JPH06172375A - オリゴマンヌロン酸を重合度によって分離する方法 - Google Patents
オリゴマンヌロン酸を重合度によって分離する方法Info
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Abstract
度別に分離することを目的とする。 【構成】オリゴマンヌロン酸混合物を、重炭酸化合物溶
液を溶出液とする陰イオン交換クロマトグラフィーを行
うことにより分離する。
Description
重合度によって分離する方法に関する。
解物に様々な生理活性のあることが発見されており、例
えば、ペクチンの分解物には、植物の生長を促進する活
性や、抗菌活性があることが知られており、また、キチ
ン、キトサンの分解物に抗菌活性のあることが認められ
ている。また、アルギン酸の分解物には、人体の腸内に
おける有用細菌であるビフィズス菌の増殖活性が認めら
れている。
成物のひとつであるオリゴマンヌロン酸についても、有
用な生理活性を有することが期待されている。また構造
既知のオリゴマンヌロン酸は、生理活性物質の作用メカ
ニズムの解明やアルギン酸の構造解明の手掛かりとして
も非常に有用な物質である。
酸が−1,4−結合したポリマーであり、ポリグルロン
酸(以下ポリGという)、ポリマンヌロン酸(以下ポリ
Mという)、グルロン酸マンヌロン酸交互に連なるポリ
マー(以下ポリMGという)の3つのブロックからなる
共重合体である。
水分解法が用いられていたが、操作が煩雑であり、収率
が低いという欠点があった。これに対し、最近、酵素を
用いて穏やかな条件下で行う方法が開発された。アルギ
ン酸を分解する酵素は、フラボバクテリウム属菌、シュ
ウドモナス属菌(特開昭59−143597)およびア
ルテロモナス属菌(特開昭63−214192)等の培
養液から得られることが知られている。
ロン酸リアーゼ(G-ase)、ポリマンヌロン酸リアーゼ
(M-ase)およびポリマンヌロン酸グルロン酸リアーゼ
(MG-ase)とがあり、それぞれ異なる基質特異性を有
している。G-aseはポリGおよびポリMGを分解するが
ポリMを分解せず、M-aseはポリMおよびポリMGを分
解するがポリGを分解せず、MG-aseはポリM、ポリG
およびポリMGのいずれも分解することができる。
ン酸は、構造研究等の特定の目的のためには、その重合
度によって分離する必要がある。従来、オリゴマンヌロ
ン酸を重合度によって分離した例は少なく、主としてゲ
ル濾過法が用いられている。一般的にゲル濾過は、1回
の処理量に制限があり、回収効率も低い。一方、陰イオ
ン交換クロマトグラフィーを用いた例も報告されている
が、精製効率が悪く、工業的な生産方法としては適して
いない。
は、オリゴマンヌロン酸の重合度別分離を効率良く行う
方法を開発することを目的とする。
的を達成するために鋭意研究した結果、重炭酸化合物を
溶出液として用いた陰イオン交換クロマトグラフィーを
行うことにより、重合度の異なるオリゴマンヌロン酸の
混合物から、効率良くオリゴマンヌロンを重合度別に分
離しうることを見いだし、本発明を完成するに至った。
ン酸混合物は、例えば、アルギン酸を加水分解するか、
または上述のアルギン酸分解酵素を用いて分解すること
により得ることができる。オリゴMは不飽和二重結合を
含んでいてもよい。
のいずれをも用いることができる。例えば、Pseudomona
s aeruginosa(ジャーナル・オブ・バクテリオロジー 1
984,p958-964)、Bacillus circulans(アプライド・ア
ンド・エンバイロメンタル・マイクロバイオロジー 198
4, p.704-709)、海洋性軟体動物(Littorina sp.肝、
バイオキミカ・エト・バイオフィジカ 1979、 Vol.569,
p.259-266)、海洋性軟体動物(Dolabella auricula, ザ
・ジャーナル・オブ・バイオケミストリー Vol.64(1),
p.25)等に由来するM-aseが一般に知られている。
よび精製方法について説明する。
な緩衝液に溶解し、陰イオン交換樹脂カラムに吸着させ
る。陰イオン交換樹脂カラムとしては、一般に多糖類の
