JP3888426B2 - ノルボルネン系樹脂積層体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、組成が異なる反応液を成形型内に順次注入して塊状開環重合させることにより、物性が異なるノルボルネン系樹脂層を積層するノルボルネン系樹脂積層体の製造方法に関する。
ここで、「物性」とは、色、剛性、弾性、耐候性、比重、熱膨張率、難燃性等のノルボルネン系樹脂層に付与される物理的・化学的性質をいう。
【0002】
【従来技術】
従来から、非発泡層(スキン層)、発泡層及びスキン層の三層からなるサンドイッチ構造体等のように、物性が異なる樹脂層を積層した樹脂積層体が製造されている。そしてこのものが、建築材料、公園資材、住宅資材、レジャー用品、輸送機器、輸送容器、保存容器材料等として使用されている。
【0003】
このような樹脂積層体の製造方法として、成形型に、表面層として金属板又は硬質プラスチックからなる部材を取り付け、ノルボルネン系モノマーとタングステン系やモリブデン系等のメタセシス重合触媒を含有する反応液を注入し、塊状開環重合させることにより、該部材表面にノルボルネン系樹脂層を積層する複合材料の製造方法が知られている(特開平3−147822号公報)。
【0004】
しかしながら、この方法では、部材とノルボルネン系樹脂層との密着性を高めるために、該部材表面に予め塊状開環重合を阻害しないポリマーを被覆処理する必要があり、また、成形型に予め部材をとりつけてから成形する必要があるため、複合する部材の材質や形状の選択の自由度が低く、さらに、生産効率が劣るという問題があった。また、この方法では四層以上の積層体は得られない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる実情の下でなされたものであり、ノルボルネン系モノマーを塊状開環重合させることにより、簡便かつ効率よく物性が異なるノルボルネン系樹脂層を積層できるノルボルネン系樹脂積層体の製造方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
重合性モノマーを含む反応液の組成を変化させると、重合して得られる樹脂層の物性が異なることはよく知られている。
本発明者等は、ノルボルネン系モノマー及びメタセシス触媒を含む反応液の組成を変化させて、それらの反応液を成形型内に順次注入して塊状開環重合させることを繰り返すことにより、物性が異なるノルボルネン系樹脂層を積層することを試みた。しかしながら、従来のタングステン系やモリブデン系等のメタセシス重合触媒を用いてノルボルネン系樹脂層の積層を試みても、形成されるノルボルネン系樹脂層間の密着性が乏しく、繰り返しの負荷がかかると層間の界面で剥離の問題を起こし、所望のノルボルネン系樹脂積層体を得ることができなかった。
【0007】
一方、近年においては、ノルボルネン系モノマーのメタセシス重合触媒として、ルテニウム又はオスミウムのカルベン錯体が有用であることが報告されている(米国特許第5710298号公報、同5849851号公報、WO99/51344号明細書やWO00/58322号明細書、WO00/71554号明細書)。
【0008】
本発明者等は、メタセシス重合触媒としてルテニウムやオスミウム等の金属の金属カルベン錯体を用いて、組成が異なる反応液を順次塊状開環重合させたところ、物性が異なるノルボルネン系樹脂層を簡便かつ効率よく積層できること、及び得られるノルボルネン系樹脂層は層間密着性に極めて優れることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0009】
かくして本発明の第1によれば、ノルボルネン系モノマー(1)及び金属カルベン錯体(1)を含有する反応液(1)を成形型(1)内に注入して、塊状開環重合させることによりノルボルネン系樹脂層(1)を形成する工程と、ノルボルネン系モノマー(2)及び金属カルベン錯体(2)を含有する反応液(2)を成形型(2)内に注入して、塊状開環重合させることにより、前記ノルボルネン系樹脂層(1)上にノルボルネン系樹脂層(2)を積層する工程とを有し、前記反応液(1)と反応液(2)とが異なる組成であることを特徴とするノルボルネン系樹脂積層体の製造方法が提供される。
【0010】
本発明の製造方法においては、前記第1のノルボルネン系樹脂層上に、第1のノルボルネン系樹脂層の比重と0.1以上異なる比重を有する第2のノルボルネン系樹脂層を積層するのが好ましい。また前記成形型(2)として、前記成形型(1)と共通部分を有する成形型を用いるのが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法は、反応液(1)を成形型(1)内に注入して、塊状開環重合させることによりノルボルネン系樹脂層(1)を形成する工程と、反応液(2)を成形型(2)内に注入して、塊状開環重合させることにより、前記ノルボルネン系樹脂層(1)上にノルボルネン系樹脂層(2)を積層する工程とを有する。以下、本発明のノルボルネン系樹脂積層体の製造方法を詳細に説明する。
【0012】
1)ノルボルネン系樹脂層(1)の形成
ノルボルネン系樹脂層(1)は、反応液(1)を成形型(1)内に注入して、塊状開環重合させることにより形成することができる。反応液(1)は、ノルボルネン系モノマー(1)、金属カルベン錯体(1)及び必要に応じて添加剤を含む液である。
【0013】
ノルボルネン系モノマー(1)は、置換基を有していてもよいノルボルネン環構造を有する二環若しくは三環以上の多環炭化水素化合物である。
ノルボルネン系モノマー(1)の具体例としては、ノルボルネン、ノルボルナジエン、メチルノルボルネン、ジメチルノルボルネン、エチルノルボルネン、塩素化ノルボルネン、エチリデンノルボルネン、クロロメチルノルボルネン、トリメチルシリルノルボルネン、フェニルノルボルネン、シアノノルボルネン、ジシアノノルボルネン、メトキシカルボニルノルボルネン、ピリジルノルボルネン、ノルボルネンのナヂック酸無水物、ノルボルネンのナヂック酸イミド等の二環ノルボルネン類;
【0014】
ジシクロペンタジエン(シクロペンタジエンの二量体)、ジヒドロジシクロペンタジエンやそのアルキル、アルケニル、アルキリデンまたはアリール置換体等の三環ノルボルネン類;ジメタノヘキサヒドロナフタレン、ジメタノオクタヒドロナフタレンやそのアルキル、アルケニル、アルキリデンまたはアリール置換体等の四環ノルボルネン類;トリシクロペンタジエン(シクロペンタジエンの三量体)等の五環ノルボルネン類、ヘキサシクロヘプタデセン等の六環ノルボルネン類;ジノルボルネン、二個のノルボルネン環を炭化水素鎖またはエステル基等で結合した化合物、これらのアルキルまたはアリール置換体等のノルボルネン環を含む化合物等が挙げられる。
【0015】
