JP2001287307A - 複合成形体およびその製造方法 - Google Patents
複合成形体およびその製造方法Info
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- JP2001287307A JP2001287307A JP2000105941A JP2000105941A JP2001287307A JP 2001287307 A JP2001287307 A JP 2001287307A JP 2000105941 A JP2000105941 A JP 2000105941A JP 2000105941 A JP2000105941 A JP 2000105941A JP 2001287307 A JP2001287307 A JP 2001287307A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ポリオレフィン系樹脂の種類によらず、界面
接着性が良好な複合成形体の製造方法を提供する。 【解決手段】 少なくとも1つのビニル芳香族化合物重
合体ブロックを有するブロック共重合体を含有する塗膜
が形成してあるポリオレフィン系樹脂からなる部材をキ
ャビティ内周面の少なくとも一部に取り付けた金型に、
少なくともノルボルネン系モノマーおよびメタセシス触
媒を含む反応原液を入れて硬化させる。
接着性が良好な複合成形体の製造方法を提供する。 【解決手段】 少なくとも1つのビニル芳香族化合物重
合体ブロックを有するブロック共重合体を含有する塗膜
が形成してあるポリオレフィン系樹脂からなる部材をキ
ャビティ内周面の少なくとも一部に取り付けた金型に、
少なくともノルボルネン系モノマーおよびメタセシス触
媒を含む反応原液を入れて硬化させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合成形体および
その製造方法に係わり、さらに詳しくは、ポリノルボル
ネン系樹脂成形体にポリオレフィン系樹脂を接合して一
体化してある複合成形体およびその製造方法に関する。
その製造方法に係わり、さらに詳しくは、ポリノルボル
ネン系樹脂成形体にポリオレフィン系樹脂を接合して一
体化してある複合成形体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、反応射出成形(RIM)、液
体射出成形(LIM)、レジントランスファー成形(R
TM)、反応注型(RC)などの反応成形法により、ノ
ルボルネン系モノマーおよびメタセシス触媒を含む反応
原液を金型内に注入し、塊状で開環重合させることによ
りポリノルボルネン系樹脂からなる成形品を製造する技
術につき実用化が進められている。反応成形によりノル
ボルネン系モノマーの塊状開環重合体を製造する際に、
金型内に予め複合化用部材を配置しておけば、複合成形
品を得ることも可能である。
体射出成形(LIM)、レジントランスファー成形(R
TM)、反応注型(RC)などの反応成形法により、ノ
ルボルネン系モノマーおよびメタセシス触媒を含む反応
原液を金型内に注入し、塊状で開環重合させることによ
りポリノルボルネン系樹脂からなる成形品を製造する技
術につき実用化が進められている。反応成形によりノル
ボルネン系モノマーの塊状開環重合体を製造する際に、
金型内に予め複合化用部材を配置しておけば、複合成形
品を得ることも可能である。
【0003】ところで、複合化用部材として表面層を形
成する層形成材が予め配置された金型内に、ノルボルネ
ン系モノマーおよびメタセシス触媒を含む反応原液を注
入して塊状開環重合させることにより、ノルボルネン系
樹脂からなる基材と層形成材とが一体的に形成された複
合材を得ることができれば、たとえば、(1)2つの表
面材間にノルボルネン系樹脂からなる芯材が形成された
構造のサンドイッチ板を製造できること、(2)表面材
によりノルボルネン系樹脂の耐候性が改善できること、
(3)ノルボルネン系樹脂成形品の表面に、所望の色に
着色または印刷されたプラスチックシートからなる表面
層を形成できること、(4)残存する未反応モノマーに
よる臭気を防止できること、などの多くの利点を得るこ
とができる。
成する層形成材が予め配置された金型内に、ノルボルネ
ン系モノマーおよびメタセシス触媒を含む反応原液を注
入して塊状開環重合させることにより、ノルボルネン系
樹脂からなる基材と層形成材とが一体的に形成された複
合材を得ることができれば、たとえば、(1)2つの表
面材間にノルボルネン系樹脂からなる芯材が形成された
構造のサンドイッチ板を製造できること、(2)表面材
によりノルボルネン系樹脂の耐候性が改善できること、
(3)ノルボルネン系樹脂成形品の表面に、所望の色に
着色または印刷されたプラスチックシートからなる表面
層を形成できること、(4)残存する未反応モノマーに
よる臭気を防止できること、などの多くの利点を得るこ
とができる。
【0004】そこで、近年、RIM法により、ノルボル
ネン系樹脂で形成された基材の上に、オレフィン系ポリ
マーや炭化水素系熱可塑性エラストマーで形成された層
を設けた複合成形品を製造することが提案されている。
ネン系樹脂で形成された基材の上に、オレフィン系ポリ
マーや炭化水素系熱可塑性エラストマーで形成された層
を設けた複合成形品を製造することが提案されている。
【0005】たとえば、特開平1−316262号公報
では、三環体以上のノルボルネン系モノマーの開環重合
体で形成された基材(A)の少なくとも1つの面上に、
オレフィン系ポリマーおよび/または炭化水素系熱可塑
性エラストマーで形成された層(B)を設けてなる複合
材料とその製造方法が開示してある。
では、三環体以上のノルボルネン系モノマーの開環重合
体で形成された基材(A)の少なくとも1つの面上に、
オレフィン系ポリマーおよび/または炭化水素系熱可塑
性エラストマーで形成された層(B)を設けてなる複合
材料とその製造方法が開示してある。
【0006】また、特開平3−65319号公報では、
層形成材料を配設した割型構造の金型内に塊状重合用反
応液を供給して硬化させ、層形成材と塊状重合体とが一
体化した複合成形品を製造するにあたって、少なくとも
1つの分離型にオレフィン系ポリマーおよび/または炭
化水素系熱可塑性エラストマーからなるシートまたはフ
ィルムを真空成形または圧空成形により密着させて所定
形状の層形成材に成形した後、金型内の空隙に三環体以
上のノルボルネン系モノマーとメタセシス触媒系を含む
塊状重合用反応液を供給して硬化させる複合成形品の製
造方法が開示してある。
層形成材料を配設した割型構造の金型内に塊状重合用反
応液を供給して硬化させ、層形成材と塊状重合体とが一
体化した複合成形品を製造するにあたって、少なくとも
1つの分離型にオレフィン系ポリマーおよび/または炭
化水素系熱可塑性エラストマーからなるシートまたはフ
ィルムを真空成形または圧空成形により密着させて所定
形状の層形成材に成形した後、金型内の空隙に三環体以
上のノルボルネン系モノマーとメタセシス触媒系を含む
塊状重合用反応液を供給して硬化させる複合成形品の製
造方法が開示してある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記公報記載の複合成
形体では、良好な界面接着性を有し、表面層の着色が自
在で、耐候性が改良され、ヒケがないなど、優れた特性
を有するものであったが、さらなる界面接着性の向上が
求められていた。
形体では、良好な界面接着性を有し、表面層の着色が自
在で、耐候性が改良され、ヒケがないなど、優れた特性
を有するものであったが、さらなる界面接着性の向上が
求められていた。
【0008】本発明の目的は、ポリオレフィン系樹脂の
種類によらず、界面接着性が良好な複合成形体およびそ
の製造方法を提供することである。
種類によらず、界面接着性が良好な複合成形体およびそ
の製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】RIM法において、金型
内での硬化反応と同時に他素材と接着させて複合化する
技術(インモールド接着)においては、ポリノルボルネ
ン系樹脂との間で良好な界面接着性を有するポリオレフ
ィン系樹脂は直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)
のみに限定されており、これ以外のたとえば高密度ポリ
エチレン(HDPE)やポリプロピレン(PP)にはイ
ンモールド接着が困難であるといった知見が本発明者ら
により得られている。これに対し、HDPEやPPに対
してポリノルボルネン系樹脂をインモールド接着できれ
ば、得られる複合成形品の意匠性を今まで以上に向上で
き、しかもHDPEやPPのインサート成形も可能にな
るといった利点もある。そこで、本発明者らは、各種の
ポリオレフィン系樹脂を用いてポリノルボルネン系樹脂
