JP2001302762A - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物

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JP2001302762A
JP2001302762A JP2000124195A JP2000124195A JP2001302762A JP 2001302762 A JP2001302762 A JP 2001302762A JP 2000124195 A JP2000124195 A JP 2000124195A JP 2000124195 A JP2000124195 A JP 2000124195A JP 2001302762 A JP2001302762 A JP 2001302762A
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和也 後藤
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一城 古賀
Yasushi Suzumura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリプレグのマトリックス樹脂として使用し
た場合に、加熱硬化前の状態でエアをかみ込んでいて
も、加熱硬化時に「ふくれ」を形成しないマトリックス
樹脂としての使用に適したエポキシ樹脂組成物を提供す
る。 【解決手段】 エポキシ樹脂と硬化剤を含有するエポキ
シ樹脂組成物において、硬化温度T、硬化時間2時間の
条件で硬化させた硬化物のガラス転移温度Tgが、Tg
≧T+15であるエポキシ樹脂組成物である。エポキシ
樹脂に、下記一般式(1)または一般式(2)で示され
る化合物の少なくとも一種類が含まれると、より外観の
優れた成形品を得ることができる。 【化1】 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエポキシ樹脂組成物
に関し、特に繊維強化樹脂複合材料の中間基材であるプ
リプレグのマトリックス樹脂として好適なものである。
【0002】
【従来の技術】繊維強化複合材料(以下、FRPとい
う)は、重量当たりの剛性や強度、いわゆる比剛性(ま
たは比弾性という)や比強度が、鉄やアルミなどの金属
に比べて優れるため、スポーツレジャー関連用途から航
空機用途まで広く用いられている。FRPの代表的な成
形方法として、補強材に熱硬化性樹脂を含浸させた中間
基材であるプリプレグを用いる方法がある。例えばゴル
フシャフトなどは、このプリプレグを、設計されたパタ
ーンにカットし、マンドレルに各パターンを数枚ずつ巻
き付け、テーピングして締め付けた後、加熱硬化させて
得られる。
【0003】ところが、マンドレルにプリプレグを巻き
付ける時に、プリプレグのタック(粘着性)やドレープ
性(柔軟性)等の性質や、マンドレルやプリプレグパタ
ーンの形状等によっては、プリプレグとマンドレルの間
やプリプレグ層の間に空気を含んでしまう現象、すなわ
ち、エアのかみ込みが起こることがある。エアをかみ込
むと、エアが成形時に熱膨張して「ふくれ」を形成し、
得られた成形品の形状に影響を与え不良品となってして
しまうという問題があった。近年ゴルフシャフトの高性
能化により、マンドレルやプリプレグパターンの形状が
複雑になってきているため、プリプレグの細部等にエア
がかみ込むことが多くなってきている。
【0004】かみ込んだエアを抜く方法としては、プリ
プレグをテーピングで締め付ける方法がある。この方法
は、プリプレグのタックが十分にドライな場合には有効
であるため、プリプレグをドライな状態にし、かつ、テ
ーピングで締め付けることにより、ある程度のエアを抜
くことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、最近で
は、マンドレル形状およびプリプレグのパターン形状が
複雑化しているため、プリプレグのタックが十分ドライ
な場合でも、テーピングによってエアを十分に抜くこと
ができない場合が増加している。またプリプレグをドラ
イにし過ぎると、プリプレグがマンドレルに巻き付きに
くくなり、巻き付け工程にも悪影響を及ぼしてしまう。
したがって、マンドレル形状およびプリプレグのパター
