組成物を用いたプリプレグを提供する。 【構成】 本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物は、次の
(A)〜(F)の成分を必須として含む。 (A)ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキ
シ樹脂、(B)N,N,N’,N’−テトラグリシジル
ジアミノジフェニルメタン、(C)ウレタン変性エポキ
シ樹脂、(D)硬化剤、(E)臭素含有量が60%以上
の有機ハロゲン化合物、(F)自身がUL規格94V−
0に相当する難燃性熱可塑性樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多層積層用材料、成形
材料、複合材料及び接着剤として有用な機械的特性、耐
衝撃性に優れた難燃性エポキシ樹脂組成物及びプリプレ
グに関する。
【0002】
【従来の技術】航空宇宙分野、車両分野等を対象として
各種エポキシ樹脂組成物が開発されてきているが、近
年、特に難燃性の向上が強く要望されるようになってき
ている。従来、エポキシ樹脂の難燃化手法としては、 a.ハロゲン化エポキシ樹脂の配合 b.ハロゲン化合物、リン化合物等の添加型難燃剤の配
合 c.水酸化アルミニウム等の無機質充填材の配合 等が知られている。しかし、これらの方法で得られるエ
ポキシ樹脂組成物は、一般に耐衝撃性が劣り、適用分野
が限定される。そこで、難燃性マトリックス樹脂の耐衝
撃性向上を目的として、種々の手法が提案されている。
例えば、 特開昭54−74899号公報では、ブロム化ビスフ
ェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂とN,
N,N’,N’−テトラグリシジル−ビス(アミノフェ
ニル)メタン及び/又はその縮合生成物とウレタン変性
エポキシ樹脂とジシアンジアミドを含浸させることで、
硬化物の耐衝撃性を向上させる手法が開示されている。
【0003】特開平02−11686号公報では、ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂とウレタン変性エポキシ
樹脂、アルミナ及び水酸化アルミニウム、三酸化アンチ
モン等を併用することで、可撓性を有するエポキシ樹脂
系接着剤を得る手法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
手法はいずれも耐衝撃性の付与効果が不十分であるばか
りか、高度の難燃性と耐衝撃性を兼備させることができ
ない。ウレタン変性エポキシ樹脂の配合により耐衝撃性
の向上が可能ではあるが、ウレタン変性エポキシ樹脂は
難燃性が不十分であるため、ブロム化ビスフェノールA
型エポキシ樹脂あるいは無機質充填材等を高配合しなけ
ればならない。
【0005】しかし、特開昭55−92757号公報、
特開昭59−33322号公報、特開昭62−2859
46号公報等で指摘されているように、臭素含有エポキ
シ樹脂の配合割合が多くなると、機械的特性、耐熱性に
優れた樹脂組成物が得難くなる。また、特開平1−19
7554号公報等で指摘されているように、水酸化アル
ミニウム等の無機質充填材の配合割合が多くなるとチク
ソトロピー性が増し、成形性が不良になる。且つ、機械
的特性も大きく低下してしまう。
【0006】また、特開昭62−138524号公報に
示されたビスフェノールA型エポキシ樹脂又はビスフェ
ノールF型エポキシ樹脂及びクレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂に臭素含有量が70〜85%の臭素化芳香族
化合物を配合した樹脂組成物は、難燃性は良好である
が、耐衝撃性は非常に弱いものであった。そこで本発明
は、前記従来のエポキシ樹脂組成物にない性質、即ち、
難燃性、耐衝撃性及び耐熱性を全て兼ね備えた難燃性エ
ポキシ樹脂組成物及びその樹脂組成物を用いたプリプレ
グを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の問
題を解決するために鋭意研究した結果、以下、の手
法を用いてビスフェノールAジグリシジルエーテル型エ
ポキシ樹脂とN,N,N’,N’−テトラグリシジルジ
アミノジフェニルメタンの混合物を改質することにより
難燃性、耐衝撃性、及び耐熱性の全てを兼備した樹脂組
成物を見出し、本発明に至った。
【0008】ウレタン変性エポキシ樹脂と臭素含有量