との複合化について鋭意検討したところ、特定のポリマ
ー構造を有するブロック共重合体を、間に接着層として
介在させることにより、ポリオレフィン系樹脂の種類を
問わずに界面接着性が良好な複合成形体が得られること
を見出し、本発明を完成させるに至った。
内での硬化反応と同時に他素材と接着させて複合化する
技術(インモールド接着)においては、ポリノルボルネ
ン系樹脂との間で良好な界面接着性を有するポリオレフ
ィン系樹脂は直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)
のみに限定されており、これ以外のたとえば高密度ポリ
エチレン(HDPE)やポリプロピレン(PP)にはイ
ンモールド接着が困難であるといった知見が本発明者ら
により得られている。これに対し、HDPEやPPに対
してポリノルボルネン系樹脂をインモールド接着できれ
ば、得られる複合成形品の意匠性を今まで以上に向上で
き、しかもHDPEやPPのインサート成形も可能にな
るといった利点もある。そこで、本発明者らは、各種の
ポリオレフィン系樹脂を用いてポリノルボルネン系樹脂
との複合化について鋭意検討したところ、特定のポリマ
ー構造を有するブロック共重合体を、間に接着層として
介在させることにより、ポリオレフィン系樹脂の種類を
問わずに界面接着性が良好な複合成形体が得られること
を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】すなわち、本発明に係る複合成形体は、ポ
リノルボルネン系樹脂の少なくとも一部に、少なくとも
1つのビニル芳香族化合物重合体ブロックを有するブロ
ック共重合体を含有する接着層を介して、ポリオレフィ
ン系樹脂が一体的に形成してあることを特徴とする。
リノルボルネン系樹脂の少なくとも一部に、少なくとも
1つのビニル芳香族化合物重合体ブロックを有するブロ
ック共重合体を含有する接着層を介して、ポリオレフィ
ン系樹脂が一体的に形成してあることを特徴とする。
【0011】本発明に係る複合成形体の製造方法は、少
なくとも1つのビニル芳香族化合物重合体ブロックを有
するブロック共重合体を含有する塗膜が形成してあるポ
リオレフィン系樹脂からなる部材をキャビティ内周面の
少なくとも一部に取り付けた金型に、少なくともノルボ
ルネン系モノマーおよびメタセシス触媒を含む反応原液
を入れて硬化させることを特徴とする。
なくとも1つのビニル芳香族化合物重合体ブロックを有
するブロック共重合体を含有する塗膜が形成してあるポ
リオレフィン系樹脂からなる部材をキャビティ内周面の
少なくとも一部に取り付けた金型に、少なくともノルボ
ルネン系モノマーおよびメタセシス触媒を含む反応原液
を入れて硬化させることを特徴とする。
【0012】本発明に係るポリノルボルネン系樹脂とポ
リオレフィン系樹脂との接着用プライマー塗料は、少な
くとも1つのビニル芳香族化合物重合体ブロックを有す
るブロック共重合体を含有する。
リオレフィン系樹脂との接着用プライマー塗料は、少な
くとも1つのビニル芳香族化合物重合体ブロックを有す
るブロック共重合体を含有する。
【0013】
【作用】本発明に係る複合成形体では、ポリノルボルネ
ン系樹脂とポリオレフィン系樹脂との間に、特定のポリ
マー構造を有するブロック共重合体を含有する接着層を
介在させることにより、ポリオレフィン系樹脂の種類に
よらずとも、ポリノルボルネン系樹脂とポリオレフィン
系樹脂との間の接着不良を低減できる。
ン系樹脂とポリオレフィン系樹脂との間に、特定のポリ
マー構造を有するブロック共重合体を含有する接着層を
介在させることにより、ポリオレフィン系樹脂の種類に
よらずとも、ポリノルボルネン系樹脂とポリオレフィン
系樹脂との間の接着不良を低減できる。
【0014】本発明に係る複合成形体の製造方法では、
特定のポリマー構造を有するブロック共重合体を含有す
る塗膜が形成してあるポリオレフィン系樹脂からなる部
材をキャビティ内周面の少なくとも一部に取り付けた金
型に、少なくともノルボルネン系モノマーおよびメタセ
シス触媒を含む反応原液を入れて硬化させることによ
り、界面接着性が極めて良好な複合成形体を製造でき
る。すなわち、本発明方法では、意匠性の高いHDPE
やPPなどに対してもインモールド接着が可能であるこ
とから、意匠性がより向上した複合成形品を容易に製造
できる。
特定のポリマー構造を有するブロック共重合体を含有す
る塗膜が形成してあるポリオレフィン系樹脂からなる部
材をキャビティ内周面の少なくとも一部に取り付けた金
型に、少なくともノルボルネン系モノマーおよびメタセ
シス触媒を含む反応原液を入れて硬化させることによ
り、界面接着性が極めて良好な複合成形体を製造でき
る。すなわち、本発明方法では、意匠性の高いHDPE
やPPなどに対してもインモールド接着が可能であるこ
とから、意匠性がより向上した複合成形品を容易に製造
できる。
【0015】本発明に係る接着用プライマー塗料では、
特定のポリマー構造を有するブロック共重合体を含有す
ることにより、ポリオレフィン系樹脂の種類によらず、
ポリノルボルネン系樹脂に前記ポリオレフィン系樹脂を
良好に接着できる。
特定のポリマー構造を有するブロック共重合体を含有す
ることにより、ポリオレフィン系樹脂の種類によらず、
ポリノルボルネン系樹脂に前記ポリオレフィン系樹脂を
良好に接着できる。
【0016】
【発明の実施の形態】本実施形態では、複合成形体を説
明した後、その製造方法について説明する。
明した後、その製造方法について説明する。
【0017】複合成形体 本発明に係る複合成形体は、ポリノルボルネン系樹脂の
少なくとも一部に、特定のブロック共重合体を含有する
接着層を介して、ポリオレフィン系樹脂が一体的に形成
してある。すなわち、ポリノルボルネン系樹脂とポリオ
レフィン系樹脂との間に、特定のポリマー構造を有する
ブロック共重合体を含有する接着層が介在された、少な
くとも3層構造を有する。以下、それぞれの構成要素を
詳述する。
少なくとも一部に、特定のブロック共重合体を含有する
接着層を介して、ポリオレフィン系樹脂が一体的に形成
してある。すなわち、ポリノルボルネン系樹脂とポリオ
レフィン系樹脂との間に、特定のポリマー構造を有する
ブロック共重合体を含有する接着層が介在された、少な
くとも3層構造を有する。以下、それぞれの構成要素を
詳述する。
【0018】ポリノルボルネン系樹脂 本発明に係る複合成形体を構成するポリノルボルネン系
樹脂は、ノルボルネン系モノマーを、メタセシス触媒の
存在下に金型のキャビティ内で塊状重合させることによ
り得られる。塊状重合に際しては、必要に応じて活性剤
を用いてもよい。
樹脂は、ノルボルネン系モノマーを、メタセシス触媒の
存在下に金型のキャビティ内で塊状重合させることによ
り得られる。塊状重合に際しては、必要に応じて活性剤
を用いてもよい。
【0019】本発明で使用可能なノルボルネン系モノマ
ーとしては、ノルボルネン環を有するものであればよ
く、その具体例としては、ノルボルネン、ノルボルナジ
エンなどの二環体、ジシクロペンタジエン(シクロペン
タジエン二量体)、ジヒドロジシクロペンタジエンなど
の三環体、テトラシクロドデセンなどの四環体、シクロ
ペンタジエン三量体などの五環体、シクロペンタジエン
四量体などの七環体、およびこれら二環体〜七環体のメ
チル、エチル、プロピルおよびブチルなどのアルキル、
ビニルなどのアルケニル、エチリデンなどのアルキリデ
ン、フェニル、トリルおよびナフチルなどのアリールな
どの置換体、更には、これら二環体〜七環体のエステル
基、エーテル基、シアノ基、ハロゲン原子などの極性基
を有する置換体などが例示される。中でも入手が容易で
あり、反応性に優れることから、三環体以上の多環ノル
ボルネン系モノマーが好ましく、より好ましくは三環
体、四環体、あるいは五環体のノルボルネン系モノマー
である。これらノルボルネン系モノマーは、それぞれ単
独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができ
る。
ーとしては、ノルボルネン環を有するものであればよ
く、その具体例としては、ノルボルネン、ノルボルナジ
エンなどの二環体、ジシクロペンタジエン(シクロペン
タジエン二量体)、ジヒドロジシクロペンタジエンなど
の三環体、テトラシクロドデセンなどの四環体、シクロ
ペンタジエン三量体などの五環体、シクロペンタジエン
四量体などの七環体、およびこれら二環体〜七環体のメ
チル、エチル、プロピルおよびブチルなどのアルキル、
ビニルなどのアルケニル、エチリデンなどのアルキリデ
ン、フェニル、トリルおよびナフチルなどのアリールな
どの置換体、更には、これら二環体〜七環体のエステル
基、エーテル基、シアノ基、ハロゲン原子などの極性基
を有する置換体などが例示される。中でも入手が容易で
あり、反応性に優れることから、三環体以上の多環ノル
ボルネン系モノマーが好ましく、より好ましくは三環
