JPH088225Y2 - ヒンジ - Google Patents

ヒンジ

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JPH088225Y2
JPH088225Y2 JP1992084127U JP8412792U JPH088225Y2 JP H088225 Y2 JPH088225 Y2 JP H088225Y2 JP 1992084127 U JP1992084127 U JP 1992084127U JP 8412792 U JP8412792 U JP 8412792U JP H088225 Y2 JPH088225 Y2 JP H088225Y2
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hinge
rotary shaft
door
sphere
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正行 山田
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株式会社總武
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、コイルばねを用いたヒ
ンジに係り、特に、回転軸の摩擦抵抗を減少させ得るヒ
ンジ構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ドアを回動付勢する機能を備え
たヒンジとして、コイルばねを備えたものが知られてい
る。コイルばねを用いたこの種のヒンジは、コイルばね
を捻った反力でドアの回動付勢を行うものであるが、ド
アの回動に際し当該ドアの荷重をヒンジで支えるため、
ヒンジは通常、剛性の高い金属材で形成されている。コ
イルばねを用いたヒンジは、回転軸が支持体に支持され
るものであって、回転軸を回動付勢するコイルばねが外
部に露呈されているもの(蝶番)が多く知られている。
また、コイルばねを用いたヒンジにおいて、回転軸が支
持体内に収納され、その支持体内にコイルばねを装着し
たものとしては例えば実開平2ー77284号公報に記
載されたものがある。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】コイルばねを用いたヒ
ンジにおいて、回転軸が支持体内に収納されるとともに
その支持体内にコイルばねを装着したものは、上記公報
記載のヒンジのように、回転軸と支持体との間に内部装
着部材が介在しているので、ドアの回動に際して生じる
回転摩擦は、通常、回転軸と支持体との間に存在する内
部装着部材の面接触によって発生するものであり、した
がって、ドアがコイルばねに付勢されて回動する場合
は、その回転摩擦がコイルばねに対する大きな抵抗とな
るものである。
【0004】そのため、従来はかような摩擦抵抗を考慮
してばね定数の大きな、したがって比較的大型のコイル
ばねが用いられているので、この種の回転軸が支持体内
に収納されるとともにその支持体内にコイルばねを装着
したタイプのヒンジは、全体形状が大型化していたのが
実情である。
【0005】本考案は、上記の点に鑑みてなされたもの
で、回転軸の摩擦抵抗を減少させ得るヒンジ構造を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本考案は、回転軸と、この回転軸を回動可能に支持
する支持体と、前記回転軸の軸心の軸回りに配設された
回転軸回転付勢用のコイルばねと、を具備したヒンジに
おいて、前記支持体は、筒体と、この筒体の基端側を覆
うベースプレートとから構成され、前記ベースプレート
は、中央部に球体保持用の筒状の段部を備え、前記回転
軸は、端部に球体保持用の筒状の受け部を備え、前記ベ
ースプレートの前記段部と前記回転軸の前記受け部との
間には球体を装着して、該回転軸を回動自在に支持した
ヒンジを提案するものである。
【0007】
【作用】ドア等の回転体が、人手により回転させられる
と、これに伴ってヒンジの回転軸も回転し、回転軸の回
転に伴ってコイルばねが縮径又は拡径して、コイルばね
に逆向きの付勢力が蓄積される。したがって、回転体が
人手から開放されると、コイルばねに蓄積された付勢力
により、予め設定された静止位置に戻される。
【0008】回転軸の回転に際し、ドア等の回転体の荷
重は回転軸にもたらされるが、回転軸とベースプレート
との間には球体が配置されているので、この球体がいわ
ばベアリング作用をなして摩擦抵抗を減少する。すなわ
ち、ベースプレートの球体保持用の段部と、回転軸の球
