JPH06200280A - 複層摺動部材 - Google Patents

複層摺動部材

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JPH06200280A
JPH06200280A JP25948693A JP25948693A JPH06200280A JP H06200280 A JPH06200280 A JP H06200280A JP 25948693 A JP25948693 A JP 25948693A JP 25948693 A JP25948693 A JP 25948693A JP H06200280 A JPH06200280 A JP H06200280A
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隆 中丸
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忠 渡井
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Sumihide Yanase
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Abstract

(57)【要約】 【目的】優れた摩擦特性、特に、優れた耐摩耗特性を発
揮すると共に、高速摺動条件下での使用においても優れ
た耐キャビテーション性を発揮する複層摺動部材を提供
する。 【構成】鋼裏金上に形成された多孔質焼結金属層に潤滑
組成物を含浸被覆して成る複層摺動部材であって、潤滑
組成物が、充填剤として、(1)酸化亜鉛ウイスカ又は
(2)酸化亜鉛ウイスカと繊維状マグネシウムオキシサ
ルフェート及び/又は扇状マグネシウムオキシサルフェ
ートを1〜40重量%含有するポリテトラフルオロエチ
レンから成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複層摺動部材に関し、
詳しくは、摺動面にポリテトラフルオロエチレン(以
下、PTFE樹脂と略称す。)を主成分とする潤滑組成
物を備えた複層摺動部材に関する。本発明の複層摺動部
材は、ショックアブソーバのガイドブッシュや油圧ポン
プの軸受など、油中または油潤滑下で使用される用途に
おいて優れた摺動特性を発揮する。
【0002】
【従来の技術】従来より、PTFE樹脂は自己潤滑性に
優れ、摩擦係数が低く、更には優れた耐薬品性および耐
熱性を具備することから、軸受などの摺動部材として広
く使用されている。しかしながら、PTFE樹脂のみか
ら成る摺動部材は、耐摩耗性や耐クリープ性に劣るた
め、摺動部材の用途に応じて、例えば、次の様な方法で
その欠点を解決している。
【0003】(1)黒鉛、二硫化モリブデン、ガラス繊
維などの充填材をPTFE樹脂に添加する。(2)薄鋼
板上に一体に被着形成された多孔質焼結金属層に溶媒を
使用してPTFE樹脂を含浸させて被覆する。
【0004】上記(2)の態様から成る摺動部材として
は、例えば、特公昭39−16950号公報などに開示
されている摺動部材が挙げられる。すなわち、特公昭3
9−16950号公報には、鋼の裏打材を有することを
可とする多孔質の銅または銅合金の層を有し、少くとも
その露出面においてポリテトラフルオルエチレンが含浸
されたマトリックスを備え、前記ポリテトラフルオルエ
チレンは、鉛または鉛の酸化物またはこれら両者と混合
され、この混合物は、前記マトリックスの容積において
少くとも28%より多く、また、鉛またはこれと鉛酸化
物との量は、容積において少くとも16%である軸受材
料が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来の摺動部材は、摩擦係数が低く、優れた摩擦特性を
示すものの、耐摩耗性は必ずしも満足するものではな
い。また、従来の摺動部材は、油中において、特に、高
速で摺動する条件下での使用において、キャビテーショ
ンが発生して摺動面が損傷し、摩耗が促進されるという
問題がある。本発明は、斯かる実情に鑑みなされたもの
であり、その目的は、優れた摩擦特性、特に、優れた耐
摩耗特性を発揮すると共に、高速摺動条件下での使用に
おいても優れた耐キャビテーション性を発揮する複層摺
動部材を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等の鋭意研究の
結果、ポリテトラフルオロエチレンに特定の酸化亜鉛ウ
イスカを添加して成る潤滑組成物を、鋼裏金上に形成さ
れた多孔質焼結金属層に含浸被覆して成る複層摺動部材
が、高速摺動条件下においてもキャビテーションの影響
を受けることなく、摩耗量の極めて少ない安定した摺動
特性を発揮することが見出された。
【0007】本発明は、上記の知見に基づいて完成され
