JP2939629B2 - 多目的脱臭粒剤並びにその製造方法 - Google Patents
多目的脱臭粒剤並びにその製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 《発明の目的》 〈産業上の利用分野〉 本発明はアンモニア、硫化水素等の一定の悪臭ガスを
除去するとともに、芳香、防虫、誘虫、嫌虫の各効能の
うち、一つまたは二つ以上の効能を合わせもち、且つ使
用しやすい形態に下降された脱臭粒剤の製造方法に関す
るものである。
除去するとともに、芳香、防虫、誘虫、嫌虫の各効能の
うち、一つまたは二つ以上の効能を合わせもち、且つ使
用しやすい形態に下降された脱臭粒剤の製造方法に関す
るものである。
〈発明の背景〉 近年、酸化亜鉛と二酸化チタンと水分子とが緊密に結
合した粒子の集合体(特開昭63−54935号参照)が、そ
の強力な脱臭性能が評価されて種々の分野において使用
されている。この酸化亜鉛と二酸化チタンと水分子とが
緊密に結合した粒子の集合体に代表されるような脱臭微
粉末剤は、ミクロンないしサブミクロンオーダーの微粒
子であるため、そのままの状態では容易に飛散してしま
い、実際には使用することが極めて困難であった。そこ
で本発明者は直接造粒された形態の製品を得るべく研究
を試み、その結果脱臭微粉末剤を水溶性アルギン酸塩水
溶液中に混合して混合液とし、この混合液を多価金属イ
オンとなり得る金属塩水溶液、酸あるいはアルコールの
いずれかに滴下して得られる少なくとも表面が不溶化し
た中間生成物を乾燥することにより脱臭粒剤を製造する
方法及びその類似技術を開発するに至っている。一方、
脱臭剤は、冷蔵庫、トレイ、靴、押入等の家庭内の色々
なものや場所に使用されているが、使用するものや使用
される場所によっては、脱臭のほかに芳香、防虫、誘
虫、嫌虫といった他の効能が同時にあれば便利である場
合も多い。またこのような点に着目して、すでに脱臭粒
剤と芳香粒剤とを一緒の容器に入れた商品などが開発さ
れて、市場に出回っている。
合した粒子の集合体(特開昭63−54935号参照)が、そ
の強力な脱臭性能が評価されて種々の分野において使用
されている。この酸化亜鉛と二酸化チタンと水分子とが
緊密に結合した粒子の集合体に代表されるような脱臭微
粉末剤は、ミクロンないしサブミクロンオーダーの微粒
子であるため、そのままの状態では容易に飛散してしま
い、実際には使用することが極めて困難であった。そこ
で本発明者は直接造粒された形態の製品を得るべく研究
を試み、その結果脱臭微粉末剤を水溶性アルギン酸塩水
溶液中に混合して混合液とし、この混合液を多価金属イ
オンとなり得る金属塩水溶液、酸あるいはアルコールの
いずれかに滴下して得られる少なくとも表面が不溶化し
た中間生成物を乾燥することにより脱臭粒剤を製造する
方法及びその類似技術を開発するに至っている。一方、
脱臭剤は、冷蔵庫、トレイ、靴、押入等の家庭内の色々
なものや場所に使用されているが、使用するものや使用
される場所によっては、脱臭のほかに芳香、防虫、誘
虫、嫌虫といった他の効能が同時にあれば便利である場
合も多い。またこのような点に着目して、すでに脱臭粒
剤と芳香粒剤とを一緒の容器に入れた商品などが開発さ
れて、市場に出回っている。
〈開発を試みた技術的事項〉 本発明はこのような背景に鑑みなされたものであっ
て、本発明者がすでに開発した技術を更に展開して、一
つの脱臭粒剤に芳香、防虫、誘虫、嫌虫といった他の効
能を併せ持たせた多目的脱臭粒剤の新規な製造方法の開
発を試みたものである。
て、本発明者がすでに開発した技術を更に展開して、一
つの脱臭粒剤に芳香、防虫、誘虫、嫌虫といった他の効
能を併せ持たせた多目的脱臭粒剤の新規な製造方法の開
発を試みたものである。
《発明の構成》 〈目的達成の手段〉 即ち、本出願に係る第一の発明たる多目的脱臭粒剤の
製造方法は、粒単体内に脱臭成分と他の機能成分とを含
む粒剤を製造するにあたり、脱臭微粉末剤を水溶性アル
ギン酸塩水溶液中に混合した混合液と、機能成分の溶液
とを、それぞれ多重ノズルの各ノズルから連続的にまた
は非連続的に流出して、多価金属イオンとなり得る金属
塩水溶液、酸、アルコールのいずれかに分散することに
よって少なくとも表面が不溶化した中間生成物を生成
し、この中間生成物を乾燥して、前記粒単体を得ること
を特徴として成るものである。
製造方法は、粒単体内に脱臭成分と他の機能成分とを含
む粒剤を製造するにあたり、脱臭微粉末剤を水溶性アル
ギン酸塩水溶液中に混合した混合液と、機能成分の溶液
とを、それぞれ多重ノズルの各ノズルから連続的にまた
は非連続的に流出して、多価金属イオンとなり得る金属
塩水溶液、酸、アルコールのいずれかに分散することに
よって少なくとも表面が不溶化した中間生成物を生成
し、この中間生成物を乾燥して、前記粒単体を得ること
を特徴として成るものである。
また本出願に係る第二の発明たる多目的脱臭粒剤の製
造方法は、粒単体内に脱臭成分と他の機能成分とを含む
粒剤を製造するにあたり、脱臭微粉末剤を多価金属イオ
ンとなり得る金属塩水溶液、酸、アルコールのいずれか
に混合した混合液と、機能成分の溶液とを、それぞれ多
重ノズルの各ノズルから連続的にまたは非連続的に流出
して、水溶性アルギン酸塩水溶液中に分散することによ
って少なくとも表面が不溶化した中間生成物を生成し、
この中間生成物を乾燥して、前記粒単体を得ることを特
徴として成るものである。
造方法は、粒単体内に脱臭成分と他の機能成分とを含む
