JPH0457692B2 - - Google Patents

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JPH0457692B2
JPH0457692B2 JP57126077A JP12607782A JPH0457692B2 JP H0457692 B2 JPH0457692 B2 JP H0457692B2 JP 57126077 A JP57126077 A JP 57126077A JP 12607782 A JP12607782 A JP 12607782A JP H0457692 B2 JPH0457692 B2 JP H0457692B2
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JP
Japan
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polyester
added
polymer
intrinsic viscosity
reaction
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JP57126077A
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JPS5915428A (ja
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Tomoaki Ueda
Tooru Morita
Hidesada Okasaka
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
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Publication of JPS5915428A publication Critical patent/JPS5915428A/ja
Publication of JPH0457692B2 publication Critical patent/JPH0457692B2/ja
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  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、フイルム、延伸成形用ボトルを得る
ために有用な曇りがなく、透明で、かつ軟化点の
高い高重合度ポリエステルの製造方法に関するも
のである。 ポリエチレンテレフタレートに代表される飽和
線状ポリエステルは、優れた力学特性、耐熱性、
耐候性、耐電気絶縁性、耐薬品性を有するため、
フイルム、繊維、その他の成形品として広く使用
されている。 これらのポリエステルを、例えば写真用の2軸
延伸フイルムに適用する場合、フイルムに曇りが
なく、透明であることが被写体の鮮明な映像を得
るための必須要件となる。 一方、磁気テープ、コンデンサー用などの2軸
延伸フイルムに適用する場合には、要求特性の高
度化、特に磁気テープ用途においては記録密度の
高度化に伴ないテープ表面の平滑性が要求され、
このためポリエステル中に粒子などが存在しない
ものが要求されてきている。 また、ポリエステルを最終コールドパリソン射
出成形により円筒状成形物となし、その後、ガラ
ス転移温度以上140℃の範囲に加熱し、延伸ブロ
ー成形することによりボトルを成形するが、これ
を清涼飲料などの容器に適用するには、その商品
価値を低減させることなしに製品とするために、
既存のガラス製瓶に匹敵する透明性を具備させる
必要がある。 しかしながら、ポリエステルの製造は、通常、
芳香族ジカルボン酸とグリコールとからエステル
化反応を、または芳香族ジカルボン酸のエステル
誘導体とグリコールとからエステル交換反応を行
ない、芳香族ジカルボン酸のビスグリコールエス
