JPH0615592Y2 - 便座又は便蓋の開閉機構 - Google Patents

便座又は便蓋の開閉機構

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JPH0615592Y2
JPH0615592Y2 JP1987188339U JP18833987U JPH0615592Y2 JP H0615592 Y2 JPH0615592 Y2 JP H0615592Y2 JP 1987188339 U JP1987188339 U JP 1987188339U JP 18833987 U JP18833987 U JP 18833987U JP H0615592 Y2 JPH0615592 Y2 JP H0615592Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、腰掛式水洗便器に設ける便座及び便蓋の開閉
機構に関する。
〔従来の技術〕
腰掛式の水洗便器には、便座のみ又は便座及び便蓋を開
閉自在に取り付けることが一般に行われている。これら
の便座及び便蓋は、その基端部をヒンジ機構によって便
器本体に連結するものが最も簡単な構造として採用され
ている。
このヒンジ機構は、便座及び便蓋の基端部をピン等の軸
によって便器本体のヒンジ部に連接したものである。そ
して、便座及び便蓋はこのピンに一体連結又は回転自在
とした構成を持ち、便器本体のヒンジ部に対して自由回
転する。
ところで、近来では、局部洗浄機能を持つ衛生洗浄装置
を便器本体に備えるものが一般に使用されるようになっ
た。この衛生洗浄装置は、便器本体の後部側上面に載っ
た状態で取り付けられ、便座及び便蓋の基端部が衛生洗
浄装置のケーシングに極めて近い位置にある。このた
め、特に衛生洗浄装置を備えた便器では、便座及び便蓋
のヒンジ用の軸をケーシングに連設する構造が採用され
るようになった。
〔考案が解決しようとする問題点〕
第11図は衛生洗浄装置のケーシングにヒンジ機構を接続
したものの概略図である。図において、便座又は便蓋の
基端部50に取り付けられたヒンジ軸51は、便器本体52に
設けた衛生洗浄装置のケーシング53を挿通してこのケー
シング53に支持されている。
また、便座及び便蓋を起立させた状態に維持するため、
従来から起立保持機構を備えたものが利用されている。
この起立保持機構は、基端部50の周面に突起を設けて便
器本体と弾性的に係合させるもの等が挙げられる。ま
た、図示のように、ヒンジ軸51の一端にカム54を取り付
け、このカム54の周面に当接する拘束体55をスプリング
56によって弾性支持することも一般に行われている。
このようなスプリング56によって付勢された拘束体55を
カム54の周面に当接させることにより、ヒンジ軸51が或
る一定角度に回転すると拘束体55がカム54の回転を規制
するように拘束できる。したがって、この拘束位置を便
座及び便蓋の起立位置に対応させれば、これらは起立姿
勢のまま保持される。
しかしながら、ケーシング53は閉じた空間であるため、
ヒンジ軸51を挿入した後にカム54を取り付ける組立て作
業は非常に煩雑となり、生産性の面で改良の余地が十分
にある。また、組立て作業のほか、カム54,拘束体55及
びスプリング56が占めるスペースも必要となり、ケーシ
ング53の内部容量を大きくする等の設計の自由度が規制
されてしまう。更に、カム54,拘束体55及びスプリング
56の単品を別部品として組み込むので、製品のコストの
上昇も避けられない。
そこで、本考案は、従来構造が持つ以上のような問題の
解消を目的とし、便座及び便蓋の起立保持を簡単な構成
で行える開閉機構を提供しようとするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本考案は、便座又は便蓋の少なくとも一方に対して閉じ
る動作に抵抗を与える抵抗機構をケーシングに内蔵した
開閉機構であって、該開閉機構は便座又は便蓋の基端に
設けた取付座を挿通する取付軸を挿入支持してなり、前
記取付軸はその周面の一部を凹ませて形成したカム部を
有し、前記取付軸の回転を拘束する拘束キャップを前記
カム部に位置に対応させて前記ケーシングに備え、前記
拘束キャップは前記カム部の周面に当接して弾性変形す
る拘束片を備え、該拘束片とカム部との係合によって前
記便座又は便蓋をそれぞれの起立姿勢に拘束可能とした
ことを特徴とする。
〔実施例〕
