JPH06192406A - 均質性の改良された液晶性ポリエステル - Google Patents

均質性の改良された液晶性ポリエステル

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JPH06192406A
JPH06192406A JP34462792A JP34462792A JPH06192406A JP H06192406 A JPH06192406 A JP H06192406A JP 34462792 A JP34462792 A JP 34462792A JP 34462792 A JP34462792 A JP 34462792A JP H06192406 A JPH06192406 A JP H06192406A
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俊夫 榑松
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文男 秋山
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記構造単位(I) 、(II)、(III) 、(IV)から
なり、融点(Tm,℃)が(1)式を満足し、示差熱量
測定より求められる融点幅が30℃以下である対数粘度
が1.0〜3.0dl/gであることを特徴とする均質
性の改良された液晶性ポリエステル。 【化1】 −10<Tm−0.0769x2 +8.20x−40
1.5<10 …(1) (ただし(1)式中のxは構造単位(III) の[(I) +(I
I)+(III) ]に対する割合(モル%)を示す)。 【効果】 本発明によれば、溶融重合のみで得られ、優
れた溶融流動性、光学異方性を有し、通常の成形方法に
より優れた機械的性質を有する成形品を与るのみなら
ず、優れた溶融紡糸性を有する均質性の改良された液晶
性ポリエステルを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融重合のみで得ら
れ、優れた溶融流動性、光学異方性を有し、通常の成形
方法により優れた機械的性質を有する成形品を与るのみ
ならず、優れた溶融紡糸性を有する均質性の改良された
液晶性ポリエステルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年プラスチックの高性能化に対する要
求がますます高まり、種々の新規機能性を有するポリマ
が数多く開発されており、なかでも光学異方性の液晶ポ
リマが優れた機械的性質を有する点で注目されている
(特開昭51−8395号公報、特開昭49−7239
3号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記液晶ポリマとして
は例えばp−ヒドロキシ安息香酸にポリエチレンテレフ
タレートを共重合した液晶ポリマが知られている(特開
昭49−72393号公報)。しかしながらこのポリマ
は機械物性が不良であるという欠点を有し、このポリマ
からは満足する射出成形品が得られないことがわかっ
た。このようなポリマの流動性を向上させて、溶融成形
性を改良し、さらに機械的性質を向上させる手段として
は、例えば特開昭63−30523号公報、特開平4−
136027号公報に記載されているように、ポリエチ
レンテレフタレートにp−ヒドロキシ安息香酸と芳香族
ジカルボン酸および芳香族ジオールを共重合する方法が
提案されており、この方法で得られる射出成形品の機械
的性質及び溶融成形性が前記ポリマより大幅に向上して
いることがわかった。しかしながら、この液晶性ポリエ
ステルは溶融紡糸性の点からは必ずしも十分でないこと
がわかった。
【0004】よって、本発明は上記の問題を解決し、優
れた溶融流動性、光学異方性を有し、通常の成形方法に
より優れた機械物性を有する成形品を与えるのみなら
ず、優れた溶融紡糸性を有する均質性の改良された液晶
性ポリエステルを得ることを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、下
記構造単位(I) 、(II)、(III) 、(IV)からなり、融点
(Tm,℃)が(1)式を満足し、示差熱量測定より求
められる融点幅が30℃以下である対数粘度が1.0〜
3.0dl/gであることを特徴とする均質性の改良さ
れた液晶性ポリエステルを提供するものである。
【0006】
【化4】 (ただし、式中R1
【化5】 から選ばれた一種以上の基を示し、R2
【化6】 から選ばれた一種以上の基を示す。また式中Xは水素原
子または塩素原子を示し、構造単位[(II)+(III) ]と
構造単位(IV)は実質的に等モルである)。
【0007】 −10<Tm−0.0769x2 +8.20x−401.5<10 …(1) (ただし(1)式中のxは構造単位(III) の[(I) +(I
I)+(III) ]に対する割合(モル%)を示す)。
