JPH06206801A - 揮散性薬剤の放出方法 - Google Patents

揮散性薬剤の放出方法

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JPH06206801A
JPH06206801A JP19876091A JP19876091A JPH06206801A JP H06206801 A JPH06206801 A JP H06206801A JP 19876091 A JP19876091 A JP 19876091A JP 19876091 A JP19876091 A JP 19876091A JP H06206801 A JPH06206801 A JP H06206801A
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JP
Japan
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drug
carrier
cellulose
release
particles
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Application number
JP19876091A
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English (en)
Inventor
Masao Fujita
田 真 夫 藤
Norio Watanabe
辺 憲 夫 渡
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Rengo Co Ltd
Original Assignee
Rengo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】各種の薬剤に対して、一定期間徐々に一定量を
安定して放出出来、且つ使用後の処理が容易な担体を用
いて、薬剤を放出しうる方法を開発すること。 【構成】セルローズから成り、径が0.05m/m以上
の球状を呈し、表面は亀裂乃至小孔が多数存在し、かつ
内部も空孔が多数存在し、全体として多孔質であり水銀
ポロシメーター法により測定した細孔半径分布と細孔容
積において、全細孔容積の90%以上を半径2.5μm
以上の細孔が占めているセルローズ多孔質粒子を担体と
して使用すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は揮散性薬剤を徐々に放出
する方法に関する。更に詳しくは、該薬剤を各種セルロ
ーズ多孔質粒子に吸着、担持させ、薬剤をセルローズ多
孔質粒子表面より用途・使用条件などに応じた速度で徐
々に揮散・放出させる、揮散性薬剤の放出方法に関す
る。
【0002】(従来の技術)従来より揮散性の薬剤を各
種担体に吸着・担持させて担体表面より薬剤を揮散・放
出させる方法は実用化されて来ている。担体を使用する
目的は、固体状になるので扱いやすい、表面積が大きく
て短期間で大量に揮散させやすい、揮散速度を調節しや
すいなどである。
【0003】使用する薬剤としては、芳香剤、消臭剤、
鮮度保持剤、エタノールや殺虫剤・防虫剤・殺菌剤・忌
避剤などの農薬類である。
【0004】吸着担体としてはアルミナ、ゼオライト、
シリカゲル、ケイ酸カルシウムなどの無機担体や、でん
ぷん、デキストリン、酢酸セルローズなどの有機担体が
あるが実用化されている担体の大半は無機担体である。
【0005】芳香剤は従来より家庭内、工場で広く使用
されて来ている。更に近年「におい」の人体に及ぼす各
種の生理活性的に良好な効果(アロマテラピー)が注目
を集めており、従来の単なるマスキング用や付香用の用
途以外に、神経をしずめる効果や、想像力を高める効果
などを目的とした用途にも拡がっている。又それにつれ
使用場所も、家庭と工場だけではなく自動車、オフィ
ス、イベント会場や列車の中など極めて広範囲になって
きている。
【0006】形状としては液状のものやゲル化剤でゲル
ないし固形にしたものが多いが、近年はゼオライト、シ
リカゲル、アルミナ、ケイ酸カルシウムなどの担体に吸
着させ、粉体・粒体化して作業性を良くし、かつ放出特
性を調整したタイプのものも使用量が増えて来ている。
【0007】担体を使用するタイプの芳香剤は、担体の
種類や構造等に応じて、芳香剤の放出特性を変えること
が出来、適切な担体を選定すれば用途に応じた放出速度
に、簡便に調整ができるという利点がある。
【0008】現在このタイプの芳香剤に使われている担
体は、アルミナ、ゼオライト、シリカゲル、ケイ酸カル
シウムなどの無機多孔質担体がほとんどである。これら
の吸着担体はその内部に有する孔の孔径が数Å〜数千Å
の範囲に有り、小さい孔の多孔質体である。
【0009】これらの担体を、芳香剤や他の揮散性薬剤
の放出担体として使用する場合、吸着される薬剤の物性
によって薬剤の放出特性が大きく変化する。つまりある
薬剤に対しては大部分を短期間に放出してしまい、残り
わずかの薬剤を極く少量ずつ長期間にわたり放出し続け