たものであり、その要旨は、鋼裏金上に形成された多孔
質焼結金属層に潤滑組成物を含浸被覆して成る複層摺動
部材であって、潤滑組成物が、充填剤として、(1)酸
化亜鉛ウイスカ又は(2)酸化亜鉛ウイスカと繊維状マ
グネシウムオキシサルフェート及び/又は扇状マグネシ
ウムオキシサルフェートを1〜40重量%含有するポリ
テトラフルオロエチレンから成ることを特徴とする複層
摺動部材に存する。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
複層摺動部材において、裏金は金属薄板からなり、一般
には、構造用圧延鋼薄板が使用されるが、摺動部材の用
途によっては、他の鋼薄板または鋼以外の金属薄板でも
よく、更には、これらの金属薄板に銅メッキ等を施して
耐蝕性を向上させたものであってもよい。
【0009】裏金上に一体的に形成される多孔質焼結金
属層は、青銅、鉛青銅、リン青銅など摩擦摩耗特性に優
れた銅合金から形成されるが、目的、用途に応じ、銅合
金以外、例えば、アルミニウム合金、鉄などから形成し
てもよい。これら焼結金属粉末の粒形は、球状または粒
状などの不規則形状のものがよい。多孔質焼結金属層の
多孔率は、25%以上、好ましくは28〜35%であ
る。斯かる多孔率を有する焼結金属層は、80メッシュ
の篩を通過するが、350メッシュの篩を通過しない粒
度の金属粉末を焼結することによって得られる。
【0010】本発明の複層摺動部材において、潤滑組成
物の主成分をなすPTFE樹脂としては、主として、フ
ァインパウダー、例えば、三井デュポンフロロケミカル
社製の「テフロン6CJ(商品名)」、ダイキン工業社
製の「ポリフロンF201(商品名)」、旭硝子社製の
「フルオンCD−076」、「フルオンCD−12
6」、「フルオンCD−4(商品名)」が使用される。
【0011】また、上記のファインパウダーにモールデ
ィングパウダー、例えば、三井デュポンフロロケミカル
社製の「テフロン7AJ(商品名)」)を潤滑組成物に
対して20重量%以下の範囲で添加したものも使用でき
る。潤滑組成物中のPTFE樹脂の量は、潤滑組成物量
から充填剤の量を差引いた残りの量であり、好ましくは
40〜99重量%、更に好ましくは65〜85重量%で
ある。
【0012】PTFE樹脂に対し第1の充填材として使
用される酸化亜鉛ウイスカとしては、核部とこの核部か
ら4方向に伸びた針状結晶部とから成るテトラポット状
の三次元形状をなすものが好適であり、針状結晶部の基
部の径が0.7〜14μm、針状結晶部の基部から先端
までの長さが3〜200μmの酸化亜鉛ウイスカが好ま
しく使用される。斯かる酸化亜鉛ウイスカの具体例とし
ては松下アムテック社製の「パナテトラ(商品名)」を
挙げることが出来る。
【0013】本発明において、第1の充填材として、酸
化亜鉛ウイスカと共に使用されるマグネシウムオキシサ
ルフェートは、「MgSO4 ・5MgO・8H2 O」又
は「MgSO4 ・5Mg(OH)2・3H2 O」の化学式
で表わされる塩基性硫酸マグネシウム水和物である。本
発明において、マグネシウムオキシサルフェートとして
は、繊維状のものと、針状結晶を束ねた扇状に結晶を成
長させて成る扇状のものとが使用される。
【0014】上記の各マグネシウムオキシサルフェート
については、例えば、「機能紙研究会誌」(No.2
7,11月(1988)pp.26−31)において、
“繊維状マグネシウム化合物「モスハイジ」(登録商
標)の特性・機能とその用途”の題名で掲載された報文
に記載されている。特に、写真1及び3を参照すること
が出来る。
【0015】上記の各マグネシウムオキシサルフェート
の中では、PTFE樹脂への分散性、潤滑組成物を多孔
質焼結金属層へ含浸被覆する際の成形性などを考慮する
と、扇状マグネシウムオキシサルフェートが推奨され
る。
【0016】マグネシウムオキシサルフェートは、上記
の化学式から判る様に結晶水を含んでいるため、そのま
まPTFE樹脂に配合して潤滑組成物とした場合には、
配合割合の多寡により、潤滑組成物の焼成時において、
結晶水の脱離が起こり、結晶水の脱離によるピンホール
を摺動面に発生させる場合がある。このピンホールの発
生は、摺動特性に悪影響を及ぼすものではないが、潤滑
組成物の焼結層への被着性の低下を来す恐れがあるた
め、PTFE樹脂への配合前に予め、マグネシウムオキ
シサルフェートを300〜500℃の温度で熱処理して
結晶水を脱離させることが好ましい
【0017】本発明において、マグネシウムオキシサル
フェートとしては、長軸径(長さ)が1〜1000μ
m、好ましくは10〜200μm、短軸径(直径)が
0.1〜10μm、好ましくは0.1〜1μm、アスペ
クト比(長軸径/短軸径)が10〜200、好ましくは
10〜100である繊維状マグネシウムオキシサルフェ
ート、および、長さが10〜200μm、好ましくは5