上記ノルボルネン系モノマーは単独で用いても、二種以上を混合して用いてもよい。二種以上を用いる場合、熱可塑性樹脂となる1つの二重結合を有するノルボルネン系モノマーと、熱硬化性樹脂となる複数の二重結合を有するノルボルネン系モノマーを適宜組合せると、種々のノルボルネン系樹脂層(1)を形成することができる。また、ノルボルネン系モノマーを単独で使用する場合と比較して、二種以上を併用すると凝固点降下により、凝固点温度が高いモノマーでも液状として取扱うことができる。
【0016】
これらのノルボルネン系モノマーの中でも、塊状重合時の活性に優れ、耐熱英に優れるノルボルネン系樹脂層が得られる観点から、ジシクロペンタジエンを主たる成分として用いることが好ましく、80重量%以上がジシクロペンタジエンであることがより好ましい。かかるジシクロペンタジエンは99重量%以上の高純度品であっても、シクロペンタジエンの三量体を例えば2〜20%の範囲で含むものであってもよい。後者を用いる場合には、機械的強度に優れるノルボルネン系樹脂層を形成することができる。
【0017】
金属カルベン錯体(1)は、中心金属原子にカルベン化合物が結合した化合物であり、金属原子(M)にカルベン炭素が二重結合した構造(M=C、以下、「反応中心のカルベン構造」ともいう。)を有するものである。
【0018】
金属カルベン錯体(1)としては、周期律表第5族、6族及び8族の金属原子を中心金属とするものが好ましい。これらの中でも、第8族のルテニウムやオスミウムのカルベン錯体が好ましく、ルテニウムカルベン錯体がより好ましく、反応中心のカルベン構造以外に別のヘテロ原子含有カルベン化合物が更にルテニウムに結合したルテニウムヘテロ原子含有カルベン錯体が特に好ましい。ルテニウムヘテロ原子含有カルベン錯体は塊状重合時の触媒活性が優れるため、未反応のノルボルネン系モノマーに由来する臭気の少ないノルボルネン系樹脂層を効率よく形成することができる。
【0019】
ルテニウムヘテロ原子含有カルベン錯体の具体例としては、下記の一般式(1)又は(2)で表されるルテニウム化合物が挙げられる。
【0020】
【化1】
【0021】
(式中、R1及びR2は、互いに独立して水素原子又はハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子若しくはけい素原子を含んでもよいC1〜C20の炭化水素基を表す。X1及びX2は、互いに独立して任意のアニオン性配位子を表す。L1はヘテロ原子含有カルベン化合物を表し、L2はヘテロ原子含有カルベン化合物又は任意の中性の電子供与性化合物を表す。また、R1、R2、X1、X2、L1及びL2の2個以上は、互いに結合して多座キレート化配位子を形成してもよい。)
【0022】
ここでヘテロ原子とは、長周期型周期表の15族及び16族の原子のことで、具体的には、N、O、P、S、As、Se原子等を挙げることができる。なかでもN、O、P、S原子が安定なカルベン化合物を得るためには好ましく、N原子が特に好ましい。
【0023】
またカルベン化合物とは、メチレン遊離基を有する化合物の総称であり、(>C:、カルベン炭素ともいう)で表される電荷のない2価の炭素原子を持つ化合物のことである。一般的に、カルベン化合物は化学反応中に生じる不安定な中間体として存在するが、ヘテロ原子を有すると比較的安定なカルベン化合物として単離することができる。
【0024】
前記L1の好ましいヘテロ原子含有カルベン化合物としては、下記一般式(3)で表される1,3−二置換イミダゾリジン−2−イリデン類及び一般式(4)で表される1,3−二置換−4−イミダゾリン−2−イリデン類が挙げられる。
【0025】
【化2】
【0026】
(式中、R3〜R6は、互いに独立して水素原子又はハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子若しくはけい素原子を含んでもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。)
【0027】
前記R3〜R6、及び上記ヘテロ原子含有カルベン化合物のカルベン炭素に隣接するヘテロ原子に結合する置換基としては嵩高い基が好ましい。嵩高い基の具体例としては、イソプロピル基やターシャリーブチル基等の分岐構造を有するアルキル基;シクロヘキシル基やアダマンチル基等の脂環基;フェニル基、メチルフェニル基、メチルナフチル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、メシチル基等の置換若しくは非置換の芳香環基等が挙げられる。
【0028】
また、前記一般式(3)及び(4)で表される化合物以外の好ましいヘテロ原子含有カルベン化合物として、1,3,4,5−四置換イミダゾリジン−2−イリデン類、1,3,4,5−四置換−4−イミダゾリン−2−イリデン類、1,3,4−三置換−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イリデン類、3−置換−2,3,4,5−テトラヒドロチアゾール−2−イリデン類、1,3−二置換ヘキサヒドロピリミジン−2−イリデン−N,N,N’,N’−四置換ホルムアミジニリデン類、3−置換−2,3−ジヒドロチアゾール−2−イリデン類等が挙げられる。
【0029】
前記X1及びX2は、中心金属から引き離されたときに負の電荷を持つ配位子である。例えば、F、Br、Cl、I等のハロゲン原子;水素原子;アルキル基、アルケニル基、置換アリル基、置換シクロペンタジエニル基等の鎖状、分岐状又は環状で置換又は非置換の炭化水素基;アリール基等の芳香族炭化水素基;アセチルアセトナト基、ジケトネート基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基やカルボキシル基等の酸素原子を含む炭化水素基;アルキルチオ基、アルケニルチオ基やアリールチオ基等の硫黄原子を含む炭化水素基;アルキルスルフォネート基、アリールスルフォネート基、アルキルスルホニル基、アルキルスルフィニル基等の酸素原子と硫黄原子とを含む炭化水素基等を挙げることができる。これらの中でも、ハロゲン原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
【0030】
前記L2が中性の電子供与性の化合物である場合、L2は中心金属から引き離されたときに中性の電荷を持つ配位子であり、中性の電子供与性化合物、すなわちルイス塩基であればいかなるものでもよい。その具体例としては、酸素;水;芳香族化合物、環状ジオレフィン類やオレフィン類等の置換又は非置換の不飽和炭化水素化合物;エ−テル類、カルボニル類やエステル類等の酸素原子を含む炭化水素化合物;アミド類、アミン類やピリジン類等の窒素原子を含む炭化水素類;ニトリル類やイソシアニド類等の酸素原子と窒素原子とを含む炭化水素類;ホスフィン類、ホスフィナイト類やホスファイト類等の酸素原子とリン原子とを含む炭化水素類;スルホキシド類やチオエーテル類等の酸素原子と硫黄原子とを含む炭化水素類;チオシアネ−ト類等の窒素原子と硫黄原子とを含む化合物;スチビン類等のアンチモン原子を含む化合物;等のルイス塩基が挙げられる。これらの中でも、ホスフィン類が好ましく、トリアルキルホスフィンやトリアリールホスフィン等の三置換のホスフィン類がより好ましい。
