JPH07137163A - 管状複合成形体の製造方法 - Google Patents

管状複合成形体の製造方法

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JPH07137163A
JPH07137163A JP5170963A JP17096393A JPH07137163A JP H07137163 A JPH07137163 A JP H07137163A JP 5170963 A JP5170963 A JP 5170963A JP 17096393 A JP17096393 A JP 17096393A JP H07137163 A JPH07137163 A JP H07137163A
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JP
Japan
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inner mold
prepreg
plastic bag
mold
curing
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Application number
JP5170963A
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English (en)
Inventor
Akio Oshima
昭夫 大島
Kousaku Oshimi
廣策 押見
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Oil Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生産効率が良好で、工程の簡素化が図れ、ま
た物性が安定し、しかも製造時の破損も生じない管状複
合成形体の製造方法を提供する。 【構成】 (1)膨張性の内型にプリプレグを積層する
工程、(2)外型をかぶせる工程、および(3)内型を
膨張させると同時に硬化させる工程、を順次行うことを
特徴とする管状複合成形体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、膨張性の内型を用いた
管状複合成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維、ガラス繊維等を補強材とする
複合材料はゴルフシャフト、自転車パイプ、コンポジッ
トロール、釣竿等のスポーツ・レジャー用品、航空機、
一般産業資材等に使用されている。
【0003】通常、管状の成形体は、樹脂含浸した炭素
繊維をシートワインディング法やフィラメントワインデ
ィング法を用いてマンドレルに巻き付け、さらにその上
からポリプロピレン、ポリエステル等の一軸延伸テープ
を巻き、硬化炉内で加熱硬化し、硬化を終了して冷却
後、マンドレルを脱芯して、一軸延伸テープを剥し、さ
らにテーピング時の巻き跡を研磨する工程から製造され
る。
【0004】近年、炭素繊維からなるゴルフシャフト等
の成形体の軽量化が要望されており、軽量化を目的とし
て炭素繊維層の積層数が減少している。このため上記研
磨工程を行うことによる炭素繊維の損傷は、強度低下の
原因となっている。また作業環境を良好に保つために、
切削された炭素繊維が生じない製造プロセスが要望され
ている。
【0005】このように従来法の成形プロセスは、一軸
延伸テープを巻き付ける工程、一軸延伸テープを剥し、
テーピング時の巻き跡を研磨する工程に時間および労力
を要するため、生産の効率化が悪いという欠点を有す
る。また、大量のテープの廃棄も問題となっている。さ
らに、研磨工程を行うことによる炭素繊維の破損が生じ
るという問題がある。しかも、成形体の物性低下も問題
であり、軽量化を進めるうえでの障害になっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これら従来
技術の課題を解消し、生産効率が良好で、工程の簡素化
が図れ、また物性が安定し、しかも製造時の破損も生じ
ない管状複合成形体の製造方法を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記問題
を解決すべく、鋭意研究を進めた結果、本発明に至っ
た。
【0008】すなわち本発明は、(1)膨張性の内型に