0〜200μmの扇状マグネシウムオキシサルフェート
を使用することが好ましい。斯かる繊維状マグネシウム
オキシサルフェート及び扇状マグネシウムオキシサルフ
ェートの具体例として、宇部興産社製「モスハイジ(商
品名)」を挙げることが出来る。
【0018】本発明において、潤滑組成物は、第1の充
填剤として、(1)酸化亜鉛ウイスカ又は(2)酸化亜
鉛ウイスカと繊維状マグネシウムオキシサルフェート及
び/又は扇状マグネシウムオキシサルフェートを含有す
る。
【0019】酸化亜鉛ウイスカを単独で使用する場合、
1〜40重量%、好ましくは10〜30重量%である。
酸化亜鉛ウイスカを繊維状マグネシウムオキシサルフェ
ート及び/又は扇状マグネシウムオキシサルフェートと
共に使用する場合、潤滑組成物中のその含有量は、1〜
40重量%、好ましくは10〜35重量%である。そし
て、何れの場合も、充填剤の含有量が1重量%未満の場
合は、潤滑組成物に耐磨耗性、耐キャビテーション性、
油膜保持性付与し難く、また 40重量%を超える場合
は、成形性が悪化する。
【0020】また、潤滑組成物中のマグネシウムオキシ
サルフェートの含有量は、20重量%以下、好ましくは
1〜20重量%、より好ましくは10〜15重量%であ
る。含有量が20重量%を超える場合、成形性が悪化す
るので好ましくない。更に、潤滑組成物中の酸化亜鉛ウ
イスカに対するマグネシウムオキシサルフェートの割合
は、酸化亜鉛ウイスカ100重量部に対して100重量
部以下であることが好ましい。
【0021】本発明の潤滑組成物の主成分をなすPTF
E樹脂に対し第一の充填材として使用される酸化亜鉛ウ
イスカとマグネシウムオキシサルフェートは、PTFE
樹脂の耐摩耗性に劣る欠点を補う役割、油中または油潤
滑下での使用において油膜保持性を高めると共に高速摺
動条件において耐キャビテーション性を高める役割およ
び他の充填材の分散性を向上させる作用を有する。
【0022】PTFE樹脂とマグネシウムオキシサルフ
ェートから成る潤滑組成物の耐摩耗性および油膜保持性
を一層高めるため、上記の第1の充填材に加え、更に、
第2の充填材として、酸化マグネシウム、水酸化マグネ
シウム、炭酸マグネシウム、珪酸マグネシウム、酸化亜
鉛、炭酸亜鉛、硫化亜鉛、フッ化カルシウム、フッ化ナ
トリウム、フッ素雲母および硫酸バリウムのうちの少な
くとも1種を添加するのが好ましい。これらの中では、
酸化マグネシウム、珪酸マグネシウム、水酸化マグネシ
ウム、フッ素雲母または酸化亜鉛が、潤滑組成物の油膜
保持性をより一層高めることが出来るため特に好まし
い。
【0023】第2の充填材は、油を吸着する性質を有
し、特に、油中または油潤滑下での使用において、摺動
面に油を吸着することにより、摺動面での油膜の形成能
を高め且つ摺動面での油膜保持性を高める作用を有す
る。従って、第2の充填材の配合により、油潤滑下にお
いて、摺動面に常に安定した潤滑油膜が形成され、優れ
た摺動特性が発揮される。
【0024】第2の充填材の平均粒径は、通常20μm
以下、好ましくは1〜10μmとされる。第2の充填材
の作用効果は、1重量%の配合で現れ始め、20重量%
の配合まで維持される。しかし、20重量%を超えて配
合した場合、油膜形成能および油膜保持性は維持される
ものの、成形性に悪影響を及ぼす結果となる。従って、
第2の充填材の配合割合は、通常20重量%以下、好ま
しくは1〜15重量%、より好ましくは5〜10重量%
とされるが、第2の充填材の配合割合は、第1の充填材
である酸化亜鉛ウイスカ及びマグネシウムオキシサルフ
ェートの配合割合との兼ね合いで決定する必要がある。
【0025】すなわち、第1の充填材と第2の充填材と
の含有量の合計が40重量%を超える場合は、潤滑組成
物の展延性、多孔質焼結金属層への含浸被着性などの成
形性に悪影響を及ぼす傾向があるため、第1の充填材と
第2の充填材の含有量の合計は、通常40重量%以下、
好ましくは10〜35重量%とされる。
【0026】本発明においては、PTFE樹脂および第
1の充填材から成る潤滑組成物、または、PTFE樹
脂、第1の充填材および第2の充填材から成る潤滑組成
物に対し、耐摩耗性や耐キャビテーション性を向上させ
るため、更に、PTFE樹脂以外のフッ素樹脂を配合す
ることが出来る。
【0027】上記のフッ素樹脂としては、テトラフルオ
ロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重
合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフル
オロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエ
チレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロト
リフルオロエチレン(PCTFE)、クロロトリフルオ