【0031】
前記R1及びR2は、互いに独立して水素原子又はハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子若しくはけい素原子を含んでもよいC1〜C20の炭化水素基を表す。炭化水素基としては、C2〜C20のアルケニル基、アルキニル基、アルキル基、アリール基、カルボキシル基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基又はアルキルスルフィニル基等が挙げられる。
【0032】
前記一般式(1)で表わされる化合物としては、例えば、ベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(3−メチル−2−ブテン−1−イリデン)(トリシクロペンチルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−オクタヒドロベンズイミダゾール−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン[1,3−ジ(1−フェニルエチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−2,3−ジヒドロベンズイミダゾール−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(トリシクロヘキシルホスフィン)(1,3,4−トリフェニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イリデン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジイソプロピルヘキサヒドロピリミジン−2−イリデン)(エトキシメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)ピリジンルテニウムジクロリド等のヘテロ原子含有カルベン化合物と中性の電子供与性化合物が結合したルテニウム錯体化合物;
【0033】
ベンジリデンビス(1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリジン−2−イリデン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデンビス(1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−イリデン)ルテニウムジクロリド等の2つのヘテロ原子含有カルベン化合物が結合したルテニウム錯体化合物等が挙げられる。
【0034】
また、前記一般式(2)で表わされる化合物としては、例えば、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(フェニルビニリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(t−ブチルビニリデン)(1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロペンチルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ビス(1,3−ジシクロヘキシル−4−イミダゾリン−2−イリデン)フェニルビニリデンルテニウムジクロリド等が挙げられる。
【0035】
金属カルベン錯体(1)の使用量は、錯体中の金属原子/ノルボルネン系モノマーのモル比として、通常1:2,000〜1:2,000,000、好ましくは1:5,000〜1,000,000、より好ましくは1:10,000〜1:500,000である。この比率があまりに小さい場合には塊状重合時の活性が不十分となり、逆に大きすぎる場合には塊状重合の活性が高くなりすぎて、硬化不良や成形型への充填不良を生じ易くなる。
【0036】
金属カルベン錯体(1)は、必要に応じて少量の不活性溶剤に溶解して使用することができる。かかる不活性溶剤としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の鎖状脂肪族炭化水素溶剤;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロオクタン等の脂環式炭化水素溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶剤;ジエチルエ−テル、テトラヒドロフラン等のエ−テル系溶剤等を使用することができる。また、金属カルベン錯体のメタセシス触媒としての活性を落とさないようなものであれば、液状の老化防止剤、可塑剤やエラストマーを溶剤として用いてもよい。これらの溶剤の中では、工業的に汎用されている芳香族炭化水素溶剤、脂肪族炭化水素溶剤や脂環式炭化水素溶剤が好ましい。
【0037】
反応液(1)には、ノルボルネン系モノマー(1)及び金属カルベン錯体(1)に加えて、添加剤をさらに含有せしめることができる。添加剤は、ノルボルネン系樹脂層(1)に種々の物性を付与する目的で添加される。
【0038】
添加剤としては、ノルボルネン系モノマー(1)の塊状開環重合を阻害しないものであれば特に制限されず、ノルボルネン系樹脂層(1)に付与する物性に応じて、適宜選択使用することができる。添加剤としては、例えば、着色剤、木粉、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、エラストマー、ガラス繊維、充填材及び発泡剤等が挙げられる。
【0039】
着色剤及び木粉は、ノルボルネン系樹脂層(1)に意匠性を付与する目的で添加される。着色剤としては、染料、顔料等が用いられる。顔料は成形品に鮮やかな色を付与できるので好ましい。染料の種類は多様であり、公知のものを適宜選択して使用すればよい。例えば、ニトロ染料、ニトロソ染料、アゾ染料、ケトイミン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、アクリジン染料、キノリン染料、メチン染料、チアゾール染料、インダミン染料、アジン染料、オキサジン染料、チアジン染料、硫化染料、アミノケトン染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、フタロシアニン染料等が挙げられる。また、顔料としては、例えば、カーボンブラック、チタンブラック、マイカ、ウルトラマリンブルー、ベルリンブルー、酸化コバルト、チタニウムイエロー、ストロンチウムクロメート、黒色酸化鉄、モリブデンレッド、モリブデンホワイト、エメラルドグリーン、コバルトブルー、チタンホワイト、黒鉛、黄鉛、酸化鉄黄、二酸化チタン、酸化亜鉛、四酸化三鉛、鉛丹、酸化クロム、紺青等が挙げられる。
