JP2004352896A - 環状オレフィン系樹脂成形品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐熱性、耐溶剤性および表面硬度に優れる環状オレフィン系樹脂成形品、ならびにその工業的有利な製造方法を提供すること。
【解決手段】少なくとも、環状オレフィンモノマー(A)と、芳香族ジオキシ基を配位子として有する周期表第4族〜第6族遷移金属化合物(B)とを混合してなる混合液を成形型内に注入し、その型内で環状オレフィンモノマーを塊状開環メタセシス重合させる。
【解決手段】少なくとも、環状オレフィンモノマー(A)と、芳香族ジオキシ基を配位子として有する周期表第4族〜第6族遷移金属化合物(B)とを混合してなる混合液を成形型内に注入し、その型内で環状オレフィンモノマーを塊状開環メタセシス重合させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は耐熱性、耐溶剤性および表面硬度に優れる環状オレフィン系樹脂成形品ならびにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、環状オレフィンモノマーをメタセシス重合触媒の存在下に開環重合することにより、非晶質の環状オレフィン系樹脂が得られることが知られている。非晶質の環状オレフィン系樹脂は電気特性、光学特性、低吸湿性などに優れるという特徴を有し、成形品として種々の用途に用いられている。かかる成形品の製造方法としては、環状オレフィンモノマーを溶液重合して得られる重合体を、射出成形やカレンダー成形等の熱成形法により成形品とする方法がある。また、反応射出成形法(RIM法)のように、金型内でノルボルネン系モノマーを塊状(バルク)重合して成形品を得る方法も知られている。しかしながら、これらの成形品は、その用途によっては要求特性を満足できない場合があった。
【0003】
例えば、従来のジシクロペンタジエンを主成分とするRIM成形品はガラス転移温度(Tg)が通常100〜160℃で、熱変形温度がTgより30℃程度低いものであった。このため、高温下で使用する用途には不向きであり、また、製造時にも変形を防ぐために成形品の熱変形温度以下まで成形型を冷却する必要があり、生産性の面でも不利になる場合があった。
【0004】
さらに、かかるRIM成形品は、衝撃強度に優れる一方で表面硬度が比較的低く、成形品の表面に傷が付いたり、荷重により変形したりしやすいという問題があった。傷付きを防止するために塗料や他の樹脂でコーティングする方法が知られているが、これらの工程が加わることにより生産性や製造コストの面で不利になる場合があった。
【0005】
また、非晶質の環状オレフィン系樹脂は、一般に耐酸性、耐アルカリ性に優れているものの、有機溶剤、特にトルエンやヘキサンなどの炭化水素系の溶剤に対しては溶解または膨潤する場合があり、例えばガソリンタンクのような自動車用材料などに用いるのは困難であった。
【0006】
耐熱性、耐溶剤性に優れた環状オレフィン系樹脂成形品として、結晶性を有するノルボルネン系開環重合体およびノルボルネン系開環重合体水素化物の成形品が提案されている(特許文献1〜4参照)。しかしながら、これらの樹脂は耐熱性が高く溶融成形において高温を必要とするため、特に大型成形品の製造においてはエネルギー面や装置のコスト面で不利となる場合があり、また、成形時にポリマーが酸化劣化するおそれがあった。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−20464号公報
【特許文献2】
特開2002−105179号公報
【特許文献3】
特開2002−249554号公報
【特許文献4】
特開2002−249555号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来技術の問題点に鑑み、本発明の目的は、耐熱性、耐溶剤性に優れ、荷重による変形を受け難く、かつコーティングなどの工程を省略しても表面の傷付きが抑制された環状オレフィン系樹脂成形品、およびその工業的有利な製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討の結果、環状オレフィンモノマーと芳香族ジオキシ基を配位子として有する周期表第4族〜第6族遷移金属化合物とを混合してなる混合液を成形型内に注入し、その型内で環状オレフィンモノマーを塊状開環メタセシス重合させることにより、耐熱性、耐薬品性および機械強度に優れる環状オレフィン系樹脂成形品が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0010】
かくして本発明によれば、少なくとも、環状オレフィンモノマー(A)と、芳香族ジオキシ基を配位子として有する周期表第4族〜第6族遷移金属化合物(B)とを混合してなる混合液を成形型内に注入し、その型内で環状オレフィンモノマーを塊状開環メタセシス重合させる環状オレフィン系樹脂成形品の製造方法が提供される。
前記混合液は、さらに有機金属還元剤(C)を含むことが好ましい。
環状オレフィンモノマー(A)は、2環〜4環の無置換ノルボルネン類であることが好ましい。
【0011】
また本発明によれば、上記の製造方法により得られる、融点を有する環状オレフィン系樹脂成形品が提供される。
【0012】
さらに本発明によれば、成形型内で環状オレフィンモノマーを塊状開環メタセシス重合させてなる環状オレフィン系樹脂成形品であって、表面のロックウェル硬度がHRM55以上であることを特徴とする環状オレフィン系樹脂成形品が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法は、少なくとも、環状オレフィンモノマー(A)と芳香族ジオキシ基を配位子として有する周期表(長周期型、以下同じ)第4族〜第6族遷移金属化合物(B)とを混合してなる混合液を成形型内に注入し、その型内で環状オレフィンモノマーを塊状開環メタセシス重合させる。
【0014】
環状オレフィンモノマー(A)としては、環状モノオレフィンや環状ジオレフィンなどの単環の環状オレフィンモノマー、ノルボルネン系モノマーなどの多環の環状オレフィンモノマーが挙げられる。これらの環状オレフィンモノマーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、ノルボルネン系モノマーを用いる場合には、ノルボルネン環の二重結合以外にさらに二重結合を有していてもよい。
【0015】
単環の環状オレフィンモノマーとしては、炭素数が通常4〜20、好ましくは4〜10の環状モノオレフィン又は環状ジオレフィンが挙げられる。環状モノオレフィンの具体例としては、シクロブテン、シクロペンテン、メチルシクロペンテン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン等が挙げられる。環状ジオレフィンの具体例としては、シクロヘキサジエン、メチルシクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチルシクロオクタジエン、フェニルシクロオクタジエン等が挙げられる。
【0016】
ノルボルネン系モノマーとしては、置換および無置換の2環若しくは3環以上の多環ノルボルネンを用いることができ、その具体例としては、ノルボルネン、ノルボルナジエン、メチルノルボルネン、ジメチルノルボルネン、エチルノルボルネン、塩素化ノルボルネン、エチリデンノルボルネン、クロロメチルノルボルネン、トリメチルシリルノルボルネン、フェニルノルボルネン、シアノノルボルネン、ジシアノノルボルネン、メトキシカルボニルノルボルネン、ピリジルノルボルネン、ナジック酸無水物、ナジック酸イミド等の官能基を有していてもよい2環ノルボルネン類;
【0017】
ジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエンやそのアルキル、アルケニル、アルキリデン、アリール、ヒドロキシ、酸無水物基、カルボキシル、アルコキシカルボニル置換体等の3環ノルボルネン類;ジメタノヘキサヒドロナフタレン、ジメタノオクタヒドロナフタレン、メタノテトラヒドロフルオレンやそのアルキル、アルケニル、アルキリデン、アリール、ヒドロキシ、酸無水物基、カルボキシル、アルコキシカルボニル置換体等の4環ノルボルネン類;トリシクロペンタジエン等の5環ノルボルネン類;ヘキサシクロヘプタデセン等の6環ノルボルネン類;ジノルボルネン、二個のノルボルネン環が炭化水素又はエステル基等で結合した化合物、これらのアルキル、アリール置換体等のノルボルネン環を含む化合物等が挙げられる。
【0018】
これらの中でも、ノルボルネン系モノマーの使用が好ましく、2環〜4環のノルボルネン類がより好ましく、2環〜4環の無置換ノルボルネン類が特に好ましい。具体的には、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、ジメタノオクタヒドロナフタレンなどが挙げられる。
【0019】