ロエチレン−エチレン共重合体(ECTFE)、ポリビ
ニリデンフルオライド(PVDF)及びポリビニルフル
オライド(PVF)等が挙げられる。
【0028】潤滑組成物中のフッ素樹脂の配合割合は、
通常30重量%以下、好ましくは0.1〜20重量%と
される。フッ素樹脂の配合割合が30重量%を超える場
合は、却って摺動特性、特に、摩擦係数が上昇する傾向
があり、摺動安定性を低下させることがあるので好まし
くない。
【0029】また、本発明においては、PTFE樹脂お
よび第1の充填材から成る潤滑組成物、PTFE樹脂、
第1の充填材および第2の充填材から成る潤滑組成物ま
たはこれらの各潤滑組成物にフッ素樹脂を配合して成る
潤滑組成物に対し、摺動安定性、耐摩耗性を向上させる
ため、更に、金属充填材として、鉛、亜鉛、錫、銅およ
びそれらの合金のうち少なくとも1種を配合することが
出来る。金属充填材は、平均粒径10〜80μmの粉末
として使用され、その配合割合は、30重量%以下、好
ましくは0.1〜20重量%とされる。
【0030】本発明においては、上記の潤滑組成物に対
し、PTFE樹脂の耐摩耗性を向上させるため、充填材
として一般に使用されている他の充填材、例えば、グラ
ファイト、二硫モリブデン、窒化ホウ素などの固体潤滑
剤を10重量%以下の割合で配合してもよく、また、補
強を目的として一般に使用されている他の充填材、例え
ば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維などの繊維補
強材を10重量%以下の割合で配合してもよい。
【0031】次に、本発明の複層摺動部材の製造方法に
ついて説明する。初めに、潤滑組成物の調製法について
説明する。潤滑組成物は、PTFE樹脂粉末と前述の必
要な各充填材とを粉砕しながら混合した後、得られた混
合物に石油系溶剤を加えて撹拌混合する方法により、湿
潤潤滑組成物として得ることが出来る。PTFE樹脂粉
末と充填材との粉砕混合は、PTFE樹脂の室温転移点
(19℃)以下、好ましくは10〜18℃の温度で行わ
れ、また、得られた混合物と石油系溶剤との撹拌混合も
上記と同様の温度で行われる。斯かる温度条件の採用に
より、PTFE樹脂の繊維化が妨げられ、均一な混合物
を得ることが出来る。
【0032】石油系溶剤としては、ナフサ、トルエン、
キシレンの他、脂肪族系溶剤または脂肪族系溶剤とナフ
テン系溶剤との混合溶剤が使用される。石油系溶剤の使
用割合は、PTFE樹脂粉末と充填材との混合物100
重量部に対し15〜30重量部とされる。石油系溶剤の
使用割合が15重量部未満の場合は、後述する多孔質焼
結金属層への含浸被覆行程において、湿潤潤滑組成物の
展延性が悪く、その結果、焼結層への含浸被覆にムラを
生じ易くなる。一方、石油系溶剤の使用割合が30重量
部を超える場合は、含浸被覆作業が困難となるばかりで
なく、潤滑組成物の被覆厚さの均一性が損なわれたり、
潤滑組成物と焼結層との密着強度が悪くなる。
【0033】次に、複層摺動部材の製造方法について説
明する。本発明の複層摺動部材は、以下の(a)〜
(d)工程を経て製造される。
【0034】(a)裏金上に形成された多孔質焼結金属
層上に湿潤潤滑組成物を散布し、ローラで圧延して焼結
層に湿潤潤滑組成物を含浸させると共に該焼結層の表面
に一様な湿潤潤滑組成物の被覆層を形成する。この工程
において、湿潤潤滑組成物が最終製品に必要とされる被
覆厚さの2〜2.5倍の厚さに被覆される。多孔質焼結
金属層の空隙中への湿潤潤滑組成物の充填はこの工程で
その大部分が進行する。
【0035】(b)(a)工程で処理された裏金を20
0〜250℃の温度に加熱された乾燥炉内に数分間保持
することにより、石油系溶剤を飛散除去し、その後、乾
燥した潤滑組成物層をローラによって所定の厚さになる
様に300〜600kg/cm2 の加圧下で加圧ローラ
処理する。
【0036】(c)(b)工程で処理された裏金を加熱
炉に導入して360〜380℃の温度で数分ないし10
数分間加熱して焼成を行なった後、炉から取り出し、再
びローラ処理によって寸法のバラツキを調整する。
【0037】(d)(c)工程で寸法調整調整された裏
金を冷却し、その後、必要に応じて裏金のうねりなどを
矯正するための矯正ローラ処理を行い、所望の複層摺動
部材とする
【0038】本発明の複層摺動部材において、多孔質焼
結金属層の厚さは0.1〜0.35mm、潤滑組成物か
ら形成された摺動面層の厚さは0.02〜0.15mm
とされる。上記の様にして得られた複層摺動部材は、適
宜の大きさに切断されて平板状態ですべり板として使用
され、また、丸曲げされて円筒状の巻きブッシュとして
使用される。
【0039】本発明の複層摺動部材は、滑り速度5m/
min、荷重125kgf/cm2、試験時間8時間の
往復動摺動試験において、摩擦係数が0.005〜0.