木粉は樹木等を微粉砕したものであり、ノルボルネン系樹脂層に木質感を付与する目的で添加される。
【0040】
着色剤の添加量は、ノルボルネン系モノマー100重量部に対して、通常0.005〜10重量部である。また、木粉の添加量は、ノルボルネン系モノマー100重量部に対して、通常1〜200重量部である。
【0041】
酸化防止剤は、ノルボルネン系モノマー(1)及びノルボルネン系樹脂積層体の保存安定性を改良することを目的として添加される。酸化防止剤としては、ノルボルネン系モノマーに可溶性のものが好ましい。用いられる酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系、リン系、アミン系等の各種のプラスチック・ゴム用酸化防止剤等が挙げられる。これらの中でも、効果が優れるヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。
【0042】
ヒンダードフェノール系酸化防止剤の例としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノ−ル)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−s−トリアジン−2,4,6−(1H、3H、5H)トリオン等が挙げられる。これらの酸化防止剤は単独で用いることができるが、2種以上を組合せて用いることが好ましい。また、モノマーと共重合可能な酸化防止剤を使用することもできる。その具体例としては、5−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−ノルボルネン等のノルボルネニルフェノール系化合物等が挙げられる(特開昭57−83522号公報参照)。
【0043】
紫外線吸収剤及び光安定剤は、ノルボルネン系樹脂層(1)に良好な耐候性を付与する目的で添加される。紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、サリチル酸エステル等の有機物、又は微粒子状の酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化チタン等の無機物を用いることができる。光安定剤としては、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピロリジニル)セバケート等のヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤、ピペリジン系ラジカル捕捉剤等を用いることができる。
酸化防止剤、紫外線吸収剤及び光安定剤の添加量は、通常は、ノルボルネン系モノマーに対して50〜10,000ppm以下であるが、10,000ppmを越えて添加してもよい。
【0044】
エラストマーは、ノルボルネン系樹脂層(1)に弾性を付与又は耐衝撃性を改良する目的で添加される。用いられるエラストマーとしては、例えば、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)及びこれらの水素化物等が挙げられる。これらの中でも、スチレン骨格又はブタジエン骨格を有するものが好ましい。また、これらのエラストマーを反応液に添加すると、得られるポリマーに耐衝撃性が付与されるだけではなく、反応液の粘度を調節することができ、反応液が取り扱い易くなるため好ましい。
【0045】
エラストマーの使用量は、得られるノルボルネン系樹脂100重量部に対し、通常0.5〜20重量部、好ましくは1〜15重量部、より好ましくは2〜10重量部である。エラストマーの使用量が過度に少ないと得られるノルボルネン系樹脂積層体の耐衝撃性付与効果が小さく、逆に過度に多くなると反応溶液の粘度が高くなり過ぎて、塊状重合時の操作性が低下したり、得られるノルボルネン系樹脂成形体の熱変形温度や曲げ弾性率が低くなる傾向がある。
【0046】
充填材は、ノルボルネン系樹脂層(1)に剛性又は難燃性等を付与することを目的として添加される。充填材としては、無機充填材及び/又は有機充填材を使用することができる。無機充填材の具体例としては、例えば、酸化チタン、酸化ジルコン、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、カオリンクレー、ネフエリンシナイト、シリカ、シリカゲル、溶融シリカ、合成ケイ酸、石英粉、珪石粉、珪藻土、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、軽石粉、ガラス繊維、ウイスカー等が挙げられる。また、難燃化を目的として、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物;黄リンや赤リン等のリン;酸化アンチモン等のアンチモン化合物、ホウ酸、ホウ酸アンモン等の硼素化合物等を使用することもできる。これらの無機充填材は、鉱物資源として得られるものであってもよいし、工業的に合成されたものであってもよく、粉体状又は粒体状であることが一般的である。
【0047】
有機充填材の具体例としては、ポリエステル、ポリスチレン、アクリル樹脂、尿素樹脂等の樹脂のビーズ;シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂やフェノール系熱硬化性樹脂等の樹脂の微粒子;カーボン繊維、アラミド繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維等の繊維;カーボンブラック等が挙げられる。
【0048】
また充填材は、予め表面処理が施されたものを使用するのも好ましい。その場合には一般的なシランカップリング剤を使用する表面処理法が採用できる。
充填材の使用量は特に限定されないが、ノルボルネン系モノマーと充填材との重量比で80/20〜20/80であることが好ましく、70/30〜50/50が特に好ましい。
【0049】
発泡剤は、ノルボルネン系樹脂層(1)を発泡構造として見かけの比重を小さくしたり(軽量化)、断熱性を付与する目的で添加される。用いられる発泡剤としては、塊状開環重合を阻害しないものであれば、化学反応により樹脂層中に反応生成物ガスが封じ込められた形の発泡構造を与える化学的発泡剤、樹脂層中に空隙部を有する物質が封じ込められて発泡構造を与える物理的発泡剤(機械的発泡剤)のいずれも使用することができる。
【0050】
