JPH0616797A - ポリエチレンナフタレートの製造方法 - Google Patents

ポリエチレンナフタレートの製造方法

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JPH0616797A
JPH0616797A JP17429192A JP17429192A JPH0616797A JP H0616797 A JPH0616797 A JP H0616797A JP 17429192 A JP17429192 A JP 17429192A JP 17429192 A JP17429192 A JP 17429192A JP H0616797 A JPH0616797 A JP H0616797A
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glycol
compound
film
naphthalenedicarboxylic acid
polyethylene naphthalate
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Fumio Kawamoto
二三男 川本
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】微小な異物が少なく高軟化点で着色度も低くか
つ溶融製膜時の静電密着性に優れたPEN(ポリエチレ
ンナフタレート)を製造する方法を提供すること。 【構成】2,6ナフタレンジカルボン酸を主とするナフ
タレンジカルボン酸とエチレングリコールを主とするグ
リコールとを直接反応させてポリエチレンナフタレート
の低重合体をつくり、該ポリエステルの低重合体を重縮
合触媒の存在下重縮合せしめてポリエチレンナフタレー
トを製造するに際し、グリコール可溶性マグネシウム化
合物、グリコール可溶性マンガン化合物またはグリコー
ル可溶性亜鉛化合物と下記(1) 、(2) 又は(3) のいずれ
かのアミン化合物とリン化合物とを共存させること (1) イミダゾール又はイミダゾール誘導体 (2) ジアザビシクロウンデセン (3) ジアザビシクロオクタン

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエチレンナフタレ
ート(PENと省略する)の製造法、特に溶融製膜時の
冷却ドラムへの静電密着性がよく、フィルムにしたとき
に微小な異物が少なく、軟化点が高く、かつ着色の少な
い、PENを直重合法で製造する方法に関する。
【従来の技術】
【0002】PENは、ポリエチレンテレフタレート
(以下PETと略記する)に比べ機械的強度、熱安定性
などに優れフィルム用途として磁気テープ用、包装用、
コンデンサー用等に用いられ、支持体の薄膜化寸度安定
性などの観点から近年写真用としても検討されている。
PENの製造方法としては、ジメチルナフタレート(例
えば2,6−ジメチルナフタレート)とエチレングリコ
ールを原量とするエステル交換法とナフタレンジカルボ
ン酸(例えば2,6−ナフタレンジカルボン酸)とエチ
レングリコールを原料とする直接重合法(以下直重法と
略記する)が知られており、それぞれについて回分式製
造法と連続式製造法とがある。PENフィルムは、従来
エステル交換法で製造されることが多かったが、ジメチ
ルカルボン酸、例えば、2,6−ジメチルカルボン酸の
純度アップに伴い製造コストの安い直重法の検討が活発
になってきた。PENフィルムは通常、押出機で溶融押
出した後、1軸もくしは2軸延伸して得られるが、溶融
押出時の冷却ドラムとシート状PENの密着性はフィル
ム表面の平坦性を決定する上で非常に重要な要因であ
り、これらを改善するため押出機口金とを冷却ドラムと
の間に高電圧を印加する電極を設け、未固化のPENに
電荷を生ぜしめ、冷却ドラムとの密着性を高める。(以
下、静電密着と略記する)ことが知られている(例え
ば、特公昭37−6142号)。更に特公昭48−40
414号、特開昭50−81325号、同50−109
715号が知られている。
【0003】しかしながら、製膜速度を速めフィルムの
生産性を上げようとすると、未固化シートへの電荷析出
量が少なくなり、ひいては冷却ドラムとの密着が悪化し
表面に畳目状や、ピンホール状の凹凸が出来てしまう。
このようなシートを延伸処理して得られるフィルムは表
面の平坦性が悪く、特に写真用としては使用に耐えな
い。
【0004】この現象は、エステル交換反応の触媒とし
て金属化合物を多量に使用するエステル交換法のPEN
に比べ、エステル化反応に金属触媒を使用しない直重法
に顕著に現れる。PENの製造工程にアルカリ金属化合
物やアルカリ土類化合物を添加し、電荷析出量を増し静
電密着性を改善しようとする試みもなされている。(例
えば、特開昭51−70269号)しかし、PEN中に
かかる金属類を多量に添加することは、微細な凝集物の
発生や、ポリマーの軟化点を低下させるエーテル結合の
副生や、ポリマーの着色を招きやすく、この方法で得ら
れるPENは、写真用として実用し得るレベルの品質を