が60%以上のハロゲン化物を配合すること。 自身がUL規格94V−0に相当する難燃性熱可塑性
樹脂を配合すること。 即ち、本発明は、下記の(A)〜(F)成分、(A)ビ
スフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、
(B)N,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノ
ジフェニルメタン、(C)ウレタン変性エポキシ樹脂、
(D)硬化剤、(E)臭素含有量が60%以上の有機ハ
ロゲン化合物、(F)自身がUL規格94V−0に相当
する難燃性熱可塑性樹脂、を必須成分として含む難燃性
エポキシ樹脂組成物とするものである。
【0009】このような樹脂組成物により、本発明は、
難燃性がUL94規格でV−1以上、耐熱性がガラス転
移温度で120℃以上、且つ、複合材料の衝撃後圧縮強
度が20kgf/mm2 以上、層間剪断強度が7kgf
/mm2 以上の難燃性エポキシ樹脂組成物を提供するも
のである。さらに本発明は、この難燃性エポキシ樹脂組
成物を含浸してなるプリプレグを提供するものである。
【0010】(A)成分としての「ビスフェノールAジ
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂」は、中程度の難燃
性、中程度の耐熱性、及び中程度の耐衝撃性を兼ね備え
た性質を持つ樹脂であり、次のエポキシ当量に特に限定
されないが、プリプレグ製造時の作業性及びプリプレグ
の取扱性の点から、エポキシ当量が160〜1100程
度とすると粘度が適度になり好ましい。ビスフェノール
Aジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては、例え
ば、エピコート827,エピコート828,エピコート
1001,エピコート1002,エピコート1004
(以上、商品名、油化シェルエポキシ(株)製)等が挙
げられる。
【0011】(B)成分としての「N,N,N’,N’
−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン」は、耐
熱性及び機械的特性(特に、高い層間剪断強度)を付与
するために加える。この化合物は多官能エポキシ樹脂で
あるために、その硬化物は架橋密度が高く、耐熱性の高
いものとなる。またこの化合物の分子内のアミン窒素原
子が炭素繊維との密着性に優れるという特徴を有する。
【0012】このN,N,N’,N’−テトラグリシジ
ルジアミノジフェニルメタンには、例えば、ELM−4
34(商品名、住友化学工業(株)製)、エピコート6
04(商品名、油化シェルエポキシ(株)製)等が挙げ
られる。(C)成分としての「ウレタン変性エポキシ樹
脂」は耐衝撃性を付与するために加える。次のものに特
に限定されるものではないが、プリプレグ製造時の作業
性及びプリプレグの取扱性の点からエポキシ当量が20
0〜500程度のものが好ましい。(C)成分のウレタ
ン変性エポキシ樹脂としては、例えば、EPU−6、E
PU−11、EPU−15(以上、商品名、旭電化工業
(株)製)等が挙げられる。
【0013】(D)成分としての「硬化剤」は、エポキ
シ樹脂の硬化剤であれば特に限定されないが、硬化性及
び保存性の点から、芳香族アミンが好ましい。特に、ジ
シアンジアミド及び/又は4,4’−ジアミノジフェニ
ルスルホンを用いた場合は、耐衝撃性が良好なので有利
である。(E)成分としての「臭素含有量が60%以上
の有機ハロゲン化合物」としては、例えば、ヘキサブロ
ムベンゼン、ペンタブロムトルエン、ヘキサブロムシク
ロドデカン、デカブロムジフェニル、ビス(ペンタブロ
モフェノキシエタン)等が挙げられる。
【0014】特に、臭素含有量が80%以上のヘキサブ
ロムベンゼン、ペンタブロムトルエンの1種または混合
物を用いた場合は、難燃性が格段に向上するので有利で
ある。(F)成分としての「自身がUL規格94V−0
に相当する難燃性熱可塑性樹脂」は、難燃性と耐衝撃性
を付与する目的で加える。
【0015】この「自身がUL規格94V−0に相当す
る難燃性熱可塑性樹脂」について説明する。「UL」と
は、アメリカ合衆国デラウェア州法によって設立された
団体、即ち、アメリカ保険業者安全試験所(UL)であ
る。「UL94規格」とは、そのアメリカ保険業者安全
試験所(UL)が制定した規格であり、現在、米国の電
気製品の多くはこのUL規格認定品である。そして、