ノルボルネン系モノマーの使用量は、環状オレフィンモノマー全量に対して好ましくは60重量%以上、より好ましくは80重量%以上である。また、ノルボルネン系モノマーには、エンド体とエキソ体の異性体が含まれる。本発明に使用するモノマーは、これら異性体の混合物であっても構わないが、異性体混合物中において、いずれかの異性体成分の組成比が高いほうが好ましい。具体的には、いずれかの異性体が通常70%以上、特に80%以上あるものが好ましい。いずれかの異性体成分の組成比を高くすることにより、得られる成形品が高度に結晶化するので、耐熱性をより高めることができる。
【0020】
本発明では、芳香族ジオキシ基を配位子として有する周期表第4族〜第6族遷移金属化合物(B)(以下、「化合物(B)」という。)を用いる。化合物(B)としては、例えば、一般式(1)および(2)で表される化合物が挙げられる。
【0021】
【化1】
【0022】
【化2】
【0023】
前記式(1)および(2)において、Mは周期表第4〜6族遷移金属原子を表す。具体的には、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステンなどが挙げられる。中でも、モリブデンおよびタングステンが、重合活性が良好なので好ましい。
Xはハロゲン原子を表す。具体的には、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0024】
R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アルコキシル基もしくはアリールオキシ基、またはシアノ基を表し、これらは互いに結合して環構造を形成していてもよい。
ハロゲン原子としては、前記と同様のものが挙げられる。炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基等の炭素数1〜20のアルキル基;シクロペンチル基、シクロへキシル基、アダマンチル基等の炭素数3〜20のシクロアルキル基;ベンジル基、1−フェニルエチル基、1−(α−ナフチル)エチル基、1−(β−ナフチル)エチル基等の炭素数7〜20のアラルキル基;ビニル基、プロペニル基、アリル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の炭素数2〜20のアルケニル基;エチニル基、プロピニル基等の炭素数2〜20のアルキニル基;フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−tert−ブチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、メシチル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等の炭素数6〜20のアリール基;などが挙げられる。
【0025】
アルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、イソロポキシ基などを、アリールオキシ基としては、フェノキシ基、4−メチルフェニルオキシ基などを挙げることができる。
前記の炭化水素基、アルコキシル基およびアリールオキシ基は、その水素原子の一部が、例えば、ニトロ基、ニトロソ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、カルボキシル基、カルボニル基、シリル基、スルホニル基等の官能基、またはハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0026】
中でも、オキシ基が結合している炭素原子の隣の炭素原子に結合している基、すなわち一般式(1)においてはR1および/またはR8が、一般式(2)においてはR1および/またはR6が、嵩高い基であることがより好ましい。嵩高い基としては、イソプロピル基等の2級アルキル基、t−ブチル基等の3級アルキル基、フェニル基やメシチル基等のアリール基、トリフルオロメチル基等のハロアルキル基などが挙げられる。
【0027】
R9は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜18のアリールオキシ基、炭素数1〜12のハロアルキル基もしくは炭素数6〜18のハロアリール基を表す。
【0028】
前記式(1)において、Zは、一般式[−CR11R12−]、一般式[−SiR13R14−]、一般式[−(C=O)−]および一般式[−NR15−]で表される基、ならびに酸素原子および硫黄原子から選ばれる。ここで、R11〜R15はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を表す。ハロゲン原子および炭化水素基としては、前記R1〜R8の説明において例示したものと同様のものが挙げられる。また、mは0または1であり、0が好ましい。
【0029】
前記式(1)〜(3)において、nは0〜4の整数、pは1または2、qおよびrは0〜2の整数であり、n+p+q+rは、M元素の価数によって決まる。
【0030】
化合物(B)の好ましい具体例としては、ビス{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}(2,6−ジイソプロピルフェニルイミド)タングステン(VI)、ビス{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}(2,6−ジメチルフェニルイミド)タングステン(VI)、ビス{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}(フェニルイミド)タングステン(VI)などのタングステンイミドビスアリーロキシド;
{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}(2,6−ジイソプロピルフェニルイミド)オキシタングステン(VI)、{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}(2,6−ジメチルフェニルイミド)オキシタングステン(VI)、{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}(フェニルイミド)オキシタングステン(VI)などのタングステンイミドオキシアリーロキシド;
【0031】
{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}(2,6−ジイソプロピルフェニルイミド)タングステン(VI)ジクロリド、{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}(2,6−ジメチルフェニルイミド)タングステン(VI)ジクロリド、{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}(フェニルイミド)タングステン(VI)ジクロリドなどのタングステンイミドアリーロキシジクロリド;
ビス{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}オキシタングステン(VI)、ビス{3,3’−ジフェニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジオキシ}オキシタングステン(VI)などのタングステンオキシビスアリーロキシド;
【0032】
{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}オキシタングステン(VI)ジクロリド、{3,3’−ジフェニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジオキシ}オキシタングステン(VI)ジクロリドなどのタングステンオキシアリーロキシジクロリド;
ビス{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}タングステン(VI)ジクロリド、{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}タングステン(VI)テトラクロリド、ビス{3,3’−ジフェニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジオキシ}タングステン(VI)ジクロリド、{3,3’−ジフェニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジオキシ}タングステン(VI)テトラクロリドなどのタングステンアリーロキシドクロリド;
【0033】
{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}(2,6−ジイソプロピルフェニルイミド)オキシモリブデン(VI)、{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}(2,6−ジメチルフェニルイミド)オキシモリブデン(VI)、{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}(フェニルイミド)オキシモリブデン(VI)などのモリブデンイミドオキシアリーロキシド;