たり、又は吸着した薬剤をほとんど放出しないなどの現
象を生ずる。これらの現象は薬剤の分子量、蒸気圧、粘
度などにより影響を受けるが、特に分子量の影響が大き
いようである。
【0010】前者の現象は分子量が大きく粘度が高い薬
剤に生じやすい。これは孔径が小さいため内部まで薬剤
が浸透しにくく、表面だけに吸着担持されている為であ
ると思われる。又後者の現象は分子量が小さく粘度が低
い薬剤に生じやすいが、これは孔径が小さいので吸着力
が強く薬剤を放出しにくい為であると考えられる。芳香
剤分野で問題となるのは主に後者の方である。つまり芳
香剤をこれらの担体に吸着させた場合、一旦吸着された
芳香剤でもその各成分に対する担体の吸着力が大きく異
なるので、幾つかの成分は強く担体に吸着され、ほとん
ど放出されなくなる。従って、放出される芳香剤は経時
的に成分の異なったものとなり、香りが変化していくと
いう問題を生ずる。又芳香剤各成分を均一に吸着しなく
て各成分間で選択吸着するので原液の芳香剤の香りと、
担体から放出される香りが異なるという問題も生ずる。
【0011】更に直接性能や機能に係わりはないが、今
後家庭で使用する薬剤については、ゴミ処理問題に関連
して使用後の後処理が容易な素材を使わなくてはならな
くなることが予想される。つまり今後ゴミ処理対策の各
種法律が制定され、ますます法規制が厳しくなるので、
近い将来は商品素材の良し悪しを判断するのに、機能に
加えてまず回収・再生可能であるかどうか、その次には
焼却可能であるかどうか、更にはその次には埋め立てし
た時に生分解するものであるかどうかということが大き
な決定因子になってくるものと思われる。この点でも従
来の無機担体や合成プラスチックは問題があるといえ
る。
【0012】無機担体は焼却、回収、再生の面で又合成
プラスティック担体は焼却、回収、再生、埋立て全ての
面で問題がある。
【0013】無機多孔質担体の孔が小さいことに起因す
ると考えられる前記の問題、すなわち吸着薬剤を放出し
にくい、選択吸着を起こすなどの問題は、揮散して効果
を発揮するタイプの消臭剤例えばマスキングタイプのも
のや塩素系薬品を使ったものなどにも共通している。特
に二酸化塩素などはこれらの孔の小さい担体の場合放出
速度が極めて小さくなるという欠点を有する。
【0014】従って芳香剤及び一部消臭剤の分野では、
薬剤の種類によって選択吸着しなくて一様な放出を行
い、かつ放出速度が均一で、なおかつゴミ処理対策に有
利な担体が望まれている。
【0015】農薬は殺虫剤、殺菌剤、除草剤、植物成長
育成剤などが水和剤、乳剤、粒剤、粉剤等の形態で大量
に使用されている。しかしながら農薬は近年、自然環境
の汚染と食品中への残留という大きな問題の為に、その
大量使用がきびしく批判されている。従って今後は従来
のように薬効を確実なものにする為に、大量に使用する
ということができにくくなり、少量の農薬で効果をあげ
るようにしなければならなくなっていくものと思われ
る。
【0016】特にゴルフ場での農薬の大量使用は、地下
水を通しての周辺河川の汚染など環境汚染が大きな社会
問題となっており、減農薬、無農薬でないと新規造成が
困難な状況になってきている。その為減農薬、無農薬対
策の研究が各方面で精力的に行われている。
【0017】減農薬対策の1つとして、製剤技術によっ
て、一定の期間、必要な薬剤量を徐々に放出する方法
で、使用農薬を必要最小限に抑える方法が研究され、一
部実用化されている。これらの方法としては各種素材で
農薬をマイクロカプセル化して、カプセル膜物質の種類
と厚さによって放出を調整する方法、サイクロデキスト
リンで農薬を包装して揮散性を抑制する方法、各種ポリ
マー中に含浸させて薬剤のポリマー中での拡散を利用し
て放出を調整する方法、多孔質無機担体など担体に吸着
担持させ放出を調整する方法などがある。
【0018】これらの方法は農薬の種類、使用条件など
から見てそれぞれ一長一短があるが、一定期間、一定
量、均一に放出するという徐放の機能から見た場合、極
めて不充分である。これらの方法は通常農薬を放出しに
くく、低い放出率のものしか製造し難く、使用期間経過
後も担体中に多くの農薬が残存しているという欠点を有
する。加えて担体を使用する方法とサイクロデキストリ
ンで包接する方法は、水に濡れた場合に農薬が流出して
しまい、徐放性がなくなってしまうという欠点を有す
る。これらの方法以外にも従来より無機担体に吸着さ
せ、その後放出させて使用するタイプの農薬もある。い
わゆる粒剤、粉剤であるが、粒剤は担体(固定希釈剤)
としてベントナイト、タルク、ホワイトカーボン等を使
い、バインダーにリグニンスルホン酸塩、ポリビニルア
ルコール、でんぷんを使って粒状固形に成形したもので
あり、散布後水中又は土壌中で崩壊して、薬剤を水中又
は土壌中に溶出するタイプのものである。又、粉剤は担
体として硅藻土、タルク等を使い薬剤を吸着させたもの
であり、散布後水などにより薬剤を溶出させるタイプの
ものである。これらの農薬はいずれも吸着担体を使用し
て吸着させ、その後放出して薬効をあらわすものではあ
るが、揮散性を調整して一定期間薬効を持続させる目的
のものではなく、これらのものではこの目的は達成され