【0008】上記構造単位(I) はp−ヒドロキシ安息香
酸から生成したポリエステルの構造単位であり、構造単
位(II)は4,4´−ジヒドロキシビフェニル、3,3
´,5,5´−テトラメチル−4,4´−ジヒドロキシ
ビフェニル、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノ
ン、フェニルハイドロキノン、2,6−ジヒドロキシナ
フタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび4,4
´−ジヒドロキシジフェニルエーテルから選ばれた芳香
族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位を、構造単
位(III) はエチレングリコールから生成した構造単位
を、構造単位(IV)はテレフタル酸、イソフタル酸、4,
4´−ジフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,
4´−ジカルボン酸、1,2−ビス(2−クロルフェノ
キシ)エタン−4,4´−ジカルボン酸および4,4’
−ジフェニルエーテルジカルボン酸から選ばれた芳香族
ジカルボン酸から生成した構造単位を各々示す。これら
のうちR1
【化7】 であり、R2
【化8】 であるものが特に好ましい。
【0009】上記構造単位(I) 、(II)、(III) および(I
V)の共重合量は任意である。しかし、流動性の点から次
の共重合量であることが好ましい。
【0010】上記構造単位[(I) +(II)]は[(I) +(I
I)+(III) ]の60〜95モル%が好ましく、60〜8
0モル%がより好ましい。また、構造単位(III) は
[(I) +(II)+(III) ]の40〜5モル%が好ましく、
40〜20モル%がより好ましい。また、構造単位(I)
/(II)は75/25〜95/5が好ましく、78/22
〜93/7がより好ましい。また、構造単位(IV)は構造
単位[(II)+(III) ]と実質的に等モルである。
【0011】上記構造単位(I) 〜(IV)を構成する成分以
外に3,3´−ジフェニルジカルボン酸、2,2´−ジ
フェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジ
ピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸
などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸
などの脂環式ジカルボン酸、クロルハイドロキノン、メ
チルハイドロキノン、4,4´−ジヒドロキシジフェニ
ルスルホン、4,4´−ジヒドロキシジフェニルスルフ
ィド、4,4´−ジヒドロキシベンゾフェノン等の芳香
族ジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロ
ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル等の脂肪族、脂環式ジオールおよびm−ヒドロキシ安
息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒ
ドロキシカルボン酸およびp−アミノフェノール、p−
アミノ安息香酸などを本発明の目的を損なわない程度の
少割合の範囲でさらに共重合せしめることができる。
【0012】本発明の液晶性ポリエステルの製造方法
は、特に制限がなく、公知のポリエステルの重縮合法に
準じて製造できる。
【0013】例えば、次の製造方法が好ましく挙げられ
る。
【0014】(1)p−アセトキシ安息香酸、および
4,4´−ジアセトキシビフェニル、ジアセトキシベン
ゼンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物のジアシル化物と
テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸およびポリエチ
レンテレフタレ―トなどのポリエステルのポリマ、オリ
ゴマまたはビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレー
トなど芳香族ジカルボン酸のビス(β−ヒドロキシエチ
ル)エステルから脱酢酸重縮合反応によって製造する方
法。
【0015】(2)p−ヒドロキシ安息香酸、および
4,4´−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンな
どの芳香族ジヒドロキシ化合物、無水酢酸、テレフタル
酸などの芳香族ジカルボン酸、ポリエチレンテレフタレ
―トなどのポリエステルのポリマ、オリゴマまたはビス
(β−ヒドロキシエチル)テレフタレートなど芳香族ジ
カルボン酸のビス(β−ヒドロキシエチル)エステルと
を脱酢酸重縮合反応によって製造する方法。
【0016】(3)(1)または(2)の製造方法にお
