JPH06143322A - 架橋重合体成形物の製造方法 - Google Patents

架橋重合体成形物の製造方法

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JPH06143322A
JPH06143322A JP32137392A JP32137392A JPH06143322A JP H06143322 A JPH06143322 A JP H06143322A JP 32137392 A JP32137392 A JP 32137392A JP 32137392 A JP32137392 A JP 32137392A JP H06143322 A JPH06143322 A JP H06143322A
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英次 吉田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 リードスルーのない良好な成形物を得る。 【構成】 本発明の目的は、メタセシス重合触媒系の触
媒成分を含有するメタセシス重合性環状オレフィンから
なるモノマー液(溶液A)とメタセシス重合触媒系の活
性化剤成分を含有するメタセシス重合性環状オレフィン
からなるモノマー液(溶液B)とを、混合し、型内に注
入し重合を行い架橋重合体成形物を製造する方法におい
て、成形物と接する面を断熱材でコーティングしたキャ
ビティ型を使用することを特徴とする架橋重合体成形物
の製造方法により達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はメタセシス重合性環状オ
レフィンをメタセシス重合触媒の存在下、型内で重合と
成形を同時に行い、架橋重合体成形物を製造する方法の
改良方法に関する。更に詳しくは、成形物において、ボ
ス、リブがあるところの反対側のショーサイド面に現わ
れる窪みすなわちリードスルーを防止し、優れた成形物
を得る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】環状オレフィンがメタセシス重合触媒に
よって開環重合体を与えることは公知である。そこで、
ジシクロペンタジエン(DCP)の如く安価に得られる
液状のメタセシス重合性環状オレフィンをメタセシス重
合触媒によって型内で重合と成形を一段階で行って重合
体成形物を得る方法が提案された。すなわち、メタセシ
ス重合触媒系が塩化タングステンの如き触媒成分と、ア
ルキルアルミニウムハライドの如き活性化剤成分との2
成分より成ることを利用し、この2成分とモノマーとか
らなる2種類の液を用いて衝突混合により反応射出成形
法で架橋重合体成形物を得る方法が提案された(例え
ば、特開昭58―129013号公報参照)。
【0003】かかる方法によれば、安価な低圧成形型を
用いて良好な性能を有する大型成形物が得られるため、
工業的に非常に魅力のある方法と言える。この方法に、
通常使用される安価な型としては、ニッケル電鋳型や亜
鉛系合金等の金属溶射型、アルミニウム、亜鉛系合金等
の金属鋳造型、樹脂型等がある。
【0004】しかし、これらのうち、樹脂型を除いて
は、リードスルーという成形欠陥が架橋重合成形物に現
われやすく、製品厚みに対するボス、リブの付根の幅の
大きさによっては、良好な表面の成形物の得られるもの
は少ない。
【0005】しかしながら、樹脂型では樹脂の持つ物性
上の制約から数多くの成形物を安定に作ることは難し
く、一般的には金属型が使われている。
【0006】その場合、やむをえず成形欠陥部を後加工
で補修して製品にすることになるが、かかる方法では成
形サイクルの早い反応射出成形法の特徴が失われてしま
い、生産性が極めて悪いものになる。
【0007】これらの解決策としてポリテトラフルオロ
エチレンシートを金型に貼るという方法が出されたが
(特開昭63―112123号公報)、型表面が複雑な
場合には対応できない問題がある。また、かかる方法で
はこのシートが成形物の収縮により成形物の表面に密着
してスライドすることにより良好な表面を得るとしてい
る。しかし、実際には、シートと金型の間にもモノマー
液が入り込み、必ずしもきれいな成型表面が得られな
い、などの実用上の問題が発生する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、メタ