テルおよび/またはその低重合体を得る第1工程
と、得られた前記化合物を高温減圧化で重縮合せ
しめる第2工程とからなつているが、通常、前記
第1、第2の工程においてそれぞれ適当な触媒が
使用され、これらは最終製品中で濁りの原因にな
ることが知られている。 これらの対策として、ポリマ中で不溶物を形成
しない触媒を使用して重合することが提案されて
いる。 例えば、特公昭47−15703号、同47−16193号、
同47−42756号公報などではゲルマニウム化合物
が、特開昭48−31293号、同52−33996号公報では
チタン化合物の使用が、特開昭54−11951号公報
ではMn化合物、特公昭45−38836号、特開昭54
−161696号公報ではマゲネシウム化合物の使用が
開示されている。 しかるに、ゲルマニウム化合物を使用する場合
には、重合反応中での副反応が大きくなるため、
得られるポリマの軟化点が低下し、その機械的強
度が低下するほか、特に2軸延伸フイルムを製造
する場合には、ロールへのフイルムの粘着などの
問題が発生し、製膜生産性が低下するなどの欠点
を有している。 また、チタン化合物やマンガン化合物を使用す
る場合には、ポリマの色調が悪化し、またポリマ
中にチタン化合物やマンガン化合物に起因する粒
子が発生し、透明性が低下するという問題があ
る。 さらに、マグネシウム化合物を使用する場合に
は、ポリマの色調が悪化し、さらに分解反応によ
りポリマのカルボキシル基が増加して、耐熱性が
低下するという問題があつた。 一方、特公昭32−6897号、同33−3748号、同36
−10847号、同55−24457号公報などで、ポリマの
色調を改善するため着色防止剤としてリン化合物
を添加すること、およびポリマ中の残存触媒に起
因する不溶性粒子を可溶化せしめて最終ポリエス
テルを透明化させるためリン化合物を添加するこ
とが提案されている。 しかしながら、これらのリン化合物の添加は、
チタン化合物、マンガン化合物やマグネシウム化
合物を使用する場合には、これらの触媒を不活性
化させることも周知であり、またリン化合物の添
加量を増大した場合、ジエチレングリコールが副
生するなど好ましくない。さらに、ポリマの軟化
点が低下し、製膜工程の膜破れ、ロールへの粘着
などの問題が生じる。 さらに、リン化合物の影響を比較的受けにくい
重合触媒であるアンチモン化合物を使用する場合
では、リン化合物を増量し、透明性を付与したと
してもその透明性は不十分であつた。 また、重合触媒としてアンチモン化合物を使用
する際、通常使用される量は、ポリマに対しアン
チモン元素として200ppm(1.64モル/106g)程
度以上である。透明性を向上する目的でアンチモ
ン化合物の使用量を200ppm以下に減少させても、
もはや透明性の向上効果はほとんど認められず、
かつその透明性は不十分なものであつた。さら
に、アンチモン化合物の使用量を減少させた場合
には、重合反応性が低下し、生産性が著しく低下
するという欠点を有しており、工業的に採用する
ことは不可能であつた。 一方、ジエチレングリコールなどの副生を抑制
し、得られるポリマの軟化点の低下を抑制するた
めに、アルカリ金属化合物を添加する方法も知ら
れている。 しかしながら、アルカリ金属化合物の添加は、
例えば特開昭50−143894号公報などで開示されて
いるごとく、微細粒子が発生し、透明性が損われ
ることも知られている。 また、特開昭55−84322号公報には、特定量の
マグネシウム化合物、アルカリ金属化合物および
リン化合物を添加し、ポリマの透明性や軟化点を
改良したポリエチレンテレフタレートを得る方法
が開示されているが、かかる方法でも本発明で目
的としている曇りのないポリエステルを得ること
ができない。 本発明者らは、上記した従来技術の欠点を排除
し、軟化点、耐熱性が良好で高透明性を有するポ
リマを生産性よく製造する方法について鋭意検討
した結果、グリコール可溶性のマグネシウムおよ
び/またはマンガン化合物、グリコール可溶性の