ない。
【0019】徐放化農薬は減農薬対策の有効な手段の一
つであるが、今までに徐放化農薬が具備すべき機能、す
なわち所定期間までに均一に完全に農薬を放出し、その
後担体も分解して環境中に悪影響を及ぼさなく、更に水
に濡れても放出率が変化しない(これは特にゴルフ場な
どで使用する場合に重要である)などの機能をもった徐
放化農薬は開発されていない。現在このような徐放化農
薬が強く求められており、それに使用する有効な担体が
望まれている。
【0020】家庭で使用する農薬系の薬剤としては殺虫
剤、忌避剤、殺菌剤、殺ダニ剤などがある。殺虫剤はス
プレー式のもの、蚊取線香式のもの、パルプ製のマット
に含浸させたものを加熱して薬剤を揮散させる方式のも
の等が市販されている。スプレー式のものは効果が一過
性のものなので別として、線香式とマット状のものを加
熱する方式のものは、放出機能から見れば優秀で良好な
徐放性を有しているといえる。この種の殺虫剤の代表は
ピレスロイド(ピレトリンの類縁化合物の総称)である
が、これは昆虫の殺虫には非常に速効性があるが混血動
物に対しては安全であるという特徴を有している為広く
家庭で使われている。しかし従来は前に述べた如く線香
状に固めたものを緩慢に燃焼させるか、パルプマットに
含浸させたものを加熱する手段しか利用されなかった。
この燃焼又は加熱方式というのは、取扱いが面倒でもあ
り、常に火災の危険性が伴うという欠点を有する。
【0021】前に述べた如くこのピレスロイドはその優
れた安全性の為、現在多くの形態での商品化が図られて
いる。その中でも加熱をしないで室温で徐放機能を有し
ている商品の開発がまたれているが、揮散性が低く、紫
外線に不安定な為に均一な徐放性が得がたく、特殊な例
を除いては商品化されていない。特殊な例としては密閉
空間で長期間使用する為、徐放性能が良くなくても構わ
ない防虫剤用途がある。
【0022】室温での均一な徐放機能は、ピレスロイド
を吸着・放出しやすい担体に、ピレスロイドを担持させ
ることによって付与することが可能となる。この場合香
料やその他の薬剤をピレスロイドと同じように吸着・担
持させて、除塵フィルターや送風機付空気清浄機などに
組込んで使えば、吸着担体に送風すれば殺虫、芳香、殺
菌等の機能が同時に発揮できる多機能形商品も可能とな
る。
【0023】更にこの種の担体で、紫外線に対して安定
化効果があり、かつ耐水性がある担体を使うことによっ
て、屋外でもピレスロイドを分解させることなく、雨水
などの水に対しても安定な徐放化農薬として使用可能と
なる。この場合にはピレスロイドの優れた殺虫性と安全
性に加えて、その徐放性に依り有効な減農薬対策の一つ
になるので、この種のピレスロイド製剤が待たれてい
る。特にゴルフ場での適用が待たれているものである。
【0024】電気掃除機の集塵袋(以後電掃袋と略す)
の内袋には、殺虫剤、殺菌剤、殺ダニ剤が含浸されてお
り、家庭で大量使用されている。集塵したゴミを殺虫、
殺菌、殺ダニする為であるが、内袋の薄いレーヨン主体
の紙に薬剤が含浸されており、揮散しやすい形態となっ
ているところへ、掃除機の熱風が当たるので薬剤が速め
に揮散してしまう。そのため必要量よりもかなり多量に
含浸されている。この場合農薬系の化学物質が密閉され
た空間に多量に放出されるため環境が汚染され、健康上
好ましくないと言われている。従ってこの分野でも薬剤
の揮散量を調整して少ない薬剤で効果的に薬効を示す徐
放化方法の開発が始まっており、揮散量調整が可能な担
体を使った担体吸着型の方法も有効な方法として求めら
れている。又この場合も家庭で大量に使用するものであ
るため、前に述べた如くゴミ対策に適合した素材が望ま
しいことは言うまでもない。
【0025】忌避剤も従来より家庭で、虫、ゴキブリ、
ネズミ駆除用に広く使われてきたが、その形態としては
錠剤や紙への含浸タイプであった。近年は家庭で犬猫な
どのペットを飼うケースが増えており、それにつれてペ
ットのフンなどのペット公害が問題となってきている。
そこでこれらのペットが入ってきては困る場所に置いて
おき進入を防止する忌避剤の用途が増えてきた。形態は
ゼオライトやアルミナのような無機多孔質担体に吸着さ
せたものであり、揮散性を調整して徐放化を図り、一定
期間効果が持続することを狙ったものが多い。しかしな
がらこれらの担体はいわゆる小さい孔の無機多孔質担体
である為、前に述べたようにいくつか大きな問題があ
る。つまりまず第1に薬剤が揮散しにくいということ
と、外で使用した場合雨に濡れれば速かに薬剤が流出し
てしまうということである。この欠点を解決した担体吸
着法であれば、ペット用だけではなく虫、ゴキブリ、ネ
ズミ、鳥用などにも応用可能である。
【0026】その他揮散してその薬効を発揮する薬剤と
しては、食品の防腐剤として使用されているエタノー
ル、消臭殺菌剤として使われている二酸化塩素などの塩
素系薬剤、シネオールなどの天然物系抗菌剤や、ジシク
ロヘキシルアミンなどの気化性防錆剤などが挙げられ
る。これらは担体へ吸着させた形態や紙シートなどへ含
浸させた形態として商品化されているが、担体吸着タイ
プのものは前に述べたような問題を抱えているものが多
