JPH06169681A - パンの品質の改良用の酵素製品及びパンの品質の改良方法 - Google Patents
パンの品質の改良用の酵素製品及びパンの品質の改良方法Info
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- JPH06169681A JPH06169681A JP5184688A JP18468893A JPH06169681A JP H06169681 A JPH06169681 A JP H06169681A JP 5184688 A JP5184688 A JP 5184688A JP 18468893 A JP18468893 A JP 18468893A JP H06169681 A JPH06169681 A JP H06169681A
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- A21D8/02—Methods for preparing dough; Treating dough prior to baking
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Abstract
のクラムの柔らかさにつき有利な効果を有するパン改質
剤組成物を提供することにある。 【構成】 少なくとも一種のリパーゼ、少なくとも一種
のヘミセルラーゼ及び少なくとも一種のアミラーゼを含
むことを特徴とするパン改質剤組成物。
Description
その組成物を使用してパン品質を改良する方法に関す
る。
質剤は、種々の機能成分、例えば、酸化剤及び還元剤
(例えば、アスコルビン酸、システイン)、酵素(例え
ば、α−アミラーゼ、ヘミセルラーゼ)、乳化剤(例え
ば、DATA- エステル、モノグリセリド、SSL)、脂肪物質
(例えば、脂肪、レシチン)並びにキャリヤーまたは増
量剤(澱粉、糖、等)を含む複雑な混合物である。普通
使用されるパン改質剤の多くは、ドウの強さ及びクラム
(crum)の柔らかさを改良するために使用される乳化剤を
含む。消費者の観点から、乳化剤(これらは化学添加剤
と考えられる)の使用を最小にすることが有利である。
化学添加剤に対する消費者の抵抗は増しつつあり、それ
故、乳化剤を消費者に好まれる添加剤及び/または酵素
(これらは加工助剤と考えられる)により置換しようと
する絶え間ない要望がある。しかしながら、パン品質
は、乳化剤が省かれる場合にかなり低下され、例えば、
SSL またはモノグリセリドのような乳化剤を使用しない
で非外皮質(non-crusty)の型のパン、例えば、サンドイ
ッチパンに関して3〜5日の貯蔵寿命を得ることは難し
い。
究は、パン中の澱粉部分が貯蔵中に結晶化し、こうして
クラムの堅さの増大を生じることを示した。アミラーゼ
及びヘミセルラーゼが、クラムの柔らかさ及びローフの
体積を改良するためにパン改質剤中に広く使用されてい
る。α−アミラーゼはベーキング中に澱粉部分を部分分
解し、クラムの柔らかさを増大する。ヘミセルラーゼは
小麦粉のヘミセルロース部分を分解し、こうしてこの部
分に通常結合された水をドウに放出する。パン改質剤中
のヘミセルラーゼの使用は、ベーキング中のドウの改良
されたオーブンスプリング、改良されたローフの体積、
粒子構造及びベーキングされた製パン所製品の良好な品
質保持をもたらす。しかしながら、アミラーゼ及びヘミ
セルラーゼにより付与される組み合わされた改良は制限
され、それ故、乳化剤がパンの許容できる品質保持を得
るのに依然として必要とされる。リパーゼがパン改質剤
中に稀に使用され、有害な効果が不飽和脂肪酸をドウに
放出する内因性リパーゼの作用から観察された(パイラ
ー(Pyler)1988)。
ーゼ、アミラーゼ、好ましくはα−アミラーゼ、リパー
ゼ及び好ましくはショートニングの組み合わされた使用
は、パンのローフの体積及びクラムの柔らかさが、酵素
の夫々を個々に使用する場合よりも明らかに良好である
ように相補的相乗効果を有することが見出された。酵素
及びショートニングのこの組み合わせの添加により得ら
れたパンの優れたクラムの柔らかさは、パンの品質を低
下しないで乳化剤の完全な排除を可能にする。
なくとも一種のヘミセルラーゼ及び少なくとも一種のア
ミラーゼを含むパン改質剤組成物を提供する。更に、本
発明は、パン改質剤組成物、小麦粉、水及び酵母を含む
ドウを提供する。本発明のドウは、焼き上げられて改良
された品質及びクラムの柔らかさのパンを製造し得る。