セシス重合性環状オレフィンをメタセシス重合触媒の存
在下、型内で重合と成形を同時に行なって架橋重合体成
形物を製造する方法において、成形物のリードスルーを
防止し、優れた成形物を得ることを目的とするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、メタセシス
重合性環状オレフィンをメタセシス重合触媒の存在下、
型内で重合と成形を同時に行なって、架橋重合体成形物
を得る方法において、型表面での熱移動を詳細に検討し
た結果、耐久性のある金属系型のキャビティ側に予め断
熱層を設けることによって、良好な表面を持つ成形物が
得られることを見出し、本発明に至ったものである。
【0010】すなわち本発明は、メタセシス重合触媒系
の触媒成分を含有するメタセシス重合性環状オレフィン
からなるモノマー液(溶液A)とメタセシス重合触媒系
の活性化剤成分を含有するメタセシス重合性環状オレフ
ィンからなるモノマー液(溶液B)とを、混合し、型内
に注入し重合を行い架橋重合体成形物を製造する方法に
おいて、成形物と接する面を断熱材でコーティングした
キャビティ型を使用することを特徴とする架橋重合体成
形物の製造方法である。
【0011】この断熱材は重合時の自己発熱によって生
じる不均一な熱を金型表面で制御しながら系外に放出す
るためのものであり、前記の特開昭63―11223号
公報の考えとは本質的に異なる。
【0012】断熱材の厚みは薄すぎると断熱材としての
働きはなくなり、厚過ぎると放熱に時間がかかり、成形
リサイクルが悪くなる。したがって、厚さは10μm以
上、500μm以下が適当であり、20〜500μmが
好ましい。断熱材の厚みはキャビティ面全体を均一にす
るだけでなく、リブ、ボス部に当たる部分をより厚くす
ると、更によい結果が期待できる。
【0013】断熱材として使用できる有機樹脂は、メタ
セシス重合を阻害せず、また、メタセシス重合の発熱に
耐えるものが好ましいがテトラフルオロエチレン系、エ
ポキシ系、ポリエステル系及びフェノール系から選ばれ
た熱硬化した有機樹脂が好ましく、熱伝導率3.0×1
-4calS-1cm-2(Kcm-1-1以上、好ましくは
3.0×10-4calS-1cm-2(Kcm-1-1から
6.0×10-4calS-1cm-1(Kcm-1-1でかつ
耐熱温度が220℃以上、好ましくは、220〜260
℃である。
【0014】ポリテトラフルオロエチレン系としてポリ
テトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリテトラフル
オロエチレン―ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポ
リテトラフルオロエチレン―エチレン共重合体、ポリク
ロルトリフルオロエチレン―エチレン共重合体、ポリフ
ッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、m―(5―パーフ
ルオロイソプロピルフェニレン)ビス(パーフルオロイ
ソプロピリデン―グリシジルエーテル系エポキシ樹脂な
どの含フッ素重合体、あるいは前記フッ素化合物とポリ
アミドイミド樹脂とのブレンド体、前記フッ素化合物フ
ェノール樹脂とフェノール樹脂とのブレンド体が用いら
れる。商品名としてはL―4111BKM[東京シリコ
ーン]またはスプレーフロンBU―73[ノートン製]
などがあげられる。
【0015】エポキシ系としてビスフェノールA型を主
成分とする樹脂であり、具体的商品名としてハイレジン
L―2360,PLAS CEMENT WR―71等
があげられる。
【0016】ポリエステル系としてフタル酸系不飽和ポ
リエステル、イソフタル酸系不飽和ポリエステル、ビニ
ルエステル系不飽和ポリエステル、ポリウレタン系ポリ
エステルがあげられ、具体的商品名としてall―me
tal[US CHEMICAL PLASTIC]が
あげられる。
【0017】フェノール系としてノボラック樹脂、レゾ
ール樹脂、メチロール含有フェノール樹脂があり、具体
的商品名としてベルパールS―890または同S―89
5[鐘紡]などがあげられる。
【0018】型のコーティングは、スプレー塗布、はけ
塗り等を行ったのち、樹脂を硬化させることによって行