いて出発原料の一部に特開平3−59024号公報の
1,2ビス(4−ヒドロキシベンゾイル)エタンを用い
る方法。
【0017】本発明の液晶性ポリエステルの融点(T
m,℃)は下記(1)式を満足することが必要である。
【0018】 −10<Tm−0.0769x2 +8.20x−401.5<10 …(1) ここで(1)式中のxは構造単位(III) の[(I) +(II)
+(III) ]に対する割合(モル%)を示す。
【0019】構造単位(I) 〜(IV)の組成比が上記の条件
を満足する場合であっても、ポリマの組成分布、均質性
の違いにより上記(1)式の融点をはずれる場合には流
動性、成形品の機械特性が不良になったり、溶融時の発
泡が多くなり溶融紡糸性が不良となるため好ましくな
い。
【0020】また本発明の液晶性ポリエステルは融点幅
が30℃以下または/および複素粘性率の温度依存性曲
線から求められる流動開始温度と融解終了温度の温度差
が25℃以下であることが好ましい。融点幅が30℃よ
り大きかったりまたは/および流動開始温度と融解終了
温度の温度差が25℃を越える時にはポリマの均質性が
十分とは言えず好ましくない。
【0021】ここで、融点(Tm)とは示差熱量測定に
おいて、重合を完了したポリマを室温から40℃/分の
昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(T
1)の観測後、Tm1 +20℃の温度で5分間保持し
た後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した
後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測され
る吸熱ピーク温度(Tm2 )のピークを指す。また、融
点幅とは吸熱ピーク(Tm2 )前後においてそれぞれ最
も傾きの絶対値が大きい点からの接線とベースラインと
の交点の温度差のことを指す。
【0022】また、ポリマの均質性の観点からTm1
Tm2 の間には|Tm1 −Tm2 |≦10℃の関係があ
るのが好ましく、|Tm1 −Tm2 |≦6℃がより好ま
しい。
【0023】ここでいう流動開始温度と融解終了温度の
温度差とは以下の方法により求められたものである。回
転粘度計の平板−平板(または平板−円錐)間に試料を
のせ、融点以上に加熱して試料を設置する。試料の結晶
化温度以下に冷却し、2℃/分の速度で昇温し、複素粘
性率を測定する。得られた複素粘性率の温度依存性曲線
において、溶融粘度が急激に低下し始める温度を流動開
始温度、溶融粘度の低下が終わる温度を融解終了温度と
し、両者の温度差を求めた。実際には固体状態および溶
融状態での複素粘性率に対して接線を引き、さらに転移
状態についても接線を引き、これらの接線の交点から各
々の温度を決定した。なお、複素粘性率は試料に微小の
正弦的歪を与える動的粘弾性測定から求めた複素剛性率
をiωで割ることにより複素剛性率を求めることができ
る(ただし、i2 =−1)。
【0024】本発明の目的を達成するには、脱酢酸重縮
合反応で、第1の容器内(以下反応缶と呼ぶ)でアセチ
ル化を主体とした反応を行い、この反応物を移液口を通
して第2の容器内(以下重合缶と呼ぶ)に移し、重合缶
内で重合を行う場合、反応缶から留出する留出液量が理
論留出液量の80%以上留出してから、重合缶へ反応物
を移すことが好ましい。また、最終重合温度で減圧する
際に100〜600Torrの間で、好ましくは200
〜500Torrの間で15分以上その減圧度を保持す
ることが好ましい。さらに、溶融ポリマを吐出した後、
次回の原料を同じ重合缶に投入して重合を繰り返すバッ
チ式連続重合法において、ポリマを吐出する際、缶残ポ
リマ量を重合缶の内容積1m3 当り30kg以下にし、
次回の原料を投入することが好ましい。
【0025】これらの重縮合反応は無触媒でも進行する
が、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸カリウ
ムおよび酢酸ナトリウム、三酸化アンチモン、金属マグ
ネシウムなどの金属化合物を添加した方が好ましいとき
もある。
【0026】本発明に好ましく使用できる上記液晶性ポ
リエステルは、ペンタフルオロフェノール中で対数粘度
を測定することが可能なものもあり、その際には0.1
g/dlの濃度で60℃で測定した値で1.0〜3.0
dl/gが好ましい。
【0027】また、本発明の液晶性ポリエステルの分子
量分布は、例えば高分子論文集45巻531頁(198
8)に記載されている方法で測定可能であるが、ポリマ
の均質性の観点から分子量分布を示す重量平均分子量
(MW)と数平均分子量(MN)の比MW/MNの値が
3.0未満が好ましく、2.9未満がより好ましい。
【0028】また、本発明における液晶性ポリエステル
は10〜20,000ポイズが好ましく、特に20〜1
0,000ポイズがより好ましい。