体受け部は、これらの間に球体が介在しているので、回
転軸の軸心方向及び軸周り方向の摩擦抵抗がベアリング
作用により減少せしめられ、これによりコイルばねに対
する抵抗も減少することとなる。また、前記球体保持用
の段部はベースプレートの中央部に備えられているとと
もに、前記球体保持用の受け部は回転軸の端部に備えら
れているので、球体は一つのみ用いられる構造であり、
しかも、その一つの球体で荷重を受ける構成である。従
って、従来のような複数のボールベアリングを用いるも
のに比べ構造を簡素化することができる。更に、本考案
のヒンジは、前述したように、ベースプレートの球体保
持用の段部と、回転軸の球体受け部とで球体を挟持する
ものであるため、いずれを上下に設置しても、つまり天
地がどちら側であっても、実施することができる。
【0009】
【実施例】以下に、本考案の第1実施例を図面に基づい
て説明する。図1は、本実施例のヒンジを示す縦断面図
であり、図1中、1はヒンジ、2は支持体、14は回転
軸、21はコイルばねを示している。
【0010】上記支持体2は、図2及び図3に示すよう
に、床面に固設されるベースプレート3と、図4及び図
5に示すように、ベースプレート3に垂直に取付けられ
る筒体4とから構成されている。ベースプレート3のフ
ランジ3aには床面取付け用の穴3bが設けられ、ベー
スプレート3には球体5を支持する段部6が設けられて
いる。また、ベースプレート3の上面にはコイルばね2
1の一端と係合する係合穴7が設けられている。更に、
筒体4の基端側(下端側)には周方向に複数のネジ穴8
が設けられており、ネジ9の螺着により筒体4の基端側
がベースプレート3に固設される。筒体4の先端(上
端)には開口10が設けられており、この開口10には
図6に示すフランジ付スリーブ軸受11が嵌着されてい
る。
【0011】上記回転軸14は、図7及び図8に示すよ
うに、中実に形成され、先端のドア取付け部15を除
き、支持体2の中に垂直に収容されている。回転軸14
の基端(下端)には前記球体5の受け部が、この例では
球体5に嵌合する段部16が、設けられており、回転軸
14の基端が球体5により、また回転軸14の先端側
(上端側)が上記筒体4に嵌合された軸受11により、
回動可能に支持体2に支持されている。さらに、回転軸
14のドア取付け部15には、ドアに設けられた受け部
に係合するためのスプライン15aが周方向に形成され
ており、ドアとともに回転軸14が回動できる構造とな
っている。また、回転軸14の先端側にはフランジ17
が一体に設けられており、このフランジ17は、上記筒
体4の内径よりも僅かに小さな径で筒体4内に位置する
ように円板状に一体に形成され、コイルばね21の他端
と係合する係合穴18が設けられている。
【0012】そして、図1に示すように、コイルばね2
1の一端がベースプレート3の係合穴7に係合され、こ
のコイルばね21の他端はフランジ17の係合穴18に
係合されている。したがって、回転軸14が時計方向
(右方向)に回転すると、コイルばね21が縮径する一
方、反対に、反時計方向に回転軸14が回転すると、コ
イルばね21が拡径して、それぞれ逆向きの付勢力が蓄
積される。このようにコイルばね21の直径が回転軸1
4の回動に伴って拡縮するため、上記筒体4と回転軸1
4との間の空間は、この空間に収設されるコイルばね2
1の外径よりも大きな寸法に形成されている。
【0013】尚、ドアの上部には、例えば図9ないし図
12に示すような上部金物28により支持されている。
上部金物28は、固定側すなわち鴨居や天井等に取付け
られる上板29及びストッパー30と、ドア上面に取付
けられる下板31とから構成されている。上板29及び
ストッパー30にはネジ取付け用の長穴29a,30a
が設けられ、下板31にもネジ取付け用の穴31aが設
けられている。また、上板29には支軸32が突設さ
れ、下板31には支軸32が挿通される挿通穴31bが
設けられ、この支軸32を中心にドアが回動できるよう
に支持されている。
【0014】次に、上記構成のヒンジ1の動作について
説明する。
【0015】ドアが、例えば時計方向に回転すると、こ
れに伴ってヒンジ1の回転軸14も時計方向に回転し、
回転軸14の回転に伴ってコイルばね21が縮径して、
コイルばね21に逆向きの付勢力が蓄積される。そし
て、ドアが人手から開放されると、コイルばねに蓄積さ
れた付勢力により予め設定された静止位置に戻される。
同様に反時計方向にドアが回転される場合は、コイルば
ね21が拡径して、コイルばね21に逆向きの付勢力が
蓄積される。そして、ドアが人手から開放されると、コ