粒剤を製造するにあたり、脱臭微粉末剤を多価金属イオ
ンとなり得る金属塩水溶液、酸、アルコールのいずれか
に混合した混合液と、機能成分の溶液とを、それぞれ多
重ノズルの各ノズルから連続的にまたは非連続的に流出
して、水溶性アルギン酸塩水溶液中に分散することによ
って少なくとも表面が不溶化した中間生成物を生成し、
この中間生成物を乾燥して、前記粒単体を得ることを特
徴として成るものである。
これら発明により前記目的を達成しようとするもので
ある。
ある。
以下、本発明の多目的脱臭粒剤の製造方法について具
体的に説明する。説明にあっては本発明によって製造さ
れる多目的脱臭粒剤の特徴的構成要素の一つである機能
成分についてまず説明する。この機能成分とは多目的脱
臭粒剤から周辺に気散して何らかの効能を示す成分を言
い、具体的には芳香剤、防虫剤、誘虫剤、嫌虫剤もしく
は脱臭剤がある。芳香剤としては、天然香科、合成香
料、調合香料などを、それぞれ40〜60%のアルコール水
溶液に溶解させた水溶性香科や、油性溶媒のサラダ油、
ダイズ油、落花生油、綿実油などに溶かした油溶性香
料、また界面活性剤等を使用して作る乳化香料、更には
天然香料、合成香料、調合香料を乳糖やデキストリンな
どの担体に混合付着させたものや香料を乳化させたもの
を粉霧乾燥して粉末化した粉末香料を使用することがで
きる。これら芳香剤を機能成分として用いる場合には、
芳香剤自体が高温では液体で、常温ではゲル状の場合
は、そのものを直接使用すればよいが、常温で液体の芳
香剤を使用する場合には、カラギーナン等のゲル化剤に
芳香剤を含ませたものを使用してもよいし、ガス透過性
がよく低融点の熱可塑性樹脂を選び、芳香剤を可塑剤、
安定剤、多孔質粉体にブレンドしてプラスチックに混合
してもよい。尚、芳香剤を機能成分として適用した多目
的脱臭粒剤では、被膜層に含まれる脱臭成分により芳香
成分が吸着され、その芳香作用が失われることが考えら
れるが、少なくとも後述するように脱臭成分として酸化
亜鉛と二酸化チタンと水分子とが緊密に結合した粒子の
集合体を使用する場合にはこのような心配はない。また
防虫剤としてはパラジクロルベンゼンなどがある。更に
誘虫剤は昆虫の嗅覚に作用して誘因する臭い物質であっ
て、昆虫フェロモンやその他天然に存在する植物等に含
まれる誘因性を示す成分が知られる。昆虫フェロモンと
は、昆虫の体内で生産され、体外に排出されて同種の他
の固体に特異な行動を引き起こす物質であり、例えば同
種異性間を引き付ける性フェロモンや同種間を集合させ
る集合フェロモンや危険信号に匹敵する警報フェロモン
がある。更にまた嫌虫剤が誘虫剤とは逆の作用を示すも
のであって、例えば熱帯シマカに対して強い忌避作用を
示すN,N−ジメチル−m−トルアミドなどがある。更に
また脱臭剤を機能成分としてもよい。この場合、脱臭成
分が一つの多目的脱臭粒剤の中に二種類含まれることに
なるが、そのうちいずれか一つの成分を特許請求の範囲
に言う機能成分とする。
体的に説明する。説明にあっては本発明によって製造さ
れる多目的脱臭粒剤の特徴的構成要素の一つである機能
成分についてまず説明する。この機能成分とは多目的脱
臭粒剤から周辺に気散して何らかの効能を示す成分を言
い、具体的には芳香剤、防虫剤、誘虫剤、嫌虫剤もしく
は脱臭剤がある。芳香剤としては、天然香科、合成香
料、調合香料などを、それぞれ40〜60%のアルコール水
溶液に溶解させた水溶性香科や、油性溶媒のサラダ油、
ダイズ油、落花生油、綿実油などに溶かした油溶性香
料、また界面活性剤等を使用して作る乳化香料、更には
天然香料、合成香料、調合香料を乳糖やデキストリンな
どの担体に混合付着させたものや香料を乳化させたもの
を粉霧乾燥して粉末化した粉末香料を使用することがで
きる。これら芳香剤を機能成分として用いる場合には、
芳香剤自体が高温では液体で、常温ではゲル状の場合
は、そのものを直接使用すればよいが、常温で液体の芳
香剤を使用する場合には、カラギーナン等のゲル化剤に
芳香剤を含ませたものを使用してもよいし、ガス透過性
がよく低融点の熱可塑性樹脂を選び、芳香剤を可塑剤、
安定剤、多孔質粉体にブレンドしてプラスチックに混合
してもよい。尚、芳香剤を機能成分として適用した多目
的脱臭粒剤では、被膜層に含まれる脱臭成分により芳香
成分が吸着され、その芳香作用が失われることが考えら
れるが、少なくとも後述するように脱臭成分として酸化
亜鉛と二酸化チタンと水分子とが緊密に結合した粒子の
集合体を使用する場合にはこのような心配はない。また
防虫剤としてはパラジクロルベンゼンなどがある。更に
誘虫剤は昆虫の嗅覚に作用して誘因する臭い物質であっ
て、昆虫フェロモンやその他天然に存在する植物等に含
まれる誘因性を示す成分が知られる。昆虫フェロモンと
は、昆虫の体内で生産され、体外に排出されて同種の他
の固体に特異な行動を引き起こす物質であり、例えば同
種異性間を引き付ける性フェロモンや同種間を集合させ
る集合フェロモンや危険信号に匹敵する警報フェロモン
がある。更にまた嫌虫剤が誘虫剤とは逆の作用を示すも
のであって、例えば熱帯シマカに対して強い忌避作用を
示すN,N−ジメチル−m−トルアミドなどがある。更に
また脱臭剤を機能成分としてもよい。この場合、脱臭成
分が一つの多目的脱臭粒剤の中に二種類含まれることに
なるが、そのうちいずれか一つの成分を特許請求の範囲
に言う機能成分とする。
また脱臭成分としては活性炭のほか、後に詳述する酸
化亜鉛と二酸化チタンと水分子とが緊密に結合した粒子
