JP2010053278A - エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、および、繊維強化複合材料、ならびに、繊維強化複合材料の製造方法 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、および、繊維強化複合材料、ならびに、繊維強化複合材料の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明は、優れた耐熱性、弾性率、伸度に優れた繊維強化複合材料を提供することができるエポキシ樹脂組成物、およびかかるエポキシ樹脂組成物を用いたプリプレグ、さらには該繊維強化複合材料の製造方法を提供せんとするものである。
【解決手段】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、下記[A]〜[F]を含み、かつ、150℃で1時間硬化させた時の反応率が90%以上であることを特徴とするものである。
[A]アミン型エポキシ樹脂 30〜55重量部
[B]ビスフェノール型エポキシ樹脂 45〜70重量部
[C]ジアミノジフェニルスルホン 2〜10重量部
[D]ジシアンジアミドまたはその誘導体
[E]ウレア化合物
[F]熱可塑性樹脂
また、本発明のプリプレグは、かかるエポキシ樹脂組成物を繊維基材に含浸させてなることを特徴とするものである。
また、本発明の繊維強化複合材料は、前記プリプレグを硬化させてなることを特徴とするものである。
また、本発明の繊維強化複合材料の製造方法は、前記プリプレグを150〜170℃で、1時間以内の硬化条件で硬化させることを特徴とするものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、優れた耐熱性、弾性率、伸度に優れた繊維強化複合材料を提供することができるエポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料の製造方法に関するものである。
さらに詳細には、例えば、航空機、船舶、自動車、自転車等、及びポンプや刈払い機などの産業機械における各種フレーム、パイプ、シャフト、ホイールさらにそれらの曲円板、又は、ゴルフクラブ用シャフト、釣り竿、スキーポール、バトミントンラケット用シャフト、テントの支柱などの管状体、又は、スキー板、スノーボード、ゴルフクラブ用ヘッド、自転車用リム、自転車用ホイールなどの各種スポーツ/レジャー用品、又は、土木建築用資材とその補修・補強などに好適に使用できる繊維強化複合材料の製造方法、これを得るためのプリプレグ、さらにはこれを得るために好適に用いられるエポキシ樹脂組成物に関するものである。
炭素繊維やアラミド繊維などを強化繊維として用いた繊維強化複合材料は、その高い比強度・比弾性率を利用して、航空機や自動車などの構造材料や、テニスラケット、ゴルフシャフト、釣り竿、自転車などのスポーツ・一般産業用途などに広く利用されている。繊維強化複合材料の製造方法には、強化繊維に未硬化のマトリックス樹脂が含浸されたシート状中間材料であるプリプレグを用い、それを複数枚積層した後、加熱硬化させる方法や、モールド中に配置した強化繊維に液状の樹脂を流し込み加熱硬化させるレジン・トランスファー・モールディング法などが用いられている。これらの製造方法のうちプリプレグを用いる方法は、強化繊維の配向を厳密に制御でき、また積層構成の設計自由度が高いことから、高性能な繊維強化複合材料を得やすい利点がある。このプリプレグに用いられるマトリックス樹脂としては、耐熱性や生産性の観点から、主に熱硬化性樹脂が用いられ、中でも強化繊維との接着性などの力学特性の観点からエポキシ樹脂が好適に用いられる。
スポーツ用繊維強化複合材料が、近年、軽量化が要求される自転車用途すなわち、自転車用構造体や自転車用部品に使用されるようになってきた。自転車用部品なかでも、自転車用ホイールは、鋼、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属で製作されているのが一般的であるが、競技用のホイールには更に軽量であることが要求され、炭素繊維を主とした繊維強化複合材料化が進んでおり、繊維強化複合材料製板の中央にアルミハニカムを挟んで接着したディスクホイールや、スポークに一定断面形状を持たせた繊維強化複合材料で一体成形したもの等が開発されるようになってきた。これらのホイールは、従来のアルミ製のものでは実現できなかった構造と軽量化が可能となり、これによって競技用途を中心に利用者が増加している。
しかしながら、繊維強化複合材料製ホイールには、金属製ホイールにはなかった問題がある。その一つは、制動時にブレーキシューとホイールのリム部との摩擦により発生する発熱である。一般的に、従来のスポーツ・一般産業用途で使用されている繊維強化複合材料は、かかる発熱に耐えうるほどガラス転移温度が高くない。よって、制動時に、繊維強化複合材料の温度が、ガラス転移温度以上になり、繊維強化複合材料の強度が低下し、変形する。
また、自転車用ホイールには、ライダーからの荷重や、路面からの衝撃荷重等がかかるため、優れた強度や、耐衝撃性が求められる。
上記の問題を解決する方法として、ブレーキ接触面にアルミニウム製部材を使用し、炭素繊維複合材料製部材と接合した自転車用ホイールの作製方法が提案されている(特許文献1、2)。かかる方法は、アルミニウム製部材と炭素繊維強化複合材料製部材の接合方法や、炭素繊維複合材料製部材の形状を工夫することにより、これら問題を解決しようとしたものである。しかしながら、この場合、繊維強化複合材料の耐熱性、強度、耐衝撃性の向上については、検討されておらず、かかる方法ではこれら特性の向上には限界があり、十分でない。
繊維強化複合材料の耐熱性と圧縮強度を向上させる方法として、航空機用常用材料として使用されてきたテトラグリシジルアミン型エポキシ樹脂と、硬化剤としてジアミノジフェニルスルホンをマトリックス樹脂とする方法がある。ところが、この樹脂組成物をマトリックス樹脂とした場合、プリプレグを硬化せしめて繊維強化複合材料にするときの加熱に要する温度が約180℃と高く、さらに硬化時間も2時間以上かかるため、多量のエネルギーを加熱に要してしまい、スポーツ、一般産業用には好ましくない。
繊維強化複合材料の耐熱性と圧縮強度を向上させ、さらに低温での成形が可能な方法として、テトラグリシジルアミン型エポキシ樹脂、ジシアンジアミドと、ウレア化合物からなるエポキシ樹脂組成物をマトリックス樹脂とする方法がある(特許文献3)。かかる方法では、100〜140℃で繊維強化複合材料を作製している。しかし、この樹脂組成物から得られる硬化物の伸度は低く、これをマトリックス樹脂とした場合、得られる繊維強化複合材料の耐衝撃性が低いため、自転車部品には好ましくない。また、かかる繊維強度複合材料を100〜140℃で成型した場合、エポキシ樹脂組成物の硬化が完結しない。このため、作製後に制動時の熱により、エポキシ樹脂組成物の硬化が進行し、得られた繊維強化複合材料が歪むため、好ましくない。
また、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルスルホン、ウレア化合物等からなるエポキシ樹脂組成物をマトリックス樹脂とする方法もある(特許文献4)。当該方法では90〜130℃で繊維強化複合材料を成型している。しかし、この場合も、硬化温度が十分でないため、エポキシ樹脂組成物の硬化が完結しない。
米国特許第5975645号公報 米国特許第6991298号公報 特開2000‐17090号公報 特開平02‐151623号公報
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、優れた耐熱性、弾性率、伸度に優れた繊維強化複合材料を提供することができるエポキシ樹脂組成物、およびかかるエポキシ樹脂組成物を用いたプリプレグ、さらにはかかるプリプレグを硬化させてなる繊維強化複合材料の製造方法を提供せんとするものである。
本発明によれば、自転車用部品に好適に使用することができる繊維強化複合材料、特に、自転車用ホイールに好適な繊維強化複合材料を提供することができる。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用する。すなわち、本発明のエポキシ樹脂組成物は、下記[A]〜[F]を含み、かつ、150℃で1時間硬化させた時の反応率が90%以上であることを特徴とするものである。
[A]アミン型エポキシ樹脂 30〜55重量部
[B]ビスフェノール型エポキシ樹脂 45〜70重量部
[C]ジアミノジフェニルスルホン 2〜10重量部
[D]ジシアンジアミドまたはその誘導体
[E]ウレア化合物
[F]熱可塑性樹脂
かかるエポキシ樹脂組成物の好ましい態様は、