050、好ましくは0.005〜0.040、摩耗量が
40μm以下、好ましくは30μm以下、より好ましく
は20μm以下であり、優れた摺動特性を示す。
【0040】また、本発明の複層摺動部材は、滑り速度
40m/min、荷重60kgf/cm2 、試験時間8
時間の往復動摺動試験において、摩擦係数が0.005
〜0.050、好ましくは0.005〜0.040、摩
耗量が60μm以下、好ましくは50μm以下、より好
ましくは40μm以下で優れた摺動特性を示し、且つ、
軸受け表面の剥離がない優れた耐キャビテーション性を
示す。。
【0041】また、本発明の複層摺動部材は、滑り速度
8.05m/min、荷重363.6kgf/cm2
高温(100℃)油(ATF−DII出光石油)中、試験
時間5時間のラジアル・ジャーナル試験において、摩擦
係数が0.005〜0.020、好ましくは0.005
〜0.015、摩耗量が30μm以下、好ましくは20
μm以下、より好ましくは15μm以下であり、高荷重
下でも優れた摺動特性を示す。
【0042】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。なお、以下の例におい
て、摺動特性は次の(1)〜(3)の試験方法により、
耐キャビテーション性は次の(4)試験方法により評価
した
【0043】(1)往復動摺動試験(A):表1に記載
の条件下で摩擦係数および摩耗量を測定した。そして、
摩擦係数については試験を開始してから1時間経過以降
試験終了までの摩擦係数の変動値を示し、また摩耗量に
ついては試験時間8時間後の摺動面の寸法変化量で示し
た。
【0044】
【表1】 滑り速度 5m/min 荷重 125kgf/cm2 試験時間 8時間 潤滑 ATF−DII(出光石油社製)油を塗布 相手材 クロムメッキ被覆機械構造用炭素鋼(S4
5C)
【0045】(2)往復動摺動試験(B):表2に記載
の条件下で摩耗量を測定した。そして、摩耗量を試験時
間8時間後の摺動面の寸法変化量で示した。
【0046】
【表2】 滑り速度 40m/min 荷重 60kgf/cm2 試験時間 8時間 潤滑 ATF−DII(出光石油社製)油を塗布 相手材 クロムメッキ被覆機械構造用炭素鋼(S4
5C)
【0047】(3)高温油中ラジアル・ジャーナル試
験:表3に記載の条件下で摩擦係数および摩耗量を測定
した。そして、摩擦係数については試験を開始してから
1時間経過以降試験終了までの摩擦係数の変動値を示
し、また、摩耗量については試験時間5時間後の摺動面
の寸法変化量で示した。
【0048】
【表3】 滑り速度 8.05m/min 荷重 363.6kgf/cm2 試験時間 5時間 潤滑 高温(100℃)のATF−DII(出光石
油社製)油中 相手材 クロムモリブデン鋼(SCM415H)
【0049】(4)耐キャビテーション性:上述の往復
動試験(B)において試験時間8時間経過後の試験片表
面の剥離状態を目視にて観察した。評価方法は表4に示
す通りである。評価が○であることが望ましい。
【0050】
【表4】
【0051】実施例1〜45及び比較例1〜4 以下の諸例においては、PTFE樹脂として、平均粒径
80μm以下の「テフロン6CJ」(三井デュポンフロ
ロケミカル社製)、石油系溶剤として、脂肪族溶剤とナ
フテン系溶剤との混合溶剤(エクソン化学社製の商品
「エクソール」)を使用した。
【0052】先ず、PTFE樹脂と表5〜14に示され
る充填剤とをヘンシェルミキサー内に供給して粉砕混合
し、得られた混合粉末100重量部に対して石油系溶剤
20重量部を配合し、当該PTFE樹脂の室温転移点以
下の温度(15℃)で混合し、湿潤潤滑滑組成物を得た
【0053】得られた湿潤潤滑組成物を金属薄板から成
る鋼裏金(厚さ:0.70mm)上に形成された多孔質
焼結金属層(厚さ:0.25mm)上に供給し、湿潤潤
滑組成物層の厚さが0.25mmとなる様にローラで圧
延して複層板を得た。得られた複層板を200℃の温度
に加温した熱風乾燥炉中に5分間保持して溶剤を飛散除
去した後、乾燥した潤滑組成物層をローラによって加圧
力400kg/cm2にて処理し、潤滑組成物層の厚さ
を0.10mmとした。
【0054】次に、加圧処理した複層板を加熱炉で37
0℃、10分間加熱焼成した後、再びローラで加圧処理
して、寸法調整およびうねり等の矯正を行なった。矯正
の終了した複層板を切断し、曲げ加工を施し、半径1
0.0mm、長さ20.0mm、厚さ1.05mmの半
円筒状の摺動部材試験片を得た。各摺動部材の往復動試
験(A)の結果を表5〜14に示す。なお、表5〜14
中、「ZnO」は酸化亜鉛ウイスカ、「MGO」はマグ
ネシウムオキシサルフェート、「繊維」は、繊維状マグ
ネシウムオキシサルフェート、「扇状」は扇状マグネシ
ウムオキシサルフェート、「Fーmica」は、フッ素
雲母を示す。
【0055】
【表5】 ──────────────────────────────────── 実 施 例 1 2 3 4 5 PFTE( 重量%) 95 90 85 80 75 ZnO(重量%) 5 10 15 20 25 MGO(種類) − − − − − MGO(重量%) − − − − − 第2 充填材 (種類) − − − − − 第2 充填材 (重量%) − − − − − フッ素樹脂 (種類) − − − − − フッ素樹脂 (重量%) − − − − − 金属充填材 (種類) − − − − − 金属充填材 (重量%) − − − − − 摩擦係数( ×10-3) 12〜30 15〜31 15〜30 15〜30 14〜33 摩耗量 (μm) 32 24 20 16 15 ────────────────────────────────────