持つPENの原料として用いることは困難である。
【0005】このような問題を解決するための手段とし
て、マグネシウムやマンガン等の金属の化合物に他にア
ルカリ金属および/またはアルカリ土類金属化合物とリ
ン化合物とを添加する技術(例えば、特開昭55−84
322号、特開昭55−89329号)やマグネシウム
やマンガン等の金属の化合物の他に第3級アミンや水酸
化第4級アンモニウム化合物、具体的にはトリエチルア
ミン、トリブチルアミン、ジメチルアニリン、ピリジ
ン、キノリン、テトラエチルアンモニウムハイドロオキ
サイド、テトラブチルアンモニウムハイドロオキサイ
ド、トリエチルベンジルハイドロアンモニウムオキサイ
ド等、とリン化合物、具体的には、トリメチルフォスフ
ェイト、リン酸のモノあるいはジエチルエステル、リン
酸、トリエチルフォスファイト、ジエチルフォスファイ
ト、亜リン酸等、とを添加する技術(例えば特開昭55
−115425号、特開平1−287133号、同1−
266130号、同1−266129号)も開示されて
いる。
【0006】これらとて、着色の少なさと異物の少なさ
が特に高度に要求される、印刷原版用、マイクロフィル
ム、映画用インターネガフィルム、リバーサルフィルム
などの写真用フィルムとしては不満足である。
【0007】さらに、一般アマチュア用カラーネガフィ
ルムとしても拡大倍率が大きくなったり高感度フィルム
の場合は異物の着色と数は当然問題となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、前述の問
題点につき鋭意検討の結果、金属化合物を比較多く含有
しているにも拘らず、微小な異物が少なく、高軟化点
で、着色度も低く、かつ溶融製膜時の静電密着性に優れ
た、特に印刷原版用フィルム、マイクロフィルム、イン
ターネガ用フィルム、リバーサルフィルムや、高感度カ
ラーネガフィルムなどの写真用フィルムの支持体として
のPENを提供することができた。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式
(I)で表わされるナフタレンジカルボン酸を主とする
ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールを主とす
るグリコールとを直接反応させてPENの低重合体をつ
くり、該PENを、重縮合触媒の存在下重縮合せしめ
て、PENを製造するに際し、グリコール可溶性マグネ
シウム化合物、グリコール可溶性マンガン化合物または
グリコール可溶性亜鉛化合物と下記(1) 、(2) 又は(3)
のいずれかのアミンとリン化合物とを共存させることを
特徴とするポリエチレンナフタレートの製造方法によっ
て達成された。 一般式(I)
【0010】
【化2】
【0011】(1) イミダゾール又はイミダゾール誘導体 (2) ジアザビシクロウンデセン−1 (3) ジアザビシクロオクタン
【0012】次に本発明について更に詳しく説明する。
本発明は、2,6−ナフタレンジカルボン酸を主成分と
するPENが好ましいが、PEN以外、20%以下の共
重合成分を含むポリエステルにも適用可能である。共重
合成分には、ナフタレンジカルボン酸として、2,6−
ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボ
ン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸や2,7−ナフ
タレンジカルボン酸等がある。
【0013】共重合成分となり得るグリコール成分とし
ては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ブタンジオール、シクロヘキサメタンジオール、ネ
オペンチルグリコール、キシリレンジオール等が挙げら
れる。
【0014】本発明のPENは回分法、半連続法また
は、連続法のいずれの製造方法にも適用可能であるが、
回分法により説明する。2,6−ナフカレンジカルボン
酸とエチレングリコールは、エステル化反応缶に投入
前、もくしはエステル化反応缶内でスラリー状としてお
く。2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコ
ールの仕込みモル比は、1:1.05から1:2.5が
好ましい。
【0015】続いて、反応缶を昇温しスラリーを加熱し
て、テレフタル酸とエチレングリコールのエステル化反
応を開始する。反応は、系を攪拌しながら行ない、その
温度は、240から330℃が好ましい。反応系の圧力
は、常圧もしくは加圧下で操作され、5kg/cm2 G以下
が好ましい。エステル化反応は、特に触媒を用いずとも
進行する。反応缶に付属する蒸留塔から、エステル化反
応で副生する水を除去しながら反応を進める。エステル
化反応が終了すると、水の留出は止まる。続いて重縮合
反応工程に入るが、その前にフィルターを通し反応液中
の異物を除去するとも出来る。重縮合反応は減圧下、2
70から330℃で、縮合反応で副生するエチレングリ
コールを、反応系外に除去しながら行われる。反応液の