(1)前記[B]成分のビスフェノール型エポキシ樹脂の平均エポキシ当量が300〜2000であること、
(2)前記〔C〕成分および〔D〕成分の活性水素基の総量が、全エポキシ樹脂成分のエポキシ基1当量に対し、0.6〜1.0当量の範囲にあること、
(3)前記〔E〕成分を全エポキシ樹脂成分100重量部に対し、1〜3重量部含むこと、
(4)前記エポキシ樹脂組成物が、150℃で1時間硬化させた時の硬化物のガラス転移温度が140〜170℃であること、
(5)前記エポキシ樹脂組成物が、150℃で1時間硬化させた時の硬化物の3点曲げ弾性率が3.5GPa以上であること、
(6)前記エポキシ樹脂組成物が、150℃で1時間硬化させた時の硬化物の3点曲げ撓み量が5mm以上であること、
(7)繊維強化複合材料が自転車用部品である前記(5)に記載の繊維強化複合材料。
また、本発明のプリプレグは、かかるエポキシ樹脂組成物を繊維基材に含浸させてなることを特徴とするものである。
また、本発明の繊維強化複合材料は、前記プリプレグを硬化させてなることを特徴とするものである。
かかる繊維強化複合材料の好ましい態様は、
(1)前記繊維強化複合材料が、自転車用部品を構成するものであること、
(2)前記自転車用部品が、自転車用ホイールであること、
である。
また、本発明の繊維強化複合材料の製造方法は、前記プリプレグを150〜170℃で、1時間以内の硬化条件で硬化させることを特徴とするものである。
本発明によれば、優れた耐熱性、弾性率、圧縮強度や耐衝撃性等を有する繊維強化複合材料を提供することができるので、自転車用部品、特に自転車用ホイールとして好適に使用される。
本発明は、前記課題、つまり優れた耐熱性、弾性率、伸度に優れた繊維強化複合材料を提供することができるエポキシ樹脂組成物について、鋭意検討し、特定な成分からなるエポキシ樹脂組成物であって、かつ、さらに特定な硬化条件で硬化させた時の反応率が特定な範囲になるよう配合を制御してみたところ、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
すなわち、本発明のエポキシ樹脂組成物は、下記[A]〜[F]を所定量含むエポキシ樹脂組成物である。また、本発明の効果を失わない範囲において、[A]~[F]以外のエポキシ樹脂、その他の成分を含んでも構わない。
[A]アミン型エポキシ樹脂 30〜55重量部
[B]ビスフェノール型エポキシ樹脂 45〜70重量部
[C]ジアミノジフェニルスルホン 2〜10重量部
[D]ジシアンジアミドまたはその誘導体
[E]ウレア化合物
[F]熱可塑性樹脂
本発明のエポキシ樹脂組成物において、[A]成分は、アミン型エポキシ樹脂を、本発明のエポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂(以下、全エポキシ樹脂成分という)100重量部のうち30〜55重量部含むことが必要であり、好ましくは40〜50重量部である。アミン型エポキシ樹脂とは、少なくとも2つのグリシジル基が結合したアミノ基を分子内に少なくとも1つ以上有するエポキシ樹脂をいい、かかる構造を有することにより硬化物とした場合に架橋密度の高い架橋構造となるので、高耐熱かつ高弾性率な特性が得られる。かかる[A]成分の配合量が、30重量部に満たない場合は、硬化物の架橋密度が低いため、耐熱性や弾性率が不足する。また、該配合量が55重量部を超える場合は、硬化物の架橋密度が高くなりすぎ、硬化物の耐熱性や弾性率は十分であるが、伸度が不足する。
かかるアミン型エポキシ樹脂としては、例えば、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルアミノフェノール、トリグリシジルアミノクレゾール、テトラグリシジルキシリレンジアミンや、これらのハロゲン、アルキル置換体、水添品などを使用することができる。
前記テトラグリシジルジアミノジフェニルメタンとしては、“スミエポキシ(登録商標)”ELM434(住友化学工業(株)製)、YH434L(東都化成(株)製)、“jER(登録商標)”604(ジャパンエポキシレジン(株)製)、“アラルダイド(登録商標)”MY720、MY721(ハンツマン・アドバンズド・マテリアルズ社製)等を使用することができる。トリグリシジルアミノフェノール又はトリグリシジルアミノクレゾールとしては、“スミエポキシ(登録商標)”ELM100、ELM120(住友化学工業(株)製)、“アラルダイド(登録商標)”MY0500、MY0510、MY0600(ハンツマン・アドバンズド・マテリアルズ社製)、“jER(登録商標)”630(ジャパンエポキシレジン(株)製)等を使用することができる。テトラグリシジルキシリレンジアミンおよびその水素添加品として、“TETRAD(登録商標)”−X、“TETRAD(登録商標)”−C(三菱ガス化学(株)製)等を使用することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、[B]成分は、ビスフェノール型エポキシ樹脂を、全エポキシ樹脂成分100重量部のうち45〜70重量部含む必要があり、好ましくは50〜60重量部である。かかる[B]成分の配合量が、45重量部に満たない場合は、硬化物の耐熱性は十分であるが、伸度が不足する。また、該配合量が70重量部を超える場合は、伸度は十分であるが、耐熱性が不足する。ここで、ビスフェノール型エポキシ樹脂とは、ビスフェノール化合物の2つのフェノール性水酸基がグリシジル化されたものである。
かかる[B]成分としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂であれば特に限定されるものではなく、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールS型、もしくはこれらビスフェノールのハロゲン、アルキル置換体、水添品等が用いられる。また、単量体に限らず、複数の繰り返し単位を有する高分子量体も好適に使用することができる。
かかるビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、jER825、jER828、jER834、jER1001、jER1002、jER1003、jER1003F、jER1004、jER1004AF、jER1005F、jER1006FS、jER1007、jER1009、jER1010(以上ジャパンエポキシレジン(株)製、“jER”は同社の登録商標(以下同じ))などが挙げられる。臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、jER505、jER5050、jER5051、jER5054、jER5057(以上ジャパンエポキシレジン(株)製)などが挙げられる。水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、ST5080、ST4000D、ST4100D、ST5100(以上東都化成(株)製)などが挙げられる。
前記ビスフェノールF型エポキシ樹脂の市販品としては、jER806、jER807、jER4002P、jER4004P、jER4007P、jER4009P、jER4010P(以上ジャパンエポキシレジン(株)製)、エポトートYDF2001、エポトートYDF2004(以上東都化成(株)製、“エポトート”は同社の登録商標)などが挙げられる。テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、YSLV−80XY(新日鐵化学(株)製)などが挙げられる。
前記ビスフェノールS型エポキシ樹脂としては、“エピクロン(登録商標)”EXA−154(大日本印刷化学工業(株)製)などが挙げられる。
中でも、弾性率、靭性と耐熱性のバランスが良いことから、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が好ましい。
かかる[B]成分のビスフェノール型エポキシ樹脂の平均エポキシ当量が300〜2000であることが好ましく、より好ましくは500〜1000である。かかる[B]成分の平均エポキシ当量が300に満たない場合は、架橋密度が高くなりすぎるため、硬化物の耐熱性は十分であるが、伸度が低下する。また、逆にかかる平均エポキシ当量が2000を超える場合は、架橋密度が低くなりすぎるため、硬化物の伸度は十分であるが、耐熱性が不足する。かかる平均エポキシ当量は、例えば、JIS K7236(1995)にあるような公知の滴定試験により求めることができるが、エポキシ当量が既知である複数のエポキシ樹脂を併用する場合、以下とおり概算可能である。例えば、3種類のエポキシ樹脂を併用する場合を例に計算方法を説明する。エポキシ当量がEx(g/eq)のエポキシ樹脂XをWx重量部、エポキシ当量がEy(g/eq)のエポキシ樹脂YをWy重量部、エポキシ当量がEz(g/eq)のエポキシ樹脂ZをWz重量部配合する場合、その平均エポキシ当量は以下の計算式で求められる。