イルばねに蓄積された付勢力により予め設定された静止
位置に戻される。
【0016】この回転軸14の回転に際し、ドア等の回
転体の荷重は回転軸にもたらされるが、回転軸14とベ
ースプレート3との間には球体5が配置されているの
で、この球体5がいわばベアリング作用をなして摩擦抵
抗を減少する。すなわち、ベースプレート3の球体保持
用の段部6と、回転軸14の球体受け部(段部16)
は、これらの間に球体5が介在しているので、回転軸1
4の軸心方向及び軸周り方向の摩擦抵抗がベアリング作
用により減少せしめられ、これによりコイルばね21に
対する抵抗も減少することとなる。なお、通常のボール
ベアリングの場合は回転軸の周りに多数の球体が配設さ
れているが、本考案の場合は一つの球体で事足りるので
極めて簡単且つ経済的である。
【0017】したがって、本実施例によれば、摩擦抵抗
が低減された構造下においてコイルばね21により回転
軸14を付勢しているので、確実に回転軸14を元の所
定位置に戻すことができる。また、本考案によれば、従
来の板ばねやトーションバーによるヒンジと同一のトル
クを得る場合でもヒンジ1の軸長を短くすることができ
る。ドアの回動範囲が90度内外の場合、現実的には垂
直方向の長さを約50mm以下にすることが可能とな
り、ドアと床面との隙間を60mm以下に設定すること
が要請される例えばトイレのドア等に適合させることが
できる。更に、従来のように軸長が長くないので、取付
け加工及び作業も簡単となり、とりわけドアに内蔵する
場合においてその加工及び取付け作業が容易となる。
【0018】図13は、本考案のヒンジ1を床面39に
取付けたものを示し、この実施例では、支持体2のベー
スプレート3が床面39に固設されている。ヒンジ1の
ドア取付け部15は、ドア35下端面に固着された受け
部42に係合されている。ドア35の上端部及び天井4
5には、上部金物28が取付けられ、これによりドア3
5の上部が回動可能に支持されている。上部金物28
は、天井45の笠木46に取付けられる上板29と、ド
ア35の上面に取付けられる下板31とを備え、上板2
9には支軸32が突設され、下板31には支軸32が挿
通される挿通穴31bが設けられている。そして、挿通
穴31b内に軸受47を介装して上記支軸32が挿入さ
れ、ドア35の上部が回動可能に支持されている。
【0019】したがって、本実施例では、ドア上部を支
持する支軸32が軸受47により支持され、ヒンジ1の
回転軸14の基端が球体5により支持されるとともに回
転軸14の上端が軸受11により支持されているので、
回転軸14の回動時の摩擦が極めて小さくなり、付勢手
段として一つのコイルばねを用いても確実に静止位置に
戻すことができる。
【0020】なお、上記実施例では、ヒンジを床面に取
付ける場合について説明したが、図14に示すように、
ドア35内にヒンジ1を取付け、床面39には受け部3
6を取付けるようにしてもよく、このようにしても同様
な効果を得ることができる。
【0021】本考案の第2実施例について説明する。上
述した実施例では、一つのコイルばねを用いた場合につ
いて説明したが、互いに逆向きに付勢する一組のコイル
ばねを用いることも可能である。そこで、本実施例で
は、図15に示すように、付勢手段を二つのコイルばね
により構成したものである。
【0022】すなわち、図15は本実施例のヒンジを示
す縦断面図であり、図15中、1はヒンジ、2は支持
体、14は回転軸、21,22は一組のコイルばねを示
している。
【0023】上記一組のコイルばね21,22は、図1
6及び図17に示すように、回転軸14の軸回りで互い
に逆向きに巻かれた同一の付勢力を有するばねにより構
成されている。これらのコイルばね21,22は、図1
5に示すように、上記筒体4と回転軸14との間の空間
内に回転軸14の軸回りに配設され、下側に第1のコイ
ルばね21が、上側に第2のコイルばね22が、軸心方
向に直列に設けられ、第1のコイルばね21と第2のコ
イルばね22との間には、クラッチ板24が設けられて
いる。このクラッチ24板は、図18に示すように、上
記筒体4と回転軸14との間の空間内に遊挿できるよう
に環状に形成されており、上記筒体4と回転軸14との
間の空間内において軸方向や周方向に移動することが可
能である。また、クラッチ板24には係合穴25,26
が周方向に180゜離れた位置に設けられている。
【0024】このようにクラッチ板24を設けた場合
は、このクラッチ板を設けない場合に生じ得るコイルば
ねの捻りによるぜん動(例えば不規則な傾斜状運動)を