以下、図面に示す実施例により本考案の特徴を具体的に
説明する。
第1図は便座及び便蓋の基端部を連接した開閉機構の要
部を示す一部切欠平面図、第2図は第1図のI−I線矢
視図である。
本実施例では、第9図に示すように便器本体Aに洗浄機
能を持つ衛生洗浄装置Bを設け、そのケーシング内に開
閉機構を配置する場合について述べる。そして、第10図
に示すように、便座1及び便蓋2のそれぞれの左右を衛
生洗浄装置Bに連接した構造とする。すなわち、便座1
及び便蓋2のそれぞれの基端には、開閉機構Mに連接さ
れる取付座1a,2aが左右に一対形成され、これらの取付
座1a,2aと取付軸3とによって便座1及び便蓋2のそれ
ぞれが開閉機構Mに連接される。
取付軸3は、第3図(a)に示すように、先端を縮径させ
た合成樹脂製のロッドであり、軸線と直交する断面は、
第3図(b)(第3図(a)のII−II線矢視による断面)のよ
うに直線と曲線を持つほぼ長円状である。そして、軸線
方向の中心から先端側に偏った部分の周面に、断面中心
に対して点対称となるようなカム部3aを形成している。
この取付軸3が挿通する便座1及び便蓋2の取付座1a,
2aのそれぞれの挿通孔1a,2bの断面形状は、取付座1a,
2aの左右の配置によって第4図のように異なる。すなわ
ち、第4図(a),(b)を第10図における右側の取付座1a,
2aとしたとき、便座1の挿通孔1bは取付軸3の円弧面を
半径とする円形であり、便蓋2の挿通孔2bは取付軸3を
嵌着する長円形断面である。また、第4図(c)及び(d)は
左側の取付座1a,2aの場合であり、逆に便座1の挿通孔
1bが取付軸3を嵌着し、便蓋2の挿通孔2bは円形断面と
なっている。
このような挿通孔1b,2bの断面形状により、右側では、
取付軸3回りに便座1は自由回転し、便蓋2は取付軸3
と共に回転する。これに対し、左側では、便座1は取付
軸3と一体に回転し、便蓋2は取付軸3とは無関係に回
転する。
開閉機構Mは、衛生洗浄装置BのベースB-1に固定した
ケーシング4を主体として構成される。ベースB-1に
は、第5図(a)に示すように、ケーシング4に設けた固
定片4aを受ける支持ボスB-2を所定の位置に形成し、そ
の上端を固定片4aの孔4bに嵌合させている。また、支持
ボスB-2には、固定片4aの下面を受けて緩衝機能を果た
す弾性体のスリーブ5を介装している。そして、ケーシ
ング4はその固定片4aをビス4c及び座金4dによって支持
ボスB-2に固定される。
ケーシング4は、第5図(b)により明らかなように、環
状の内層壁6が形成された二重管構造を持つ。この内層
壁6の上下の2個所にはケーシング4の軸線方向に走る
スリット6aを切開し、ケーシング4の内側端壁の中央に
は円形縦断面の突部6bを軸線方向へ突き出している。
更に、ケーシング4の内部には、第1図に示すように、
取付軸3から伝達される便座1及び便蓋2の回動に対し
て抵抗を与える回転子7及び取付軸3を開閉機構Mに連
接するジョイント8が配置される。
回転子7は、便座1及び便蓋2が閉じるときに抵抗を与
えて緩やかな作動を設定可能な抵抗機構としての機能を
果たす。すなわち、回転子7は、ケーシング4の内周壁
及び内層壁6との間及び内層壁6の内周側を埋め込むよ
うな2層の壁を持つ二重管構造であり、内部中央には筒
状のリブ7aをケーシング4と同軸となるように形成して
いる。そして、ケーシング4及びジョイント8との間に
Oリング7bを設け、ケーシング4の内周壁及び内層壁6
の内外壁との間を外部と遮断し、内部にグリース等を封
入する。このグリースは、内層壁6の全体及びケーシン
グ4の内周壁と回転子7との間の広い面積に封入され、
グリースの粘性によってケーシング4に対する回転子7
の回転の抵抗として作用する。
ジョイント8は、その先端部が回転子7のリブ7aの内部
に挿入され、これらのジョイント8及び回転子7は互い
に自由回転可能である。そして、リブ7aの外径とジョイ
ント8の先端側の外径とは等しく形成され、リブ7aの端
部に接合する部分にはそれぞれ金属製のリング9a,9bを
一体化している。これらのリング9a,9bもリブ7aの外径
と同じとし、リブ7aの基端からジョイント8の中途部分
にはコイルスプリング10が嵌合され、このコイルコイル
スプリング10による接合をクラッチ機構として利用して
いる。
このコイルスプリング10は、第6図(a)に示すように左
巻(スプリングの軸線を中心として反時計方向に螺旋状