平均エポキシ当量=(Wx+Wy+Wz)/(Wx/Ex+Wy/Ey+Wz/Ez)
かかる[B]成分のビスフェノール型エポキシ樹脂の平均エポキシ当量が300〜2000の範囲にあるように制御することは、かかる範囲にあるエポキシ樹脂化合物を用いてもよいし、エポキシ当量の異なる複数のエポキシ樹脂化合物を適宜混合することによっても達成することができる。
次ぎに、本発明のエポキシ樹脂組成物の[C]成分のジアミノジフェニルスルホン(以降DDSと略記することもある)は、エポキシ樹脂硬化剤として配合される。かかる[C]成分は、全エポキシ樹脂成分100重量部に対して2〜10重量部であることが必要であり、4〜8重量部であることが好ましい。かかる[C]成分を、この範囲内でエポキシ樹脂組成物に配合することにより、樹脂硬化物の伸度を低下させることなく、弾性率を向上させることができる。また、補強繊維とマトリクス樹脂とがより強固に接着するようになる。配合量が2重量部に満たない場合は、硬化物の配合効果が認められないため好ましくない。また、該配合量が10重量部を超える場合は、弾性率は十分であるが、伸度が低下するため好ましくない。
DDSとは、芳香族アミン系硬化剤に属する化合物であり、本発明では微粒子状のものを使用する。DDSには芳香環上のアミノ基の置換位置により、構造異性体が存在し、本発明においては、いずれの異性体も使用することができるが、異性体の種類の選択ことにより、マトリクス樹脂、および得られる複合材料の特性を制御することができる。例えば、3,3’−DDSを用いると、4,4’−DDSを用いた場合に比べて、弾性率が向上する。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物の[D]成分のジシアンジアミドまたはその誘導体も、エポキシ樹脂硬化剤である。かかる[D]成分は、低温での硬化性、弾性率、伸度のバランスに優れ、また、樹脂組成物の保存安定性に優れる。かかるジシアンジアミドの誘導体は、ジシアンジアミドに各種化合物を結合させたものであり、エポキシ樹脂との反応物、ビニル化合物やアクリル化合物との反応物などが挙げられる。かかる[D]成分の配合量は、耐熱性や力学特性の観点から、全エポキシ樹脂成分100重量部に対して1〜10重量部であることが好ましい。かかる[D]成分の配合量が、1重量部に満たない場合、硬化物の架橋密度が十分でないため、弾性率が不足する。該配合量が10重量部を超える場合、硬化物の架橋密度が高くなりすぎるため、塑性変形能力が小さくなり、伸度に劣る。
かかるジシアンジアミドの市販品としては、DICY−7、DICY−15(以上ジャパンエポキシレジン(株)製)などが挙げられる。
さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物の〔C〕および〔D〕成分の総量は、全エポキシ樹脂成分のエポキシ基1当量に対し、活性水素基が0.6〜1.0当量の範囲となる量を含むことが好ましく、より好ましくは0.7〜0.9当量の範囲となる量を含むことである。ここで、活性水素基とは、〔C〕および〔D〕成分のエポキシ基と反応しうる官能基を意味し、活性水素基が0.6当量に満たない場合は、硬化物の反応率、耐熱性、弾性率が不足し、また、繊維強化複合材料のガラス転移温度や強度が不足する場合がある。また、活性水素基が1.0当量を超える場合は、硬化物の反応率、ガラス転移温度、弾性率は十分であるが、塑性変形能力が不足するため、繊維強化複合材料の耐衝撃性が不足する場合がある。
かかるエポキシ樹脂硬化剤として、本発明の効果を失わない範囲であればジアミノジフェニルスルホンやジシアンジアミドまたはその誘導体と、これら以外のその他のエポキシ樹脂の硬化剤と組み合わせて用いても良い。その他のエポキシ樹脂硬化剤としては、芳香族アミンや、脂環式アミンなどのアミン類、酸無水物類、ポリアミノアミド類、有機酸ヒドラジド類、イソシアネート類などが挙げられる。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物の[E]成分のウレア化合物は、エポキシ樹脂の硬化触媒として配合する必要がある。かかる[E]成分は、全エポキシ樹脂成分100重量部に対して1〜3重量部含むことが好ましく、より好ましくは、1.5〜3重量部含むことである。
かかるウレア化合物の配合量が1重量部に満たない場合は、反応が十分に進行せず、硬化物の弾性率と耐熱性が不足する。また、かかるウレア化合物の配合量が3重量部を超える場合は、エポキシ樹脂の自己重合反応が、エポキシ樹脂と硬化剤であるジアミノジフェニルスルホンやジシアンジアミドまたはその誘導体との反応を阻害するため、硬化物の靭性が不足する上、弾性率も低下する。
かかるウレア化合物としては、例えば、N,N‐ジメチル‐N’‐(3,4‐ジクロロフェニル)ウレア、トルエンビス(ジメチルウレア)、4,4’‐メチレンビス(フェニルジメチルウレア)、3‐フェニル‐1,1‐ジメチルウレアなどを使用することができる。
かかるウレア化合物の市販品としては、DCMU99(保土ヶ谷化学(株)製)、Omicure24、Omicure52、Omicure94(以上CVCSpecialtyChemicals,Inc.製)などが挙げられる。
かかるエポキシ樹脂硬化触媒として、本発明の効果を失わない範囲であれば、ウレア化合物と、これら以外のその他のエポキシ樹脂硬化触媒と組み合わせて用いても良い。その他のエポキシ樹脂硬化触媒としては、第三級アミン類とその塩類、イミダゾールとその塩類、ルイス酸類やブレンステッド酸類とその塩類などが挙げられる。
さらに本発明によるエポキシ樹脂組成物には、樹脂が未硬化の状態におけるレオロジー特性の制御、マトリックス樹脂の剛性や靭性の向上、プリプレグのタック制御、補強繊維とマトリクス樹脂との接着性向上などの改良効果をもたせるために、前記[F]成分として、熱可塑性樹脂を含むことが必要であり、全エポキシ樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部含むことが好ましく、より好ましくは0.3〜7重量部、特に好ましくは1〜5重量部含むことである。かかる熱可塑性樹脂の配合量が0.1重量部に満たない場合は、上記効果が十分に得られず、10重量部を超える場合は、エポキシ樹脂の粘度が高くなりすぎるため、プロセス性が著しく悪化する。
かかる熱可塑性樹脂としては、エポキシ樹脂に可溶性の熱可塑性樹脂や、ゴム粒子及び熱可塑性樹脂粒子等の有機粒子等を配合することができる。かかるエポキシ樹脂に可溶性の熱可塑性樹脂としては、樹脂と強化繊維との接着性改善効果が期待できる水素結合性の官能基を有する熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。
かかるエポキシ樹脂可溶で、水素結合性官能基を有する熱可塑性樹脂として、アルコール性水酸基を有する熱可塑性樹脂、アミド結合を有する熱可塑性樹脂やスルホニル基を有する熱可塑性樹脂を使用することができる。
かかるアルコール性水酸基を有する熱可塑性樹脂としては、ポリビニルホルマールやポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール、フェノキシ樹脂を挙げることができ、また、アミド結合を有する熱可塑性樹脂としては、ポリアミド、ポリイミド、ポリビニルピロリドンを挙げることができ、さらに、スルホニル基を有する熱可塑性樹脂としては、ポリスルホンを挙げることができる。ポリアミド、ポリイミドおよびポリスルホンは主鎖にエーテル結合、カルボニル基などの官能基を有してもよい。ポリアミドは、アミド基の窒素原子に置換基を有してもよい。
かかるエポキシ樹脂可溶で、水素結合性官能基を有する熱可塑性樹脂の市販品を例示すると、ポリビニルアセタール樹脂として、デンカブチラールおよび“デンカホルマール(登録商標)”(電気化学工業株式会社製)、“ビニレック(登録商標)”(チッソ(株)製)、フェノキシ樹脂として、“UCAR(登録商標)”PKHP(ユニオンカーバイド社製)、ポリアミド樹脂として“マクロメルト(登録商標)”(ヘンケル白水株式会社製)、“アミラン(登録商標)”CM4000(東レ株式会社製)、ポリイミドとして“ウルテム(登録商標)”(ジェネラル・エレクトリック社製)、“Matrimid(登録商標)”5218(チバ社製)、ポリスルホンとして“Victrex(登録商標)”(三井化学株式会社製)、“UDEL(登録商標)”(ユニオンカーバイド社製)、ポリビニルピロリドンとして、“ルビスコール(登録商標)”(ビーエーエスエフジャパン(株)製)を挙げることができる。