うことができる。塗布後直ちに加熱硬化させる場合と室
温で一定時間放置後、加熱硬化させる場合があり、用い
る材質、形態によって使い分ける。
【0019】有機樹脂中にはその特性を改良または維持
するために、更に各種添加剤を配合することができる。
かかる添加剤として、充填剤、顔料、酸化防止剤、光安
定剤、難燃化剤、高分子改良剤などがある。
【0020】また、金型との接着強度を増すために、金
型と有機樹脂層の間に耐熱プライマーを塗っても良い。
【0021】コーティングはキャビティ型のみならず、
コア型にも行なっても何等差支えない。
【0022】本発明において、成形は、モノマー液をミ
キシングヘッドで混合後、型内に注入し、重合と成形を
同時に行なう反応射出成形法(RIM)によって行うこ
とができる。また、使用するモノマー液によっては、撹
拌機やスタテックミキサーにより混合し、RIM法より
は時間をかけて注入し成形する、いわゆる注型法によっ
ても行うことができる。
【0023】成形時の型温度は、硬化反応をスムーズに
おこなわせるために一般に昇温して用いられる。本発明
における硬化の場合、型温は一般に50〜110℃、特
にショーサイドとして90℃±10℃の範囲が多く用い
られる。型の内部に予め窒素を吹き込むことは成形物の
表面性を改良する上で有効である。
【0024】本発明に用いられるメタセシス重合性環状
オレフィンは、メタセシス重合性シクロアルケン基を1
〜2個含有するものが用いられる。好ましくは、ノルボ
ルネン骨核を分子中に少なくとも1つ有する化合物であ
る。
【0025】これらの具体例としては、ジシクロペンタ
ジエン、トリシクロペンタジエン、シクロペンタジエ
ン、メチルシクロペンタジエン共二量体、5―エチリデ
ンノルボルネン、ノルボルネン、ノルボルナジエン、5
―シクロヘキセニルノルボルネン、1,4,5,8―ジ
メタノ―1,4,4a、5,6,7,8,8a―オクタ
ヒドロナフタレン、1,4―メタノ―1,4,4a,
5,6,7,8,8a―オクタヒドロナフタレン、6―
エチリデン―1,4,5,8―ジメタノ―1,4,4
a,5,6,7,8,8a―オクタヒドロナフタレン、
6―エチリデン―1,4,5,8―ジメタノ―1,4,
4a、5,7,8,8a―ヘプタヒドロナフタレン、
1,4,5,8―ジメタノ―1,4,4a,5,8,8
a―ヘキサヒドロナフタレン1,エチレンビス(5―ノ
ルボルネン)等をあげることが出来これらの混合物も使
用することができる。特にジジクロペンタジエンまたは
それを50モル%以上含む混合物が好適に用いられる。
【0026】また、必要に応じて、酸素、窒素等の異種
元素を含有する極性基を有するメタセシス重合性環状オ
レフィンを共重合に用いることが出来る。かかる共重合
性モノマーも、ノルボルネン構成単位を有するものが好
ましく、かつ、極性基としてはエステル基、エーテル
基、シアノ基、5―メトキシカルボニルノルボルネン、
5―(2―エチルヘキシロキシ)カルボニル―5―メチ
ルノルボルネン、5―フェニロキシメチルノルボルネ
ン、5―シアノノルボルネン、6―シアノ―1,4,
5,8―ジメタノ―1,4,4a、5,6,7,8,8
a―オクタヒドロナフタレン、N―ブチルナディック酸
イミド、5―クロルノルボルネンなどをあげるこ事が出
来る。
【0027】本発明における成形は、メタセシス重合触
媒系の触媒成分を含有するメタセシス重合性環状オレフ
ィンからなるモノマー液(溶液A)とメタセシス重合触
媒系の活性化剤成分を含有するメタセシス重合性環状オ
レフィンからなるモノマー液(溶液B)とを混合し、型
内に注入する方法であるが、3つ以上に溶液を分ける方
式も可能である。
【0028】かかる成形におけるメタセシス重合触媒系
における触媒成分としてはタングステン、レニウム、タ
ンタル、モリブデンなどの金属のハライドなどの塩類が
用いられるが、特にタングステン化合物が好ましい。か
かるタングステン化合物としては、タングステンヘキサ
クロライド、タングステンオキシハライド、などが好ま
しくより具体的には、タングステンヘキサクロライド、
タングステンオキシクロライドなどが好ましい。また、
有機アンモニウムタングステン酸塩なども用いる事が出
来る。かかるタングステン化合物は、直接モノマーに添
加すると、直ちにカチオン重合を開始する事が分ってお
り好ましくない。従って、かかるタングステン化合物は