アルカリ金属化合物、リン化合およびアンチモン
化合物を特定の割合で、しかも特定の条件で使用
すれば重合反応速度を維持し、かつ実質的にポリ
マ中に不溶性の粒子が含有しない極めて透明性に
優れ、軟化点および耐熱性が良好なポリエステル
を得ることができことを見い出し、本発明に到達
した。 すなわち、本発明の目的は、実質的にポリマに
不溶性の粒子を含有しないか、または含有量の極
めて少ない透明性に優れたポリエステル提供する
ことにある。 本発明の別の目的は、軟化点および耐熱性の良
好な曇りのないポリエステルを提供することにあ
る。 また本発明の別の目的は、重合生産性よく曇り
のないポリエステルを製造する方法を提供するこ
とにある。 また本発明の別の目的は、製膜生産性に優れた
写真用、磁気テープ用などのフイルム原料を提供
することにある。さらに本発明の別の目的は、曇
りがなく透明なボトルなどの成形用途に好適なポ
リエステルィ原料を提供することにある。 すなわち、本発明は、芳香族ジカルボン酸およ
び/またはそのエステル形成性誘導体とグリコー
ルとからポリエステルを製造するに際し、固有粘
度が0.2に到達する以前の段階で一般式〔〕、
〔〕および〔〕を満足する(a)グリコール可溶
性のマグネシウムおよび/またはマンガン化合物
と(b)グリコール可溶性のアルカリ金属化合物、な
らびにエステル交換反応またはエステル化反応が
実質的に終了後でかつ固有粘度が0.2に到達する
以前の段階で一般式〔〕を満足する(c)亜リン
酸、リン酸および/またはそれらのエステルより
選ばれた少なくとも1種のリン化合物とを添加
し、さらに該(c)リン化合物を添加した後10分以上
経過した後、固有粘度が0.3に到達する以前の段
階で一般式〔〕を満足する(d)アンチモン化合物
を添加した後、重縮合反応を完結させることを特
徴とする曇りのないポリエステルの製造方法であ
る。 1≦M≦10.0 〔〕 0.01≦A/M≦0.5 〔〕 0.8≦(M+1/2A)/P≦5.0 〔〕 0<S≦1.4 〔〕 〔式中、Mはマングネシウムおよび/またはマン
ガン化合物のポリエステル106g当りの総モル数、
Aはアルカリ金属化合物のポリエステル106g当
りのモル数、Pは亜リン酸、リン酸および/また
はそれらのエステルから選ばれた少なくとも1種
以上のリン化合物のポリエステル106g当りの総
モル数、Sはアンチモン化合物のポリエステル
106g当りのモル数を示す。〕 ここで、固有粘度は、o−クロロフエノールを
溶媒として25℃で測定した値である。 本発明で使用する芳香族ジカルボン酸およびそ
のエステル形成性誘導体としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、p,p′−ビ安息香酸、ナフタ
リンジカルボン酸などのジカルボン酸およびそれ
らの低級アルキルエステル、酸塩化合物などを挙
げることができ、中でもテレフタル酸、ナフタリ
ン2,6−ジカルボン酸およびその誘導体が好ま
しく、入手の容易さからテレフタル酸およびジメ
チルテレフタレートが好ましい。 本発明でいうグリコールとは、低級アルキレン
グリコール、シクロヘキサンジメタノール、キシ
レングリコールなどを挙げることができ、中でも
エチレングリコール、ブタンジオールが好まし
い。 上記の芳香族ジカルボン酸およびそのエステル
形成性誘導体ならびにグリコールはいずれについ
ても1種または2種以上が用いられる。本発明の
効果を損なわない限り、これらの一部を他の成分
で置き換えてもよく、例えば、芳香族ジカルボン
酸およびそのエステル形成性誘導体の一部をセバ
シン酸、アジピン酸などおよびそれらのエステル
形成性誘導体で置き換えることができる。 しかし、共重合体の場合、フイルム、繊維また
はボトルなどの成形という面からみて、共重合す
る成分は基体となる成分の20モル%以下程度にと
どめておくことが好ましい。 本発明で使用するグリコール可溶性マグネシウ