体、四環体、あるいは五環体のノルボルネン系モノマー
である。これらノルボルネン系モノマーは、それぞれ単
独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができ
る。
【0020】また、生成する開環重合体は熱硬化型とす
ることが好ましく、そのためには上記ノルボルネン系モ
ノマーの中でも、シクロペンタジエン三量体等の反応性
の二重結合を二個以上有する架橋性モノマーを少なくと
も含むものが用いられる。全ノルボルネン系モノマー中
の架橋性モノマーの割合は2〜30重量%が好ましい。
ることが好ましく、そのためには上記ノルボルネン系モ
ノマーの中でも、シクロペンタジエン三量体等の反応性
の二重結合を二個以上有する架橋性モノマーを少なくと
も含むものが用いられる。全ノルボルネン系モノマー中
の架橋性モノマーの割合は2〜30重量%が好ましい。
【0021】なお、ノルボルネン系モノマーと開環共重
合し得るシクロブテン、シクロペンテン、シクロペンタ
ジエン、シクロオクテン、シクロドデセンなどの単環シ
クロオレフィンなどを、コモノマーとして用いることも
できる。
合し得るシクロブテン、シクロペンテン、シクロペンタ
ジエン、シクロオクテン、シクロドデセンなどの単環シ
クロオレフィンなどを、コモノマーとして用いることも
できる。
【0022】本発明で使用可能なメタセシス触媒として
は、反応射出成形(RIM)法でノルボルネン系モノマ
ーを開環重合できるものであれば特に限定されず、公知
のもので良い。たとえば、六塩化タングステン、または
トリドデシルアンモニウムモリブデート、もしくはトリ
(トリデシル)アンモニウムモリブデートなどのモリブ
デン酸有機アンモニウム塩、などのノルボルネン系モノ
マーの塊状重合用触媒として公知のメタセシス触媒であ
れば特に制限はないが、モリブデン酸有機アンモニウム
塩が好ましい。また、メタセシス触媒として、公知のル
テニウムカルベン錯体(WO97/06185、特表平
10−508891号公報、特開平11−322953
号公報など)を適用することもできる。
は、反応射出成形(RIM)法でノルボルネン系モノマ
ーを開環重合できるものであれば特に限定されず、公知
のもので良い。たとえば、六塩化タングステン、または
トリドデシルアンモニウムモリブデート、もしくはトリ
(トリデシル)アンモニウムモリブデートなどのモリブ
デン酸有機アンモニウム塩、などのノルボルネン系モノ
マーの塊状重合用触媒として公知のメタセシス触媒であ
れば特に制限はないが、モリブデン酸有機アンモニウム
塩が好ましい。また、メタセシス触媒として、公知のル
テニウムカルベン錯体(WO97/06185、特表平
10−508891号公報、特開平11−322953
号公報など)を適用することもできる。
【0023】メタセシス触媒の使用量は、反応液全体で
使用するモノマー1モルに対し、通常0.01ミリモル
以上、好ましくは0.1ミリモル以上、かつ50ミリモ
ル以下、好ましくは20ミリモル以下である。メタセシ
ス触媒の使用量が少なすぎると重合活性が低すぎて反応
に時間がかかるため生産効率が悪く、使用量が多すぎる
と反応が激しすぎるため型内に十分に充填される前に硬
化したり、触媒が析出し易くなり均質に保存することが
困難になる。
使用するモノマー1モルに対し、通常0.01ミリモル
以上、好ましくは0.1ミリモル以上、かつ50ミリモ
ル以下、好ましくは20ミリモル以下である。メタセシ
ス触媒の使用量が少なすぎると重合活性が低すぎて反応
に時間がかかるため生産効率が悪く、使用量が多すぎる
と反応が激しすぎるため型内に十分に充填される前に硬
化したり、触媒が析出し易くなり均質に保存することが
困難になる。
【0024】メタセシス触媒は、通常、モノマーに溶解
して用いるが、得られる成形体の性質を本質的に損なわ
れない範囲であれば、少量の溶剤に懸濁させ溶解させた
上で、モノマーと混合することにより、析出しにくくし
たり、溶解性を高めて用いても良い。
して用いるが、得られる成形体の性質を本質的に損なわ
れない範囲であれば、少量の溶剤に懸濁させ溶解させた
上で、モノマーと混合することにより、析出しにくくし
たり、溶解性を高めて用いても良い。
【0025】活性剤(共触媒)としては、特開昭58−
127728号公報、特開平4−226124号公報、
特開昭58−129013号公報、特開平4−1452
47号公報に開示してあるような公知の活性剤であれ
ば、特に制限はなく、たとえば、エチルアルミニウムジ
クロリド、ジエチルアルミニウムクロリドなどのアルキ
ルアルミニウムハライド、アルコキシアルキルアルミニ
ウムハライドなどの有機アルミ化合物、有機スズ化合物
などが挙げられる。なお、メタセシス触媒としてルテニ
ウムカルベン錯体を用いる場合には、活性剤を用いても
用いなくてもよい。
127728号公報、特開平4−226124号公報、
特開昭58−129013号公報、特開平4−1452
47号公報に開示してあるような公知の活性剤であれ
ば、特に制限はなく、たとえば、エチルアルミニウムジ
クロリド、ジエチルアルミニウムクロリドなどのアルキ
ルアルミニウムハライド、アルコキシアルキルアルミニ
ウムハライドなどの有機アルミ化合物、有機スズ化合物
などが挙げられる。なお、メタセシス触媒としてルテニ
ウムカルベン錯体を用いる場合には、活性剤を用いても
用いなくてもよい。
【0026】活性剤の使用量は、特に限定されないが、
通常、反応原液全体で使用するメタセシス触媒1モルに
対して、0.1モル以上、好ましくは1モル以上、かつ
100モル以下、好ましくは10モル以下である。活性
剤を用いないか、または活性剤の使用量が少なすぎる
と、重合活性が低すぎて反応に時間がかかるため生産効
率が悪くなる。また、逆に、使用量が多すぎると、反応
が激しすぎるため型内に十分に充填される前に硬化する
ことがある。
通常、反応原液全体で使用するメタセシス触媒1モルに
対して、0.1モル以上、好ましくは1モル以上、かつ
100モル以下、好ましくは10モル以下である。活性
剤を用いないか、または活性剤の使用量が少なすぎる
と、重合活性が低すぎて反応に時間がかかるため生産効
率が悪くなる。また、逆に、使用量が多すぎると、反応
が激しすぎるため型内に十分に充填される前に硬化する
ことがある。
【0027】活性剤は、モノマーに溶解して用いるが、
得られる成形体の性質を本質的に損なわない範囲であれ
ば、少量の溶剤に懸濁させた上で、モノマーと混合する
ことにより、析出しにくくしたり、溶解性を高めて用い
てもよい。
得られる成形体の性質を本質的に損なわない範囲であれ
ば、少量の溶剤に懸濁させた上で、モノマーと混合する
ことにより、析出しにくくしたり、溶解性を高めて用い
てもよい。
【0028】本発明では、上記活性剤に活性調節剤を併
用してもよい。活性調節剤を併用することにより、反応
速度や、反応液の混合から反応開始までの時間、反応活
性などを変化させることができる。
用してもよい。活性調節剤を併用することにより、反応
速度や、反応液の混合から反応開始までの時間、反応活
性などを変化させることができる。
【0029】本発明で使用可能な活性調節剤としては、
メタセシス触媒を還元する作用を持つ化合物などが用い
られ、活性調節剤としては、アルコール類、ハロアルコ
ール類、エステル類、エーテル類、ニトリル類などが例
示される。この中で、たとえばアルコール類の具体例と
しては、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ヘキ
サノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、イ
ソプロピルアルコール、t−ブチルアルコールなどが挙
げられ、ハロアルコール類の具体例としては、1,3−
ジクロロ−2−プロパノール、2−クロロエタノール、
1−クロロブタノールなどが挙げられる。なお、活性調
整剤の添加量は、用いる化合物によって変わり、一様で
はない。
メタセシス触媒を還元する作用を持つ化合物などが用い
られ、活性調節剤としては、アルコール類、ハロアルコ
ール類、エステル類、エーテル類、ニトリル類などが例
示される。この中で、たとえばアルコール類の具体例と
しては、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ヘキ
サノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、イ
ソプロピルアルコール、t−ブチルアルコールなどが挙
げられ、ハロアルコール類の具体例としては、1,3−
ジクロロ−2−プロパノール、2−クロロエタノール、
1−クロロブタノールなどが挙げられる。なお、活性調
整剤の添加量は、用いる化合物によって変わり、一様で
はない。
【0030】なお、本発明においてポリノルボルネン系
樹脂には、必要に応じて、たとえば、補強材、酸化防止