ン形状が複雑な場合、例えば、高性能なゴルフシャフト
を製造する場合には、エアをかみ込む可能性が高く、そ
の結果、成形品に「ふくれ」を形成してしまうという問
題があった。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、加熱硬化前の状態でエアをかみ込んでいても、加熱
硬化時に「ふくれ」を形成せず、外観の優れた成形品を
成形することができる、プリプレグのマトリックス樹脂
としての使用に適したエポキシ樹脂組成物を提供するこ
とを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、硬化温度Tよりもガラス転移温度Tgが15℃
以上高ければ、加熱硬化前の状態でエアをかみ込んでい
ても、加熱硬化時に「ふくれ」を形成しないことを見出
した。すなわち、本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポ
キシ樹脂と硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物におい
て、硬化温度T(℃)、硬化時間2時間の条件で硬化さ
せた硬化物のガラス転移温度Tg(℃)が、Tg≧T+
15の条件を満たすことを特徴とする。上記硬化温度
は、150℃以下であることが好ましい。上記エポキシ
樹脂は、下記一般式(1)または一般式(2)で示され
る化合物の少なくとも一種類を含むことが好ましい。
【化3】
【化4】 上記硬化剤は、ジシアンジアミドと尿素系化合物からな
ることが好ましい。また、上記硬化剤には、ジシアンジ
アミドが、エポキシ樹脂のエポキシ当量の50質量%以
上含まれることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂と硬化剤
を主成分とするもので、硬化温度T、硬化時間2時間の
条件で硬化させた硬化物のガラス転移温度Tgが、Tg
≧T+15を満たすものである。ここでガラス転移温度
Tgとは、硬化物の温度を段階的に昇温させながら、各
温度における硬化物の貯蔵弾性率E’を測定した場合
に、貯蔵弾性率E’が急激に低下し始める温度のことを
いう。この温度は、図1に示すように、貯蔵弾性率E’
の対数を温度に対してプロットした場合に、硬化物がガ
ラス状態にある場合の傾きの接線l1 と、硬化物がガラ
ス状からゴム状へと転移している状態にある場合の傾き
の接線l2 との交点Aの温度として求められる。また、
貯蔵弾性率E’とは、硬化物に周期的に歪みを与えた場
合の硬化物の弾性率である。貯蔵弾性率E’は、例え
ば、レオメトリックス社製RSA−IIを使用して測定
することができ、硬化物を2℃ずつステップ昇温し、各
温度でソークタイム1分、歪み速度10ラジアン/秒の
条件等で測定して求められる。
【0009】エポキシ樹脂組成物の硬化物をガラス転移
温度Tgまで加熱すると、図1に示すように硬化物の貯
蔵弾性率E’は急激に低下し始め、ゴム状に軟化する。
しかしながら、ガラス転移温度Tgよりも低い温度、特
に15℃以上低い温度Taにおいては、この硬化物はガ
ラス状態であり、十分な硬度を有する。したがって、エ
ポキシ樹脂組成物を加熱して硬化させる場合に、その硬
化物のガラス転移温度Tgが硬化温度Tよりも15℃以
上高い場合には、硬化温度でも硬化物は、十分な硬度を
有する。それに対して、ガラス転移温度Tgが、硬化温
度Tより高い温度であっても硬化温度Tとの温度差が1
5℃未満の場合は、ガラス転移温度Tgと硬化温度Tと
の温度差が非常に小さいため、硬化物は硬化温度で十分
な硬度を保持できない。さらに、ガラス転移温度Tgが
硬化温度Tよりも低温である場合には、硬化温度で硬化
物は転移状態、あるいはゴム状態であり、すなわち硬化
物は硬化温度で軟らかい状態である。
【0010】一方、このようなエポキシ樹脂組成物をマ
トリックス樹脂に使用したプリプレグをマンドレルに巻
き付けた際に、プリプレグとマンドレルの間やプリプレ
グ層の間に空気を含んでしまう現象、いわゆるエアのか
み込みが起こると、このプリプレグを硬化温度Tで加熱
して硬化させる際に、エアは温度上昇に伴って体積増
加、すなわち熱膨張しようとする。この場合、エアの周
囲の樹脂が軟らかく形状変化が容易である場合には、エ
アの熱膨張が起こるが、エアの周囲の樹脂が十分硬く形