ム、マンガンの化合物としては、マグネシウムあ
るいはマンガンの酢酸塩、シユウ酸塩、安息香酸
塩などの有機酸塩、ハロゲン化物、水酸化物など
が挙げられ、具体的には酢酸マグネシウム、酢酸
マンガン、シユウ酸マグネシウム、シユウ酸マン
ガン、塩化マグネシウム、塩化マンガン、臭化マ
グネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化マンガ
ンなどを挙げることができる。これらの中でも特
にマグネシウム化合物が透明性および重合性の面
から好ましい。 また、本発明で使用するマグネシウム、マンガ
ンの化合物の使用量は、最終的に得られるポリエ
ステル106gに対して1モル以上、10モル以下、
さらに好ましくは1.2モル以上5モル以下である。
マグネシウム、マンガン化合物が1モルより少な
い場合には、重合反応速度が小さくなり、重合生
産性が低下するほか、ポリマの重合度を成型し得
る範囲にまで高くするために長時間の反応時間が
必要となり、得られるポリマが着色して好ましく
ない。また10モル以上になると、重合速度は改良
されるものの、得られるポリマが着色し、また溶
融成形する際に着色したり、固有粘度が低下し好
ましくない。 本発明で使用うするグリコール可溶性アルカリ
金属化合物として、アルカリ金属化合物の水素化
物、水酸化物、塩化物や臭化物などのハロゲン化
合物、酢酸塩やプロピオン酸塩などの脂肪族カル
ボン酸塩、メチラート、エチラートやエチレング
リコラートなどのアルコラート、エチルやブチル
などのアルキル化物を挙げることができる。 具体的には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、塩化リチウム、臭化ナトリ
ウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリ
ウム、プロピオン酸リチウム、リチウムメチラー
ト、ナトリウムエチラート、カリウムグリコラー
ト、ブチルリチウムなどを挙げることができ、こ
れらの1種以上を併用してもかまわない。 本発明で使用するグリコール可溶性のアルカリ
金属化合物(A)は、グリコール可溶性のマグネシウ
ムおよび/またはマンガン化合物(M)に対し
0.01≦A/M≦0.5である。 〔式中、Mはマングネシウムおよび/またはマン
ガン化合物のポリエステル106g当りの総モル数、
Aはアルカリ金属化合物のポリエステル106g当
りのモル数を示す。〕 より好ましくは0.02≦A/M≦0.4であり、最
も好ましくは0.04≦A/M≦0.2である。 金属化合物のモル比A/Mが0.01より小さい場
合には、透明性の向上効果が少なく、重合速度も
小さい上、得られるポリマの軟化点が低くなるな
どの問題が生じる。また、金属化合物のモル比
A/Mが0.5より大きい場合には、透明性の改良
効果はなく、むしろ透明性が悪化する。 また、本発明で使用するリン化合物としては、
リン酸、リン酸トリエステル、酸性リン酸エステ
ルなどのリン酸エステル、亜リン酸、亜リン酸エ
ステルなどを挙げることができる。 これらリン化合物の使用量は、グリコール可溶
性の金属化合物に対し、0.8≦(M+1/2A)/P
≦0.5である。 〔式中、Mはマングネシウムおよび/またはマン
ガン化合物のポリエステル106g当りの総モル数、
Aはアルカリ金属化合物のポリエステル106g当
りのモル数、Pはリン化合物のポリエステル106
g当りの総モル数を示す。〕 より好ましくは、1.0≦(M+1/2A)/P≦0.4で
ある。 リン化合物が(M+1/2A)/Pで0.8より小さ
い範囲にある場合には、重合速度が低くなり、ま
た軟化点が低下するなどの問題が生じる。一方、
5.0より大きく範囲にある場合には、得られるポ
リマが着色したり、耐熱性が低下するなどの問題
が生じる。 さらに、本発明で使用するアンチモン化合物と
しては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、