「UL規格94V−0」とは、この「UL94規格」に
準拠した燃焼性についての規格である。次に、「UL9
4規格」に準拠した燃焼試験法を示す。
【0016】垂直燃焼試験 試料寸法は127mm×12.7mm×4mmとする。
ブンゼンバーナーの青色炎の高さを3/4インチに調節
し、垂直に保持した試験片下端中央に点火する。火炎を
取り去った後、消火するまでの平均時間が5秒以内なら
94V−0、25秒以内なら94V−1となる。平均時
間が25秒以内でも有炎滴下物がある場合には、94V
−2となる。
【0017】垂直燃焼試験に合格しない場合は、UL9
4規格に準拠し、水平燃焼試験を行なう。つぎにその水
平燃焼試験を示す。水平燃焼試験 試料寸法は127mm×12.7mm×4mmとする。
ブンゼンバーナーの青色炎の高さを1インチに調節し、
試験片自由端に点火する。火炎を30秒間あてて取り去
った後の燃焼速度が38mm/分以下ならば、94HB
となる。
【0018】なお、「UL94規格」は、西沢著「ポリ
マーの難燃化−その化学と実際」大成社(1979)、
及び英著「プラスチックの難燃化−低発煙化と有害燃焼
ガス対策」日刊工業新聞社(1978)に詳説されてい
る。(F)成分としては自身がUL規格94V−0に相
当する熱可塑性樹脂であれば、いかなる樹脂であっても
良い。このような樹脂には、例えば、ポリアミドイミド
樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテル
サルフォン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポ
リエーテルイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサル
フォン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂等が挙げられ
る。特に、ポリエーテルイミド樹脂がエポキシ樹脂の耐
衝撃性向上に有用であるために好適に用いられる。
【0019】本発明における樹脂組成物の各成分の含有
比率は以下のようにするのが望ましい。即ち、(B)成
分である「N,N,N’,N’−テトラグリシジルジア
ミノジフェニルメタン」は、10〜40重量部が好まし
い。その理由は10重量部未満では耐熱性及び機械的特
性が不十分であり、40重量部を越えると、耐衝撃性の
低下が大きくなるからである。
【0020】(C)成分である「ウレタン変性エポキシ
樹脂」は、10〜40重量部が好ましい。その理由は1
0重量部未満では耐衝撃性が不十分であり、40重量部
を越えると耐熱性及び機械的特性の低下が大きくなるか
らである。(A)成分、(B)成分、及び(C)成分か
らなる各種エポキシ樹脂の総量は、100重量部である
ので、(A)成分は必然的に20〜80重量部とするの
が好ましい。仮に、(A)成分を含有せずに(B)成
分、及び(C)成分からなるエポキシ樹脂を用いた場合
には、樹脂の粘度が低くなりすぎ、プリプレグ製造時の
作業性及び取扱い性の良好なプリプレグを得ることはで
きないし、その配合の組合わせが非常に限定された樹脂
組成物となるので好ましくない。
【0021】(E)成分である「臭素含有量が60%以
上の有機ハロゲン化合物」は、5〜30重量部とするの
が好ましく、特に10〜25重量部とするのが好まし
い。その理由は5重量部未満では難燃性が不十分であ
り、30重量部を越えると機械的特性の低下が大きくな
るからである。(F)成分である「自身がUL規格94
V−0に相当する難燃性熱可塑性樹脂」は2〜40重量
部とするのが好ましい。その理由は2重量部未満では耐
衝撃性が不十分であり、40重量部を越えると、溶融粘
度が高くなるので、プリプレグ製造時の作業性及びプリ
プレグの成形性が不良となり、積層板に欠陥を生じやす
くなるからである。
【0022】(D)成分である「硬化剤」の配合量は、
特に限定されないが、例えば、硬化剤として4,4’−
ジアミノジフェニルスルホンを使用した場合は、(A)
成分、(B)成分、及び(C)成分からなる各種エポキ
シ樹脂の総量100重量部に対して化学量論的に求めら
れる添加量、すなわち、(アミン当量/エポキシ当量)
×100重量部の70〜90%を配合する。また、ジシ
アンジアミドを用いた場合は、(A)成分、(B)成
分、及び(C)成分からなる各種エポキシ樹脂の総量1
00重量部に対して、1〜10重量部、好ましくは、3
〜8重量部を配合する。