状変化が容易でない場合にはエアの圧力は増加するが熱
膨張は抑制される。
【0011】したがって、このエポキシ樹脂組成物をマ
トリックス樹脂として使用したプリプレグをマンドレル
に巻き付けた際に、エアのかみ込みが起こった場合、ガ
ラス転移温度Tgが硬化温度Tよりも15℃未満しか高
くない場合、または、ガラス転移温度Tgが硬化温度T
よりも低い場合、得られた硬化物は硬化温度で軟らかい
状態であるため、エアは熱膨張し、その結果容易に「ふ
くれ」を形成してしまう。しかし、エポキシ樹脂組成物
の硬化物のガラス転移温度Tgが硬化温度Tよりも15
℃以上高い場合には、得られた硬化物は硬化温度でもガ
ラス転移温度Tgよりも十分低い温度領域にあって、十
分硬く形状が安定な状態であるため、エアは圧力を増加
させるのみで熱膨張できず、したがって「ふくれ」が形
成されない。すなわち、エポキシ樹脂組成物の硬化物の
ガラス転移温度Tgが硬化温度Tよりも15℃以上高い
温度である場合には、かみ込まれたエアの圧力は増加す
るが熱膨張はしないため、熱膨張にともなう「ふくれ」
を抑制することができ、外観の優れた成形品を得ること
ができる。
【0012】このように、エポキシ樹脂と硬化剤を含有
するエポキシ樹脂組成物において、硬化温度T、硬化時
間2時間の条件で硬化させた硬化物のガラス転移温度T
gと硬化温度Tとの関係が、Tg≧T+15を満たす場
合、かみ込まれたエアの圧力は増加するが熱膨張はしな
いため、「ふくれ」を抑制でき、外観の優れた成形品が
得られる。さらに、かみ込んだエアの体積増加または圧
力増加は、硬化温度Tが高いほど大きいため、硬化温度
Tをできるだけ低くすることによって、より効果的に
「ふくれ」の形成を抑制できる。硬化温度Tは好ましく
は150℃以下であり、さらに好ましくは140℃以下
である。
【0013】本発明で使用するエポキシ樹脂としては、
グリシジルエーテル型、グリシジルエステル型、グリシ
ジルアミン型、脂環型等の通常使用されるエポキシ樹脂
であり特に制限はない。これらは1種類単独でまたは2
種類以上を混合して使用できるが、エポキシ樹脂中に
は、下記一般式(1)または一般式(2)で示される化
合物の少なくとも一種類が含まれることが好ましい。こ
れらのうちの少なくとも一種類が含まれると、エポキシ
樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度Tgが高くなるた
め、硬化温度Tとの温度差をより大きくでき、硬化物に
「ふくれ」を形成しにくく、より優れた外観を有する成
形品を得ることができる。さらには、エポキシ樹脂中、
一般式(1)または一般式(2)で示される化合物が1
0質量%以上含まれることが好ましい。
【化5】
【化6】 一般式(1)で示される化合物としては、例えば、油化
シェル社製のエピコート157S65が挙げられ、一般
式(2)で示される化合物としては、油化シェル社製の
エピコート1032S60が挙げられる。
【0014】本発明で使用する硬化剤としては、特に制
限はなく、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラ
ミン、ジシアンジアミド等のポリアミン系、ヘキサヒド
ロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸等の酸無水物
系、ノボラック型フェノール樹脂等のポリフェノール
系、ジクロロジメチルウレア、フェニルジメチルウレ
ア、メチルフェニレンビスジメチルウレア、メチルビス
フェニルジメチルウレア等の尿素化合物系、ジシアンジ
アミド等のグアニジン化合物等の公知のものが挙げられ
る。これらの硬化剤のなかでは、特にジシアンジアミド
と尿素系化合物からなる硬化剤を使用することが好まし
い。硬化剤がジシアンジアミドと尿素系化合物からなる
場合、エポキシ樹脂組成物を比較的低い硬化温度Tで硬
化させることができ、しかも、得られるエポキシ樹脂組
成物硬化物のガラス転移温度Tgが高くなるため、「ふ
くれ」の形成を効果的に抑制できる。また、この場合、
硬化剤の添加量は、硬化剤中のジシアンジアミドの量
が、エポキシ樹脂のエポキシ当量の量論量の50質量%
以上の量となるように添加されることが好ましい。この
ような場合、得られるエポキシ樹脂組成物硬化物のガラ
ス転移温度Tgがより高くなり、「ふくれ」をより一層