酒石酸アンチモンカリ、オキシ塩化アンチモン、
トリフエニルアンチモンなどを用いることがで
き、グリコールに可溶なアンチモン化合物がより
好ましい。 アンチモン化合物の使用量は、ポリエステル
106g当り1.4モル以下、より好ましくは1.0モル以
下、最も好ましくは0.7モル以下である。アンチ
モン化合物の使用量が1.4モルより多くなると、
得られるポリエステル中に濁りが発生し好ましく
ない。 マグネシウムおよび/またはマンガン化合物お
よびアルカリ金属化合物の添加時期は、反応系の
固有粘度が0.2に到達するまでの間である。 エステル交換法では、エステル交換反応開始前
に金属化合物を添加すればエステル交換反応触媒
として利用することができ好適である。 また、エステル化反応法では、エステル化反応
が実質的に終了し、反応率が80%以上、好ましく
は90%以上になつた時点から固有粘度が0.2に達
するまでの間に添加すると透明性の点で好まし
い。 一方、リン化合物は、エステル交換反応または
エステル化反応が実質的に終了した後、固有粘度
が0.2に到達するまでの時期に添加される。 また、アンチモン化合物は、透明性の向上のた
め、リン化合物を添加後10分以上経過した後添加
されるが、固有粘度が0.3に到達する以前の任意
の時期に添加する。添加時の反応系の雰囲気は、
重縮合反応を開始する以前の大気圧下であつても
よいし、重縮合反応を開始した後の減圧下であつ
てもよい。 リン化合物とアンチモン化合物の添加間隔(以
下、単に添加間隔という)が10分未満であつた
り、固有粘度が0.3.を超えた段階でアチモン化合
物を添加すると、透明性の改良効果が不十分であ
る。 本発明は、特定な条件のもとに規定量のマゲネ
シウムおよび/またはマンガン化合物、規定量の
アルカリ金属化合物、規定量のリン化合物および
アンチモン化合物を併用すれば、極めて透明性に
優れたポリエステルを生産性よく製造することが
できる。 なお、本発明の目的は、極めて透明性に優れた
ポリエステルを製造する方法にあるが、他の目的
に応じて染料、顔料、核剤、その他の添加物を添
加することは何ら差しつかえない。 本発明の方法で得られたポリエステルは、曇り
がなく透明で、かつ軟化点、耐熱性に優れたもの
であり、特に写真用フイルムや磁気テープなどの
フイルムおよび延伸成形ボトルなどの成形品を得
るために極めて有用である。 次に実施例を挙げて本発明を詳述する。 なお、実施例中において、各化合物を添加する
際の反応系の雰囲気は、実施例7の三酸化アンチ
モンを添加するときを除き、大気圧下である。ま
た各化合物添加時の温度は、実施例中において
( )内に示した。 さらに、実施例中の部とは重量部であり、また
各特性の測定法は次のとおりである。 [固有粘度] o−クロロフエノールを溶媒として25℃で測定
した。 [軟化点] ペネロメータで測定した。 [溶液ヘイズ] チツプをo−クロロフエノールに溶解して0.2
g/mlの溶液とし、ASTM−D−1003−52によ
り測定した。 [色調] 直読式色差計(スガ試験機社)を用いチツプ状
で測定し、L値、b値をハンター値で示した。 [耐熱性] ポリエステルを300℃にて窒素ガス置換下で溶
融し、溶融開始後8分および68分時点の固有粘
度、溶融開始後8分および23分時点のb値を測定
し、次式で表わす。ΔIV、Δb値が小さいほど耐
熱性は優れている。 ΔIV =(8分時の固有粘度)−(68分時の固有粘度) Δb=(23分時のb値)−(8分時のb値) [ポリマ中粒子数] ポリマ20mgを2枚のカバーグラス間にはさみ、
280℃で溶融プレスし、急冷した後、イメジアナ
ライザー〔Luzex500(日本レギユレータ(株)製)〕
を用いて、暗視野法によりポリマ1mg当りに存在
する0.5μφ以上の粒子数をカウントする。粒子数
1000コ/mg以下が特に好ましい。 [重合時間] 重縮合反応において、昇温および減圧を開始し
た時から、重縮合反応が終了し、重縮合缶内を常