の集合体等の吸着作用のある物質を用いることができ
る。
化亜鉛と二酸化チタンと水分子とが緊密に結合した粒子
の集合体等の吸着作用のある物質を用いることができ
る。
次に本発明によって製造される多目的脱臭粒剤1の構
造について説明する。この構造の種類としては第1図
(a)〜(f)に示すように種々の形態をとり得る。即
ち第1図(a)に示すものは脱臭成分2と機能成分3と
が粒剤中に混在したものである。また第1図(b)に示
すものは、二層構造の多目的脱臭粒剤1であって、一例
として外側の層には微粉末状の脱臭成分2が分散し、一
方、内側の層は機能成分3により構成されるものであ
る。更にまた第1図(c)に示すものは、三重構造の多
目的脱臭粒剤1であって、一例として最も外側の層には
微粉末状の脱臭成分2が分散し、一方、中間の層は機能
成分3aにより構成され、更に最も内側の層は中間の層と
は異なる機能成分3bにより構成される。尚、第1図
(c)に示す構造を更に発展させて、四重構造以上の多
重構造とすることもできる。更にまた第1図(d)に示
すものは、粒剤中に二つの大きな核を有する構造であ
り、この二つの核は一例としてそれぞれ異なる機能成分
3a、3bにより構成され、一方これらの核を取り巻く部分
には微粉末状の脱臭成分2を分散させたものである。更
にまた第1図(e)に示すものは、全体としては二重構
造であるが、内側の層には更に粒状の部分が点在する構
造であり、一例として外側の層には微粉末状の脱臭成分
2が分散し、一方、内側の層は機能成分3aにより構成さ
れるとともに、粒状の部分は、また別の機能成分3bによ
り構成される。更にまた第1図(f)に示すものは、や
はり全体としては二重構造であるが、外側の層には更に
粒状の部分が分散して点在する構造であり、一例として
外側の層には微粉末状の脱臭成分2と機能成分3aとが分
散し、一方、内側の層は、また別の機能成分3bにより構
成される。尚、以上の種々の構造のうち、二種類以上の
機能成分を含むものは、その機能成分の組み合わせは、
目的により自由にとり得る。また全体が三重以上の構造
の場合にも、第1図(d)〜(f)に示すような各構造
を、その一部または全部の層に適用することができる。
造について説明する。この構造の種類としては第1図
(a)〜(f)に示すように種々の形態をとり得る。即
ち第1図(a)に示すものは脱臭成分2と機能成分3と
が粒剤中に混在したものである。また第1図(b)に示
すものは、二層構造の多目的脱臭粒剤1であって、一例
として外側の層には微粉末状の脱臭成分2が分散し、一
方、内側の層は機能成分3により構成されるものであ
る。更にまた第1図(c)に示すものは、三重構造の多
目的脱臭粒剤1であって、一例として最も外側の層には
微粉末状の脱臭成分2が分散し、一方、中間の層は機能
成分3aにより構成され、更に最も内側の層は中間の層と
は異なる機能成分3bにより構成される。尚、第1図
(c)に示す構造を更に発展させて、四重構造以上の多
重構造とすることもできる。更にまた第1図(d)に示
すものは、粒剤中に二つの大きな核を有する構造であ
り、この二つの核は一例としてそれぞれ異なる機能成分
3a、3bにより構成され、一方これらの核を取り巻く部分
には微粉末状の脱臭成分2を分散させたものである。更
にまた第1図(e)に示すものは、全体としては二重構
造であるが、内側の層には更に粒状の部分が点在する構
造であり、一例として外側の層には微粉末状の脱臭成分
2が分散し、一方、内側の層は機能成分3aにより構成さ
れるとともに、粒状の部分は、また別の機能成分3bによ
り構成される。更にまた第1図(f)に示すものは、や
はり全体としては二重構造であるが、外側の層には更に
粒状の部分が分散して点在する構造であり、一例として
外側の層には微粉末状の脱臭成分2と機能成分3aとが分
散し、一方、内側の層は、また別の機能成分3bにより構
成される。尚、以上の種々の構造のうち、二種類以上の
機能成分を含むものは、その機能成分の組み合わせは、
目的により自由にとり得る。また全体が三重以上の構造
の場合にも、第1図(d)〜(f)に示すような各構造
を、その一部または全部の層に適用することができる。
本発明によって製造される多目的脱臭粒剤1は以上の
ような構造をとり得るものであり、以下本発明の多目的
脱臭粒剤の製造方法について説明するが、その説明に先
立ち、まず製造原理及び製造にあたって必要な材料につ
いて説明する。なお以下に示す製造原理は、一例として
いわゆる不溶化反応法を応用したものであって、水溶性
アルギン酸水溶液を塩化カルシウム等の多価金属塩水溶
液中に分散させると、分散滴の表面ないしはその内側が
アルギン酸カルシウム等の水に不溶の物質となることを
利用して粒剤を製造するものである。即ちこの原理を用
いれば、通常な微粉末状のために使用し難い脱臭微粉末
剤を、水溶性アルギン酸塩水溶液にあらかじめ混合して
おくことにより脱臭粒剤を製造することができる。そし
て脱臭微粉末剤を分散させた水溶性アルギン酸塩水溶液
を多価金属塩水溶液中に分散させるときに、多重ノズル
を使用して内側のノズルから機能成分となるべき物質を
流出させれば多目的脱臭粒剤が得られるのである。尚、
液滴を分散させる分散媒は、多価金属塩水溶液のほか、
酸あるいはアルコールであってもよい。因みに酸を分散
媒とする場合には、水溶性アルギン酸塩たる例えばアル
ギン酸ナトリウムのナトリウムイオンが水素イオンに置
換して、水に不溶なゲル状のアルギン酸の層を少なくと
も表面に形成することを利用して粒剤化するものであ