プリプレグを積層する工程、(2)外型をかぶせる工
程、および(3)内型を膨張させると同時に硬化させる
工程を順次行うことを特徴とする管状複合成形体の製造
方法に関する。
【0009】以下、図面に基づいて本発明を説明する。
図1は、本発明の管状複合成形体の製造方法の一例を示
す説明図であり、同図において、1はプリプレグ、2は
外型、3は円筒物体、4はバルブ、5はプラスチック製
袋をそれぞれ示す。
【0010】本発明においては、先ず(1)膨張性の内
型にプリプレグ1を積層する工程を行う。
【0011】膨張性の内型としては、好ましくは剛性を
有する円筒物体3に、円筒状の気密性を有するプラスチ
ック製袋5を密着した状態でかぶせ、バルブ4を開き、
気体もしくは液体の送入により膨張可能なものを用い
る。この他に内型として、シリコンゴム等の熱膨張する
材料を用いることもできるが、膨張率等の関係から、前
者の内型が望ましい。この際の気体もしくは液体の送入
手段については、特に限定されない。
【0012】また、円筒状の気密製を有するプラスチッ
ク製袋5としては、通常の袋だけでなく、例えば気密性
を有するプラスチックフィルムをマンドレル等の円筒物
体に1プライ巻き付け、ヒートシーラー等の接着手段を
用いて接合することにより袋状にする方法を用いること
もできるが、特にこの方法に限定されない。
【0013】上記気密性を有するプラスチックとして
は、好ましくはナイロンフィルムが挙げられるが、ポリ
エステルフィルム、ポリウレタンフィルム等を用いるこ
ともできる。さらには、ヒートシール性のよい熱接着フ
ィルムも用いることができる。ここで上記気密性を有す
るプラスチック袋の厚さは、通常5〜50μmである。
【0014】特に、10〜30μm程度の薄い袋は軽量
であり、内側から気体を送入させた場合に膨張し易く好
ましい。またこのように薄い袋は、成形体の一部として
残して使用する場合にも軽量であるために望ましい。
【0015】剛性を有する円筒状物体3としては、後述
の熱硬化工程に耐え得る耐熱性を有する材料から成って
いれば特に限定されず、金属、プラスチック等、具体的
にはスチール、ステンレス、アルミニウム、各種プラス
チック、繊維強化プラスチック等を用いることができ
る。ここで、耐熱性、耐久性、精度等から、スチール、
ステンレス製の円筒状物体が最も都合がよい。
【0016】本発明の(1)工程において、上記の膨張
性の内型に対して、プリプレグ1を積層する。
【0017】プリプレグは、通常未硬化のマトリックス
樹脂を、強化繊維、好ましくは一方向に引き揃えた炭素
繊維に含浸させて得られる。
【0018】ここで、強化繊維としては炭素繊維以外に
も例えばボロン繊維、アルミナ繊維、シリコンカーバイ
ト繊維、ガラス繊維、石英繊維、アラミド繊維、ポリエ
チレン繊維およびこれらを組み合わせたハイブリッド繊
維を用いることができる。
【0019】また、強化繊維の形態としては、一方向に
引き揃えたもの以外にも、例えば織物、編組物等の形態
で用いることができる。
【0020】上記炭素繊維としてはピッチ系炭素繊維、
PAN系炭素繊維あるいはレーヨン系炭素繊維等のう
ち、いずれも用いることができる。特にPAN系炭素繊
維は、比強度および比弾性率が大きいため好ましい
【0021】上記マトリックス樹脂としては、熱硬化性
樹脂であれば特に限定されず、例えばフェノール樹脂、
エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステ
ル樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリシ
アネート樹脂、フラン樹脂、等の各種熱硬化性樹脂を用
いることができる。
【0022】これらの中でもエポキシ樹脂組成物、特に
有機材料製中空微粒子を有するエポキシ樹脂組成物が好
ましい。
【0023】ここでエポキシ樹脂組成物としては、特に
(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)硬化促進剤
を含有するエポキシ樹脂組成物が好ましく、これにさら
に加えて(D)密度0.02〜0.5g/cm3、粒径
0.2μm〜150μmで、かつ中空である有機材料製
中空微粒子を含有するエポキシ樹脂組成物が最も好まし
い。
【0024】(A)エポキシ樹脂としては、例えばビス
フェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポ
キシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型
エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエステ
ル型エポキシ樹脂、トリス(グリシジルエーテルフェニ
ル)メタン等の各種エポキシ樹脂が挙げられ、またこれ
らの2種以上のエポキシ樹脂の混合物を用いることもで
きる。
【0025】ビスフェノールA型エポキシ樹脂として
は、エピコート828、エピコート834、エピコート
827、エピコート1001、エピコート1002、エ
ピコート1004、エピコート1007、エピコート1
009(油化シェルエポキシ社製)、アラルダイトCY
205、CY230、CY232、CY221、GY2
57、GY252、GY255、GY250、GY26
0、GY280、アラルダイト6071、アラルダイト
7071、アラルダイト7072(チバ・ガイギー社
製)、ダウエポキシDER331、DER332、DE
R662、DER663U、DER662U(ダウケミ
カル社製)、エピクロン840、850、855、86
0、1050、3050、4050、7050(大日本
インキ化学工業社製)、エポトートYD115、YD1
15CA、YD117、YD121、YD127、YD
128、YD128CA、YD128S、YD134、
YD001Z、YD011、YD012、TD014、
YD014ES、YD017、YD019、YD02
0、YD002(東都化成社製)等が挙げられる。
【0026】ビスフェノールF型エポキシ樹脂として
は、エピコート807(油化シェルエポキシ社製)、Y
DF170(東都化成社製)等が挙げられる。
【0027】フェノールノボラック型エポキシ樹脂とし
ては、エピコート152、エピコート154(油化シェ
ルエポキシ社製)、アラルダイトEPN1138、EP
N1139(チバ・ガイギー社製)、ダウエポキシDE
N431、DEN438、DEN439(ダウケミカル
社製)、EPPN201(日本化薬社製)、エピクロン
N740(大日本インキ化学工業社製)、エポトートY
DPN638(東都化成社製)、TACTIX785
(ダウ・ケミカル日本社製)等が挙げられる。
【0028】クレゾールノボラック型エポキシ樹脂とし
ては、ECN1280、ECN1299(チバ・ガイギ
ー社製)、EOCN102(日本化薬社製)等が挙げら
れる。
【0029】脂環式エポキシ樹脂としては、アラルダイ
トCY179、CY178、CY182、CY183
(チバ・ガイギー社製)等が挙げられる。
【0030】グリシジルアミン型エポキシ樹脂として
は、アラルダイトMY720(チバ・ガイギー社製)、
エポトートYH434(東都化成社製)、ELM10
0、ELM120、ELM434(住友化学工業社
製)、TETRAD−C、TETRAD−X(三菱ガス
化学社製)等がある。
【0031】トリ(グリシジルエーテルフェニル)メタ
ン型エポキシ樹脂としては、TACTIX742(ダウ
・ケミカル日本社製)等が挙げられる。
【0032】さらに、エポキシ樹脂の靭性を向上させる
ため各種のプラスチックおよびゴム等を、エポキシ樹脂
100重量部に対し通常5〜30重量部、好ましくは8
〜20重量部添加することができる。
【0033】例えば、プラスチックとしてはポリカーボ
ネート、ポリエーテルスルフォン、フェノキシ樹脂、ポ
リエーテルイミド、ポリビニルフォルマール、ポリビニ
ルブチラール、ポリエチレンテレフタレート等がある。
ゴム類としてはブタジェンーアクリロニトリルゴム、ス
チレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレン樹脂、シリコーン樹脂等がある。
【0034】本発明において(B)硬化剤としては、好
ましくはジシアンジアミドが挙げられる。その他の硬化
剤としては、o−トリルビグアニド、2,6−キシレニ
ルビグアニド、フェニルビグアニド、p−クロロフェニ
ルビグアニド等も用いられる。また、高温硬化用の硬化
剤として、ジアミノジフェニルスルホンも用いることが
できる。
【0035】(B)硬化剤は、(A)エポキシ樹脂10
0重量部に対して、通常0.5〜10重量部、好ましく
は1〜10重量部添加される。添加量が0.5重量部未
満では、十分な硬化反応が起こらず、また10重量部を
超えるときには、発熱量が大きすぎて成形性に問題が生
じたり、保存性に問題が生じる可能性があるためにいず