剤、充填剤、顔料、着色剤、発泡剤、摺動付与剤、エラ
ストマー、ジシクロペンタジエン系熱重合樹脂およびそ
の水添物など種々の添加剤が配合してあってもよい。特
に機械的強度の高い成形体を得る目的で、補強材を金型
内に予め充填しておき、次いでノルボルネン系モノマー
を金型内に注入し、硬化させることもできる。
樹脂には、必要に応じて、たとえば、補強材、酸化防止
剤、充填剤、顔料、着色剤、発泡剤、摺動付与剤、エラ
ストマー、ジシクロペンタジエン系熱重合樹脂およびそ
の水添物など種々の添加剤が配合してあってもよい。特
に機械的強度の高い成形体を得る目的で、補強材を金型
内に予め充填しておき、次いでノルボルネン系モノマー
を金型内に注入し、硬化させることもできる。
【0031】接着層 本発明に係る複合成形品を構成する接着層は、特定のブ
ロック共重合体を含有する。
ロック共重合体を含有する。
【0032】本発明で使用可能なブロック共重合体とし
ては、少なくとも1つのビニル芳香族化合物重合体ブロ
ックを有するブロック共重合体であれば特に限定されな
いが、通常、ビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック
共重合体、水素化ビニル芳香族化合物−共役ジエンブロ
ック共重合体などが用いられる。特に、界面接着性向上
の観点からは、水素化ビニル芳香族化合物−共役ジエン
ブロック共重合体が好ましい。
ては、少なくとも1つのビニル芳香族化合物重合体ブロ
ックを有するブロック共重合体であれば特に限定されな
いが、通常、ビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック
共重合体、水素化ビニル芳香族化合物−共役ジエンブロ
ック共重合体などが用いられる。特に、界面接着性向上
の観点からは、水素化ビニル芳香族化合物−共役ジエン
ブロック共重合体が好ましい。
【0033】このようなブロック共重合体としては公知
のものを用いることができる。ビニル芳香族化合物−共
役ジエンブロック共重合体としては、たとえば、特公昭
36−19286号公報、特公昭43−17979号公
報、特公昭48−2423号公報、特公昭49−369
57号公報、特公昭57−49568号公報、特公昭5
8−11446号公報などに記載してあるものが挙げら
れる。水素化ビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック
共重合体としては、たとえば、特公昭43−19960
号公報、同48−3555号公報、同48−30151
号公報、特開平2−305814号公報、同3−725
12号公報などに記載してあるものが挙げられる。
のものを用いることができる。ビニル芳香族化合物−共
役ジエンブロック共重合体としては、たとえば、特公昭
36−19286号公報、特公昭43−17979号公
報、特公昭48−2423号公報、特公昭49−369
57号公報、特公昭57−49568号公報、特公昭5
8−11446号公報などに記載してあるものが挙げら
れる。水素化ビニル芳香族化合物−共役ジエンブロック
共重合体としては、たとえば、特公昭43−19960
号公報、同48−3555号公報、同48−30151
号公報、特開平2−305814号公報、同3−725
12号公報などに記載してあるものが挙げられる。
【0034】ブロック共重合体とは、各々のブロック
(ポリマー構成区分)が、その隣接したブロックと構造
的に異なるホモまたは共重合体の交互するブロックを含
む重合体鎖を有する共重合体であり、少なくとも1つの
ビニル芳香族重合体ブロックを有することが必須であ
る。最も単純なブロック共重合体は、A−B構造(ジブ
ロック構造)を有し、ここでAが例えばポリスチレンブ
ロックを、またBが例えばポリイソプレンブロックを表
わすようなものである。前記Bブロックは、例えばポリ
−1,4−ブタジエンブロック、ポリ−1,4および
1,2−ブタジエンランダムコポリマーブロック、ポリ
イソプレン−エチレンランダムコポリマーブロックなど
であってもよい。さらに、ブロック構造がA−B−A、
A−B−A−Bなどのトリブロックあるいはそれ以上の
ものであってもよい。
(ポリマー構成区分)が、その隣接したブロックと構造
的に異なるホモまたは共重合体の交互するブロックを含
む重合体鎖を有する共重合体であり、少なくとも1つの
ビニル芳香族重合体ブロックを有することが必須であ
る。最も単純なブロック共重合体は、A−B構造(ジブ
ロック構造)を有し、ここでAが例えばポリスチレンブ
ロックを、またBが例えばポリイソプレンブロックを表
わすようなものである。前記Bブロックは、例えばポリ
−1,4−ブタジエンブロック、ポリ−1,4および
1,2−ブタジエンランダムコポリマーブロック、ポリ
イソプレン−エチレンランダムコポリマーブロックなど
であってもよい。さらに、ブロック構造がA−B−A、
A−B−A−Bなどのトリブロックあるいはそれ以上の
ものであってもよい。
【0035】本発明に用いられるブロック共重合体を構
成する、少なくとも1つのビニル芳香族化合物重合体ブ
ロックの「ビニル芳香族化合物」としては、特に限定さ
れず、たとえば、スチレン、α−メチルスチレン、p−
メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルピリジンな
どが挙げられるが、スチレンが好ましい。すなわち、本
発明に用いられるブロック共重合体としては、少なくと
も1つのポリスチレンブロックを有することが好まし
い。
成する、少なくとも1つのビニル芳香族化合物重合体ブ
ロックの「ビニル芳香族化合物」としては、特に限定さ
れず、たとえば、スチレン、α−メチルスチレン、p−
メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルピリジンな
どが挙げられるが、スチレンが好ましい。すなわち、本
発明に用いられるブロック共重合体としては、少なくと
も1つのポリスチレンブロックを有することが好まし
い。
【0036】ビニル芳香族化合物の含有量は、ブロック
共重合体を基準として、通常5〜95重量%、好ましく
は7〜80重量%、より好ましくは10〜70重量%で
ある。ビニル芳香族化合物の含有量が過度に少ないと溶
剤やモノマー液への溶解性が低下し塗料液化が困難とな
り、ビニル芳香族化合物の含有量が過度に多いと界面接
着力が低下する。
共重合体を基準として、通常5〜95重量%、好ましく
は7〜80重量%、より好ましくは10〜70重量%で
ある。ビニル芳香族化合物の含有量が過度に少ないと溶
剤やモノマー液への溶解性が低下し塗料液化が困難とな
り、ビニル芳香族化合物の含有量が過度に多いと界面接
着力が低下する。
【0037】少なくとも1つのビニル芳香族化合物重合
体ブロックを有するブロック共重合体の具体例として
は、たとえば、スチレン−ブタジエンブロック共重合体
(SB)、スチレン−イソプレンブロック共重合体(S
I)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合
体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロッ
ク共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−イソプ
レン−スチレンブロック共重合体(SBIS)などが挙
げられる。
体ブロックを有するブロック共重合体の具体例として
は、たとえば、スチレン−ブタジエンブロック共重合体
(SB)、スチレン−イソプレンブロック共重合体(S
I)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合
体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロッ
ク共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−イソプ
レン−スチレンブロック共重合体(SBIS)などが挙
げられる。
【0038】また、上記のブロック共重合体を公知の方
法により水素化した「水素化ブロック共重合体」が好ま
しく用いられる。その具体例としては、水素化スチレン
−ブタジエンブロック共重合体、水素化スチレン−イソ
プレンブロック共重合体、水素化スチレン−ブタジエン
−スチレンブロック共重合体、水素化スチレン−イソプ
レン−スチレンブロック共重合体、水素化スチレン−ブ
タジエン−イソプレン−スチレンブロック共重合体など
が挙げられる。なお、かかる水素化物においては、ポリ
スチレンブロックのフェニル基自体が水素化されること
はなく、ポリイソプレンブロックやポリブタジエンブロ
ックだけが水素化されているものである。
法により水素化した「水素化ブロック共重合体」が好ま
しく用いられる。その具体例としては、水素化スチレン
−ブタジエンブロック共重合体、水素化スチレン−イソ