い。
【0027】以上見てきたように担体に揮散性薬剤を吸
着させて、薬剤の放出速度を調整していわゆる徐放化機
能をもたせたものは広く使用されている。適用可能な領
域も広範囲に及んでおり、今後増えることが予想され
る。この方法の良否を決定するポイントは担体である。
このいわゆる徐放化担体が具備すべき条件は、まず第1
に多種類の薬剤に対して一様な吸着を示し、一定期間吸
着した薬剤を均一に放出することである。これはいまま
で述べた全ての用途に最低限必要な条件である。次に使
用後の処理の容易な商品でないと今後の社会では受け入
れられなくなることが予想されるので、後処理の容易な
担体であることが第2の条件である。これは規制の程度
と用途によって異なるが、回収、再生しやすいか、焼却
しやすいか、分解性が良いかなどで評価される。更に従
来の担体吸着形の商品は屋外で使用した場合、雨に触れ
ればただちに薬剤が流出して徐放化機能がなくなってし
まう。それ故この場合には耐水機能をもったものか、簡
便に加工することにより耐水機能を付与することのでき
る担体が有利である。
【0028】これらの条件を具備した汎用の担体は未だ
開発されていない。従ってそれらを使った揮散性薬剤の
放出方法も開発されていない。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、揮散性薬剤を担体に吸着、担持させ該薬剤
を放出させる方法に於いて、各種の薬剤に対して一定の
期間徐々に均一な量を安定して放出出来、使用後の担体
の処理が容易であり、かつ徐放機能を保持したまま簡便
に耐水性を付与できる担体を開発し、惹いては放出調整
方法を開発することである。
【0030】
【課題を解決するための手段】この課題は、次の様なセ
ルローズ多孔質粒子を担体として用い、薬剤をこの担体
に吸着・担持させて、その表面より吸着した薬剤を放出
させる方法によって解決される。即ち
【0031】(1)セルローズから成り、径が0.05
m/m以上の球状を呈し、表面は亀裂乃至小孔が多数存
在し、かつ内部も空孔が多数存在し、全体として多孔質
であり、水銀ポロシメーター法により測定した細孔半径
分布と細孔容積において、全細孔容積の90%以上を半
径2.5μm以上の細孔が占めているセルローズ多孔質
粒子を担体として使用すること。
【0032】そして特に好ましくは(2)セルローズ多
孔質粒子が「特願平1−311429号」又は「特願平
2−59452」号で規定された粒子でありかつ水銀ポ
ロシメーター法により測定した細孔半径分布と細孔容積
において全細孔容積の90%以上を半径2.5μm以上
の細孔が占めているセルローズ多孔質粒子を担体として
用いて、薬剤を吸着担持させ、その表面より薬剤を放出
させる方法によって解決される。
【0033】
【発明の作用並びに構成】本発明の要点は、従来より吸
着・担体として使用されてきた細孔径の小さい多孔質無
機粒子の代わりに、細孔径の大きいセルローズ多孔質粒
子を用いることである。
【0034】本発明に使用するセルローズ多孔質粒子は
上記(1)の要件を、好ましくは(2)の要件を具備す
るものである。
【0035】これらのセルローズ多孔質粒子を吸着・担
体として使用して、薬剤を放出させた場合に発揮する優
れた徐放機能は、該粒子が内部及び表面に有する、水銀
ポロシメーターによる測定で大きさが直系5μm以上で
ありかつそれらが全細孔容積の90%以上を占める細孔
が担っていると考えられる。
【0036】セルローズ多孔質粒子で、それが有してい
る細孔に関してその径が5μm以下のものが10%以上
を占めているものを使用した場合は、薬剤の放出挙動が
従来の多孔質無機担体を使用した時に似たものになって
くる。すなわち吸着薬剤を放出しにくく、選択的な吸着
が生じやすく、又徐放的ではなくなるようになる。
【0037】又、粒子径が0.05m/m以下のものは
本発明の目的としている放出調整方法を応用した商品に
は適用困難である。
【0038】セルローズ多孔質粒子の構造については
(1)で規定された項目以外の構造については何等限定
されないが、好ましくは(2)で規定された構造のもの
が望ましい。このセルローズ多孔質粒子は、製造法自体
は何等限定されず、いずれの製造法でも、最終的にセル
ローズから成り前記構造を持つものであれば本発明の方
法に使用できる。その好ましい製造法は特願平2−14
4627に開示されている製造法である。つまりビスコ
ースと炭酸カルシウムを混合し、その混合液を加圧し、
ノズルより押し出して液滴状で凝固再生浴上に落下さ
せ、液滴状のままセルローズの凝固再生と炭酸カルシウ
ムによる酸分解を同時に行い、必要に応じて脱硫、漂
白、水洗、乾燥を行うことを特徴とする方法である。製
造工程中の条件、特に炭酸カルシウムの量、ビスコース
の塩化アンモニウム価、凝固・再生浴の温度、酸濃度、
塩濃度を変化させることによって製造されるセルローズ
多孔質粒子の嵩比重、多孔性の構造、細孔の表面積、細
孔の孔径分布、表面スキン層の有無などを変化させるこ
とができる。
【0039】このようにして製造されたセルローズ多孔
質粒子の内部は、中央部断面において大部分が径が30