に巻回)としたものであり、これは第10図において左側
の開閉機構Mに組み込まれる。そして、コイルスプリン
グ10を構成する熱処理された鋼等の線材は、偏平断面を
持つものを使用する。また、第10図において、右側に位
置する開閉機構Mには、第6図(b)のように、右巻(ス
プリングの軸線を中心として時計方向に螺旋状に巻回)
のコイルスプリング10が組み込まれる。
これらのコイルスプリング10を開閉機構Mに備えること
により、便座1又は便蓋2及びこれら双方を立ち上げる
ときには、取付軸3の回転は回転子7に伝達されない。
つまり、第1図の左側の開閉機構Mの場合、取付軸3は
便座1及び便蓋2の中心側から見て時計方向へ回転し、
コイルスプリング10にはその巻方向と逆向きの作用力が
負荷される。その結果、コイルスプリング10はその内径
が広がるようになり、ジョイント8及び回転子7間の回
転力伝達がスリップし、取付軸3から回転子7への回転
は伝達されない。一方、第10図において右側に位置する
開閉機構Mの場合には、便座1及び便蓋2を開くときに
はその中央側から見て取付軸3は反時計方向へ回転す
る。そして、コイルスプリング10にはその巻方向と逆向
きの作用力が負荷されるので、同様に内径の拡大による
スリップを生じて回転の伝達が不可となる。
第7図(a)は第1図のIII−III線矢視によるジョイント
8の縦断面図である。
このジョイント8には、取付軸3の先端部を挿入する挿
入孔8aが軸線方向に形成される。この挿入孔8aは、ほぼ
長円形の断面を持つ取付軸3をその軸線回りに一定の角
度だけ自由に回動させることができる開口断面形状を持
つ。すなわち、取付軸3の円弧部分の形に等しい曲線部
8b及び中心部分が括れた一対の扇状の直線部8cを形成
し、第7図(b)及び(c)のように、取付軸3をその軸線回
りに或る一定角度の遊びを持たせることができる。した
がって、取付軸3がこの遊びに含まれる角度範囲を回転
しても、取付軸3の回転はジョイント8には伝達されな
い。そして、取付軸3の直線部が挿入孔8aの直線部8cに
当接する状態(第7図(b),(c))となると、取付軸3の
回転と一体となってジョイント8は回転する。
更に、ケーシング4の外部には、ジョイント8と同軸と
なるように取付軸3の拘束キャップ11を着脱自在に設け
ている。この拘束キャップ11は、合成樹脂を素材として
形成され、第1図及び第5図に示すように、ケーシング
4の周面に突き出した爪4eに係合するフック11aを備え
た環状体である。
拘束キャップ11の内部には、第8図(a)(第1図のIV−I
V線矢視による断面図)に示すように、取付軸3のカム
部3aの周面を拘束する一対の拘束片12を半径方向に対峙
させて形成している。これらの拘束片12は取付軸3が挿
通可能な内径を持ち、スリット13によって内壁から分離
した半島状である。そして、それぞれの拘束片12の先端
部には、中心方向へ向けて膨出する隆起部12aを形成
し、これによってカム部3aの周面を拘束して取付軸3の
回動を規制する。すなわち、第8図(a)における取付軸
3の姿勢は、便座1又は便蓋2を便器本体A側に閉じた
ときの姿勢であり、これらを開くときには取付軸3は時
計方向へ回転する。この場合カム部3aの周面には、第8
図(b)のようにその回転を拘束するものは何もないの
で、スムーズに回転する。しかし、カム3aの曲線部3cが
隆起部12aに当接すると、カム部3aの周面が隆起部12aに
係合しながら回転するので、拘束片12は外側へ弾性変形
する。そして、第8図(a)のように、曲線部3cがこの隆
起部12aを越えて直線部3bに当接すると、再び元の形状
に復元する。この状態では、取付軸3のカム部3aの直線
部3b部分が隆起部12aによって拘束されるので、この拘
束力以下の回転力では取付軸3は反時計方向へは回転で
きない。したがって、便座1又は便座1と便蓋2の双方
を立ち上げたときには、拘束片12の作用によって起立姿
勢を維持できる。
また、便座1のみ又は便座1及び便蓋2を閉じるときに
は、手で押す力によって取付軸3が強制的に回転させら
れ、拘束片12が外側へ変形させられるので、取付軸3の
回転が可能である。このため、人が便座1又は便蓋2を
軽く押し下げたときにこれらの自重によるモーメント等
も考慮して、拘束片12の弾性変形の大きさを設定するこ
とが必要である。
なお、取付軸3を拘束キャップ11からジョイント8内に
挿入したとき、第1図のように取付軸3のカム部3aが拘