不活性溶媒、例えばベンゼン、トルエン、クロロベンゼ
ン等に予め懸濁し、少量のアルコール系化合物および、
またはフェノール系化合物添加する事によって可溶化さ
せて使用するのが好ましい。
【0029】更に上述した如き、好ましくない重合を予
防するためにタングステン化合物1モルに対し、約1〜
5モルのルイス塩基またはキレート化剤を添加する事が
好ましい。かかる添加剤としてはアセチルアセトン、ア
セト酢酸アルキルエステル類、テトラヒドロフラン、ベ
ンゾニトリル等をあげる事が出来る。極性モノマーを用
いる場合には、前述の如く、そのものがルイス塩基であ
る場合があり、上記の如き化合物を特に加えなくてもそ
の作用を有している場合もある。かくして、触媒成分を
含むモノマー溶液(溶液A)は、実質上十分な安定性を
有する事になる。
【0030】一方メタセシス重合触媒系における活性化
剤成分は、周期律表第I〜第III 族の金属のアルキル化
物を中心とする有機金属化合物、特にテトラアルキル
錫、アルキルアルミニウム化合物、アルキルアルミニウ
ムハライド化合物が好ましく、具体的には、塩化ジエチ
ルアルミニウム、ジ塩化エチルアルミニウム、トリオク
チルアルミニウム。ジオクチルアルミニウムアイオダイ
ド、テトラブチル錫などをあげる事が出来る。これら活
性化剤成分としての有機金属化合物を、モノマーに溶解
する事により、もう一方の溶液(溶液Bに相当する)が
形成される。
【0031】本発明においては、基本的に前記溶液Aお
よび溶液Bを混合することによって、架橋重合体成形物
を得る事が出来るが、上記組成のままでは、重合反応が
非常に速く開始されるので、成形型に十分流れ込まない
間に硬化が起こる事もあり、度々問題となる場合が多
く、前述の如くそのために活性調節剤を用いる事が好ま
しい。
【0032】かかる調節剤としては、ルイス塩基類が一
般に用いられ、なかんずく、エーテル類、エステル類、
ニトリル類などが用いられる。具体例としては安息香酸
エチル、ブチルエーテル、ジグライムなどをあげる事が
出来る。かかる調節剤は一般的に、有機金属化合物の活
性化剤の成分の溶液の側に添加して用いられる。前述と
同様にルイス塩基を有するモノマーを使用する場合に
は、それら調節剤の役目を兼ねさせる事が出来る。
【0033】メタセシス重合触媒系の使用量は例えば触
媒成分としてタングステン化合物を用いる場合は、上記
原料単量体に対するタングステン化合物の比率は、モル
基準で約1000対1〜15000対1、好ましくは、
2000対1の付近であり、また、活性化剤成分はアル
キルアルミニウム類を用いる場合には、上記原料単量体
に対するアルミニウム化合物の比率は、モル基準で約1
00対1〜2000対1、好ましくは約200対1〜5
00対1の付近が用いられる。更に上述した如き、マス
ク剤や調節剤については、実験によって上記触媒系の使
用量に応じて、適宜、調節して用いる事が出来る。
【0034】本発明によって得られる架橋重合成形物に
は、実用に当って、その特性を改良または維持するため
に、さらに各種添加剤を配合する事が出来る。かかる添
加剤としては、充填剤、顔料、酸化防止剤、光安定剤、
難燃化剤、高分子改良剤などがある。このような添加剤
は、本発明の架橋重合体が成形されて後は添加する事が
不可能であるから、添加する場合には予め前記した原料
溶液に添加しておく必要がある。
【0035】その最も容易な方法としては、前記溶液A
および溶液Bのいずれかまたは両方に前もって添加して
おく方法をあげる事が出来るが、その場合、その液中の
反応性の強い触媒成分、活性化剤成分と実用上差支えあ
る程度には反応せず、かつ、重合を阻害しないものでな
くてはならない。どうしても、その反応が避け得ないも
のが共存しても、重合は実質的に阻害しないものの場合
は、モノマーと混合して、第三液を調製し、重合直前
に、混合使用する事も出来る。また、重合触媒または活
性化剤を第三液とし、これを含まない溶液Aまたは溶液
Bに上記添加物を添加する方法も考えられる。更に、固
体の充填材の場合であって、両成分が混合されて、重合
反応を開始する直前あるいは重合しながら、その空隙を
充分にうずめ得る形状のものについては、成形型内に、
充填しておく事も可能である。
【0036】添加剤としての補強材または充填剤は、曲
げモジュラスを向上するのに効果がある。かかるものと