阻止することが可能となる。もっとも、上述のように、
第1のコイルばね21と第2のコイルばね22との間に
クラッチ板24を設けて、コイルばね21,22を間接
的に連結する態様のほかにも、後述のように、コイルば
ね21,22を溶接等により直接連結するようにしても
よい。このコイルばね21,22の直接連結は、ヒンジ
が比較的小型のものであって上述のぜん動を生じるおそ
れのない場合に採用するとよい。コイルばね21,22
の直接連結構成は、部品点数の省力化をもたらして製作
費用の低廉化を図ることが可能となる。
【0025】そして、図15に示すように、第1のコイ
ルばね21の一端がベースプレート3の係合穴7に係合
され、このコイルばね21の他端はクラッチ板24の係
合穴25に係合されている。他方、第2のコイルばね2
2の一端がクラッチ板24の係合穴26に係合され、こ
のコイルばね22の他端はフランジ17の係合穴18に
係合されている。したがって、回転軸14が時計方向
(右方向)に回転すると、第1のコイルばね21が縮径
する一方、第2のコイルばね22が拡径し、互いに逆向
きの付勢力が蓄積される。反対に、反時計方向に回転軸
14が回転すると、第1のコイルばね21が拡径する一
方、第2のコイルばね22が縮径し、互いに逆向きの付
勢力が蓄積される。このように双方のコイルばね21,
22の直径が回転軸14の回動に伴って拡縮するため、
一方で、コイルばね21,21の拡縮作用によるバラン
スのとれた弾性付勢力の蓄積及びその弾性力の発揮がな
され、他方で、上記筒体4と回転軸14との間の空間
は、この空間に収設されるコイルばね21,22の外径
よりも大きな寸法に形成されることが要請される。
【0026】また、本考案者の実験・検討によると、双
方のコイルばね21,22の外径寸法を、上述の場合と
は異なり、上記筒体4の内径よりも僅かに小さく形成し
て筒体4内に位置させた場合は、次に記す作用のなされ
ることが判明した。すなわち、回転軸14が回転してコ
イルばね21,22のどちらかが拡径しようとすると、
そのコイルばねは筒体4の内周面に当接して拡径するこ
とができずに拘束状態となっていわば固定化され、した
がって他方のコイルばねの縮径のみが行われることとな
り、その結果、コイルばねの付勢力蓄積の技術的原因と
して拡径よりも好ましいとされている縮径が十分に行わ
れるものとなる。この種のヒンジにおいて、使用するコ
イルばねの弾性力を十分に発揮することができればでき
る程ヒンジ機能の性能向上化がなされるので、一定の機
能発揮を充足する点で捉えてみれば、ヒンジとしては小
型化が図れることとなる。勿論、スペース的に余裕があ
る場合は、前述の通りコイルばねの拡径を行わしめるこ
とも考慮されてよいが、可及的にヒンジの小型化を図る
必要がある場合は、上述のように、双方のコイルばね2
1,22の外径寸法を、上記筒体4の内径よりも僅かに
小さく形成して、筒体4内に位置させるとよい。この点
は、後に詳述する図19に示す外側のコイルばね21
と、図20に示す筒体4内のコイルばね22に対しても
同様のことがいえるものである。
【0027】次に、上記第2実施例のヒンジ1の動作に
ついて説明する。
【0028】ドアが、例えば時計方向に回転すると、こ
れに伴ってヒンジ1の回転軸14も時計方向に回転し、
回転軸14の回転に伴って第1のコイルばね21が縮径
するとともに第2のコイルばね22が拡径し、双方のコ
イルばねに逆向きの付勢力が蓄積される。そして、ドア
が人手から開放されると、双方のコイルばねに蓄積され
た付勢力により予め設定された静止位置に戻される。同
様に反時計方向にドアが回転される場合にも、双方のコ
イルばねに蓄積された付勢力により予め設定された静止
位置に戻される。
【0029】したがって、本実施例によれば、逆向きに
巻かれた一組のコイルばねにより回転軸を付勢している
ので、確実に回転軸を元の所定位置に戻すことができ
る。また、本考案によれば、従来の板ばねやトーション
バーによるヒンジと同一のトルクを得る場合でもヒンジ
1の軸長を短くすることができ、更に、ドアに内蔵させ
る場合においても取付け加工及び作業が容易となる。現
実的には垂直方向の長さを約50mm以下にすることが
可能となり、ドアと床面との隙間を前述のように望まれ
ている寸法60mm以下に設定することができる。更に
また、従来のように軸長が長くないので、取付け用の加
工と作業も簡単となる。
【0030】図19は、第1のコイルばね21の他端と
第2のコイルばね22の一端とを溶接等により一体に接
合したものを示している。このように構成すると、筒体
4内の第1のコイルばね21と第2のコイルばね22と