抑制できる。
【0015】本発明のエポキシ樹脂組成物には、発明の
効果に影響を与えない範囲で、成形物の物性向上や、プ
リプレグとしたときの取り扱い性の制御等を目的とし
て、ゴム変性エポキシ樹脂、ゴム微粒子、無機微粒子、
熱可塑性樹脂等を添加することができる。ゴム成分や熱
可塑性樹脂を添加することによって、成形物の機械的特
性が増して強靱になり、FRPを製造した場合には、補
強材との接着性にも優れるようになる。例えば熱可塑性
樹脂を、エポキシ樹脂等に溶解してエポキシ樹脂組成物
に添加することによって、この樹脂組成物をプリプレグ
のマトリックス樹脂として用いた場合、そのタック制御
や、成形物の強靱化をはかることができ、FRPとした
場合には、補強材との接着性を向上させることができ
る。また、熱可塑性樹脂を微粒子等で用いた場合にはF
RPの層間剥離強度が向上する効果が期待できる。
【0016】このようなエポキシ樹脂組成物は、エポキ
シ樹脂と硬化剤を含有するエポキシ樹脂組成物におい
て、硬化温度T、硬化時間2時間の条件で硬化させた硬
化物のガラス転移温度Tgが、Tg≧T+15であるの
で、このエポキシ樹脂組成物をマトリックス樹脂として
使用したプリプレグをマンドレルに巻き付けた際に、エ
アのかみ込みが起こっても、加熱硬化時のエアの熱膨張
を抑え、エアの熱膨張にともなう「ふくれ」を抑制する
ことができるため、外観の優れた成形品を得ることがで
きる。また、硬化温度Tが、150℃以下であることに
よって、より効果的に「ふくれ」を抑制することができ
る。
【0017】さらに、エポキシ樹脂として上記一般式
(1)または一般式(2)で示される化合物の少なくと
も一種類を使用することによって、硬化物のガラス転移
温度Tgを上げることができ、さらに効果的に「ふく
れ」を抑制することができる。また、硬化剤として、ジ
シアンジアミドと尿素系化合物からなるものを使用し
て、硬化剤中のジシアンジアミド量を、エポキシ樹脂の
エポキシ当量の50質量%以上とすることによって、エ
ポキシ樹脂組成物のガラス転移温度を向上させ、しかも
比較的低温で硬化させることができるため、さらに外観
の優れた成形品を得ることができる。よって、このよう
なエポキシ樹脂組成物は、プリプレグ用のマトリックス
樹脂としての使用に最適である。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。 [実施例1]表1に示す組成でエポキシ樹脂および硬化
剤を配合してエポキシ樹脂組成物を調製した。そして、
このエポキシ樹脂組成物をマトリックス樹脂とし、補強
材として三菱レイヨン(株)製炭素繊維TR50S−1
2Lが一方向に引き揃えられたシートを使用してホット
メルト方式でプリプレグを作成した。プリプレグは、A
P1、AP2、SP1、SP2の表2に示す4種を以下
のように作成し、これらプリプレグを図2に示すマンド
レルに巻き付けた。なお、使用したマンドレルは図2に
示すように、細径側端部1の外径D1 が6mmで、太径
側端部2の外径D2 が18.5mmであり、太径側端部
2からの長さ方向に500mmの位置P1 まではテーパ
ー度5/1000で縮径していて、その先1000mm
はテーパー度10/1000で縮径している、全長Lが
1500mmの鉄心である。また、巻付けは、細径側端
部1の先端から長さ方向に100mmの位置P2 から巻
き始め、先端から1300mmの位置P3 まで巻き付け
た。よってパターン長は1200mmであった。
【0019】(1)AP1の作成 マンドレルに巻き付けた際に、マンドレルの長さ方向に
対して炭素繊維が+45°に配向するように裁断された
図3(a)に示す台形状のプリプレグと、マンドレルに
巻き付けた際に、マンドレルの長さ方向に対して炭素繊
維が−45°に配向するように裁断された図3(b)に
示す台形状のプリプレグを作成し、これら2枚を貼りあ
わせた。ただしこれら2枚を貼りあわせる際には、図7
に示すように、細径側は図7中W1 で示すように11m
mずらし、太径側は図7中W2 で示すように27mmず
らして貼りあわせた。なお、図3中、La=44mm、
Lb=110mm、Lc=900mm、Ld=300m
m、Le=101mmである。また、図3中、矢印は炭
素繊維の配向方向である。このプリプレグAP1は炭素
繊維目付(FAW)が100g/m2であり、レジンコ