分画に用いられる陰イオン交換樹脂カラムのいずれをも
用いることができるが、特に、DEAE-Sephadex A-25、QA
E-Sephadex A-25、DEAE-SepharoseまたはQAE-Sepharose
を用いることが好ましい。
を分離精製する場合には、陰イオン交換カラムクロマト
グラフィーを行う前に、酵素反応液から不飽和ウロン酸
を除去しておく。
リゴMを、重炭酸化合物溶液を用いて溶出する。重炭酸
化合物としては、重炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウ
ム、重炭酸カリウム等を用いることができる。溶出液の
濃度は段階的または連続的に変化させてもよい。例えば
0.1Mから1.0Mの重炭酸アンモニウム溶液の直線勾配を
用いることができる(図2)。溶出液を分画して、重合
度別に分離精製されたオリゴMが得られる。
法は、スケールアップが可能であり、大量調製にも適し
ている。
(FERM P−11338)を培養して工業的に得ら
れるアルギン酸分解酵素(ナガセ生化学工業(株)製、
特開平第4−169189号)の粗酵素標品中に含まれ
るG-aseを用いて、アルギン酸を分解して調製した。粗
酵素標品を、1mMリン酸緩衝液(pH6〜6.5)に溶解
し、同緩衝液に対して透析した後、同緩衝液で平衡化し
た陽イオン交換樹脂に通し、非吸着画分を回収して、G
-aseとして用いた。
gを0.1MNaClを含む水1lに溶解し、pH7.2に調整して3
7°Cに加温した。このアルギン酸溶液に酵素溶液325ml
(175.8単位、1単位は、1分間に1μmolのβ−ホルミ
ルピルビン酸を生成する酵素量である)を加えて、37°
Cで酵素反応を行わせた。酵素の活性測定は1.0%アルギ
ン酸ナトリウム溶液と酵素液を1:1の割合で混合し、
37°Cで30分間反応を行い、100°C5分で反応を止めた
後、TBA反応(チオバルビツール反応)により酵素反応
で生成したオリゴウロン酸の不飽和ウロン酸を定量する
ことにより行った。
間行った。酵素処理後は、100°Cで10分間加熱処理し、
放冷した。酵素反応処理液は、0.1NHCl溶液を加えるこ
とによって、pHを1.5に調整し、4°Cで一晩静置した
のち、遠心分離を行い沈殿を得た。得られた沈殿を0.1M
NaClを含む希塩酸で洗った後、水に懸濁し、希アルカリ
で中和した。得られたの中和溶液をエタノール中に滴下
し、沈殿物を得た。この沈殿物は、エーテル処理により
脱水し、減圧下で乾燥した。2gのポリMが得られた
(M含量90%以上、回収率20%)。
モニウムに2%となるように溶かし、酵素(M-ase、ア
ワビアセトン粉末由来)をポリM1gに対して5単位と
なるように加えて反応させた。反応条件は37°C、2時
間であった。酵素反応は、100°C5分間の加熱により終
了させた。図1に得られたオリゴM混合物の薄層クロマ
トグラフィーの結果を示す。
ンモニウムに溶解し、同溶液で平衡化させた陰イオン交
換樹脂、モノQ(ファルマシア社製)に負荷した。0.1M
〜1.0Mの重炭酸アンモニウム溶液の直線濃度勾配を用い
て溶出し、不飽和ウロン酸を含むオリゴマンヌロン酸を
重合度別に分離精製した。図2に陰イオン交換クロマト
グラフィーの結果を示す。
オリゴMの分離精製 参考例にしたがって得られたオリゴMの混合物を含む溶
液を弱酸性(pH3)にし、100°C、2時間加熱して不
飽和ウロン酸を除去した。次にこれを中和して、実施例
1と同様に陰イオン交換クロマトグラフィーにより処理
した。なお、負荷量は、1mgオリゴマンヌロン混合物、
流速1ml/minであった。その結果、不飽和ウロン酸を含
まないオリゴMが、実施例1と同様に、重合度別に分離
精製された。
トグラフィーによる分析結果を示す。
マトグラフィーによる分離精製結果を示す。
Claims (1)
- 【請求項1】オリゴマンヌロン酸を重合度によって分離
する方法であって、重合度の異なるオリゴマンヌロン酸
混合物を、重炭酸化合物を溶出液とする陰イオン交換ク
ロマトグラフィーを行うことにより分離することを特徴
とする方法。
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