ビス{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}オキシモリブデン(VI)、ビス{3,3’−ジフェニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジオキシ}オキシモリブデン(VI)などのモリブデンオキシビスアリーロキシド;
【0034】
{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}オキシモリブデン(VI)ジクロリド、{3,3’−ジフェニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジオキシ}オキシモリブデン(VI)ジクロリドなどのモリブデンオキシアリーロキシドジクロリド;
{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}ジオキシモリブデン(VI)、{3,3’−ジフェニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジオキシ}ジオキシモリブデン(VI)などのモリブデンジオキシアリーロキシド;を挙げることができる。
【0035】
化合物(B)の製法は特に限定されず、例えば、WO02/72659号公報、Journal of Chemical Society,Chemical Communications,1987年,129頁、Journal of American Chemical Society,1982年,104巻,7483頁などに記載された方法によって製造することができる。具体的には、二価フェノール類または二価フェノキシド類と、周期表第4〜6族遷移金属のハロゲン化物、オキシハロゲン化物、ジオキシハロゲン化物、イミドハロゲン化物、またはイミドオキシハロゲン化物とを混合することにより化合物(B)が得られる。
【0036】
本発明の製造方法において、環状オレフィンモノマー(A)に対する化合物(B)の割合は、(化合物(B):環状オレフィンモノマー(A))のモル比で、通常1:100〜1:2,000,000、好ましくは1:200〜1,000,000、より好ましくは1:500〜1:500,000である。化合物(B)の量が多すぎると反応速度が速くなりすぎ、大型の成形品が得られない場合がある。また、化合物(B)の量が少なすぎると十分な重合活性が得られない場合がある。
【0037】
上記の化合物(B)に有機金属還元剤(C)を併用することでより高活性な重合触媒とすることができる。有機金属還元剤(C)としては、炭素数1〜20の炭化水素基を有する周期表第1、2、12、13または14族の金属を含有する有機金属化合物を挙げることができる。なかでも、有機リチウム、有機マグネシウム、有機亜鉛、有機アルミニウム又は有機スズが好ましく、有機リチウム、有機アルミニウムまたは有機スズが特に好ましい。有機リチウムとしては、n−ブチルリチウム、メチルリチウム、フェニルリチウム、ネオペンチルリチウム、ネオフィルリチウムなどを挙げることができる。有機マグネシウムとしては、ブチルエチルマグネシウム、ブチルオクチルマグネシウム、エチルマグネシウムクロリド、アリルマグネシウムブロミド、ネオペンチルマグネシウムクロリド、ネオフィルマグネシウムクロリドなどを挙げることができる。有機亜鉛としては、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジフェニル亜鉛などを挙げることができる。有機アルミニウムとしては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムジクロリドなどを挙げることができる。有機スズとしては、テトラメチルスズ、テトラ(n−ブチル)スズ、テトラフェニルスズなどを挙げることができる。
【0038】
有機金属還元剤(C)は、一種単独で、または二種以上を組み合わせて用いることができる。有機金属還元剤(C)の使用量は、化合物(B)に対して、モル比で0.1〜100倍が好ましく、0.2〜50倍がより好ましく、0.5〜20倍が特に好ましい。使用量が0.1倍未満では重合活性が向上せず、100倍を超えると、副反応が起こりやすくなる。
【0039】
化合物(B)および有機金属還元剤(C)は、少量の溶媒に溶解または分散させた溶液として用いてもよい。化合物(B)および有機金属還元剤(C)を溶解または分散させる溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に制限されない。例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、ビシクロヘプタン等の脂環式炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトニトリル等の含窒素炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;等が挙げられる。これらは1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、メタセシス重合触媒としての活性を低下させないものであれば、液状の老化防止剤、可塑剤やエラストマーを溶剤として用いてもよい。
【0040】
本発明の製造方法では、少なくとも、前記環状オレフィンモノマー(A)と前記化合物(B)とを混合してなる混合液を成形型内に注入し、その型内で環状オレフィンモノマーを塊状開環メタセシス重合させる。
環状オレフィンモノマー(A)、化合物(B)および有機金属還元剤(C)を混合する順序は特に限定されない。また、これらの成分を混合する方法も特に限定されず、バッチ式でも連続的に混合してもよい。混合装置としては、例えばバッチ式で混合する場合には通常の撹拌装置を用いることができる。また、連続的に混合する場合にはスタティックミキサー、ダイナミックミキサー、衝突混合式ミキサー等を用いることができる。
【0041】
中でも、上記各成分を連続的に混合しながら成形型内に注入するのが好ましい。具体的には、(i)環状オレフィンモノマー(A)と、化合物(B)とを連続的に混合しながら成形型内に注入する方法;(ii)化合物(B)と有機金属還元剤(C)を先に混合して触媒液とし、次いで該触媒液を環状オレフィンモノマー(A)と連続的に混合しながら成形型内に注入する方法;(iii)環状オレフィンモノマー(A)、化合物(B)および有機金属還元剤(C)の3成分を同時に連続的に混合しながら成形型内に注入する方法;が挙げられる。
【0042】
さらに、(iv)環状オレフィンモノマー(A)と化合物(B)とを混合した溶液と、環状オレフィンモノマー(A)と有機金属還元剤(C)とを混合した溶液とを、それぞれ調製し、これらを連続的に混合しながら成形型内に注入する方法も採用できる。この方法によれば、従来のRIM成型装置が使用可能であるので、取り扱いが簡便であり好ましい。
【0043】
本発明の製造方法によれば、高分子量の環状オレフィン系樹脂成形品を容易に得ることができる。得られる成形品は強度特性に優れるので、例えばタンク、塔槽類などの大型の成形品に好適に用いることができる。
一方、前記混合液に、分子量調整剤としてビニル化合物またはジエン化合物を含有せしめてもよい。分子量調整剤を添加することにより、混合液の流動性を調節することができ、複雑な形状の成形品を容易に得ることができる。また、得られる成形品の結晶化度を高めることができるので、より耐熱性に優れた成形品を得ることができる。
【0044】
ビニル化合物としては、特に限定されないが、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどのα−オレフィン類;スチレン、ビニルトルエンなどのスチレン類;エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、アリルグリシジルエーテルなどのビニルエーテル類;アリルクロライドなどのハロゲン含有ビニル化合物;酢酸アリル、グリシジルメタクリレートなどのエステル類;アリルアルコールなどの水酸基含有ビニル化合物;アクリルアミドなどの窒素含有ビニル化合物;を挙げることができる。
【0045】
ジエン化合物としては、特に限定されないが、例えば、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、2−メチル−1,4−ペンタジエン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエンなどの非共役ジエン;1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどの共役ジエン;を挙げることができる。添加する分子量調整剤の量は所望の分子量により、単量体に対して、0.1〜10モル%の間で任意に選択することができる。
【0046】