また、アクリル系樹脂はエポキシ樹脂との相溶性が高く、粘弾性制御のために好適に用いられる。アクリル樹脂の市販品を例示すると、“ダイヤナール(登録商標)”BRシリーズ(三菱レイヨン(株)製)、“マツモトマイクロスフェアー(登録商標)”M,M100,M500(松本油脂製薬(株)製)などを挙げることができる。
本発明によるエポキシ樹脂組成物には、ゴム粒子を配合することができる。かかるゴム粒子としては、架橋ゴム粒子、及び架橋ゴム粒子の表面に異種ポリマーをグラフト重合したコアシェルゴム粒子が、取り扱い性等の観点から好ましく用いられる。
前記架橋ゴム粒子の市販品としては、カルボキシル変性のブタジエン−アクリロニトリル共重合体の架橋物からなるFX501P(日本合成ゴム工業社製)、アクリルゴム微粒子からなるCX−MNシリーズ(日本触媒(株)製)、YR−500シリーズ(東都化成(株)製)等を使用することができる。
コアシェルゴム粒子の市販品としては、例えば、ブタジエン・メタクリル酸アルキル・スチレン共重合物からなる“パラロイド(登録商標)”EXL−2655(呉羽化学工業(株)製)、アクリル酸エステル・メタクリル酸エステル共重合体からなる“スタフィロイド(登録商標)”AC−3355、TR−2122(武田薬品工業(株)製)、アクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル共重合物からなる“PARALOID(登録商標)”EXL−2611、EXL−3387(Rohm&Haas社製)、“カネエース(登録商標)”MXシリーズ(カネカ(株)製)等を使用することができる。
熱可塑性樹脂粒子としては、ポリアミド粒子やポリイミド粒子が好ましく用いられ、ポリアミド粒子の市販品として、SP−500(東レ(株)製)、“オルガソール(登録商標)”(アルケマ社製)等を使用することができる。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、未硬化時の粘弾性を調整して作業性を向上させたり、樹脂硬化物の弾性率や耐熱性を向上させる目的で、[A]成分または[B]成分以外のエポキシ樹脂を、本発明の効果が失われない範囲において添加することができる。これらは1種類だけでなく、複数種組み合わせて添加しても良い。具体的には、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂などが挙げられる。
かかるフェノールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては“エピコート(登録商標)”152、“エピコート(登録商標)”154(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、“エピクロン(登録商標)”N−740、“エピクロン(登録商標)”N−770、“エピクロン(登録商標)”N−775(以上、大日本インキ化学工業(株)製)などが挙げられる。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、“エピクロン(登録商標)”N−660、“エピクロン(登録商標)”N−665、“エピクロン(登録商標)”N−670、“エピクロン(登録商標)”N−673、“エピクロン(登録商標)”N−695(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、EOCN−1020、EOCN−102S、EOCN−104S(以上、日本化薬(株)製)などが挙げられる。
レゾルシノール型エポキシ樹脂の具体例としては、“デナコール(登録商標)”EX−201(ナガセケムテックス(株)製)などが挙げられる。
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂の市販品としては“エピクロン(登録商標)”HP7200、“エピクロン(登録商標)”HP7200L、“エピクロン(登録商標)”HP7200H(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、Tactix558(ハンツマン・アドバンスト・マテリアル社製)、XD−1000−1L、XD−1000−2L(以上、日本化薬(株)製)などが挙げられる。
ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂の市販品としては、“エピコート(登録商標)”YX4000H、“エピコート(登録商標)”YX4000、“エピコート(登録商標)”YL6616(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、NC−3000(日本化薬(株)製)などが挙げられる。
ウレタンおよびイソシアネート変性エポキシ樹脂の市販品としては、オキサゾリドン環を有するAER4152(旭化成エポキシ(株)製)やACR1348(旭電化(株)製)などが挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物の調製には、ニーダー、プラネタリーミキサー、3本ロールおよび2軸押出機などが好ましく用いられる。エポキシ樹脂[A]成分と[B]成分と熱可塑性樹脂[F]成分を投入し、撹拌しながらエポキシ樹脂の温度を100〜180℃の任意の温度まで上昇させ、[A]成分、[B]成分および[F]成分を溶解する。これらを溶解させた透明な粘調液を得た後、撹拌しながら好ましくは100℃以下、より好ましくは80℃以下の温度まで下げて、[C]成分のジアミノジフェニルスルホンと[D]成分のジシアンジアミドまたはその誘導体と[E]成分のウレア化合物を添加し混練する方法は、樹脂組成物の保存安定性に優れるため好ましく用いられる。
硬化物の作製は次のようにして行う。エポキシ樹脂組成物を真空中で脱泡した後、2mm厚の“テフロン(登録商標)”製スペーサーにより厚み2mmになるように設定したモールド中で150℃の温度で1時間硬化させることでボイドのない板状硬化物が得られる。硬化温度が150℃未満の場合は、硬化物の反応率が90%に満たないため、好ましくない。また、硬化温度が150℃を超える場合は、硬化物の作製に多量のエネルギーを要してしまうため、好ましくない。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、150℃で1時間硬化させた時の反応率(以降、単に反応率と略記する)が90%以上であることが重要であり、好ましくは95%以上である。かかる反応率が90%に満たない場合、硬化物が、熱や光に曝されると、変形する傾向があるため好ましくない。本発明において、反応率とは、エポキシ樹脂成分におけるグリシジル基の反応率を指し、以下のようにして、求めることができる。すなわち、赤外分光スペクトルを用い、エポキシ樹脂組成物と樹脂硬化物のベンゼン環ピークとオキシラン環ピークの吸光度の面積比から算出する。具体的には、フーリエ変換赤外分光光度計を用い、エポキシ樹脂組成物と樹脂硬化物それぞれのベンゼン環ピーク(1510cm−1)とオキシラン環ピーク(910cm−1)の吸光度の面積を測定し、それぞれについてベンゼン環に対するオキシラン環の面積比{(オキシラン環ピークの面積)/(ベンゼン環のピークの面積)}を求め、次式にて、樹脂硬化物の反応率を求める。
反応率=(1−(樹脂硬化物の面積比)/(エポキシ樹脂組成物の面積比))×100
かかる反応率が90%以上とするためには、〔C〕成分および〔D〕成分の総量を、全エポキシ樹脂成分のエポキシ基1当量に対し、活性水素基が0.6当量となる量以上とし、かつ、〔E〕成分が全エポキシ樹脂成分100重量部に対して1重量部以上とすることが必要である。
かかるエポキシ樹脂組成物の該硬化物のガラス転移温度は、140〜170℃であることが好ましく、より好ましくは150℃〜160℃である。ガラス転移温度が140℃未満になると、自転車用ホイールなどにおいて繊維強化複合材料の耐熱性が不足する。また、ガラス転移温度が170℃を超えると、繊維強化複合材料に残留する熱応力が大きくなったり、硬化物が脆くなりがちであり、得られる繊維強化複合材料の強度特性が低下する場合がある。
また、かかるガラス転移温度が140℃に満たない場合は、本発明の範囲内で、下記の調整方法の少なくとも1つ以上の方法を行うことにより、ガラス転移温度を向上させることができる。
(1)〔A〕成分を増量する。
(2)〔B〕成分のエポキシ当量を小さくする。
(3)〔C〕成分を減量する。
(4)〔C〕成分および〔D〕成分の総量を大きくする。
(5)〔E〕成分を増量する。
さらに、かかるガラス転移温度が170℃を超える場合は、本発明の範囲内で、下記の調整方法の少なくとも1つ以上の方法を行うことにより、ガラス転移温度を低下させることができる。
(1)〔A〕成分を減量する。
(2)〔B〕成分のエポキシ当量を大きくする。
(3)〔C〕成分を増量する。
(4)〔C〕成分および〔D〕成分の総量を小さくする。