ドウは、ショートニング、好ましくは小麦粉1kg当たり
100g以下のショートニング、例えば、小麦粉1kg当たり
15〜30g の固体ショートニングを更に含んでもよい。ド
ウは酸化剤及び還元剤を更に含んでもよい。アスコルビ
ン酸が小麦粉1kg当たり0.15g 以下の量で酸化剤として
使用されることが好ましい。L−システインが小麦粉1
kg当たり0.05g 未満の量で還元剤として使用されること
が好ましい。
の他の通常のドウ成分を含んでもよい。本発明のドウ
は、通常の乳化剤、例えば、モノグリセリド(GMS) 、モ
ノグリセリド及びジグリセリドのジアセチル酒石酸エス
テル(DATA-エステル) 並びにステアリン酸のナトリウム
塩またはカルシウム塩(SSL/CSL) を添加しないで調製さ
れる。ドウ中に含まれる種々の酵素の量は、種々の因
子、例えば、酵素活性、ベーキング方法、パンの種類、
醗酵の時間及び温度並びに使用される原料の種類に応じ
て変化する。当業者は無用な実験をしないで当該酵素の
有効量を決めることができることが認められるであろ
う。
25〜1250真菌アミラーゼ単位(FAU)のアミラーゼ、更に
好ましくは小麦粉1kg当たり75〜250FAUのアミラーゼを
含む。一般に、アミラーゼは、例えば、アスペルギルス
・オリザエ(Aspergillus oryzae)の株からの真菌アミラ
ーゼである。真菌アミラーゼ活性は、基質としてのファ
デバス(Phadebas)錠剤(ファーマシア(Pharmacia))及び
内部基準としての10.000FAU/g の真菌アミラーゼ製剤を
使用してpH5.5 、30℃で測定される[1真菌アミラーゼ
単位(FAU) は10SKB 単位に相当する]。
しくは小麦粉1kg当たり25〜500 β−キシラナーゼ単
位、更に好ましくは小麦粉1kg当たり35〜280 β−キシ
ラナーゼ単位の範囲の量で添加される。ヘミセルラーゼ
は、例えば、アスペルギルス属またはトリコデルマ属の
株からの真菌ヘミセルラーゼであることが好ましい。ヘ
ミセルラーゼ活性は、染色キシラン基質(オーストラリ
アにあるメガザイム社(MegaZyme Inc.) からのキシラザ
イム(Xylazyme)錠剤)でpH4.7 、40℃で測定される。1
β−キシラナーゼ単位は、特定されたアッセイ条件下で
毎分1マイクロモルのキシロース還元当量を放出するの
に必要とされる酵素の量と定義される。
小麦粉1kg当たり400 〜4000リパーゼ単位、更に好まし
くは小麦粉1kg当たり800 〜2000リパーゼ単位の範囲の
量で添加される。リパーゼは、クモノスカビ属、アスペ
ルギルス属、カンジダ属、ペニシリウム属またはケカビ
属の株により生産された真菌リパーゼであることが好ま
しい。リゾプス・アルヒズス(Rhizopus arrhizus) また
はリゾプス・オリザエ(Rhizopusoryzae) の株からのリ
パーゼが使用されることが好ましい。リパーゼ活性は、
基質としてのオリーブ油の水中油エマルションを使用し
て37℃、pH6.0 で滴定試験方法で測定される。1リパー
ゼ単位は、特定のアッセイ条件下で毎分1マイクロモル
の脂肪酸を遊離するのに必要とされる酵素の量と定義さ
れる。本発明を、以下の実施例により更に説明する。本
発明はこれらの実施例により何ら限定されないことが注
目されるべきである。
t)ドウ法)及びクラム堅さの測定 パン製造のために、小麦粉3500g(100 %) 、水1960ml(5
5 %) 、圧縮酵母87.5g(2.5 %) 、糖52.5g(1.5 %) 、
塩70g(2 %) 、ショートニング0〜175g(0〜5%) 、ア
スコルビン酸105mg(30ppm)、L−システイン70mg(20pp
m) 及び種々の量の表に示された酵素からドウを調製し
た。ケムパー(Kemper)リボンブレンダー(速度1で350
回転、続いて速度2で1200回転)を使用してこれらの成
分をドウに混合した。
させ(proofed) 、打ち抜き、成形し、パン加工し(panne
d)、34℃で65分間醗酵させ、220 ℃のオーブン中で焼き
上げた。ローフ体積をナタネ置換法により測定した。ロ
ーフを室温でポリエチレンバッグ中で3日間貯蔵した
後、スチーブンス・テキスチャー・アナライザー(Steve
ns Texture Analyser)を使用してクラムの堅さを測定し
た。夫々のローフの中央からの厚さ2cmの2枚のスライ
スを、直径3.8cm(1.5 インチ) 、圧縮深さ5mm(25%) 及
び圧縮速度0.5mm/秒のプローブを使用するテキスチャー
・アナライザーにより分析した。