また、前記混合液には、重合反応に支障をきたさない限り、酸化防止剤、紫外線吸収剤、エラストマー、高分子改質剤、充填剤、着色剤、難燃剤、架橋剤、摺動化剤、発泡剤、表面平滑化のためのウイスカーなど種々の添加剤を添加することができる。
【0047】
本発明の環状オレフィン系樹脂成形品の製造方法に用いる成形装置や成形方法は特に限定されないが、レジントランスファーモールディング(RTM)法や反応射出成形(RIM)法により、環状オレフィン系モノマーを金型内において塊状重合する方法が有用である。金型は所定形状の成形物を得るために使用する。かかる塊状重合においては、従来からRTM機やRIM機として公知の成形機を使用することができる。
【0048】
本発明の製造方法では、通常、割型構造すなわちコア型とキャビティー型を有する成形型を用い、それらの空隙部(キャビティー)に反応液を注入して塊状重合を行なう。コア型とキャビティー型は、目的とする成形品の形状にあった空隙部を形成するように作成される。成形型の形状、材質、大きさには、特に制限はない。低粘度の反応液を用い、比較的低温低圧で成形できるため、金属製の成形型だけではなく、各種合成樹脂、低融点合金など種々の材料で作成されたものが使用できる。
【0049】
前記のキャビティー内へ供給する前の混合液の温度は、好ましくは20〜80℃である。反応液の粘度は、例えば40℃において、通常、2〜1,000cps、好ましくは、5〜300cpsである。反応原液をキャビティー内に充填する際の衝突圧力は、通常0.5〜10MPa、好ましくは1〜5MPaである。
【0050】
成形型温度は、通常、室温以上、好ましくは40〜200℃、特に好ましくは50〜130℃である。型締圧力は通常0.01〜10MPaの範囲内である。重合時間は適宜選択すればよいが、通常、10秒〜20分、好ましくは5分以内である。
【0051】
本発明の環状オレフィン系樹脂成形品は、前記の製造方法により得られ、融点を有するものである。本発明の環状オレフィン系樹脂成形品の融点は、通常140℃以上、好ましくは170〜350℃、より好ましくは200〜300℃であり、耐熱性に優れている。
【0052】
本発明の環状オレフィン系樹脂成形品は、成形型内で環状オレフィンモノマーを塊状開環メタセシス重合させてなる環状オレフィン系樹脂成形品であって、表面のロックウェル硬度がHRM55以上、好ましくは60以上のものである。上記本発明の製造方法により、ロックウェル硬度がHRM55以上の環状オレフィン系樹脂成形品を得ることができる。また本発明の環状オレフィン系樹脂成形品の鉛筆硬度は、好ましくはHB以上である。本発明の環状オレフィン系樹脂成形品は、表面硬度に優れているので、荷重による変形や表面の傷付きが起こり難いという利点を有する。
【0053】
本発明の環状オレフィン系樹脂成形品は、耐薬品性に優れている。例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、ビシクロヘプタン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;などの有機溶媒に、常温ではほとんど溶解、膨潤しない。本発明の環状オレフィン系樹脂成形品を室温にて1ヶ月トルエンに浸漬した後の重量変化率は、通常10%以下、好ましくは0.5%以下である。
【0054】
【実施例】
以下に、実施例、比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下の実施例及び比較例において、「部」及び「%」は特に断りのない限り重量基準である。
【0055】
(1)重合体の数平均分子量(Mn)は、オルトジクロロベンゼンを溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算値として測定した。
(2)重合体の融点(Tm)およびガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計を用いて、10℃/分で昇温して測定した。融点またはガラス転移温度が高いほど、熱による変形等が起こり難いことを示す。
(3)重合体の融解熱は、(DSC;示差走査熱量測定)により測定した。融解熱が高いほど、耐熱性に優れることを示す。
(4)成形品表面のロックウェル硬度(HRM)は、JIS K7202に従いスケールMで測定した。ロックウェル硬度が高いほど、荷重による変形が起こり難いことを示す。
(5)成形品表面の鉛筆硬度は、JIS K5600に従い測定した。鉛筆硬度が高いほど、成形品が耐引っ掻き性に優れることを示す。
(6)成形品の耐溶剤性は、成形品を室温にて1ヶ月トルエンに浸漬し、浸漬前後の成形品の重量変化率を測定した。重量変化率が小さいほど耐溶剤性に優れることを示す。
【0056】
[実施例1]
ビス{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}オキシタングステン(VI)(以下、触媒Xという)0.432部を、ジシクロペンタジエン63.1部に、40℃、窒素雰囲気下でガラス容器にて混合し、均一な溶液(反応原液a)を得た。
【0057】
n−ブチルリチウム0.061部を、ジシクロペンタジエン63.1部に、40℃、窒素雰囲気下でガラス容器にて混合し、均一な溶液(反応原液b)を得た。次いで、反応原液a10部と反応原液b10部とを激しく混合しながら70℃にセットした成形型内に注入して重合を開始した。ここで、成形型として、150mm×150mm×3mmの平板成形用で、2枚のヒーター付きクロームメッキ鉄板でコ字型スペーサーを挟んだものを用いた。
注入後1分間で240℃まで発熱、硬化し、赤褐色みを帯びた白色の成形品を得た。この成形品の表面をトルエンで拭き、40℃の真空乾燥機にて1時間乾燥して成形品Aを得た。
【0058】
[実施例2]
攪拌機付きガラス反応器に、ビス{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}(2,6−ジイソプロピルフェニルイミド)タングステン(VI)(以下、触媒Yという)を0.110部とトルエン3.5部を添加し、これを−78℃に冷却した。さらにn−ブチルリチウムの2.2%ヘキサン溶液0.67部を添加して、これを室温まで戻し1時間反応した。得られた混合物に、40℃のジシクロペンタジエン29.9部を添加して激しく攪拌した後、40℃にセットした成形型(実施例1で用いたものと同じもの)に注入して重合を開始した。注入後5分間で220℃まで発熱、硬化し、褐色みを帯びた白色の成形品を得た。この成形品の表面をトルエンで拭き、40℃の真空乾燥機にて1時間乾燥して成形品Bを得た。
【0059】
[実施例3]
触媒Y0.110部に代えて触媒X0.102部を用い、ジシクロペンタジエン29.9部に加えてさらに1−オクテン2.54部を添加した他は、実施例2と同様にして重合を開始した。注入後3分間で180℃まで発熱、硬化し、褐色みを帯びた白色の成形品を得た。この成形品の表面をトルエンで拭き、40℃の真空乾燥機にて1時間乾燥して成形品Cを得た。
【0060】
[実施例4]
触媒Y0.110部に代えて{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}オキシタングステン(VI)ジクロリド0.070部を用いた他は、実施例2と同様にして重合を開始した。注入後3分間で210℃まで発熱、硬化し、黒紫色みを帯びた白色の成形品を得た。この成形品の表面をトルエンで拭き、40℃の真空乾燥機にて1時間乾燥して成形品Dを得た。
【0061】
[比較例1]
触媒Y0.110部に代えてタングステン(VI)モノオキシテトラキス(2,6−ジメチルフェノキシド)0.077部を用い、成形型を60℃にセットした他は、実施例2と同様にして重合を開始した。注入後10分間で220℃まで発熱、硬化し、赤褐色みを帯びた透明の成形品を得た。この成形品の表面をメタノールで拭き、40℃の真空乾燥機にて1時間乾燥して成形品Eを得た。
【0062】
【表1】
【0063】
各実施例および比較例で得られた成形品の各種特性を表1に示す。環状オレフィンモノマーと、芳香族ジオキシ基を配位子として有する周期表第4族〜第6族遷移金属化合物とを混合してなる混合液を成形型内に注入し、その型内で環状オレフィンモノマーを塊状開環メタセシス重合させて得られた本発明の成形品は、250℃以上と高い融点を示し、耐熱性に優れることが分かる。また該成形品は硬度が高く、かつ耐溶剤性も高いものであった(実施例1〜4)。一方、重合触媒として芳香族モノオキシ基を配位子として有するタングステン化合物を用いて得られた成形品は、ガラス転移温度が150℃と耐熱性が劣り、また表面硬度、耐溶剤性も低いものであった(比較例1)。