の間に設けられるクラッチ板を用いない構造とすること
ができ、したがって、上記実施例と同様な効果が得られ
るとともに、クラッチ板が不要となり、部品点数が削減
され、コストの低減を図ることができる。
【0031】次に、図20に示す本考案の第3実施例に
ついて説明する。この実施例のヒンジ1は、一組のコイ
ルばね21,22を回転軸14の周囲に二重に配設した
もので、この例では、筒体4と回転軸14との間の空間
の径方向の寸法を大きく形成し、径の異なる第1のコイ
ルばね21と第2のコイルばね22とを、回転軸14の
回りに二重にして配設している。本実施例では、第1の
コイルばね21よりも第2のコイルばね22の線径を小
さくし、コイル径が小さい内側の第2のコイルばね22
の巻数を多くして同一の付勢力となるように構成されて
いる。さらに、双方のコイルばね21,22の各々の一
端がベースプレート3の係合穴7,26に係合され、各
々の他端がフランジ17の係合穴25,18に係合され
ている。
【0032】したがって、本実施例では、前記第2実施
例と同様に確実にドアを所定の静止位置の戻すことがで
きるとともに、一組のコイルばねを回転軸の回りに並列
に設けたので、更にヒンジの軸長を短縮することができ
る。なお、この実施例では、コイル径が小さい内側の第
2のコイルばね22の巻数を多くして、第1のコイルば
ね21と同一の付勢力となるように構成したが、そのほ
かにも例えば、ばね材料を適宜選定してばね定数を異な
らしめることにより、両方のばねが同一の付勢力となる
ようにすることもできる。もっとも、ばねを選ぶことに
より左右それぞれの回転の付勢力を、必要に応じて、相
違させることも可能である(JIS B2709参
照)。
【0033】次に、図21に示す第4実施例を説明す
る。本実施例のヒンジ1は、一組のコイルばね21,2
2を、回転軸14の周囲と回転軸14の内側とに別々に
設けて、一組のコイルばね21,22を並列に配設した
ものである。
【0034】すなわち、この実施例では、径の異なる一
組のコイルばね21,22を用い、径の大きな第1のコ
イルばね21が筒体4と回転軸14との間の空間内に配
設されている。また、回転軸14を空軸に形成し、回転
軸14内に径の小さい第2のコイルばね22が配設され
ている。
【0035】したがって、この実施例では、前記第3実
施例と同様な効果が得られるとともに、双方のコイルば
ねの干渉を確実に避けることが可能となる。
【0036】尚、この第4実施例において、第2のコイ
ルばね22を回転軸14内に配設する場合に、図22に
示すように、回転軸14の基端を開口に形成し、この開
口部に、球体5と嵌合する段部を備えた蓋体14Aを取
付ける構造としてもよい。
【0037】更に、本発明の第5実施例を図面に基づい
て説明する。前記実施例では、床面に固設されるヒンジ
1を例に採って説明したが、この実施例では、ドア側に
ヒンジ1を取付けるようにしたものである。
【0038】本実施例のヒンジ1は、図23に示すよう
に、ドア35の回転中心となる下端部に取付けられてい
る。ヒンジ1としては、基本的には同一の構造となって
いる。尚、図中、14は回転軸、15はドア取付け部、
3は支持体2のベースプレート、4は支持体2の筒体、
4Aは支持プレートで、筒体4に一体的に取付けられる
とともに軸受11が取付けられており、この支持プレー
ト4Aはドア35の下面にネジ等により取付けられる。
また、筒体4内には前記実施例と同様に一組のコイルば
ね21,22が設けられ、回転軸14が球体5及び軸受
11により回動可能に支持されている。
【0039】他方、ドア取付け部15に嵌合する受け部
36は、図23に示すように、ドア35設置箇所の下端
隅部、すなわち、前板37に取付けられる受け部材38
と、床面39に立設される支持部材40とから構成され
ている。そして、上記ドア取付け部15が受け部36に
スプライン結合により連結され、受け部36によりヒン
ジ1の回転軸14が支持されている。
【0040】本実施例においては、上記実施例と同様な
効果を有するとともに、ドア下端部にヒンジを設ける空
間を形成しなければならないが、ヒンジの軸長が短くす
ることができるので、加工が容易となる。
【0041】なお、本考案は、前述したように、回転軸
14の基端が球体5により支持され、回転軸14の先端
側が支持体2の筒体4に取付けられた軸受11により支
持され、したがってドアの荷重は球体5によって支えら
れ、回転軸14の回転方向の力は球体5と軸受11によ
り支えられる構造を備えて、回転軸14に対する摺接部
材が球体5と軸受11だけの僅かな部材なので、回転軸