してはガラス繊維、雲母、カーボンブラック、ウォラス
ナイト等をあげる事が出来る。これらを、いわゆるシラ
ンカップラーなどによって表面処理したものも好適に使
用できる。
【0037】また、本発明によって得られる架橋重合体
成形物は、酸化防止剤を添加しておく事が好ましく、そ
のため、フェノール系またはアミン系の酸化防止剤を予
め溶液中に加えておく事が望ましい。これら酸化防止剤
の具体例としては、2,6―t―ブチル―P―クレゾー
ル、N,N′―ジフェニル―P―フェニレンジアミン、
テトラキス[メチレン(3,5―ジ―t―ブチル―4―
ヒドロキシシンナメート)]メタンなどがあげられる。
【0038】また、本発明により得られる架橋重合体成
形物は、他の重合体をモノマー溶液状態の時に添加して
おく事が出来る。かかる重合体添加剤としてはエラスト
マーの添加が成形物の耐衝撃性を高める事および溶液の
粘度を調節する上で効果がある。かかる目的に用いられ
るエラストマーとしては、スチレン―ブタジエン―スチ
レントリブロックゴム、スチレン―イソプレン―スチレ
ントリブロックゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレ
ン、ブチルゴム、エチレンプロピレン―ジエンタ―ポリ
マー、ニトリルゴムなど広範なエラストマーをあげる事
が出来る。
【0039】本発明による成形は、一旦型内で重合反応
が開始されると反応熱によって、モノマーの温度は急速
に上昇し、短時間に重合反応が終了する。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、リードスルーのない優
れた成形物が得られる。また、本発明によれば、型表面
をコーティングしたことにより、成形時に発生する型表
面の汚れが殆ど発生しなくなり、汚れを清掃する作業が
無くなり、成形サイクルが向上する。更に、本発明によ
れば、リードスルーの改善ばかりでなく、型表面のピン
ホール等の型表面の欠陥による成形不良なども抑えるこ
とができる。
【0041】したがって、本発明により得られる重合体
成形物は、その表面に欠点が極めて少なく高品質であ
り、美粧性にすぐれ、かつ熱ゆがみが少なく、熱変形が
起こりにくくなっているところから、自動車、二輪車等
を含めた各種運搬機器の部材、電気、電子機器のハウジ
ング等、大形の成形物を中心に広範な用途に使用でき
る。
【0042】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を説明する。尚
実施例は説明のためのものであって本発明はそれらに限
定されるものではない。
【0043】
【実施例1及び比較例1】 (型)図1に示される断面形状を有する型を使用した。
型のキャビティの寸法は、幅500mm、長さ700mm、
深さ200mmである。
【0044】キャビティ型の表面はニッケル電鋳、コア
型の表面はアルミニウム製である。キャビティ型の表面
にスプレーフロンBU―73(ノートン製)を厚さ30
μmとなるよう塗布し、半日室温で放置した後、90℃
で4時間硬化させた型を用いた。 (モノマー液)主として、ジシクロペンタジエンを含む
帝人ハーキュレス(株)製T02のA液を溶液Aとして
用いた。また、主としてジシクロペンタジエンを含む帝
人ハーキュレス(株)製T02のB液を溶液Bとして用
いた。 (成形)キャビティ型80℃、コア型50℃に加熱した
型を使用した。成形は以下の手順で行った。型を閉じた
後、ミキシングヘッドにより溶液A及びBを混合し、キ
ャビティ内へ混合液を注入した。注入時間は7.3秒
間、そして液充填より30秒後に、型を開き成形物を取
り出した。 (リードスルーの測定)得られた成形物のリブ部、ボス
部に該当する部分に現われるリードスルーを東京精密社
製SURFCOMで測定した。この装置は触針式で、針
を成形物表面上に走査させて、成形物断面の凹凸を計る
ものである。
【0045】結果を表1に示す。比較のためコーティン
グをしていない型を使用する以外は同じ条件で成形を行
なった場合の図1の5で示す位置のリードスルーの深さ
を比較例1として示す。他の実施例、比較例においても
リードスルーは、実施例1と同じ方法で測定した。
【0046】
【実施例2及び比較例2】図2に示す断面形状で、型の
キャビティの寸法は、幅300mm、長さ500mm、深さ
