JPH0782392A - 複合材料用プリプレグおよび管状複合材料成形体の製造方法 - Google Patents

複合材料用プリプレグおよび管状複合材料成形体の製造方法

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JPH0782392A
JPH0782392A JP5183413A JP18341393A JPH0782392A JP H0782392 A JPH0782392 A JP H0782392A JP 5183413 A JP5183413 A JP 5183413A JP 18341393 A JP18341393 A JP 18341393A JP H0782392 A JPH0782392 A JP H0782392A
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Japan
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prepreg
composite material
resin
molded body
curing
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JP5183413A
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English (en)
Inventor
Akio Oshima
昭夫 大島
Kousaku Oshimi
廣策 押見
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Oil Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生産性が良好で、工程の簡素化が図れ、また
製造時の損傷もなく、しかも軽量で、衝撃に強い等の特
性を持つた管状複合材料成形体を成形するための複合材
料用プリプレグ、および該プリプレグを用いた管状複合
材料成形体、特にゴルフシャフトを提供するを提供す
る。 【構成】 (A)強化繊維、(B)マトリックス樹脂、
および(C)密度0.02〜1.1g/cm3、粒径
0.2μm〜150μmで、かつ膨張性を有する有機系
微粒子を少なくとも含有することを特徴とする複合材料
用プリプレグ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、膨張性を有する有機系
微粒子を含有する樹脂組成物を強化繊維束に含浸して得
られる複合材料用プリプレグ、および該複合材料用プリ
プレグを用いた管状複合材料成形体、特にゴルフシャフ
トの製造方法に関する
【0002】
【従来の技術】炭素繊維、ガラス繊維等を補強材とする
複合材料は、ゴルフシャフト、自転車パイプ、コンボジ
ットロール、釣竿等のスポーツ・レジャー用品、航空
機、一般産業資材等に使用されている。
【0003】近年、炭素繊維からなるゴルフシャフト成
形体は、さらなる軽量化が要望されている。しかしなが
ら、密度の低い高強度・高弾性率炭素繊維を使用した
り、積層設計で応対するだけでは軽量化の限界に達して
いるのが現状である。特に炭素繊維量を減少すること
は、強度低下の原因になるために、実用上、好ましくな
い。
【0004】また、成形法の点では、通常、管状の成形
体は、樹脂を含浸した炭素繊維をシートワインディング
法やフィラメントワインディング法を用いてマンドレル
に巻き付け、さらにその上からポリプロピレン、ポリエ
ステル等の一軸延伸テープを巻き、硬化炉内で加熱硬化
し、硬化を終了して冷却後、マンドレルを脱芯して、一
軸延伸テープを剥し、さらに、テーピング時の巻き跡を
研磨する工程から製造される。
【0005】このように、従来の製造方法では、テーピ
ング工程があるために、必ず研磨工程が必要となる。
【0006】しかしながら、上記の研磨工程を行うと、
成形体表面の炭素繊維の損傷することにつながり、強度
低下の原因となっている。また作業環境を良好に保つた
めに、切削された炭素繊維が生じない製造プロセス、す
なわち研磨工程が生じないプロセスが要望されている。
【0007】強化繊維を有する複合材料成形体は、従来
の技術のまま軽量化を重視すると強度が低くなり破損し
やすくなるという問題がある。
【0008】また軽量化を目的として、ガラス中空微粒
子および/または化学発泡剤を含有する複合材料用プリ