【0056】
【表6】 ──────────────────────────────────── 実 施 例 6 7 8 9 10 PFTE( 重量%) 70 65 60 85 75 ZnO(重量%) 30 35 40 10 20 MGO(種類) − − − 扇状 扇状 MGO(重量%) − − − 5 5 第2 充填材 (種類) − − − − − 第2 充填材 (重量%) − − − − − フッ素樹脂 (種類) − − − − − フッ素樹脂 (重量%) − − − − − 金属充填材 (種類) − − − − − 金属充填材 (重量%) − − − − − 摩擦係数( ×10-3) 15〜32 15〜34 16〜35 8〜20 10〜20 摩耗量 (μm) 12 10 15 15 12 ────────────────────────────────────
【0057】
【表7】 ──────────────────────────────────── 実 施 例 11 12 13 14 15 PFTE( 重量%) 65 80 70 60 85 ZnO(重量%) 30 10 15 20 10 MGO(種類) 扇状 扇状 扇状 扇状 − MGO(重量%) 5 10 15 20 − 第2 充填材 (種類) − − − − MgO 第2 充填材 (重量%) − − − − 5 フッ素樹脂 (種類) − − − − − フッ素樹脂 (重量%) − − − − − 金属充填材 (種類) − − − − − 金属充填材 (重量%) − − − − − 摩擦係数( ×10-3) 10〜28 8〜20 10〜25 14〜30 6〜18 摩耗量 (μm) 19 14 10 23 16 ────────────────────────────────────
【0058】
【表8】 ──────────────────────────────────── 実 施 例 16 17 18 19 20 PFTE( 重量%) 85 85 85 85 85 ZnO(重量%) 10 10 10 10 10 MGO(種類) − − − − − MGO(重量%) − − − − − 第2 充填材 (種類) Mg(OH)2 MgSiO3 ZnO CaF2 BaSO4 第2 充填材 (重量%) 5 5 5 5 5 フッ素樹脂 (種類) − − − − − フッ素樹脂 (重量%) − − − − − 金属充填材 (種類) − − − − − 金属充填材 (重量%) − − − − − 摩擦係数( ×10-3) 10〜25 12〜30 10〜20 12〜24 12〜30 摩耗量 (μm) 20 14 18 18 20 ────────────────────────────────────
【0059】
【表9】 ──────────────────────────────────── 実 施 例 21 22 23 24 25 PFTE( 重量%) 85 75 70 65 60 ZnO(重量%) 10 20 20 20 20 MGO(種類) − − − − − MGO(重量%) − − − − − 第2 充填材 (種類) F ー mica MgO MgO MgO MgO 第2 充填材 (重量%) 5 5 10 15 20 フッ素樹脂 (種類) − − − − − フッ素樹脂 (重量%) − − − − − 金属充填材 (種類) − − − − − 金属充填材 (重量%) − − − − − 摩擦係数( ×10-3) 8〜18 5〜20 4〜18 5〜18 8〜20 摩耗量 (μm) 19 15 12 18 28 ────────────────────────────────────
【0060】
【表10】 ──────────────────────────────────── 実 施 例 26 27 28 29 30 PFTE( 重量%) 80 70 65 60 75 ZnO(重量%) 10 15 15 20 10 MGO(種類) 扇状 扇状 扇状 扇状 − MGO(重量%) 5 5 10 5 − 第2 充填材 (種類) MgO MgO MgO MgO MgO 第2 充填材 (重量%) 5 10 10 15 5 フッ素樹脂 (種類) − − − − FEP フッ素樹脂 (重量%) − − − − 10 金属充填材 (種類) − − − − − 金属充填材 (重量%) − − − − − 摩擦係数( ×10-3) 5〜20 5〜20 6〜21 8〜20 8〜15 摩耗量 (μm) 12 11 15 20 7 ────────────────────────────────────
【0061】