化学的発泡剤としては、例えば、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、ソジウムボロハイドライド、シリコンオキシハイドライド等の無機発泡剤;アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾベンゼン等のアゾ化合物;パラトルエンスルホニルヒドラジド、4,4−ジオキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド等のスルホニルヒドラジド系化合物;ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N−ジメチル−N,N−ジニトロソテレフタルアミド等のニトロソ化合物等の有機発泡剤が挙げられる。
また、物理的発泡剤としては、気体や低沸点の有機溶剤を内包したマイクロバルーン(又はマイクロフェア)、ガラスバルーン等が挙げられる。これらの中でも、取扱い性及び重合反応を阻害するおそれがない等の観点から、物理的発泡剤の使用が好ましい。
【0051】
発泡剤の使用量は特に制限されず、設定した発泡度に応じて適宜定めることができる。軽量化を目的とする場合、非発泡層と発泡層との比重比が、非発泡層/発泡層で5/1〜30/1の範囲になるように発泡剤を添加するのが好ましい。
【0052】
本発明においては、上記列挙した添加剤の他に、本発明の目的を損なわない範囲でその他の添加剤を添加することができる。その他の添加剤としては、例えば、反応遅延剤、ルイス酸、分子量調整剤及び単環シクロオレフィン類等が挙げられる。
【0053】
反応遅延剤は、塊状重合の開始を遅らせる成分であり、ノルボルネン系モノマーと金属カルベン錯体を混合した後、あまりに速く塊状開環重合が開始されると混合不良等を起こすことがあるので、それを防止する目的で添加される。遅延剤の具体例としては、n−ブチルアミン、ピリジン、4−ビニルピリジン、アセトニトリル、エチレンジアミン、N−ベンジリデンメチルアミン、ピラジン、ピペリジン、イミダゾール等の窒素原子を含むルイス塩基化合物;トリシクロペンチルホスフィン、トリシクロヘキシルヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスファイト、n−ブチルホスフィン等のリン原子を含むルイス塩基化合物;ビニルノルボルネン、プロペニルノルボルネン、イソプロペニルノルボルネン等のオレフィン化合物が挙げられる。
遅延剤の添加量は、金属カルベン錯体(金属原子)1モルに対して、好ましくは0.1〜1000モルの割合である。
【0054】
ルイス酸は、重合反応率等を向上させるために添加される。かかるルイス酸としては、例えば、トリアルコキシアルミニウム、トリフェノキシアルミニウム、ジアルコキシアルキルアルミニウム、アルコキシジアルキルアルミニウム、トリアルキルアルミニウム、ジアルコキシアルミニウムクロリド、アルコキシアルキルアルミニウムクロリド、ジアルキルアルミニウムクロリド、トリアルコキシスカンジウム、テトラアルコキシチタン、テトラアルコキシスズ、テトラアルコキシジルコニウム等が挙げられる。
ルイス酸の使用量は、(金属カルベン錯体中の金属原子:ルイス酸)のモル比で、通常、1:0.05〜1:100、好ましくは1:0.2〜1:20、より好ましくは1:0.5〜1:10の範囲である。
【0055】
分子量調整剤としては、例えば、ビニル基を有する化合物等を用いることができる。具体的には、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のα−オレフィン類;スチレン、ビニルトルエン等のスチレン類;エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、アリルグリシジルエーテル等のエーテル類;アリルクロライド等のハロゲン含有ビニル化合物;酢酸アリル、アリルアルコール、グリシジルメタクリレート等のビニルエステル化合物、アクリルアミド等の窒素含有ビニル化合物等が挙げられる。
【0056】
ビニル化合物の使用量は、目的とする重合体の分子量に応じて適宜選択することができ、ノルボルネン系モノマーに対して、通常0.1〜10モル%の範囲である。また、重合反応終了時においては、所望により上記のビニル化合物を再度添加して、重合体の成長末端からルテニウム錯体化合物を遊離させることで、重合を停止させることができる。
【0057】
また、単環シクロオレフィン類の具体例としては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロオクテン、シクロドデセン、及び置換基を有する単環シクロオレフィン誘導体等が挙げられる。
【0058】
反応液(1)は、前記ノルボルネン系モノマー(1)、金属カルベン錯体(1)及び必要に応じて添加剤を混合して調製することができる。反応液(1)の調製法に特に制約はない。反応液(1)の調製には、公知の撹拌機、ホモジナイザー、スタティックミキサーや衝突混合機が使用可能である。
【0059】
ノルボルネン系樹脂層(1)は、上記で得られた反応液(1)を成形型(1)内に注入し、塊状開環重合させて形成することができる。
成形型(1)としては、例えば、割型構造すなわち雄型と雌型を有し、それらの一方の型を他の形状を有する型に交換可能な成形型、割型構造を有し、可動部分を有する成形型、上面が開口した構造の成形型等を用いることができる。
【0060】
反応液(1)を成形型(1)内に注入して塊状重合させる場合には、公知のRTM機、RIM機等の成形機を使用することができる。RTM機は、一般的にノルボルネン系モノマーを含む液用のタンク、触媒を含む液用のタンク、計量ポンプ及びミキサー等からなる。計量ポンプにより、モノマーを含む液と触媒を含む液を1,000:1〜10:1の容量比でミキサー内に送り込んで混合して反応液とし、次いで必要に応じて所定温度に温度制御された成形型内に注入し、そこで即座に塊状重合させてノルボルネン系樹脂層(1)を形成することができる。
【0061】
RIM機を用いる場合は、ノルボルネン系モノマーを含む液と触媒を含む液をミキシングヘッドに送り込んで、その衝突エネルギーによって混合して反応液とし、次いで成形型内へ注入し、そこで即座に塊状重合させて成形品を得る。RIM機を用いた好ましい成形法は、ノルボルネン系モノマーを二つの部分に分け、三液目として触媒を少量の溶媒に溶解させた液を用意し、これらの三液を衝突混合させて反応射出成形する方法である。
【0062】
成形型内へ注入される前の反応液の温度は、好ましくは20〜80℃である。反応液の粘度は、例えば30℃において、通常2〜1000cP、好ましくは5〜500cPである。反応液をキャビティー内に充填する際の充填圧力(射出圧)は、通常0.1〜100kgf/cm2、好ましくは0.2〜50kgf/cm2である。充填圧力が低すぎると、キャビティー内周面に形成された転写面の転写が良好に行われない傾向にあり、充填圧が高すぎると、成形型の剛性を高くしなければならず経済的ではない。型締圧力は通常0.1〜100kgf/cm2の範囲内である。重合時間は適宜選択すればよいが、通常、10秒〜20分、好ましくは5分以内である。
【0063】
