JP2805209B2 - 複合成形品およびその製造法 - Google Patents

複合成形品およびその製造法

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JP2805209B2 JP1145296A JP14529689A JP2805209B2 JP 2805209 B2 JP2805209 B2 JP 2805209B2 JP 1145296 A JP1145296 A JP 1145296A JP 14529689 A JP14529689 A JP 14529689A JP 2805209 B2 JP2805209 B2 JP 2805209B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、複合成形品に関し、さらに詳しくは、発泡
体を芯材とし、ノルボルネン系モノマーの塊状重合体を
外周層とする複合成形品とその製造法に関する。
従来の技術 不飽和ポリエステルやエポキシ樹脂、フェノール樹
脂、ポリウレタン樹脂などを外周層(外被)とし、発泡
体を芯材とする複合成形品は、軽量であるため、ウイン
ドサーフィンやサーフボード、ボート、カヌーの櫂など
のレジャー用品、大型パレットなどとして市販されてい
る。
これらの複合成形品は、一般的には、発泡体のまわり
にガラス繊維などの強化繊維を当てて、その上に熱硬化
性樹脂を塗布し、硬化させる、いわゆるハンドレイアッ
プ法で作られているが、手作業が中心となるために生産
性が悪く、量産には不向きである。
他の方法としては、芯材となる発泡体のまわりをガラ
スやカーボン、アラミドのごとき強化繊維の織布で包ん
で金型内にセットし、次いで液状熱硬化性樹脂を金型内
に注入し、加熱硬化させて複合成形品を得る方法がある
(特開昭63−162207号公報)。この方法は、複雑な形状
の複合成形品の場合には、強化繊維を均一な厚みで芯材
に巻くことが困難である。また、ガラス繊維を取り扱う
ことにより、繊維の破断破片が手や顔などの身体に突き
刺さり、作業環境としては非常に好ましくない。強化繊
維を部分的に巻いた発泡体を金型内にセットし、熱硬化
性樹脂を注入すると、強化繊維の存在しない部分では外
周層の樹脂強度が弱くなる。そこで、樹脂のみでも十分
な強度をもたせるには、エポキシ樹脂のごとき高価な材
料を用いる必要がある。
また、従来法による複合成形品では、ガラス繊維など
の強化繊維が必要であるため、使用済の複合成形品を焼
却により処理することが困難であり、廃棄物処理上の問
題がある。
このため、発泡体を芯材とする複合成形品において、
工業的に簡単な成形方法で、強靭な成形物を安価に作る
ことが望まれている。
発明が解決しようとする課題 ところで、ジシクロペンタジエンのごときノルボルネ
ン系モノマーをメタセシス触媒の存在下、金型内で塊状
重合すると、剛性があり、衝撃強度の高い成形品が得ら
れる。ノルボルネン系モノマーを含む反応液は、一般に
低粘度の液体であることから、比較的低い圧力で、金型
内に注入し、かつ成形することができるため、大型で複
雑な形状の成形品であっても容易に成形ができる。
そこで、本発明者らは、ノルボルネン系モノマーを使
用して、発泡体を芯材とする複合成形品の製造を試みた
ところ、成形圧力が低いことから、発泡体の気泡の破壊
や変形がないこと、強度が小さく安価な金型を使用する
ことができること、しかも強化繊維を使用しなくても十
分な強度を有する複合成形品が得られること、など多く
の長所をもっていることが分かった。ところが、この方
法には、次のような問題点のあることがわかった。
すなわち、この方法においては、発泡体の外周面を樹
脂により均一な厚みで被覆することが必要であるが、ガ
ラス繊維のマットや織物を発泡体のまわりに巻く方法で
は、前記のごとき問題点がある。
他の方法として、金型側に突起部分を数ケ所設置した
形状の金型を用い、これにより芯材となる発泡体の移動
を防止して成形する方法が考えられるが、この方法で
は、突起部分の跡が複合成形品の表面に空洞として残
り、成形後にその空洞を樹脂と接着剤で埋める作業が必
要となるため、製造工程が煩雑となる。
したがって、本発明の目的は、ノルボルネン系モノマ
ーを用いて、比較的簡単な成形方法により、発泡体を芯
材とした軽くて強く、表面平滑性の良好な複合成形品を
提供することにある。
本発明の他の目的は、大型で複雑な形状の場合成形品
であっても、簡単な方法で迅速に成形する方法を提供す
ることにある。
本発明者らは、鋭意研究した結果、発泡体からなる芯
材の表面の所望箇所に、オレフィン系ポリマーおよび/