る。またアルコールを分散媒とする場合には、水溶性ア
ルギン酸塩と水和状態にある水分子が、アルコールの脱
水作用により脱水されるため、水溶性アルギン酸塩自体
が水に不溶となることを利用して粒剤化するものであ
る。次にこの方法に使用する材料について説明すると、
脱臭成分となる脱臭微粉末剤は、粒径がミクロンないし
サブミクロンオーダーのものであって、一例として酸化
亜鉛と二酸化チタンと水分子が緊密に結合した粒子の集
合体(特開昭和63−54935号参照)が挙げられる。また
このほかにも酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化カル
シウム、酸化アルミニウム、酸化珪素等の吸着性のある
酸化物の一部ないし全部を主体としたもの及びその他従
来公知のものを使用することもできる。また水溶性アル
ギン酸塩は、具体的にはアルギン酸ナトリウムに代表さ
れるものであり、ほかにもアルギン酸アンモニウムなど
を使用することができる。ここでは代表してアルギン酸
ナトリウムについて説明する。このアルギン酸ナトリウ
ムは、コンブ、カジメ、アラメなどの褐藻類の細胞膜を
形成する物質であり、乳化安定剤、粘強剤、型剥離剤な
どとして用いられる。この物質は極めて高粘性のコロイ
ド物質で親水性が強く、冷水、温水いずれにも良く溶解
し、非常に粘稠均一な溶液となる性質を有する。また、
この溶液にアルミニウム、バリウム、カルシウム、銅、
鉄、鉛、亜鉛、ニッケルなどの金属塩を加えると、水に
不溶性のアルギン酸塩となる。更に脱臭微粉末剤の混合
液を分散させる水溶液に使用する金属塩は、多価金属イ
オンとなり得る金属の各金属塩であり、具体的にはアル
ミニウム、バリウム、カルシウム、銅、鉄鉛、亜鉛、ニ
ッケルなどの金属塩(例えば塩化カルシウム)がある。
要は、使用する金属塩自体は水溶性であるが、これがア
ルギン酸の金属塩となったときに、水に不溶性ないしは
難溶性となるような金属の塩を選定する。また分散媒と
して酸を使用する場合には、塩酸等の強酸や、弱酸であ
ってもアルギン酸よりも強い酸(例えば酢酸)を使用す
る。更に分散媒としてアルコールを使用する場合には、
一例としてエチルアルコールを使用することができる。
ような構造をとり得るものであり、以下本発明の多目的
脱臭粒剤の製造方法について説明するが、その説明に先
立ち、まず製造原理及び製造にあたって必要な材料につ
いて説明する。なお以下に示す製造原理は、一例として
いわゆる不溶化反応法を応用したものであって、水溶性
アルギン酸水溶液を塩化カルシウム等の多価金属塩水溶
液中に分散させると、分散滴の表面ないしはその内側が
アルギン酸カルシウム等の水に不溶の物質となることを
利用して粒剤を製造するものである。即ちこの原理を用
いれば、通常な微粉末状のために使用し難い脱臭微粉末
剤を、水溶性アルギン酸塩水溶液にあらかじめ混合して
おくことにより脱臭粒剤を製造することができる。そし
て脱臭微粉末剤を分散させた水溶性アルギン酸塩水溶液
を多価金属塩水溶液中に分散させるときに、多重ノズル
を使用して内側のノズルから機能成分となるべき物質を
流出させれば多目的脱臭粒剤が得られるのである。尚、
液滴を分散させる分散媒は、多価金属塩水溶液のほか、
酸あるいはアルコールであってもよい。因みに酸を分散
媒とする場合には、水溶性アルギン酸塩たる例えばアル
ギン酸ナトリウムのナトリウムイオンが水素イオンに置
換して、水に不溶なゲル状のアルギン酸の層を少なくと
も表面に形成することを利用して粒剤化するものであ
る。またアルコールを分散媒とする場合には、水溶性ア
ルギン酸塩と水和状態にある水分子が、アルコールの脱
水作用により脱水されるため、水溶性アルギン酸塩自体
が水に不溶となることを利用して粒剤化するものであ
る。次にこの方法に使用する材料について説明すると、
脱臭成分となる脱臭微粉末剤は、粒径がミクロンないし
サブミクロンオーダーのものであって、一例として酸化
亜鉛と二酸化チタンと水分子が緊密に結合した粒子の集
合体(特開昭和63−54935号参照)が挙げられる。また
このほかにも酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化カル
シウム、酸化アルミニウム、酸化珪素等の吸着性のある
酸化物の一部ないし全部を主体としたもの及びその他従
来公知のものを使用することもできる。また水溶性アル
ギン酸塩は、具体的にはアルギン酸ナトリウムに代表さ
れるものであり、ほかにもアルギン酸アンモニウムなど
を使用することができる。ここでは代表してアルギン酸
ナトリウムについて説明する。このアルギン酸ナトリウ
ムは、コンブ、カジメ、アラメなどの褐藻類の細胞膜を
形成する物質であり、乳化安定剤、粘強剤、型剥離剤な
どとして用いられる。この物質は極めて高粘性のコロイ
ド物質で親水性が強く、冷水、温水いずれにも良く溶解
し、非常に粘稠均一な溶液となる性質を有する。また、
この溶液にアルミニウム、バリウム、カルシウム、銅、
鉄、鉛、亜鉛、ニッケルなどの金属塩を加えると、水に
不溶性のアルギン酸塩となる。更に脱臭微粉末剤の混合
液を分散させる水溶液に使用する金属塩は、多価金属イ
オンとなり得る金属の各金属塩であり、具体的にはアル
ミニウム、バリウム、カルシウム、銅、鉄鉛、亜鉛、ニ
ッケルなどの金属塩(例えば塩化カルシウム)がある。
要は、使用する金属塩自体は水溶性であるが、これがア
ルギン酸の金属塩となったときに、水に不溶性ないしは