前記したRTM機又はRIM機等で混合した反応液を成形型のキャビティー部に注入すると、即座に塊状重合反応が開始し、硬化する。重合は発熱反応である。この重合法によれば、成形型の温度を40〜100℃に設定してあっても、反応液の温度が急激に上昇し、短時間(例えば、10秒〜5分程度)で140〜230℃のピーク温度に到達して、ノルボルネン系樹脂層(1)を形成させることができる。
【0064】
また、上面が開口した構造の成形型を使用する場合には、上面が開口した構造の成形型(1)内に反応液(1)を所定の高さまで注ぎ、必要に応じて上面に蓋をして一定の荷重をかけて塊状開環重合させて、ノルボルネン系樹脂層(1)を形成することができる。塊状開環重合させる際に上面から荷重をかける方法としては、蓋の上に数kg〜数百kgの重りを載せる方法、蓋の上からプレス機等で所定圧力をかける方法等が挙げられる。
【0065】
2)ノルボルネン系樹脂層(2)の形成
ノルボルネン系樹脂層(1)を形成した後、成形型(1)を成形型(2)に変え、反応液(1)を反応液(2)に変えて、以後は同様にして(必要に応じて反応条件を変えてもよい)、ノルボルネン系樹脂層(2)を形成して、ノルボルネン系樹脂積層体を得ることができる。
【0066】
ノルボルネン系樹脂層(1)を形成してからノルボルネン系樹脂層(2)を形成するまでの時間は特に限定されないが、長すぎるとノルボルネン系樹脂積層体の生産性が低下して好ましくなく、短すぎると成形型(1)を成形型(2)に変えることが困難であり好ましくない。反応液(1)を成形型(1)に注入を開始してから,反応液(2)を成形型(2)に注入を開始するまでの時間は、好ましくは10秒から120分、より好ましくは20秒から30分、特に好ましくは30秒から10分である。
【0067】
反応液(2)は、ノルボルネン系モノマー(2)、金属カルベン錯体(2)及び必要に応じて添加剤を含む液である。
ここで用いられるノルボルネン系モノマー(2)及び金属カルベン錯体(2)としては、前述したノルボルネン系モノマー(1)、金属カルベン錯体(1)と同様のものをそれぞれ使用することができる。また、これらの使用量及び好ましい使用態様もノルボルネン系モノマー(1)及び金属カルベン錯体(1)の場合と同様である。さらに添加剤も、反応液(1)に添加することができるものとして前記列記したものと同様のものを同様の使用目的に応じて使用することができる。また、添加剤の使用量も反応液(1)の場合と同様である。
【0068】
本発明においては、反応液(2)として、反応液(1)と異なる組成を有するものを用いる。反応液(2)の組成を反応液(1)と異なる組成にする方法としては、例えば、(i)ノルボルネン系モノマー(2)として、ノルボルネン系モノマー(1)と異なるノルボルネン系モノマーを使用する方法、(ii)反応液(1)に他の重合性モノマーを添加する方法、(iii)金属カルベン錯体(1)と異なる種類の金属カルベン錯体(2)を使用する方法、(iv)添加剤の種類及び/又は添加量を変化させる方法、及び(v)これら2種以上を組み合わせる方法等が挙げられる。これらの中でも、生産性及び取扱い性の観点から、(i)、(ii)、(iv)又は(v)の方法が好ましく、(ii)、(iv)又は(v)の方法がより好ましい。
反応液(2)は、反応液(1)と同様にして調製することができる。
【0069】
成形型(2)として、成形型(1)とは異なる内部形状(「キャビティー」ともいう。)を有する成形型を用いる。成形型(2)は成形型(1)と全く別個のものであってもよいが、成形型(1)と共通部分を有するものであることが好ましい。このような成形型とすることにより、物性が異なるノルボルネン系樹脂層を効率よく連続的に積層することができる。
【0070】
成形型(1)と共通部分を有する成形型(2)としては、例えば、▲1▼割型構造すなわち雄型と雌型を有し、それらの一方の型を他の形状を有する型に交換可能な成形型、▲2▼割型構造を有し、可動部分を有する成形型、▲3▼割型構造を有し、それらの間にスペーサーを配置して新しい形状を有する成形型、及び▲4▼上面が開口した構造の成形型等が挙げられる。
【0071】
▲1▼のタイプの成形型を使用する場合には、先ず、反応液(1)を成形型(1)内に注入して、塊状開環重合させてノルボルネン系樹脂層(1)を形成した後、成形型(1)の雄型又は雌型のいずれか一方の型を他の形状を有する型に交換して成形型(2)とし、該成形型(2)内に反応液(2)を注入して、塊状開環重合させて、ノルボルネン系樹脂層(1)上にノルボルネン系樹脂層(2)を積層することできる。
【0072】
▲2▼のタイプの成形型を使用する場合には、上記▲1▼の場合と同様にしてノルボルネン系樹脂層(1)を形成した後、成形型(1)の雄型又は雌型のいずれか一方又は、双方にある可動部を移動させて成形型(2)とし、該成形型(2)内に反応液(2)を注入して、上記▲1▼の場合と同様にしてノルボルネン系樹脂層(2)を積層することができる。
【0073】
▲3▼の成形型を使用する場合には、割型構造を有する成形型(1)を使用してノルボルネン系樹脂層(1)を形成させた後、該成形型(1)の雄型又は雌型の間に所定の大きさのスペーサを取り付け、このものを成形型(2)として、ノルボルネン系樹脂層(2)を形成することができる。
【0074】
前記▲1▼〜▲3▼の割型構造を有する成形型を用いて塊状重合させた積層体は、通常、雄型に付着させた状態で成形型を開いて積層体を脱型することができる。積層体の雌型への付着は、成形条件を制御することによって行なわれる。型温度を高くする程、あるいは塊状重合後の放冷時間(キュアー時間)を長くする程、雄型に付着するようになる。キュアー時間を短くして、成形型を開けたときに、積層体を雌型に付着させることもできる。しかし、雄型に付着させても、キュアー時間が長すぎると積層体の冷却による収縮がかなりの程度まで進むため、過度に積層体が冷却しない状態でエアーエジェクター等の脱型装置により脱型すればよい。
【0075】
▲4▼のタイプの成形型を使用する場合には、上面が開口した構造の成形型(1)内に反応液(1)を所定の高さまで注ぎ、必要に応じて上面に蓋をして一定の荷重をかけて塊状開環重合させてノルボルネン系樹脂層(1)を形成した後、蓋をとり、反応液(2)を注ぎ、必要に応じて上面に蓋をして一定の荷重をかけて塊状開環重合させてノルボルネン系樹脂層(2)を形成することができる。この場合には、ノルボルネン系樹脂層(1)を形成した後の成形型がそのまま成形型(2)となる。塊状開環重合させる際に上面から荷重をかける方法としては、蓋の上に数kg〜数百kgの重りを載せる方法、蓋の上からプレス機等で所定圧力をかける方法等が挙げられる。この成形方法は、ハンドレイアップ(手積み成形)法と称されるものである。
【0076】
上記▲1▼〜▲4▼のいずれの成形型を使用する場合にも、ノルボルネン系樹脂層(2)を形成した後に新たな成形型を形成し、さらに組成の異なる反応液を該成形型内に注入して塊状開環重合させることにより、ノルボルネン系樹脂層(2)上に物性が異なるノルボルネン系樹脂層を幾層にも積層することができる。