【0023】(A)成分〜(F)成分の各成分はこの含
有比率の範囲内において適宜選択されるが、特に(E)
成分である「臭素含有量が60%以上の有機ハロゲン化
合物」については、樹脂硬化物中の臭素含有量が6〜1
5%になるように添加するのがさらに望ましい。その理
由は、臭素含有量が6%以下では、難燃性が不十分であ
り、15%以上では機械的特性の低下が大きくなるから
である。
【0024】有機繊維及び/又は無機繊維:本発明に用
いる繊維は、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリ
エチレン繊維等の有機繊維及び/又は炭素繊維、炭化ケ
イ素繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維、セラミック繊維
等の無機繊維である。これらの繊維は、長繊維、短繊
維、チョップ状、シート状、織物状、編物状、マット
状、紙状のいずれの形状でも使用することができる。繊
維の使用量は用途によって異なるが、積層材や成形材料
としては、樹脂組成物100重量部に対して400重量
部まで使用できる。
【0025】任意成分:本発明の難燃性エポキシ樹脂組
成物には、本発明の目的を害しない範囲で、必要に応じ
て次の成分を添加することができる。 (1)難燃助剤:例えば、三酸化アンチモン、五酸化ア
ンチモン等が挙げられる。これら難燃助剤の使用量は、
(A)成分、(B)成分、及び(C)成分からなる各種
エポキシ樹脂の総量100重量部に対して10重量部未
満、好ましくは5重量部未満が望ましい。
【0026】(2)粉末状の補強材、充填材及びチクソ
トロピー付与剤:例えば、シリカ、酸性白土、ベントナ
イト、ガラスビーズ、カーボンブラック、ゼオライト、
ケイソウ土、マイカ、カオリン、タルク、水酸化アルミ
ニウム等である。これらの補強材、充填材及びチクソト
ロピー付与剤の使用量は、前記(A)成分、(B)成
分、及び(C)成分からなる各種エポキシ樹脂の総量1
00重量部に対して5重量部未満が望ましい。
【0027】(3)着色剤及び顔料:例えば、二酸化チ
タン、黄鉛、カーボンブラック等である。これら着色剤
及び顔料の使用量は、(A)成分、(B)成分、及び
(C)成分からなる各種エポキシ樹脂の総量100重量
部に対して5重量部未満が望ましい。 (4)その他の樹脂:さらに樹脂成形品等における物性
改善を目的としてその他の樹脂を本発明の難燃性エポキ
シ樹脂組成物に含ませることができる。本発明で用いる
ことができるその他の樹脂は、例えば、脂環式エポキシ
樹脂、ブロム化エポキシ樹脂、三官能エポキシ樹脂、ノ
ボラック型エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ブロム化フ
ェノール樹脂等の熱硬化性樹脂である。
【0028】これらの樹脂の使用量は、前記(A)成
分、(B)成分、及び(C)成分からなる各種エポキシ
樹脂の総量に対して20重量%以下が望ましい。任意成
分の樹脂を配合した場合、(A)成分、(B)成分及び
(C)成分からなるエポキシ樹脂、並びに任意成分の総
量を100重量部とする。 (5)硬化促進剤:硬化促進剤として、例えば、3−
(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレ
アを併用することができる。その配合量は前記(A)成
分、(B)成分、及び(C)成分からなる各種エポキシ
樹脂の総量100重量部に対して1〜5重量部が望まし
い。
【0029】難燃性エポキシ樹脂組成物の調製方法:本
発明における難燃性エポキシ樹脂組成物の調製は、例え
ば、以下の方法により行なうことができる。即ち、前記
(A)〜(F)の各成分を混練装置に供給し、加熱混練
する。この際の加熱温度はエポキシ樹脂の硬化開始温度
より低温とする。この際、(D)成分の「硬化剤」は最
後に加熱混練するのがよい。通常は、50〜100℃の
温度にて調製する。
【0030】プリプレグの製造法:本発明のプリプレグ
の製造法は特に限定されないが、例えば、ホットメルト
法あるいは溶剤法を採用することが可能である。
【0031】
【実施例】
〔実施例1〜8及び比較例1〜6〕下記の表1に実施例
1〜8の樹脂組成を示し、下記の表2に比較例1〜6の
樹脂組成を示す。表1及び表2中の樹脂組成の単位は重
量部である。(A)〜(F)成分からなる樹脂成分を表
1の樹脂組成に基づき、実施例1〜8の各々について各
配合成分を混合し、更に促進剤を加え、難燃性エポキシ