難溶性となるような金属の塩を選定する。また分散媒と
して酸を使用する場合には、塩酸等の強酸や、弱酸であ
ってもアルギン酸よりも強い酸(例えば酢酸)を使用す
る。更に分散媒としてアルコールを使用する場合には、
一例としてエチルアルコールを使用することができる。
次に本発明の多目的脱臭粒剤の製造方法について説明
する。説明にあたっては、一例として上述したような材
料を用いることにより、機能成分が芳香剤であり、第1
図(b)に示すような構造を有する多目的脱臭粒剤1の
製造方法について説明する。まず酸化亜鉛と二酸化チタ
ンと水分子とが緊密に結合した粒子の集合体をアルギン
酸ナトリウム水溶液内に混合したものと、機能成分3た
る芳香剤の溶液をそれぞれ調製する。尚、芳香剤の溶液
は高温時に液体で、常温時にはゲル状になるものを使用
することが好ましい。因みにこのような機能成分3を使
用すれば、アルギン酸ナトリウムがゲル状となることか
ら乾燥工程での収縮率が同程度となり、変形等を生じ難
い。また機能成分3たる芳香剤には少量の塩化カルシウ
ムを添加しておくことが好ましい。因みにこれは多目的
脱臭粒剤1ができた時点では、外側はアルギン酸カルシ
ウムの被膜で硬化しているが、内部はアルギン酸ナトリ
ウムと芳香剤とが混じり合って、その二重構造が崩れる
場合があるため、これを防止するためアルギン酸ナトリ
ウムと芳香剤との間に薄いアルギン酸カルシウムの被膜
を設けるためである。次に酸化亜鉛と二酸化チタンと水
分子とが緊密に結合した粒子の集合体をアルギン酸ナト
リウム水溶液内に混合したものと、機能成分3たる芳香
剤の溶液とをそれぞれ二重ノズルの外ノズルと内ノズル
とから、あらかじめ用意した塩化カルシウム水溶液中に
滴下して分散させ、粒状の中間生成物を得る。因みにこ
の中間生成物は、その表面ないし表面内側に、水に不溶
のアルギン酸カルシウムが形成され、その内部には脱臭
微粉末剤の混合されたアルギン酸ナトリウムを含み、更
にその内部には機能成分3たる芳香剤を含むものであ
る。また塩化カルシウム水溶液に分散させる方法として
は、滴下させる方法のほかに、例えばノズルの先端部を
塩化カルシウム水溶液中に入れて、ポンプ圧で混合液及
び芳香剤の溶液を塩化カルシウム水溶液中に押し出すよ
うにして繊維状の中間生成物が形成するようにしてもよ
い。このようにして得られた粒状あるいは繊維状の中間
生成物を水溶液から取り出した後、高温度下に放置した
り、乾燥機を使用するなどの方法により乾燥して二重構
造を有する粒単体即ち多目的脱臭粒剤1を製造する。
尚、中間生成物が繊維状の場合には、このものを適当な
長さに切断して使用しやすい形状にする。また中間生成
物を水溶液から取り出した後、乾燥せずにそのまま軽く
水気を取って、全体がゲル状態の多目的脱臭粒剤1とし
てもよい。更にアルギン酸ナトリウム水溶液に硫酸アル
ミニウムまたは葉緑素を入れて混合した後、水素イオン
濃度によって変色する鉄系の顔料や色素を含有させてお
けば、色の変化によって脱臭効果を確認できる多目的脱
臭粒剤1を得ることができる。以上述べた方法は、脱臭
微粉末剤を水溶性アルギン酸塩水溶液に混合し、このも
のを多価金属イオンとなり得る金属塩水溶液、酸、アル
コールのいずれかに分散させるというものであるが、逆
に脱臭微粉末剤を多価金属イオンとなり得る金属塩水溶
液、酸、アルコールのいずれかに混合しておき、この混
合液と機能成分3の溶液とを、それぞれ多重ノズルの各
ノズルから前記と同様にして連続的にまたは非連続的に
流出して、水溶性アルギン酸塩水溶液中に分散すること
によっても少なくとも表面が不溶化した中間生成物が得
られ、この中間生成物を乾燥した粒単体即ち多目的脱臭
粒剤を製造する。
する。説明にあたっては、一例として上述したような材
料を用いることにより、機能成分が芳香剤であり、第1
図(b)に示すような構造を有する多目的脱臭粒剤1の
製造方法について説明する。まず酸化亜鉛と二酸化チタ
ンと水分子とが緊密に結合した粒子の集合体をアルギン
酸ナトリウム水溶液内に混合したものと、機能成分3た
る芳香剤の溶液をそれぞれ調製する。尚、芳香剤の溶液
は高温時に液体で、常温時にはゲル状になるものを使用
することが好ましい。因みにこのような機能成分3を使
用すれば、アルギン酸ナトリウムがゲル状となることか
ら乾燥工程での収縮率が同程度となり、変形等を生じ難
い。また機能成分3たる芳香剤には少量の塩化カルシウ
ムを添加しておくことが好ましい。因みにこれは多目的
脱臭粒剤1ができた時点では、外側はアルギン酸カルシ
ウムの被膜で硬化しているが、内部はアルギン酸ナトリ
ウムと芳香剤とが混じり合って、その二重構造が崩れる
場合があるため、これを防止するためアルギン酸ナトリ
ウムと芳香剤との間に薄いアルギン酸カルシウムの被膜
を設けるためである。次に酸化亜鉛と二酸化チタンと水
分子とが緊密に結合した粒子の集合体をアルギン酸ナト
リウム水溶液内に混合したものと、機能成分3たる芳香
剤の溶液とをそれぞれ二重ノズルの外ノズルと内ノズル
とから、あらかじめ用意した塩化カルシウム水溶液中に
滴下して分散させ、粒状の中間生成物を得る。因みにこ
の中間生成物は、その表面ないし表面内側に、水に不溶
のアルギン酸カルシウムが形成され、その内部には脱臭
微粉末剤の混合されたアルギン酸ナトリウムを含み、更
にその内部には機能成分3たる芳香剤を含むものであ
る。また塩化カルシウム水溶液に分散させる方法として
は、滴下させる方法のほかに、例えばノズルの先端部を
塩化カルシウム水溶液中に入れて、ポンプ圧で混合液及