束キャップ11の拘束片12に対応する位置にセットするこ
とは無論である。
以上の要素を含む開閉機構Mは、第10図において左側に
も配置される。この場合、便座1及び便蓋2の取付座1
a,2aの挿通孔1b,2bと取付軸3の関係は第4図(a),
(b)において説明したとおりである。ただし、便蓋2は
便器本体Aのタンクに立てかけた場合でも、自重によっ
て閉じる方向へ倒れかかることがないため、拘束機構を
必要とせず、したがって拘束キャップ11の内部には拘束
片12は組み込まれていない。そして、その他の機構は全
て右側の機構と同様である。
上記構成において、便蓋2のみを起立させる場合、第4
図(b)のように右側の取付座2aの挿通孔2bと取付軸3と
は嵌合状態にあり、一方、左側においては遊嵌状である
ため、右側の開閉機構Mの取付軸3が便蓋2と一体に回
転する。つまり、便蓋2のみの開閉においては、右側の
開閉機構Mのみが作動に関係し、左側の開閉機構Mに連
接されている取付軸3に対しては便蓋2は自由回転す
る。
一方、便座1が閉じた状態から起立させるまでの取付軸
3は、第7図及び第8図に示すように回転する。これら
の図において、それぞれの(a)に示すものは便座1が閉
じている場合であり、取付軸3の直線部3bが鉛直となる
姿勢をとっている。
この閉じた状態から便座1を起立させると、取付軸3
は、第7図(a)及び第8図(a)において時計方向に回転す
る。このとき、取付軸3のカム部3a部分は拘束片12を押
し広げて回動を続け、ジョイント8に挿入された先端部
分は、第7図(b)のように姿勢を変える。すなわち、ジ
ョイント8の挿入孔8aは、長円形断面の取付軸3に対し
て遊びを与えているので、同第7図(b)のように取付軸
3の直線部3bが挿入孔8aの直線部8cに当接するまで、ジ
ョイント8には回転が伝達されない。したがって、便蓋
2を開き始めるときの負荷は、カム部3aが拘束片12を弾
性変形させながら回転するに必要なものだけで足ること
になり、軽快な取り扱いが可能となる。
次いで、更に便座1を立ち上げると、ジョイント8に回
転力が伝達され、ジョイント8が回動しようとする。一
方、左側の開閉機構Mのコイルスプリング10は、便座1
の中心側から見て反時計方向に巻回されている。したが
って、ジョイント8の回転方向は時計方向なので、ジョ
イント8が回転するとコイルスプリング10には巻方向と
逆の作用力が円周方向に負荷される。その結果、コイル
スプリング10の内径が大きくなり、ジョイント8及び回
転子7に対する嵌合度が低下し、両者間の回転力の伝達
が遮断される。
このように、コイルスプリング10の変形を利用すること
により、ジョイント8のケーシング4内で空転状態とな
り、取付軸3にはケーシング4と回転子7とによる抵抗
が負荷されない。したがって、便座1を開くときの抵抗
はなく、軽い操作で起立位置にセットできる。なお、右
側の開閉機構Mにおいては、第4図(a)に示すように、
取付軸3は取付座1aの挿通孔1b内で回転可能なため、便
座1の回動に際し自由回転する。
便座1が起立したときには、第8図(a)に示すように、
拘束キャップ11の拘束片12がカム部3aの直線部3bに当接
する。ここで、カム3aの軸芯を通る最大の直径の距離
を隆起部12a間の長さよりも大きい寸法関係としておけ
ば、拘束片12は外側へ弾性変形しその反作用によって取
付軸3の周面を押圧する。その結果、取付軸3は回転を
規制されて静止し、便座1はその起立位置に保持されて
自立可能となる。したがって、従来のように洗浄水タン
クに持たせ掛ける必要はなく、適切な起立角度の姿勢を
とるように静止させることができる。
次いで、便座1を閉じるときは、拘束片12による取付軸
3の拘束を解く程度の力で下方に押し下げる。このと
き、取付軸3は、第7図及び第8図において反時計方向
へ回転し、取付軸3のカム部3aは、第8図(a)から同図
(b)の状態に回転する。この取付軸3の回転において
は、拘束片12の隆起部12aをカム部3aの曲線部3cと直線
部3bとの間の角部分がクリアするときに拘束片12からの
最大反力を受ける。したがって、便座1を閉じるにはこ
の反力より大きな操作力が必要であるが、実際には手で
押し下げたときの便座1自体のモーメントによって、拘
束片12のクリアは円滑に行われる。
なお、起立点から或る一定の角度までは、ジョイント8
と取付軸3との間の遊びによって、ケーシング4及び回