圧にもどすまでの時間を重合時間とする。 ただし、実施例7の場合は、三酸化アンチモン
を添加した時から重縮合缶内を常圧にもどすまで
の時間を重合時間とする。 実施例 1 テレフタル酸ジメチル100部とエチレングリコ
ール70部に、酢酸マグネシウム0.06部(M=
2.77)、酢酸リチウム0.002部(A=0.196)を添加
した後、140〜230℃まで3.5時間を要して昇温し、
エステル交換反応を行なつた。次いで、得られた
生成物にリン酸トリメチル0.015部(P=1.07)
を添加し(230℃)、10分後、三酸化アンチモン
0.010部(S=0.686)を添加した(230℃)。三酸
化アンチモンを添加するときの固有粘度は0.06で
あつた。 次いで、該反応混合物を重縮合反応缶へ移行
し、240℃から290℃まで1時間を要して昇温し
た。昇温を開始すると同時に減圧を開始し、減圧
を開始してから45分後に10mmHgにした。さらに
減圧を続け、3時間の重縮合反応を行なつた。最
終的な減圧度は0.5mmHgであつた。得られたポリ
エステルの固有粘度は0.640であつた。 生成ポリエステルの特性値は、軟化点260.2℃、
溶液ヘイズ0.5%、L値56.6、b値2.5、ポリマ中
粒子数500コ/mgで、色調、透明性とも良好であ
つた。また、ΔIV0.121、Δb値0.5で耐熱性も良好
である。 比較実施例 1 実施例1において、酢酸リチウムと三酸化アン
チモンを添加しない以外は、実施例1と全く同様
にしてエステル交換反応重縮合反応を行なつた。
結果を表1に示す。 3時間の反応後でも固有粘度は0.462しかなく、
重合速度が小さい。また、得られたポリマの軟化
点は257.5℃で低い。 比較実施例 2 リン酸トリメチルを添加しない以外は、比較実
施例1と全く同様にして重縮合反応を行なつた。
結果を表1に示す。 得られたポリマの固有粘度は0.650で重合速度
は大きいが、b値が8.0と高く着色が激しい。ま
た、ΔIV値0.213、Δb値4.0で耐熱性も不良であつ
た。
【表】 実施例 2 エステル化反応缶に、245〜250℃で溶融貯留し
たエチレングリコール/テレフタル酸モル比1.15
のビス−(β−ヒドロキシエチル)テレフタレー
トおよびその低重合体にテレフタル酸86.5部、エ
チレングリコール37.1部(モル比1.15)を混練し
て得たスラリーを該温度で3.5時間を要して連続
的にポンプで供給してエステル化反応を行ない、
生成する水は精留塔頂から留出させた。スラリー
供給が終了した後、さらに1.5時間エステル化反
応を続け、エステル化反応を完結させた。この間
に反応温度を255℃まで昇温させた。酸価および
けん化価から求めた反応率は99.2%であつた。 次いで、得られた反応混合物105部(ポリエス
テル100部相当)を重縮合反応缶に移行し、リン
酸を0.01部(P=1.02)添加した(256℃)。5分
後に酢酸マグネシウム0.04部(M=1.86)および
酢酸リチウム0.003部(A=0.294)を添加し
(255℃)、さらに5分後、三酸化アンチモン0.005
部(S=0.343)を添加した(254℃)。三酸化ア
ンチモンを添加するときの固有粘度は0.09であつ
た。その後、減圧開始時の温度を255℃とした以
外は、実施例1と全く同様にして反応系を減圧昇
温し、3時間の重縮合反応を行なつて固有粘度
0.653のポリエステルを得た。 生成ポリエステルの特性値は、軟化点259.8℃、
溶液ヘイズ0.3%、L値56.9、b値2.6、ポリマ中
粒子数100コ/mgで、色調、透明性とも良好であ
つた。また、ΔIV値0.102、Δb値1.0で耐熱性も良
好であつた。 比較実施例 3 添加する三酸化アンチモン量を0.025部(S=
1.72)とする以外は、実施例2と全く同様にして
エステル化反応および重縮合反応を実施した。三
酸化アンチモンを添加したときの固有粘度は0.09
であつた。結果は表2に示す。 得られたポリマの固有粘度は0.721で重合速度