び芳香剤の溶液を塩化カルシウム水溶液中に押し出すよ
うにして繊維状の中間生成物が形成するようにしてもよ
い。このようにして得られた粒状あるいは繊維状の中間
生成物を水溶液から取り出した後、高温度下に放置した
り、乾燥機を使用するなどの方法により乾燥して二重構
造を有する粒単体即ち多目的脱臭粒剤1を製造する。
尚、中間生成物が繊維状の場合には、このものを適当な
長さに切断して使用しやすい形状にする。また中間生成
物を水溶液から取り出した後、乾燥せずにそのまま軽く
水気を取って、全体がゲル状態の多目的脱臭粒剤1とし
てもよい。更にアルギン酸ナトリウム水溶液に硫酸アル
ミニウムまたは葉緑素を入れて混合した後、水素イオン
濃度によって変色する鉄系の顔料や色素を含有させてお
けば、色の変化によって脱臭効果を確認できる多目的脱
臭粒剤1を得ることができる。以上述べた方法は、脱臭
微粉末剤を水溶性アルギン酸塩水溶液に混合し、このも
のを多価金属イオンとなり得る金属塩水溶液、酸、アル
コールのいずれかに分散させるというものであるが、逆
に脱臭微粉末剤を多価金属イオンとなり得る金属塩水溶
液、酸、アルコールのいずれかに混合しておき、この混
合液と機能成分3の溶液とを、それぞれ多重ノズルの各
ノズルから前記と同様にして連続的にまたは非連続的に
流出して、水溶性アルギン酸塩水溶液中に分散すること
によっても少なくとも表面が不溶化した中間生成物が得
られ、この中間生成物を乾燥した粒単体即ち多目的脱臭
粒剤を製造する。
以上は機能成分が芳香剤である場合の二重構造を有す
る多目的脱臭粒剤の製造方法であるが、機能成分が防虫
剤、誘虫剤、嫌虫剤もしくは酸化亜鉛と二酸化チタンと
水分子とが緊密に結合した粒子の集合体以外の脱臭剤で
ある場合にも同様にして製造すればよい。また第1図
(a)に示すような構造を有する多目的脱臭粒剤を製造
する場合には、第2図(a)に示すようにアルギン酸ナ
トリウム水溶液に脱臭成分2と機能成分3とを一緒に分
散させ、この分散液を塩化カルシウム水溶液中に滴下さ
せればよい。更に第1図(c)に示すような三重構造
や、あるいはそれ以上の多重構造の多目的脱臭粒剤1を
製造する場合には、目的に応じて各種の機能成分3や同
じ種類の機能成分3であっても効能の異なるものを適宜
用意し、第2図(c)に示すような多重ノズルの各ノズ
ルから各機能成分3a、3bを含む液が流出するようにすれ
ばよい。また更に第1図(d)に示すような構造を有す
る多目的脱臭粒剤1を製造する場合には、第2図(d)
に示すような、一つのノズルの中にそれより小さな二つ
のノズルを設けた多重ノズルを用いて、外側のノズルか
らは脱臭成分2を分散させたアルギン酸ナトリウム水溶
液を流出させ、また内側の二つのノズルからは各々異な
る機能成分3a、3bを流出させればよい。また更に第1図
(e)に示すような構造を有する多目的脱臭粒剤1を製
造する場合には、例えば前述したような、機能成分3
(3a)が芳香剤である場合の多目的脱臭粒剤の製造方法
において、あらかじめ芳香剤中に他の機能成分3bとなる
べき物質や、あるいは他の種類の芳香剤を分散させてお
き、この分散液を内側のノズルから流出させればよい。
更にまた第1図(f)に示すような構造を有する多目的
脱臭粒剤1を製造する場合には、例えば前述したような
機能成分3(3a)が芳香剤である場合の多目的脱臭粒剤
の製造方法において、水溶性アルギン酸水溶液中に脱臭
微粉末剤のほかに機能成分3bとなる物質を分散させてお
き、この分散液を外側のノズルから流出させればよい。
る多目的脱臭粒剤の製造方法であるが、機能成分が防虫
剤、誘虫剤、嫌虫剤もしくは酸化亜鉛と二酸化チタンと
水分子とが緊密に結合した粒子の集合体以外の脱臭剤で
ある場合にも同様にして製造すればよい。また第1図
(a)に示すような構造を有する多目的脱臭粒剤を製造
する場合には、第2図(a)に示すようにアルギン酸ナ
トリウム水溶液に脱臭成分2と機能成分3とを一緒に分
散させ、この分散液を塩化カルシウム水溶液中に滴下さ
せればよい。更に第1図(c)に示すような三重構造
や、あるいはそれ以上の多重構造の多目的脱臭粒剤1を
製造する場合には、目的に応じて各種の機能成分3や同
じ種類の機能成分3であっても効能の異なるものを適宜
用意し、第2図(c)に示すような多重ノズルの各ノズ
ルから各機能成分3a、3bを含む液が流出するようにすれ
ばよい。また更に第1図(d)に示すような構造を有す
る多目的脱臭粒剤1を製造する場合には、第2図(d)
に示すような、一つのノズルの中にそれより小さな二つ
のノズルを設けた多重ノズルを用いて、外側のノズルか
らは脱臭成分2を分散させたアルギン酸ナトリウム水溶
液を流出させ、また内側の二つのノズルからは各々異な
る機能成分3a、3bを流出させればよい。また更に第1図
(e)に示すような構造を有する多目的脱臭粒剤1を製
造する場合には、例えば前述したような、機能成分3
(3a)が芳香剤である場合の多目的脱臭粒剤の製造方法
において、あらかじめ芳香剤中に他の機能成分3bとなる
べき物質や、あるいは他の種類の芳香剤を分散させてお
き、この分散液を内側のノズルから流出させればよい。
更にまた第1図(f)に示すような構造を有する多目的
脱臭粒剤1を製造する場合には、例えば前述したような
機能成分3(3a)が芳香剤である場合の多目的脱臭粒剤
の製造方法において、水溶性アルギン酸水溶液中に脱臭
微粉末剤のほかに機能成分3bとなる物質を分散させてお
き、この分散液を外側のノズルから流出させればよい。