または炭化水素系エラストマーで形成された支持体を固
定し、これを金型内に設置して、支持体付き芯材と金型
との間にできる間隙にノルボルネン系モノマーとメタセ
シス系触媒を含む反応液を供給し、塊状重合させると、
ノルボルネン系ポリマーからなる外周層を好適に形成さ
せることができ、しかもこれらの支持体とポリマーとの
密着性に優れていることを見出した。
この方法により、複雑で大型の成形品であっても、容
易に成形でき、軽量化した複合成形品が得られる。ま
た、反応液は低粘度で反応速度が早いため生産性が良好
で、しかも表面にヒケのない複合成形品を得ることがで
きる。
本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至った
ものである。
課題を解決するための手段 かくして、本発明によれば、熱変形温度が150℃以下
のオレフィン系ポリマーおよび/または炭化水素系エラ
ストマーで形成された支持体を設けた発泡体からなる芯
材を金型内に設置し、ノルボルネン系モノマーとメタセ
シス系触媒を含む反応液を金型内に供給して塊状重合さ
せ、ノルボルネン系ポリマーからなる外周層を形成させ
ることを特徴とする軽量な複合成形品の製造法が提供さ
れる。
また、本発明によれば、上記方法で製造された複合成
形品が提供される。
以下、本発明について詳細に説明する。
(発泡体からなる芯材) 本発明の複合成形品は、芯材として高分子発泡体を使
用する。これにより、大型であっても軽量で、かつ強度
の強い成形品となる。
高分子発泡体は、成形時に原形を保持しうるものであ
ればいずれでもよく、その具体例としては、例えば、ポ
リウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチ
レン、ポリ塩化ビニルなどの発泡体が例示される。発泡
体の密度は、特に制限されないが、通常は0.6g/cm3
下、好ましくは0.01〜0.5g/cm3である。
発泡体は、芯材として使用するために、予め所望の形
状に成形する。そのための方法としては、例えば、押出
成形により板状や棒状に発泡成形されたブロック材、部
分的にフィルムやシートでラミネートされた発泡体、あ
るいはパイプや木材などにスプレーされた発泡体などを
切削加工する方法がある。
また、ポリウレタンの場合には、液状の発泡原液を発
泡用金型内に注入し、所定形状の発泡体を得ることもで
きる。
発泡体の形状は、通常、複合成形品の形状よりも外周
層を形成する樹脂の肉厚だけ小さい形状とする。また、
発泡体の一部に適宜貫通孔を設けたり、リブ構造を形成
可能なような溝を設けることもでき、それにより成形品
の強度を向上させることができる。
(支持体) 芯材となる発泡体には、特定の素材から選択される支
持体を設ける。支持体により、金型内で芯材が反応原液
により浮くことを防止し、かつ均一な樹脂層を外周層と
して形成させる。また、支持体の材料として特定の素材
を選択することにより、ノルボルネン系ポリマーとの密
着性を強固にする。
発泡体に固定する支持体は、ノルボルネン系モノマー
のメタセシス触媒による塊状重合を阻害せず、かつ塊状
重合条件に耐える材料で形成しなければならないことは
もとより、ノルボルネン系ポリマーとの接着性に優れて
いなければならない。ところが、一般に、ノルボルネン
系ポリマーは他の材料との接着性が悪いという問題をも
っている。
そこで、ノルボルネン系モノマーの塊状重合の初期に
は発泡体の移動を防ぐだけの強度をもち、重合の後期に
は、重合熱の蓄熱による温度上昇により軟化しノルボル
ネン系ポリマーと一体に溶着する材料が望まれる。ノル
ボルネン系モノマーの塊状重合では、重合熱により、反
応物の温度は150℃以上に上昇するが、この熱を利用
し、支持体をノルボルネン系ポリマーと接着(溶着)せ
しめるのである。
支持体とノルボルネン系ポリマーとの接着性が不十分
であると、塗装の際に隙間の跡が見え、好ましくない。
また、成形時、発泡体の芯材部分がノルボルネン系ポリ
マーにより完全に密閉された構造になることが好まし
い。密閉された発泡体は、ノルボルネン系モノマーの重
合熱により膨張し、ノルボルネン系ポリマーからなる外
周層を内部より加圧するため、金型面の成形品面への転
写性が良くなり、ヒケも抑制される。支持体とノルボル
ネン系ポリマーとの接着性が不十分であると、芯材部分
で発生する膨張した空気圧力が逃げることになり、好ま
しくない。
このような支持体の材料として、熱変形温度が150℃
以下のオレフィン系ポリマーおよび/または炭化水素系
エラストマーを使用する。熱変形温度が150℃以上のも
のでは、ノルボルネン系ポリマーとの接着性が不十分に