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、耐熱性、耐薬品性および機械強度に優れる環状オレフィン系樹脂成形品、および該成形品を工業的有利に製造する方法が提供される。該成形品は例えばガソリンタンクのような自動車用材料として好適に用いることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は耐熱性、耐溶剤性および表面硬度に優れる環状オレフィン系樹脂成形品ならびにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、環状オレフィンモノマーをメタセシス重合触媒の存在下に開環重合することにより、非晶質の環状オレフィン系樹脂が得られることが知られている。非晶質の環状オレフィン系樹脂は電気特性、光学特性、低吸湿性などに優れるという特徴を有し、成形品として種々の用途に用いられている。かかる成形品の製造方法としては、環状オレフィンモノマーを溶液重合して得られる重合体を、射出成形やカレンダー成形等の熱成形法により成形品とする方法がある。また、反応射出成形法(RIM法)のように、金型内でノルボルネン系モノマーを塊状(バルク)重合して成形品を得る方法も知られている。しかしながら、これらの成形品は、その用途によっては要求特性を満足できない場合があった。
【0003】
例えば、従来のジシクロペンタジエンを主成分とするRIM成形品はガラス転移温度(Tg)が通常100〜160℃で、熱変形温度がTgより30℃程度低いものであった。このため、高温下で使用する用途には不向きであり、また、製造時にも変形を防ぐために成形品の熱変形温度以下まで成形型を冷却する必要があり、生産性の面でも不利になる場合があった。
【0004】
さらに、かかるRIM成形品は、衝撃強度に優れる一方で表面硬度が比較的低く、成形品の表面に傷が付いたり、荷重により変形したりしやすいという問題があった。傷付きを防止するために塗料や他の樹脂でコーティングする方法が知られているが、これらの工程が加わることにより生産性や製造コストの面で不利になる場合があった。
【0005】
また、非晶質の環状オレフィン系樹脂は、一般に耐酸性、耐アルカリ性に優れているものの、有機溶剤、特にトルエンやヘキサンなどの炭化水素系の溶剤に対しては溶解または膨潤する場合があり、例えばガソリンタンクのような自動車用材料などに用いるのは困難であった。
【0006】
耐熱性、耐溶剤性に優れた環状オレフィン系樹脂成形品として、結晶性を有するノルボルネン系開環重合体およびノルボルネン系開環重合体水素化物の成形品が提案されている(特許文献1〜4参照)。しかしながら、これらの樹脂は耐熱性が高く溶融成形において高温を必要とするため、特に大型成形品の製造においてはエネルギー面や装置のコスト面で不利となる場合があり、また、成形時にポリマーが酸化劣化するおそれがあった。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−20464号公報
【特許文献2】
特開2002−105179号公報
【特許文献3】
特開2002−249554号公報
【特許文献4】
特開2002−249555号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来技術の問題点に鑑み、本発明の目的は、耐熱性、耐溶剤性に優れ、荷重による変形を受け難く、かつコーティングなどの工程を省略しても表面の傷付きが抑制された環状オレフィン系樹脂成形品、およびその工業的有利な製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討の結果、環状オレフィンモノマーと芳香族ジオキシ基を配位子として有する周期表第4族〜第6族遷移金属化合物とを混合してなる混合液を成形型内に注入し、その型内で環状オレフィンモノマーを塊状開環メタセシス重合させることにより、耐熱性、耐薬品性および機械強度に優れる環状オレフィン系樹脂成形品が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0010】
かくして本発明によれば、少なくとも、環状オレフィンモノマー(A)と、芳香族ジオキシ基を配位子として有する周期表第4族〜第6族遷移金属化合物(B)とを混合してなる混合液を成形型内に注入し、その型内で環状オレフィンモノマーを塊状開環メタセシス重合させる環状オレフィン系樹脂成形品の製造方法が提供される。
前記混合液は、さらに有機金属還元剤(C)を含むことが好ましい。
環状オレフィンモノマー(A)は、2環〜4環の無置換ノルボルネン類であることが好ましい。
【0011】
また本発明によれば、上記の製造方法により得られる、融点を有する環状オレフィン系樹脂成形品が提供される。
【0012】
さらに本発明によれば、成形型内で環状オレフィンモノマーを塊状開環メタセシス重合させてなる環状オレフィン系樹脂成形品であって、表面のロックウェル硬度がHRM55以上であることを特徴とする環状オレフィン系樹脂成形品が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法は、少なくとも、環状オレフィンモノマー(A)と芳香族ジオキシ基を配位子として有する周期表(長周期型、以下同じ)第4族〜第6族遷移金属化合物(B)とを混合してなる混合液を成形型内に注入し、その型内で環状オレフィンモノマーを塊状開環メタセシス重合させる。
【0014】
環状オレフィンモノマー(A)としては、環状モノオレフィンや環状ジオレフィンなどの単環の環状オレフィンモノマー、ノルボルネン系モノマーなどの多環の環状オレフィンモノマーが挙げられる。これらの環状オレフィンモノマーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、ノルボルネン系モノマーを用いる場合には、ノルボルネン環の二重結合以外にさらに二重結合を有していてもよい。
【0015】
単環の環状オレフィンモノマーとしては、炭素数が通常4〜20、好ましくは4〜10の環状モノオレフィン又は環状ジオレフィンが挙げられる。環状モノオレフィンの具体例としては、シクロブテン、シクロペンテン、メチルシクロペンテン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン等が挙げられる。環状ジオレフィンの具体例としては、シクロヘキサジエン、メチルシクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチルシクロオクタジエン、フェニルシクロオクタジエン等が挙げられる。
【0016】
ノルボルネン系モノマーとしては、置換および無置換の2環若しくは3環以上の多環ノルボルネンを用いることができ、その具体例としては、ノルボルネン、ノルボルナジエン、メチルノルボルネン、ジメチルノルボルネン、エチルノルボルネン、塩素化ノルボルネン、エチリデンノルボルネン、クロロメチルノルボルネン、トリメチルシリルノルボルネン、フェニルノルボルネン、シアノノルボルネン、ジシアノノルボルネン、メトキシカルボニルノルボルネン、ピリジルノルボルネン、ナジック酸無水物、ナジック酸イミド等の官能基を有していてもよい2環ノルボルネン類;
【0017】
ジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエンやそのアルキル、アルケニル、アルキリデン、アリール、ヒドロキシ、酸無水物基、カルボキシル、アルコキシカルボニル置換体等の3環ノルボルネン類;ジメタノヘキサヒドロナフタレン、ジメタノオクタヒドロナフタレン、メタノテトラヒドロフルオレンやそのアルキル、アルケニル、アルキリデン、アリール、ヒドロキシ、酸無水物基、カルボキシル、アルコキシカルボニル置換体等の4環ノルボルネン類;トリシクロペンタジエン等の5環ノルボルネン類;ヘキサシクロヘプタデセン等の6環ノルボルネン類;ジノルボルネン、二個のノルボルネン環が炭化水素又はエステル基等で結合した化合物、これらのアルキル、アリール置換体等のノルボルネン環を含む化合物等が挙げられる。
【0018】
これらの中でも、ノルボルネン系モノマーの使用が好ましく、2環〜4環のノルボルネン類がより好ましく、2環〜4環の無置換ノルボルネン類が特に好ましい。具体的には、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、ジメタノオクタヒドロナフタレンなどが挙げられる。
【0019】
ノルボルネン系モノマーの使用量は、環状オレフィンモノマー全量に対して好ましくは60重量%以上、より好ましくは80重量%以上である。また、ノルボルネン系モノマーには、エンド体とエキソ体の異性体が含まれる。本発明に使用するモノマーは、これら異性体の混合物であっても構わないが、異性体混合物中において、いずれかの異性体成分の組成比が高いほうが好ましい。具体的には、いずれかの異性体が通常70%以上、特に80%以上あるものが好ましい。いずれかの異性体成分の組成比を高くすることにより、得られる成形品が高度に結晶化するので、耐熱性をより高めることができる。
【0020】
本発明では、芳香族ジオキシ基を配位子として有する周期表第4族〜第6族遷移金属化合物(B)(以下、「化合物(B)」という。)を用いる。化合物(B)としては、例えば、一般式(1)および(2)で表される化合物が挙げられる。
【0021】
【化1】
【0022】
【化2】
【0023】