【0029】なお、この溶融粘度は融点(Tm)+10
℃の条件で、ずり速度1,000(1/秒)の条件下で
高化式フローテスターによって測定した値である。
【0030】かくしてなる本発明の液晶性ポリエステル
に対して有機難燃剤を添加することにより良好な難燃性
を付与することが可能である。
【0031】本発明において使用できる有機難燃剤とは
有機臭素化合物および/または有機リン化合物などであ
る。
【0032】有機臭素化合物は、分子中に臭素原子を有
するものであり、特に臭素含量20重量%以上のものが
好ましい。具体的には、デカブロモジフェニルエーテ
ル、エチレンビス−(テトラブロモフタルイミド)など
の低分子量有機臭素化合物、臭素化ポリカーボネート
(例えば臭素化ビスフェノールAを原料として製造され
たポリカーボネートオリゴマーあるいはそのビスフェノ
ールAとの共重合物)、臭素化エポキシ化合物(例えば
臭素化ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応
によって製造されるジエポキシ化合物や臭素化フェノー
ル類とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるモ
ノエポキシ化合物)、ポリ(臭素化ベンジルアクリレー
ト)、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ビスフェ
ノールA、塩化シアヌルおよび臭素化フェノールの縮合
物、臭素化ポリスチレン、架橋臭素化ポリスチレン、架
橋臭素化ポリα−メチルスチレン等のハロゲン化された
ポリマーやオリゴマーあるいは、これらの混合物が挙げ
られ、なかでもエチレンビス−(テトラブロモフタルイ
ミド)、臭素化エポキシオリゴマーまたはポリマー、臭
素化ポリスチレン、架橋臭素化ポリスチレン、臭素化ポ
リフェニレンエーテルおよび臭素化ポリカーボネートが
好ましく、エチレンビス−(テトラブロモフタルイミ
ド)、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリカーボネートが
特に好ましく使用できる。
【0033】これらの有機臭素化合物の添加量は、液晶
性ポリエステル100重量部当り0.2〜30重量部が
好ましく、0.5〜20重量部がより好ましいが、難燃
性は液晶性ポリエステルの前記構造単位(III) の共重合
量と密接な関係があるため、次のような添加量にするの
が好ましい。すなわち有機臭素化合物の添加量は液晶性
ポリエステル中の構造単位(III) の100重量部に対し
て60〜280重量部が好ましく、100〜200重量
部が特に好ましい。
【0034】一方、有機リン化合物は、分子中にリン原
子を有するものであり、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸
から合成される化合物、ホスフィン、ホスフィンオキシ
ド、ホスホランなどの化合物や下記構造式の化合物およ
びこれら化合物を少なくとも一成分として含有するポリ
マーである。
【0035】
【化9】 (ここでR3 は炭素数1〜6の1価の脂肪族炭化水素基
および/または炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素
基を示す)。
【0036】このポリマーとしては下記構造単位からな
るポリマーを挙げることができる。
【0037】
【化10】 (ここでR3 は上記化9と同様のものを示し、R4 は炭
素数1〜6の2価の脂肪族炭化水素基および/または炭
素数6〜20の2価の芳香族炭化水素基を示し、Arは
炭素数6〜20の3価の芳香族炭化水素基を示す)。
【0038】そしてこれらのうち最も好ましい有機リン
化合物は下記ポリマーである。
【0039】
【化11】 (ここでR3 およびR4 は上記化9〜10と同様のもの
を示す。)R4 はなお、これらの有機リン化合物は一部
が金属塩であってもよい。
【0040】これらの有機リン化合物の添加量は、液晶
性ポリエステル100重量部当り0.2〜30重量部、
好ましくは0.5〜15重量部であり、構造単位(III)
の100重量部に対して2〜150重量部が好ましく、
10〜110重量部がより好ましい。
【0041】また、本発明において有機リン化合物が下
記構造単位からなるポリマのように臭素原子を含有した
有機リン化合物であってもよい。
【0042】
【化12】 (ここでR3 は上記化9と同様のものを示す。)また、
本発明の液晶性ポリエステルに対して強化剤、充填剤を
添加することにより、機械的特性、耐熱性をいっそう改
善することができる。
【0043】強化剤、充填剤を添加する場合、その添加
量は液晶性ポリエステル100重量部に対して200重
量部以下が好ましく、15〜150重量部が特に好まし
い。
【0044】本発明において用いることができる強化
剤、充填剤としては、ガラス繊維、炭素繊維、芳香族ポ
リアミド繊維、チタン酸カリウム繊維、石膏繊維、黄銅