なりやすい。なお、熱変形温度は、JIS K−7207、荷
重4.6kg/cm2により測定できる。
オレフィン系ポリマーは、オレフィンを主成分とする
ポリマーであり、その具体例としては、例えば、高密度
ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレ
ン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン
−1共重合体、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ
ペンテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリスチ
レン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロ
ピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合
体(EPDM)、およびこれらの混合物などが挙げられる。
炭化水素系エラストマーとしては、例えば、スチレン
(S)に代表されるビニル芳香族化合物と、イソプレン
(I)、ブタジエン(B)などの共役ジエンから構成さ
れる各種ブロック共重合体が挙げられる。具体的には、
S−I型、S−B型、S−I−S型、S−B−S型、S
−I−S−I−S型などのブロック共重合体、およびこ
れらの水素添加物などが挙げられる。また、ポリブタジ
エン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合
体、ブチルゴムなどの未加硫ゴムが挙げられる。また、
本発明の効果を本質的に損なわないかぎり、オレフィン
系ポリマーおよび/または炭化水素エラストマーととも
に、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂などの他の重合体をブレ
ンドしてもよい。
これらの中でも、特に、ポリスチレン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、EPDMが好ましい。
支持体の形状は、特に限定されないが、具体的には、
円筒形、平板状、円錐形、円錐台形などがあり、複合成
形品の外面に小さな面積しか出てこないようにするため
には、円錐形が好ましい。他方、支持体の表面を複合成
形品の表面に出し、装飾効果を発揮させることもでき
る。この場合には、支持体の形状は、種々な形を取るこ
とができる。例えば、円形状、帯状などが挙げられる。
支持体の厚みは、外周層の樹脂の厚み以上であることが
好ましい。
支持体を発泡体からなる芯材に設けるには、芯材の表
面に支持体を接着するか、あるいは支持体の一部を芯材
に差し込んで固定する、または輪ゴム状にして巻きつけ
るなど、適宜の方法がある。接着する場合には、エポキ
シ樹脂やポリウレタン、ポリイミド、酢酸ビニルエマル
ジョン、シアノアクリレートなどの接着剤を適宜用い
る。
また、発泡用金型で発泡体からなる芯材を成形する場
合には、この段階で支持体を発泡用金型に設置し、支持
体付きの発泡成形品を得ることもできる。
(ノルボルネン系モノマー) 本発明において使用するノルボルネン系モノマーは、
ノルボルネン環を有するものであればよいが、熱変形温
度の高い成形品を得ようとする場合には、三環体以上の
多環ノルボルネン系モノマーを用いることが好ましい。
また、本発明においては、生成するノルボルネン系ポ
リマーを熱硬化型とすることが好ましく、そのためには
架橋性モノマーを使用することが好ましい。
ノルボルネン系モノマーとしては、例えば、2−ノル
ボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル
−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、
5−ヘキシル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2
−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−
フェニルノルボルネンなどの二環体、ジシクロペンタジ
エンやジヒドロジシクロペンタジエンなどのごとき三環
体、テトラシクロドデセン、メチルテトラシクロドデセ
ン、エチルテトラシクロドデセン、ジメチルテトラシク
ロドデセン、エチリデンテトラシクロドデセン、フェニ
ルテトラシクロドデセンなどのごとき四環体、トリシク
ロペンタジエンなどのごとき五環体、テトラシクロペン
タジエンなどのごとき七環体などが例示される。これら