(5)〔E〕成分を減量する。

さらに、かかる硬化物の3点曲げ弾性率は、3.5GPa以上であることが好ましく、より好ましくは3.7GPa以上である。硬化物の3点曲げ弾性率が3.5GPa未満の場合、得られる繊維強化複合材料の圧縮強度が低くなるため、好ましくない。
かかる曲げ弾性率が3.5GPaに満たない場合は、本発明の範囲内で、下記の調整方法の少なくとも1つ以上の方法を行うことにより、曲げ弾性率を3.5GPa以上にすることができる。
(1)〔A〕成分を増量する。
(2)〔B〕成分のエポキシ当量を小さくする。
(3)〔C〕成分を増量する。
(4)〔C〕および〔D〕成分の総量を大きくする。
(5)〔E〕成分を増量する。

また、さらにかかる硬化物の3点曲げ撓み量は、5mm以上であることが好ましく、より好ましくは、7mm以上である。硬化物の3点曲げ撓み量が5mm未満の場合、得られる繊維強化複合材料の耐衝撃性が低くなるため、好ましくない。
かかる曲げ撓み量が5mmに満たない場合は、本発明の範囲内で、下記の調整方法の少なくとも1つ以上の方法を行うことにより、曲げ撓み量を5mm以上にすることができる。
(1)〔A〕成分を減量する。
(2)〔B〕成分のエポキシ当量を大きくする。
(3)〔C〕および〔D〕成分の総量を小さくする。
(4)〔E〕成分を減量する。

本発明のプリプレグおよび繊維強化複合材料は、強化繊維を用いて構成されるが、かかる強化繊維は、特に限定されるものではなく、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維等が用いられる。これらの繊維を2種以上混合して用いても構わない。この中で、軽量かつ高剛性な繊維強化複合材料が得られる炭素繊維を用いることが好ましい。
かかる強化繊維の形態は特に限定されるものではなく、たとえば、一方向に引き揃えた長繊維、トウ、織物、マット、ニット、組み紐、10mm未満の長さにチョップした短繊維などが用いられる。ここでいう、長繊維とは実質的に10mm以上連続な単繊維もしくは繊維束のことをさす。また、短繊維とは10mm未満の長さに切断された繊維束である。また、特に、比強度、比弾性率が高いことを要求される用途には強化繊維束が単一方向に引き揃えられた配列が最も適しているが、取り扱いの容易なクロス(織物)状の配列も本発明には適している。
本発明のプリプレグは、前記本発明のエポキシ樹脂組成物を、前記強化繊維からなる繊維基材に含浸させて構成されてなるものである。含浸させる方法としてはエポキシ樹脂組成物をメチルエチルケトン、メタノール等の溶媒に溶解して低粘度化し、含浸させるウェット法と、加熱により低粘度化し、含浸させるホットメルト法(ドライ法)等を挙げることができる。
前記ウェット法は、強化繊維をエポキシ樹脂組成物の溶液に浸漬した後、引き上げ、オーブン等を用いて溶媒を蒸発させる方法であり、ホットメルト法は、加熱により低粘度化したエポキシ樹脂組成物を直接強化繊維からなる繊維基材に含浸させる方法、又は一旦エポキシ樹脂組成物を離型紙等の上にコーティングしたフィルムを作製しておき、次いで前記強化繊維からなる繊維基材の両側又は片側から前記フィルムを重ね、加熱加圧することにより前記強化繊維からなる繊維基材に樹脂を含浸させる方法である。ホットメルト法によれば、プリプレグ中に残留する溶媒が実質上皆無となるため好ましい。
かかるプリプレグは、単位面積あたりの強化繊維量が70〜200g/mであることが好ましい。かかる強化繊維量が70g/m未満では、繊維強化複合材料成形の際に所定の厚みを得るために積層枚数を多くする必要があり、作業が繁雑となることがある。一方で、強化繊維量が200g/mを超えると、プリプレグのドレープ性が悪くなる傾向にある。また、繊維重量含有率は、好ましくは60〜90重量%であり、より好ましくは65〜85重量%であり、更に好ましくは70〜80重量%である。繊維重量含有率が60重量%未満では、樹脂の量が多すぎて、比強度と比弾性率に優れる繊維強化複合材料の利点が得られなかったり、繊維強化複合材料の作製の際、硬化時の発熱量が高くなりすぎることがある。また、繊維重量含有率が90重量%を超えると、樹脂の含浸不良が生じ、得られる複合材料はボイドの多いものとなる恐れがある。
プリプレグを賦形および/または積層後、賦形物および/または積層物に圧力を付与しながら樹脂を加熱硬化させる方法等により、本発明にかかる複合材料が作製される。
ここで熱及び圧力を付与する方法には、プレス成形法、オートクレーブ成形法、バッギング成形法、ラッピングテープ法、内圧成形法等を適宜使用することができる。
ラッピングテープ法は、マンドレル等の芯金にプリプレグを捲回して、繊維強化複合材料製の管状体を成形する方法であり、ゴルフシャフト、釣り竿等の棒状体を作製する際に好適な方法である。より具体的には、マンドレルにプリプレグを捲回し、プリプレグの固定及び圧力付与のため、プリプレグの外側に熱可塑性フィルムからなるラッピングテープを捲回し、オーブン中で樹脂を加熱硬化させた後、芯金を抜き取って管状体を得る方法である。
また、内圧成型法は、熱可塑性樹脂製のチューブ等の内圧付与体にプリプレグを捲回したプリフォームを金型中にセットし、次いで内圧付与体に高圧の気体を導入して圧力を付与すると同時に金型を加熱せしめ、成形する方法である。本方法は、ゴルフシャフト、バッド、テニスやバドミントン等のラケットや、自転車用ホイールの如き複雑な形状物を成形する際に好ましく用いられる。
本発明の繊維強化複合材料の製造方法としては、150〜170℃で1時間以内に硬化させることが好ましい。硬化温度が150℃に満たない場合は、マトリックス樹脂であるエポキシ樹脂組成物の反応率が、90%に満たないことがあるため好ましくない。また、170℃を超える場合は、多量のエネルギーが必要となるため好ましくない。さらに、硬化時間が1時間を超える場合も、多量のエネルギーが必要となるため、好ましくない。
本発明のエポキシ樹脂組成物をマトリックス樹脂として用いて構成されたプリプレグを硬化してなる繊維強化複合材料は、スポーツ用途、一般産業用途および航空宇宙用途に好適に用いられる。より具体的には、スポーツ用途では、ゴルフシャフト、釣り竿、テニスやバドミントンのラケット用途、ホッケー等のスティック用途、およびスキーポール用途に用いられる。また、一般産業用途では、自動車、船舶および鉄道車両等の移動体の構造材、ドライブシャフト、板バネ、風車ブレード、圧力容器、フライホイール、製紙用ローラ、屋根材、ケーブル、および補修補強材料等に用いられる。さらに好適には、自転車用部品、自転車用ホイールに用いられる。
以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。各種物性の測定は次の方法によった。なお、これらの物性は、特に断わりのない限り、温度23℃、相対湿度50%の環境で測定した。
(1)樹脂組成物の調製
ニーダー中に、ジアミノジフェニルスルホン、ジシアンジアミドおよびその誘導体とウレア化合物以外の成分を所定量加え、混練しつつ、160℃まで昇温し、160℃、1時間混練することで、透明な粘調液を得た。80℃まで混練しつつ降温させ、ジアミノジフェニルスルホン、ジシアンジアミドおよびその誘導体とウレア化合物を所定量添加え、混練しエポキシ樹脂組成物を得た。各実施例、比較例の成分配合比は、表1に示す通りである。なお、ここで用いた原料の分子量等は以下に示す通りである。
<アミン型エポキシ樹脂>
・トリグリシジル‐p‐アミノ‐o‐メチルフェノール(“スミエポキシ(登録商標)”ELM100、エポキシ当量:106、住友化学工業(株)製)
・テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(“スミエポキシ(登録商標)”ELM434、住友化学工業(株)製、エポキシ当量:125)
<ビスフェノール型エポキシ樹脂>
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(“jER(登録商標)”828、エポキシ当量:189、ジャパンエポキシレジン(株)製)
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(“jER(登録商標)”1001、エポキシ当量:475、ジャパンエポキシレジン(株)製)
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(“jER(登録商標)”1009、エポキシ当量:3300、ジャパンエポキシレジン(株)製)
<ジアミノジフェニルスルホン>
・4,4’‐ジアミノジフェニルスルホン( “セイカキュカ”‐S、和歌山精化工業(株)製)
<ジシアンジアミドまたはその誘導体>
・ジシアンジアミド(DICY7、ジャパンエポキシレジン(株)製)
<ウレア化合物>