60mmであり、型材質が表1に示す型を用い、コーティ
ング材料を表1に示すL―4111BKM(東京シリコ
ーン)を用いたことおよび注入時間を2.3秒にしたこ
と以外は実施例1と同じ条件で成形物を得た。図2の5
で示す位置のリードスルーの深さを表1に示す。
【0047】また、コーティングを行なわなかった場合
のリードスルーの深さを比較例2に示す。
【0048】
【実施例3及び比較例3】図3に示す断面形状で、型の
キャビティの寸法は、幅350mm、長さ600mm、深さ
60mmであり、型材質が表1に示す型を用い、コーティ
ング材料を表1に示すスプレーフロンBU―73(ノー
トン製)を用いたことおよび注入時間を3.4秒にした
こと以外は実施例1と同じ条件で成形物を得た。図3の
5で示す位置のリードスルーの深さを表1に示す。
【0049】また、コーティングを行なわなかった場合
のリードスルーの深さを比較例3に示す。
【0050】
【実施例4及び比較例4】図1に示す形状で、型材質が
表1に示す型を用い、コーティング材料を表1に示すハ
イレジンL―2360を用いた以外は実施例1と同じ条
件で成形物を得た。図1の5で示す位置のリードスルー
の深さを表1に示す。
【0051】また、コーティングを行なわなかった場合
のリードスルーの深さを比較例4に示す。
【0052】
【表1】
【0053】以上の実施例、比較例から明らかなよう
に、断熱材をコーティングした場合は、リードスルーが
極めて浅く、本発明の効果が大であることが明らかであ
る。成形品の外観は平らな美麗なものであった。なお、
リードスルーの深さが20μm以下であれば、殆どの用
途に対して、リードスルーが外観品質上問題になること
がなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例において使用した型の断面図を示す。
【図2】実施例において使用した型の断面図を示す。
【図3】実施例において使用した型の断面図を示す。
【符号の説明】
1 キャビティ 2 コア型 3 ボス 4 リブ 5 リードスルーの測定位置
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08G 61/08 NLH 8215−4J // B29K 86:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタセシス重合触媒系の触媒成分を含有
    するメタセシス重合性環状オレフィンからなるモノマー
    液(溶液A)とメタセシス重合触媒系の活性化剤成分を
    含有するメタセシス重合性環状オレフィンからなるモノ
    マー液(溶液B)とを、混合し、型内に注入し重合を行
    い架橋重合体成形物を製造する方法において、成形物と
    接する面を断熱材でコーティングしたキャビティ型を使
    用することを特徴とする架橋重合体成形物の製造方法。
  2. 【請求項2】 断熱材がポリテトラフルオロエチレン
    系、エポキシ系、ポリエステル系及びフェノール系から
    選ばれた有機樹脂である請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 断熱材の厚さが10〜500μmである
    請求項1または2記載の製造方法。
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WO1995035194A1 (fr) * 1994-06-22 1995-12-28 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Produit en resine synthetique depoli moule par injection et son procede de moulage
WO1996016781A1 (fr) * 1994-11-30 1996-06-06 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Moule pour le moulage de resines synthetiques et procede de moulage utilisant ce moule

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