のモノマーは、1種以上を組合わせて用いてもよい。
なかでも、入手の容易さ、反応性、耐熱性等の見地か
ら、三環体ないし五環体が賞用される。
一方、架橋性モノマーは、反応性の二重結合を2個以
上有する多環ノルボルネン系モノマーであり、その具体
例としてジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエ
ン、テトラシクロペンタジエンなどが例示される。した
がって、ノルボルネン系モノマーと架橋性モノマーが同
一物である場合には格別他の架橋性モノマーを用いる必
要はない。
これらのノルボルネン系モノマーは、単独で使用して
もよいし、また、2種以上を混合して用いることもでき
る。
なお、上記ノルボルネン系モノマーの1種以上と共に
開環重合し得るシクロブテン、シクロペンテン、シクロ
ペンタジエン、シクロオクテン、シクロドデセンなどの
単環シクロオレフィンなどを、本発明の目的を損なわな
い範囲で併用することができる。
(メタセシス触媒) 本発明で用いる触媒は、ノルボルネン系モノマーの開
環重合用触媒として公知のメタセシス触媒系であればい
ずれでもよく(例えば、特開昭58−127728号、同58−12
9013号、同59−51911号、同60−79035号、同60−186511
号、同61−126115号など)、特に制限はない。
メタセシス触媒の具体例としては、タングステン、モ
リブデン、タンタルなどのハロゲン化物、オキシハロゲ
ン化物、酸化物、有機アンモニウム塩などが挙げられ、
また、活性剤(共触媒)の具体例としては、アルキルア
ルミニウムハライド、アルコキシアルキルアルミニウム
ハライド、アリールオキシアルキルアミニウムハライ
ド、有機スズ化合物などが挙げられる。
アルキルアルミニウムハライドの場合は、触媒を含む
溶液を混合すると即座に重合を開始するという問題があ
るので、その場合には活性剤とエーテル類、エステル
類、ケトン類、ニトリル類、アルコール類などの調節剤
を併用することにより重合の開始を遅らせることができ
る(例えば、特開昭58−129013号公報、同61−120814号
公報)。ガラス繊維などの充填剤を用いる場合には、充
填剤への含浸を均一に行なわせるためには、ポットライ
フが長いものの方が有利であり、その見地から30℃での
ポットライフが5分以上、特に10分以上のものが好まし
い。
また、触媒、活性剤に加えてクロロホルム、四塩化炭
素、ヘキサクロロシクロペンタジエンなどのごときハロ
ゲン化炭化水素(例えば特開昭60−79035号)や四塩化
ケイ素、四塩化ゲルマニウム、四塩化鉛などのハロゲン
化金属を併用してもよい。
メタセシス触媒は、モノマーの1モル対し、通常、約
0.01〜50ミリモル、好ましくは0.1〜10ミリモルの範囲
で用いられる。活性剤(共触媒)は、触媒成分に対し
て、通常、0.1〜200(モル比)、好ましくは2〜10(モ
ル比)の範囲で用いられる。
メタセシス触媒および活性剤は、いずれもモノマーに
溶解して用いる方が好ましいが、生成物の性質を本質的
に損なわない範囲であれば少量の溶剤に懸濁または溶解
させて用いてもよい。
(塊状重合) 本発明においては、金型内で、支持体付き発泡体の存
在下、ノルボルネン系モノマーをメタセシス触媒により
塊状で開環重合する方法が用いられる。実質的に塊状重
合であればよく、少量の不活性溶剤が存在していてもか
まわない。
好ましい塊状重合体の製造法では、ノルボルネン系モ
ノマーを二液に分けて別の容器に入れ、一方にはメタセ
シス触媒を、他方には活性剤を添加し、二種類の安定な
反応溶液を調製する。この二種類の反応溶液を混合し、
次いで所定形状の金型中に注入し、そこで塊状による開
環重合を行なう。
金型は、各種合成樹脂、アルミニウム、低融点合金、
木、鉄など種々の材料で作成されたものが使用でき、単
なる型枠であってもよい。
本発明においては従来からRIM成形装置として公知の
衝突混合装置を、二種類の反応原液を混合するために使
用することができる。この場合、二種類の反応原液を収
めた容器は別々の流れの供給源となる。二種類の流れを
RIM機のミキシング・ヘッドで瞬間的に混合させ、次い
で、成形金型中に注入し、そこで即座に塊状重合させて
成形品を得る。
衝突混合装置以外にも、ダイナミックミキサーやスタ
チックミキサーなどの低圧注入機を使用することもでき
る。室温におけるポットライフが1時間もあるような場
合には、ミキサー中で二種類の反応溶液の混合が完了し
てから、予備加熱した金型中へ数回にわたって射出ある
いは注入してもよく、例えば、特開昭59−51911号公報
公報、米国特許第4,426,502号公報明細書)、また、連