μm以上という比較的大きな空孔とそれを取り囲む隔壁
から成っており、この空孔と隔壁の大きさ、厚み、配置
の仕方などによっていくつか内部構造の異なったタイプ
のものに分類される。又隔壁に細かい孔が多数空いてい
る構造のものもある。
【0040】なお、粒子径はノズルを交換することによ
り簡便に変えることができる。本発明方法に使用するセ
ルローズ多孔質粒子の特性は、その空孔径分布、内部構
造のタイプ、表面スキン層の有無・厚み、粒径などによ
り異なるが、保水量は粒子1g当たり0.5〜15gで
あり保油量は油の種類によっても異なるが大体粒子1g
当たり1.0〜15gでありエタノール保持量は粒子1
g当たり0.5〜10gである。
【0041】なおこれらの量は水や油などを該粒子に含
浸させ、その後200mm径のかご形ローター中に投入
して1000rpmで遠心脱液してから測定したもので
ある。
【0042】嵩比重は0.03〜0.25g/cc、比
表面積は1〜20m2/gである。又水銀ポロシメータ
ーで測定した空孔径分布は、径が5μmより大きい空孔
が全空孔容積の90%以上を占めている。
【0043】本発明方法に使用するセルローズ多孔質粒
子は上記の如き特性を有しており各種薬剤を選択吸着し
ないで一様によく吸着・担持する。そしてセルローズで
あることと空孔が大きいということから、吸着した各種
薬剤が強くは結合しないで脱離が容易であるという特徴
を有する。その為薬剤を吸着・担持させてその表面よ
り、一定期間、必要な薬剤を均一に徐々に放出すること
が出来、担体吸着形の放出調整方法に使用する担体とし
ては好適である。
【0044】使用する揮散性薬剤の特性と薬効期間及び
使用場所や温・湿度などによって適切にセルローズ多孔
質粒子の内部構造・空孔径・粒子径などを選択して吸着
・担持させれば、ほぼ一定量が均一に一定期間放出され
薬効を発揮することになる。
【0045】この方法では担体にセルローズを用いる
為、使用後の後処理は、分別回収して再資源化すること
も可能だし、燃焼性がよいので焼却場での焼却は問題な
い。又生分解性があるので埋め立てに廻しても問題はな
いという今後ますます深刻になるであろうゴミ問題とい
う大きな社会問題に対しても解決済の方法である。
【0046】更にこの方法は薬剤吸着前のセルローズ多
孔質粒子をシリコン系やフッ素系などの耐水化剤溶液中
に投入して、撹拌してその後水を切り乾燥させるという
簡便な方法で耐水加工を行うことによって、徐放化機能
を保持したままで耐水機能が付与できるという特徴があ
る。耐水加工したセルローズ多孔質粒子に各種薬剤を吸
着・担持させれば、従来の担体吸着形の商品の如く、雨
や水に触れるとただちに中の薬剤が流出してしまい、徐
放化機能がなくなるということはなく、薬剤を内部に保
持してその後も薬剤を徐放していく。
【0047】又セルローズ多孔質粒子作成前の原液に、
顔料を入れれば容易に着色したセルローズ多孔質粒子を
得ることができるが、この着色セルローズ多孔質粒子に
は、吸着した薬品を紫外線による分解作用から保護する
作用がある。従って紫外線による分解作用を受けやすい
薬剤をこの着色セルローズ多孔質粒子に適用すれば徐放
化機能に加えて紫外線に対する安定化機能も付与できる
ことになる。
【0048】以上の様に、本発明方法は良好な徐放性が
得られ、後処理も容易で、水に弱いという欠点も容易に
解消可能であり、かつ必要に応じて容易に紫外線に対す
る安定化効果が付与できる、揮散性薬剤の徐放化方法で
あり、芳香剤、消臭剤、農薬、農薬系の薬品を使用する
家庭用品、鮮度保持剤、気化性防錆剤など揮散性薬剤を
使用する巾広い用途に応用が考えられる。
【0049】
【実施例】詳しくは実施例にて説明するが本発明はこれ
らの実施例に限定されるものではない。
【0050】本明細書に記載している種々の特性値の測
定法を以下に示す。
【0051】
【細孔半径分布と細孔容積】:湯浅アイオニクス(株)
製水銀ポロシメーター「オートスキャン−33」にて測
定。測定は各サンプルにつき3個づつ行い、細孔容積は
3つのデータの平均値である。
【0052】
【比表面積】:「島津マイクロメリティックスアサップ
2000」にて測定。測定は各サンプルにつき2個づつ
行い、2つの平均をとった。
【0053】
【保液量】:粒子約10gをビーカーに入れ減圧装置内
で減圧しながら液を注ぎ含浸させ、その後PE製ネット
に入れ10cm径のカゴ形ローター式の遠心脱水機にて
2000rpmで遠心脱液して粒子重量を測定する、次
に粒子を乾燥させてその重量を測定しその差を保液量と
する。測定値は2回の測定の平均値である。
【0054】
【嵩比重】:20℃65%RHの恒温恒湿室にて24時
間調湿した粒子を100mlメスシリンダーに入れて、
100ml分を計量し、その後その粒子重量を測定して
算出する。操作は全て恒温恒湿室にて行う。
【0055】測定値は3回の測定の平均値である。
【0056】
【粒子径】:20℃65%RHの恒温恒湿室にて24時
間調湿した粒子25個の径をノギスで測定して平均す
る。
【0057】実施例に使用したサンプルの明細を以下に
示す。
【0058】〔サンプルNo.1〕セルローズ濃度9.