プレンブロック共重合体、水素化スチレン−ブタジエン
−スチレンブロック共重合体、水素化スチレン−イソプ
レン−スチレンブロック共重合体、水素化スチレン−ブ
タジエン−イソプレン−スチレンブロック共重合体など
が挙げられる。なお、かかる水素化物においては、ポリ
スチレンブロックのフェニル基自体が水素化されること
はなく、ポリイソプレンブロックやポリブタジエンブロ
ックだけが水素化されているものである。
【0039】このようなブロック共重合体としては、工
業的に生産されている市販品を用いてもよく、たとえ
ば、日本ゼオン社製の「クインタック」、旭化成工業社
製の「タフプレン」および「タフテック」、シェル社製
の「クレイトン」、クラレ社製の「セプトン」などが例
示できる。中でも、シェル社製の「クレイトン」のGグ
レード、クラレ社製のセプトン2005、同2006、
同4055、同4077などのような水素化ブロック共
重合体が好ましい。
業的に生産されている市販品を用いてもよく、たとえ
ば、日本ゼオン社製の「クインタック」、旭化成工業社
製の「タフプレン」および「タフテック」、シェル社製
の「クレイトン」、クラレ社製の「セプトン」などが例
示できる。中でも、シェル社製の「クレイトン」のGグ
レード、クラレ社製のセプトン2005、同2006、
同4055、同4077などのような水素化ブロック共
重合体が好ましい。
【0040】これら特定のブロック共重合体は、それぞ
れ単独で、あるいは2種類以上組み合わせて用いること
ができる。
れ単独で、あるいは2種類以上組み合わせて用いること
ができる。
【0041】なお、本発明における接着層には、必要に
応じて、たとえば、酸化チタン、炭酸カルシウム、水酸
化アルミニウム、タルク、カーボンブラックなどの充填
剤、各種顔料や染料などの着色剤、酸化防止剤、紫外線
吸収剤、防曇剤、帯電防止剤、石油樹脂のごとき接着性
向上剤などの種々の添加剤が配合してあってもよい。こ
の場合の配合量は、前記特定のブロック共重合体100
重量部に対して、通常5〜100重量部程度である。
応じて、たとえば、酸化チタン、炭酸カルシウム、水酸
化アルミニウム、タルク、カーボンブラックなどの充填
剤、各種顔料や染料などの着色剤、酸化防止剤、紫外線
吸収剤、防曇剤、帯電防止剤、石油樹脂のごとき接着性
向上剤などの種々の添加剤が配合してあってもよい。こ
の場合の配合量は、前記特定のブロック共重合体100
重量部に対して、通常5〜100重量部程度である。
【0042】接着層の厚みは、後述するポリオレフィン
系樹脂の種類に応じて適宜決定できるが、好ましくは5
〜100μm、より好ましくは10〜50μmである。
系樹脂の種類に応じて適宜決定できるが、好ましくは5
〜100μm、より好ましくは10〜50μmである。
【0043】接着層の面積は、一体化することとなるポ
リオレフィン系樹脂の面積に応じて適宜決定すればよ
い。ただし、ポリオレフィン系樹脂の面積と同じである
必要はなく、これより大きくても小さくてもよいが、好
ましくは同じ面積に設定する。
リオレフィン系樹脂の面積に応じて適宜決定すればよ
い。ただし、ポリオレフィン系樹脂の面積と同じである
必要はなく、これより大きくても小さくてもよいが、好
ましくは同じ面積に設定する。
【0044】ポリオレフィン系樹脂 本発明に係る複合成形体を構成するポリオレフィン系樹
脂としては、たとえば、高密度ポリエチレン(PE)、
中密度PE、低密度PE(LLDPEも含む)、エチレ
ン−プロピレン共重合体(EPM)、エチレン−ブテン
−1共重合体、ポリプロピレン(PP)、ポリブテン−
1、ポリペンテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1、
ポリスチレン、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、
エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPD
M)等が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂中のエラス
トマーは架橋ポリマー又は部分架橋ポリマーの形で用い
られる。
脂としては、たとえば、高密度ポリエチレン(PE)、
中密度PE、低密度PE(LLDPEも含む)、エチレ
ン−プロピレン共重合体(EPM)、エチレン−ブテン
−1共重合体、ポリプロピレン(PP)、ポリブテン−
1、ポリペンテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1、
ポリスチレン、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、
エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPD
M)等が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂中のエラス
トマーは架橋ポリマー又は部分架橋ポリマーの形で用い
られる。
【0045】これらのオレフィン系樹脂は、それぞれ単
独で、あるいは2つ以上を組み合わせて用いることがで
きる。
独で、あるいは2つ以上を組み合わせて用いることがで
きる。
【0046】なお、本発明におけるポリオレフィン系樹
脂には、必要に応じて上述した接着層と同様、種々の添
加剤が配合してあってもよい。この場合の配合量は、前
記ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、通常5
〜100重量部程度である。
脂には、必要に応じて上述した接着層と同様、種々の添
加剤が配合してあってもよい。この場合の配合量は、前
記ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、通常5
〜100重量部程度である。
【0047】以上のような構成の本発明に係る複合成形
体は、以下のようにして製造できる。
体は、以下のようにして製造できる。
【0048】複合成形体の製造方法 (1)まず、接着層としての塗膜が形成してあるポリオ
レフィン系樹脂からなる部材を、金型のキャビティ内周
面の少なくとも一部に取り付ける。
レフィン系樹脂からなる部材を、金型のキャビティ内周
面の少なくとも一部に取り付ける。
【0049】接着層としての塗膜を、ポリオレフィン系
樹脂からなる部材に対して形成するには、まず、上述し
た特定のブロック共重合体と必要に応じて添加される添
加剤とを溶剤に対して溶解または分散させた接着層用塗
料(接着用プライマー塗料)を作製する。塗料中のブロ
ック共重合体の含有量は、好ましくは1〜50重量%、
より好ましくは2〜20重量%である。この種の塗料
は、ポリノルボルネン系樹脂に対して、ポリオレフィン
系樹脂を接着させるための優れた界面接着性を有する塗
膜を形成できる。
樹脂からなる部材に対して形成するには、まず、上述し
た特定のブロック共重合体と必要に応じて添加される添
加剤とを溶剤に対して溶解または分散させた接着層用塗
料(接着用プライマー塗料)を作製する。塗料中のブロ
ック共重合体の含有量は、好ましくは1〜50重量%、
より好ましくは2〜20重量%である。この種の塗料
は、ポリノルボルネン系樹脂に対して、ポリオレフィン
系樹脂を接着させるための優れた界面接着性を有する塗
膜を形成できる。
【0050】使用可能な溶剤としては、適度な溶解性と
揮発性があれば特に限定されず、たとえば、芳香族炭化
水素、脂肪族炭化水素、エーテル類、ケトン類などが挙
げられるが、好ましくはベンゼン、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素である。
揮発性があれば特に限定されず、たとえば、芳香族炭化
水素、脂肪族炭化水素、エーテル類、ケトン類などが挙
げられるが、好ましくはベンゼン、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素である。
【0051】このような接着層用塗料を用いて、ポリオ
レフィン系樹脂からなる部材に対して、たとえば吹き付
け法などの公知の方法により塗布・乾燥させることによ
り、接着層としての塗膜を形成できる。塗料の乾燥は、
常温でも乾燥機を用いて強制乾燥してもよい。乾燥温度
は、通常40〜100℃程度であり、乾燥時間は、通常
5〜60分程度である。
レフィン系樹脂からなる部材に対して、たとえば吹き付
け法などの公知の方法により塗布・乾燥させることによ
り、接着層としての塗膜を形成できる。塗料の乾燥は、
常温でも乾燥機を用いて強制乾燥してもよい。乾燥温度
は、通常40〜100℃程度であり、乾燥時間は、通常
5〜60分程度である。
【0052】ポリオレフィン系樹脂からなる部材として
は、フィルム、シート、板状など所望の厚みのものが使
用できる。また、顔料などを添加して任意の色に着色し