続的に注入してもよい。
この方式の場合には、衝突混合装置に比較して装置を
小型化することができ、また、低圧で操作可能という利
点を有するうえ、ガラス繊維などの充填剤の充填量が多
い場合に、注入スピードをゆっくりすることにより、系
内に均一に反応原液を含浸させることが可能となる。
また、本発明では二種類の反応原液を使用する方法に
限定されない。当業者であれば容易に理解しうるよう
に、例えば第三番目の容器にモノマーと所望の添加剤を
入れて第三の流れとして使用するなど各種の変形が可能
である。
金型温度は、通常、10〜150℃、より好ましくは30〜1
00℃である。
金型内の圧力は、芯材となる発泡体を変形させない範
囲とする。具体的には、0.1〜10kg/cm2、好ましくは5kg
/cm2までの範囲内である。
重合時間は適宜選択すればよいが、通常は約20分より
短かく、好ましくは5分以内であるが、それより長くて
もよい。
なお、反応原液は通常窒素ガスなどの不活性ガス雰囲
気下で貯蔵され、また操作されるが、成形金型は必ずし
も不活性ガスでシールしなくてもよい。
(任意成分) 酸化防止材、充填剤、強化材、顔料、着色剤、発泡
剤、難燃剤、摺動付与剤、エラストマー、ジシクロペン
タジエン系熱重合樹脂の水添物など種々の添加剤を配合
することにより、得られるポリマーの特性を改質するこ
とができる。
酸化防止剤としては、フェノール系、リン系、アミン
系など各種のプラスチック・ゴム用酸化防止剤がある。
充填剤にはミルドガラス、ガラス長繊維、ガラスマッ
ト、カーボンブラック、タルク、炭酸カルシウム、雲母
などの無機質充填剤がある。
強化繊維は、外周層の強度をさらに高める目的で、本
発明とあわせて用いることもできる。
エラストマーとしては、天然ゴム、ポリブタジエン、
ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体(SB
R)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合
体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック
共重合体(SIS)、エチレン−プロピレン−ジエンター
ポリマー(EPDM)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EV
A)およびこれらの水素化物などがある。
添加剤は予め反応溶液のいずれか一方または双方に混
合しておくか、あるいは金型のキャビティーに入れてお
く。また、発泡体のまわりに強化繊維を巻きつけ樹脂の
強度を高めることも、本発明の目的を阻害しない範囲で
実施することができる。
実施例 以下に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具
体的に説明する。なお、実施例、比較例中の部は、特に
断りのないかぎり重量基準である。
[実施例1] 密度0.05g/cm3の硬質ウレタンフォーム発泡体(衣浦
工業株式会社製KM−50)を180mm×180mm×6mmの平板状
に切削した。この平板の表面に、各々四隅につき、角よ
り50mm離れた位置4カ所に、支持体として、直径4mm
で、高さ3mmの円柱状のポリプロピレン(三井東圧化学
社製、ノーブレン、熱変形温度115℃)を差し込み、平
板の裏面も同様に4ケ所に円柱状のポリプロピレンを差
し込んだ。
この支持体付き発泡体を芯材として、200mm×200mm×
10mmの空間を有する金型の中央位置に設置した。金型は
60℃に加熱し、垂直に立てた。反応液の注入口は、金型
の下方に設けた。
ジシクロペンタジエン(DCP)100部に、スチレン−イ
ソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)(クイン
タック3421、日本ゼオン社商品名)6.5部を入れて混合
する。この液を2つの容器に入れ、一方には、DCPに対
しジエチルアルミニウムクロリド(DEAC)を41ミリモル
濃度、n−プロピルアルコールを41ミリモル濃度、四塩
化ケイ素を21ミリモル濃度となるようにそれぞれ添加し
た(A液)。
他方には、DCPに対し、トリ(トリデシル)アンモニ
ムモリブデートを10ミリモル濃度となるように添加し、
さらにDCP100部当たりフェノール系酸化防止剤(エタノ
ックス702、エチルコーポレーション社製)4部を添加
した(B液)。
両反応液(A液/B液の混合比1/1)を、前記の金型の
中へギヤーポンプとパワーミキサーを用いてほぼ常圧で
速やかに注入した。
注入後、約3分間重合反応を行い、発泡体を芯材と