〈発明の作用〉 本発明によって製造される多目的脱臭粒剤は、粒単体
内に脱臭成分と他の機能成分とを含むから、一つの粒が
脱臭作用と機能成分の持つ作用とを兼ね具える。
内に脱臭成分と他の機能成分とを含むから、一つの粒が
脱臭作用と機能成分の持つ作用とを兼ね具える。
また本発明においては、混合液を分散させる分散媒の
種類により、それぞれ以下のような化学的あるいは物理
的現象により液滴を粒剤化することができる。即ち多価
金属イオンとなり得る金属塩水溶液を分散媒とする場合
には、水溶性アルギン酸塩たる例えばアルギン酸ナトリ
ウムのナトリウムイオンが、多価金属イオンたる例えば
カルシウムイオンに置換して水に不溶なアルギン酸カル
シウムの層を少なくとも表面に形成して粒剤となる。ま
た酸を分散媒とする場合には、水溶性アルギン酸塩たる
例えばアルギン酸ナトリウムのナトリウムイオンが水素
イオンに置換して、水に不溶なゲル状のアルギン酸の層
を少なくとも表面に形成して粒剤となる。
種類により、それぞれ以下のような化学的あるいは物理
的現象により液滴を粒剤化することができる。即ち多価
金属イオンとなり得る金属塩水溶液を分散媒とする場合
には、水溶性アルギン酸塩たる例えばアルギン酸ナトリ
ウムのナトリウムイオンが、多価金属イオンたる例えば
カルシウムイオンに置換して水に不溶なアルギン酸カル
シウムの層を少なくとも表面に形成して粒剤となる。ま
た酸を分散媒とする場合には、水溶性アルギン酸塩たる
例えばアルギン酸ナトリウムのナトリウムイオンが水素
イオンに置換して、水に不溶なゲル状のアルギン酸の層
を少なくとも表面に形成して粒剤となる。
更にアルコールを分散媒とする場合には、水溶性アル
ギン酸塩と水和状態にある水分子が、アルコールの脱水
作用により脱水されるため、水溶性アルギン酸塩自体が
水に不溶となり粒剤化する。
ギン酸塩と水和状態にある水分子が、アルコールの脱水
作用により脱水されるため、水溶性アルギン酸塩自体が
水に不溶となり粒剤化する。
〈実施例〉 次に使用する材料の重量等を示しながら、より具体的
な製造方法の実施例について説明する。まず水395gにア
ルギン酸ナトリウム4gを溶解して1%のアルギン酸ナト
リウム水溶液とし、このアルギン酸ナトリウム5部に対
し、酸化亜鉛と二酸化チタンと水分子とが緊密に結合し
た粒子の集合体95部を入れてスクリュー撹拌により酸化
亜鉛と二酸化チタンと水分子とが緊密に結合した粒子の
集合体を混合させて混合液とする。一方、大きめの容器
に10%塩化カルシウム水溶液を調製する。更に機能成分
となる芳香剤としてオレンジエッセンスをカラギーナン
に含ませたものを用いる。そして酸化亜鉛と二酸化チタ
ンと水分子とが緊密に結合した粒子の集合体をアルギン
酸ナトリウム水溶液中に混合した混合液と前記オレンジ
エッセンスをカラギーナンに含ませたものを加熱して液
化したものをそれぞれ多重ノズルの外ノズルと内ノズル
とから塩化カルシウム水溶液中に滴下させる。次に容器
底部に沈降した中間生成物を回収し、この中間生成物を
80℃下に3時間放置して乾燥させて多目的脱臭粒剤を得
る。
な製造方法の実施例について説明する。まず水395gにア
ルギン酸ナトリウム4gを溶解して1%のアルギン酸ナト
リウム水溶液とし、このアルギン酸ナトリウム5部に対
し、酸化亜鉛と二酸化チタンと水分子とが緊密に結合し
た粒子の集合体95部を入れてスクリュー撹拌により酸化
亜鉛と二酸化チタンと水分子とが緊密に結合した粒子の
集合体を混合させて混合液とする。一方、大きめの容器
に10%塩化カルシウム水溶液を調製する。更に機能成分
となる芳香剤としてオレンジエッセンスをカラギーナン
に含ませたものを用いる。そして酸化亜鉛と二酸化チタ
ンと水分子とが緊密に結合した粒子の集合体をアルギン
酸ナトリウム水溶液中に混合した混合液と前記オレンジ
エッセンスをカラギーナンに含ませたものを加熱して液
化したものをそれぞれ多重ノズルの外ノズルと内ノズル
とから塩化カルシウム水溶液中に滴下させる。次に容器
底部に沈降した中間生成物を回収し、この中間生成物を
80℃下に3時間放置して乾燥させて多目的脱臭粒剤を得
る。
また機能成分を防虫剤、誘虫剤、嫌虫剤、脱臭剤とす
る場合には、それぞれパラジクロルベンゼン、昆虫フェ
ロモン、N,N−ジメチル−m−トリアミド、活性炭を用
いて、上記と同様にして多目的脱臭粒剤を製造する。
る場合には、それぞれパラジクロルベンゼン、昆虫フェ
ロモン、N,N−ジメチル−m−トリアミド、活性炭を用
いて、上記と同様にして多目的脱臭粒剤を製造する。
《発明の効果》 本発明たる多目的脱臭粒剤の製造方法によれば、目的
に応じた種々の機能成分を含む多目的脱臭粒剤を容易に
製造することができ、しかも外ノズルと内ノズルの内径
寸法を変えるだけで、脱臭粒剤の大きさを変えたり、被
膜層の厚さを変えて機能成分の発散状態を変えることが
できる。
に応じた種々の機能成分を含む多目的脱臭粒剤を容易に
製造することができ、しかも外ノズルと内ノズルの内径
寸法を変えるだけで、脱臭粒剤の大きさを変えたり、被
膜層の厚さを変えて機能成分の発散状態を変えることが
できる。
また本発明によって製造される多目的脱臭粒剤は、そ
の形態が粒状であるから使用しやすく、またその作用は
脱臭作用のほかに機能成分に応じて防虫、誘虫、嫌虫の
作用をも兼ね具えるから、従来の脱臭剤に比べてより多
目的な用途に使用することができる。
の形態が粒状であるから使用しやすく、またその作用は
脱臭作用のほかに機能成分に応じて防虫、誘虫、嫌虫の