0%、粘度4,500センチポイズ、塩化アンモニウム
価7.3、アルカリ濃度6.1%のビスコース400g
と炭酸カルシウム(日東粉化工業(株)SS”30平均
粒径7.4μm)37gを1lビーカーに入れて撹拌機
にて700r.p.m.で20分間撹拌を行い、炭酸カ
ルシウムを含有するビスコース液を作成した。その後チ
ューブポンプでビスコース液をビーカーより吸引、加圧
し、口径1.2mmの注射針が5本組み込んである吐出
口より5cc/分の速度で液滴状に押し出し、凝固・再
生浴とした5lビーカー上に落とした。凝固・再生浴の
塩酸濃度は35g/l、温度は25℃、塩濃度は塩化ナ
トリウムと塩化カルシウムの合計で250g/lであっ
た。凝固・再生浴である5lビーカー中に液滴が滴下し
始めた時点から滴下終了まで約1時間かかり、その後2
時間セルローズの凝固・再生・炭酸カルシウムの酸分解
を行った。凝固・再生浴は絶えず撹拌を行って、均一に
凝固・再生・酸分解がなされるように注意した。
【0059】次いで大過剰の水で洗浄し、2g/lの苛
性ソーダと2g/lの硫化ソーダの入った脱硫浴にて7
0℃で1時間脱硫操作を行った。その後大過剰の水で洗
浄し、次いで2.6g/lの次亜塩素酸ソーダの入った
漂白浴にて20℃、20分間漂白を行い、再び大過剰の
水で洗浄してその後、乾燥させてセルローズ多孔質粒子
を得た。
【0060】得られたセルローズ多孔質粒子は粒子径
3.2m/m、嵩比重0.18g/cc細孔半径は1μ
m〜100μmの範囲に分布しており、全細孔容積は
6.5cc/gで、細孔半径が2.5μm以上の細孔が
全細孔容積の99%以上である。比表面積は10.1m
2/gで、表面にスキン層を有している。
【0061】〔サンプルNo.2〕サンプルNo.1の
製造法において炭酸カルシウムの量を54gに増加さ
せ、凝固・再生浴の塩酸濃度を53g/lとした以外は
同じ製造法にてセルローズ多孔質粒子を得た。得られた
セルローズ多孔質粒子は粒子径3.5m/m、嵩比重
0.12g/cc、細孔半径は1μm〜100μmの範
囲に分布しており、全細孔容積は5.5cc/gで、細
孔半径が2.5m/mμm以上の細孔が全細孔容積の9
5%以上である。
【0062】比表面積は7.2m2/gで表面にスキン
層を有しない。
【0063】〔サンプルNo.3〕サンプルNO.1の
製造法において、炭酸カルシウムの量を108gに増加
させ凝固・再生浴の塩酸濃度を70g/lとした以外は
同じ製造法にてセルローズ多孔質粒子を得た。得られた
セルロース多孔質粒子は粒子径3.3m/m、嵩比重
0.10g/cc、細孔半径は0.5μm〜100μm
の範囲に分布して全細孔容積が4.5cc/gで、細孔
半径が2.5μm以上の細孔が全細孔容積の95%以上
である。比表面積が10.3m2/gで表面にスキン層
を有しない。
【0064】〔サンプルNo.4〕サンプルNo.1製
造の時に使用したビスコース50gをシリコンオイル1
50ml中に投入し、撹拌機にて750rpmで撹拌を
行いながら90℃に昇温し、この温度に保ちながら2時
間撹拌した。その後室温まで冷却し濾紙で濾過して固形
物を得た。該固形物をエタノール80mlと酢酸20m
lからなる凝固液中に投入し室温で500rpmで2時
間撹拌した。ついでベンゼン、エタノール、水の順序で
洗浄した後乾燥しセルロース多孔質粒子を得た。得られ
た粒子の粒子径は0.5m/m、嵩比重は0.60g/
cc、細孔半径は0.05〜3μmの範囲に分布して全
細孔容積は1.1cc/gで細孔半径2.5μm以下の
細孔が全細孔容積の99%以上である。又比表面積が4
0m2/gである。
【0065】〔サンプルNo.5〕 粒子状ケイ酸カルシウム(徳山曹達株式会社製フローラ
イトR) 粒径5.2m/m、嵩比重0.41g/cc、細孔半径
分布50〜5000Å、全細孔容積1.5cc/g、比
表面積101m2/g
【0066】〔サンプルNo.6〕 粒子状活性アルミナ(大化株式会社製RP−4A) 粒径2.2m/m、嵩比重0.50g/cc、細孔半径
は500Å以下比表面積は120m2/gである。
【0067】〔サンプルNo.7〕サンプルNo.1
15gを揆水剤水溶液(日華化学株式会社製NKガード
FG255を水で20倍に希釈したもの)が300cc
入ったビーカー中に投入して撹拌機にて300rpmで
1時間撹拌した。ついで前記遠心脱水機にて2000r
pmで脱液し、乾燥させて耐水加工をしたセルロース多
孔質粒子を得た。
【0068】〔サンプルNo.8〕サンプルNo.1の
製造法において、ビスコースと炭酸カルシウムを混合す
る前にビスコース中に顔料{大日精化(株)製TL−5
10Green−R}を固形分換算で対セルロース0.