れも好ましくない。
【0036】(C)硬化促進剤としては、例えば3−フ
ェニル−1,1−ジメチルウレア、3−p−クロロフェ
ニル−1,1−ジメチルウレア、3−(3,4−ジクロ
ロフェニル)−1,1−ジメチルウレアおよびBF3
ノエチルアミン等を用いることができる。
【0037】(C)硬化促進剤は、(A)エポキシ樹脂
組成物100重量部に対して、通常0.5〜10重量
部、好ましくは1〜10重量部添加される。添加量が
0.5重量部未満では、十分な硬化反応が起こらず、ま
た10重量部を超えるときには、発熱量が大きすぎて成
形性に問題が生じたり、保存性に問題が生じる可能性が
あるためにいずれも好ましくない。
【0038】好ましく含有される(D)密度0.02〜
0.5g/cm3、粒径0.2μm〜150μmでかつ
中空である有機材料製中空微粒子としては、例えばアク
リロニトリル重合体、アクリロニトリル−塩化ビニリデ
ン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、
スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−
アクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン重合体等が
ある。有機材料製中空微粒子は場合によってはその表面
に炭酸カルシウム、酸化チタン、タルク等の無機化合物
をコーティングすることにより樹脂との親和性および取
扱い性を改良したものも用いることができる。
【0039】また、有機材料製中空微粒子の代わりに一
部、有機材料製超微粒子を添加することもできる。
【0040】(D)有機材料製中空微粒子は、(A)エ
ポキシ樹脂100重量部に対して、通常0.5〜25重
量部、好ましくは1.5〜15重量部が添加される。添
加量が0.5重量部未満のときには、軽量化の効果が少
なく、25重量部を超えるときは、配合時の分散性が悪
く、マトリックス樹脂の弾性率が低下するので好ましく
ない。
【0041】強化繊維にマトリックス樹脂の未硬化物を
含浸させる方法は特に限定されず、公知の方法を用いる
ことができる。例えば、マトリックス樹脂を通常60〜
90℃程度に加温して強化繊維に含浸させる、いわゆる
ホットメルト法等の方法も採用できる。
【0042】但し、溶液法の場合、用いる溶媒によって
は有機材料製中空微粒子が膨潤したり上部に浮遊したり
する可能性があり、これらの場合には好ましくない。
【0043】プリプレグ中のマトリックス樹脂の含量は
強化繊維と樹脂組成物の総量に対して通常20〜50重
量%、好ましくは25〜40重量%である。
【0044】プリプレグは、成形体を製造する際に、単
一種類で用いることもできるが、他の種類のプリプレグ
と複合することも好ましく行うことができる。
【0045】上記プリプレグを内型に積層する方法およ
び積層方向、積層位置等については特に限定されず、目
的、要求性能に応じて適宜選択することができる。
【0046】例えば捻り強度が優れた筒状の成形体を得
る目的においては、積層は、プリプレグを内型に巻回す
る方法を用い、かつ内層部および/またはその近傍にバ
イアス層を、また表面層および/またはその近傍にスト
レート層を含む管状積層構成にすることが望ましい。
【0047】さらに詳しくは、上記積層形態は管状物の
軸方向に対し、35°以上50°以下の角度に配向され
たバイアス層と0°以上15°以下に配向されたストレ
ート層を含む管状複合材料が、捻り強度を含めた諸特性
が十分であり、かつ軽量であるために最も好ましい。
【0048】本発明においては、内型(円筒物体3およ
びプラスチック製袋5)にプリプレグ1を積層した後、
外型2をかぶせる工程を行う(第(2)工程)。
【0049】外型2としては、後述のプリプレグの硬化
工程において圧力および熱がかけられても変形しない材
質および厚みを有するものであれば、特に限定されな
い。
【0050】このような外型としては、例えば継ぎ目を
有さないスチール、アルミニウム、セラミックス、耐熱
性プラスチック等の円筒もしくはテーパーを有する略円
筒状のものが挙げられる。
【0051】ここで、成形体の表面の仕上がりは、外型
の内面の状態に依存するので、平滑な表面を有する成形
体を得る目的において、該内面は、できるだけ仕上がり
の良好であるもの、すなわち凹凸、傷等が少ないものが
好ましい。
【0052】また、後述の硬化工程後に成形体が容易に