樹脂組成物を得た。各樹脂組成物を125℃×2時間の
条件で加熱硬化し、以下の測定法により各々の物性を測
定した。
【0032】燃焼性:前記に詳述したとおりの垂直燃焼
試験を行なった。 耐熱性(ガラス転移温度):TMA針入モードを用い
て、昇温速度20℃/分で測定した。 フィルムコーターを用いてこの樹脂組成物から樹脂フィ
ルムを作製した。この樹脂フィルムを引き揃えた炭素繊
維ベスファイトIM−400(登録商標、東邦レーヨン
(株)製、引張強度4510MPa、引張弾性率294
GPa)の両面から圧着させ、炭素繊維目付150g/
2 、樹脂含有率34%の一方向プリプレグを得た。
【0033】このプリプレグ32枚を疑似等方的に積層
し、125℃、5kg/cm2 、2時間の条件でオート
クレーブ成形した。得られた積層板に1000in−1
b/inの落錘衝撃エネルギーを与えた後、衝撃後圧縮
強度を測定した。また、このプリプレグ14枚を一方向
に積層し、同条件で成形後、層間剪断強度(ILSS)
をASTM D2344に従い測定した。その結果を下
記の表1及び表2に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】*1 エピコート834:ビスフェノール
Aジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエ
ポキシ(株)製)。 *2 エピコート1002:ビスフェノールAジグリシ
ジルエーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ
(株)製)。 *3 エピコート604:N,N,N’,N’−テトラ
グリシジルアミノジフェニルメタン(油化シェルエポキ
シ(株)製)。
【0037】*4 EPU−6:ウレタン変性エポキシ
樹脂(旭電化工業(株)製)。 *5 DDS:4,4’−ジアミノジフェニルスルホ
ン。 *6 PEI:ポリエーテルイミド(GE社製);UL
94規格V−0に相当。 *7 DCMU:3−(3,4−ジクロロフェニル)−
1,1−ジメチルウレア。
【0038】*8 ノバレックス:ポリカーボネート
(三菱化成工業(株)製);UL94規格V−2に相
当。 *9 臭素含有量は全成分中に含まれる臭素原子の重量
%である。 臭素(重量%)=(ハロゲン化合物の重量)×(ハロゲ
ン化合物の臭素含有量)×100/(樹脂組成物の全重
量) *10 TMA針入モード,昇温速度20℃/min。
【0039】*11 衝撃エネルギー 1000in−
lb/in。 前記表1及び表2によれば、実施例1及び比較例1を対
比すると明らかなように、(E)成分としてヘキサブロ
ムベンゼン、(F)成分としてポリエーテルイミドを配
合することで、衝撃後圧縮強度及び難燃性を向上させる
ことが可能なことが分かる。また、ヘキサブロムベンゼ
ンの融点は325℃程度であり、耐熱性も良好なので、
ヘキサブロムベンゼンの配合により樹脂硬化物のガラス
転移温度が向上することが分かる。
【0040】また、実施例1、比較例1及び比較例2を
対比すると明らかなように、(E)成分がない場合は、
難燃性が不十分であることがわかる。また、実施例2及
び比較例3を対比すると明らかなように、(F)成分が
ない場合は、耐衝撃性が大幅に低下することが分かる。
また、実施例1、比較例4及び比較例5を対比すると明
らかなように、(B)成分がない場合は、耐熱性及び機
械的特性の低下が大きく、(C)成分がない場合は、耐
衝撃性が不十分であることが分かる。
【0041】なお、本発明の樹脂組成物におけるエポキ
シ樹脂成分では、耐衝撃性を(C)成分及び(A)成分
で、耐熱性を(B)成分及び(A)成分で付与してい
る。従って、(B)成分を増減した場合は、(A)成分
を増減することで、エポキシ樹脂の総量〔(A)成分+
(B)成分+(C)成分〕を100重量部に調製した。
また、(C)成分を増減した場合は、(A)成分を増減
することでエポキシ樹脂の総量を100重量部に調製し
た。
【0042】また、実施例1、実施例2、及び比較例3
を対比すると明らかなように(F)成分のポリエーテル
イミド配合量の増加に伴い、衝撃後圧縮強度が増加する
ことが分かる。また、実施例1、実施例3及び実施例4
を対比すると明らかなように、硬化剤としてジシアンジ
アミドを使用した場合及びジシアンジアミドと4,4’
−ジアミノジフェニルスルホンを併用した場合のいずれ
も、難燃性と耐熱性を保持したまま、良好な衝撃後圧縮