は大きいが、溶液ヘイズが3.2%と高く、またポ
リマ中の粒子数も19500コ/mgで透明性が不良で
あつた。 比較実施例 4 実施例2で酢酸マグネシウムおよび酢酸リチウ
ムを添加しないほかは、実施例2と全く同様にエ
ステル化反応および重縮合反応を実施した。三酸
化アンチモンを添加したときの固有粘度は0.09で
あつた。結果を表2に示す。 得られたポリマの固有粘度は0.458で重合反応
性が不良である。また、溶液ヘイズは1.0%、ポ
リマ中粒子数は2400コ/mgで透明性も不良であ
る。 比較実施例 5 実施例2において、酢酸マグネシウム0.32部
(M=14.9)、酢酸リチウム0.016(A=1.57)、リン
酸0.04(P=4.10)に変更したほかは、実施例2
と全く同様にしてポリマを得た。三酸化アンチモ
ンを添加したときの固有粘度は0.08であつた。結
果を表2に示す。Mが本発明の範囲を超えると耐
熱性が不良であつた。 比較実施例 6、7 実施例2において、三酸化アンチモンに代えて
二酸化ゲルマニウムまたはテトラヒドロキシエチ
ルチタネートを使用した以外は、実施例2と全く
同様にしてポリマを得た。二酸化ゲルマニウムま
たはテトラヒドロキシエチルチタネートを添加し
ときの固有粘度は0.09であつた。二酸化ゲルマニ
ウムは、透明性は優れているものの軟化点が低
い。一方、テトラヒドロキシエチルチタネートは
粒子数の多いポリエステルであつた。
【表】 実施例3、4、比較実施例8、9 実施例1において、添加する酢酸リチウムの量
を変更する以外は、実施例1と全く同様にしてエ
ステル交換反応および重縮合反応を実施した。三
酸化アンチモンを添加したときの固有粘度は0.06
であつた。結果を表3に示す。この結果、A/M
値が本発明の範囲より大きくても小さくても透明
性が悪化することがわかる。
【表】 実施例 5 実施例1において、金属化合物を酢酸マンガン
0.06部(M=2.45)とし、添加するアルカリ金属
として水酸化ナトリウム0.001部(A/M=0.10)
とし、さらに添加するリン化合物をメチルアシツ
ドホスフエート(リン酸モノメチルエスステルと
リン酸ジメチルエステルの混合物)0.01部〔(M
+1/2A)/P=3.07〕に変更する以外は、実施
例1と全く同様にしてエステル交換反応および重
縮合反応を実施し、固有粘度0.646のポリマを得
た。三酸化アンチモンを添加したときの固有粘度
は0.06であつた。 ポリマの特性値は、軟化点260.2℃、溶液ヘイ
ズ0.9%、L値54.6、b値3.2、ポリマ中粒子数
1100コ/mgで、色調、透明性とも良好であつた。
また、ΔIV値0.136、Δb値1.9で耐熱性も良好であ
つた。 実施例 6 2,6−ナフタリンジカルボン酸ジメチルエス
テル100部、エチレングリコール50部に、酢酸マ
グネシウム0.04部(M=1.86)および酢酸カリウ
ム0.002部(A/M=0.11)を添加し、180〜230
℃まで3.5時間を要してエステル交換反応を実施
した。 次いで、得られた生成物にリン酸トリフエニル
0.03部〔(M+1/2A)/P=2.13〕を添加し
(230℃)、10分後、三酸化アンチモン0.001部(S
=0.069)を添加した(230℃)。三酸化アンチモ
ンを添加したときの固有粘度は0.07であつた。引
き続き実施例1と同様にして3時間重縮合反応を
行ない、固有粘度0.75のポリマを得た。 生成ポリエステルの特性値は、軟化点272.5℃、
溶液ヘイズ0.8%、L値57.5、b値1.5、ポリマ中
粒子数800コ/mgで、色調、透明性とも良好であ
つた。また、ΔIV値0.083、Δb値2.0で耐熱性も良
好であつた。 実施例 7 実施例2と全く同様にしてエステル化反応を完
結させた。反応率は98.7%であつた。 次いで、得われた反応混合物105部(ポリエス
テル100部相当)を重縮合反応缶に移し、酢酸マ
グネシウム0.04部(M=1.86)、塩化リチウム