・DCMU99(3‐(3,4‐ジクロロフェニル)1,1‐ジメチルウレア、保土ヶ谷化学工業(株)製)
<熱可塑性樹脂>
・“ビニレック(登録商標)”E(ポリビニルホルマール、チッソ(株)製)
(2)樹脂硬化物の曲げ弾性率、曲げ撓み量測定
未硬化の樹脂組成物を真空中で脱泡した後、2mm厚のテフロン(登録商標)製スペーサーにより厚み2mmになるように設定したモールド中で、各実施例、比較例に記載の温度で1時間硬化させ、厚さ2mmの樹脂硬化物を得た。この樹脂硬化物から、幅10mm、長さ60mmの試験片を切り出し、インストロン万能試験機(インストロン社製)を用い、スパン間長さを32mm、クロスヘッドスピードを2.5mm/分とし、JIS K7171(1994)に従って3点曲げを実施し、曲げ弾性率および曲げ撓み量を得た。サンプル数はn=5とし、その平均値で比較した。
(3)樹脂硬化物の反応率測定
フーリエ変換赤外分光光度計(IR Prestige‐21:株式会社島津製作所製)を用い、エポキシ樹脂組成物と樹脂硬化物のベンゼン環ピーク(1510cm−1)とオキシラン環ピーク(910cm−1)の吸光度の面積を測定し、ベンゼン環に対するオキシラン環の面積比を得た。ベンゼン環に対するオキシラン環の面積比は、(オキシラン環ピークの面積)/(ベンゼン環のピークの面積)から求めた。樹脂硬化物の反応率は、(1−(樹脂硬化物の面積比)/(エポキシ樹脂組成物の面積比))×100から算出した。
(4)樹脂硬化物のガラス転移温度の測定
上記(2)に従い作製した板状の樹脂硬化物からダイヤモンドカッターを用い幅13mm、長さ50mmのサンプルを切り出した。このサンプルを、動的粘弾性測定装置(レオメーターRDA2:レオメトリックス社製)を用い、昇温速度5℃/minで昇温し、周波数1.0Hzのねじりモードで貯蔵弾性率の測定を行った。このときの貯蔵弾性率のオンセット温度をガラス転移温度とした。また、測定数はn=3とし、その平均値で比較した。
(5)プリプレグの作製
上記(1)に従い調製した樹脂組成物を、リバースロールコーターを使用し離型紙状に塗布し、樹脂フィルムを作製した。次に、シート状に一方向に整列させた炭素繊維“トレカ(登録商標)”T700S(東レ(株)製、引張弾性率:230GPa、引張強度:4900MPa)に樹脂フィルム2枚を炭素繊維の両面から重ね、加熱加圧して樹脂組成物を含浸させ、単位面積辺りの炭素繊維重量125g/m、繊維重量含有率68%の、T700S使い一方向プリプレグを作製した。
(6)繊維強化複合材料のガラス転移温度の測定
上記(5)に従い作製したT700S使い一方向プリプレグを、20層構成になるよう一方向に積層した後、オートクレーブ内で、各実施例、比較例に記載の温度、0.3MPaで1時間加熱加圧して硬化し、繊維強化複合材料を作製した。得られた繊維強化複合材料からダイヤモンドカッターを用い幅13mm、長さ50mmのサンプルを切り出した。このサンプルを、動的粘弾性測定装置(レオメーターRDA2:レオメトリックス社製)を用い、昇温速度5℃/minで昇温し、周波数1.0Hzのねじりモードで貯蔵弾性率の測定を行った。このときの貯蔵弾性率のオンセット温度をガラス転移温度とした。また、測定数はn=3とし、その平均値で比較した。
(7)繊維強化複合材料の圧縮強度の測定
上記(6)と同様にして、繊維強化複合材料を作製した。得られた繊維強化複合材料からJIS K7076のA法試験片の形状および寸法で試験片を切り出し、0°圧縮強度を測定した。測定数はn=5とし、その平均値を求めた。
(8)繊維強化複合材料のシャルピー衝撃値の測定
上記(5)に従い作製したT700S使い一方向プリプレグを、30層構成になるよう一方向に積層した後、オートクレーブ内で、各実施例、比較例に記載の温度、0.3MPaで1時間加熱加圧して硬化し、厚さ32mmの繊維強化複合材料を作製した。得られた繊維強化複合材料からダイヤモンドカッターを用い、幅10mm、長さ80mmのサンプルを切り出した。このサンプルをJIS K7077に従ってシャルピー衝撃試験を実施し、シャルピー衝撃値を得た。サンプル数はn=5とし、その平均値で比較した。
上記方法により各実施例、比較例についてエポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料を作製し、特性を測った結果を表1および表2にまとめて示す。
(実施例1)
表1に示す通り、アミン型エポキシ樹脂としてELM100を35部、ビスフェノール型エポキシ樹脂としてjER828を40部とjER1001を25部、ジアミノジフェニルスルホンとしてセイカキュア‐Sを3部、ジシアンジアミドまたはその誘導体としてDICY7を5部、ウレア化合物としてDCMU99を3部、さらに熱可塑性樹脂としてビニレックEを4部用いて、エポキシ樹脂組成物を調製した。この時のビスフェノール型エポキシ樹脂成分の平均エポキシ当量は、300であり、全エポキシ樹脂成分のエポキシ基1当量に対する〔C〕および〔D〕の活性水素基数の総量(以下、活性水素基数と略す。)は、0.8当量であった。得られたエポキシ樹脂組成物を150℃で硬化させ、樹脂硬化物を得た。この時の反応率は、100%であった。また、かかるエポキシ樹脂組成物を用いて150℃で繊維強化複合材料を作製した。このエポキシ樹脂組成物から得られた樹脂硬化物、繊維強化複合材料の特性は、表1に示すとおり良好であった。
(実施例2)
アミン型エポキシ樹脂としてELM434を35部とした以外は、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を調製した。この時のビスフェノール型エポキシ樹脂成分の平均エポキシ当量は、300であり、活性水素基数は、0.8当量であった。得られたエポキシ樹脂組成物を150℃で硬化させ、樹脂硬化物を得た。この時の反応率は、100%であった。また、かかるエポキシ樹脂組成物を用いて150℃で繊維強化複合材料を作製した。このエポキシ樹脂組成物から得られた樹脂硬化物、繊維強化複合材料の特性は、表1に示すとおり良好であった。
(実施例3)
アミン型エポキシ樹脂としてELM434を50部、ビスフェノール型エポキシ樹脂としてjER828を25部とjER1001を25部、とした以外は、実施例2と同様にして、エポキシ樹脂組成物を調製した。一方、この時のビスフェノール型エポキシ樹脂成分の平均エポキシ当量は、332であった。得られたエポキシ樹脂組成物を150℃で硬化させ、樹脂硬化物を得た。この時の反応率は、98%であり、活性水素基数は、0.8当量であった。この樹脂硬化物の曲げ弾性率とガラス転移温度は、実施例2に比べて向上した。また、このエポキシ樹脂組成物を用いて150℃で繊維強化複合材料を作製した。このエポキシ樹脂組成物から得られた樹脂硬化物、繊維強化複合材料の特性は、表1に示すとおりである。得られた繊維強化複合材料のシャルピー衝撃値は、実施例2に比べて若干低下したが、良好なものであり、ガラス転移温度と0°圧縮強度が、実施例2に比べて向上した。
(実施例4)
ビスフェノール型エポキシ樹脂としてjER828を30部とjER1009を20部した以外は、実施例3と同様にして、エポキシ樹脂組成物を調製した。この時のビスフェノール型エポキシ樹脂成分の平均エポキシ当量は、1433であった。得られたエポキシ樹脂組成物を150℃で硬化させ、樹脂硬化物を得た。この時の反応率は、98%であり、活性水素基数は、0.8当量であった。また、かかるエポキシ樹脂組成物を用いて150℃で繊維強化複合材料を作製した。このエポキシ樹脂組成物から得られた樹脂硬化物、繊維強化複合材料の特性は、表1に示すとおりである。この樹脂硬化物のガラス転移温度は、実施例3に比較し低下したが実用上問題ないレベルであり、曲げ弾性率と曲げ撓み量は、実施例3に比べて向上した。また、この繊維強化複合材料の0°圧縮強度とシャルピー衝撃値は、実施例3に比べて共に向上した。
(実施例5)
ジアミノジフェニルスルホンとしてセイカキュア‐Sを5部とした以外は、実施例3と同様にして、エポキシ樹脂組成物を調製した。この時のビスフェノール型エポキシ樹脂成分の平均エポキシ当量は、332であり、活性水素基数は、0.8当量であった。得られたエポキシ樹脂組成物を150℃で硬化させ、樹脂硬化物を得た。この時の反応率は、95%であった。また、かかるエポキシ樹脂組成物を用いて150℃で繊維強化複合材料を作製した。このエポキシ樹脂組成物から得られた樹脂硬化物、繊維強化複合材料の特性は、表1に示すとおりである。実施例3に比べて、樹脂硬化物の曲げ弾性率が向上した結果、繊維強化複合材料の0°圧縮強度も向上した。
(実施例6)