前記式(1)および(2)において、Mは周期表第4〜6族遷移金属原子を表す。具体的には、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステンなどが挙げられる。中でも、モリブデンおよびタングステンが、重合活性が良好なので好ましい。
Xはハロゲン原子を表す。具体的には、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0024】
R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アルコキシル基もしくはアリールオキシ基、またはシアノ基を表し、これらは互いに結合して環構造を形成していてもよい。
ハロゲン原子としては、前記と同様のものが挙げられる。炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基等の炭素数1〜20のアルキル基;シクロペンチル基、シクロへキシル基、アダマンチル基等の炭素数3〜20のシクロアルキル基;ベンジル基、1−フェニルエチル基、1−(α−ナフチル)エチル基、1−(β−ナフチル)エチル基等の炭素数7〜20のアラルキル基;ビニル基、プロペニル基、アリル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の炭素数2〜20のアルケニル基;エチニル基、プロピニル基等の炭素数2〜20のアルキニル基;フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−tert−ブチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、メシチル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等の炭素数6〜20のアリール基;などが挙げられる。
【0025】
アルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、イソロポキシ基などを、アリールオキシ基としては、フェノキシ基、4−メチルフェニルオキシ基などを挙げることができる。
前記の炭化水素基、アルコキシル基およびアリールオキシ基は、その水素原子の一部が、例えば、ニトロ基、ニトロソ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、カルボキシル基、カルボニル基、シリル基、スルホニル基等の官能基、またはハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0026】
中でも、オキシ基が結合している炭素原子の隣の炭素原子に結合している基、すなわち一般式(1)においてはR1および/またはR8が、一般式(2)においてはR1および/またはR6が、嵩高い基であることがより好ましい。嵩高い基としては、イソプロピル基等の2級アルキル基、t−ブチル基等の3級アルキル基、フェニル基やメシチル基等のアリール基、トリフルオロメチル基等のハロアルキル基などが挙げられる。
【0027】
R9は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜18のアリールオキシ基、炭素数1〜12のハロアルキル基もしくは炭素数6〜18のハロアリール基を表す。
【0028】
前記式(1)において、Zは、一般式[−CR11R12−]、一般式[−SiR13R14−]、一般式[−(C=O)−]および一般式[−NR15−]で表される基、ならびに酸素原子および硫黄原子から選ばれる。ここで、R11〜R15はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を表す。ハロゲン原子および炭化水素基としては、前記R1〜R8の説明において例示したものと同様のものが挙げられる。また、mは0または1であり、0が好ましい。
【0029】
前記式(1)〜(3)において、nは0〜4の整数、pは1または2、qおよびrは0〜2の整数であり、n+p+q+rは、M元素の価数によって決まる。
【0030】
化合物(B)の好ましい具体例としては、ビス{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}(2,6−ジイソプロピルフェニルイミド)タングステン(VI)、ビス{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}(2,6−ジメチルフェニルイミド)タングステン(VI)、ビス{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}(フェニルイミド)タングステン(VI)などのタングステンイミドビスアリーロキシド;
{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}(2,6−ジイソプロピルフェニルイミド)オキシタングステン(VI)、{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}(2,6−ジメチルフェニルイミド)オキシタングステン(VI)、{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}(フェニルイミド)オキシタングステン(VI)などのタングステンイミドオキシアリーロキシド;
【0031】
{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}(2,6−ジイソプロピルフェニルイミド)タングステン(VI)ジクロリド、{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}(2,6−ジメチルフェニルイミド)タングステン(VI)ジクロリド、{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}(フェニルイミド)タングステン(VI)ジクロリドなどのタングステンイミドアリーロキシジクロリド;
ビス{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}オキシタングステン(VI)、ビス{3,3’−ジフェニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジオキシ}オキシタングステン(VI)などのタングステンオキシビスアリーロキシド;
【0032】
{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}オキシタングステン(VI)ジクロリド、{3,3’−ジフェニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジオキシ}オキシタングステン(VI)ジクロリドなどのタングステンオキシアリーロキシジクロリド;
ビス{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}タングステン(VI)ジクロリド、{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}タングステン(VI)テトラクロリド、ビス{3,3’−ジフェニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジオキシ}タングステン(VI)ジクロリド、{3,3’−ジフェニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジオキシ}タングステン(VI)テトラクロリドなどのタングステンアリーロキシドクロリド;
【0033】
{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}(2,6−ジイソプロピルフェニルイミド)オキシモリブデン(VI)、{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}(2,6−ジメチルフェニルイミド)オキシモリブデン(VI)、{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}(フェニルイミド)オキシモリブデン(VI)などのモリブデンイミドオキシアリーロキシド;
ビス{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}オキシモリブデン(VI)、ビス{3,3’−ジフェニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジオキシ}オキシモリブデン(VI)などのモリブデンオキシビスアリーロキシド;
【0034】
{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}オキシモリブデン(VI)ジクロリド、{3,3’−ジフェニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジオキシ}オキシモリブデン(VI)ジクロリドなどのモリブデンオキシアリーロキシドジクロリド;