プレグを成形して成形体を得た場合には、マトリックス
樹脂中にボイドが多く残存したり、ガラスとの界面の接
着が不充分となる。そのため、このような成形体をゴル
フシャフトとした場合には、打球時の衝撃が繰り返しか
かることにより強度の低下が発生し、破壊に至るという
問題がある。
【0009】成形法の面では、従来法で必要となる表面
研磨工程を行うと、成形体表面の炭素繊維の損傷するこ
とにつながり、強度低下が発生するという問題がある。
【0010】表面研磨工程を行わないプロセスとして、
プリプレグ硬化時に内圧を発生させて外型に密着させる
ことにより、平滑な表面の成形体を得る方法も検討され
ている。しかしながら、内圧を得る目的で従来より用い
られている方法は、プリプレグ中に化学発泡剤を添加し
ておくものであり、上述のとおり、成形体の強度が不十
分になるという問題がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これら従来
技術の課題を解消し、生産性が良好で、工程の簡素化が
図れ、また製造時の損傷もなく、しかも軽量で、衝撃に
強い等の特性を持つた管状複合材料成形体を成形するた
めの複合材料用プリプレグ、および該プリプレグを用い
た管状複合材料成形体、特にゴルフシャフトを提供する
ことを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に至った。
【0013】すなわち本発明は、(A)強化繊維、
(B)マトリックス樹脂、および(C)密度0.02〜
1.1g/cm3、粒径0.2μm〜150μmで、か
つ膨張性を有する有機系微粒子を少なくとも含有するこ
とを特徴とする複合材料用プリプレグに関する。
【0014】また、本発明は、(1)少なくとも上記複
合材料用プリプレグをマンドレルに巻く工程、(2)外
型をかぶせる工程、および(3)該複合材料用プリプレ
グを硬化させると同時に、含有される有機系微粒子を膨
張させる工程、を順次行なうことを特徴とする管状複合
材料成形体の製造方法に関する。
【0015】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
複合材料用プリプレグは,(A)強化繊維、(B)マト
リックス樹脂、および(C)密度0.02〜1.1g/
cm3、粒径0.2μm〜150μmで、かつ膨張性を
有する有機系微粒子(以下、単に(C)膨張性を有する
有機微粒子という)を少なくとも含有する。
【0016】ここで、(A)強化繊維としては、好まし
くは炭素繊維が用いられ、炭素繊維以外にも、例えばボ
ロン繊維、アルミナ繊維、シリコンカーバイト繊維、ガ
ラス繊維、石英繊維、アラミド繊維、ポリエチレン繊維
およびこれらを組み合わせたハイブリッド繊維を用いる
こともできる。
【0017】また、強化繊維の形態としては、好ましく
は一方向に引き揃えたもの(UDタイプ)が挙げられ、
これ以外にも、例えば織物、編組物等の形態で用いるこ
とができる。但し、積層設計の容易さ、および強化繊維
の補強効果を最大限に必要とする場合には、一方向に引
揃えたものを用いるのが好ましい。また、表面の美装
性、もしくは穴明け加工に対するほつれを防止する目的
で、織物を積層の一部に使用することもできる。
【0018】上記炭素繊維としてはピッチ系炭素繊維、
PAN系炭素繊維あるいはレーヨン系炭素繊維等のう
ち、いずれも用いることができる。特にPAN系炭素繊
維は、比強度および比弾性率が大きいため好ましい。
【0019】(B)マトリックス樹脂としては、熱硬化
性樹脂であれば特に限定されず、例えばフェノール樹
脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエ
ステル樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポ
リシアネート樹脂、フラン樹脂等の各種熱硬化性樹脂を
用いることができる。
【0020】特に(B−1)エポキシ樹脂に対して、
(B−2)硬化剤および(B−3)硬化促進剤を添加し
たエポキシ樹脂組成物が好ましい。
【0021】(B−1)エポキシ樹脂としては、例えば
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型
エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミ
ン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエ
ステル型エポキシ樹脂、トリス(グリシジルエーテルフ
ェニル)メタン等の各種エポキシ樹脂が挙げられ、また
これらの2種以上のエポキシ樹脂の混合物を用いること
もできる。
【0022】ビスフェノールA型エポキシ樹脂として
は、エピコート828、エピコート834、エピコート
827、エピコート1001、エピコート1002、エ
ピコート1004、エピコート1007、エピコート1
009(油化シェルエポキシ社製)、アラルダイトCY
205、CY230、CY232、CY221、GY2
57、GY252、GY255、GY250、GY26
0、GY280、アラルダイト6071、アラルダイト
7071、アラルダイト7072(チバ・ガイギー社
製)、ダウエポキシDER331、DER332、DE
R662、DER663U、DER662U(ダウケミ
カル社製)、エピクロン840、850、855、86
0、1050、3050、4050、7050(大日本
インキ化学工業社製)、エポトートYD115、YD1
15CA、YD117、YD121、YD127、YD
128、YD128CA、YD128S、YD134、
YD001Z、YD011、YD012、TD014、
YD014ES、YD017、YD019、YD02
0、YD002(東都化成社製)等が挙げられる。
【0023】ビスフェノールF型エポキシ樹脂として
は、エピコート807(油化シェルエポキシ社製)、Y
DF170(東都化成社製)等が挙げられる。
【0024】フェノールノボラック型エポキシ樹脂とし
ては、エピコート152、エピコート154(油化シェ
ルエポキシ社製)、アラルダイトEPN1138、EP
N1139(チバ・ガイギー社製)、ダウエポキシDE
N431、DEN438、DEN439(ダウケミカル
社製)、EPPN201(日本化薬社製)、エピクロン
N740(大日本インキ化学工業社製)、エポトートY
DPN638(東都化成社製)、TACTIX785
(ダウ・ケミカル日本社製)等が挙げられる。
【0025】クレゾールノボラック型エポキシ樹脂とし
ては、ECN1280、ECN1299(チバ・ガイギ
ー社製)、EOCN102(日本化薬社製)等が挙げら
れる。
【0026】脂環式エポキシ樹脂としては、アラルダイ
トCY179、CY178、CY182、CY183
(チバ・ガイギー社製)等が挙げられる。
【0027】グリシジルアミン型エポキシ樹脂として
は、アラルダイトMY720(チバ・ガイギー社製)、
エポトートYH434(東都化成社製)、ELM10
0、ELM120、ELM434(住友化学工業社
製)、TETRAD−C、TETRAD−X(三菱ガス
化学社製)等がある。
【0028】トリ(グリシジルエーテルフェニル)メタ
ン型エポキシ樹脂としては、TACTIX742(ダウ
・ケミカル日本社製)等が挙げられる。
【0029】さらに、エポキシ樹脂の靭性を向上させる
ため各種のプラスチックおよびゴム等を、エポキシ樹脂
100重量部に対し通常5〜30重量部、好ましくは8
〜20重量部添加することができる。
【0030】例えば、プラスチックとしてはポリカーボ
ネート、ポリエーテルスルフォン、フェノキシ樹脂、ポ
リエーテルイミド、ポリビニルフォルマール、ポリビニ
ルブチラール、ポリエチレンテレフタレート等がある。
ゴム類としてはブタジェン−アクリロニトリルゴム、ス
チレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレン樹脂、シリコーン樹脂等がある。
【0031】本発明において(B−2)硬化剤として
は、好ましくはジシアンジアミドが挙げられる。その他
の硬化剤としては、o−トリルビグアニド、2,6−キ
シレニルビグアニド、フェニルビグアニド、p−クロロ
フェニルビグアニド等も用いられる。また、高温硬化用
の硬化剤として、ジアミノジフェニルスルホンも用いる
ことができる。
【0032】(B−2)硬化剤は、(B−1)エポキシ
樹脂100重量部に対して、通常0.5〜10重量部、
好ましくは1〜10重量部添加される。添加量が0.5
重量部未満では、十分な硬化反応が起こらず、また10
重量部を超えるときには、発熱量が大きすぎて成形性に
問題が生じたり、保存性に問題が生じる可能性があるた
めにいずれも好ましくない。
【0033】(B−3)硬化促進剤としては、例えば3
−フェニル−1,1−ジメチルウレア、3−p−クロロ
フェニル−1,1−ジメチルウレア、3−(3,4−ジ