作用をも兼ね具えるから、従来の脱臭剤に比べてより多
目的な用途に使用することができる。
即ち、芳香剤を機能成分として適用した多目的脱臭粒
剤は、トイレ、部屋、車などに適用することができ、こ
れにより悪臭を取り除くとともに、芳香成分の分散によ
り快適な環境を得ることができる。
剤は、トイレ、部屋、車などに適用することができ、こ
れにより悪臭を取り除くとともに、芳香成分の分散によ
り快適な環境を得ることができる。
更にまた防虫剤を機能成分として適用した多目的脱臭
粒剤は、タンスや押し入れの中などに適用することがで
き、衣類や布団の消臭と虫食いを防止することができ
る。
粒剤は、タンスや押し入れの中などに適用することがで
き、衣類や布団の消臭と虫食いを防止することができ
る。
更にまた誘虫剤を機能成分として適用した多目的脱臭
粒剤は、例えばカイコの餌として誘虫剤を応用した人工
飼料の開発が行われているが、この人工飼料に脱臭作用
を持たせてカイコの飼育室の脱臭粒剤としても使用する
ことができる。
粒剤は、例えばカイコの餌として誘虫剤を応用した人工
飼料の開発が行われているが、この人工飼料に脱臭作用
を持たせてカイコの飼育室の脱臭粒剤としても使用する
ことができる。
更にまた嫌虫剤を機能成分として適用した多目的脱臭
粒剤は、例えば食物倉庫内の脱臭と虫避けとを行うこと
ができる。
粒剤は、例えば食物倉庫内の脱臭と虫避けとを行うこと
ができる。
更にまた機能成分を、被膜層に含む脱臭成分と脱臭作
用が異なる脱臭粒剤とすれば、互いに他の脱臭成分が吸
着し難い臭気を吸着するため、各種の悪臭に対して有効
である総合的な脱臭粒剤を得ることができる。
用が異なる脱臭粒剤とすれば、互いに他の脱臭成分が吸
着し難い臭気を吸着するため、各種の悪臭に対して有効
である総合的な脱臭粒剤を得ることができる。
第1図は本発明によって製造される多目的脱臭粒剤の種
々の実施例を示す断面図、第2図は本発明の多目的脱臭
粒剤の製造方法を示す縦断面図である。 1;多目的脱臭粒剤 2;脱臭成分 3、3a、3b;機能成分 4;ゼラチンシート 5;ダイロール 6;成形突起
々の実施例を示す断面図、第2図は本発明の多目的脱臭
粒剤の製造方法を示す縦断面図である。 1;多目的脱臭粒剤 2;脱臭成分 3、3a、3b;機能成分 4;ゼラチンシート 5;ダイロール 6;成形突起
Claims (2)
- 【請求項1】粒単体内に脱臭成分と他の機能成分とを含
む粒剤を製造するにあたり、脱臭微粉末剤を水溶性アル
ギン酸塩水溶液中に混合した混合液と、機能成分の溶液
とを、それぞれ多重ノズルの各ノズルから連続的にまた
は非連続的に流出して、多価金属イオンとなり得る金属
塩水溶液、酸、アルコールのいずれかに分散することに
よって少なくとも表面が不溶化した中間生成物を生成
し、この中間生成物を乾燥して、前記粒単体を得ること
を特徴とする多目的脱臭粒剤の製造方法。 - 【請求項2】粒単体内に脱臭成分と他の機能成分とを含
む粒剤を製造するにあたり、脱臭微粉末剤を多価金属イ
オンとなり得る金属塩水溶液、酸、アルコールのいずれ
かに混合した混合液と、機能成分の溶液とを、それぞれ
多重ノズルの各ノズルから連続的にまたは非連続的に流
出して、水溶性アルギン酸塩水溶液中に分散することに
よって少なくとも表面が不溶化した中間生成物を生成
し、この中間生成物を乾燥して、前記粒単体を得ること
を特徴とする多目的脱臭粒剤の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1343542A JP2939629B2 (ja) | 1989-12-27 | 1989-12-27 | 多目的脱臭粒剤並びにその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1343542A JP2939629B2 (ja) | 1989-12-27 | 1989-12-27 | 多目的脱臭粒剤並びにその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03198859A JPH03198859A (ja) | 1991-08-30 |
JP2939629B2 true JP2939629B2 (ja) | 1999-08-25 |
Family
ID=18362327
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1343542A Expired - Fee Related JP2939629B2 (ja) | 1989-12-27 | 1989-12-27 | 多目的脱臭粒剤並びにその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2939629B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113209782A (zh) * | 2021-06-16 | 2021-08-06 | 上海睿沁环保科技有限公司 | 一种用于吸收空气污染物的颗粒及其使用方法 |
-
1989
- 1989-12-27 JP JP1343542A patent/JP2939629B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03198859A (ja) | 1991-08-30 |
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