【表11】 ──────────────────────────────────── 実 施 例 31 32 33 34 35 PFTE( 重量%) 65 55 65 65 70 ZnO(重量%) 10 10 10 15 10 MGO(種類) − − − − 扇状 MGO(重量%) − − − − 5 第2 充填材 (種類) MgO MgO MgO − MgO 第2 充填材 (重量%) 5 5 5 − 5 フッ素樹脂 (種類) FEP FEP PFA FEP FEP フッ素樹脂 (重量%) 20 30 20 20 10 金属充填材 (種類) − − − − − 金属充填材 (重量%) − − − − − 摩擦係数( ×10-3) 10〜18 10〜22 8〜20 5〜20 8〜18 摩耗量 (μm) 10 15 12 15 10 ────────────────────────────────────
【0062】
【表12】 ──────────────────────────────────── 実 施 例 36 37 38 39 40 PFTE( 重量%) 75 55 60 60 65 ZnO(重量%) 10 10 10 10 10 MGO(種類) 扇状 − − − − MGO(重量%) 5 − − − − 第2 充填材 (種類) − MgO − − MgO 第2 充填材 (重量%) − 5 − − 5 フッ素樹脂 (種類) FEP FEP FEP − − フッ素樹脂 (重量%) 10 10 10 − − 金属充填材 (種類) − Pb Pb Pb Pb 金属充填材 (重量%) − 20 20 30 20 摩擦係数( ×10-3) 6〜20 8〜24 10〜28 10〜30 10〜22 摩耗量 (μm) 14 15 20 28 13 ────────────────────────────────────
【0063】
【表13】 ──────────────────────────────────── 実 施 例 41 42 43 44 45 PFTE( 重量%) 60 65 65 70 65 ZnO(重量%) 10 10 10 10 10 MGO(種類) 扇状 扇状 扇状 扇状 扇状 MGO(重量%) 5 5 10 5 5 第2 充填材(種類) MgO − − − MgO 第2 充填材 (重量%) 5 − − − 5 フッ素樹脂 (種類) FEP FEP − − − フッ素樹脂 (重量%) 10 10 − − − 金属充填材 (種類) Cu Cu−Sn Pb−Sn Zn Sn 金属充填材 (重量%) 10 10 15 15 15 摩擦係数( ×10-3) 15〜33 12〜30 10〜28 8〜25 12〜32 摩耗量 (μm) 25 20 22 18 30 ────────────────────────────────────
【0064】
【表14】 ──────────────────────────────────── 比 較 例 1 2 3 4 PFTE( 重量%) 70 80 70 50 MGO(種類) − − − − MGO(重量%) − − − − 第2 充填材 (種類) − ZnO − MgO 第2 充填材 (重量%) − 20 − 20 フッ素樹脂 (種類) PFA − − − フッ素樹脂 (重量%) 30 − − − 金属充填材 (種類) − − Pb Pb 金属充填材 (重量%) − − 30 30 摩擦係数( ×10-3) 10〜40 8〜25 10〜48 5〜30 摩耗量 (μm) 110 66 138 82 ────────────────────────────────────
【0065】上述のテスト結果から、本発明の実施例の
摺動部材試験片は、低い摩擦係数で安定した性能を有
し、且つ、摩耗量の極めて少ない優れた摺動特性を有し
ているものであった。一方、比較例の摺動部材は、摩擦
係数があまり安定せず、また、摩耗量も多く、摺動特性
の劣ったものであった。
【0066】実施例4、6、9、15、18、30、3
4及び40と比較例1の摺動部材試験片の往復動試験
(B)及び耐キャビテーション性テストの結果を表15
〜17に示す。
【0067】
【表15】 ──────────────────────────────────── 試 験 片 実施例4 実施例6 実施例9 摩擦係数(×10-3) 12〜20 10〜17 8〜20 摩耗量(μm) 40 32 38 表面状態 ○ ○ ○ ────────────────────────────────────
【0068】
【表16】 ──────────────────────────────────── 試 験 片 実施例15 実施例18 実施例30 摩擦係数(×10-3) 6 〜15 10〜18 8〜16 摩耗量(μm) 27 36 21 表面状態 ○ ○ ○ ────────────────────────────────────
【0069】
【表17】 ──────────────────────────────────── 試 験 片 実施例34 実施例40 比較例1 摩擦係数(×10-3) 10〜21 10〜25 10〜30 摩耗量(μm) 28 45 125 表面状態 ○ ○ × ────────────────────────────────────
【0070】上述のテスト結果から、本発明の摺動部材
試験片は、高速摺動条件下においても剥離が起らず、耐
キャビテーション性が高く且つ摩耗量の極めて少ない安
定した摺動特性を有していた。
【0071】実施例1、4、6、9、10、15、1
8、26、30、31、34、35、38、40及び4