たもの、印刷したシート、あるいはエンボス加工などに
より模様を付けたシートなどを使用してもよい。
は、フィルム、シート、板状など所望の厚みのものが使
用できる。また、顔料などを添加して任意の色に着色し
たもの、印刷したシート、あるいはエンボス加工などに
より模様を付けたシートなどを使用してもよい。
【0053】ポリオレフィン系樹脂からなる部材を、金
型のキャビティ内周面に取り付けるタイミングは、接着
層としての塗膜を形成する前後を問わない。すなわち、
接着層としての塗膜をポリオレフィン系樹脂からなる部
材に形成した後に金型のキャビティ内周面に取り付けて
もよく、あるいはポリオレフィン系樹脂からなる部材を
金型のキャビティ内周面に取り付けた後、前記ポリオレ
フィン系樹脂からなる部材に接着層としての塗膜を形成
することとしてもよいが、本実施形態では、接着層塗膜
をポリオレフィン系樹脂からなる部材に形成した後に取
り付ける。
型のキャビティ内周面に取り付けるタイミングは、接着
層としての塗膜を形成する前後を問わない。すなわち、
接着層としての塗膜をポリオレフィン系樹脂からなる部
材に形成した後に金型のキャビティ内周面に取り付けて
もよく、あるいはポリオレフィン系樹脂からなる部材を
金型のキャビティ内周面に取り付けた後、前記ポリオレ
フィン系樹脂からなる部材に接着層としての塗膜を形成
することとしてもよいが、本実施形態では、接着層塗膜
をポリオレフィン系樹脂からなる部材に形成した後に取
り付ける。
【0054】また、ポリオレフィン系樹脂からなる部材
を、金型のキャビティ内周面に取り付ける方法は特に限
定されず、たとえばポリオレフィン系樹脂からなるシー
トまたはフィルムを、真空成形または圧空成形などの方
法により金型のキャビティ内周面に密着させるようにす
ればよい。
を、金型のキャビティ内周面に取り付ける方法は特に限
定されず、たとえばポリオレフィン系樹脂からなるシー
トまたはフィルムを、真空成形または圧空成形などの方
法により金型のキャビティ内周面に密着させるようにす
ればよい。
【0055】なお、ポリオレフィン系樹脂からなる部材
を金型のキャビティ内周面に取り付けた後、前記ポリオ
レフィン系樹脂からなる部材に接着層としての塗膜を形
成する場合において、最終的に、接着層としての塗膜面
が内側に向くようにして取り付けることが好ましい。こ
れにより、その後に供給されるノルボルネン系モノマー
を含む反応原液が接着層としての塗膜に直接接すること
となる。
を金型のキャビティ内周面に取り付けた後、前記ポリオ
レフィン系樹脂からなる部材に接着層としての塗膜を形
成する場合において、最終的に、接着層としての塗膜面
が内側に向くようにして取り付けることが好ましい。こ
れにより、その後に供給されるノルボルネン系モノマー
を含む反応原液が接着層としての塗膜に直接接すること
となる。
【0056】(2)次いで、前記部材がキャビティ内周
面に取り付けられた金型の内部に、少なくともノルボル
ネン系モノマーおよびメタセシス触媒を含む反応原液を
入れて塊状重合を進行させることにより、ポリノルボル
ネン系樹脂を前記接着層としての塗膜に対して一体的に
形成させる。
面に取り付けられた金型の内部に、少なくともノルボル
ネン系モノマーおよびメタセシス触媒を含む反応原液を
入れて塊状重合を進行させることにより、ポリノルボル
ネン系樹脂を前記接着層としての塗膜に対して一体的に
形成させる。
【0057】本発明において用いる反応原液には、必要
に応じて、上述した種々の添加剤が配合してあってもよ
い。特に機械的強度の高い成形体を得る目的で、補強材
を金型内に予め充填しておき、次いで反応原液を金型内
に注入し、硬化させることもできる。
に応じて、上述した種々の添加剤が配合してあってもよ
い。特に機械的強度の高い成形体を得る目的で、補強材
を金型内に予め充填しておき、次いで反応原液を金型内
に注入し、硬化させることもできる。
【0058】本発明では、ノルボルネン系モノマーは、
2つ以上の反応原液に分けて用いる。具体的には、メタ
セシス触媒を含むノルボルネン系モノマーからなる反応
原液(B液)と、活性剤を含むノルボルネン系モノマー
からなる反応原液(A液)との少なくとも2つの反応原
液を用意し、必要に応じて上述した任意成分を、これら
の反応原液の少なくとも1つに含有させる。これらA液
とB液とは、それぞれを別のタンクに入れておくことが
好ましい。各反応原液はそれぞれ単独ではノルボルネン
系モノマーの重合が起こらないが、各反応原液を混合す
ると塊状重合が起こる。各反応原液に含まれる各成分の
和が本発明の塊状重合に必要な成分の量に相当する。な
お、上述した添加剤を添加する場合には、予め、前記添
加剤を反応原液のいずれか一方または双方に混合してお
くか、あるいは金型のキャビティに入れておくことが好
ましい。
2つ以上の反応原液に分けて用いる。具体的には、メタ
セシス触媒を含むノルボルネン系モノマーからなる反応
原液(B液)と、活性剤を含むノルボルネン系モノマー
からなる反応原液(A液)との少なくとも2つの反応原
液を用意し、必要に応じて上述した任意成分を、これら
の反応原液の少なくとも1つに含有させる。これらA液
とB液とは、それぞれを別のタンクに入れておくことが
好ましい。各反応原液はそれぞれ単独ではノルボルネン
系モノマーの重合が起こらないが、各反応原液を混合す
ると塊状重合が起こる。各反応原液に含まれる各成分の
和が本発明の塊状重合に必要な成分の量に相当する。な
お、上述した添加剤を添加する場合には、予め、前記添
加剤を反応原液のいずれか一方または双方に混合してお
くか、あるいは金型のキャビティに入れておくことが好
ましい。
【0059】A液またはB液から成る反応原液の温度
は、好ましくは20〜80℃、反応原液の粘性は、たと
えば30℃において、通常5〜3000cps、好まし
くは100〜1000cps程度である。
は、好ましくは20〜80℃、反応原液の粘性は、たと
えば30℃において、通常5〜3000cps、好まし
くは100〜1000cps程度である。
【0060】塊状重合を行うに際しては、2またはそれ
以上の反応原液をミキシングヘッドなどを用いて瞬間的
に混合し、直ちにその混合液を金型のキャビティ内に注
入して重合を開始させる。
以上の反応原液をミキシングヘッドなどを用いて瞬間的
に混合し、直ちにその混合液を金型のキャビティ内に注
入して重合を開始させる。
【0061】重合時間は、適宜選択すればよいが、通
常、反応液の注入終了後、20秒〜20分程度である。
金型の型締め圧力は、通常0.1〜100kgf/cm
2 の範囲である。本発明では、反応射出成形時の金型
温度を、好ましくは10〜150℃、より好ましくは2
0〜120℃、さらに好ましくは30〜100℃に制御
する。
常、反応液の注入終了後、20秒〜20分程度である。
金型の型締め圧力は、通常0.1〜100kgf/cm
2 の範囲である。本発明では、反応射出成形時の金型
温度を、好ましくは10〜150℃、より好ましくは2
0〜120℃、さらに好ましくは30〜100℃に制御
する。
【0062】なお、金型のキャビティ内に反応原液を注
入する前に、金型の内部に温風を流通させ、少なくとも
金型のキャビティ内部を所定温度に加熱した後、温風の
流通を停止し、金型のキャビティへ反応原液を流し込み
塊状重合を行うようにしてもよい。金型のキャビティ内
部に、前記ポリノルボルネン系樹脂と一体になる補強材
を配置した後、金型のキャビティ内部に温風を流通させ
ることも好ましい。温風は、空気を所定温度に加熱した
ものが安価であるが、窒素ガスなどの不活性ガスを加熱
したものであっても良い。金型のキャビティ内に流通さ
せる温風の温度は、特に限定されないが、好ましくは3
0〜120℃、さらに好ましくは40〜80℃である。
この温度が低すぎると、良好な品質の成形体が得られ
ず、高すぎると不経済である。また、金型のキャビティ
内を流通した温風は、金型のベント口から大気中へ排出
しても良いが、特定のベント口から温風供給装置へ戻
し、再度加熱して金型のキャビティ内へ循環させても良
い。
入する前に、金型の内部に温風を流通させ、少なくとも
金型のキャビティ内部を所定温度に加熱した後、温風の
流通を停止し、金型のキャビティへ反応原液を流し込み
塊状重合を行うようにしてもよい。金型のキャビティ内
部に、前記ポリノルボルネン系樹脂と一体になる補強材
を配置した後、金型のキャビティ内部に温風を流通させ
ることも好ましい。温風は、空気を所定温度に加熱した
ものが安価であるが、窒素ガスなどの不活性ガスを加熱
したものであっても良い。金型のキャビティ内に流通さ
せる温風の温度は、特に限定されないが、好ましくは3
0〜120℃、さらに好ましくは40〜80℃である。
この温度が低すぎると、良好な品質の成形体が得られ
ず、高すぎると不経済である。また、金型のキャビティ
内を流通した温風は、金型のベント口から大気中へ排出
しても良いが、特定のベント口から温風供給装置へ戻