転子7による抵抗を受けることのない速やかな作動を行
う。すなわち、第7図(d)の状態から(c)に移行する間、
ジョイント8内の挿入孔8aの形状によって便座1と共に
一体回転する取付軸3はこのジョイント8内で空転す
る。そして第7図(c)のように、取付軸3の直線部3bが
挿入孔8aの直線部8cに当接し時点で初めて取付け軸3か
らの回転がジョイント8に伝達される。このため、第7
図(c)に示す角度αの領域の間では、便蓋2は自然落下
と同様な運動をし、抵抗を受けない状態で速い回転速度
で閉じる方向へ回動する。そして更に、第7図(c)の状
態となった時点以降は、取付軸3によってジョイント8
が反時計方向へ回転する。このとき、回転子7との間に
配置したコイルスプリング10はその巻方向への作用力を
ジョイント8の周面から受ける。したがって、コイルス
プリング10はその内径が小さくなるように変形し、ジョ
イント8及び回転子7のそれぞれの嵌合部分を強く挟圧
し、ジョイント8から回転子7への回転力伝達が可能と
なる。そして、回転子7がケーシング4内で回動すると
き、封入したグリースの抵抗が作用する。その結果、便
座1は角度αの領域では早く回動するが、それ以降はこ
の抵抗によって速度が減衰した後ほぼ一定の定速とな
り、緩やかに便器本体Aの上面に載るようになる。
また、便座1及び便蓋2を共に起立させるときには、左
右の開閉機構Mの機能により前記と同様な作動が可能で
ある。便座1については、以上の説明と同様な挙動をす
ることは無論である。そして、便蓋2については、右側
の開閉機構Mによる閉じるときの緩衝動作を行う。
便蓋2は、第4図(b)の示すようにその取付座2aの挿通
孔2bに取付軸3が嵌合し、便座1はこの取付軸3に対し
て第4図(a)のように自由回転が可能である。このた
め、便蓋2の開閉に対してのみ右側の開閉機構Mが関与
し、その動作は便座1の場合で述べたものと全く同様で
ある。
〔考案の効果〕
本考案では、便座又は便蓋のそれぞれの基端部に設ける
取付軸の外周面に凹ませた形状のカム部を設け、このカ
ム部に対応して取付軸の回転を規制する拘束キャップを
抵抗機構を収納するケーシングに一体化し、カム部を拘
束キャップの拘束片に係合させることで、便座又は便蓋
をその起立姿勢に保持することができる。このため、取
付軸にその外径よりも大きなカムを設けたり、便座や便
蓋の基端の周面を拘束機構側に係合させたりする場合に
比べると、小型化が可能となる。また、拘束キャップは
取付軸への回転規制だけでなくケーシングの外郭の一部
として抵抗機構を収める部材も兼用するので、更に装置
全体の小型化が図られる。したがって、開閉機構のケー
シング自体もコンパクトとなり、たとえば衛生洗浄装置
の内部に組み込むものであっても、周辺機器とのレイア
ウトの干渉を無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す開閉機構の一部切欠平
面図、第2図は第1図のI−I線による矢視図、第3図
(a)は取付軸の正面図、第3図(b)は同第3図(a)のII−I
I線矢視断面図、第4図は取付軸と便座及び便蓋の取付
座を示す断面図、第5図(a)は開閉機構のケーシング据
付けを示す部分切欠図、第5図(b)はケーシングの切欠
平面図である。また、第6図はクラッチ機能を持つコイ
ルスプリングの斜視図、第7図は取付軸の回転によるジ
ョイントの挙動を示す断面図、第8図は取付軸と拘束キ
ャップの配置を示す断面図、第9図は便器本体に設けた
衛生洗浄装置に便座及び便蓋を連結した例を示す斜視
図、第10図は便座及び便蓋に対する開閉機構の配置を示
す平面図、第11図は従来の便座及び便蓋の起立姿勢保持
機構の概略を示すものである。 1……便座、1a……取付座 1b……挿通孔、2……便蓋 2a……取付座、2b……挿通孔 3……取付軸、3a……凹部 4……ケーシング、4a……固定片 5……スリーブ、6……内層壁 6a……スリット、7……回転子 8……ジョイント、8a……挿入孔 10……コイルスプリング、11……拘束キャップ 12……拘束片、13……スリット 20……カバー、A……便器本体 B……衛生洗浄装置、M……開閉機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 川元 正信 神奈川県横浜市戸塚区舞岡町184―1 株 式会社ニフコ内 (56)参考文献 実開 昭62−31491(JP,U) 実開 昭60−56396(JP,U)