突沸を避けるため、初期の減圧は徐々に行なうことが好
ましい。通常採用されている最終の真空度は、1から
0.01mmHgである。重縮合反応触媒は、重縮合反応
工程開始以前に添加しておくことが好ましい。
【0016】本発明に用いられる、グリコール可溶性マ
グネシウム化合物、マンガン化合物、亜鉛化合物には、
酢酸塩、シュウ酸塩、安息香酸塩等の有機カルボン酸
塩、ハロゲン化物、水酸化物等が挙げられる。具体的に
は、酢酸マグネシウム、酢酸マンガン、酢酸亜鉛、シュ
ウ酸マグネシウム、シュウ酸マンガン、シュウ酸亜鉛、
安息香酸マグネシウム、安息香酸マンガン、安息香酸亜
鉛、塩化マグネシウム、塩化マンガン、塩化亜鉛、臭化
マグネシウム、臭化マンガン、臭化亜鉛、水酸化マグネ
シウム等が挙げられる。
【0017】リン化合物には、亜リン酸、リン酸および
/またはこれらのエステル類を用いることができる。リ
ン化合物の具体例としては、亜リン酸、リン酸、トリメ
チルフォスフェイト、トリエチルフォスフェイト、トリ
フェニルフォスフェイトや、リン酸、あるいは、亜リン
酸のモノあるいはジエステル等が挙げられる。重縮合反
応触媒には、公知のアンチモン化合物、ゲルマニウム化
合物、チタン化合物を単独もしくは、二種以上混合して
用いることができる。重縮合反応触媒の具体例として
は、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム、チタンア
ルコキシド等が挙げられる。
【0018】以上の、マグネシウム化合物、マンガン化
合物および/または亜鉛化合物と (1) イミダゾール又はイミダゾール誘導体 (2) 1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン
−1 (3) 1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オクタン のいずれかのアミンとリン化合物は、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸を主成分とするナフタレンジカルボン酸
とエチレングリコールを主とするグリコールとのエステ
ル化反応が実質的に終了した時点から、重縮合反応が始
まるまでに添加するのが好ましい。また、重縮合反応触
媒は、重縮合反応が始まるまでの任意の時点で添加する
ことができる。
【0019】本発明に用いるグリコール可溶性マグネシ
ウム化合物、マンガン化合物又は、亜鉛化合物の添加量
は、これらの金属原子の総量としてポリエステル100
0kg当たり0.4から4g原子が好ましい。本発明に用
いるリン化合物の添加量は、PEN1000kg当たりの
リン原子として、グリコール可溶性マグネシウム化合
物、マンガン化合物、亜鉛化合物からの金属原子の総量
に対し0.12から1.6倍が好ましい。本発明に用い
る1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オクタンの添
加量は、ポリエステル1000kg当たり0.005モル
以上0.20モル未満が好ましい。イミダゾールまたは
イミダゾール誘導体としては、イミダゾールの他、2−
メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾ
ール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタジシル
イミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾー
ル、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−シア
ノエチル−2−メチルイミダゾール、2−アミルイミダ
ゾール、4,5−ジメチルイミダゾール、2−ヒドロキ
シメチルイミダゾール、1−(β−ヒドロキシエチル)
イミダゾール等が挙げられる。
【0020】
【実施例】本発明について、実施例によって具体的に説
明する。なお、実施例中の添加量を示す「部」は「重量
部」を示す。 実施例1 エステル化反応缶に、2,6−ナフタレンジカルボン酸
126部、エチレングリコール(EG)59.8部と重
縮合触媒である三酸化アンチモン0.029部を仕込
み、内容物を十分攪拌してスラリー化しながら温度を高
め、副生する水を蒸留塔から除去しながら反応温度を2
55℃に達せしめた。このまま約4時間反応させ、水の
副生が実質的に停止したことを確認した後、反応生成物
であるポリエステルの低重合体を重縮合反応缶に移し、
酢酸マグネシウム4水塩を、0.060部と、2−エチ
ル−4−メチルイミダゾールを0.001部とリン酸を
0.020部を添加した。そのまま、10分間攪拌しな
がら放置した後、徐々に系を減圧とし、275〜310
℃で約4時間、重縮合反応を行ないポリエステルを得
た。得られたポリエステルの極限粘度(IV)を測定し
たところ、IV=0.66(フェノール/テトラクロル
エタン=1/1(重量比)の溶媒で25℃にて測定)で
あった。また黄色味を見るため測色色差計ND−101
D型(日本電色工業製)にてb値を測定したところ3.