ジアミノジフェニルスルホンとしてセイカキュア‐Sを9部とした以外は、実施例3と同様にして、エポキシ樹脂組成物を調製した。この時のビスフェノール型エポキシ樹脂成分の平均エポキシ当量は、332であり、活性水素基数は、0.9当量であった。得られたエポキシ樹脂組成物を150℃で硬化させ、樹脂硬化物を得た。この時の反応率は、92%であった。また、このエポキシ樹脂組成物を用いて150℃で繊維強化複合材料を作製した。このエポキシ樹脂組成物から得られた樹脂硬化物、繊維強化複合材料の特性は、表1に示すとおりである。実施例3に比べて、この樹脂硬化物のガラス転移温度は低下したが、曲げ弾性率が大きく向上し、繊維強化複合材料のガラス転移温度の低下と0°圧縮強度も大きな向上がみられた。
(実施例7)
ビスフェノール型エポキシ樹脂としてjER828を25部、jER1001を15部、jER1009を10部とした以外は、実施例5と同様にして、エポキシ樹脂組成物を調製した。この時のビスフェノール型エポキシ樹脂成分の平均エポキシ当量は、897であり、活性水素基数は、0.9当量であった。得られたエポキシ樹脂組成物を150℃で硬化させ、樹脂硬化物を得た。この時の反応率は、96%であった。また、このエポキシ樹脂組成物を用いて150℃で繊維強化複合材料を作製した。このエポキシ樹脂組成物から得られた樹脂硬化物、繊維強化複合材料の特性は、表1に示すとおりである。このエポキシ樹脂組成物から得られた樹脂硬化物の曲げ弾性率と曲げ撓み量は、実施例3に比べて共に大きく向上し、繊維強化複合材料の0°圧縮強度とシャルピー衝撃値も、実施例3に比べて大きく向上した。
(比較例1)
アミン型エポキシ樹脂として、ELM434を25部、ビスフェノール型エポキシ樹脂として、jER828を25部とjER1001を50部とした以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を調製した。この時のビスフェノール型エポキシ樹脂成分の平均エポキシ当量は、380であり、活性水素基数は、1.0当量であった。得られたエポキシ樹脂組成物を150℃で硬化させ、樹脂硬化物を得た。また、かかるエポキシ樹脂組成物を用いて150℃で繊維強化複合材料を作製した。このエポキシ樹脂組成物から得られた樹脂硬化物、繊維強化複合材料の特性は、表2に示すとおりである。樹脂硬化物の反応率は、100%であったが、この樹脂硬化物は、ガラス転移温度が低い上に、弾性率も不十分であった。また、繊維強化複合材料は、ガラス転移温度、0°圧縮強度が不十分であった。
(比較例2)
アミン型エポキシ樹脂としてELM434を60部、ビスフェノール型エポキシ樹脂としてjER828を20部とjER1001を20部とした以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を調製した。この時のビスフェノール型エポキシ樹脂成分の平均エポキシ当量は、332であり、活性水素基数は、0.7当量であった。得られたエポキシ樹脂組成物を150℃で硬化させ、樹脂硬化物を得た。また、かかるエポキシ樹脂組成物を用いて150℃で繊維強化複合材料を作製した。このエポキシ樹脂組成物から得られた樹脂硬化物、繊維強化複合材料の特性は、表2に示すとおりである。樹脂硬化物は、反応率が88%と低い上に、曲げ撓み量も不十分であった。また、繊維強化複合材料は、シャルピー衝撃値が不十分であった。
(比較例3)
ジアミノジフェニルスルホンを配合しなかった以外は、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を調製した。この時のビスフェノール型エポキシ樹脂成分の平均エポキシ当量は、387であり、活性水素基数は、0.8当量であった。得られたエポキシ樹脂組成物を150℃で硬化させ、樹脂硬化物を得た。また、かかるエポキシ樹脂組成物を用いて150℃で繊維強化複合材料を作製した。このエポキシ樹脂組成物から得られた樹脂硬化物、繊維強化複合材料の特性は、表2に示すとおりである。樹脂硬化物の反応率は、97%であったが、ガラス転移温度が低い上に、曲げ弾性率も不十分であった。また、繊維強化複合材料は、ガラス転移温度と0°圧縮強度が不十分であった。
(比較例4)
ジアミノジフェニルスルホンとしてセイカキュア‐Sを11部、ジシアンジアミドまたはその誘導体としてDICY7を4部用いた以外は、実施例4と同様にして、エポキシ樹脂組成物を調製した。この時のビスフェノール型エポキシ樹脂成分の平均エポキシ当量は、1433であり、活性水素基数は、0.9当量であった。得られたエポキシ樹脂組成物を150℃で硬化させ、樹脂硬化物を得た。また、かかるエポキシ樹脂組成物を用いて150℃で繊維強化複合材料を作製した。このエポキシ樹脂組成物から得られた樹脂硬化物、繊維強化複合材料の特性は、表2に示すとおりである。樹脂硬化物の反応率は、90%であった。また、ガラス転移温度が低い上に、曲げ撓み量も不十分であった。また、繊維強化複合材料は、ガラス転移温度とシャルピー衝撃値が不十分であった。
(比較例5)
ジアミノジフェニルスルホンとしてセイカキュア‐Sを28部用い、ジシアンジアミドまたはその誘導体を用いなかった以外は、実施例3と同様にして、エポキシ樹脂組成物を調製した。この時のビスフェノール型エポキシ樹脂成分の平均エポキシ当量は、332であり、活性水素基数は、0.8当量であった。得られたエポキシ樹脂組成物を150℃で硬化させ、樹脂硬化物を得た。また、かかるエポキシ樹脂組成物を用いて150℃で繊維強化複合材料を作製した。このエポキシ樹脂組成物から得られた樹脂硬化物、繊維強化複合材料の特性は、表2に示すとおりである。樹脂硬化物の反応率は、70%であり、不十分であった。また、ガラス転移温度が低い上に、曲げ撓み量も不十分であった。また、繊維強化複合材料は、ガラス転移温度とシャルピー衝撃値が不十分であった。
(比較例6)
ウレア化合物を用いなかった以外は、実施例4と同様にして、エポキシ樹脂組成物を調製した。この時のビスフェノール型エポキシ樹脂成分の平均エポキシ当量は、1433であり、活性水素基数は、0.8当量であった。得られたエポキシ樹脂組成物を150℃で硬化させ、樹脂硬化物を得た。また、かかるエポキシ樹脂組成物を用いて150℃で繊維強化複合材料を作製した。このエポキシ樹脂組成物から得られた樹脂硬化物、繊維強化複合材料の特性は、表2に示すとおりである。樹脂硬化物の反応率は、86%と、不十分であり、ガラス転移温度、曲げ弾性率、曲げ撓み量の何れも不十分であった。また、繊維強化複合材料は、ガラス転移温度、0°圧縮強度、シャルピー衝撃値の何れも不十分であった。
(比較例7)
ビスフェノール型エポキシ樹脂としてjER828を75部、熱可塑性樹脂としてビニレックEを6部用いた以外は、比較例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を調製した。この時のビスフェノール型エポキシ樹脂成分の平均エポキシ当量は、189であり、活性水素基数は、0.8当量であった。得られたエポキシ樹脂組成物を150℃で硬化させ、樹脂硬化物を得た。また、かかるエポキシ樹脂組成物を用いて150℃で繊維強化複合材料を作製した。このエポキシ樹脂組成物から得られた樹脂硬化物、繊維強化複合材料の特性は、表2に示すとおりである。樹脂硬化物の反応率は、100%であったが、ガラス転移温度、曲げ弾性率、曲げ撓み量の何れも不十分であった。また、繊維強化複合材料は、0°圧縮強度、シャルピー衝撃値の何れも不十分であった。
(比較例8)
ビスフェノール型エポキシ樹脂としてjER828を15部とjER1009を60部、ジシアンジアミドまたはその誘導体としてDICY7を4部用い、熱可塑性樹脂を用いなかった以外は、比較例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を調製した。この時のビスフェノール型エポキシ樹脂成分の平均エポキシ当量は、2678であり、活性水素基数は、1.0当量であった。得られたエポキシ樹脂組成物を150℃で硬化させ、樹脂硬化物を得た。また、かかるエポキシ樹脂組成物を用いて150℃で繊維強化複合材料を作製した。このエポキシ樹脂組成物から得られた樹脂硬化物、繊維強化複合材料の特性は、表2に示すとおりである。樹脂硬化物の反応率は、100%であったが、ガラス転移温度と曲げ弾性率が不十分であった。また、繊維強化複合材料は、ガラス転移温度と0°圧縮強度が不十分であった。
(比較例9)
ジシアンジアミドまたはその誘導体としてDICY7を1部用い、ウレア化合物としてDCMU99を1部用いた以外は、実施例7と同様にして、エポキシ樹脂組成物を調整した。この時のビスフェノール型エポキシ樹脂成分の平均エポキシ当量は、332であり、活性水素基数は、0.4当量であった。得られたエポキシ樹脂組成物を150℃で硬化させ、樹脂硬化物を得た。また、かかるエポキシ樹脂組成物を用いて150℃で繊維強化複合材料を作製した。このエポキシ樹脂組成物から得られた樹脂硬化物、繊維強化複合材料の特性は、表2に示すとおりである。樹脂硬化物の反応率は、85%と、不十分であり、ガラス転移温度と曲げ撓み量も不十分であった。また、繊維強化複合材料は、ガラス転移温度とシャルピー衝撃値が不十分であった。