クロロフェニル)−1,1−ジメチルウレアおよびBF
3モノエチルアミン等を用いることができる。
【0034】(B−3)硬化促進剤は、(B−1)エポ
キシ樹脂組成物100重量部に対して、通常0.5〜1
0重量部、好ましくは1〜10重量部添加される。添加
量が0.5重量部未満では、十分な硬化反応が起こら
ず、また10重量部を超えるときには、発熱量が大きす
ぎて成形性に問題が生じたり、保存性に問題が生じる可
能性があるためにいずれも好ましくない。
【0035】本発明の複合材料用プリプレグは、(C)
密度0.02〜1.1g/cm3、粒径0.2μm〜1
50μmで、かつ膨張性を有する有機系微粒子を含有す
る。
【0036】ここで、膨張性を有する有機系微粒子と
は、通常80〜200℃程度に加熱すると、微粒子自体
が体積膨張するという機能を有するものをいう。
【0037】該有機粒子は、膨張前の密度が、0.02
〜1.1g/cm3、好ましくは0.5〜0.7g/c
3であり、かつ膨張前の粒径が0.2μm〜150μ
mである。また、該有機粒子は上記加熱により、通常2
〜1000倍程度に体積膨張する。
【0038】このような膨張性を有する有機系微粒子の
材料は、特に限定されないが、具体的には、例えばアク
リロニトリル重合体、アクリロニトリル−塩化ビニリデ
ン共重合体、スチレン重合体、スチレン−アクリル酸エ
ステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重
合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニ
リデン重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体の
粒子内部に、液体ブタン、ヘプタン、フロン等を含包す
るものが挙げられる。市販されているものでは、一例と
して、マイクロスフェアF50D(松本油脂製薬(株)
製)、EXPANCEL(日本フィライト社製)等が挙
げられる。これらの粒子は、一般に、加熱すると、粒子
内部に含包される液体成分の一部または全部が気化する
ことにより膨張するものであり、この方法により膨張す
る有機系粒子は、比較的膨張率が高く、かつ成形後の成
形体の強度が充分に保たれるために好ましいが、これ以
外の方法により膨張する粒子も用いることができる。
【0039】膨張性を有する有機系微粒子は、場合によ
ってはその表面に炭酸カルシウム、酸化チタン、タルク
等の無機化合物をコーティングすることにより樹脂との
親和性および取扱い性を改良したものも用いることがで
きる。
【0040】また、膨張性を有する有機系微粒子の代わ
りに一部、有機系超微粒子を添加することもできる。
【0041】(C)膨張性を有する有機系微粒子は、
(B)マトリックス樹脂100重量部につき0.5〜2
5重量部、好ましくは1.5〜15重量部が添加され
る。添加量が0.5重量部未満のときには、軽量化およ
び成形体の表面改良効果が少く、25重量部を超えると
きは、配合時の分散性が悪く、マトリックス樹脂の弾性
率が低下するので好ましくない。
【0042】プリプレグのマトリックス樹脂中に(C)
膨張性を有する有機系微粒子含有されるために、成型時
のプリプレグには、通常約0.5〜10kgf/cm2
程度、好ましくは1〜7kgf/cm2程度の内圧が発
生する。
【0043】(A)強化繊維に、(B)マトリックス樹
脂および(C)膨張性のある有機系微粒子を含浸させる
方法は特に限定されず公知の方法を用いることができ
る。例えば、樹脂組成物を通常60〜90℃程度に加温
して補強繊維に含浸させるいわゆるホットメルト法等の
方法も採用できる。
【0044】溶液法の場合、用いる溶媒によっては膨張
性を有する中空微粒子が膨潤したり、上部に浮遊したり
するので好ましくない。
【0045】このようにして製造されたプリプレグ中の
樹脂組成物の含量は、補強繊維と樹脂組成物の総量に対
して通常20〜50重量%、好ましくは25〜40重量
%である。
【0046】かくして本発明の複合材料用プリプレグが
得られる。該複合材料用プリプレグは、(C)膨張性の
ある有機系微粒子を含有するために、加熱硬化工程で体
積が膨張するため、内圧が発生するという大きな特徴が
ある。このため、該複合材料用プリプレグの成形は、通
常の外圧法だけでなく、該プリプレグ自身が発生する内
圧を用いた成形方法を行うことができる。
【0047】この場合、化学発泡剤を用いなくても内圧