脱型できるように、成形前に外型の内面にシリコン系、
フッ素系、パラフィン系等の離型剤を塗布するか、吹き
付けることが非常に好ましい。
【0053】本発明において、外型をかぶせた後、内型
を膨張させると同時に硬化させる工程(第(3)工程)
を行う。
【0054】例えば膨張性の内型として、剛性を有する
円筒物体3に、円筒状の気密性を有するプラスチック製
袋5をかぶせたものを用いた場合には、該プラスチック
製袋の内部に気体等を送入し、加圧状態にしたまま、プ
リプレグを加熱硬化させる。
【0055】ここで、簡便な方法として、図1に示され
るように、プラスチック製袋5として、剛性を有する円
筒物体3よりも長手方向に長いものを用い、かつ円筒物
体にプラスチック製袋をかぶせた際に袋の余った部分に
バルブ4を取り付け、圧力を調節することもできる。
【0056】内型を膨張させる際の、気体等の圧力は、
目的および使用するマトリックス樹脂の種類等に応じて
適宜選択でき、通常2〜10kgf/cm2、好ましく
は4〜7kgf/cm2程度である。
【0057】硬化工程において、上記圧力を保ちつつ、
通常90〜220℃で10分〜10時間、好ましくは1
20〜180℃で30分〜3時間程度の熱処理を行う。
【0058】硬化後、内型にかけた圧力を抜き、成形体
より内型および外型をはずすことにより、管状成形体が
得られる。
【0059】この際、内型の一部に気密性を有するプラ
スチック製の袋を使用した場合、該袋を成形体からはず
しても、若しくは外さずに成形体の一部に残存させてお
いてもよい。気密性を有するプラスチック製袋を成形体
の一部として残存させた場合には、万一、成形体が破損
したときでも飛散しないので好ましい。近年、プラスチ
ックの廃棄が問題となっている中で、本発明による方法
ではこのような問題が生じないことも重要である。
【0060】本発明の製造方法による管状成形体の用途
は、ゴルフシャフトを始めとして、釣竿、自転車のパイ
プが挙げられる。
【0061】
【実施例】以下に実施例等を挙げ本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
【0062】合成例1(プリプレグの製造) ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名エピコート8
28、油化シェルエポキシ(株)製)6.35kg、フ
ェノキシ樹脂(商品名YP50、東都化成(株)製)
1.58kg、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(商品
名スミエポキシELM100、住友化学(株)製)0.
63kgをプラネタリーミキサーに添加し、200℃で
均一に混合後、温度を100℃に下げ、密度0.15g
/cm3のアクリロニトリル系微小中空球体(商品名マ
ツモトマイクロスフェアMFL80GCA、松本油脂製
薬(株)製)1.0kgを添加し均一に混合した。混合
後、内容物を撹拌しながら80℃まで冷却後、硬化物と
してジシアンジアミド0.25kg、硬化促進剤として
3−p−クロロフェニル−1,1−ジメチルウレア0.
2kgを手早く添加し、5分間撹拌し、抜き出し、冷却
して配合物(X−1)を得た。なお、撹拌中は系内を真
空引きした。
【0063】配合物(X−1)を80℃で再溶融し、リ
バースコーターを使用して工程紙上に塗布することによ
り厚さ0.05mmの樹脂フィルム(X−2)を得た。
【0064】樹脂フィルム(X−2)を切り出し、ドラ
ムワインダーのドラムに巻き付け、その上にピッチ系炭
素繊維(商品名日石グラノックXN50、目付け125
g/cm2、日本石油(株)製)を一方向に巻き付け
た。さらにこの上に樹脂フィルム(X−2)を重ね、8
0℃に調節されたアイロンで炭素繊維束の隙間が見られ
なくなる程度に押しつけることにより、樹脂含浸された
プリプレグ(P−1)が得られた。
【0065】次に樹脂フィルム(X−2)を切り出し、
ドラムワインダーのドラムに巻き付け、その上に引張強
さ490kgf/mm2、引張弾性率23.5tonf
/mm2を有する炭素繊維を一方向に巻き付けた。さら
にこの上に樹脂フィルム(X−2)を重ね、70℃に調
節されたニップロールを通すことにより樹脂含浸したプ
リプレグ(P−2)が得られた。
【0066】実施例1(成形体の製造) 10mmφのステンレスマンドレルをシリコーン系離型
剤で処理した後、マンドレルと同じ形状の厚さ30μm