ンテント(RC)は33質量%であった。また、マンド
レルに巻き付けた際には、約±2プライとなる。
【0020】(2)AP2の作成 マンドレルに巻き付けた際に、マンドレルの長さ方向に
対して炭素繊維が+30°に配向するように裁断された
図4(a)に示す台形状のプリプレグと、マンドレルに
巻き付けた際に、マンドレルの長さ方向に対して炭素繊
維が−30°に配向するように裁断された図4(b)に
示す台形状のプリプレグを作成し、これら2枚を貼りあ
わせた。ただしこれら2枚を貼りあわせる際には、図7
に示すW1 が12mm、W2 が30mmとなるようにず
らして貼りあわせた。なお、図4中、La=24mm、
Lb=61mm、Lc=900mm、Ld=300m
m、Le=53mmである。このプリプレグAP2は炭
素繊維目付が125g/m2であり、レジンコンテント
は30質量%であった。また、マンドレルに巻き付けた
際には、約±1プライとなる。
【0021】(3)SP1の作成 マンドレルに巻き付けた際に、マンドレルの長さ方向に
対して炭素繊維が平行に配向するように図5に示す台形
状のプリプレグを作成した。なお、図5中、La=77
mm、Lb=186mm、Lc=900mm、Ld=3
00mm、Le=162mmである。このプリプレグS
P1は炭素繊維目付が125g/m2であり、レジンコ
ンテントは30質量%であった。また、マンドレルに巻
き付けた際には、約3プライとなる。
【0022】(4)SP2の作成 マンドレルに巻き付けた際に、マンドレルの長さ方向に
対して炭素繊維が平行に配向するように図6に示す台形
状のプリプレグを作成した。なお、図6中、La=56
mm、Lb=128mm、Lc=900mm、Ld=3
00mm、Le=112mmである。このプリプレグS
P2は炭素繊維目付が150g/m2であり、レジンコ
ンテントは25質量%であった。また、マンドレルに巻
き付けた際には、2プライとなる。
【0023】上記の(1)〜(4)で得られたプリプレ
グを、AP1、AP2、SP1、SP2の順序で図2に
示す形状のマンドレルに巻き付け、三菱レイヨン(株)
製ミレファンでテーピングした後、130℃の硬化温度
で2時間加熱硬化し、テープの除去、外周研磨を行い、
シャフトを得た。そして、得られたシャフトのガラス転
移温度Tgを求めるとともに、シャフトの「ふくれ」と
ボイドの有無を調べた。「ふくれ」は目視および指先に
よる触感で有無を調べた。ボイドの有無は、得られたシ
ャフトを超音波探傷機により非破壊検査し、内部を調べ
た。これらの結果を表1に示す。
【0024】また、ガラス転移温度Tgは、図1に示す
ように、得られたシャフトの貯蔵弾性率E’を以下の条
件で測定し、この貯蔵弾性率E’の対数を測定温度に対
してプロットした場合の接線l1 と接線l2 との交点A
の温度として求めた。 装置:レオメトリックス社製RSA−II モード:TEMP−SWEEP(2℃/STEP昇温) ソークタイム:1分 歪み速度:10ラジアン/秒
【0025】[実施例2〜6、比較例1および2]マト
リックス樹脂として、表1に示す各組成のエポキシ樹脂
組成物を使用した以外は実施例1と同様にして、シャフ
トを製造した。そして、得られたシャフトのガラス転移
温度Tg、「ふくれ」の有無、ボイドの有無を実施例1
と同様にして調べた。これらの結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】なお、表1中の略語は以下を示す。また、
配合組成は質量部である。 Ep828:油化シェル社製、液状ビスフェノールA型
エポキシ樹脂「エピコート828」、エポキシ当量19
0 Ep1001:油化シェル社製、固形ビスフェノールA
型エポキシ樹脂「エピコート1001」、エポキシ当量
480 XAC4152:旭チバ社製、イソシアネート変性エポ
キシ樹脂「XAC4152」、エポキシ当量340 Ep157S65:油化シェル社製ノボラック型エポキ
シ樹脂「エピコート157S65」、エポキシ当量20
0 Ep1032S60:油化シェル社製ノボラック型エポ
キシ樹脂「エピコート1032S60」、エポキシ当量
180 Ep154:油化シェル社製、フェノールノボラック型
エポキシ樹脂「エピコート154」、エポキシ当量18
0 PVF:チッソ社製ポリビニルフォルマール樹脂「ビニ