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】便座又は便蓋の少なくとも一方に対して閉
    じる動作に抵抗を与える抵抗機構をケーシングに内蔵し
    た開閉機構であって、 該開閉機構は便座又は便蓋の基端に設けた取付座を挿通
    する取付軸を挿入支持してなり、前記取付軸はその周面
    の一部を凹ませて形成したカム部を有し、 前記取付軸の回転を拘束する拘束キャップを前記カム部
    に位置に対応させて前記ケーシングに備え、 前記拘束キャップは前記カム部の周面に当接して弾性変
    形する拘束片を備え、 該拘束片とカム部との係合によって前記便座又は便蓋を
    それぞれの起立姿勢に拘束可能とした ことを特徴とする便座又は便蓋の開閉機構。
JP1987188339U 1987-12-10 1987-12-10 便座又は便蓋の開閉機構 Expired - Lifetime JPH0615592Y2 (ja)

Priority Applications (1)

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JP1987188339U JPH0615592Y2 (ja) 1987-12-10 1987-12-10 便座又は便蓋の開閉機構

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JP1987188339U JPH0615592Y2 (ja) 1987-12-10 1987-12-10 便座又は便蓋の開閉機構

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JPH0190494U JPH0190494U (ja) 1989-06-14
JPH0615592Y2 true JPH0615592Y2 (ja) 1994-04-27

Family

ID=31479437

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JP1987188339U Expired - Lifetime JPH0615592Y2 (ja) 1987-12-10 1987-12-10 便座又は便蓋の開閉機構

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JP (1) JPH0615592Y2 (ja)

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JPS6056396U (ja) * 1983-09-27 1985-04-19 東陶機器株式会社 便座の倒れ防止装置
JPH0438799Y2 (ja) * 1985-08-09 1992-09-10

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JPH0190494U (ja) 1989-06-14

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