のナイロン製の袋をかぶせ、プリプレグ(P−1)を長
手方向に対して±45°で6プライ巻き、その上からプ
リプレグ(P−2)を長手方向に対して0°方向に4プ
ライ巻いた。
【0067】次いで上記に対して0.4mmのクリアラ
ンスを有し、かつ内側に離型処理した外型をかぶせた。
【0068】これを硬化炉にセットし、ナイロン袋の一
方から4kgf/cm2の空気を圧入し、端部をバルブ
により閉じた。125℃で60分硬化、冷却した後、外
型および内型をはずしたところ、表面状態の良好な管状
の成形体を得た。切断機により切断し、断面を顕微鏡で
観察したところ、ボイドがなく、層間が良好に接着して
いることが分かった。次に捻り強度を測定したところ、
捻り強度は良好であり、かつ測定値の各試料間のばらつ
きも小さかった。
【0069】比較例1 10mmφのステンレスマンドレルをシリコーン系離型
剤で処理した後、プリプレグ(P−1)を±45°で6
プライ巻き、その上からプリプレグ(P−2)を0°方
向に4プライ巻いた。次に幅15mm、厚さ30μmの
ポリプロピレン製の一軸延伸テープをテーピングマシー
ンを用いて巻き付けた。さらに同形状のポリエステルテ
ープを巻き付けた。これを硬化炉にセットし、125℃
で60分硬化、冷却した後、一軸延伸テープを剥したと
ころ、表面にはテープの収縮した跡が残っていた。この
凹凸が取り去るためセンタレスのロッド研磨機を用いて
研磨した。
【0070】外径を測定したところ、研磨工程により約
0.2mm削られ、表面の一部に切断された炭素繊維が
見られた。次に捻り強度を測定したところ、捻り強度の
測定値にはばらつきが大きかった。
【0071】
【発明の効果】以上の本発明の製造方法により、次の効
果が奏せられる。
【0072】 得られる管状複合成形体は偏肉がな
く、硬化後の外周面を研磨する必要がなく、工程の簡素
化が得られる。
【0073】 研磨が不要であることにより、研磨に
よる炭素繊維の切断がなくなるために、物性の安定した
成形体が得られる。
【0074】 脱芯工程も容易かつスムースになり、
内型脱離工程時の破損等が起きる可能性を非常に低くす
ることができる。
【0075】 マトリックス樹脂に(A)エポキシ樹
脂、(B)硬化剤、(C)硬化促進剤および(D)密度
0.02〜0.5g/cm3、粒径0.2μm〜150
μmを有し、かつ中空である有機材料製中空微粒子を少
なくとも含有する樹脂組成物を用い、かつこのプリプレ
グ硬化物をバイアス層およびストレート層に含有する管
状成形体よりなるゴルフシャフトは、軽量で、しかも衝
撃にも強く打球感がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の管状複合成形体の製造方法の一例を
示す説明図。
【符号の説明】
1:プリプレグ、2:外型、3:円筒物体、4:バルブ
、5:プラスチック製袋。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 7/22 C08L 63/00 NLD // B29K 63:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)膨張性の内型にプリプレグを積層
    する工程、 (2)外型をかぶせる工程、および (3)内型を膨張させると同時に硬化させる工程、 を順次行うことを特徴とする管状複合成形体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記内型が、剛性を有する円筒物体に、
    円筒状の気密性を有するプラスチック製袋をかぶせたも
    のであり、かつ気体もしくは液体を送入することによ
    り、膨張し得るものである請求項1に記載の管状複合成
    形体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記プリプレグの一部もしくは全部が、
    (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)硬化促進
    剤、(D)密度0.02〜0.5g/cm3、粒径0.
    2μm〜150μmで、かつ中空である有機材料製中空
    微粒子を少なくとも含有する請求項1または2に記載の
    管状複合成形体の製造方法。
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