1%投入し充分撹拌しておく以外は同じ製造法で着色し
たセルロース多孔質粒子を得た。
【0069】得られたセルローズ多孔質粒子は粒子径
3.3m/m嵩比重0.17g/cc細孔半径は1μm
〜100μmの範囲に分布しており、全細孔容積は6.
3cc/gで、細孔半径が2.5μm以上の細孔が全細
孔容積の99%以上である。比表面積は9.8m2/g
で表面にスキン層を有している。
【0070】
【実施例1】サンプルNo.1〜No.6を20℃、6
5%RHの恒温恒湿度室にて24時間調湿し、調湿後の
各サンプル約10gを200ccのビーカーに入れて減
圧装置内で減圧する。次にL−メントールの20%エタ
ノール溶液を減圧下に投入して各サンプルに含浸させ
る。含浸サンプルを直径10cmのかご形ローターの遠
心脱水機にて2000rpm×2分脱液する。その後乾
燥器中で30℃にて1日乾燥してエタノールを蒸発させ
る。以上の操作は乾燥操作以外は20℃65%RHの恒
温恒湿室にて行った。このようにして得られたL−メン
トールを吸着・担持したサンプルを20℃65%RHの
恒温恒湿室に放置しておき、サンプル重量を経日的に測
定し重量減少分をL−メントールの揮散・放出分として
各サンプルによるL−メントールの放出特性を比較し
た。測定開始時の各サンプルの絶乾重量と吸着・担持し
たL−メントールの重量を表1に示し、各サンプル中の
L−メントールの残存量と経過日数との関係を図1に示
す。
【0071】
【表1】
【0072】
【実施例2】サンプルNo.1〜No.7各々約5gを
300ccビーカーに入れ、減圧装置内で減圧し、各ビ
ーカーに減圧下でヒノキチオールの0.05%メタノー
ル溶液を注ぎ含浸させる。含浸粒子を実施例1と同じよ
うに遠心脱液し、40℃×5時間乾燥させてヒノキチオ
ールを担持した各サンプルを得た。各サンプルを50m
lビーカーに入れて20℃に保った部屋に放置してお
き、経日的に各々0.5gづつを取り出しメタノールに
てヒノキチオールを抽出して、抽出液中のヒノキチオー
ル量を分光光度計による濃度測定で算出して、実施例1
と同じように残存率を求めた。又、25日経過後に各ビ
ーカー中に20mlずつ水道水を注ぎ、水面上に浮かべ
た状態で放置し、前記と同じ方法にてその後の残存率を
求めた。(これは屋外使用時の雨に濡れた状況を想定し
てのテストである。)図2に各サンプル中のヒノキチオ
ールの残存率と経過日数との関係を示した。
【0073】
【実施例3】サンプルNo.1、No.2、No.5、
No.6、No.7各々約15gを300ccビーカー
に入れ、減圧装置内で減圧し、このビーカーに市販のピ
レスロイド系液体蚊取液{有効成分d−T80−フラメ
トリン、大日本除虫菌(株)製キンチョウリキッド}の
30%n−ヘキサン溶液(市販品を100%とする)を
注ぎ含浸させる。含浸ビーズを10cmかご形ローター
にて2000rpmで遠心脱液して、ピレスロイドを含
有するセルローズ多孔質粒子を得た。各サンプルを20
0mlビーカーに入れて30℃に保った部屋に放置して
おき、経日的に各々約2gづつを取り出してn−ヘキサ
ンで抽出し、抽出液中のピレスロイド量を液クロマトグ
ラフィーにより定量して各サンプルによるピレスロイド
の放出量を算出した。又5日後に実施例2と同じように
各ビーカーに100mlづつ水道水を注ぎ水面に浮かべ
た状態で放置して、上記方法にて測定してその後のピレ
スロイド放出量を算出した。
【0074】
【実施例4】サンプルNo.1、No.2、No.8を
用いて実施例3と同じ操作を行いピレスロイドを含有し
たセルローズ多孔質粒子を得た。これらの粒子を200
ccビーカーに入れて30℃に保った部屋にて、各のビ
ーカーを紫外線ランプよりそれぞれ25cm離れた位置
に置いて300Wの紫外線を継続して照射した。経時的
に約2gづつを取り出してn−ヘキサンで抽出し、抽出
液中のピレスロイド量を液クロマトグラフィーにより定
量してピレスロイドの分解量を算出した。
【0075】比較として実験に使用した市販品を原液の
まま20mlを200ccビーカーに入れて、同じよう
に紫外線照射を行い、経時的に取り出してピレスロイド
量を測定し、分解量を算出した。
【0076】
【実施例5】サンプルNo.1、No.2、No.3、
No.5、No.6各々約10gを300ccビーカー
に入れ、減圧装置内で減圧し、各ビーカーに減圧下で二
酸化塩素5%水溶液(助川化学製)を注ぎ含浸させる。
含浸粒子を実施例1と同じように遠心脱液し50℃で3
時間乾燥させて二酸化塩素を含有した各サンプルを得
た。各サンプルを100ccビーカーに入れて30℃に
保った部屋に放置しておき、経日的に約0.5gづつを