し、再度加熱して金型のキャビティ内へ循環させても良
い。
【0063】本発明で使用可能な金型の材質としては、
たとえばステンレス、アルミニウム、ニッケル電鋳など
の金属に限らず、合成樹脂、あるいはその他の材質でも
良い。反応射出成形は、比較的低圧での成形が可能であ
り、必ずしも高剛性の金型を用いる必要はない。
たとえばステンレス、アルミニウム、ニッケル電鋳など
の金属に限らず、合成樹脂、あるいはその他の材質でも
良い。反応射出成形は、比較的低圧での成形が可能であ
り、必ずしも高剛性の金型を用いる必要はない。
【0064】(3)そして、所定時間経過の後、型開き
することにより、本実施形態に係る複合成形体が得られ
る。
することにより、本実施形態に係る複合成形体が得られ
る。
【0065】このようにして得られる複合成形体は、ポ
リノルボルネン系樹脂の少なくとも一部に、特定のブロ
ック共重合体を含有する接着層としての塗膜を介して、
ポリオレフィン系樹脂からなる部材が一体的に形成して
あることにより、ポリノルボルネン系樹脂と接着層とし
ての塗膜との間、および接着層としての塗膜とポリオレ
フィン系樹脂からなる部材との間、における界面接着性
が極めて優れている。
リノルボルネン系樹脂の少なくとも一部に、特定のブロ
ック共重合体を含有する接着層としての塗膜を介して、
ポリオレフィン系樹脂からなる部材が一体的に形成して
あることにより、ポリノルボルネン系樹脂と接着層とし
ての塗膜との間、および接着層としての塗膜とポリオレ
フィン系樹脂からなる部材との間、における界面接着性
が極めて優れている。
【0066】本発明に係る複合成形体の大きさや形状な
どは、特に限定されず、所望の大きさおよび形状にする
ことができる。
どは、特に限定されず、所望の大きさおよび形状にする
ことができる。
【0067】本発明に係る複合成形体は、たとえば、自
動車部品、電気部品、建築用部品など各種の広範な用途
に用いることができる。
動車部品、電気部品、建築用部品など各種の広範な用途
に用いることができる。
【0068】以上、本発明の実施形態について説明して
きたが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において
種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
きたが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において
種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0069】
【実施例】以下、本発明をさらに詳細な実施例に基づき
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。以
下の例では、特に断りのない限り、部および%は重量基
準である。
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。以
下の例では、特に断りのない限り、部および%は重量基
準である。
【0070】実施例1 まず、縦25cm×横25cm×厚さ5mmのポリプロ
ピレン(PP)板(積水成型工業社製の製品番号PP
N)の片面に、水素化ブロック共重合体(セプトン20
05、スチレン含有量20重量%、クラレ社製)の5%
トルエン溶液を塗布した後、80℃にて10分乾燥する
ことにより、厚さが10μmである接着層としての塗膜
が形成されたPP板を得た。
ピレン(PP)板(積水成型工業社製の製品番号PP
N)の片面に、水素化ブロック共重合体(セプトン20
05、スチレン含有量20重量%、クラレ社製)の5%
トルエン溶液を塗布した後、80℃にて10分乾燥する
ことにより、厚さが10μmである接着層としての塗膜
が形成されたPP板を得た。
【0071】次いで、得られた塗膜付きPP板の塗膜が
形成されていない側を対向させるようにして、65〜7
0℃に加熱処理してあるキャビ型の上に置き、真空バル
ブを開いてキャビ型下部に設けた真空引き用孔から真空
排気することにより、PP板をキャビ型のキャビティ内
周面に密着させた。
形成されていない側を対向させるようにして、65〜7
0℃に加熱処理してあるキャビ型の上に置き、真空バル
ブを開いてキャビ型下部に設けた真空引き用孔から真空
排気することにより、PP板をキャビ型のキャビティ内
周面に密着させた。
【0072】次いで、40℃前後に加熱処理してあるコ
ア型を移動させて金型を閉じることにより、金型内部に
キャビティを形成した。
ア型を移動させて金型を閉じることにより、金型内部に
キャビティを形成した。
【0073】これと相前後して、前記キャビティ内に供
給する反応原液を以下のように調製した。すなわち、ジ
シクロペンタジエン(DCP)85重量%と、トリシク
ロペンタジエン15重量%とからなる混合モノマーを用
い、このモノマー総量100重量部に対して、スチレン
−イソプレン−スチレンブロック共重合体(クレイトン
1170、シェル社製)を8重量部溶解させ、さらに混
合モノマーに対しジエチルアルミニウムクロリド(DE
AC)を80ミリモル/kg濃度と、n−プロパノール
を80ミリモル/kg濃度、四塩化ケイ素を0.1重量
部添加して均一に混合分散した(A液)。一方、ジシク
ロペンタジエン(DCP)85重量%と、トリシクロペ
ンタジエン15重量%とからなる混合モノマーを用い、
このモノマー総量100重量部に対して、スチレン−イ
ソプレン−スチレンブロック共重合体(クレイトン11
70、シェル社製)を2重量部と、フェノール系酸化防
止剤(イルガノックス1010、チバスペシャリティー
ケミカルズ社製)を2重量部溶解させ、さらにトリ(ト
リデシル)アンモニウムモリブデートを20ミリモル/
kg濃度添加して均一に混合分散した(B液)。
給する反応原液を以下のように調製した。すなわち、ジ
シクロペンタジエン(DCP)85重量%と、トリシク
ロペンタジエン15重量%とからなる混合モノマーを用
い、このモノマー総量100重量部に対して、スチレン
−イソプレン−スチレンブロック共重合体(クレイトン
1170、シェル社製)を8重量部溶解させ、さらに混
合モノマーに対しジエチルアルミニウムクロリド(DE
AC)を80ミリモル/kg濃度と、n−プロパノール
を80ミリモル/kg濃度、四塩化ケイ素を0.1重量
部添加して均一に混合分散した(A液)。一方、ジシク
ロペンタジエン(DCP)85重量%と、トリシクロペ
ンタジエン15重量%とからなる混合モノマーを用い、
このモノマー総量100重量部に対して、スチレン−イ
ソプレン−スチレンブロック共重合体(クレイトン11
70、シェル社製)を2重量部と、フェノール系酸化防
止剤(イルガノックス1010、チバスペシャリティー
ケミカルズ社製)を2重量部溶解させ、さらにトリ(ト
リデシル)アンモニウムモリブデートを20ミリモル/
kg濃度添加して均一に混合分散した(B液)。
【0074】次いで、調製されたA,B両反応原液を、
2液衝突混合注入装置を用いて1:1の比率で混合した
後、金型のキャビティ内へ注入し、約5分経過後、金型
より成形品を取り出して測定用試験板を得た。得られた
測定用試験板は、縦20cm×横20cm×厚さ5mm
のポリノルボルネン系樹脂からなる平板の一部に、接着
層としての前記塗膜を介して、PP板が一体的に形成さ
れた3層構造を有していた。このような平板を、合計5
枚作製した。
2液衝突混合注入装置を用いて1:1の比率で混合した
後、金型のキャビティ内へ注入し、約5分経過後、金型
より成形品を取り出して測定用試験板を得た。得られた
測定用試験板は、縦20cm×横20cm×厚さ5mm
のポリノルボルネン系樹脂からなる平板の一部に、接着
層としての前記塗膜を介して、PP板が一体的に形成さ
れた3層構造を有していた。このような平板を、合計5
枚作製した。
【0075】次いで、得られたそれぞれの平板から、表
1に示す寸法の試験板を切り出し、曲げ接着強さ(JI
S−K6856、移動速度10mm/min.)の評価
を行った。結果を表1に示すが、曲げ接着強さの平均は
0.32kgf/mm2 であった。
1に示す寸法の試験板を切り出し、曲げ接着強さ(JI
S−K6856、移動速度10mm/min.)の評価
を行った。結果を表1に示すが、曲げ接着強さの平均は
0.32kgf/mm2 であった。
【0076】なお、曲げ接着強さは、ポリノルボルネン
系樹脂とPPとの重ね合わせ部分の面積(高さと幅との
積)をA(mm2 )とし、最大荷重をB(kgf)と
したときに、B/A(kgf/mm2 )で求めた。
系樹脂とPPとの重ね合わせ部分の面積(高さと幅との
積)をA(mm2 )とし、最大荷重をB(kgf)と
したときに、B/A(kgf/mm2 )で求めた。
【0077】実施例2 水素化ブロック共重合体として、セプトン2006(ス
チレン含有量35重量%、クラレ社製)を用いた以外