を得ることができ、成形体の強度および耐久性の向上
に、格段に寄与する。
【0048】以下、本発明の複合材料用プリプレグを使
用し、内圧法にて成形体を製造する方法を述べる。
【0049】本発明の複合材料用プリプレグを管状の成
形体を製造する方法としては、例えば、(1)少なくと
も上記複合材料用プリプレグをマンドレルに巻く工程、
(2)外型をかぶせる工程、および(3)該複合材料用
プリプレグを硬化させると同時に、含有される有機系微
粒子を膨張させる工程、を順次行う方法が好ましく挙げ
られる。
【0050】まず、第(1)工程において、内型である
マンドレルに、少なくとも本発明の複合材料プリプレグ
を巻いて積層する。プリプレグは、本発明の複合材料用
プリプレグ単独でも、その他のプリプレグと組み合わせ
てもよい。
【0051】ここで、その他のプリプレグとしては、前
述の(A)強化繊維と(B)マトリックス樹脂を含有す
るものが挙げられる。
【0052】上記複合材料用プリプレグおよびその他の
プリプレグ(以下、単にプリプレグという)をマンドレ
ルに積層する方法および積層方向、積層位置等について
は特に限定させず、目的、要求性能に応じて適宜選択す
ることができる。
【0053】例えば、捻り強度が優れた筒状の成形体を
得る目的においては、強化繊維に一方向に引き揃えたタ
イプのものを用い、かつ積層はプリプレグを内型に巻回
する方法を用い、かつ内層部および/またはその近傍に
バイアス層を、また表面層および/またはその近傍にス
トレート層を含む管状積層構成にすることが望ましい。
【0054】さらに詳しくは、上記積層形態は管状物の
軸方向に対し、35°以上50°以下の角度に配向され
たバイアス層と、軸方向に対し約0°前後に配向された
ストレート層を含む管状複合材料が、捻り強度を含めた
諸特性が十分であり、かつ軽量であるために最も好まし
い。
【0055】次に第(2)工程として、内型にプリプレ
グを積層した後、外型をかぶせる工程を行う。この際、
外型を使用するために、テーピング工程を必要としな
い。
【0056】外型には、後述のプリプレグの硬化工程に
おいて圧力および熱がかかるため、同程度の圧力および
熱がかけられても変形しない材質および厚みが必要とな
るがこれ以外の点においては特に限定されない。
【0057】このような外型としては、例えば継ぎ目を
有しないスチール、アルミニウム、セラミックス、耐熱
性プラスチック等の円筒もしくはテーパーを有する略円
筒状のもの等が挙げられる。
【0058】ここで、成形体の表面の仕上がりは、外型
の内面の状態に依存するので、平滑な表面を有する成形
体を得る目的において、該内面は、できるだけ仕上がり
の良好であるもの、すなわち凹凸、傷、継ぎ目等が少な
いものが好ましい。
【0059】また、後述の硬化工程後に成形体が容易に
脱型できるように、成形前に外型の内面にシリコン系、
フッ素系、パラフィン系等の離型剤を塗布するか、吹き
付けることが非常に好ましい。
【0060】本発明において、第(3)工程として、外
型をかぶせた後、プリプレグを硬化させると同時に、含
有される有機系微粒子を膨張させる工程を行う。
【0061】有機系微粒子が膨張した際に発生する内圧
を逃がさずに、有効に利用する目的で、外型の端部をシ
リコンゴム、テフロンゴム等を用いて密閉することが望
ましい。
【0062】通常は、硬化工程時の加熱条件範囲内で有
機系微粒子を膨張させることができるため、膨張させる
ために特別な操作を行う必要はない。
【0063】硬化は、通常80〜220℃で10分〜1
0時間、好ましくは120〜180℃で30分〜3時間
程度の熱処理により行うことができる。
【0064】硬化後、成形体より内型および外型をはず
すことにより、管状成形体が得られる。
【0065】
【実施例】以下に実施例等を挙げ本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
【0066】実施例1(複合材料用プリプレグ(P−
1)の製造) ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名エピコート8
28、油化シェルエポキシ(株)製)6.35kg、フ
ェノキシ樹脂(商品名YP50、東都化成(株)製)
1.58kg、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(商品
名スミエポキシELM100、住友化学(株)製)0.