Figure 2010053278
Figure 2010053278
実施例1と実施例2を比較すると、アミン型エポキシ樹脂としてトリグリシジル‐p‐アミノ‐o‐メチルフェノールに換えてテトラグリシジルジアミノジフェニルメタン用いた結果、樹脂硬化物と繊維強化複合材料のガラス転移温度が向上し、アミン型エポキシ樹脂としてテトラグリシジルジアミノジフェニルメタンがより好ましいことが確認された。
実施例2と実施例3を比較すると、アミン型エポキシ樹脂のテトラグリシジルジアミノジフェニルメタンの配合量を増量し、それに伴い、ビスフェノール型エポキシ樹脂の配合量を減量し、アミン型エポキシ樹脂とビスフェビール型エポキシ樹脂の配合量の比率を本発明のより好ましい範囲内とすることにより、樹脂硬化物のガラス転移温度と曲げ弾性率が向上することが確認された。また、かかる配合により、繊維強化複合材料のシャルピー衝撃値は若干低下したが、0°圧縮強度が大きく向上することが確認された。
実施例3、実施例5、および、実施例6の比較により、ジアミノジフェニルスルホンの配合量の効果が確認された。すなわち、他の配合組成は同一とし、ジアミノジフェニルスルホンの配合量を3部、5部、9部とした比較がなされた。この結果、ジアミノジフェノルスルホンを、本発明の好ましい範囲内にある5部配合した実施例5が、3部配合した実施例3や9部配合した実施例6に比べて、樹脂硬化物のガラス転移温度、曲げ弾性率、曲げ撓み量のバランスが良好であり、繊維強化複合材料のガラス転移温度、0°圧縮強度、シャルピー衝撃値も良好であることが確認された。
実施例3と4を比較により、ビスフェノール型エポキシ樹脂成分の平均エポキシ当量の影響が確認された。なお、平均エポキシ当量は、ビスフェノール型エポキシ樹脂成分の範囲内で比較すると、平均分子量とほぼ1対1に対応する指標と見なして良い。すなわち、ビスフェノール型エポキシ樹脂成分の平均エポキシ当量を本発明のより好ましい範囲内にある1433とした実施例4は、平均エポキシ当量が332である実施例3に比べて、樹脂硬化物のガラス転移温度は低下するものの、曲げ弾性率と曲げ撓み量のいずれもが向上することが確認された。また、繊維強化複合材料の0°圧縮強度とシャルピー衝撃値のバランスも向上し、全体として、より好ましい特性となった。
実施例7は、アミン型エポキシ樹脂とビスフェノール型エポキシ樹脂の配合量、ビスフェノール型エポキシ樹脂成分の平均エポキシ当量、ジアミノジフェノルスルホンの配合量を本発明のより好ましい範囲とした結果、いずれの実施例と比べても、樹脂硬化物のガラス転移温度、曲げ弾性率、曲げ撓み量の全てが最も良好か、あるいは最も良好なものとほぼ同等であることが確認された。また、繊維強化複合材料のガラス転移温度、0°圧縮強度、シャルピー衝撃強度も全て、樹脂硬化物と同様に、いずれの実施例と比べても、最も良好か、あるいは最も良好なものとほぼ同等であることが確認された。
比較例1及び2は、アミン型エポキシ樹脂とビスフェノール型エポキシ樹脂の配合量が本発明の範囲外である。その結果、比較例1では、ガラス転移温度と曲げ弾性率が不十分となり、比較例2では、硬化物の反応率と曲げ撓み量が不十分であった。このため、比較例1では、繊維強化複合材料のガラス転移温度と0°圧縮強度が不足し、比較例2では、繊維強化複合材料のシャルピー衝撃値が不十分であった。
比較例3は、本発明の必須成分であるジアミノジフェニルスルホンが配合されていない(それ以外は、実施例1と同一の配合)。この結果、硬化物のガラス転移温度と曲げ弾性率が不十分であった。このため、繊維強化複合材料のガラス転移温度と0°圧縮強度が不十分であった。
比較例4は、ジアミノジフェノルスルホンの配合量が、本発明の範囲外である(それ以外は、実施例4と同一の配合)。この結果、硬化物のガラス転移温度と曲げ弾性率が不十分となった、このため、繊維強化複合材料のシャルピー衝撃値が不十分となった。
比較例5は、ジアミノジフェノルスルホンの配合量が本発明の範囲外であり、さらに、本発明の必須成分であるジシアンジアミドまたはその誘導体が配合されていない(それ以外は、実施例3と同一の配合)。この結果、硬化物の反応率、ガラス転移温度、曲げ撓み量が不十分であった。このため、繊維強化複合材料のガラス転移温度とシャルピー衝撃値が不十分であった。
比較例6は、本発明の必須成分であるウレア化合物が配合されていない(それ以外は、実施例4と同同一の配合)。この結果。硬化物の、反応率、ガラス転移温度、曲げ弾性率、曲げ撓み量が不足した。このため、繊維強化複合材料のガラス転移温度、0°圧縮強度とシャルピー衝撃値が不十分であった。
比較例7及び8は、アミン型エポキシ樹脂とビスフェノール型エポキシ樹脂の配合量が本発明の範囲外であることに加えて、ビスフェノール型エポキシ樹脂の平均エポキシ当量が、本発明の好ましい範囲外である。この結果、比較例1と比べ、比較例7では、硬化物の曲げ撓み量がさらに低下したため、ガラス転移温度、弾性率、曲げ撓み量のいずれもが不十分となり、繊維強化複合材料のガラス転移温度、0°圧縮強度、シャルピー衝撃値共に不十分であった。また、比較例8では、硬化物のガラス転移温度と曲げ弾性率が大きく低下し、繊維強化複合材料のガラス転移温度、0°圧縮強度とシャルピー衝撃値が不十分であった。
比較例9は、本発明の必須成分を全て必要な範囲内で含んでいるが、硬化物の反応率が不十分であり、ガラス転移温度と曲げ撓み量も不十分であった。この結果、繊維強化複合材料のガラス転移温度とシャルピー衝撃値も不十分であった。
本発明によれば、優れた耐熱性、弾性率、伸度等を有する硬化物をあたえるエポキシ樹脂組成物を提供することができ、優れた耐熱性、圧縮強度、耐衝撃性等を併せ持つ繊維強化複合材料を得ることができる。
本発明によるエポキシ樹脂組成物、プリプレグ及び繊維強化複合材料は、ゴルフクラブ用シャフト、釣り竿、バトミントンラケット用シャフト、車椅子用フレーム、ホッケー用スティックなどに用いることができるが、好適には、自転車用部品、さらに好適には、自転車用ホイールとして用いることができる。

Claims (12)

  1. 下記[A〕〜[F]を含み、かつ、150℃で1時間硬化させた時の反応率が90%以上であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
    [A]アミン型エポキシ樹脂 30〜55重量部
    [B]ビスフェノール型エポキシ樹脂 45〜70重量部
    [C]ジアミノジフェニルスルホン 2〜10重量部
    [D]ジシアンジアミドまたはその誘導体
    [E]ウレア化合物
    [F]熱可塑性樹脂
  2. 前記[B]成分のビスフェノール型エポキシ樹脂の平均エポキシ当量が300〜2000である請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 前記〔C〕成分および〔D〕成分の活性水素基の総量が、全エポキシ樹脂成分のエポキシ基1当量に対し、0.6〜1.0当量の範囲にある請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 前記〔E〕を全エポキシ樹脂成分100重量部に対し、1〜3重量部含む請求項1〜3のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 前記エポキシ樹脂組成物が、150℃で1時間硬化させた時の硬化物のガラス転移温度が140〜170℃である請求項1〜4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 前記エポキシ樹脂組成物が、150℃で1時間硬化させた時の硬化物の3点曲げ弾性率が3.5GPa以上である請求項1〜5のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 前記エポキシ樹脂組成物が、150℃で1時間硬化させた時の硬化物の3点曲げ撓み量が5mm以上である請求項1〜6のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を繊維基材に含浸させてなるプリプレグ。
  9. 請求項8に記載のプリプレグを硬化させてなる繊維強化複合材料。
  10. 請求項8に記載のプリプレグを、150〜170℃で、1時間以内の硬化条件で硬化させる繊維強化複合材料の製造方法。
  11. 前記繊維強化複合材料が、自転車用部品を構成するものである請求項9に記載の繊維強化複合材料。
  12. 前記自転車用部品が、自転車用ホイールである請求項10に記載の繊維強化複合材料。
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