{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}ジオキシモリブデン(VI)、{3,3’−ジフェニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジオキシ}ジオキシモリブデン(VI)などのモリブデンジオキシアリーロキシド;を挙げることができる。
【0035】
化合物(B)の製法は特に限定されず、例えば、WO02/72659号公報、Journal of Chemical Society,Chemical Communications,1987年,129頁、Journal of American Chemical Society,1982年,104巻,7483頁などに記載された方法によって製造することができる。具体的には、二価フェノール類または二価フェノキシド類と、周期表第4〜6族遷移金属のハロゲン化物、オキシハロゲン化物、ジオキシハロゲン化物、イミドハロゲン化物、またはイミドオキシハロゲン化物とを混合することにより化合物(B)が得られる。
【0036】
本発明の製造方法において、環状オレフィンモノマー(A)に対する化合物(B)の割合は、(化合物(B):環状オレフィンモノマー(A))のモル比で、通常1:100〜1:2,000,000、好ましくは1:200〜1,000,000、より好ましくは1:500〜1:500,000である。化合物(B)の量が多すぎると反応速度が速くなりすぎ、大型の成形品が得られない場合がある。また、化合物(B)の量が少なすぎると十分な重合活性が得られない場合がある。
【0037】
上記の化合物(B)に有機金属還元剤(C)を併用することでより高活性な重合触媒とすることができる。有機金属還元剤(C)としては、炭素数1〜20の炭化水素基を有する周期表第1、2、12、13または14族の金属を含有する有機金属化合物を挙げることができる。なかでも、有機リチウム、有機マグネシウム、有機亜鉛、有機アルミニウム又は有機スズが好ましく、有機リチウム、有機アルミニウムまたは有機スズが特に好ましい。有機リチウムとしては、n−ブチルリチウム、メチルリチウム、フェニルリチウム、ネオペンチルリチウム、ネオフィルリチウムなどを挙げることができる。有機マグネシウムとしては、ブチルエチルマグネシウム、ブチルオクチルマグネシウム、エチルマグネシウムクロリド、アリルマグネシウムブロミド、ネオペンチルマグネシウムクロリド、ネオフィルマグネシウムクロリドなどを挙げることができる。有機亜鉛としては、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジフェニル亜鉛などを挙げることができる。有機アルミニウムとしては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムジクロリドなどを挙げることができる。有機スズとしては、テトラメチルスズ、テトラ(n−ブチル)スズ、テトラフェニルスズなどを挙げることができる。
【0038】
有機金属還元剤(C)は、一種単独で、または二種以上を組み合わせて用いることができる。有機金属還元剤(C)の使用量は、化合物(B)に対して、モル比で0.1〜100倍が好ましく、0.2〜50倍がより好ましく、0.5〜20倍が特に好ましい。使用量が0.1倍未満では重合活性が向上せず、100倍を超えると、副反応が起こりやすくなる。
【0039】
化合物(B)および有機金属還元剤(C)は、少量の溶媒に溶解または分散させた溶液として用いてもよい。化合物(B)および有機金属還元剤(C)を溶解または分散させる溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に制限されない。例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、ビシクロヘプタン等の脂環式炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトニトリル等の含窒素炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;等が挙げられる。これらは1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、メタセシス重合触媒としての活性を低下させないものであれば、液状の老化防止剤、可塑剤やエラストマーを溶剤として用いてもよい。
【0040】
本発明の製造方法では、少なくとも、前記環状オレフィンモノマー(A)と前記化合物(B)とを混合してなる混合液を成形型内に注入し、その型内で環状オレフィンモノマーを塊状開環メタセシス重合させる。
環状オレフィンモノマー(A)、化合物(B)および有機金属還元剤(C)を混合する順序は特に限定されない。また、これらの成分を混合する方法も特に限定されず、バッチ式でも連続的に混合してもよい。混合装置としては、例えばバッチ式で混合する場合には通常の撹拌装置を用いることができる。また、連続的に混合する場合にはスタティックミキサー、ダイナミックミキサー、衝突混合式ミキサー等を用いることができる。
【0041】
中でも、上記各成分を連続的に混合しながら成形型内に注入するのが好ましい。具体的には、(i)環状オレフィンモノマー(A)と、化合物(B)とを連続的に混合しながら成形型内に注入する方法;(ii)化合物(B)と有機金属還元剤(C)を先に混合して触媒液とし、次いで該触媒液を環状オレフィンモノマー(A)と連続的に混合しながら成形型内に注入する方法;(iii)環状オレフィンモノマー(A)、化合物(B)および有機金属還元剤(C)の3成分を同時に連続的に混合しながら成形型内に注入する方法;が挙げられる。
【0042】
さらに、(iv)環状オレフィンモノマー(A)と化合物(B)とを混合した溶液と、環状オレフィンモノマー(A)と有機金属還元剤(C)とを混合した溶液とを、それぞれ調製し、これらを連続的に混合しながら成形型内に注入する方法も採用できる。この方法によれば、従来のRIM成型装置が使用可能であるので、取り扱いが簡便であり好ましい。
【0043】
本発明の製造方法によれば、高分子量の環状オレフィン系樹脂成形品を容易に得ることができる。得られる成形品は強度特性に優れるので、例えばタンク、塔槽類などの大型の成形品に好適に用いることができる。
一方、前記混合液に、分子量調整剤としてビニル化合物またはジエン化合物を含有せしめてもよい。分子量調整剤を添加することにより、混合液の流動性を調節することができ、複雑な形状の成形品を容易に得ることができる。また、得られる成形品の結晶化度を高めることができるので、より耐熱性に優れた成形品を得ることができる。
【0044】
ビニル化合物としては、特に限定されないが、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどのα−オレフィン類;スチレン、ビニルトルエンなどのスチレン類;エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、アリルグリシジルエーテルなどのビニルエーテル類;アリルクロライドなどのハロゲン含有ビニル化合物;酢酸アリル、グリシジルメタクリレートなどのエステル類;アリルアルコールなどの水酸基含有ビニル化合物;アクリルアミドなどの窒素含有ビニル化合物;を挙げることができる。
【0045】
ジエン化合物としては、特に限定されないが、例えば、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、2−メチル−1,4−ペンタジエン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエンなどの非共役ジエン;1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどの共役ジエン;を挙げることができる。添加する分子量調整剤の量は所望の分子量により、単量体に対して、0.1〜10モル%の間で任意に選択することができる。
【0046】
また、前記混合液には、重合反応に支障をきたさない限り、酸化防止剤、紫外線吸収剤、エラストマー、高分子改質剤、充填剤、着色剤、難燃剤、架橋剤、摺動化剤、発泡剤、表面平滑化のためのウイスカーなど種々の添加剤を添加することができる。
【0047】
本発明の環状オレフィン系樹脂成形品の製造方法に用いる成形装置や成形方法は特に限定されないが、レジントランスファーモールディング(RTM)法や反応射出成形(RIM)法により、環状オレフィン系モノマーを金型内において塊状重合する方法が有用である。金型は所定形状の成形物を得るために使用する。かかる塊状重合においては、従来からRTM機やRIM機として公知の成形機を使用することができる。
【0048】
本発明の製造方法では、通常、割型構造すなわちコア型とキャビティー型を有する成形型を用い、それらの空隙部(キャビティー)に反応液を注入して塊状重合を行なう。コア型とキャビティー型は、目的とする成形品の形状にあった空隙部を形成するように作成される。成形型の形状、材質、大きさには、特に制限はない。低粘度の反応液を用い、比較的低温低圧で成形できるため、金属製の成形型だけではなく、各種合成樹脂、低融点合金など種々の材料で作成されたものが使用できる。