63kgをプラネタリーミキサーに添加し、200℃で
均一に混合後、撹拌しながら温度を80℃に下げ、密度
0.15g/cm3のアクリロニトリル系膨張性微小球
体(商品名マツモトマイクロスフェアF50D、松本油
脂製薬(株)製)0.45kgを添加し均一に混合し
た。混合後、内容物を撹拌しながら75℃まで冷却後、
硬化物としてジシアンジアミド0.25kg、硬化促進
剤として3−p−クロロフェニル−1,1−ジメチルウ
レア0.2kgを手早く添加し、5分間撹拌し、抜き出
し、冷却して配合物(X−1)を得た。なお、撹拌中は
系内を真空引きした。
【0067】配合物(X−1)を80℃で再溶融し、リ
バースコーターを使用して工程紙上に塗布することによ
り、厚さ0.05mmの樹脂フィルム(X−2)を得
た。
【0068】樹脂フィルム(X−2)を切り出し、ドラ
ムワインダーのドラムに巻き付け、その上にピッチ系炭
素繊維(商品名日石グラノックXN50、目付け125
g/cm2、日本石油(株)製)を一方向に巻き付け
た。さらに、この上に樹脂フィルム(X−2)を重ね、
80℃に調節されたアイロンで炭素繊維束が隙間が見ら
れなくなる程度に押しつけることにより、樹脂含浸され
た複合材料用プリプレグ(P−1)が得られた。
【0069】製造例1(プリプレグ(P−2)の製造) ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名エピコート8
28、油化シェルエポキシ(株)製)6.35kg、フ
ェノキシ樹脂(商品名YP50、東都化成(株)製)
1.58kg、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(商品
名スミエポキシELM100、住友化学(株)製)0.
63kgをプラネタリーミキサーに添加し、200℃で
均一に混合後、撹拌しながら温度を75℃まで冷却後、
硬化物としてジシアンジアミド0.25kg、硬化促進
剤として3−p−クロロフェニル−1,1−ジメチルウ
レア0.2kgを手早く添加し、5分間撹拌し、抜き出
し、冷却して配合物(Y−1)を得た。なお、撹拌中は
系内を真空引きした。
【0070】配合物(Y−1)を75℃で再溶融し、リ
バースコーターを使用して工程紙上に塗布することによ
り、厚さ0.05mmの樹脂フィルム(Y−2)を得
た。
【0071】樹脂フィルム(Y−2)を切り出し、ドラ
ムワインダーのドラムに巻き付け、その上にピッチ系炭
素繊維(商品名日石グラノックXN50、目付け125
g/cm2、日本石油(株)製)を一方向に巻き付け
た。さらにこの上に樹脂フィルム(X−2)を重ね、7
0℃に調節されたニップロールを通過させることにより
樹脂含浸されたプリプレグ(P−2)が得られた。
【0072】製造例2(プリプレグ(P−3)の製造) 樹脂フィルム(Y−2)を切り出し、ドラムワインダー
のドラムに巻き付け、その上にPAN系炭素繊維(商品
名トレカT700、東レ(株)製)を一方向に巻き付け
た。さらにこの上に樹脂フィルム(Y−2)を重ね、7
0℃に調節されたニップロールを通過させることによ
り、樹脂含浸されたプリプレグ(P−3)が得られた。
【0073】実施例2(管状成形体の製造) 全長1200mm、小径端および大径端の外径がそれぞ
れ3.5mmφ、13.5mmφの、テーパーを有する
円筒状のマンドレルにシリコーン系離型剤を塗布した
後、実施例1で得られた複合材料用プリプレグ(P−
1)をマンドレルの長手方向に対して炭素繊維が±45
°の方向になるように4層巻回した。その上に製造例1
で得られたプリプレグ(P−2)をマンドレルの長手方
向に対して炭素繊維が±45°の方向になるように4層
巻回した。
【0074】さらに、製造例2で得られたプリプレグ
(P−3)を、炭素繊維が長手方向に対して0°方向と
なるように4層巻回した。
【0075】次に、小径端および大径端の外径がそれぞ
れ5.0mmφ、15.0mmφの、テーパーを有する
筒状で、小径端部が閉じた外型に挿入し、大径部をシリ
コンゴムで密閉し、120℃に制御した硬化炉に60分
間保持して硬化した。
【0076】成形体を外型から取り出し、さらにマンド
レルを抜き取り、管状成形体を得た。得られた管状成形
体のねじれ破断トルクは180kgf・mであった。
【0077】比較例1(管状成形体の製造) 全長1200mm、小径端および大径端の外径がそれぞ
れ3.5mmφ、13.5mmφの、テーパーを有する
円筒状のマンドレルにシリコーン系離型剤を塗布した
後、製造例1で得られたプリプレグ(P−2)をマンド