繊維、ステンレス繊維、スチール繊維、セラミック繊
維、ボロンウィスカー繊維、アスベスト繊維、グラファ
イト、マイカ、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、ガラ
スビーズ、ガラスフレーク、ガラスマイクロバルーン、
クレー、ワラステナイト、酸化チタン、二硫化モリブデ
ン、等の繊維状、粉状、粒状あるいは板状の無機フィラ
ーが挙げられる。又、これらの強化剤、充填剤について
もシラン系、チタネート系などのカップリング剤、その
他の表面処理剤で処理されたものを用いてもよい。
【0045】更に、本発明の液晶性ポリエステルには、
本発明の目的を損なわない程度の範囲で、酸化防止剤お
よび熱安定剤(たとえばヒンダードフェノール、ヒドロ
キノン、ホスファイト類およびこれらの置換体など)、
紫外線吸収剤(たとえばレゾルシノール、サリシレー
ト、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンなど)、滑剤
および離型剤(モンタン酸およびその塩、そのエステ
ル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステ
アラミドおよびポリエチレンワックスなど)、染料(た
とえばニトロシンなど)および顔料(たとえば硫化カド
ミウム、フタロシアニン、カーボンブラックなど)を含
む着色剤、可塑剤、帯電防止剤などの通常の添加剤や他
の熱可塑性樹脂を添加して、所定の特性を付与すること
ができる。
【0046】これらを添加する方法は溶融混練すること
が好ましく、溶融混練には公知の方法を用いることがで
きる。たとえば、バンバリーミキサー、ゴムロール機、
ニーダー、単軸もしくは二軸押出機などを用い、200
〜350℃の温度で溶融混練して組成物とすることがで
きる。
【0047】かくしてなる本発明の均質性の改良された
液晶性ポリエステルは溶融重合法のみで得られ、優れた
溶融流動性、溶融紡糸性、光学異方性を有するため、射
出成形、押出成形、ブロー成形、紡糸などにより優れた
機械的性質を有する三次元成形品、容器、ホース、繊
維、フィルムなどに加工することが可能である。
【0048】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳述す
る。
【0049】実施例1 縦と横の比が2.5の内容積0.1m3 の重合装置に掻
き下げ方向のヘリカルリボン翼を0.035m3 の高さ
まで取り付けた撹拌翼を設けた反応缶と重縮合用の重合
缶を使い、次のように重合した。
【0050】反応缶にp−ヒドロキシ安息香酸18.6
kg、4,4’−ジヒドロキシビフェニル2.7kg、
ポリエチレンテレフタレート9.6kg、テレフタル酸
2.5kgおよび無水酢酸18.5kgを仕込み、5時
間かけて反応缶缶内温度を130〜250℃にし、25
0℃で30分撹拌を続けた。この時点での留出液量は1
7.6kgであり、理論留出量の82%であった。その
後反応物を重合缶に移液して、2時間かけて缶内温度を
250〜280℃にし、重合缶を70分かけて250T
orrまで減圧し、減圧度を250Torrに保ったま
ま1時間撹拌を続けた。その後50分かけて1Torr
まで減圧し、2時間撹拌を続け重縮合を完了した。その
後重合缶内を4kg/cm2 に加圧後、口金を経由して
ポリマをストランド状に吐出した。
【0051】得られた液晶性ポリエステルの理論構造式
は次のとおりである。
【0052】
【化13】 k/l/m/n=67.5/7.5/25/32.5 この液晶性ポリエステルをパーキンエルマー社製のDS
C−7型を用いて、前述の条件で融点および融点幅を測
定したところ、Tm1 のピーク温度は246℃、Tm2
のピーク温度は244℃で、融点幅は20℃であった。
Tm2 をTmとして下式(2)を計算したところ−0.
6℃であった。
【0053】 Tm−0.0769x2 +8.20x−401.5 …(2) また、レオロジ社製のMR−3ソリキッドメータを用い
て、流動開始温度と融解終了温度の温度差を測定したと
ころ15℃であった。
【0054】なお、このポリマの対数粘度は1.52d
l/g(0.1g/dlの濃度でペンタフルオロフェノ
ール中、60℃で測定)であった。
【0055】溶融紡糸性を見るために得られた液晶性ポ
リエステルを真空乾燥後、孔径0.1mmφの単孔口金
を用い、260℃で溶融紡糸し、600m/minの速
度で巻取ったところ、糸切れもなく良好にモノフィラメ
ントを得ることができた。
【0056】また、このポリマを100重量部に対し
て、繊維径約9μm、繊維長3mmのガラス繊維45重
量部をドライブレンドした後、30mmφ二軸押出機に
より260℃で溶融混練−ペレタイズした。
【0057】得られたペレットを住友ネスタール射出成
形機プロマット(住友重機械工業(株)製)に供し、シ
リンダー温度260℃、金型温度90℃の条件で曲げ試