【0049】
前記のキャビティー内へ供給する前の混合液の温度は、好ましくは20〜80℃である。反応液の粘度は、例えば40℃において、通常、2〜1,000cps、好ましくは、5〜300cpsである。反応原液をキャビティー内に充填する際の衝突圧力は、通常0.5〜10MPa、好ましくは1〜5MPaである。
【0050】
成形型温度は、通常、室温以上、好ましくは40〜200℃、特に好ましくは50〜130℃である。型締圧力は通常0.01〜10MPaの範囲内である。重合時間は適宜選択すればよいが、通常、10秒〜20分、好ましくは5分以内である。
【0051】
本発明の環状オレフィン系樹脂成形品は、前記の製造方法により得られ、融点を有するものである。本発明の環状オレフィン系樹脂成形品の融点は、通常140℃以上、好ましくは170〜350℃、より好ましくは200〜300℃であり、耐熱性に優れている。
【0052】
本発明の環状オレフィン系樹脂成形品は、成形型内で環状オレフィンモノマーを塊状開環メタセシス重合させてなる環状オレフィン系樹脂成形品であって、表面のロックウェル硬度がHRM55以上、好ましくは60以上のものである。上記本発明の製造方法により、ロックウェル硬度がHRM55以上の環状オレフィン系樹脂成形品を得ることができる。また本発明の環状オレフィン系樹脂成形品の鉛筆硬度は、好ましくはHB以上である。本発明の環状オレフィン系樹脂成形品は、表面硬度に優れているので、荷重による変形や表面の傷付きが起こり難いという利点を有する。
【0053】
本発明の環状オレフィン系樹脂成形品は、耐薬品性に優れている。例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、ビシクロヘプタン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;などの有機溶媒に、常温ではほとんど溶解、膨潤しない。本発明の環状オレフィン系樹脂成形品を室温にて1ヶ月トルエンに浸漬した後の重量変化率は、通常10%以下、好ましくは0.5%以下である。
【0054】
【実施例】
以下に、実施例、比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下の実施例及び比較例において、「部」及び「%」は特に断りのない限り重量基準である。
【0055】
(1)重合体の数平均分子量(Mn)は、オルトジクロロベンゼンを溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算値として測定した。
(2)重合体の融点(Tm)およびガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計を用いて、10℃/分で昇温して測定した。融点またはガラス転移温度が高いほど、熱による変形等が起こり難いことを示す。
(3)重合体の融解熱は、(DSC;示差走査熱量測定)により測定した。融解熱が高いほど、耐熱性に優れることを示す。
(4)成形品表面のロックウェル硬度(HRM)は、JIS K7202に従いスケールMで測定した。ロックウェル硬度が高いほど、荷重による変形が起こり難いことを示す。
(5)成形品表面の鉛筆硬度は、JIS K5600に従い測定した。鉛筆硬度が高いほど、成形品が耐引っ掻き性に優れることを示す。
(6)成形品の耐溶剤性は、成形品を室温にて1ヶ月トルエンに浸漬し、浸漬前後の成形品の重量変化率を測定した。重量変化率が小さいほど耐溶剤性に優れることを示す。
【0056】
[実施例1]
ビス{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}オキシタングステン(VI)(以下、触媒Xという)0.432部を、ジシクロペンタジエン63.1部に、40℃、窒素雰囲気下でガラス容器にて混合し、均一な溶液(反応原液a)を得た。
【0057】
n−ブチルリチウム0.061部を、ジシクロペンタジエン63.1部に、40℃、窒素雰囲気下でガラス容器にて混合し、均一な溶液(反応原液b)を得た。次いで、反応原液a10部と反応原液b10部とを激しく混合しながら70℃にセットした成形型内に注入して重合を開始した。ここで、成形型として、150mm×150mm×3mmの平板成形用で、2枚のヒーター付きクロームメッキ鉄板でコ字型スペーサーを挟んだものを用いた。
注入後1分間で240℃まで発熱、硬化し、赤褐色みを帯びた白色の成形品を得た。この成形品の表面をトルエンで拭き、40℃の真空乾燥機にて1時間乾燥して成形品Aを得た。
【0058】
[実施例2]
攪拌機付きガラス反応器に、ビス{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}(2,6−ジイソプロピルフェニルイミド)タングステン(VI)(以下、触媒Yという)を0.110部とトルエン3.5部を添加し、これを−78℃に冷却した。さらにn−ブチルリチウムの2.2%ヘキサン溶液0.67部を添加して、これを室温まで戻し1時間反応した。得られた混合物に、40℃のジシクロペンタジエン29.9部を添加して激しく攪拌した後、40℃にセットした成形型(実施例1で用いたものと同じもの)に注入して重合を開始した。注入後5分間で220℃まで発熱、硬化し、褐色みを帯びた白色の成形品を得た。この成形品の表面をトルエンで拭き、40℃の真空乾燥機にて1時間乾燥して成形品Bを得た。
【0059】
[実施例3]
触媒Y0.110部に代えて触媒X0.102部を用い、ジシクロペンタジエン29.9部に加えてさらに1−オクテン2.54部を添加した他は、実施例2と同様にして重合を開始した。注入後3分間で180℃まで発熱、硬化し、褐色みを帯びた白色の成形品を得た。この成形品の表面をトルエンで拭き、40℃の真空乾燥機にて1時間乾燥して成形品Cを得た。
【0060】
[実施例4]
触媒Y0.110部に代えて{3,3’−ジ(t−ブチル)−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノキシ}オキシタングステン(VI)ジクロリド0.070部を用いた他は、実施例2と同様にして重合を開始した。注入後3分間で210℃まで発熱、硬化し、黒紫色みを帯びた白色の成形品を得た。この成形品の表面をトルエンで拭き、40℃の真空乾燥機にて1時間乾燥して成形品Dを得た。
【0061】
[比較例1]
触媒Y0.110部に代えてタングステン(VI)モノオキシテトラキス(2,6−ジメチルフェノキシド)0.077部を用い、成形型を60℃にセットした他は、実施例2と同様にして重合を開始した。注入後10分間で220℃まで発熱、硬化し、赤褐色みを帯びた透明の成形品を得た。この成形品の表面をメタノールで拭き、40℃の真空乾燥機にて1時間乾燥して成形品Eを得た。
【0062】
【表1】
【0063】
各実施例および比較例で得られた成形品の各種特性を表1に示す。環状オレフィンモノマーと、芳香族ジオキシ基を配位子として有する周期表第4族〜第6族遷移金属化合物とを混合してなる混合液を成形型内に注入し、その型内で環状オレフィンモノマーを塊状開環メタセシス重合させて得られた本発明の成形品は、250℃以上と高い融点を示し、耐熱性に優れることが分かる。また該成形品は硬度が高く、かつ耐溶剤性も高いものであった(実施例1〜4)。一方、重合触媒として芳香族モノオキシ基を配位子として有するタングステン化合物を用いて得られた成形品は、ガラス転移温度が150℃と耐熱性が劣り、また表面硬度、耐溶剤性も低いものであった(比較例1)。
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、耐熱性、耐薬品性および機械強度に優れる環状オレフィン系樹脂成形品、および該成形品を工業的有利に製造する方法が提供される。該成形品は例えばガソリンタンクのような自動車用材料として好適に用いることができる。
Claims (5)
- 少なくとも、環状オレフィンモノマー(A)と、芳香族ジオキシ基を配位子として有する周期表第4族〜第6族遷移金属化合物(B)とを混合してなる混合液を成形型内に注入し、その型内で環状オレフィンモノマーを塊状開環メタセシス重合させる環状オレフィン系樹脂成形品の製造方法。
- 前記混合液が、さらに有機金属還元剤(C)を含むことを特徴とする請求項1記載の環状オレフィン系樹脂成形品の製造方法。
- 環状オレフィンモノマー(A)が2環〜4環の無置換ノルボルネン類である請求項1または2に記載の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法により得られる、融点を有する環状オレフィン系樹脂成形品。
- 成形型内で環状オレフィンモノマーを塊状開環メタセシス重合させてなる環状オレフィン系樹脂成形品であって、表面のロックウェル硬度がHRM55以上であることを特徴とする環状オレフィン系樹脂成形品。
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