剤(蒸留モノグリセリド)、ヘミセルラーゼ、リパーゼ
及びアミラーゼを使用するベーキング試験の結果を示
す。表1から、ショートニング、α−アミラーゼ、ヘミ
セルラーゼ及びリパーゼの組み合わせの添加が優れたパ
ン品質及び優れたクラムの柔らかさをもたらすことが明
らかである。この組み合わせにより得られたクラムの柔
らかさは、0.5 %の蒸留モノグリセリドにより得られた
クラムの柔らかさより優れている。それ故、優れたパン
品質は、乳化剤を使用しないでこの酵素の組み合わせを
使用する場合に得られることが明らかである。
3%のショートニングを含む配合をこのベーキング試験
中に使用し、パンのクラムの堅さを実施例1に記載した
ように測定した。表2は、種々の乳化剤及び酵素の組み
合わせを使用するベーキング試験の結果を示す。優れた
パン品質が、アミラーゼ、ヘミセルラーゼ及びリパーゼ
の組み合わせを添加する場合に得られる。この実施例
は、この酵素の組み合わせを含むパン改質剤がSSL 、DA
TA- エステルまたはモノグリセリドのような通常の乳化
剤を含むパン改質剤よりも良好な性能を有することを実
証する。
g 小麦粉) 、ヘミセルラーゼ(105U/kg小麦粉) 及びリパ
ーゼ(3000U/kg 小麦粉) を含む酵素の組み合わせを使用
してパンを焼き上げた。結果(表3)は、その配合中の
ショートニングの量が所望のパン品質を得るのに重要で
あることを示す。最良の結果が多量のショートニングを
使用する場合に得られ、固体ショートニングは液体油よ
りも良好な結果を生じる。
を調製した。
回転、続いて速度2で700 回転)を使用して成分をドウ
に混合することによりスポンジを調製した。28℃で4時
間のスポンジ醗酵後に、スポンジをミキサーボウルに戻
し、ドウ成分の全てを添加し、ドウに混合した(ケムパ
ーリボンブレンダー中で速度1で280 回転、続いて速度
2で700 回転)。29℃の温度のドウを、620gの片に混合
した直後に分割し、これらを31℃で25分間醗酵させ、成
形し、パン加工し、43℃で65分間醗酵させ、190 ℃で25
分間焼き上げた。実施例1に記載した操作に従って、3
日間の貯蔵後にクラムの堅さを測定した。結果(表4)
は、優れたパン品質がこのドウの所でリパーゼ、ヘミセ
ルラーゼ及びアミラーゼの組み合わせを添加する場合に
スポンジ及びドウ法で得られることを示す。
Claims (11)
- 【請求項1】 少なくとも一種のリパーゼ、少なくとも
一種のヘミセルラーゼ及び少なくとも一種のアミラーゼ
を含むことを特徴とするパン改質剤組成物。 - 【請求項2】 リパーゼがクモノスカビ属、アスペルギ
ルス属、カンジダ属、ペニシリウム属またはケカビ属の
株から得られる請求項1に記載の組成物。 - 【請求項3】 ヘミセルラーゼがアスペルギルス属また
はトリコデルマ属の株から得られる請求項1または2に
記載の組成物。 - 【請求項4】 アミラーゼがα−アミラーゼであり、好
ましくはアスペルギルス・オリザエから得られる請求項
1〜3のいずれか一項に記載の組成物。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載の組
成物、小麦粉、水及び酵母を含むことを特徴とするド
ウ。 - 【請求項6】 ショートニング、好ましくは小麦粉1kg
当たり100g以下のショートニング、更に好ましくは小麦
粉1kg当たり15〜30g のショートニングを更に含む請求
項5に記載のドウ。 - 【請求項7】 小麦粉1kg当たり25〜1250真菌アミラー
ゼ単位(FAU) のα−アミラーゼ、好ましくは小麦粉1kg
当たり75〜250FAUのα−アミラーゼを含む請求項5また
は6のいずれか一項に記載のドウ。 - 【請求項8】 小麦粉1kg当たり25〜500 β−キシラナ
ーゼ単位のヘミセルラーゼ、好ましくは小麦粉1kg当た
り35〜250 β−キシラナーゼ単位のヘミセルラーゼを含
む請求項5〜7のいずれか一項に記載のドウ。 - 【請求項9】 小麦粉1kg当たり450 〜4000単位のリパ
ーゼ、好ましくは小麦粉1kg当たり500 〜2500単位のリ
パーゼを含む請求項5〜8のいずれか一項に記載のド
ウ。 - 【請求項10】 実質的に乳化剤を含まない請求項5〜
9のいずれか一項に記載のドウ。 - 【請求項11】 請求項5〜10のいずれか一項に記載の
ドウを形成し、ドウを焼き上げることを特徴とするパン
の製造方法。
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