【0077】
本発明の製造方法によれば、ノルボルネン系樹脂層(1)とノルボルネン系樹脂層(2)は、異なる組成の反応液から重合させて形成されるため、各種のノルボルネン系樹脂層を組み合わせたものを製造することができる。本発明の好ましい態様においては、ノルボルネン系樹脂層(1)とノルボルネン系樹脂層(2)との比重の差で0.1以上、特に好ましい態様においては、0.15以上の比重差をもったノルボルネン系樹脂積層体を製造することができる。
【0078】
このようにして得られるノルボルネン系樹脂積層体の具体例を図1に示す。
図1(a)に示す壁材1aは、添加剤としてガラス繊維及び炭酸カルシウムを添加した反応液から得られる剛性が付与されたノルボルネン系樹脂層(1)(厚さ3mm程度)2aと、添加剤としてグレー系の顔料及び酸化防止剤を添加した反応液から得られる意匠性が付与されたノルボルネン系樹脂層(2)(厚さ7mm程度)3aとからなる。
【0079】
図1(b)に示すスロープ板1bは、顔料及び酸化防止剤を含む反応液から得られるノルボルネン系樹脂層(1)(厚さ3mm程度)2b、添加剤としてガラスバルーンを添加した反応液から得られる発泡性が付与されたノルボルネン系樹脂層(2)(厚さ40mm程度)3b、添加剤としてガラス繊維を添加した反応液から得られる剛性が付与されたノルボルネン系樹脂層(3)(厚さ3mm程度)4b、ノルボルネン系モノマーとしてジシクロペンタジエン及びオクタジエン、添加剤として、顔料、酸化防止剤及び紫外線吸収剤を添加した反応液から得られる弾性が付与されたノルボルネン系樹脂層(4)(エラストマー層;厚さ5mm程度)4bとからなる。ノルボルネン系樹脂層(4)5bは、滑り止め機能も付与されている。
【0080】
図1(c)に示すフローリング床剤1cは、ノルボルネン系モノマーとして、ジシクロペンタジエン及びオクタジエンの混合物、添加剤として、酸化防止剤を添加した反応液から得られる弾性が付与されたノルボルネン系樹脂層(1)(エラストマー層;厚さ10mm程度)2c、添加剤としてガラス繊維及び炭酸カルシウムを添加した反応液から得られる剛性が付与されたノルボルネン系樹脂層(2)(厚さ15mm程度)3c、添加剤として木粉、酸化防止剤及び紫外線吸収剤を添加した反応液から得られる意匠性が付与されたノルボルネン系樹脂層(3)(厚さ3mm程度)4cからなる。
【0081】
また、図示を省略しているが、本発明の製造方法によれば、風力発電機のプロペラの製造に適用することができる。例えば、H型鋼を芯材として用い、その上に添加剤としてガラスバルーンを添加した反応液から得られる発泡性が付与(軽量化)されたノルボルネン系樹脂層(1)と、該ノルボルネン系樹脂層(1)上に添加剤としてガラス繊維及び炭酸カルシウムを添加した反応液から得られる剛性が付与(剛性付与)されたノルボルネン系樹脂層(2)と、該ノルボルネン系樹脂層(2)上に、酸化防止剤及び紫外線吸収剤を添加した反応液から得られる耐候性が付与されたノルボルネン系樹脂層(3)とを順次積層することにより製造することができる。
【0082】。
本発明の製造方法により得られるノルボルネン系樹脂積層体は、図1に示すものに限定されるものではなく、ノルボルネン系樹脂層に付与される物性の種類、ノルボルネン系樹脂層の積層数及びそれぞれの層の厚み等を、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更することができる。
【0083】
本発明の製造方法は、あらゆる用途、形状、大きさのノルボルネン系樹脂積層体の製造に適用することができる。本発明により得られるノルボルネン系樹脂積層体は、例えば、建築材料、建設材料や公園資材等の木材を代替する用途の材料;浄化槽、浴槽、ユニットバス、洗面台、壁パネルやキッチン天板等の住宅資材;レジャーボート等のレジャー用品;輸送機器、輸送容器若しくは保存容器の材料;風力発電機のプロペラ等として有用である。
【0084】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明する。
実施例1 サンドイッチ構造体の製造
複数の撹拌翼を有する回転式攪拌機を備えた20Lの反応器に、ノルボルネン系モノマーとしてジシクロペンタジエン(約10重量%のシクロペンタジエン三量体を含む)3kgを入れ、液温が10℃になるまで氷浴で冷却した。メタセシス触媒としてベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド(Org.Lett.1999年、1巻、953頁の記載に基づいて合成したもの)1.86gをトルエン40mlに溶解したもの(ルテニウム錯体/ノルボルネン系モノマー=1/10000(mol/mol))を上記の反応器に加え反応性混合物とし(時刻0秒)、攪拌機により目視で均一となるまで撹拌して溶液Aを得た。
【0085】
溶液Aに、充填材としてガラス繊維(チョップストランド ストランド径30μ、長さ5mm)1kg及び炭酸カルシウム1kgを加え(ノルボルネン系モノマー/充填材との重量比60/40)、撹拌機により目視で均一になるまで撹拌し、その後撹拌機を外した。充填材を混合完了した時の時刻は90秒であった。成形型として、底面が300mm×300mmの正方形のSUS製容器を用意し、反応器の内容物の一部を素早くSUS製容器に流し込み、その上から300mm×300mmの板状蓋を載せ(蓋は密閉構造ではなく、適当なベント隙間を設けてある)、10Kgの重りで押さえた。時刻約200秒で温度が上昇し始め、重合反応が開始し、その後終了した。反応器から板状蓋をとり、内部を確認したところ、300mm×300mm×厚さ15mmの大きさのノルボルネン系樹脂成形体(ノルボルネン系樹脂層2d)が形成されていた。
【0086】
次に、スケールを2倍にした以外は前記溶液Aと同様にしてノルボルネン系モノマーとルテニウムカルベン錯体を含む溶液を調製した(溶液B)。この溶液Bに、ガラスバルーン(3M and Zeelan Industries,Inc.製、3M Scotchlite Glass Bubbles General Purpose Series K25、耐熱750psi、真比重0.25)1kg及び酸化防止剤30gを添加して、撹拌機により目視で均一になるまで撹拌し、その後撹拌機を外した。充填材を混合完了した時の時刻は90秒であった。
【0087】
前記重合反応を行なった反応器から板状蓋を取り、成形型内に反応器の内容物の一部を流し込み、その上から300mm×300mmの板状蓋を載せ(蓋は密閉構造ではなく、適当なベント隙間を設けてある)、100kgの重りで押さえた。時刻約200秒で温度が上昇し始め、重合反応が開始し、その後終了した。反応器から板状蓋をとり、内部を確認したところ、大きさが300mm×300mm×厚さ45mmで、発泡性のノルボルネン系樹脂成形体(ノルボルネン系樹脂層3d)が形成されていた。ノルボルネン系樹脂層3dはノルボルネン系樹脂層2d上に積層されており、両者は密着していた。