強度が得られることが分かる。
【0043】また、実施例1、実施例5及び実施例6を
対比すると明らかなように、(E)成分のヘキサブロム
ベンゼンが8重量部の場合、若干難燃性が低く、30重
量部の場合、耐衝撃性及び機械的特性が若干低下するこ
とが分かる。また、実施例1、実施例7及び実施例8を
対比すると明らかなように、(B)成分が50重量部を
越えると、耐衝撃性が若干低下し、(C)成分が50重
量部を越えると、耐熱性と機械的特性が若干低下するこ
とが分かる。
【0044】また、実施例5及び比較例6から明らかな
ように、自身がUL規格94V−0に相当しない熱可塑
性樹脂を使用すると、難燃性が若干低下することが分か
る。以上の結果より、実施例1〜実施例8、特に実施例
1〜実施例4の場合、比較例1〜比較例6と比べ難燃
性、耐熱性、耐衝撃性及び機械的特性のバランスに優れ
た複合材料であることが分かる。
【0045】
【発明の効果】本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物及び
その樹脂組成物を用いたプリプレグは、難燃性、耐熱
性、耐衝撃性及び機械的特性の全てを兼ね備えている。
すなわち、本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物及びその
樹脂組成物を用いたプリプレグは、実施例5乃至実施例
8の条件では、UL規格94でV−1以上の難燃性、ガ
ラス転移温度≧120℃、衝撃後圧縮強度≧20kgf
/mm2 、ILSS(層間剪断強度)≧7kgf/mm
2を達成している。
【0046】また、実施例1乃至実施例4の条件では、
UL規格94でV−0の難燃性、ガラス転移温度≧13
0℃、衝撃後圧縮強度≧23kgf/mm2 、ILSS
(層間剪断強度)≧8kgf/mm2を達成している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 63/00 NJM 8830−4J 101/00 LTA 7242−4J

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)〜(F)成分、 (A)ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキ
    シ樹脂、 (B)N,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノ
    ジフェニルメタン、 (C)ウレタン変性エポキシ樹脂、 (D)硬化剤、 (E)臭素含有量が60%以上の有機ハロゲン化合物、 (F)自身がUL規格94V−0に相当する難燃性熱可
    塑性樹脂、を必須成分として含む難燃性エポキシ樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の(A)〜(F)成分の比
    がそれぞれ、 (A)成分が20〜80重量部、 (B)成分が10〜40重量部、 (C)成分が10〜40重量部、 (E)成分が10〜25重量部、 (F)成分が2〜40重量部、であり、且つ(A)成
    分、(B)成分、及び(C)成分からなるエポキシ樹脂
    の混合物の総量が100重量部である難燃性エポキシ樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】 (D)成分の硬化剤がジシアンジアミド
    及び/又は4,4’−ジアミノジフェニルスルホンであ
    る請求項1記載の難燃性エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (E)成分の臭素含有量が60%以上の
    有機ハロゲン化合物が、ヘキサブロムベンゼン及び/又
    はペンタブロムトルエンである請求項1記載の難燃性エ
    ポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (F)成分として自身がUL規格94V
    −0に相当する難燃性熱可塑性樹脂がポリエーテルイミ
    ドである請求項1記載の難燃性エポキシ樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5記載の樹脂組成物を有機
    繊維及び/又は無機繊維に含浸してなるプリプレグ。
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