4と比較例3の摺動部材試験片の高温油中ラジアル・ジ
ャーナル試験の結果を表18〜21に示す。
【0072】
【表18】 ──────────────────────────────────── 試 験 片 実施例1 実施例4 実施例6 実施例9 摩擦係数(×10-3) 10〜20 7〜16 6〜15 8〜18 摩耗量(μm) 18 12 8 10 ────────────────────────────────────
【0073】
【表19】 ──────────────────────────────────── 試 験 片 実施例10 実施例15 実施例18 実施例26 摩擦係数(×10-3) 6〜14 8〜15 8〜16 6〜15 摩耗量(μm) 10 20 14 25 ────────────────────────────────────
【0074】
【表20】 ──────────────────────────────────── 試 験 片 実施例30 実施例31 実施例34 実施例35 摩擦係数(×10-3) 8〜14 9〜15 8〜15 6〜10 摩耗量(μm) 8 6 10 7 ────────────────────────────────────
【0075】
【表21】 ──────────────────────────────────── 試 験 片 実施例38 実施例40 実施例44 比較例3 摩擦係数(×10-3) 9〜16 8〜15 10〜20 10〜32 摩耗量(μm) 26 24 28 110 ────────────────────────────────────
【0076】上述の試験結果から、本発明の摺動部材試
験片は、試験時間を通して低い摩擦係数で安定した性能
を示し、試験後の摺動部材の摩耗量も極めて少ないもの
であった。
【0077】
【発明の効果】上述の実施例から明らかな様に、本発明
の複層摺動部材は、PTFE樹脂に特定の酸化亜鉛ウイ
スカ又は酸化亜鉛ウイスカとマグネシウムオキシサルフ
ェートを添加した潤滑組成物を鋼裏金上に形成された多
孔質焼結金属層に含浸被覆したことにより、油潤滑下、
特に、高温油中において、低く安定した摩擦係数を示す
と共に、極めて少ない摩耗量と高速摺動下においても優
れた耐キャビテーション性を発揮する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 125:18 125:10 125:26 125:22 147:00) C10N 10:02 10:04 20:06 B 8217−4H Z 8217−4H 30:06 40:02 50:08 (72)発明者 柳瀬 澄英 神奈川県藤沢市桐原町8番地 オイレス工 業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼裏金上に形成された多孔質焼結金属層
    に潤滑組成物を含浸被覆して成る複層摺動部材であっ
    て、潤滑組成物が、充填剤として、(1)酸化亜鉛ウイ
    スカ又は(2)酸化亜鉛ウイスカと繊維状マグネシウム
    オキシサルフェート及び/又は扇状マグネシウムオキシ
    サルフェートを1〜40重量%含有するポリテトラフル
    オロエチレンから成ることを特徴とする複層摺動部材。
  2. 【請求項2】 潤滑組成物が、第1の充填剤として、
    (1)酸化亜鉛ウイスカ又は(2)酸化亜鉛ウイスカと
    繊維状マグネシウムオキシサルフェート及び/又は扇状
    マグネシウムオキシサルフェートを、第2の充填剤とし
    て、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグ
    ネシウム、珪酸マグネシウム、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、硫
    化亜鉛、フッ化カルシウム、フッ化ナトリウム、フッ素
    雲母および硫酸バリウムの群から選択された少なくとも
    1種を含有するポリテトラフルオロエチレンから成り、
    第1の充填剤の含有量が1〜40重量%、第2の充填剤
    の含有量が1〜20重量%であり、両者の合計量が40
    重量%以下である請求項1に記載の複層摺動部材。
  3. 【請求項3】 潤滑組成物が、ポリテトラフルオロエチ
    レン以外のフッ素樹脂を30重量%以下含有する請求項
    1又は2に記載の複層摺動部材。
  4. 【請求項4】 潤滑組成物が、金属充填剤として、鉛、
    亜鉛、スズ、銅およびそれらの合金から成る群から選択
    された少なくとも1種を30重量%以下含有する請求項
    1乃至3の何れかに記載の複層摺動部材。
  5. 【請求項5】 潤滑組成物が、繊維状マグネシウムオキ
    シサルフェート及び/又は扇状マグネシウムオキシサル
    フェートを20重量%以下含有する請求項1又は2に記
    載の複層摺動部材。
  6. 【請求項6】 第2の充填剤の平均粒径が20μm以下
    である請求項2に記載の複層摺動部材。
  7. 【請求項7】 金属充填剤の平均粒径が10〜80μm
    である請求項4に記載の複層摺動部材。
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