レックE」 Dicy:ジシアンジアミド、活性水素当量21 DCMU:ジクロロジメチルウレア
【0028】
【表2】 表2中、FAWは炭素繊維目付を、RCはレジンコンテ
ント(樹脂含有量)を示す。
【0029】表1から明らかなように、実施例1〜6で
得られたエポキシ樹脂組成物をマトリックス樹脂として
プリプレグを作成し、このプリプレグを用いて製造した
シャフトは、いずれも、ガラス転移温度Tgが硬化温度
よりも15℃以上高いため、ボイドは確認されたものの
「ふくれ」は形成されておらず、外観が優れていた。一
方、比較例1で得られたエポキシ樹脂組成物を使用した
シャフトは、ガラス転移温度Tgが硬化温度よりも低
く、また、比較例2で得られたエポキシ樹脂組成物を使
用したシャフトは、ガラス転移温度Tgが硬化温度より
11℃しか高くなかった。そのため、これら比較例1お
よび2で得られたシャフトには「ふくれ」が形成され、
内部にはボイドが確認され、外観が不良であった。さら
に、「ふくれ」の位置とボイドの位置は一致していた。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明のエポキシ樹
脂組成物によれば、このエポキシ樹脂組成物をマトリッ
クス樹脂として使用したプリプレグをマンドレルに巻き
付けた際に、エアのかみ込みが起こっても、加熱硬化時
のエアの熱膨張を抑え、エアの熱膨張にともなう「ふく
れ」を抑制することができるため、外観の優れた成形品
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 エポキシ樹脂組成物硬化物の貯蔵弾性率E’
の対数を、温度に対してプロットしたグラフであり、ガ
ラス転移温度Tgの求め方を示すものである。
【図2】 実施例で用いたマンドレルを示す平面図であ
る。
【図3】 実施例で用いたプリプレグAP1を示す平面
図である。
【図4】 実施例で用いたプリプレグAP2を示す平面
図である。
【図5】 実施例で用いたプリプレグSP1を示す平面
図である。
【図6】 実施例で用いたプリプレグSP2を示す平面
図である。
【図7】 実施例で用いたプリプレグAP1およびAP
2の作成方法を説明する平面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴村 靖 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内 Fターム(参考) 4J036 AA02 AF01 AF19 AF27 AG01 AH01 DA01 DA05 DA09 DC02 DC25 DC31 HA11 HA12 JA11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂と硬化剤を含有するエポキ
    シ樹脂組成物において、 硬化温度T、硬化時間2時間の条件で硬化させた硬化物
    のガラス転移温度Tgが、Tg≧T+15の条件を満た
    すことを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 硬化温度Tが、150℃以下であること
    を特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 エポキシ樹脂が、下記一般式(1)また
    は一般式(2)で示される化合物の少なくとも一種類を
    含むことを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂組
    成物。 【化1】 【化2】
  4. 【請求項4】 硬化剤が、ジシアンジアミドと尿素系化
    合物からなることを特徴とする請求項1に記載のエポキ
    シ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 硬化剤には、ジシアンジアミドが、エポ
    キシ樹脂のエポキシ当量の50質量%以上含まれている
    ことを特徴とする請求項4に記載のエポキシ樹脂組成
    物。
JP2000124195A 2000-04-25 2000-04-25 エポキシ樹脂組成物 Pending JP2001302762A (ja)

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