2であった。落球式の軟化点測定器により測定した軟化
点は、271℃であった。これを溶融押出機にかけ製膜
する際、押出機口金と冷却ドラムとの間に、5kVの直
流電圧を印加したところ、冷却ドラムとの間の密着性が
よく、平面性の優れたシート状ポリエステルが得られ
た。さらに、このシート状ポリエステルを二軸延伸し
て、100μm 厚みのフィルムとして微小な異物を偏光
顕微鏡下で観察し、50cm2 内の20μm 以上の異物を
数えた。
【0021】実施例2 実施例1の酢酸マグネシウムのかわりに、酢酸マンガン
(1I)4水塩を0.068部用いた。実施例1と同様の
製膜ができ、写真フィルム用としての品質も問題無かっ
た。また実施例1と同様に、擬制値を測定し、結果を表
1に示した。
【0022】
【表1】
【0023】実施例3 実施例1の2−エチル−4−メチルイミダゾールのかわ
りに、1−ベンジル−2−メチルイミダゾールを、リン
酸のかわりに、トリフェニルフォスフェイトを0.06
6部添加した。実施例1と同様の製膜ができ、写真フィ
ルム用としての品質も問題無かった。また実施例1と同
様に、犠牲値を測定し、結果を表1に示した。
【0024】比較例1 実施例1と、2−エチル−4−メチルイミダゾールを添
加しなかったこと以外、同様の操作を行なった。重縮合
反応には、約4時間を要した。得られたポリエステル
は、IV=0.61であった。ペレットのb値は3.5
で実施例1とほぼ同等であったが、軟化点は265℃
で、実施例1に比べ明らかに低めで、写真フィルム用と
しては、強度が不足し不適であった。溶融押出機の印加
電圧は、5kVで効果が見られ、得られたフィルムの平
面性は優れていた。また実施例1と同様に、特性値を測
定し、結果を表1に示した。
【0025】比較例2 実施例1と、酢酸マグネシウムを添加しなかったこと以
外、同様の操作を行なった。ペレットのb値は3.2
で、実施例1に比べ黄色味は弱かった。このペレットを
用い実施例1と同様の条件で製膜したが、静電密度が悪
く、畳の目状の凹凸のあるシートとなり、延伸処理をし
てもその凹凸が残った平面性の悪いフィルムしか得られ
ず、写真用としては使用できなかった。また実施例1と
同様に、特性値を測定し、結果を表1に示した。
【0026】比較例3 実施例1の、2−エチル−4−メチルイミダゾールのか
わりに、テトラエチルアンモニウムヒドロキサイドを添
加した。実施例1と同様の製膜条件で製膜したが、微小
な異物が多く、写真用フィルムとしては、不適であっ
た。また実施例1と同様に、特性値を測定し、結果を表
1に示した。
【0027】実施例4 実施例1の2−エチル−4−メチルイミダゾールの代わ
りに1,8−ジアザビシルロ(5,4,0)ウンデセン
−7を0.001部使用し、実施例1と同じ条件で反応
せしめた。得られたポリエステルはb値が3.3であっ
た以外は実施例1と同様の結果を得た。
【0028】実施例5 実施例4の酢酸マグネシウムのかわりに、酢酸マンガン
(II)4水塩を0.068部用いた。実施例4と同様の
製膜ができ、写真フィルム用としての品質も問題無かっ
た。また実施例4と同様に、特性値を測定し、結果を表
2に示した。
【0029】
【表2】
【0030】実施例6 実施例4のリン酸のかわりに、トリフェニルフォスフェ
イトを0.066部添加した。実施例1と同様の製膜が
でき、写真フィルム用としての品質も問題無かった。ま
た実施例4と同様に、特性値を測定し、結果を表1に示
した。
【0031】比較例4 実施例4と、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウ
ンデセン−7を添加しなかったこと以外、同様の操作を
行なった。重縮合反応には、約4時間を要した。得られ
たポリエステルは、IV=0.60であった。ペレット
のb値は4.0で実施例1とほど同様であったが、軟化
点は264℃で、実施例1に比べ明らかに低めで、写真
フィルム用としては、強度が不足して不適であった。溶
融押出機の印加電圧は、5kVで効果が見られ、得られ
たフィルムの平面性は優れていた。また実施例1と同様
に、特性値を測定し、結果を表1に示した。
【0032】比較例5 実施例4と、酢酸マグネシウムを添加しなかったこと以
外、同様の操作を行なった。ペレットのb値は3.3
で、実施例4に比べ黄色味は弱かった。このペレットを
用い実施例4と同様の条件で製膜したが、静電密着が悪
く、畳の目状の凹凸のあるシートとなり、延伸処理をし
てもその凹凸が残った平面性の悪いフィルムしか得られ