0.001部(A/M=0.127)を添加した(255℃)。 次いで、5分後にリン酸0.01部〔(M+1/2
A)/P=1.94〕を添加し(255℃)後、反応系
を400mmHgに減圧し、20分後に固有粘度0.11の低
重合体を得た。減圧下の該低重合体に三酸化アン
チモン0.005部(S=0.345)を添加した(255℃)
後、さらに減圧、昇温を継続し、3.0時間重縮合
反応を行なつた。最終的な反応温度290℃、減圧
度0.5mmHgであつた。 生成ポリエステルの固有粘度0.648、軟化点
259.9、溶液ヘイズ0.3%、b値2.6、L値55.8、ポ
リマ中粒子数300コ/mgで、色調、透明性ともに
良好であつた。また、ΔIV値0.126、Δb値1.8で耐
熱性も良好であつた。 実施例8〜11、比較実施例10〜12 実施例2と同様にしてエステル化反応を完結さ
せた。得られた反応混合物105部(ポリエステル
100部相当)を重縮合缶に移し、トリメチルホス
フエートを0.015部(P=1.07)添加した(255
℃)。5分後に酢酸マグネシウム0.06部(M=
2.77)、酢酸リチウムを0.005部(A=0.49)を添
加した(254℃)。酢酸マグネシウム、酢酸リチウ
ム添加時の固有粘度は0.08であつた。引き続き、
反応系の固有粘度、添加時間を表4で示した条件
とした反応系に、三酸化アンチモンを0.01部(S
=0.685)を添加した(257℃)。引き続き、実施
例2と同様に重縮合反応を行ないポリエステルを
得た。条件と結果を表4に示した。 リン化合物と三酸化アンチモンの添加間隔が10
分未満の場合(比較実施例10、11)やアンチモン
化合物添加時の反応系の固有粘度が0.3を超えた
場合(比較実施例12)には、粒子数が多いポリエ
ステルになる。
【表】 比較実施例 13 実施例2と全く同様にしてエステル化反応を完
結させた。次いで、得られた反応混合105部(ポ
リエステル100部相当)を重縮合反応缶に移行し、
酢酸マグネシウム0.081部(M=3.81)を添加し
(256℃)、5分後にトリメチルホスフエート0.036
部(P=2.57)を添加し(255℃)、その5分後、
固有粘度が0.09時に三酸化アンチモン0.03部(S
=2.06)および酢酸リチウム0.008部(A=0.78)
を添加した(254℃)。その後、実施例3と全く同
様にして重縮合反応を完結させた。 得られたポリマの固有粘度0.730、軟化点260.2
℃、溶液ヘイズ3.7%、L値42.5、b値3.0、ポリ
マ中粒子数28300で、透明性が不良であつた。
【特許請求の範囲】
1 下記一般式からなる繰り返し単位を有する数
平均分子量が1000〜2000の液晶重合体。 (式中、kは1〜30の整数であり、 R1
【式】
【式】
【式】または
【式】であり、 Xは−COO−または−OCO−であり、 R2は−COOR3、−OCOR3、または−OR3であ
り、

Claims (1)

  1. 〔式中、Mはマグネシウムおよび/またはマンガ
    ン化合物のポリエステル106g当りの総モル数、
    Aはアルカリ金属化合物のポリエステル106g当
    りのモル数、Pは亜リン酸、リン酸および/また
    はそれらのエステルから選ばれた少なくとも1種
    以上のリン化合物のポリエステル106g当りの総
    モル数、Sはアンチモン化合物のポリエステル
    106g当りのモル数を示す。〕 ここで、固有粘度は、o−クロロフエノールを
    溶媒として25℃で測定した値である。
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JPS5584322A (en) * 1978-12-21 1980-06-25 Toray Ind Inc Preparation of polyester

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