取り出し純水にて二酸化塩素を抽出し、抽出液中の二酸
化塩素量をヨウ素還元滴定法により測定し二酸化塩素の
残存量を算出した。
【0077】各サンプルの内容は、No.1〜No.3
が本発明に使用するセルローズ多孔質粒子であり、N
o.7がその粒子に耐水加工を施したものであり、N
o.8はその粒子に着色したものである。No.4は多
孔質でないセルローズ微小粒子である。No.5、N
o.6が従来の無機多孔質粒子の担体である。
【0078】残存率とは、薬品を含浸した直後に担体が
保持している薬品量に対する、経日的に測定した保持量
の比率であり、百分率で表示する。
【0079】図1から、比較的揮散しやすいL−メント
ールに関して、No.5とNo.6の無機多孔質粒子と
No.4の多孔質でないセルローズ粒子を使ったものは
担持量も少なく放出量も少ないのに比較してNo.1〜
No.3のセルローズ多孔質粒子を使用したものは担持
量も多くて放出量も多くかつ粒子の種類の選定によって
調整できることがわかる。
【0080】図2からヒノキチオールに関しても、L−
メントールと同様に無機多孔質粒子と多孔質でないセル
ローズ粒子使用のものは放出がスムーズでないのに比較
して、No.1〜No.3、No.7のセルローズ多孔
質粒子使用のものは放出がスムーズであり放出量も粒子
種類の選定によって調整が可能であることがわかる。
【0081】更にセルローズ多孔質粒子に耐水加工を施
したもの以外は、水に接した時に速かにヒノキチオール
が流出してしまう欠点を有することがわかる。耐水加工
済のセルローズ多孔質粒子は水に接した時にも徐放化機
能を保持していることがわかる。
【0082】図3からピレスロイドに関しては、No.
5とNo.6の無機多孔質粒子を使用したものは急激に
放出してしまい、セルローズ多孔質粒子であるNo.
1、No.2、No.7を使用したものは放出がスムー
ズであり徐放機能を有していることがわかる。
【0083】かつ耐水機能を付与したセルローズ多孔質
粒子であるNo.7を使用したものは水に浮かべても徐
放機能を有していることがわかる。
【0084】図4から着色したセルローズ多孔質粒子に
はピレスロイドを紫外線による分解から保護する効果が
あることがわかる。
【0085】図5から、二酸化塩素に関してもL−メン
トールと同様に無機多孔質粒子使用のものは放出しにく
く、セルローズ多孔質粒子使用のものは放出がスムーズ
であり徐放機能を有していることがわかる。
【手続補正書】
【提出日】平成5年8月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 揮散性薬剤の放出方法
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】追加
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】多孔質粒子中のL−メントールの残存量と経過
日数との関係を示すグラフである。
【図2】多孔質粒子中のヒノキチオールの残存数と経過
日数との関係を示すグラフである。
【図3】多孔質粒子中のピレスロイドの残存数と経過日
数との関係を示すグラフである。
【図4】多孔質粒子に紫外線を照射したときのピレスロ
イドの残存数と紫外線照射時間との関係を示すグラフで
ある。
【図5】多孔質粒子中の二酸化塩素の残存数と経過日数
との関係を示すグラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セルローズから成り、径が0.05m/m
    以上の球状を呈し、表面は亀裂乃至小孔が多数存在し、
    かつ内部も空孔が多数存在し、全体として多孔質であり
    水銀ポロシメーター法により測定した細孔半径分布と細
    孔容積において、全細孔容積の90%以上を半径2.5
    μm以上の細孔が占めているセルローズ多孔質粒子に揮
    散性薬剤を吸着・担持させ、該粒子の表面から薬剤を徐
    々に揮散させ、放出速度を制御することを特徴とする揮
    散性薬剤の放出方法。
  2. 【請求項2】セルローズ多孔質粒子が「特願平1−31
    1429号」又は「特願平2−59452号」で規定さ
    れた粒子でありかつ水銀ポロシメーター法により測定し
    た細孔半径分布と細孔容積において全細孔容積の90%
    以上を半径2.5μm以上の細孔が占めているセルロー
    ズ多孔質粒子である請求項1記載の揮散性薬剤の放出方
    法。
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