レルの長手方向に対して炭素繊維が±45°の方向にな
るように4層巻回した。その上に製造例2で得られたプ
リプレグ(P−3)をマンドレルの長手方向に対して炭
素繊維が±45°の方向になるように4層巻回した。
【0078】さらに、製造例2で得られたプリプレグ
(P−3)を、炭素繊維が長手方向に対して0°方向と
なるように4層巻回した。
【0079】その後、幅15mmの一軸延伸ポリプロピ
レンテープを全体に巻き、125℃に制御した硬化炉に
60分間保持して硬化した。
【0080】成形体から一軸延伸ポリプロピレンテープ
を外し、さらにマンドレルを抜き取り、管状成形体を得
た。
【0081】得られた成形体の表面にはテープ跡の凹凸
があり、センタレスの研磨機で研磨する必要があった。
【0082】表面を研磨した後、表面を観察したとこ
ろ、炭素繊維層の一部が削られていた。得られた管状成
形体のねじれ破断トルクは150kgf・mであった。
【0083】比較例2(管状成形体の製造) 全長1200mm、小径端および大径端の外径がそれぞ
れ3.5mmφ、13.5mmφの、テーパーを有する
円筒状のマンドレルにシリコーン系離型剤を塗布した
後、実施例1で得られた複合材料用プリプレグ(P−
1)をマンドレルの長手方向に対して炭素繊維が±45
°の方向になるように4層巻回した。その上に製造例1
で得られたプリプレグ(P−2)をマンドレルの長手方
向に対して炭素繊維が±45°の方向になるように4層
巻回した。
【0084】さらに、製造例2で得られたプリプレグ
(P−3)を、炭素繊維が長手方向に対して0°方向と
なるように4層巻回した。
【0085】その後、幅15mmの一軸延伸ポリプロピ
レンテープを全体に巻き、125℃に制御した硬化炉に
60分間保持して硬化した。
【0086】成形体から一軸延伸ポリプロピレンテープ
を外し、さらにマンドレルを抜き取り、管状成形体を得
た。
【0087】得られた成形体の表面にはテープ跡の凹凸
があり、かつ成形時に発生した内圧による膨らみが生じ
ており、センタレスの研磨機で研磨する必要があった。
【0088】表面を研磨した後、表面を観察したとこ
ろ、炭素繊維層の一部が削られていた。得られた管状成
形体のねじれ破断トルクは160kgf・mであった。
【0089】
【発明の効果】本発明のプリプレグを用いた成形体は、
成形工程中の硬化時に内圧が発生して成形体表面が外型
に密着するために、平滑な表面を有し、研磨工程を経る
必要がない。そして研磨工程を行わないので、成形体表
面の炭素繊維の損傷がない。このため積層数や重量を増
加させずに、ねじり強度を著しく向上できる。
【0090】また、本発明によって得られる成形体をゴ
ルフシャフトに使用した場合、上記研磨工程を経ていな
いために、軽量であっても衝撃に強く、また微粒子を含
有するためにマトリックス樹脂が軽量化され、かつ打球
感および振動の減衰性が優れたものを製造することがで
きる。
【0091】また、本発明の製造方法により得られる管
状成形体は、偏肉や表面の強化繊維の切断等がないため
に特性が安定しているという特徴を有する。
【0092】本発明による成形体の用途としては、ゴル
フシャフトの他にも、例えば釣竿、自転車のパイプ等が
挙げられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 23:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)強化繊維、(B)マトリックス樹
    脂、および(C)密度0.02〜1.1g/cm3、粒
    径0.2μm〜150μmで、かつ膨張性を有する有機
    系微粒子を少なくとも含有することを特徴とする複合材
    料用プリプレグ。
  2. 【請求項2】 (1)少なくとも請求項1に記載の複合
    材料用プリプレグをマンドレルに巻く工程、 (2)外型をかぶせる工程、および (3)該複合材料用プリプレグを硬化させると同時に、
    含有される有機系微粒子を膨張させる工程、を順次行な
    うことを特徴とする管状複合材料成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】 ゴルフシャフトである請求項2に記載の
    管状複合材料成形体の製造方法。
JP5183413A 1993-06-30 1993-06-30 複合材料用プリプレグおよび管状複合材料成形体の製造方法 Pending JPH0782392A (ja)

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