14の回動時の摩擦が極めて小さくなる利点も有してい
る。
【0042】
【考案の効果】本考案は、以上説明したように、回転軸
とベースプレートとの間には球体が配置されているの
で、この球体がいわばベアリング作用をなして摩擦抵抗
を減少する。すなわち、ベースプレートの球体保持用の
筒状の段部と、回転軸の筒状の球体受け部は、これらの
間に球体が介在しているので、回転軸の軸心方向及び軸
周り方向の摩擦抵抗がベアリング作用により減少せしめ
られ、これによりコイルばねに対する抵抗も減少するこ
ととなる。また、前記球体保持用の段部はベースプレー
トの中央部に備えられているとともに、前記球体保持用
の受け部は回転軸の端部に備えられているので、球体は
一つのみ用いられる構造であり、しかも、その一つの球
体で荷重を受ける構成である。従って、従来のような複
数のボールベアリングを用いるものに比べヒンジ構造を
簡素化することができる。更に、本考案のヒンジは、前
述したように、ベースプレートの球体保持用の段部と、
回転軸の球体受け部とで球体を挟持するものであるた
め、いずれを上下に設置しても、つまり天地がどちら側
であっても、実施することができる。
【0043】そして、従来は、摩擦抵抗を考慮して比較
的大型のコイルばねが用いられているので、この種の回
転軸が支持体内に収納されるとともにその支持体内にコ
イルばねを装着したタイプのヒンジは、全体形状がどう
しても大型化していたのに対し、本考案によれば、前述
したように、球体は一つのみ用いられる構造であり且つ
回転軸の摩擦抵抗を減少させ得るので、ヒンジ構造の可
及的小型化をもたらすことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施例に係り、ヒンジを示す縦断
面図である。
【図2】ベースプレートの平面図である。
【図3】ベースプレートの縦断面図である。
【図4】筒体の平面図である。
【図5】筒体の縦断面図である。
【図6】軸受の縦断面図である。
【図7】回転軸の平面図である。
【図8】回転軸の正面図である。
【図9】上部金物の一例を示す正面図である。
【図10】上板の平面図である。
【図11】ストッパーの平面図である。
【図12】下板の平面図である。
【図13】本考案の第1実施例に係り、床面に固定され
たヒンジを示す縦断面図である。
【図14】本考案の第1実施例に係り、ドアに取付けら
れたヒンジを示す縦断面図である。
【図15】本考案の第2実施例に係り、ヒンジを示す縦
断面図である。
【図16】一組のコイルばねの平面図である。
【図17】一組のコイルばねの正面図である。
【図18】クラッチ板を示すもので、(a)は平面図、
(b)は縦断面図である。
【図19】一組のコイルばねの他の例を示す正面図であ
る。
【図20】本考案の第3実施例に係り、ヒンジの縦断面
図である。
【図21】本考案の第4実施例に係り、ヒンジの縦断面
図である。
【図22】本考案の第4実施例に係り、ヒンジの他の例
の縦断面図である。
【図23】本考案の第5実施例に係り、ドアに取付けら
れたヒンジを示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 ヒンジ 2 支持体 3 ベースプレート 4 筒体 5 球体 14 回転軸 21 コイルばね 22 コイルばね

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸と、この回転軸を回動可能に支持
    する支持体と、前記回転軸の軸心の軸回りに配設された
    回転軸回転付勢用のコイルばねと、を具備したヒンジに
    おいて、 前記支持体は、筒体とこの筒体の基端側を覆うベース
    プレートとから構成され、 前記ベースプレートは、中央部に球体保持用の筒状の段
    部を備え、 前記回転軸は、端部に球体保持用の筒状の 受け部を備
    え、前記ベースプレートの前記段部と前記回転軸の前記受け
    部との間には球体を装着して、該回転軸を回動自在に支
    持したこと を特徴とするヒンジ。
  2. 【請求項2】 前記ベースプレートの前記段部と前記回
    転軸の前記受け部の双方の内径が等しく形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載のヒンジ。
JP1992084127U 1992-12-07 1992-12-07 ヒンジ Expired - Lifetime JPH088225Y2 (ja)

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