【0088】
次いで、充填材としてガラス繊維(チョップストランド ストランド径30μ、長さ5mm)1kg及び炭酸カルシウム1kgに代えて、ガラス繊維0.5kg及び炭酸カルシウム0.5kg及び木粉1kgを用いた(ノルボルネン系モノマー/充填材との重量比60/40)以外は、ノルボルネン系樹脂層2dを形成したのと同様にして、ノルボルネン系樹脂層3d上にノルボルネン系樹脂層4dを形成した。反応が開始し、その後終了した。反応器から板状蓋をとり、内部を確認したところ、ノルボルネン系樹脂層4dは、300mm×300mm×厚さ15mmの大きさのノルボルネン系樹脂成形体であった。ノルボルネン系樹脂層4dはノルボルネン系樹脂層3d上に積層されており、両者は密着していた。
【0089】
以上のようにして、剛性が付与されたノルボルネン系樹脂層2d、発泡性が付与されたノルボルネン系樹脂層3d及び剛性及び意匠性が付与されたノルボルネン系樹脂層4dの3層からなるサンドイッチ型構造のノルボルネン系樹脂積層体1dを得た。ノルボルネン系樹脂層2dの比重は1.6、ノルボルネン系樹脂層3dの比重は0.8、ノルボルネン系樹脂層4dの比重は1.2であった。得られたノルボルネン系樹脂積層体の構造断面図を図2に示す。
【0090】
実施例で得られたノルボルネン系樹脂積層体1dの断面を切断して目視観察したところ、ノルボルネン系樹脂層2d、3d及び4dの3層が強固に接着されており、表面の凹凸や表面及び内部の硬化不良、成形型への充填不良の無い良好なものであった。また、このノルボルネン系樹脂積層体に体重60kgの人間が乗ったり降りたりするのを1000回繰り返すことにより、繰り返し負荷による層間剥離が発生するかどうかを試験したが、層間剥離は見られず、結果は良好であった。
【0091】
比較例1
ノルボルネン系モノマーとしてジシクロペンタジエン(約10重量%のシクロペンタジエン三量体を含む)、ジシクロペンタジエンに対してジエチルアルミニウムクロリドを41ミリモル濃度、イソプロピルアルコールを41ミリモル濃度、四塩化珪素を21ミリモル濃度含むA液と、ジシクロペンタジエン(約10重量%のトリシクロペンタジエンを含む)、ジシクロペンタジエンに対してトリ(トリデシル)アンモニウムモリブデート10ミリモル濃度、及び充填材としてガラス繊維(チョップストランド ストランド径30μ、長さ5mm)1kg及び炭酸カルシウム1kgを含むB液をそれぞれ調製した。
【0092】
成形型として、底面が300mm×300mmの正方形の内部を窒素置換したSUS製容器を用意し、そこへ、窒素雰囲気下で上記A液とB液とを混合比1:1で混合した液の一部を素早くSUS製容器内に流し込み、その上から300mm×300mmの板状蓋を載せ(蓋は密閉構造ではなく、適当なベント隙間を設けてある)、100kgの重りで押さえた。時刻約600秒で温度が上昇し始め、重合反応が開始し、その後終了した。反応器から板状蓋をとり、内部を確認したところ、300mm×300mm×厚さ15mmの大きさのノルボルネン系樹脂成形体(ノルボルネン系樹脂層2e)が形成されていた。
【0093】
次に、スケールを2倍にし、充填材としてガラス繊維及び炭酸カルシウムに代えて、ガラスバルーン(3M and Zeelan Industries,Inc.製、3M Scotchlite Glass Bubbles General Purpose Series K25、耐熱750psi、真比重0.25)1kg及び酸化防止剤60gを添加した以外は前記ノルボルネン系樹脂層2eを形成したのと同様にして、重合反応を行なった。反応器から板状蓋を取り、成形型内に反応器の内容物を流し込み、その上から300mm×300mmの板状蓋を載せ(蓋は密閉構造ではなく、適当なベント隙間を設けてある)、100kgの重りで押さえた。時刻約200秒で温度が上昇し始め、重合反応が開始し、その後終了した。反応器から板状蓋をとり、内部を確認したところ、大きさが300mm×300mm×厚さ45mmで、発泡性のノルボルネン系樹脂成形体が形成されていた。ノルボルネン系樹脂層3eはノルボルネン系樹脂層2e上に積層されていたが、両者の接着性が悪く、ノルボルネン系樹脂層3eがノルボルネン系樹脂層2eから容易に剥離した。そのため、次の作業を中止した。
【0094】
【発明の効果】
本発明のノルボルネン系樹脂積層体の製造方法によれば、ノルボルネン系モノマーを塊状開環重合させることにより、簡便かつ効率よく、異なる物性を有するノルボルネン系樹脂積層体を製造することができる。また、本発明の製造方法により製造されるノルボルネン系樹脂積層体は、ノルボルネン系樹脂層間の密着性に優れる。さらに、耐衝撃性、耐熱性、寸法安定性、耐吸水性等に優れており、しかも薄肉成形ができるので軽量であるという優れた特長をも有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の製造方法により得られるノルボルネン系樹脂積層体の例の構造断面図である。図1中、(a)は壁材、(b)はスロープ板、(c)はフローリング床材の例である。
【図2】図2は、実施例で得られたサンドイッチ構造のノルボルネン系樹脂積層体の構造断面図である。
【符号の説明】
1a…本発明により製造されるノルボルネン系樹脂積層体(壁材)
1b…本発明により製造されるノルボルネン系樹脂積層体(スロープ板)
1c…本発明により製造されるノルボルネン系樹脂積層体(フローリング床材)
1d…実施例で得られたサンドイッチ構造のノルボルネン系樹脂積層体
2a、2b、2c…ノルボルネン系樹脂層(1)
3a、3b、3c…ノルボルネン系樹脂層(2)
4b、4c…ノルボルネン系樹脂層(3)
5b…ノルボルネン系樹脂層(4)
2d、3d、4d…ノルボルネン系樹脂層
Claims (3)
- ノルボルネン系モノマー(1)及び金属カルベン錯体(1)を含有する反応液(1)を成形型(1)内に注入して、塊状開環重合させることにより第1のノルボルネン系樹脂層を形成する工程と、ノルボルネン系モノマー(2)及び金属カルベン錯体(2)を含有する反応液(2)を成形型(2)内に注入して、塊状開環重合させることにより、前記ノルボルネン系樹脂層(1)上にノルボルネン系樹脂層(2)を積層する工程とを有し、前記反応液(1)と反応液(2)とが異なる組成であることを特徴とするノルボルネン系樹脂積層体の製造方法。
- 前記ノルボルネン系樹脂層(1)上に、ノルボルネン系樹脂層(1)の比重と0.1以上異なる比重を有するノルボルネン系樹脂層(2)を積層する請求項1記載のノルボルネン系樹脂積層体の製造方法。
- 前記成形型(2)として、前記成形型(1)と共通部分を有する成形型を用いる請求項1又は2に記載のノルボルネン系樹脂積層体の製造方法。
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