は、実施例1と同様にして試験板を得た後、それぞれの
試験板の曲げ接着強さの評価を行った。結果を表1に示
すが、曲げ接着強さの平均は0.33kgf/mm2
であった。
チレン含有量35重量%、クラレ社製)を用いた以外
は、実施例1と同様にして試験板を得た後、それぞれの
試験板の曲げ接着強さの評価を行った。結果を表1に示
すが、曲げ接着強さの平均は0.33kgf/mm2
であった。
【0078】実施例3 水素化ブロック共重合体として、セプトン4055(ス
チレン含有量30重量%、クラレ社製)を用いた以外
は、実施例1と同様にして試験板を得た後、それぞれの
試験板の曲げ接着強さの評価を行った。結果を表1に示
すが、曲げ接着強さの平均は0.24kgf/mm2
であった。
チレン含有量30重量%、クラレ社製)を用いた以外
は、実施例1と同様にして試験板を得た後、それぞれの
試験板の曲げ接着強さの評価を行った。結果を表1に示
すが、曲げ接着強さの平均は0.24kgf/mm2
であった。
【0079】実施例4 水素化ブロック共重合体として、セプトン4077(ス
チレン含有量30重量%、クラレ社製)を用いた以外
は、実施例1と同様にして試験板を得た後、それぞれの
試験板の曲げ接着強さの評価を行った。結果を表1に示
すが、曲げ接着強さの平均は0.23kgf/mm2
であった。
チレン含有量30重量%、クラレ社製)を用いた以外
は、実施例1と同様にして試験板を得た後、それぞれの
試験板の曲げ接着強さの評価を行った。結果を表1に示
すが、曲げ接着強さの平均は0.23kgf/mm2
であった。
【0080】比較例1 接着層を形成しなかった以外は、実施例1と同様に成形
を行ったが、PP板とポリノルボルネン系樹脂との接着
はできず、一体成形物は得られなかった。
を行ったが、PP板とポリノルボルネン系樹脂との接着
はできず、一体成形物は得られなかった。
【0081】
【表1】
【0082】実施例5〜8 PP板を用いる代わりに、縦25cm×横25cm×厚
さ5mmの高密度ポリエチレン(HDPE)板(出光石
油化学社製の製品番号120J)を用いた以外は、それ
ぞれ実施例1〜4と同様にして試験板を得た後、それぞ
れの試験板の曲げ接着強さ(JIS−K6856、移動
速度10mm/min.)の評価を行った。その結果、
曲げ接着強さの平均は、それぞれ0.35kgf/mm
2 、0.32kgf/mm2 、0.30kgf/m
m2 、0.29kgf/mm2 であった。
さ5mmの高密度ポリエチレン(HDPE)板(出光石
油化学社製の製品番号120J)を用いた以外は、それ
ぞれ実施例1〜4と同様にして試験板を得た後、それぞ
れの試験板の曲げ接着強さ(JIS−K6856、移動
速度10mm/min.)の評価を行った。その結果、
曲げ接着強さの平均は、それぞれ0.35kgf/mm
2 、0.32kgf/mm2 、0.30kgf/m
m2 、0.29kgf/mm2 であった。
【0083】比較例2 接着層を形成しなかった以外は、実施例5と同様にして
試験板を得た後、それぞれの試験板の曲げ接着強さの評
価を行った。その結果、曲げ接着強さの平均は0.05
kgf/mm2 であり、曲げ接着強度に対して実施例
5〜8の優位性が確認できた。
試験板を得た後、それぞれの試験板の曲げ接着強さの評
価を行った。その結果、曲げ接着強さの平均は0.05
kgf/mm2 であり、曲げ接着強度に対して実施例
5〜8の優位性が確認できた。
【0084】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、ポリオレフィン系樹脂の種類によらず、界面接着性
が良好な複合成形体およびその製造方法を提供できる。
ば、ポリオレフィン系樹脂の種類によらず、界面接着性
が良好な複合成形体およびその製造方法を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 153/02 C09J 153/02 // B29K 45:00 B29K 45:00 105:20 105:20 B29L 9:00 B29L 9:00 Fターム(参考) 4F100 AK02A AK03B AK07 AK12C AK12G AK29G AL02C AL02G BA02 BA03 BA10A BA10B CA30A CB00 CC00C EH132 EH312 EJ082 GB08 GB33 GB48 JL11 4F206 AA12L AD05 AD08 AD20 AG03 JA01 JB15 JF05 JL02 JN25 4J038 CQ011 NA12 PC08 4J040 DM011 LA06 MA10 MA11
Claims (5)
- 【請求項1】 ポリノルボルネン系樹脂の少なくとも一
部に、少なくとも1つのビニル芳香族化合物重合体ブロ
ックを有するブロック共重合体を含有する接着層を介し
て、ポリオレフィン系樹脂が一体的に形成してある複合
成形体。 - 【請求項2】 前記接着層の厚さが5〜100μmであ
る請求項1記載の複合成形体。 - 【請求項3】 前記ビニル芳香族化合物がスチレンであ
り、かつ前記ブロック共重合体のスチレン含有量が5〜
95重量%である請求項1または2記載の複合成形体。 - 【請求項4】 少なくとも1つのビニル芳香族化合物重
合体ブロックを有するブロック共重合体を含有する塗膜
が形成してあるポリオレフィン系樹脂からなる部材をキ
ャビティ内周面の少なくとも一部に取り付けた金型に、
少なくともノルボルネン系モノマーおよびメタセシス触
媒を含む反応原液を入れて硬化させることを特徴とする
複合成形体の製造方法。 - 【請求項5】 少なくとも1つのビニル芳香族化合物重
合体ブロックを有するブロック共重合体を含有する、ポ
リノルボルネン系樹脂とポリオレフィン系樹脂との接着
用プライマー塗料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000105941A JP2001287307A (ja) | 2000-04-07 | 2000-04-07 | 複合成形体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000105941A JP2001287307A (ja) | 2000-04-07 | 2000-04-07 | 複合成形体およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001287307A true JP2001287307A (ja) | 2001-10-16 |
Family
ID=18619191
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000105941A Pending JP2001287307A (ja) | 2000-04-07 | 2000-04-07 | 複合成形体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001287307A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006212988A (ja) * | 2005-02-04 | 2006-08-17 | Nippon Zeon Co Ltd | 積層フィルム |
US20130095338A1 (en) * | 2011-10-18 | 2013-04-18 | Pang-Chia Lu | Soft Multi-Layer Shrink Films |
JP2013216857A (ja) * | 2012-03-12 | 2013-10-24 | Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd | 接着剤組成物、接着フィルムおよび基板の処理方法 |
-
2000
- 2000-04-07 JP JP2000105941A patent/JP2001287307A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006212988A (ja) * | 2005-02-04 | 2006-08-17 | Nippon Zeon Co Ltd | 積層フィルム |
US20130095338A1 (en) * | 2011-10-18 | 2013-04-18 | Pang-Chia Lu | Soft Multi-Layer Shrink Films |
JP2013216857A (ja) * | 2012-03-12 | 2013-10-24 | Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd | 接着剤組成物、接着フィルムおよび基板の処理方法 |
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