し、DCP樹脂を外周層とした平板状の複合成形品を得
た。
このようにして得られた複合成形品の外観は、ヒケの
ない平面性に優れたものであった。円柱状のポリプロピ
レンの端部の跡が認められるが、このポリプロピレン部
分を強く押してはがそうとしても、はがれなかった。さ
らに、複合成形品を切断して、内部の芯材の移動を観察
したが、初めに金型に設置した状態であり、成形中での
移動は認められなかった。
[実施例2〜5、比較例1〜4] ポリプロピレン製の円柱状支持体を用いるかわりに、
下記の各種材料で作成された円柱状支持体を用いた以外
は、実施例1と同様にして複合成形品を得た。
実施例2 ポリエチレン;三井石油化学工業社製、ハイゼック
ス、融点 131℃ 実施例3 ポリスチレン;旭ダウ社製、スタイロン、熱変形温度
70℃ 実施例4 未加硫EPDM;三井石油化学社製、三井EPT、ガラス転移
温度<−50℃ 実施例5 未加硫ポリブタジエン;日本ゼオン社製、BR−1220、
ガラス転移温度<−75℃ 比較例1 PVC;日本ゼオン社製、ゼオンレジンHA、熱変形温度98
℃ 比較例2 ポリカーボネート樹脂;三菱ガス化学社製、コーピロ
ン2000、熱変形温度145℃、ガラス転移温度151℃ 比較例3 ABS樹脂;宇部サイコン社製、サイコラックT、熱変
形温度98℃ 比較例4 熱硬化型DCP樹脂;本発明で外周層として用いたノル
ボルネン系ポリマー、Tg153℃ ポリエチレン、ポリスチレン、EPDM、ポリブタジエン
製の支持体を用いた複合成形品は、ポリプロピレン製支
持体の場合と同様に、ノルボルネン系ポリマー(DCP樹
脂)との接着性に優れ、また、発泡体の移動は認められ
なかった。
これに対して、PVC、ポリカーボネート、ABS樹脂、熱
硬化型DCP樹脂製の支持体を用いた複合成形品は、DCP樹
脂外周層との接着性が悪く、強く押し込めると剥れた。
ただし、発泡体の移動は認められなかった。
[実施例6] 架橋高発泡ポリプロピレンフォーム発泡体(古河電工
社製、密度0.2g/cm3)を、ウレタンフォームのかわりに
用いた以外は、実施例1と同様にして複合成形品を得
た。得られた複合成形品の外観は、ヒケのない平面性に
優れたものであり、DCP樹脂外周層とポリプロピレン支
持体との接着性は良好であり、かつ発泡体の移動は認め
られなかった。
[実施例7] (工程I) 450mm×80mmの空間を有する発泡用金型(不飽和ポリ
エステル製)に、ポリウレタンフォーム用発泡原液(旭
電化社製、アデカフォームミックス;ポリオールとイソ
シアネート、発泡材を混合した液体)を注入し、約5分
間で、発泡体を得た。発泡体の密度は0.1g/cm3であっ
た。
(工程II) 該発泡体の表面10ケ所に、直径4mmで、高さ5mmのポリ
プロピレン(三井東圧化学社製、ノーブレン、熱変形温
度115℃)製の円柱をシアノアクリレート系の接着剤に
て接着した。
(工程III) 460mm×90mmの空間を有する金型内に、前記支持体付
き発泡体を置き、金型温度を60℃に調整した。
(工程IV) 上記金型内へ、実施例1で用いたDCP反応液をギヤー
ポンプとパワーミキサーを用いて速やかに注入した。3
分後に金型を開いて、複合成形品を得た。この成形物の
外観は、ヒケのない平面性に優れたもので、また、ポリ
プロピレン製支持体とDCP樹脂との接着性は良好であ
り、発泡体の移動は認められなかった。
発明の効果 本発明により、軽くて強く、表面平滑性の良好な複合
成形品を提供することができる。ノルボルネン系ポリマ
ーと支持体との接着性に優れているため、後加工が不要
である。本発明の製造法により、特に、大型で複雑な成
形品が簡単な方法で迅速に成形できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 39/00 - 39/44

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱変形温度が150℃以下のオレフィン系ポ
    リマーおよび/または炭化水素系エラストマーで形成さ
    れた支持体を設けた発泡体からなる芯材を金型内に設置
    し、ノルボルネン系モノマーとメタセシス系触媒を含む
    反応液を金型内に供給して塊状重合させ、ノルボルネン
    系ポリマーからなる外周層を形成させることを特徴とす
    る軽量な複合成形品の製造法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の方法で得られる複合成形
    品。
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