験片(1/8”×1/2”×5”)を成形した。また、
流動性の評価として上記の成形機を用いて射出速度99
%、射出圧力500kgf/cm2 の条件で0.5mm
厚×12.7mm幅の試験片の流動長さ(棒流動長)を
求めた。
【0058】その結果、曲げ強度は1750kgf/c
2 、棒流動長は125mmとなり、良好な流動性およ
び機械物性を示した。
【0059】比較例1 実施例1と同一装置を用い、つぎの条件で脱酢酸重合を
行った。
【0060】反応缶にp−ヒドロキシ安息香酸12.4
kg、4,4’−ジヒドロキシビフェニル11.2k
g、ポリエチレンテレフタレート9.6kg、テレフタ
ル酸8.3kgおよび無水酢酸23.6kgを仕込み、
5時間かけて反応缶缶内温度を130〜230℃にし、
230℃で30分撹拌を続けた。この時点での留出液量
は18.8kgであり、理論留出量の74%であった。
その後反応物を重合缶に移液して、2時間かけて缶内温
度を230〜280℃にし、重合缶を1.0Torrま
で減圧し、280℃で2時間撹拌を続け重縮合を完了し
た。その後重合缶内を4kg/cm2 に加圧後、口金を
経由してポリマをストランド状に吐出した。
【0061】得られた液晶性ポリエステルの理論構造式
は次のとおりである。
【0062】
【化14】 k/l/m/n=45/30/25/55 この液晶性ポリエステルを実施例1と同様に融点および
融点幅を測定したところ、Tm1 のピーク温度は269
℃、Tm2 のピーク温度は258℃で、融点幅は35℃
であった。Tm2 をTmとして実施例1の(2)式を用
いて計算したところ13℃となった。また、流動開始温
度と融解終了温度の温度差を測定したところ30℃であ
った。
【0063】なお、このポリマの対数粘度は1.64d
l/g(0.1g/dlの濃度でペンタフルオロフェノ
ール中、60℃で測定)であった。
【0064】紡糸温度275℃で実施例1と同様に紡糸
したところ、糸切れがひどく良好なモノフィラメントを
得ることができなかった。
【0065】このポリマを押出温度を275℃とする以
外は実施例1と同様にガラス繊維混入−ペレタイズし、
シリンダ温度を275℃とし実施例1と同様に曲げ強
度、棒流動長を求めた。その結果、曲げ強度は1590
kgf/cm2 、棒流動長は82mmとなり、流動性お
よび機械物性が大きく低下した。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、溶融重合のみで得ら
れ、優れた溶融流動性、光学異方性を有し、通常の成形
方法により優れた機械的性質を有する成形品を与るのみ
ならず、優れた溶融紡糸性を有する均質性の改良された
液晶性ポリエステルを得ることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記構造単位(I) 、(II)、(III) 、(IV)
    からなり、融点(Tm,℃)が(1)式を満足し、示差
    熱量測定より求められる融点幅が30℃以下である対数
    粘度が1.0〜3.0dl/gであることを特徴とする
    均質性の改良された液晶性ポリエステル。 【化1】 (ただし、式中R1 は 【化2】 から選ばれた一種以上の基を示し、R2 は 【化3】 から選ばれた一種以上の基を示す。また式中Xは水素原
    子または塩素原子を示し、構造単位[(II)+(III) ]と
    構造単位(IV)は実質的に等モルである)。 −10<Tm−0.0769x2 +8.20x−401.5<10 …(1) (ただし(1)式中のxは構造単位(III) の[(I) +(I
    I)+(III) ]に対する割合(モル%)を示す)。
  2. 【請求項2】 複素粘性率の温度依存性曲線から求めら
    れる流動開始温度と融解終了温度との温度差が25℃以
    下となる請求項1記載の液晶性ポリエステル。
  3. 【請求項3】 上記構造単位(I) 、(II)、(III) 、(IV)
    からなり、構造単位[(I) +(II)]が[(I) +(II)+(I
    II) ]の60〜95モル%、構造単位(III) が[(I) +
    (II)+(III) ]の40〜5モル%であり、構造単位(I)
    /(II)のモル比が78/22〜93/7である請求項1
    または請求項2記載の液晶性ポリエステル。
  4. 【請求項4】 上記構造単位(I) 、(II)、(III) 、(IV)
    からなり、構造単位[(I) +(II)]が[(I) +(II)+(I
    II) ]の60〜80モル%、構造単位(III) が[(I) +
    (II)+(III) ]の40〜20モル%であり、構造単位
    (I) /(II)のモル比が78/22〜93/7である請求
    項1または請求項2記載の液晶性ポリエステル。
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