ず、写真用としては使用できなかった。また実施例4と
同様に、特性値を測定し、結果を表2に示した。
【0033】比較例6 実施例4の、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウ
ンデセン−7の代わりに、テトラエチルアンモニウムヒ
ドロキサイドを添加した。実施例1と同様の製膜条件で
製膜したが、微小な異物が多く、写真用フィルムとして
は、不適であった。また実施例7と同様に、特性値を測
定し、結果を表2に示した。
【0034】実施例7 実施例1の2−エチル−4−メチルイミダゾールの代わ
りに1,4−ジアザビシルロ(2,2,2)オクタンを
0.001部添加し、実施例1と同じ条件で反応せしめ
た。得られたポリエステルはb値が3.5、軟化点が2
72℃以外は実施例1と同様の結果を得た。
【0035】実施例8 実施例7の酢酸マグネシウムのかわりに、酢酸マンガン
(II)4水塩を0.058部用いた。実施例1と同様の
製膜ができ、写真フィルム用としての品質も問題無かっ
た。また実施例7と同様に、特性値を測定し、結果を表
3に示した。
【0036】
【表3】
【0037】実施例9 実施例7のリン酸の代わりに、トリフェニルフォスフェ
イトを0.073部添加した。実施例7と同様の製膜が
でき、写真フィルム用としての品質も問題無かった。ま
た実施例7と同様に、特性値も測定し、結果を表3に示
した。
【0038】比較例7 実施例7と、1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オ
クタンを添加しなかったこと以外、同様の操作を行なっ
た。重縮合反応には、約4.5時間を要した。得られた
ポリエステルは、IV=0.63であった。ペレットの
b値は3.6で実施例1とほど同等であったが、軟化点
は266℃で、実施例7に比べ明らかに低めで、写真フ
ィルム用としては、強度が不足し不適であった。溶融押
出機の印加電圧は、5kVで効果が見られ、得られたフ
ィルムの平面性は優れていた。また実施例7と同様に、
特性値を測定し、結果を表3に示した。
【0039】比較例8 実施例7と、酢酸マグネシウムを添加しなかったこと以
外、同様の操作を行なった。ペレットのb値は3.2
で、実施例7に比べ黄色味は弱かった。このペレットを
用い実施例7と同様の条件で製膜したが、静電密着が悪
く、畳の目状の凹凸のあるシートとなり、延伸処理をし
てもその凹凸が残った平面性の悪いフィルムしか得られ
ず、写真用としては使用できなかった。また実施例7と
同様に、特性値を測定し、結果を表3に示した。
【0040】比較例9 実施例7の、1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オ
クタンのかわりに、テトラエチルアンモニウムヒドロキ
サイドを添加した。実施例7と同様の製膜条件で製膜し
たが、異物が多く写真用フィルムとしては不適であっ
た。また実施例7と同様に、特性値を測定し、結果を表
3に示した。
【0041】
【発明の効果】本発明の触媒を使用することにより、微
小な異物が少なく、高軟化点で着色度も低くかつ溶融製
膜時の静電密着性に優れたポリエチレンナフタレートを
製造する方法を提供した。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表わされるナフタレ
    ンジカルボン酸を主とするナフタレンジカルボン酸とエ
    チレングリコールを主とするグリコールとを直接反応さ
    せてポリエチレンナフタレートの低重合体をつくり、該
    ポリエステルの低重合体を重縮合触媒の存在下重縮合せ
    しめてポリエチレンナフタレートを製造するに際し、グ
    リコール可溶性マグネシウム化合物、グリコール可溶性
    マンガン化合物またはグリコール可溶性亜鉛化合物と下
    記(1) 、(2) 又は(3) のいずれかのアミンとリン化合物
    とを共存させることを特徴とするポリエチレンナフタレ
    ートの製造方法。 一般式(I) 【化1】 (1) イミダゾール又はイミダゾール誘導体 (2) ジアザビシクロウンデセン−7 (3) ジアザビシクロオクタン
  2. 【請求項2】 ナフタレンジカルボン酸が2,6−ナフ
    タレンジカルボン酸であることを特徴とする請求項1に
    記載のポリエチレンナフタレートの製造方法。
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